JPH06336588A - コークスの製造方法並びに蒸気回収方法とその回収設備 - Google Patents

コークスの製造方法並びに蒸気回収方法とその回収設備

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JPH06336588A
JPH06336588A JP13931993A JP13931993A JPH06336588A JP H06336588 A JPH06336588 A JP H06336588A JP 13931993 A JP13931993 A JP 13931993A JP 13931993 A JP13931993 A JP 13931993A JP H06336588 A JPH06336588 A JP H06336588A
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coke
air
chamber
gas
temperature
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JP13931993A
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Yukihiko Maeno
幸彦 前野
Hiroshi Haraguchi
博 原口
Hideto Sekine
秀人 関根
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、コ−クス炉で低温度で乾留を終え
窯出するコ−クスを、乾式消化設備(CDQ)へ装入
し、CDQプレチャンバー内でコークスから発生する可
燃性ガスを均一に燃焼させることでコークスを加熱焼成
し、製品となるコ−クスを製造することを目的とする。 【構成】CDQに限れば、プレチャンバ−の頂部空間部
に、複数のランスを設け、吹込む空気の吐出方向、区
域、ランス毎の空気の吐出量等を自在に選択できるよう
にし、温度計および/またはガス分析計の出力を比較演
算器で比較し、該比較演算器の出力でランス、流量調節
弁、放散ガス管の弁等を制御しつつ適正運転できるよう
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、コークスの製造方法な
らびに該コークスの顕熱を利用する蒸気回収方法および
その回収設備に関するものである。換言すると、室式コ
ークス炉で乾留したコークスを、700℃〜900℃の
低温度で窯出して乾式消火設備(以下、これをCDQと
言う。)で加熱焼成してコークスを製造する方法と、該
CDQで加熱焼成した後のコークス顕熱を利用して蒸気
を回収する方法及びその蒸気を回収する設備である。
【0002】
【従来技術】コークスを窯出した後の消火は、散水によ
って行う時代からCDQで行う時代に至り、さらにはコ
ークスを700℃〜900℃の低温度で乾留したコーク
スを窯出し、直ちにCDQのチャンバー内へ装入し、加
熱焼成してコークスを製造する方式が提案される時代に
至り、既に本願出願人は次のとおり提案している。 ア)特開平2−194087号「高炉用コークスの製造
方法」 イ)特開平2−199191号「高炉用コークスの加熱
焼成方法」
【0003】すなわち上記のア)は、コークス炉から窯
出した800〜900℃のコークスを、CDQのプレチ
ャンバー内で加熱焼成するとき、被処理コークスの性状
変化に応じてCDQ系内での加熱焼成条件制御して、処
理後のコークス製品の性状を一定に保つことを目的とす
るものであることは、発明の解決しようとする課題の記
載より明らかである。従ってプレチャンバー内への導入
空気量を、フィードフォワード制御することで目的を達
成しようとするもので、該チャンバー内の被処理コーク
スを均一に加熱すること、温度分布も均一化すること、
製品となるコークスの性状のバラツキを改善する等、工
業的規模で安定製造する方式については明らかにしてお
らず、技術の発展過程からみても工業的規模で安定製造
するには難点がある。
【0004】また上記イ)は、正にコークス炉とCDQ
の組合せでコークスを製造しようとする提案であるが、
CDQのプレチャンバー内で、コークスからの発生ガス
を燃焼さることによりコークスを加熱焼成することを記
載するに止まる。従ってCDQのプレチャンバー内の被
処理コークスを均一に加熱すること、温度分布も均一化
すること、製品となるコークスの性状のバラツキを改善
する等、工業的規模で安定製造する方式については明ら
