JPH06335707A - 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH06335707A
JPH06335707A JP12601593A JP12601593A JPH06335707A JP H06335707 A JPH06335707 A JP H06335707A JP 12601593 A JP12601593 A JP 12601593A JP 12601593 A JP12601593 A JP 12601593A JP H06335707 A JPH06335707 A JP H06335707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
point
rolling
max
load curve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12601593A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuto Honda
厚人 本田
Takashi Obara
隆史 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP12601593A priority Critical patent/JPH06335707A/ja
Publication of JPH06335707A publication Critical patent/JPH06335707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セミプロセス電磁鋼板の耐スティッキング性
及び圧延方向の磁気特性を改善する。 【構成】 無方向性電磁鋼板のスキンパス圧延を、ロー
ルの表面凹凸が、中心面平均粗さSRa で 0.6μm 以下、
最大高さSRmax が 0.2〜2.2 μm でかつ、各凸部につ
き、負荷曲線で深さ方向落差が最も大きい点(切断断面
積率が0%又は 100%の点を除く負荷曲線の微分係数が
最小である点)を中心として切断面面積率がそれぞれ±
10%異なる2点間における高さ方向の差がSRmax の60%
以上で、しかも凸部の幅が8〜900 μm 、凸部の長さの
合計が単位面積1cm2 当たり 0.8〜230 cmを満足する圧
延ロールを用いて、付加張力:5〜20 kg/mm2 の条件下
に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、小型安定器等の鉄心
材料としての用途に用いて好適な耐スティッキング性及
び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セミプロセス電磁鋼板は、主として、小
型のモーターや蛍光灯用小型安定器、小型トランス等の
鉄心材料として用いられるが、近年のエネルギー事情を
反映して低鉄損、高透磁率への要求が高まっている。上
記した電気機器のうち、モーター等の回転機の場合に
は、磁気特性において異方性の小さいものが好ましいと
されるけれども、小型安定器等のように磁束が材料の圧
延方向に主として流れるようなものに対しては、異方性
が強く、圧延方向により優れた磁気特性を示すものが好
適である。例えば特開昭53−109815号公報には、スキン
パス圧延後の表面粗さを15μ-in,r.m.s.(二乗平均で15
マイクロインチ)以下とすることによって圧延方向の透
磁率μ15/50 が4500以上ものが得られると報告されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で得られた鋼板は、表面粗さが小さいことから、需
要家での歪取り焼鈍時に、積層した鋼板同士が融着する
いわゆるスティッキングが発生するところに問題を残し
ていた。なお、単に融着を防止する上からは、鋼板の表
面粗さを粗く(40μ-in,r.m.s.以上)とすれば良いわけ
であるが、その際には必然的に圧延方向における透磁率
の大幅な劣化が免れ得ない。この発明は、上記の問題を
有利に解決するもので、耐スティッキング性に優れるの
は言うまでもなく、磁気特性とくに圧延方向の磁気特性
に優れるセミプロセス電磁鋼板の有利な製造方法を提案
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】まず、この発明の解明経
緯について説明する。従来、冷間圧延鋼板の表面に粗度
を付与するには、ロール表面を研削したり、剛砂、剛球
を投射してロール表面の粗度を制御し、圧延によって、
これを鋼板に転写することによって行われてきた。従っ
て、かようにして粗度調整された鋼板の表面粗度は、必
然的に無秩序なものであり、いかなる規則性も有してい
なかった。そこで発明者らは、この点について種々検討
