JPH06337432A - 液晶表示装置用背面電極板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射型液晶表示装置の利点を維持したまま表
示欠陥がなく外光光源の位置に関わりなく視野角が広く
しかも明るい画面表示が可能な液晶表示装置用背面電極
板を提供すること。 【構成】 この背面電極板は、ガラス基板１と、この基
板上の画素パターンに対応した部位にそれぞれ設けられ
た矩形状の白色層２、カラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、
３Ｂ、及び、透明電極４とでその主要部が構成されてい
る。そして、画素部に入射した光線は上記白色層２によ
り散乱反射されて出射する一方、他の部位に入射した光
線は上記白色層に反射されることがないため表示画面の
コントラストを向上させることが可能となる。また、上
記白色層は絶縁性でこの白色層を介して透明電極４同志
が短絡することがないため欠陥のない画面表示が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、反射型液晶表示装置に
適用される背面電極板に係り、特に、表示欠陥がなくそ
の視野角も広いと共に明るい画面表示が可能な液晶表示
装置用背面基板の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の液晶表示装置は、一般に、偏光
膜と透明電極とが各々設けられた一対の電極板とこれ等
電極板間に封入された液晶物質とでその主要部が構成さ
れている。そして、入射した光線をまず入射側の偏光膜
で直線偏光にし、かつ、上記液晶物質に対して画素毎に
電圧を印加してその配向状態を変化させると共に、その
配向状態によりその部位を透過する上記直線偏光の偏光
面を回転させその回転角に応じて出射側の偏光膜で上記
直線偏光を遮断又は透過させて画面表示を行うものであ
る。

【０００３】尚、カラー画面を表示するカラー液晶表示
装置においては、上記電極のいずれか一方に偏光を着色
するためのカラーフィルター層が設けられている。

【０００４】そして、この種の液晶表示装置としては、
液晶表示装置の背面側に位置する電極板（以下背面電極
板と称する）の裏面若しくは側面に光源（ランプ）を配
置し、背面基電極板側から光線を入射させた表示画面の
明るいバックライト型あるいはライトガイド型のランプ
内蔵式透過型液晶表示装置が広く普及している。

【０００５】しかし、このランプ内蔵式透過型液晶表示
装置においては、そのランプによる消費電力が大きくＣ
ＲＴやプラズマディスプレイ等他の種類のディスプレイ
と略同等の電力を消費するため、液晶表示装置本来の低
消費電力といった特徴を損ない、また、携帯先で長時間
の利用が困難となる欠点を有していた。

【０００６】他方、このようなランプを内蔵することな
く、装置の観察者側に位置する電極板（観察者側電極板
と称する）から室内光や自然光等の外光を入射させ、上
記背面電極板に設けられた金属反射膜で反射させこの反
射光で画面表示する反射型液晶表示装置も知られてい
る。そして、この装置においてはランプを利用しないこ
とから消費電力が小さく、従って、携帯先の長時間駆動
に耐えるという利点を有している。

【０００７】そして、このような反射型液晶表示装置に
適用される背面電極板としては、例えば、図８に示すよ
うに基板ａと、この基材ａ上に一様に形成された金属反
射膜ｂと、この金属反射膜ｂ上にカラーフィルター層ｃ
Ｒ、ｃＧ、ｃＢを介して設けられた透明電極ｄとでその
主要部が構成されたもの、あるいは、図９に示すように
上記金属反射膜ｂが上記透明電極ｄとは反対側の基板ａ
面上に一様に設けられたもの等が知られている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の反
射型液晶表示装置においては、上記金属反射膜ｂが入射
光線を正反射するためその外光の光源の位置によって視
野角が制限されるという問題点を有していた。

【０００９】また、図８に示された構造の背面電極板に
おいては金属反射膜ｂが導電性の高い金属により構成さ
れているため、カラーフィルター層ｃＲ、ｃＧ、ｃＢの
微小欠陥を介して金属反射膜ｂと透明電極ｄとが短絡し
易い欠点があった。そして、複数の透明電極と短絡した
場合、液晶駆動のため一の透明電極に電圧が印加された
際に上記金属反射膜ｂを介して他の透明電極にも電圧が
印加されるようになるため、液晶駆動に支障が生じ表示
欠陥を起こし易い問題点を有していた。