かにしておらず、技術の発展過程からみても工業的規模
で安定製造するには難点がある。
【0005】一方、CDQにおける被処理コークスの顕
熱を利用して蒸気を発生させて利用(回収)する提案に
関するものに、例えば特開平3−259993号「コー
クス乾式消火設備の操業方法」があり、CDQの操業を
円滑に安定して行うこと、蒸気発生量の変動幅を小さく
することを目的とする方式を提案している。然るに該提
案は、蒸気発生量の変動幅を小さくするための方式を記
載するに止まり、CDQのプレチャンバー内の被処理コ
ークスを均一に加熱すること、温度分布も均一化するこ
と、製品となるコークスの性状のバラツキを改善する
等、工業的規模で安定製造する方式については明らかに
していない。従って、例えば、室式コークス炉で700
℃〜900℃の低温度で乾留したコークスを窯出し、C
DQで加熱焼成してコークスを製造すること、またCD
Qで加熱焼成してコークスを製造する際の熱を利用して
蒸気を回収することを満たすことができない問題があ
る。ましてやプレチャンバー内の被処理コークス層との
頂部空間部内の温度、ガス組成等のバラツキを改善し
て、主に被処理コークスから発生する可燃性ガスを、系
外から供給する空気によって燃焼させることによる温度
上昇維持を図ることは期待できない問題もある。
【0006】ところで近年の鉄鋼業をみると、コークス
炉の延命施策が、設備投資、還元製鉄法の展望、次世代
コークス炉の展望等から関心をもたれている。この一つ
の施策として、本願出願人は、先に既述するア)、イ)
の先行技術を提案している。この背景から考えると、コ
ークスの製造は、コークス炉とCDQとの組合せで製造
できれば、画期的な技術的意義のある施策と言える。
【0007】然るに、コークス炉とCDQとの組合せで
コークスの製造を行うには、例えば、低温度でコークス
の乾留を終え、低温度でコークスの窯出をし、CDQで
製品として供給できる品質のコークスにしなければなら
ず、現在の技術水準では予想を越える困難があり、本発
明者等が知るかぎりでは今だに実機化された情報を把握
していない。
【0008】この予想を越える困難性の一例を説明する
と、例えば、コークス炉の炭化室内の乾留進行にはバラ
ツキがあり、炉蓋近傍のコークス温度は炭化室中央部に
比して低く、コークス品質も影響を受ける。また欺様な
状態は、コークスの窯出時の押し出し抵抗を左右した
り、発塵量を増加させたり、様々な問題の要因になるの
で、これ等を悉く解決できない限り、コークス炉とCD
Qとの組合せでコークス製造を行うことはできない。本
願出願人は、幸いにも低温度でコークスを乾留し、窯出
する技術を開発しており、またCDQとの組合せでコー
クスを製造する方式についても、工業的規模で目処をつ
けている。
【0009】
【発明の技術的課題】そこで本発明は、このCDQとの
組合せでコークスを製造する方式に関して、工業的に安
定性のある方式を以下に提案しようとするものである。
具体的には、以下に列挙する技術的課題を達成しようと
するものである。 カ)CDQのプレチャンバー内のコークス層との頂部空
間部で、主にコークスから発生する可燃性のガスを均一
に燃焼できるよう、該頂部空間部へ、空気を制御して均
一に供給できるようにすること。 キ)上記カ)に基づき、コークス性状のバラツキを改善
できること。 ク)上記カ)に基づき、燃焼熱によりコークス温度を上
昇させることで、コークス品質の向上を図ること。 ケ)室式コークス炉でコークスを800℃±100℃の
低温度で乾留し、該温度で窯出して、CDQとの組合せ
操業により安定して工業的規模でコークスを製造できる
こと。 コ)コークス炉からのコークスを、CDQで加熱焼成す
るとき、上記のカ)に基づく頂部空間部の燃焼バラツキ
の改善によって温度上昇を図り、ボイラでの蒸気発生量
の安定化も図れるようにすること。 サ)コークス炉とCDQとの組合せでコークス製造を行
うことにより、コークス炉での乾留所要時間を短縮して
生産性向上を図ること、また低温度での乾留等により、
コークス炉の延命を図ること、燃料原単位を改善できる
こと等。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は欺る技術的課題
を達成するため、以下に示す特徴とする手段を提供する
ものである。
【第1特徴】 室式コークス炉を用いてコークスを70
0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造方法にお
いて、少なくとも次のA.B.C.又はC´の条件を組
