JPH06335869A

JPH06335869A - 研磨体

Info

Publication number: JPH06335869A
Application number: JP12287793A
Authority: JP
Inventors: Toru Inui; 徹乾
Original assignee: INUI KENMA FUSHI SEISAKU KK
Current assignee: INUI KENMA FUSHI SEISAKU KK
Priority date: 1993-05-25
Filing date: 1993-05-25
Publication date: 1994-12-06

Abstract

(57)【要約】【目的】研磨部を薄く形成でき、しかも、研磨効率が
良く、安全性の高い研磨体を提供すること【構成】回転手段に取り付けられて被研磨体１０を研
磨する研磨体であって、シート材９の両面に砥粒３、４
を付着した研磨シート５の回転手段側表面に、シート材
１１の回転手段側表面に砥粒７を付着した補強シート６
を接着してディスク状の研磨部１を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転手段、例えばポー
タブルサンダー等に取り付けて使用する研磨体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の研磨体として、ガラス繊維を集束
した糸部材を織ってネットを形成し、このネットを芯材
として両面に砥粒を結合剤で結合させてディスク状の研
磨部を形成し、この研磨部の中央部に回転手段に取り付
けるための取付部を設けた砥石がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のものは、砥粒が結合剤に埋入した状態で研磨部が形
成されているため、砥粒の露出率が低く研磨効率が良く
なかった。また、砥粒を結合剤で固めて研磨部が形成さ
れていたので、衝撃力に弱く研磨時に欠けて飛散するお
それがあるという問題があった。更に、研磨部の強度を
確保するためには研磨部の厚みをある程度厚くする必要
があり、薄い研磨部のものを作成することが困難で、研
磨部の外周端縁部で鋼板を切断する場合に、切断溝の幅
が大きくなり効率よく作業を行うことができなかった。

【０００４】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、研
磨部を薄く形成でき、しかも、研磨効率が良く、安全性
の高い研磨体を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴
とするところは、回転手段に取り付けられて被研磨体を
研磨する研磨体であって、シート材の両面に砥粒を付着
した研磨シートの回転手段側表面に、シート材の回転手
段側表面に砥粒を付着した補強シートを接着してディス
ク状の研磨部を形成した点にある。また、シート材の両
面に砥粒を付着した複数の研磨シートを接着積層してデ
ィスク状の研磨部を形成した点にある。

【０００６】

【作用】研磨体を回転手段に取り付け、研磨体を回転さ
せて研磨部の研磨側表面を被研磨体に当接させると、研
磨側表面に付着された砥粒により被研磨体が研磨され
る。砥粒は従来のように結合剤により埋入されたもので
はなく、シート材の表面に付着されたものであるので、
各砥粒の露出率が高く効率良く研磨が行える。この際、
研磨部外周部の砥粒が磨滅し、研磨シートのシート材が
露出した場合、このシート材が被研磨体と接触するとシ
ート材が回転手段側表面の砥粒により千切れて飛散す
る。同様に補強シートのシート材が露出した場合も回転
手段側表面の砥粒によりシート材が千切れて飛散し、外
周側から内周側に研磨部が順次磨滅していき、不要なシ
ート材に煩わされること無く効率良く研磨が行える。

【０００７】また、研磨部は砥粒が研磨シート及び補強
シートのシート材に付着されて形成されているので、研
磨部に欠けが生じるようなことがなく安全性の向上が図
られていると共に、研磨部の厚みを薄く形成することが
できるので、研磨部の端縁部で鋼板等を切断する際、切
断する幅が少なくてすみ効率良く作業が行える。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図２は本発明に係る研磨体の一部断面側面図を示
し、研磨体はディスク状の研磨部１と、この研磨部１の
中央部に設けられた回転手段に取り付けるための取付部
２とから構成されている。