【００１０】他方、図９に示された構造の背面電極板に
おいても、上記金属反射膜ｂが表面に露出しているため
製造段階等でこの金属反射膜ｂに傷がつき易く、画面表
示に際して表示欠陥を引き起こす問題点があった。

【００１１】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、反射型液晶表示
装置の利点を維持したまま、表示欠陥がなく外光光源の
位置に関わりなく視野角が広くしかも明るい画面表示が
可能な液晶表示装置用背面電極板を提供することにあ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】すなわち、請求項１に係
る発明は、矩形状の各画素に対応した複数のカラーフィ
ルター層と透明電極が基板上の画面表示領域内にパター
ン状に設けられた背面電極板と、この背面電極板に対向
して配置された観察者側電極板と、これ等の電極板間に
封入された液晶物質とを備え、この液晶物質に対し画素
毎に電圧を印加して画面表示する液晶表示装置用の上記
背面電極板を前提とし、上記各画素に対応した部位の基
板とカラーフィルター層との間に、画素形状と同一形状
で絶縁性の白色層が設けられていることを特徴とするも
のである。

【００１３】そして、この請求項１に係る電極板によれ
ば、観察者側電極板から画素部に入射した光線は上記絶
縁性の白色層により均一に散乱されかつ反射されて観察
者側基板から出射するため、その入射光線の入射角度の
如何によらずあらゆる方向で明るい表示画面を観察させ
ることが可能となる。

【００１４】また、上記絶縁性の白色層は基板上の各画
素に対応した部位に設けられその他の部位には設けられ
ていないため、画素部以外の部位に入射した光線は上記
白色層によって反射されることがなく、表示画面のコン
トラストを向上させることも可能となる。

【００１５】更に、基板面上に金属反射膜が一様に設け
られていた従来のものと相違して上記白色層は絶縁性で
あり、この白色層を介して複数の透明電極との間で短絡
を生ずることがないため、一の透明電極に電圧を印加し
て液晶物質を駆動する際に他の透明電極が駆動されるこ
とがなく欠陥のない画面表示が可能となる。

【００１６】尚、請求項１に係る液晶表示装置用背面電
極板において上記基板上の画素間部位（画素と画素との
隙間部）にブラックマトリックスを備える場合、この部
位へ入射した光は上記ブラックマトリックスにより吸収
されるためコントラストをより向上させることが可能と
なる。また、このブラックマトリックスにより入射光が
吸収されることからブラックマトリックスの下側に上記
白色層が存在していても、すなわち、基板上に白色層を
一様に形成してもコントラストの低下は生じない。請求
項２〜３に係る発明はこのような技術的理由からなされ
ている。

【００１７】すなわち、請求項２に係る発明は請求項１
に係る液晶表示装置用背面電極板を前提とし、上記基板
上の画素間部位にブラックマトリックスが設けられてい
ることを特徴としており、他方、請求項３に係る発明
は、請求項１に係る発明と同様に、矩形状の各画素に対
応した複数のカラーフィルター層と透明電極が基板上の
画面表示領域内にパターン状に設けられた背面電極板
と、この背面電極板に対向して配置された観察者側電極
板と、これ等の電極板間に封入された液晶物質とを備
え、この液晶物質に対し画素毎に電圧を印加して画面表
示する液晶表示装置用の上記背面電極板を前提とし、上
記基板上に絶縁性の白色層が一様に設けられていると共
に、この白色層上の各画素に対応した部位に上記カラー
フィルター層が設けられ、かつ、上記白色層上の画素間
部位にブラックマトリックスが設けられていることを特
徴とするものである。

【００１８】そして、請求項１〜３に係る発明において
上記絶縁性の白色層としては、波長４００〜７００ｎｍ
の可視光線に対する反射率の高いものが望ましく、例え
ば、樹脂バインダー中に白色顔料を分散して成る樹脂組
成物被膜が挙げられる。

