JPH06335973A - 繊維強化樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂積層体の製造方法

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JPH06335973A
JPH06335973A JP5127262A JP12726293A JPH06335973A JP H06335973 A JPH06335973 A JP H06335973A JP 5127262 A JP5127262 A JP 5127262A JP 12726293 A JP12726293 A JP 12726293A JP H06335973 A JPH06335973 A JP H06335973A
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fiber
continuous fiber
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induction heating
wound
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JP5127262A
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Satoyuki Kobayashi
智行 小林
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化樹脂積層体の製造方法であって、肉
厚の厚い積層体の場合でも、クラックの発生がなく、品
質に優れたものが得られ、しかも設備費がかからず、生
産性、作業性にも優れた製造方法を提供する。 【構成】 成形用芯型に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸
した連続繊維を巻回するに際し、繊維として非磁性体か
らなる連続繊維に金属皮膜を形成したものを使用する
か、又は連続繊維に微細な磁性材料を付着乃至含浸させ
たものを使用し、得られる巻回体16を、高周波誘導加
熱装置E内にセットして、内部加熱方式により加熱硬化
させ、然る後脱型する。かくすることにより、内層部、
外層部共に硬化がむらなく均一に進行し、クラックが発
生することがなく、加熱硬化に要する時間も飛躍的に短
縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形用芯型に、未硬化
の熱硬化性樹脂を含浸した連続繊維を巻回し、得られた
巻回体を加熱硬化させ、然る後脱型する繊維強化樹脂積
層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管状の繊維強化樹脂積層体を製造
する方法の一つとして、芯型上に、未硬化の熱硬化性樹
脂を含浸した連続繊維を巻き付けて、これを加熱硬化さ
せ、然る後脱型して積層体を得るフィラメントワインデ
ィング法(以下これをFW法という)が用いられてい
る。しかし、この方法では肉厚の厚い積層体を容易に得
ることができるが、巻回後外部から加熱硬化させる為、
どうしても径方向の温度勾配が大きくなり、均一に硬化
させることができない為、内部にクラックが発生し、積
層体の強度が低下して安定した品質のものが得られず、
一方、積層体の肉厚の増大に伴い、加熱硬化に要する時
間も長くなり、生産性が低くなるという問題点を有して
いた。
【0003】そこで、これらの問題点を解決する方法と
して、従来幾つかの技術が開示されている。例えば、特
開昭62−56123号公報には、巻回体の外層部から
の加熱のみならず、芯型内部に水蒸気を導入して巻回体
の内層部からも加熱し、温度勾配を小さくする方法が記
載されている。また、特公昭57−46413号公報に
は、SMCを用いた加圧成形において、内層部には外層
部よりも硬化速度が速く、しかも発熱温度の高い配合組
成の成形材料を配置して、内層部の硬化速度を外層部の
それよりも速くすることにより硬化時間のずれを小さく
する方法が記載されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来
技術の場合、前者の技術においては巻回体の肉厚が薄い
場合は温度勾配が小さくなるが、肉厚が20mm以上の
場合には、温度勾配が期待するほど小さくはならず、ク
ラックの発生を確実に抑えることはできない。また、芯
型内部に加熱用の水蒸気を送り込む為の装置を必要と
し、芯型が、繊維の巻回力のみならず、蒸気圧にも耐え
られるような設計が必要となり、成形操作も高度とな
り、設備費の増大、作業性の低下等の問題点が残されて
いる。
