JPH06336375A - 紙葉類取り扱い装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】紙葉を一枚ずつ順次送り出す紙葉堆積・繰り出
し機構において、送り出しローラ７と同軸上に羽根付き
ローラ８を配設し、紙葉送出時には、繰り出しローラ１
１と送り出しローラ７の回転と、送り出しローラ７の下
部にある送り出しローラ７と軸方向にずれて対向してオ
ーバーラップ部を構成する搬送方向に回転しない分離ロ
ーラ５によって紙葉を一枚ずつ順次送り出し、紙葉繰り
出し動作終了時にオーバーラップ部に噛み込んでいる紙
葉を、堆積している紙葉群を一定量降下させて、繰り出
しローラ１１と堆積紙葉群との間に空間を設けた後、送
り出しローラ７と同軸上に配設した羽根付きローラを逆
方向に一定角度回転することで除去する。 【効果】紙葉堆積・繰り出し機構の性能を低下させるこ
となく、構成部品の少ない小形の紙葉堆積・繰り出し機
構を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙幣等の紙葉を取り扱
う紙葉類処理装置に係り、特に、順次供給される紙葉を
堆積し、必要に応じて一枚ずつ繰り出す堆積・繰り出し
機構を持つ紙葉類取り扱い装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に紙葉類を取り扱う紙葉類取り扱い
装置、例えば、紙幣を取り扱う銀行端末装置は、金種別
の複数の金庫と、この金庫から選択的に必要とする紙幣
を搬送する主搬送路と、この主搬送路からゲートにより
切り替えられた紙幣を一時的に紙幣を堆積してから一枚
ずつ繰り出し送出する紙葉堆積・繰り出し機構と、紙幣
の鑑別機構等から構成されている。

【０００３】紙葉堆積・繰り出し機構の繰り出し機構に
おいて、次の動作で繰り出されるべき紙葉が分離部に進
入した状態で繰り出し動作を終了することがある。この
状態のままで、紙葉の堆積動作を行うと堆積状態に不揃
いが生じるので、例えば特開昭62−65855 号公報に記載
の技術のように、紙葉が進入した状態（紙葉の噛み込み
状態）を除去するために専用の紙葉押し戻しレバーを設
置したものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年の銀行端末装置
は、休日稼働の要求により保管金額の増加傾向にあり、
このため金庫部以外の機構部品を小形化するニーズが高
まっている。しかし、従来技術による装置は、前記紙葉
堆積・繰り出し機構の小形化に限界があり、機構部品を
小形化するというニーズに答えられない状況にある。な
ぜなら、従来の紙葉堆積・繰り出し機構の繰り出し機構
は、噛み込み状態を除去するために専用の紙葉押し戻し
レバーを設置しているために、押し戻しレバーやその駆
動用モータ等の部材が必要となり、紙葉堆積・繰り出し
機構寸法が大きく、小形化に限界があった。

【０００５】本発明の目的は、小形の紙葉堆積・繰り出
し機構を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一枚ずつ搬送されてくる紙葉を羽根車付
きローラの回転によって順次収納堆積し、これら収納堆
積している紙葉を繰り出しローラと送り出しローラの回
転と、送り出しローラと軸方向にずれて対向してオーバ
ーラップ部を構成する搬送方向に回転しない分離ローラ
を備える繰り出し機構により、紙葉を一枚ずつ順次送り
出す紙葉堆積・繰り出し機構において、送り出しローラ
と同軸上に送り出しローラより外形寸法の大きい羽根付
きローラを配設し、紙葉送出時には、繰り出しローラと
送り出しローラの回転と、送り出しローラの下部にある
送り出しローラと軸方向にずれて対向してオーバーラッ
プ部を構成する搬送方向に回転しない分離ローラによっ
て紙葉を一枚ずつ、順次、送り出すように構成し、紙葉
繰り出し動作終了時にオーバーラップ部に噛み込んでい
る紙葉を、堆積している紙葉群を一定量降下させて、繰
り出しローラと堆積紙葉群との間に空間を設けた後、送
り出しローラと同軸上に配設した羽根付きローラを逆方
向に一定角度回転することで除去することを特徴とす
る。