【００１９】上記白色顔料としては、可視光線の反射率
を増大させるため可視領域において屈折率の高いものが
望ましく、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化アルミニウム、酸化鉛等の無機系白色顔料が適用でき
る。また、これら無機系白色顔料の表面に高反射率の金
属被膜をコーティングしたものやこの金属被膜上に更に
無機化合物から成る保護膜を被覆したものであってもよ
い。

【００２０】他方、これ等白色顔料を分散する樹脂バイ
ンターとしては、透明電極形成工程や液晶ディスプレイ
組み立て工程に耐えられるものであればよく、例えば、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂、スチレン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹
脂、これ等の樹脂の混合物、あるいはこれ等の樹脂を水
溶性又はアルカリ可溶性に変性した樹脂、これ等の樹脂
に水溶性樹脂や界面活性剤又は有機溶剤等を添加して成
る樹脂等が適用できる。また、これ等の樹脂に光反応性
モノマーを混合して光硬化性を付与した光硬化性樹脂組
成物、この光硬化性樹脂組成物に硬化剤や光重合開始
剤、あるいは使用前の保存安定性を向上させる重合禁止
剤等を添加したもの等の適用も可能である。

【００２１】尚、白色顔料の混合率を比較的低く抑えて
上記白色層を半透過性にすることにより、半透過型液晶
表示装置（暗室下では液晶表示装置裏面に内蔵されたラ
ンプを点灯して画面表示し、明室下では外光を反射させ
て画面表示する液晶表示装置）の背面電極板として利用
することも可能である。

【００２２】また、請求項２〜３に係るブラックマトリ
クスとしては、カーボンブラックや黒色有機顔料又は黒
色発色性の感熱性発色性顔料を含有する黒色感光性樹脂
を適用することができる。

【００２３】そして、この黒色感光性樹脂を塗布してそ
の被膜を形成した後、フォトリソプロセスを適用して上
記画素間部位にブラックマトリクスを選択的に形成する
ことが可能である。また、画素ピッチが数ｍｍ程度の比
較的粗い電極板においては上記ブラックマトリクスとし
て黒色印刷インキを適用し、この黒色印刷インキを画素
間部位に印刷してブラックマトリクスを形成することも
できる。この印刷法としてはオフセット印刷、凹版オフ
セット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等が利用で
きる。尚、このブラックマトリクスは上記カラーフイル
ター層の下に設けてもよく、またカラーフイルター層の
上に設けてもよい。

【００２４】ここで、請求項１〜３に係る液晶表示装置
用背面電極板においては、上記絶縁性の白色層が光透過
を防止することから、画素に対応した部位の白色層の下
側に導電性のパターンを設けた場合であっても、この導
電性パターンは上記白色層に遮られて表示画面から観察
されることはない。従って、上記白色層の下側に導電性
パターンを設けこの導電性パターンを種々の用途に利用
することが可能となる。このような用途としては、観察
者が表示画面を観察しながらその一部に磁気ペンを近付
けてその液晶表示装置に信号を入力する入力線が例示で
きる。また、透明電極に電圧を印加する際のインピーダ
ンスを低下させる信号線として利用することも可能であ
る。

【００２５】請求項４及び５に係る発明はこのような技
術的理由に基づきなされており、液晶表示装置の機能を
向上させた発明に関するものである。

【００２６】すなわち、請求項４に係る発明は、請求項
１、２又は３記載の液晶表示装置用背面電極板を前提と
し、外部磁界によって信号を入力できる電磁誘導入力線
が上記基板と絶縁性の白色層との間に設けられているこ
とを特徴とし、他方、請求項５に係る発明は、請求項
１、２又は３記載の液晶表示装置用背面電極板を前提と
し、上記透明電極に接続されこの透明電極に信号電圧を
印加する信号線が上記基板と絶縁性の白色層との間に設
けられていることを特徴とするものである。