【0005】また、後者の技術は、加圧成形に関する技
術であり、もしこれをFW法に転用した場合、巻回体の
内層部と外層部の樹脂配合を変える必要がある。従っ
て、内層部用配合の樹脂含浸繊維で内層部を巻回した後
に一旦繊維を切り、外層部用配合の樹脂含浸繊維を繋い
でから巻回するという様な面倒な作業を行う必要があ
り、更に作業性が低下することは避けられず、しかも、
樹脂供給装置、繊維供給装置等が二種類分必要となるた
め、設備費も増大し、前者の技術と同様の問題点を含む
ものである。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解消
し、肉厚の厚い積層体の場合でもクラックの発生がなく
品質に優れたものが得られ、しかも、設備費がかから
ず、生産性、作業性にも優れた繊維強化樹脂積層体の製
造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0007】
【課題を解決する為の手段】請求項1記載の発明は、
「成形用芯型に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した連続
繊維を巻回し、得られた巻回体を加熱硬化させ、然る後
脱型する繊維強化樹脂積層体の製造方法において、芯型
に巻回する連続繊維として、微細な磁性材料を含む未硬
化の熱硬化性樹脂を含浸したものか、または未硬化の熱
硬化性樹脂を含浸した連続繊維に微細な磁性材料を付着
したものを使用し、この巻回体の加熱手段として、高周
波誘導加熱装置を使用することを特徴とする繊維強化樹
脂積層体の製造方法」をその要旨とするものである。
【0008】即ち、芯型に巻回する連続繊維に、粉粒
状、短繊維状、小片状等微細な形状、大きさの磁性材料
を含浸乃至付着させ、繊維の巻回後に、これを高周波誘
導加熱装置の内部にセットして誘導加熱するという、所
謂内部加熱方式を用いて加熱硬化させ、以て大きな温度
勾配に起因する品質劣化を避けると共に、加熱硬化に要
する時間の大幅な短縮を図るようにしたことを骨子とす
るものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、「成形用芯
型に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した連続繊維を巻回
し、得られた巻回体を加熱硬化させ、然る後脱型する繊
維強化樹脂積層体の製造方法において、芯型に巻回する
連続繊維として、非磁性体からなる連続繊維に、金属皮
膜を形成したものを使用し、この巻回体の加熱手段とし
て、高周波誘導加熱装置を使用することを特徴とする繊
維強化樹脂積層体の製造方法」をその要旨とするもので
ある。
【0010】即ち、非磁性体からなる連続繊維の表面に
金属皮膜を形成したものを使用し、繊維の巻回後に、こ
れを高周波誘導加熱装置の内部にセットして誘導加熱
し、上記請求項1記載の発明と同じ効果を得るようにし
たことを骨子とするものである。
【0011】請求項1記載の発明に於いて用いる微細な
磁性材料としては、磁性粉、磁性金属短繊維等が挙げら
れる。この内、磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケ
ル、アルミニウム、銅等の金属、これらの金属の酸化物
や合金等の粉粒状形態物が挙げられ、樹脂に対する分散
性、付着性、発熱効率等の点から、平均粒子径が0.1
μm〜300μmのものが好ましい。平均粒子径が0.
1μm未満であると発熱効率が低下し、300μmを超
えると樹脂中の分散性、連続繊維への付着性等が悪くな
る。磁性粉の添加量或いは付着量は、未硬化の熱硬化性
樹脂100重量部に対して10〜200重量部が好まし
く、10重量部未満では、誘導加熱するのが難しく製品
に未硬化部が残る恐れがあり、200重量部を超える
と、未硬化の熱硬化性樹脂の流動性が低下して繊維に対
する含浸性が悪くなることがある。
【0012】磁性金属短繊維としては、磁性粉と同様、
鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属、
これらの金属の酸化物や合金等の短繊維が挙げられる。
短繊維の長さと相当直径との比(以下これをアスペクト
比という)が10〜100の範囲内にあるのが好まし
く、アスペクト比が100より大きいと、短繊維同士が
絡まり合って均一に分散し難く、逆に10より小さいと
加熱効率が低くなる。磁性金属短繊維の繊維に対する添
加量或いは付着量については、上記磁性粉の場合と同様
である。なお、相当直径とは次の数1で算出される換算
値である。
【0013】
【数1】 但し、D=相当直径、S=断面積
【0014】図3〜図5は、いずれも連続繊維に磁性材
料を付着乃至含浸させ、これをインラインで芯型に巻回