【０００７】

【作用】送り出しローラと同軸上に羽根付きローラを配
設した本発明の紙葉堆積・繰り出し機構は、次のように
作用する。収納堆積している紙葉を繰り出しローラと送
り出しローラの回転と、送り出しローラと軸方向にずれ
て対向してオーバーラップ部を構成する搬送方向に回転
しない分離ローラを備える繰り出し機構により、紙葉を
一枚ずつ順次送り出す場合には、繰り出しローラと送り
出しローラの回転と、送り出しローラの下部にある送り
出しローラと軸方向にずれて対向してオーバーラップ部
を構成する搬送方向に回転しない分離ローラによって紙
葉を一枚ずつ順次送り出す。この時、送り出しローラと
同軸上に配設した送り出しローラより外形寸法の大きい
羽根付きローラも送り出しローラとともに回転している
が、紙葉の繰り出しには弊害のないような羽根外形寸法
となっている。紙葉の所定枚数の繰り出し動作終了時
に、紙葉先端部がオーバーラップ部に進入して噛み込み
状態にあると、堆積している紙葉群を一定量降下させ
て、繰り出しローラと堆積紙葉群との間に空間を設けた
後、送り出しローラと同軸上ある羽根付きローラを逆方
向に一定角度回転することで、オーバーラップ部に噛み
込んでいる紙葉をオーバーラップ部から除去して、降下
している紙葉群の最上部に噛み込んでいた紙葉を整列堆
積することができる。このため、繰り出し動作終了時の
紙葉堆積状態が常に良好に保てるので、次の紙葉堆積あ
るいは紙葉繰り出し動作が安定になる。

【０００８】

【実施例】本発明による紙葉類取り扱い装置の一実施例
を、図１から図７を用いて説明する。図１は、本発明に
よる紙葉類取り扱い装置の紙葉堆積・繰り出し機構の正
面図であり、紙葉分離状態を示している。図２は、紙葉
堆積・繰り出し機構の主要部の軸方向ローラ配置を示す
平面図を、図３は紙葉繰り出し動作図を、図４は紙葉堆
積動作説明図を、図５は紙葉繰り出し動作の停止状態の
説明図を、図６は紙葉噛み込み状態の説明図を、図７は
紙葉噛み込み戻し動作図を、図８は他の構成からなる紙
葉堆積・繰り出し機構例を、各々示している。

【０００９】紙葉類取り扱い装置の紙葉堆積・繰り出し
機構の主要部について、図１，図２を用いて説明する。
紙葉群３を堆積収納する収納箱は、側板３３，ゲートロ
ーラガイド部材４，上下動可能な底板２で構成してあ
る。収納堆積している紙葉群の最上位にある紙葉から、
順次、一枚ずつ紙葉を分離する分離機構は、ローラ円周
上の一部に高摩擦係数部材（例えば、ゴム部材）１１ａ
を有する繰り出しローラ１１を軸１０に軸方向に四ケ配
設し、該繰り出しローラ１１の高摩擦係数部材１１ａに
よって繰り出される一枚あるいは複数枚の紙葉を一枚ず
つに分離するために、ローラ円周上の一部に高摩擦係数
部材（例えば、ゴム部材）７ａとローラ円周上の高摩擦
係数部材（例えば、ゴム部材）を有するローラ７ｂを軸
９に配設するとともに、送り出しローラ７に軸方向にず
れて対向してオーバーラップ部を構成する搬送方向に回
転しない分離ローラ５(ワンウェイクラッチ内蔵)を軸２
３に四ケ配設することで構成してある。軸９には送り出
しローラ７の両外側に、円周上の半円周のみに等ピッチ
で取り付いた複数枚の弾性部材を有する噛み込み戻し用
羽根付きローラ８を配設してある。また、図２に示すよ
うに、分離ローラ５と対向してオーバーラップ部を構成
する送り出しローラ７と隣接するローラ７ｂと対向する
位置にピンチローラ６を設けてある。ローラ７ｂは、ピ
ンチローラ６との圧接挟持力によって、オーバーラップ
部で一枚に分離された紙葉を、ガイド２７と送り出しロ
ーラ７との隙間に沿って搬送し、下流の搬送路に搬送す
るためのものである。検知センサＳは、送り出しローラ
７と分離ローラ５で構成するオーバーラップ部からロー
ラ７ｂとピンチローラ６と挟持点との間に設けてあり、
繰り出す紙葉の枚数を検知するためのものである。