を重ねたところ、鋼板に転写される凹凸の規則性が、鋼
板の圧延方向の磁気特性に大きく影響することを見出
し、特開昭64-224号公報にて開示した。
【0005】しかしながら、さらに検討を重ねた結果、
圧延方向の磁気特性は、凹凸の規則性よりもむしろ、凹
凸の形状自体に強い影響を受けることの知見を得た。そ
こでさらに、スティッキングを生じることなく、しかも
圧延方向の磁気特性に優れる表面性状について検討を加
えたところ、所期した目的の達成のためには、鋼板の表
面粗さを、3次元表面粗さで表した中心面平均粗さSRa
が 0.5μm 以下、最大高さSRmax が 0.1〜2.0 μm でか
つ、各凹部につき、負荷曲線で深さ方向落差が最も大き
い点(切断断面積率が0%又は100 %の点を除く負荷曲
線の微分係数が最小である点)を中心として切断面面積
率がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ方向の差
がSRmax の50%以上で、しかも凹部の幅が10〜1000μm
でかつ、凹部の長さの合計が単位面積1cm2 当たり1〜
250 cmを満足する表面性状とする必要があることが究明
されたのである。この発明は、上記の知見に立脚するも
のであり、上記のような表面粗さをそなえる電磁鋼板を
有利に得ることができる製造方法についての開発成果を
開示するものである。
【0006】すなわちこの発明は、無方向性電磁鋼板用
の鋼スラブを、熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟
む2回の冷間圧延を施し、ついで焼鈍後、ロールの表面
凹凸が、中心面平均粗さSRa で 0.6μm 以下、最大高さ
SRmax が 0.2〜2.2 μm でかつ、各凸部につき、負荷曲
線で深さ方向落差が最も大きい点(切断断面積率が0%
又は 100%の点を除く負荷曲線の微分係数が最小である
点)を中心として切断面面積率がそれぞれ±10%異なる
2点間における高さ方向の差がSRmax の60%以上で、し
かも凸部の幅が8〜900 μm でかつ、凸部の長さの合計
が単位面積1cm 2 当たり 0.8〜230 cmを満足する圧延ロ
ールを用いて、付加張力:5〜20kg/mm2の条件下にスキ
ンパス圧延を施すことを特徴とする耐スティッキング性
及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板
の製造方法である。
【0007】ここに中心面平均粗さSRa とは、粗さ曲面
からその中心面上に面積SM を抜き取り、この抜き取り
部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸をおき、中心
面に直交する軸をZ軸として粗さ曲面をZ=f(X,
Y)で表したとき、次の数式
【数1】 で与えられる値のことである(単位μm )。
【0008】また負荷曲線とは、図1に示されれるよう
な曲線を意味する。すなわち単位面積における最大高さ
SRmax を縦軸の最大点として、任意の切断高さz(μm
)を縦軸とする。一方、横軸は、単位面積に対する各
切断レベルにおける切り口面積の 100分率(切断面面積
率)とする。かかる座標において、切断高さzを、最大
高さSRmax から次第に低減したときの切断高さと切断面
面積率との関係を示したのが負荷曲線である。従って、
たとえば切断面面積率が10%のときの凸部の高さとは図
中にxで示される値である。
【0009】さらに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大
きい点、すなわち負荷曲線の微分係数が最も小さい点と
は、図2に点Pで示すような点であり、この点から切断
面面積率がそれぞれ±10%異なる点Q及びRの点の高さ
の差をΔHとすると、このΔHが大きい程凹部底面と凹
部の肩が接する角度が直角に近くなり、逆にΔHが小さ
い程鈍角となり、なだらかであることを示している。な
お、微分係数が最小の点を求める際に、切断面面積率が
0%及び 100%の点を除いた理由は、これらの点では、
高い山あるいは深い谷が少しでもあるとその影響を受け
易く、微分係数は直ちに−∞となるからである。
【0010】この発明において、凸部とは、負荷曲線に
おいて微分係数が最も小さい点よりも高い部分をいい、
その形状はいわゆる山であっても、土手であってもかま
わない。また凹部とは、負荷曲線において微分係数が最
も小さい点よりも低い部分をいい、その形状はいわゆる
穴であっても、溝であってもかまわない。そして凸部幅
とは、図3に記号xn ′で示すような最隣接凹部の最短
距離のことであり、従って凹部幅とは、最隣接凸部の最
短距離を意味する。また凸部長さとは、凸部の全面積A
を平均凸部幅
【外1】 で除した値をいい、従って凹部長さとは、凹部の全面積
を平均凹部幅で除した値のことである。
【0011】