【００２７】これ等請求項４及び５に係る発明において
上記電磁誘導入力線若しくは信号線を構成する材料とし
ては、金属クロムや金属銅等の金属薄膜、ＩＴＯ等の透
明導電膜が適用でき、これらを周知のフォトリソプロセ
スに従ってパターニングすることにより形成することが
できる。

【００２８】尚、請求項５に係る発明において、基板上
に設けられた信号線と、上記絶縁性の白色層及びカラー
フィルター層上に設けられた透明電極とを接続させる方
法としては、例えば、上記透明電極を画素パターンと同
一の形状に設定し、かつ、透明電極の端部と上記信号線
の端部を上記白色層及びカラーフィルター層より外側へ
若干突出させるように延ばすと共に、上記透明電極の延
長された部位を上記白色層及びカラーフィルター層の側
面に沿って下方側へ延ばして上記信号線の端部と接続さ
せる方法が挙げられる。

【００２９】次に、本発明に係る液晶表示装置用背面電
極板を製造する際、カラーフィルター形成工程や透明電
極形成工程等の後工程で利用するアライメントマークを
上記白色層の形成時に合わせて形成することが可能であ
り、また、上記カラーフィルター層上に透明樹脂により
構成される平坦化層を形成して透明電極形成面を平坦に
することも可能である。

【００３０】請求項６及び７に係る発明はこのような理
由からなされたものである。

【００３１】すなわち、請求項６に係る発明は、請求項
１、２、３、４又は５記載の液晶表示装置用背面電極板
を前提とし、基板上の画面表示領域外の部位に絶縁性の
白色層と同一の材料で構成されたアライメントマークが
設けられていることを特徴とし、他方、請求項７に係る
発明は、請求項１、２、３、４、５又は６記載の液晶表
示装置用背面電極板を前提とし、透明樹脂により構成さ
れ表面を平坦化させる平坦化層が上記カラーフィルター
層上に設けられていることを特徴とするものである。

【００３２】尚、請求項７に係る発明において上記平坦
化層に適用できる材料としては、液晶表示装置を組立て
る際の熱処理や洗浄液に耐えられるものであればよく、
例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ホリイミド樹脂、こ
れ等樹脂の混合物、あるいはこれら樹脂に他の有機材料
（例えば、反応性モノマー、硬化剤、反応開始剤、有機
溶剤、界面活性剤等）を添加して成る樹脂等が適用でき
る。

【００３３】また、液晶が封入される液晶セルにおける
セルギャップ精度の要求が厳しいＳＴＮ液晶表示装置、
強誘電性液晶表示装置、反強誘電性液晶表示装置等の液
晶表示装置においては、背面電極板と観察者側電極板と
をシールする周縁シール部まで上記平坦性が要求される
ことから、この周縁シール部まで上記平坦化層を設けて
もよい。

【００３４】これ等請求項１〜７に係る発明において、
上記基板としてはガラス板、セラミック板、プラスチッ
クフィルム、プラスチックボード等が使用でき、任意の
色彩を有するものであってよい。また、放熱性や剛性を
向上させるため金属板で裏打ちされたものであってもよ
い。

【００３５】また、請求項１〜７に係る発明において上
記カラーフィルター層は、有機顔料が分散された感光性
樹脂を一様に塗布し、周知のフォトリソプロセスにより
露光・現像して形成したり、パターニングされた樹脂膜
を染料で染色する方法等でこれを形成することができ
る。また、着色剤を含む印刷インキを、オフセット印
刷、凹版オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印
刷等の印刷法により印刷して形成することも可能であ
る。

【００３６】他方、上記透明電極としては、酸化インジ
ウムの中にドーパントとして酸化錫を混合して成るＩＴ
Ｏ薄膜、酸化インジウムの中に酸化ジルコニウム、酸化
チタン又は酸化マグネシウムを添加して構成される薄
膜、あるいは酸化亜鉛の中に酸化アルミニウムやフッ素
を添加して構成される薄膜等が適用できる。