み合わせて製造することを特徴とする、コークスの製造
方法。 A.コークスを700℃〜900℃で窯出する。 B.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間へ供給
する空気は、ブロワーと流量調節弁を介して頂部空間部
に複数設けるランスから供給する。 C.上記Bのランスから供給する空気量は、頂部空間の
温度および/またはガス組成の変化を設定値と比較演算
し、頂部空間部で均一になるよう供給する。 C´上記Bのランスから供給する空気量は、コークス押
出時に測定された炉壁温度又はコークス温度から演算さ
れた値に設定され、頂部空間部で均一になるよう供給す
る。
【第2特徴】 室式コークス炉を用いてコークスを70
0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造方法をお
いて、少なくとも次のA.B.C.(又はC´)D.の
条件を組み合わせて蒸気を発生させることを特徴とす
る、コークスの顕熱を利用する蒸気回収方法。 A.コークスを700℃〜900℃で窯出する。 B.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間へ供給
する空気は、ブロワーと流量調節弁を介して頂部空間部
に複数設けるランスから供給する。 C.上記Bのランスから供給する空気量は、頂部空間の
温度および/またはガス組成の変化を設定値と比較演算
し、頂部空間部で均一になるよう供給する。 C´上記Bのランスから供給する空気量は、コークス押
出時に測定された炉壁温度又はコークス温度から演算さ
れた値に設定され、頂部空間部で均一になるよう供給す
る。 D.プレチャンバーとボイラーとをガス循環経路循環で
連絡し、プレチャンバーで発生する顕熱を有するガスを
ボイラーを通過させ蒸気を発生させる。
【第3特徴】 室式コークス炉を用いてコークスを70
0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造設備にお
いて、少なくとも次のA.B.C.Dから成ることを特
徴とする、コークスの顕熱を利用する蒸気回収設備。 A.石炭を乾留して700℃〜900℃でコークスを窯
出するコークス炉およびその付帯設備。 B.上記Aのコークスを、乾式消火設備のプレチャンバ
ーへ供給するための搬送装置。 C.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間に、空
気を供給するランスを複数箇所で貫通して設け、該ラン
スに取り付ける空気導管に流量調節弁とブロワーを介し
て空気導入装置と接続、またプレチャンバーとボイラー
を、上部ガス循環経路と下部ガス循環経路で接続し、且
つ下部ガス循環経路に循環ガスブロワーと放散ガス管を
設ける乾式消火設備。 D.上記Cの乾式消火設備に設ける、コークス搬出装
置。
【0011】ここで本発明の特徴の限定理由を説明す
る。
【コークスを700℃〜900℃で窯出する】ことにつ
いて。コークス炉でのコークスの窯出温度を、700℃
〜900℃とする理由は、700℃未満では窯出時の押
出負荷が著しく高く、発塵量も増加し、コークス品質低
下も大きく、また現在の技術水準では、工業的規模で窯
出できる技術が見当たらない。従って下限温度を700
℃以上に限定する。また、既述する本発明の技術的課
題、特に燃料原単位の改善を達成できないこと等を回避
するために限定する。
【0012】
【プレチャンバー内のコークス層との頂部
空間へ供給する空気は、ブロワーと流量調節弁を介して
頂部空間部に複数設けるランスから供給する】ことにつ
いて。本発明の技術的課題は、例えば、プレチャンバー
内のコークス層との頂部空間部において、主としてコー
クスから発生する可燃性ガスを燃焼するとき、この燃焼
現象がバラツキなく発生するようにすることが、燃焼温
度の上昇を図れること、またボイラでの蒸気の発生量を
増加することに寄与できる等のために必要である。従っ
て、プレチャンバー内のコークス層との頂部空間部にお
ける、コークスから発生する可燃性ガスの発生状況に適
合する空気を供給することが、頂部空間部での可燃性ガ
スの燃焼現象のバラツキを改善することになる。一方、
ボイラー側の引圧が強いため、プレチャンバー内の空
気、燃焼ガスの流れは均一でなく、それ故、空気の供給
量を適正にするには、ブロワーと流量調節弁を介して頂
部空間部にプレチャンバー内のガス流れを考慮して配置
された複数のランスから供給するすることが良いので、
これを必須構成要件として限定する。