【０００９】研磨部１は図１に模式図で示すように、研
磨シート５とこの研磨シート５の回転手段側表面に接着
剤で接着された補強シート６とからなり、研磨シート５
はシート材９の両面に砥粒３、４が接着剤で付着されて
形成され、補強シート６はシート材１１の回転手段側表
面に砥粒７が接着剤で付着されて形成されている。研磨
シート５のシート材９には綿布や厚紙が使用され、補強
シート６のシート材１１には糸部材を網目を有するよう
に織ったネットが使用されている。ネットには網目の開
口の大きさが各辺数ミリ程度とされたものが使用されて
おり、図示はしていないが実際には網目の開口にも砥粒
７が保有されている。また、糸部材にはガラス繊維を直
径０．３〜１ミリ程度に集束したものが使用されてお
り、接着剤の付着性を向上させるために適切なカップリ
ング処理を施しておくとよい。

【００１０】回転手段側の砥粒４、７には、被研磨体１
０への傷付け防止のため、研磨側の砥粒３よりも同じか
又はそれよりも細かい粒度のものが使用されている。例
えば、研磨側の砥粒３に６０番のものを使用した場合に
は、回転手段側の砥粒４、７に１００番を使用すればよ
い。なお、研磨側の砥粒３には２４番〜８００番の粒度
のものが使用されている。

【００１１】接着剤には研磨時の摩擦熱に耐えるように
熱硬化性のエポキシ系のものやフェノール系の熱硬化性
樹脂接着剤が使用されている。取付部２は研磨側に凹部
１２が形成されるように回転手段側に突出され、中央部
には貫通状に取付孔１３が形成されている。取付孔１３
の研磨側表面には金属性のカラー１４が、回転手段側表
面には綿繊維の圧縮成形体や合成樹脂等で形成された補
強板１５がそれぞれ接着されて補強されている。なお、
研磨部１の裏面には紙等で形成された化粧シートを接着
添付することもできる。

【００１２】シート材９、１１に砥粒３、４、７を付着
させるには、シート材に接着剤を塗布した後、砥粒を散
布して付着させるが、シート材側に静電力を作用させて
砥粒を散布すると、砥粒の先端側が外方に向かうため研
磨時の研磨効率を上げることができる。なお、回転手段
側の砥粒４、７は主としてシート材９、１１を分断させ
るためのものであるため、砥粒の散布に際し、静電力を
作用させなくてもよい。また、研磨シート５を形成する
には、シート材の一表面に砥粒が付着された一般に市販
されている研磨布やサンドペーパー等を利用することが
でき、この場合には、研磨布等の裏面に砥粒を付着して
形成することができる。

【００１３】研磨シート５と補強シート６とは、通常、
別個に製作され、熱硬化性の接着剤を介して加圧、加熱
されて一体的に接着されており、これにより研磨部１が
補強シート６でバックアップされ十分な強度が確保され
ている。なお、加熱は加圧した後、複数の研磨体をまと
めて行ってもよく、加圧は１０ｔｏｎ／ｃｍ²程度、加
熱は１３０°Ｃ〜２００°Ｃの条件で行なわれる。

【００１４】次に、研磨体の使用例について説明する。
先ず、研磨体を補強シート６側が回転手段側となるよう
に、取付孔１３に回転手段の駆動軸（図示せず）を挿通
させて回転手段に取り付ける。次に研磨体を回転させて
研磨部１の研磨側表面を被研磨体１０に当接させると、
研磨側表面に付着された砥粒３により被研磨体１０が研
磨される。砥粒３は従来のように結合剤に埋入されたも
のではなく、研磨シート５の表面に付着されたものであ
るので、砥粒３の露出率が高く効率よく研磨することが
できる。この際、研磨部１外周部の砥粒が磨滅し、研磨
シート５のシート材９が露出した場合、このシート材９
が被研磨体１０と接触するとシート材９が回転手段側表
面の砥粒４により千切れて飛散する。同様に補強シート
６のシート材１１が露出した場合も回転手段側表面の砥
粒７によりシート材１１が千切れて飛散し、外周側から
内周側に研磨部１が順次磨滅していく。したがって、不
要なシート材９、１１が残って研磨している部分が不明
確になる等の煩わしさが生じること無く、常に研磨して
いる部分を見ながら効率良く研磨することができる。