【００３７】尚、本発明に係る背面電極板は、ＴＮ（ツ
イスト・ネマティック）型液晶表示装置、ＳＴＮ（スー
パー・ツイスト・ネマティック）型液晶表示装置、強誘
電性液晶表示装置、反強誘電性液晶表示装置、ホメオト
ロピック液晶表示装置、高分子分散型液晶表示装置、ゲ
ストホスト型液晶表示装置等の各種反射型液晶表示装置
の背面電極板として適用することが可能である。

【００３８】

【作用】請求項１、２及び請求項６、７に係る発明によ
れば、各画素に対応した部位の基板とカラーフィルター
層との間に画素形状と同一形状で絶縁性の白色層が設け
られており、また、請求項３及び請求項６、７に係る発
明によれば、基板上に絶縁性の白色層が一様に設けられ
ていると共に、この白色層上の各画素に対応した部位に
上記カラーフィルター層が設けられ、かつ、上記白色層
上の画素間部位にブラックマトリックスが設けられてい
るため、観察者側電極板から画素部に入射した光線は上
記白色層により均一に散乱されかつ反射されて観察者側
基板から出射するため、その入射光線の入射角度の如何
によらずあらゆる方向で明るい表示画面を観察させるこ
とが可能となる。

【００３９】更に、請求項１、２及び請求項６、７に係
る液晶表示装置用背面電極板においては上記絶縁性の白
色層が基板上の各画素に対応した部位に設けられその他
の部位には設けられておらず、また、請求項３及び請求
項６、７に係る液晶表示装置用背面電極板においては画
素間部位にブラックマトリックスが設けられているた
め、画素部以外の部位に入射した光線は上記白色層によ
って反射されることがなく、表示画面のコントラストを
向上させることも可能となる。

【００４０】また、基板面上に金属反射膜が一様に設け
られていた従来のものと相違して上記白色層は絶縁性で
あり、この白色層を介して複数の透明電極との間で短絡
を生ずることがないため、一の透明電極に電圧を印加し
て液晶物質を駆動する際に他の透明電極が駆動されるこ
とがなく欠陥のない画面表示が可能となる。

【００４１】特に、請求項２及び３に係る発明によれ
ば、基板上又は一様に設けられた白色層上の画素間部位
にブラックマトリックスが設けられているため、上記画
素間部位に入射された光はブラックマトリックスにより
吸収されることからコントラストの向上を更に図ること
が可能となる。

【００４２】次に、請求項４に係る発明によれば、外部
磁界によって信号を入力できる電磁誘導入力線が、上記
基板と絶縁性の白色層との間に設けられているため、観
察者が表示画面を観察しながらその表示画面に対し磁気
ペンを近付けることにより信号を入力することが可能と
なり、また、請求項５に係る発明によれば、透明電極に
接続されこの透明電極に信号電圧を印加する信号線が上
記基板と絶縁性の白色層との間に設けられているため、
上記透明電極に電圧を印加する際のインピーダンスを低
下させることが可能となる。

【００４３】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。

【００４４】［実施例１］この実施例に係る液晶表示装
置用背面電極板は、図１〜図２に示すように厚さ０．７
ｍｍのガラス基板１と、このガラス基板１上の画素パタ
ーン（１画素：横９０μｍ×縦３１０μｍの矩形状、配
列のピッチ：横方向１１０μｍ、縦方向３３０μｍ）に
対応した部位に設けられた矩形状の白色層２と、この白
色層２と同一材料でかつ画面表示領域外の部位に同時に
形成されたアライメントマーク５と、上記白色層２に位
置整合させて設けられかつ幅１１０μｍのストライプ形
状を有する三色（赤色、緑色、青色）のカラーフィルタ
ー層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂと、これ等カラーフィルター層３
Ｒ、３Ｇ、３Ｂ上にストライプ状に配設された厚さ０．
２４μｍのＩＴＯから成る透明電極４とでその主要部が
構成されている。

【００４５】尚、上記白色層２及びアライメントマーク
５は、酸化チタンから成る白色顔料をアクリル系感光性
樹脂内に分散させ、上記ガラス基板１上に一様に塗布し
た後にフォトリソプロセスに従ってパターニングして形
成されたものである。