【0013】
【頂部空間部に複数設けるランスから供給
する空気量は、頂部空間の温度および/またはガス組成
の変化を設定値と比較演算し、頂部空間部で均一になる
ように供給する】ことについて。すなわち頂部空間部
で、コークスから発生する可燃性ガスを、バラツキなく
燃焼させるには、過不足なく空気を供給しなければなら
ない。従ってコークスから発生する可燃性ガスは、頂部
空間の温度および/またはガス組成の変化によって左右
されることが支配要因であるから、この設定値を予め被
処理コークスの性状から推定して定めておき、温度計お
よび/またはガス分析計からの出力を比較演算器で比較
演算し、その出力信号で流量調節弁を調節しつつ、ブロ
ワーからの空気を、頂部空間部に複数設けるランスから
供給することが良いので限定する。特に、ランスを頂部
空間部に複数設けることは、頂部空間部内のバラツキを
改善するためには必須の構成要件である。
【0014】
【プレチャンバーとボイラーとをガス循環
経路循環で連絡し、プレチャンバーで発生する顕熱を有
するガスを、ボイラーを通過させ蒸気を発生させる】こ
とについて。ボイラでの蒸気の発生量を安定化するに
は、該ボイラーを通過するプレチャンバーからの熱を有
するガスの温度の安定性(熱量の安定性)が支配要因で
ある。そこで該ガスが、プレチャンバーとボイラーの間
を循環する際に、該ガスの流量、温度、含有物量(塵、
コークス粉等)の程度を適正化しなければならない。従
ってガスを循環する機能、ガスの流量を調整する機能、
ガスを清浄する機能等が質量分布の適正化の観点からも
必要になるので限定する。
【0015】また本発明に係わる設備構成要件の限定に
ついては、上記の限定理由を装置構成、設備構成の観点
で読み代えることによて理解できるので、説明を省略す
る。
【0016】
【本発明の作用】本発明は欺様な特徴からなるので、概
ね次のように作用する。室式コークス炉で700℃〜9
00℃の範囲の低温度で乾留を終了したコークスは、該
温度範囲の低温度で窯出する。この際、窯出コークスの
押出圧、発塵等はコークス製造上、許容する範囲で支障
は見当たらない。
【0017】窯出したコークスは、CDQのプレチャン
バーに装入し、該プレチャンバーの頂部空間部に複数設
けたランスより、温度計および/またはガス析計からの
情報に基づき、流量調整弁で調整しつつブロワーにより
空気を圧送して頂部空間部内へ供給する。この際、各ラ
ンスは、コークス層の頂部および/または頂部空間部に
対して、伸縮自在、揺動自在(空気の吐出方向を調整自
在)にする等の構成にしていれば、空気の吐出方向を変
え、コークスから発生する可燃性ガスの発生状況に適合
するよう供給できるので、より一層、理想的な燃焼現象
による温度上昇、コークスの加熱焼成、その他の物理的
現象の促進に寄与が期待できる。
【0018】プレチャンバからの顕熱を有するガスは、
上部ガス循環経路を通りボイラーに至り、該顕熱の作用
によりエネルギーを蒸気の発生に置換する。
【0019】ボイラから出る蒸気の発生に寄与したガス
は、循環ガスブロワーの作用で、下部ガス循環経路から
クーリングチャンバーを経て再びプレチャンバーに戻
り、再びコークスの顕熱、該コークスの加熱焼成に伴う
顕熱を持ってボイラーへ至り蒸気発生に作用する。欺様
な循環作用は、プレチャンバーに装入するコークスの顕
熱、該コークスの加熱焼成に伴う顕熱がある限り繰り返
し機能する。なお下部ガス循環経路を経てクリンチャン
バーへ戻る循環ガスは、放散ガス管に設ける弁の開度を
制御することで不要量だけ系外へ放散する。この弁の開
度制御は、既述の温度計、ガス分析計の情報が比較演算
器に与えられ、流量調節弁を制御するとき等に共に制御
する場合もある。これ等の制御によって、系内の必要な
循環ガス量、ガス温度等が操業許容範囲内を保ように機
能する。
【0020】CDQのプレチャンバーで加熱焼成して製
品となったコークスは、プレチャンバーで循環ガスに与
える熱のバラツキが生じない量だけ、順次系外へ切り出
し、必要な工程へ供給する。本発明は欺様に機能してコ
ークスを工業的規模で製造する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面、グラフ、
表に基づき説明する。図1は、本発明に係わるコークス
製造方式を説明する平面からみた全体説明図で、コーク
ス炉1は付帯設備2、3を設けており、CDQ4へは搬
送設備5で低温度で窯出したコークスを供給するように
関連付けている。
【0022】図2は、図1のCDQ4の要部を拡大する