する方法を示した概略図であって、図3の場合は、未硬
化の熱可塑性樹脂液に磁性材料を分散してなる塗布液1
aが満たされている含浸槽2内に、連続繊維3を通過さ
せて繊維間に塗布液を含浸させ、フィードアイ4を経て
芯型5に巻回する方法であり、図4の場合は、未硬化の
熱可塑性樹脂液のみからなる塗布液1bが満たされてい
る含浸槽2内に、連続繊維3を通過させて繊維間に塗布
液1bを含浸させ、次いで、磁性材料6が充満された付
着槽7内に、該付着槽7の前後の側壁に穿設された図示
しない小孔を利用して通過させ、繊維3に付着させる方
法であって、磁性材料6は、付着槽7に設けた供給口8
から供給される。図5の場合は、容器9の底部を多孔質
板10で仕切り、圧送気体供給口11から気体を圧送
し、容器9内に予め充たされている磁性材料6を吹き上
げて流動床12を形成し、この流動床12内に塗布液1
bを含浸した連続繊維3を通過させ、該繊維に付着させ
る方法である。
【0015】請求項2記載の発明で用いるところの、金
属皮膜を形成した非磁性体からなる連続繊維とは、5〜
50μmのガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維
等の無機繊維、或いはアラミド繊維等の有機繊維の表面
に、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄等の金属を、蒸
着、メッキ等の方法により被覆した物であり、その膜厚
は1〜20μm程度である。
【0016】本発明で使用する未硬化の熱硬化性樹脂と
しては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニ
ルエステル樹脂等が好ましいが、特にこれらに限定され
ず、その他フェノール樹脂、メラミン樹脂等、熱硬化性
樹脂であればどのような樹脂でもよい。
【0017】本発明で使用する上述の磁性粉、磁性金属
短繊維及び金属被覆非磁性連続繊維において、樹脂との
密着性を向上させる為に、シラン系、チタン系、アルミ
ニウム系等のカップリング剤で処理することは任意であ
る。
【0018】図2は、本発明において、加熱手段に採用
する高周波誘導加熱装置Eを例示する概略図であって、
誘導加熱炉13、高周波誘導加熱コイル14、高周波発
生機15、高周波電源16等から構成され、セラミック
のような非磁性体からなる誘導加熱炉13の外周に、高
周波誘導加熱コイル14を巻装し、該高周波誘導加熱コ
イル14に、高周波電源16の作動により、高周波発生
機15から高周波電流を発生させて供給し、高周波誘導
加熱装置E内に装入された未硬化の巻回体16を加熱し
硬化させる。尚、同図において、17、17は巻回体1
6を誘導加熱炉13内にセットするための支持台であ
る。
【0019】高周波誘導加熱コイルの径、巻数は、硬化
する巻回体の大きさ、肉厚、硬化時間、熱硬化性樹脂の
種類等により決定され、また、高周波発生機の周波数
は、高周波誘導加熱において通常使用される周波数でよ
く、好ましくは、20KHz〜10MHzであり、この
周波数の範囲から磁性粉、磁性金属短繊維及び金属被覆
非磁性連続繊維等の種類により最適の周波数を選択し
て、設定する。
【0020】本発明製造方法で成形可能な繊維強化樹脂
積層体としては、管状体、管継手、プロペラシャフト、
各種タンク、その他FW法により従来から成形されてい
る物は全てその対象となる。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明は、芯型に巻回する連続繊
維として、微細な磁性材料を含む未硬化の熱硬化性樹脂
を含浸したものか、または未硬化の熱硬化性樹脂を含浸
した連続繊維に、同じく微細な磁性材料を付着したもの
を使用し、得られる巻回体の加熱手段として、高周波誘
導加熱装置を用いて、内部加熱方式により巻回体を加熱
するようにしたから、肉厚の厚い巻回体であっても、内
層部、外層部共に硬化がむらなく均一に進行し、得られ
る積層体内にクラック等が発生することがなく、また加
熱硬化に要する時間も飛躍的に短縮される。
【0022】請求項2記載の発明は、芯型に巻回する連
続繊維として、非磁性体からなる連続繊維に、金属皮膜
を形成したものを使用し、得られる巻回体の加熱手段と
して、高周波誘導加熱装置を用いて、内部加熱方式によ
り巻回体を加熱するようにしたから、請求項1記載の発
明の上記作用と同等の作用を発揮する。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。
【0024】実施例1.本実施例は、請求項1記載の発
明の一実施例であって、連続繊維に対する磁性材料の含
浸方法として、図3に示す方法を用いた。 .FW成形機 図1に示すFW成形機を用いた。即ち、図1は、本発明