【００４６】また、上記カラーフィルター層３Ｒ、３
Ｇ、３Ｂは、東洋インキ製造（株）製ＳＭＸ ＣＦ Ｓ
ＭＥ系の赤色インキ、緑色インキ及び青色インキの各々
を凹版印刷して形成されているものである。

【００４７】［実施例２］この実施例に係る液晶表示装
置用背面電極板は、図３に示すように厚さ１．１ｍｍの
ガラス基板１と、このガラス基板１上の画面表示領域内
に一様に設けられた白色層２’と、この白色層２’上の
画素間部位に設けられた厚さ約１．２μｍのブラックマ
トリクス６と、上記白色層２’上の画素パターンに対応
した部位にストライプ状に設けられた厚さ約１．２μｍ
の三色（赤色、緑色、青色）のカラーフィルター層３
Ｒ、３Ｇ、３Ｂと、このカラーフィルター層３Ｒ、３
Ｇ、３Ｂとブラックマトリクス６の表面を覆いその段差
を埋めて表面の平坦化を図るエポキシ系透明感光性樹脂
（フェノールノボラック樹脂を骨格とし感光性が付与さ
れた樹脂）から成る厚さ約１μｍの平坦化層７と、この
カラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂに位置整合してス
トライプ状に配設された厚さ０．３０μｍのＩＴＯから
成る透明電極４とでその主要部が構成されているもので
ある。

【００４８】尚、上記白色層２’、カラーフィルター層
３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ、及び、透明電極４は、それぞれ、実
施例１に係る白色層２、カラーフィルター層３Ｒ、３
Ｇ、３Ｂ、及び、透明電極４と同様に形成されており、
また、ブラックマトリクス６は黒色の感光性樹脂を上記
白色層２’上に一様に塗布した後、フォトリソプロセス
に従いパターニングして形成されているものである。

【００４９】［実施例３］この実施例に係る液晶表示装
置用背面電極板は、図４に示すように厚さ０．７ｍｍの
ガラス基板１と、このガラス基板１上の画素パターン
（１画素：横９０μｍ×縦３１０μｍの矩形状、配列の
ピッチ：横方向１１０μｍ、縦方向３３０μｍ）に対応
した部位に設けられた矩形状の白色層２と、この白色層
２に位置整合させて設けられた幅１１０μｍのストライ
プ形状を有する三色（赤色、緑色、青色）のカラーフィ
ルター層３’Ｒ、３’Ｇ、３’Ｂと、このカラーフィル
ター層３’Ｒ、３’Ｇ、３’Ｂ上にストライプ状に配設
された厚さ０．２４μｍのＩＴＯから成る透明電極４
と、この透明電極４上の画素間部位に対応する凹部に埋
設されたブラックマトリクス６’とでその主要部が構成
されているものである。

【００５０】尚、上記白色層２、及び、透明電極４は、
それぞれ、実施例１に係る白色層２、及び、透明電極４
と同様に形成されており、また、カラーフィルター層
３’Ｒ、３’Ｇ、３’Ｂは有機顔料が配合された感光性
樹脂を塗布しフォトリソプロセスに従いパターニングし
て形成されているものである。