【００１０】一方、軸２２に設けたスタックローラ２２
はローラ円周上に高摩擦係数部材（例えば、ゴム部材）
を有するローラであり、モータＭ２によってタイミング
プーリ，タイミングベルトを介して駆動されており、対
向圧接しているローラ３０を駆動している。軸３２に
は、ローラ３０と円周上に等ピッチで取り付いた複数枚
の弾性部材を有する羽根付きローラ３１を五ケ所に取り
付けてある。ローラ３０は進入してくる紙葉に搬送力を
付与するために、羽根付きローラ３１は紙葉に変形を付
与しスタックガイド１３に紙葉を押し当てるとともに、
紙葉の後端を確実に落下させるものである。スタックガ
イド１３は、図３の繰り出し動作、図４に示す堆積動作
の二つの位置に切り替えるため、図示していない駆動手
段によって軸２５を支点に部材２４を介して可動でき
る。分離機構の回転駆動力は、図２に示すように分離機
構駆動モータＭ１から、タイミングプーリとタイミング
ベルトを介して軸９へ、軸９からタイミングプーリとタ
イミングベルトを介して軸１０へと伝達される。この
際、繰り出しローラ１１の高摩擦係数部材１１ａと送り
出しローラ７の高摩擦係数部材７ａの高摩擦係数部材先
端位置の位相は同期するようになっている。軸１４に設
けた切り替えゲート１２は、分離状態，搬送状態に図１
の位置，収納堆積状態に図４の位置，図示していないソ
レノイドの動作によって切り替わる。スタックガイド１
３は、分離状態時には図１に示すようにほぼ水平位置に
有り、繰り出しローラ１１による紙葉の繰り出しのガイ
ドをしている。また、収納堆積時には図４に示すように
適切な傾斜角度に切り替わり、スタックローラ２２とガ
イド３４の隙間を搬送され、スタックローラ２２とロー
ラ３０の挟持力によって搬送されてくる紙葉Ｐ１を収納
部へ安定に堆積するための進入用ガイドとなっている。
モータＭ２からの回転駆動力がタイミングベルトを介し
て伝達されているスタックローラ２２には、対向圧接し
ている搬送用プーリ１６を設けてある。搬送ローラ２０
もモータＭ２からの回転駆動力がタイミングベルトを介
して伝達されており、ここにも対向圧接する搬送用プー
リ１６が設けてある。スタックローラ２２と搬送用プー
リ１６，搬送ローラ２０と搬送用プーリ１６の紙葉挟持
点間を上側搬送ガイド２４，下側搬送ガイド２５で案内
して搬送部を構成している。

【００１１】次に本実施例の動作について、図１から図
６を用いて説明する。図１に示す分離の動作は以下のと
おりである。収納箱の底板２上の堆積収納状態にある紙
葉群３は、図示していない底板駆動用モータによる底板
２の上昇動作によって、紙葉群３の最上部の紙葉が繰り
出しローラ１１に当接し、繰り出しローラ１１に一定の
押圧力が加わったことを図示しないセンサで検知して、
底板２の上昇動作を一時停止する。分離機構駆動モータ
Ｍ１の駆動によって繰り出しローラ１１の高摩擦係数部
材１１ａが、収納堆積している紙葉群の最上位付近の一
枚あるいは複数枚の紙葉を、繰り出しローラ１１と同一
方向に同期回転している送り出しローラ７と搬送方向に
回転しない分離ローラ５で構成するオーバーラップ部に
送りこみ、ここで一枚ずつに分離される。噛み込み戻し
用羽根付きローラ８は、紙葉先端がオーバーラップ部に
進入する際には紙葉と接触しない円周上の半円周のみに
配設してあるので、紙葉の分離に悪影響しない。一枚に
分離された紙葉は、ローラ７ｂとピンチローラ６で挟
持，搬送され、下流の搬送ローラ２０と圧接する搬送用
ローラ１６で構成してある搬送路に受け渡される。図３
には紙葉が一枚に分離されて、繰り出しローラ１１の高
摩擦係数部材１１ａから紙葉後端がはずれた状態を示し
てある。所定枚数の紙葉繰り出しが終了するまで、繰り
出しローラ１１には一定の押圧力が加わるように図示し
ないセンサで検知して、底板２の上昇動作を続け、所定
枚数の紙葉繰り出しが終了すると分離機構駆動モータＭ
１の駆動は停止する。図４に示す収納堆積の動作は以下
のとおりである。図１の分離状態から、図４のようにス
タックガイド１３が傾斜し、繰り出しローラ１１がスタ
ックガイド１３から突出しない位置となり、収納堆積状
態に切り替わる。紙葉収納堆積時には、スタックローラ
２２と搬送用ローラ１６の搬送路から、切り替えゲート
１２の動作によって収納堆積状態側に切り替わっている
搬送路に、一枚ずつ搬送されてくる紙葉Ｐ１を搬送し、
紙葉挟持最終点から収納部への紙葉進入を妨げないよう
に傾斜した状態にあるスタックガイド１３に沿って紙葉
の収納部に搬送される。この時、羽根付きローラ３１
は、紙葉の収納部への進入時の変形と紙葉後端のたたき
落としを行ない、先行紙葉の後端と後続紙幣の先端との
干渉を発生することなく、紙葉の収納堆積を行う役目を
している。収納堆積動作中は、紙葉群の最上部位置を最
適に保つために、傾斜した状態にあるスタックガイド１
３の下端をセンサで検知し、この結果に従って底板２の
位置を制御している。