【作用】この発明を適用して好適な電磁鋼板の成分組成
は次のとおりである。 C:0.010 wt%(以下単に%で示す)以下 Cは、鉄損及び透磁率を共に劣化させる有害な元素であ
るので、極力低減することが好ましいが、 0.010%以下
の範囲で許容できる。 Si:0.1 〜2.0 % Siは、固有抵抗を高めうず電流損を低減させるために少
なくとも 0.1%を必要とするが、 2.0%を超えると透磁
率の劣化を招くので、 0.1〜2.0 %程度とするのが好ま
しい。 Mn:0.3 〜1.5 % Mnは、Siと同様、固有抵抗を高めるため、またSに起因
した熱間脆性を抑制するために添加されるものである
が、 0.3%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.5 %
を超えると粒成長性が阻害され磁気特性が劣化するの
で、 0.3〜1.5 %の範囲とするのが好ましい。 Al:0.1 〜1.0 % Alも、SiやMnと同様、固有抵抗を高める有用元素である
が、 0.1%未満ではその添加効果に乏しく、一方 1.0%
を超えると透磁率の低下を招くので、 0.1〜1.0 %の範
囲とするのが好ましい。なお、PやSは、必要に応じて
以下の範囲に制限することが望ましい。 P:0.005 〜0.1 % Pは、鉄損の改善に有効であるが、 0.005%に満たない
とその効果に乏しく、一方 0.1%を超えると磁束密度が
低下するので、 0.005〜0.1 %の範囲に限定した。 S:0.01%以下 Sは、磁束密度の面からは少ないほど好ましいので、0.
01%以下に抑制することが望ましい。その他、Sb, Sn等
の表面酸窒化防止剤やCu、Ni等の固有抵抗向上元素など
を添加しても差し支えない。
【0012】さてこの発明では、上記の好適成分組成に
調整した熱延鋼板を、そのまま又は必要に応じて 700℃
以上程度の温度で熱延板焼鈍したのち、1回又は中間焼
鈍を挟む2回の冷間圧延を施し、ついで 600℃以上程度
の温度で焼鈍を施してから、スキンパス圧延を施して製
品とするわけであるが、このスキンパス圧延工程におい
て所定の圧下率及び付加張力の下で、所定の表面粗さパ
ターンに仕上げることが重要である。
【0013】前述したとおり、所期した目的達成のため
に必要とする鋼板の表面粗さパターンは次のとおりであ
る。まず SRaについては、この値が 0.5μm より大きい
と圧延方向の磁気特性が劣化するので 0.5μm 以下とす
る必要がある。次に、SRmax が 0.1μm より小さい場合
には耐スティッキング性が悪く、また2.0 μm より大き
い場合には占積率が低下してモーターやトランス特性が
劣化するので、 0.1〜2.0 μm の範囲とする必要があ
る。
【0014】さらに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大
きい点、すなわち負荷曲線の微分係数が最小である点を
中心として切断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間
における高さ方向の差を、SRmax の50%以上としたの
は、この値がSRmax の50%に満たないと、良好な圧延方
向磁気特性が得られないからである。図4に、負荷曲線
の微分係数が最も小さい点を中心として、左右切断面面
積率がそれぞれ±10%異なる2点をとり、その高さ方向
の差をRP20 としたとき、RP20 /SRmax と圧延方向の
透磁率μ1.5 との関係について調べた結果を、スキンパ
スにおける付加張力をパラメータとして示す。なおこの
時における凹部の幅は 100μm 、凹部の長さは 50 cm/c
m2の一定とした。同図より明らかなように、RP20 /SR
max が50%以上(しかも付加張力が5〜20kg/mm2)の範
囲において、とくに良好な圧延方向磁気特性が得られて
いる。
【0015】次に、図5に、凹部の幅及び凹部の長さ
が、圧延方向の透磁率に及ぼす影響について調べた結果
を示す。なお、試料のRP20 /SRmax は50%以上、スキ
ンパスにおける付加張力は 15 kg/mm2である。同図より
明らかなように、凹部の幅が10〜1000μm 、凹部の長さ
が1〜250 cm/cm2でかつ、を満足する場合に、良好な透
磁率が得られている。
【0016】上述したとおり、所望の特性を得るには、
鋼板の表面につき、SRa : 0.5μm以下、SRmax : 0.1
〜2.0 μm 、RP20 /SRmax :50%以上、さらに凹部の
幅:10〜1000μm 、凹部の長さ:1〜250 cm/cm2を満足
する表面粗さとする必要がある。そこで、かかる鋼板表
面粗さを得るために必要とする圧延ロールの表面性状に
ついて検討したところ、ロールの表面凹凸を、中心面平
均粗さSRa で 0.6μm 以下、最大高さSRmax が 0.2〜2.