の実施に用いて好適な装置のうち、FW成形機Mを示す
概略図であって、本FW成形機の場合、三種類のそれぞ
れ異なった方向に作動する機械である。
【0025】図1において、矢印Xは芯型5の回転方
向、矢印Yはフィードアイ4の一つの作動方向であっ
て、芯型5の軸芯と平行な方向に往復移動する。矢印Z
はフィードアイ4の他の一つの作動方向であって、その
軸方向は芯型5の軸芯に対して所定の角度で保持できる
ように配設され、且つ保持したその角度で、その軸方向
に往復移動するようになされている。又、更に図示しな
い装置により該角度は随時可変となされている。
【0026】.高周波誘導加熱装置 図2に示す高周波誘導加熱装置Eを用いた。.樹脂が
含浸された連続繊維 繊 維 :ガラスロービング(Tex2200) 10本 含浸樹脂 :次の各種成分を配合したものを用いた。 不飽和ポリエステル樹脂液 100重量部 促進剤(ナフテン酸コバルトの6%溶液) 0.5重量部 硬化剤(メチルエチルケトンパーオキサイド) 1.0重量部 磁性粉(粒径60μmの鉄分) 50重量部
【0027】芯型として、150mm径のソケット管成
形用型5をFW成形機Mにセットし、これに上記樹脂含
浸の連続繊維3を、芯型5の長手方向に、90°、±6
0°、の各角度で2重巻きして未硬化の巻回体16を得
た。
【0028】次に、巻回体16を誘導加熱炉13内にセ
ットし、100KHz、20kWの出力をかけて加熱硬
化した。硬化後、芯型5から巻回体16を脱型し、製品
端部のトリミングを行って積層体(繊維強化樹脂製ソケ
ット管)を得た。
【0029】得られた積層体について、横断面を観察し
た結果、クラックの発生はなく、また、耐水圧試験の結
果、40Kg/cm2 に充分耐え得るものであった。ま
た、内圧疲労試験(脈動圧試験:0−20Kg/c
2 )の結果、水道用継手規格である2万回を充分満足
するものであった。
【0030】尚、上記試験方法は、次の通りである。 ・横断面検査:積層体の横断面をカット後、10倍率の
光学顕微鏡を用いてクラックの有無を見視で評価した。 ・耐水圧試験:成形したソケットの両端をメクラフラン
ジにて塞ぎ、手動ポンプにてソケット内部水を加圧し、
ソケットから漏水する時の水圧を破壊水圧(最大水圧)
とした。 ・内圧疲労試験:成形したソケットの両端をメクラフラ
ンジにて塞ぎ、20Kg/cm2 で5秒間、0Kg/c
2 で10秒間を1サイクルとして内圧疲労試験を行
い、ソケットから漏水した時のサイクル数を破壊サイク
ルとした。
【0031】また、80℃の加熱硬化温度の場合、従来
のFW法、即ち単に未硬化の熱可塑性樹脂を含浸させた
連続繊維を芯型に巻回し、得られた巻回体を電熱等の熱
源を利用して加熱硬化させる方法により、同じ形状の積
層体を得る場合と比較して、その加熱硬化に要する時間
が約1/4に短縮された。
【0032】実施例2 本実施例は、請求項1記載の発明の他の実施例であっ
て、連続繊維に対する磁性材料の含浸方法として、図5
に示す方法を用いたこと、及び芯型5として150mm
径−75のチーズ継手成形用型5を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして積層体(繊維強化樹脂製チーズ継
手)を得た。また、得られた積層体について、実施例1
と同様の各種試験を行ったところ、実施例1と同様の結
果が得られた。
【0033】比較例 磁性粉を使用しない樹脂を含浸した連続繊維を使用し、
加熱硬化装置として、通常の加熱炉(雰囲気温度=80
℃、加熱処理時間=2時間)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして積層体(繊維強化樹脂製ソケット管、
150mm径)を得た。得られた積層体について、実施
例1と同様の各種試験を行ったところ、製品断面には硬
化時に発生したと見られる多数のクラックが認められ、
耐水圧試験では、30Kg/cm2 で破裂し、また、内
圧疲労試験(脈動圧試験:0−20Kg/cm2 )で
も、700回で破裂し、水道用継手規格を満足すること
ができなかった。
【0034】実施例3 本実施例は、請求項2記載の発明の一実施例である。 .FW成形機 実施例1と同じ成形機 .高周波誘導加熱装置 実施例1と同じ装置 .樹脂が含浸された連続繊維 繊 維 :アルミニウム蒸着ガラスロービング (Tex2200、蒸着厚さ=10μm) 10本 アルミニウム系カップリング剤処理済カーボン繊維 10本 含浸樹脂 :次の成分を配合したものを用いた。 エポキシ樹脂(ビスフェノールA) 100重量部 硬化剤(酸無水物系) 90重量部
【0035】芯型5として、プロペラシャフト成形用型
をFW成形機Mにセットし、これに上記樹脂含浸アルミ