【００１５】また、研磨部１は砥粒が研磨シート５と補
強シート６とに付着されて形成されているので、研磨部
１に欠けが生じるようなことがなく安全に研磨作業が行
える。更に、研磨部１の両面に砥粒３、７が付着されて
いるので、研磨部１の端縁部で鋼板等を切断することも
でき、この場合には、研磨部１が薄く形成されているの
で切断する幅が少なくてすみ効率良く切断することがで
きる。

【００１６】図３は本発明の第２実施例を示し、第１実
施例における補強シート６のシート材１１をネットに代
えて、綿布や厚紙を使用したものであり、その他の構成
及び効果は第１実施例と同様であるので、同符号を付し
てその説明を省略する。図４は本発明の第３実施例を示
し、シート材９の両面に砥粒３、４を付着した２枚の研
磨シート５をネット１７を介して接着剤で接着積層して
ディスク状の研磨部１を形成したものである。その他の
構成は第１実施例と同様であるので、同符号を付してそ
の説明を省略する。

【００１７】この場合には、回転手段側の研磨シート５
にも研磨用の砥粒３が付着されているので、回転手段側
表面の研磨シート５でも積極的に研磨することができ研
磨効率を上げることができる。なお、ネット１７を介す
ること無く研磨シート５を接着することもできるが、ネ
ット１７を介して研磨シート５を接着することにより、
研磨シート５間に接着剤を十分保有させることができる
ので研磨部１の強度を上げることができる。また、研磨
シート５の枚数は２枚に限らずそれ以上の枚数を接着積
層して研磨部１を構成することもできる。

【００１８】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、ネットを構成する糸部材にはガラス繊維
に代えて炭素繊維その他の無機質の繊維や熱硬化性合成
樹脂繊維を用いることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、シート材の両面に砥粒
を付着した研磨シートの回転手段側表面に、シート材の
回転手段側表面に砥粒を付着した補強シートを接着して
ディスク状の研磨部が形成されているので、研磨側表面
の砥粒の露出率が高く効率良く研磨することができ、砥
粒が磨滅して研磨シート及び補強シートのシート材が露
出しても回転手段側表面の砥粒により千切れて飛散し、
研磨部が順次磨滅していき不要なシート材に煩わされる
こと無く効率良く研磨することができる。更に、研磨部
に欠けが生じることもないので安全性が高く、研磨部の
厚みを薄く形成することができるので、研磨部の端縁部
で鋼板を切断する際、切断する幅が少なくてすみ効率良
く研磨作業を行うことができる。

【００２０】また、シート材の両面に砥粒を付着した複
数の研磨シートを接着積層してディスク状の研磨部を形
成した場合には、上記の効果に加え、研磨側の研磨シー
トが磨滅しても回転手段側の研磨シートにより研磨する
ことができ長寿命である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示し、図２のＡ部拡大断
面図である。

【図２】同研磨体の側面図を示し、右半分は縦断面図で
ある。

【図３】同第２実施例を示す要部拡大縦断面図である。

【図４】同第３実施例を示す要部拡大縦断面図である。

【符号の説明】１研磨部３砥粒４砥粒５研磨シート６補強シート７砥粒９シート材１０被研磨体１１シート材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転手段に取り付けられて被研磨体を研
磨する研磨体であって、シート材の両面に砥粒を付着し
た研磨シートの回転手段側表面に、シート材の回転手段
側表面に砥粒を付着した補強シートを接着してディスク
状の研磨部を形成したことを特徴とする研磨体。
【請求項２】回転手段に取り付けられて被研磨体を研
磨する研磨体であって、シート材の両面に砥粒を付着し
た複数の研磨シートを接着積層してディスク状の研磨部
を形成したことを特徴とする研磨体。