鳥瞰図である。プレチャンバー6は上方にあるコークス
層との頂部空間部7に当たる外周から内周方向へ向けて
等間隔でランス8を複数設ける。これ等のランス8は、
図3、図4に示すとおり空気を吐出する方向および/ま
たは区域を選択できるように伸縮自在(図3、図4では
点線でランスを示す)、上下左右方向への動作自在(図
3、図4では矢印で示す)に構成する。これ等のランス
8は、流量調整弁9、ヘッダー管10を介して空気導管
11に連なる。
【0023】空気導管11は空気取入口12と接続し、
且つ流量調節弁13、ブロワー14を設けている。該流
量調節弁13は、プレチャンバー6の頂部空間部7に貫
通して温度計15、ガス分析計16と電気的に接続し、
且つ比較演算器17とも電気的に接続する。
【0024】従って温度計15および/またはガス分析
計16の検出出力は、比較演算器17に電気的に伝わ
り、該比較演算器17の出力信号でランス8の伸縮機能
および/または上下左右機能を制御し、各ランス毎に設
けられた流量調整弁9によりランス毎の流量を調整する
ことで空気の吐出区域、方向(含、指向)をコークス1
8から発生する可燃性のガスの燃焼を適正に促進して温
度上昇を図る。勿論、比較演算器17の出力信号は、流
量調節弁13にも電気的に伝わり、ランス8から吐出す
る空気量も制御する。
【0025】ボイラー19は図2のように、上部ガス循
環経路20、下部ガス循環経路21等によってプレチャ
ンバー6に設け、プレチャンバー6で発生する顕熱をも
った循環ガスの循環経路を構成し、矢印は循環ガスの流
れ(循環方向)を示す。
【0026】下部ガス循環経路21は、図2のようにク
ーリングチャンバー23の下方に取り付けており、循環
ガスに含有する塵埃、コークス粉、その他エネルギー変
換の効率に支障となる浮遊物を除去する。
【0027】また下部ガス循環経路21には放散ガス管
24を設け、比較演算器17の出力を電気的に圧力調整
弁25へ伝え、下部ガス循環ガス管21からの循環ガス
の放散量を調整し、系内の圧力制御を行う。
【0028】プレチャンバー6で加熱焼成し、製品とな
るコークス18は、図示せぬ切り出し装置を経てコーク
ス搬出装置26から系外へ出て、次の工程へ向かう。こ
の場合、製品となるコークス18をクーリングチャンバ
ー23から切り出す量は、プレチャンバー6へ装入する
コークス炉1からの窯出コークス量および/またはプレ
チャンバー6内の加熱焼成中のコークス18の温度、す
なわちボイラー19で蒸気に変換するに必要な温度(熱
量)を満たす範囲内になるように比較演算器17で求め
て行う。
【0029】次に、本発明と比較例の試験結果を説明す
る。表1に、その試験条件を示す。 (以下この頁余白)
【0030】
【表1】
【0031】この試験結果は、図5、図6に比較例と共
に、次の順にグラフで示す。図中、図5(イ)は、コー
クス炉での乾留所要時間、フリュー温度、窯出温度を示
す。図中、図5(ロ)は、CDQのチャンバーから排出
する、製品となるコークスの処理量(T/H)を示す。
図中、図5(ハ)は、系内の循環ガス量(Nm3 /H)
を示す。図中、図5(ニ)は、CDQのプレチャンバー
の頂部空間部にランスから供給する空気吹き込み量(N
3 /H)を示す。図中、図5(ホ)は、CDQのプレ
チャンバーの頂部空間部のガス組成を示す。図中、図5
(ヘ)は、CDQ系内循環ガスのボイラー入口温度
(℃)を示す。図中、図5(ト)は、ボイラーでの蒸気
発生量(T/H)を示す。図中、図5(チ)は、CDQ
のチャンバーから排出するコークス温度(℃)を示す。
図中、図6は、CDQのプレチャンバーの頂部空間部の
円周方向の温度(℃)分布を示す。
【0032】これ等、図5(イ)から図5(チ)、図6
のグラフをみると、本発明によるものは、比較例に対し
て、次のことが言える。図5(イ)に示すように、コー
クス炉での乾留所要時間を一定で、フリュー温度(℃)
を、約40℃低下させた場合、窯出温度(℃)は、約1
00℃の低温化を図れていることが分かる。
【0033】図5(ロ)のチャンバーから排出する、製
品となるコークスの処理量(T/H)は、一定条件とし
た。
【0034】図5(ハ)の、系内の循環ガス量(Nm3
/H)も一定の条件とした。
【0035】図6のプレチャンバーの頂部空間部の温度
(℃)分布は、本発明に係わるランスの機能が、コーク
スから発生する可燃性ガスの燃焼を適正にする為の空気
吹き込み状況に寄与するので、安定することが分かる。
【0036】図5(ホ)のプレチャンバーの頂部空間部