ニウム蒸着連続繊維を、芯型5の長手方向に、90°の
角度で巻回し、次いで、カーボン繊維を16°、164
°の角度で2重巻きして未硬化巻回体16を得た。
【0036】次に、巻回体16を誘導加熱炉13内にセ
ットし、100KHz、50kWの出力をかけて加熱硬
化した。硬化後、芯型5から巻回体16を脱型し、製品
端部のトリミングを行って積層体(繊維強化樹脂製プロ
ペラシャフト)を得た。
【0037】得られた積層体について、横断面を観察し
た結果、クラックの発生はなく、また、共振周波数の測
定値は230Hz、捩じり強度の測定値は300Kgf
・mであり、充分製品として満足できる値を示した。
【0038】尚、上記試験方法は、次の通りである。 ・横断面検査:実施例1に同じ。 ・共振周波数:両端を固定したプロペラシャフトの打撃
点裏面に加速度計を取り付け、打撃点をハンマーで叩
き、この時の加速度を高速フーリエ変換機(FFT)を
用いて測定して共振周波数を求めた。 ・捩じり強度:一端を固定したプロペラシャフトをトル
クモーターで捩じり、プロペラシャフトが破壊した時の
強度を捩じり強度とした。
【0039】また、130℃の加熱硬化温度の場合、従
来のFW法により、同じ形状の積層体を得る場合に比較
して、その加熱硬化に要する時間が約1/5に短縮され
た。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、芯型に巻回する
連続繊維として、微細な磁性材料を含む未硬化の熱硬化
性樹脂を含浸したものか、または未硬化の熱硬化性樹脂
を含浸した連続繊維に、同じく微細な磁性材料を付着し
たものを使用し、得られた巻回体の加熱手段として、高
周波誘導加熱装置を用いて、内部加熱方式により巻回体
を加熱するようにしたから、肉厚の厚い巻回体であって
も、内層部、外層部共に硬化がむらなく均一に進行し、
得られる積層体内にクラック等が発生することがなく、
また加熱硬化に要する時間も飛躍的に短縮される。
【0041】従って、厚肉の積層体を成形する場合であ
っても、安定した品質の繊維強化樹脂積層体を得ること
ができ、また生産性にも優れた製造方法である。
【0042】請求項2記載の発明は、芯型に巻回する連
続繊維として、非磁性体からなる連続繊維に、金属皮膜
を形成したものを使用し、得られた巻回体の加熱手段と
して、高周波誘導加熱装置を用いて、内部加熱方式によ
り巻回体を加熱するようにしたから、上記請求項1記載
の発明の効果と同等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いて好適な装置のうち、FW
成形機を示す概略図である。
【図2】本発明の実施に用いて好適な装置のうち、加熱
手段に採用する高周波誘導加熱装置を示す概略断面図で
ある。
【図3】連続繊維に磁性材料を付着乃至含浸させ、これ
をインラインで芯型に巻回する方法の一例を示す概略図
である。
【図4】同上の他の例を示す概略図である。
【図5】同上の更に他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
E 高周波誘導加熱装置 M FW成形機 1a、1b 塗布液 2 含浸槽 3 連続繊維 5 芯型 6 磁性材料 13 誘導加熱炉 14 高周波誘導加熱コイル 15 高周波発生機 16 巻回体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用芯型に、未硬化の熱硬化性樹脂を
    含浸した連続繊維を巻回し、得られた巻回体を加熱硬化
    させ、然る後脱型する繊維強化樹脂積層体の製造方法に
    おいて、芯型に巻回する連続繊維として、微細な磁性材
    料を含む未硬化の熱硬化性樹脂を含浸したものか、また
    は未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した連続繊維に微細な磁
    性材料を付着したものを使用し、この巻回体の加熱手段
    として、高周波誘導加熱装置を使用することを特徴とす
    る繊維強化樹脂積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形用芯型に、未硬化の熱硬化性樹脂を
    含浸した連続繊維を巻回し、得られた巻回体を加熱硬化
    させ、然る後脱型する繊維強化樹脂積層体の製造方法に
    おいて、芯型に巻回する連続繊維として、非磁性体から
    なる連続繊維に金属皮膜を形成したものを使用し、この
    巻回体の加熱手段として、高周波誘導加熱装置を使用す
    ることを特徴とする繊維強化樹脂積層体の製造方法。
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