【００５１】また、上記ブラックマトリクス６’は、黒
色の感光性樹脂を一様に塗布した後フォトリソプロセス
に従いパターニングして形成したものである。

【００５２】［実施例４］この実施例に係る液晶表示装
置用背面電極板は、図５に示すように厚さ０．７ｍｍの
ガラス基板１と、このガラス基板１上にストライプ状に
設けられた幅約２０μｍの金属薄膜から成る電磁誘導入
力線８と、この電磁誘導入力線を隠蔽するように一様に
設けられた厚さ１．０μｍの白色層２’と、この白色層
２’上の画素間部位に設けられた厚さ約１．０μｍのブ
ラックマトリクス６と、上記白色層２’上の画素パター
ンに対応した部位でかつ上記電磁誘導入力線８と直交す
る方向へストライプ状に設けられた厚さ約１．５μｍの
三色（赤色、緑色、青色）のカラーフィルター層３Ｒ、
３Ｇ、３Ｂと、このカラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３
Ｂとブラックマトリクス６の表面を覆いその段差を埋め
て表面の平坦化を図るエポキシ系透明感光性樹脂（フェ
ノールノボラック樹脂を骨格とし感光性が付与された樹
脂）から成る厚さ約１μｍの平坦化層７と、このカラー
フィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂに位置整合してストライ
プ状に配設された厚さ０．２５μｍのＩＴＯから成る透
明電極４とでその主要部が構成されているものである。

【００５３】また、上記電磁誘導入力線８は、ガラス基
板１側に設けられた厚さ０．０５μｍの金属クロム薄膜
と、その上に積層された厚さ０．２５μｍの銅薄膜とで
構成されており、観察者が表示画面を観察しながらその
一部に磁気ペンを近付けることにより上記電磁誘導入力
線８に電磁誘導電流が流れて信号の入力を可能にさせる
ものである。

【００５４】尚、上記各層の内、白色層２’、ブラック
マトリクス６、カラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ、
平坦化層７、及び、透明電極４は、それぞれ実施例２の
対応する各層と同様の方法で設けられている。

【００５５】［実施例５］この実施例に係る液晶表示装
置用背面電極板は、図６に示すように厚さ１．１ｍｍの
ガラス基板１と、このガラス基板１上に略ストライプ状
（図７において実線でその外形を示す）に設けられた厚
さ０．２５μｍのＩＴＯから成る信号線９と、この信号
線９を隠蔽しかつ画素パターン（１画素：横３００μｍ
×縦３００μｍの矩形状、配列のピッチ：横方向３３０
μｍ、縦方向３３０μｍ、図７に外形を破線で示す）に
対応した部位に設けられた厚さ約１μｍで矩形状の白色
層２と、この白色層２に位置整合させて設けられかつ幅
３００μｍのストライプ形状を有する厚さ約１．５μｍ
の三色（赤色、緑色、青色）のカラーフィルター層３
Ｒ、３Ｇ、３Ｂと、このカラーフィルター層３Ｒ、３
Ｇ、３Ｂに位置整合させて設けられかつその端部をカラ
ーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂより約１５μｍ外方へ
突出させるように延ばすと共にその延長された部位を上
記白色層２及びカラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂの
側面に沿って下方側へ延ばして上記信号線９の端部に接
続させた（図６参照）厚さ０．１μｍで矩形状（矩形パ
ターン：横３００μｍ×縦３１５μｍ）のＩＴＯから成
る透明電極４とでその主要部が構成されているものであ
る。

【００５６】尚、上記各層の内、白色層２、ブラックマ
トリクス６、カラーフィルター層３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ、及
び、透明電極４は、それぞれ実施例２の対応する各層と
同様の方法で設けられている。

【００５７】

【発明の効果】請求項１、２、３、及び、請求項６、７
に係る発明によれば、観察者側電極板から画素部に入射
した光線は白色層により均一に散乱されかつ反射されて
観察者側基板から出射するためその入射光線の入射角度
の如何によらずあらゆる方向で明るい表示画面を観察さ
せることが可能となり、かつ、画素部以外の部位に入射
した光線は上記白色層によって反射されることがないた
め表示画面のコントラストを向上させることも可能とな
る。

【００５８】また、基板面上に金属反射膜が一様に設け
られていた従来のものと相違して上記白色層は絶縁性で
あり、この白色層を介して複数の透明電極との間で短絡
を生ずることがないため一の透明電極に電圧を印加して
液晶物質を駆動する際に他の透明電極が駆動されること
がなく欠陥のない画面表示が可能となる。

【００５９】従って、反射型液晶表示装置の利点を維持
したまま、表示欠陥がなく外光光源の位置に関わりなく
視野角が広くしかも明るい画面表示が可能な液晶表示装
置用背面電極板を提供できる効果を有している。