のガス組成は、ガス分析計の機能により把握でき、また
図6の温度(℃)分布の改善も作用してか安定している
ことが分かる。
【0037】図5(ニ)は、プレチャンバーの頂部空間
部にランスから供給する空気吹き込み量(Nm3 /H)
であるが、例えば、図6の頂部空間部の温度(℃)分布
が安定することも考慮すると、空気吹き込み量(Nm3
/H)の制御が機能していることが分かる。
【0038】図5(ヘ)の循環ガスのボイラー入口温度
(℃)であるが、所望温度範囲内で推移しており、例え
ば、プレチャンバーの頂部空間部の温度(℃)分布等の
適正化が寄与していることが推察できる。
【0039】図5(ト)のボイラーでの蒸気発生量(T
/H)も所望する発生量の範囲内を推移しており、例え
ば、図5(ト)の循環ガスのボイラー入口温度(℃)の
安定化等が寄与しいることが推察できる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上のとおり構成し作用する
ので、以下のとおり工業的に有益な効果を奏する。 カ)CDQのプレチャンバー内のコークス層との頂部空
間部で、主にコークスから発生する可燃性のガスを均一
に燃焼できるよう、該頂部空間部へ、空気を制御して均
一に供給できる。 キ)上記カ)に基づき、コークス品質のバラツキ改善に
寄与できる。 ク)コークス炉とCDQとの組合せでコークス製造を行
うことにより、コークスの品質を安定化できる。 ケ)室式コークス炉でコークスを800℃±100℃の
低温度で乾留して窯出し、該コークスをCDQで加熱焼
成して性状を改善し、製品となるコークスを、工業的規
模で製造できる。 コ)コークス炉とCDQとの組合せでコークス製造を行
うとき、例えば、CDQの加熱焼成温度を選択すること
により、コークスの品質、例えば、粒度、強度等を造り
分けできる。 サ)コークス炉とCDQとの組合せでコークス製造を行
うことにより、コークス炉での乾留所要時間を短縮する
ことで生産性向上を図ることができ、あるいは、低温度
での乾留等により、コークス炉の延命を図れ、また燃料
原単位も改善できる。 シ)コークス炉からのコークスを、CDQで加熱焼成す
るとき、上記のカ)に基づく頂部空間部の燃焼バラツキ
の改善によって温度上昇を図り、ボイラーでの蒸気発生
量の安定化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するコークス製造方式および蒸気
回収方式の平面からみた全体説明図。
【図2】図1の要部拡大鳥瞰説明図である。
【図3】図2の、平面からみた要部拡大明図である。
【図4】図3のI−I’矢視説明図。
【図5】図5(イ)は、コークス炉での乾留所要時間、
フリュー温度、窯出温度を示すグラフ。図5(ロ)は、
CDQのチャンバーから排出する、製品となるコークス
の処理量(T/H)を示すグラフ。図5(ハ)は、系内
の循環ガス量(Nm3 /H)を示すグラフ。図5(ニ)
は、CDQのプレチャンバーの頂部空間部にランスから
供給する空気吹き込み量(Nm3 /H)を示すグラフ。
図5(ホ)は、CDQのプレチャンバーの頂部空間部の
ガス組成を示すグラフ。図5(ヘ)は、CDQ系内循環
ガスのボイラー入口温度(℃)を示すグラフ。図5
(ト)は、ボイラーでの蒸気発生量(T/H)を示すグ
ラフ。図5(チ)は、CDQのチャンバーから切り出す
コークス温度(℃)を示すグラフ。
【図6】図6はCDQのプレチャンバーの頂部空間部の
円周方向の温度(℃)分布を示すグラフ。
【符号の説明】
1 コークス炉 2 付帯設備 3 付帯設備 4 乾式消火設備(CDQ) 5 搬送装置 6 プレチャンバー 7 頂部空間部 8 ランス 9 流量調整弁 10 ヘッダー管 11 空気導管 12 空気取入口 13 流量調節弁 14 ブロワー 15 温度計 16 ガス分析計 17 比較演算器 18 コークス 19 ボイラー 20 上部ガス循環経路 21 下部ガス循環経路 22 循環ガスブロワー 23 クーリングチャンバー 24 放散ガス管 25 圧力調整弁 26 コークス搬出装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室式コークス炉を用いてコークスを70
    0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
    設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
    該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