【００１２】紙葉繰り出しが終了後、図５に示すように
オーバーラップ部近傍に噛み込んだ状態にある後続の紙
葉Ｐ３を、以下のような動作によって除去する。図５の
紙葉Ｐ３が噛み込んだ状態から、図６に示すように底板
２を一定量降下して、紙葉群３と繰り出しローラ１１に
空間をつくり、紙葉Ｐ４のような噛み込んだ状態にす
る。次に、図７に示すように繰り出しローラ軸９を反繰
り出し方向に一定角度回転することで、繰り出しローラ
軸９に設けてある噛み込み戻し用羽根付きローラ８で、
オーバーラップ部近傍に噛み込んだ状態にある紙葉を紙
葉群３の上に紙葉Ｐ５のように落下，整列できる。

【００１３】図８には、紙葉先端がオーバーラップ部に
進入する際にも紙葉と接触するが、紙葉の繰り出しに悪
影響しない羽根外径寸法の複数枚の弾性部材を有する噛
み込み戻し用羽根付きローラ８の実施例を示す。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、繰り出し動作終了後に
オーバーラップ部に噛み込んでいる紙葉を、分離機構の
送り出しローラ７と同軸に設けた噛み込み戻し用羽根付
きローラ８の回転により除去できるので、紙葉堆積・繰
り出し機構の性能を低下させることなく、構成部品の少
ない小形の紙葉堆積・繰り出し機構を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】紙葉堆積・繰り出し機構の正面図。

【図２】紙葉堆積・繰り出し機構の平面図。

【図３】紙葉繰り出し動作の説明図。

【図４】紙葉堆積動作の説明図。

【図５】紙葉繰り出し動作の停止状態の説明図。

【図６】分離部での紙葉噛み込み状態の説明図。

【図７】分離部での紙葉噛み込み戻し動作状態の説明
図。

【図８】他の紙葉堆積・繰り出し機構の実施例の説明
図。

【符号の説明】

２…底板、５…分離ローラ、６…ピンチローラ、７…送
り出しローラ、８…羽根付きローラ、１１…繰り出しロ
ーラ、１２…切り替えゲート、１３…スタックガイド、
２２…スタックローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙葉を収納する収納箱と、前記紙葉を搬送
   する搬送部と、前記搬送部によって一枚ずつ搬送されて
   くる前記紙葉を羽根付きローラの回転によって、順次、
   収納堆積する収納部と、これら収納堆積している紙葉を
   一枚ずつ分離するために、繰り出しローラと送り出しロ
   ーラの回転と、前記送り出しローラと軸方向にずれて対
   向してオーバーラップ部を構成する搬送方向に回転しな
   い分離ローラを備える分離部とで構成される紙葉堆積・
   繰り出し機構において、前記送り出しローラと同軸上に
   円周上の半円周のみに等ピッチで取り付いた前記送り出
   しローラより外形寸法が大きい複数枚の弾性部材を有す
   る噛み込み戻し手段としての噛み込み戻し用羽根付きロ
   ーラを配設し、前記噛み込み戻し用羽根付きローラの円
   周上の半円周のみに設けた羽根の位相は、前記送り出し
   ローラに紙葉を送りだすために設けてある高摩擦係数部
   材の逆位相となるように構成することを特徴とする紙葉
   類取り扱い装置。