【００６０】次に、請求項４に係る発明によれば、観察
者が表示画面を観察しながらその表示画面に対し磁気ペ
ンを近付けることにより信号を入力することが可能とな
り、また、請求項５に係る発明によれば、透明電極に電
圧を印加する際のインピーダンスを低下させることが可
能になるため、これ等の液晶表示装置用背面電極板を液
晶表示装置に組込むことによりその機能を更に向上でき
る効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１に係る液晶表示装置用背面電極板の断
面説明図。

【図２】実施例１に係る液晶表示装置用背面電極板の平
面図。

【図３】実施例２に係る液晶表示装置用背面電極板の断
面説明図。

【図４】実施例３に係る液晶表示装置用背面電極板の断
面説明図。

【図５】実施例４に係る液晶表示装置用背面電極板の断
面説明図。

【図６】実施例５に係る液晶表示装置用背面電極板の断
面説明図。

【図７】実施例５に係る液晶表示装置用背面電極板の信
号線と透明電極との形状を示す平面説明図。

【図８】従来例に係る液晶表示装置用背面基板の断面
図。

【図９】従来例に係る液晶表示装置用背面基板の断面
図。

【符号の説明】

１ ガラス基板 ２ 白色層 ２’ 白色層 ３Ｒ カラーフィルター層 ３Ｇ カラーフィルター層 ３Ｂ カラーフィルター層 ４ 透明電極 ５ アライメントマーク ６ ブラックマトリクス ７ 平坦化層 ８ 電磁誘導入力線 ９ 信号線

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形状の各画素に対応した複数のカラーフ
   ィルター層と透明電極が基板上の画面表示領域内にパタ
   ーン状に設けられた背面電極板と、この背面電極板に対
   向して配置された観察者側電極板と、これ等の電極板間
   に封入された液晶物質とを備え、この液晶物質に対し画
   素毎に電圧を印加して画面表示する液晶表示装置用の上
   記背面電極板において、 上記各画素に対応した部位の基板とカラーフィルター層
   との間に、画素形状と同一形状で絶縁性の白色層が設け
   られていることを特徴とする液晶表示装置用背面電極
   板。
2. 【請求項２】上記基板上の画素間部位にブラックマトリ
   ックスが設けられていることを特徴とする請求項１記載
   の液晶表示装置用背面電極板。
3. 【請求項３】矩形状の各画素に対応した複数のカラーフ
   ィルター層と透明電極が基板上の画面表示領域内にパタ
   ーン状に設けられた背面電極板と、この背面電極板に対
   向して配置された観察者側電極板と、これ等の電極板間
   に封入された液晶物質とを備え、この液晶物質に対し画
   素毎に電圧を印加して画面表示する液晶表示装置用の上
   記背面電極板において、 上記基板上に絶縁性の白色層が一様に設けられていると
   共に、この白色層上の各画素に対応した部位に上記カラ
   ーフィルター層が設けられ、かつ、上記白色層上の画素
   間部位にブラックマトリックスが設けられていることを
   特徴とする液晶表示装置用背面電極板。
4. 【請求項４】外部磁界によって信号を入力できる電磁誘
   導入力線が、上記基板と絶縁性の白色層との間に設けら
   れていることを特徴とする請求項１、２又は３記載の液
   晶表示装置用背面電極板。
5. 【請求項５】上記透明電極に接続されこの透明電極に信
   号電圧を印加する信号線が、上記基板と絶縁性の白色層
   との間に設けられていることを特徴とする請求項１、２
   又は３記載の液晶表示装置用背面電極板。
6. 【請求項６】上記基板上の画面表示領域外の部位に、絶
   縁性の白色層と同一の材料で構成されたアライメントマ
   ークが設けられていることを特徴とする請求項１、２、
   ３、４又は５記載の液晶表示装置用背面電極板。
7. 【請求項７】透明樹脂により構成され表面を平坦化させ
   る平坦化層が上記カラーフィルター層上に設けられてい
   ることを特徴とする請求項１、２、３、４、５又は６記
   載の液晶表示装置用背面電極板。