    0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造方法にお
    いて、少なくとも次のA.B.C.又はC´の条件を組
    み合わせて製造することを特徴とする、コークスの製造
    方法。 A.コークスを700℃〜900℃で窯出する。 B.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間へ供給
    する空気は、ブロワーと流量調節弁を介して頂部空間部
    に複数設けるランスから供給する。 C.上記Bのランスから供給する空気量は、頂部空間の
    温度および/またはガス組成の変化を設定値と比較演算
    し、頂部空間部で均一になるよう供給する。 C´上記Bのランスから供給する空気量は、コークス押
    出時に測定された炉壁温度又はコークス温度から演算さ
    れた値に設定され、頂部空間部で均一になるよう供給す
    る。
  2. 【請求項2】 室式コークス炉を用いてコークスを70
    0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
    設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
    該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
    0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造方法をお
    いて、少なくとも次のA.B.C.(又はC´)D.の
    条件を組み合わせて蒸気を発生させることを特徴とす
    る、コークスの顕熱を利用する蒸気回収方法。 A.コークスを700℃〜900℃で窯出する。 B.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間へ供給
    する空気は、ブロワーと流量調節弁を介して頂部空間部
    に複数設けるランスから供給する。 C.上記Bのランスから供給する空気量は、頂部空間の
    温度および/またはガス組成の変化を設定値と比較演算
    し、頂部空間部で均一になるよう供給する。 C´上記Bのランスから供給する空気量は、コークス押
    出時に測定された炉壁温度又はコークス温度から演算さ
    れた値に設定され、頂部空間部で均一になるよう供給す
    る。 D.プレチャンバーとボイラーとをガス循環経路循環で
    連絡し、プレチャンバーで発生する顕熱を有するガスを
    ボイラーを通過させ蒸気を発生させる。
  3. 【請求項3】 室式コークス炉を用いてコークスを70
    0℃〜900℃で窯出し、且つ該コークスを乾留式消火
    設備の空気を導入するプレチャンバー内に装入し、主に
    該コークスから発生するガスを燃焼させコークスを90
    0℃以上の温度に加熱焼成するコークスの製造設備にお
    いて、少なくとも次のA.B.C.Dから成ることを特
    徴とする、コークスの顕熱を利用する蒸気回収設備。 A.コークスを乾留して700℃〜900℃でコークス
    を窯出するコークス炉およびその付帯設備。 B.上記Aのコークスを、乾式消火設備のプレチャンバ
    ーへ供給するための搬送装置。 C.プレチャンバー内のコークス層との頂部空間に、空
    気を供給するランスを複数箇所で貫通して設け、該ラン
    スに取り付ける空気導管に流量調節弁とブロワーを介し
    て空気発生装置と接続、またプレチャンバーとボイラー
    を、上部ガス循環経路と下部ガス循環経路で接続し、且
    つ下部ガス循環経路に循環ガスブロワーと放散ガス管を
    設ける乾式消火設備。 D.上記Cの乾式消火設備に設ける、コークス搬出装
    置。 【0001】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003172A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Nkk Corp コークスの改質方法
KR101223829B1 (ko) * 2010-07-01 2013-01-17 주식회사 포스코아이씨티 건식소화장치 및 유체순환방법

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