2 μm でかつ、各凸部につき、負荷曲線で深さ方向落差
が最も大きい点(切断断面積率が0%又は 100%の点を
除く負荷曲線の微分係数が最小である点)を中心として
切断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における高
さ方向の差がSRmax の60%以上で、しかも凸部の幅が8
〜900 μm、凸部の長さの合計が単位面積1cm2 当たり
0.8〜230 cmを満足する表面性状にすれば良いことが究
明されたのである。
【0017】しかしながら、単にロールの表面粗さを上
記の範囲に粗度調整しただけでは、前掲図3にも示した
とおり、必ずしも良好な磁気特性が得られるとは限ら
ず、安定して良好な磁気特性を得るには、スキンパス圧
延における付加張力を、5〜20kg/mm2の範囲に制限する
ことが重要である。というのは、付加張力が5kg/mm2
満たないと、安定したスキンパスが行えず、板の形状不
良による磁性不良が発生し易くなり、一方20kg/mm2を超
えると凹凸パターンによる磁性改善効果がなくなるから
である。なお、スキンパス圧延における圧下率は特に限
定されるものではないが、1〜12%程度が好適である。
【0018】次に、圧延ロールに対する凹凸パターンの
形成方法について説明する。従来から、スキンパス圧延
用ロールの表面をダル仕上げするための方法としては、
ショットブラストによる方法や放電加工による方法、さ
らには特開昭62−224405号公報に開示のようなレーザー
加工による方法、特開平2-99208号公報に開示のような
スクリーン印刷とエッチング又はスクリーン印刷とめっ
きとを組合せた方法などがある。しかしながら、ショッ
トブラスト法や放電加工法によってダル仕上げされた圧
延用ロールは、表面に形成された粗度パターンが不規則
であるため、かかるロールを用いて圧延した場合には、
鋼板表面の粗度パターンも不規則となる。しかも任意の
凹凸パターンを形成することは不可能である。
【0019】一方、レーザー加工による場合は、規則的
な粗度パターンは得ることができるけれども、図6に示
すように、レーザー照射によりレーザー中心から離れた
部位が同心円状に盛り上がり、これにより微細なパター
ンを得ることができないし、凹部形状を任意に選択する
ことも難しい。またロールに直接レーザービームを用い
て穿孔するため、圧延ロールのように広い面積を持つ被
加工物を能率よく加工するためには、レーザー発振器は
しては1kW以上の高出力が要求され、必然的に炭酸ガス
レーザーとならざるを得ず、加工装置が大型化し、費用
・保守の面での負担が大きい。さらに、レーザービーム
によって金属が溶融されて形成された凹凸パターンは、
その凹凸部の組織がオーステナイトとなるので、このよ
うなロールは耐摩耗性に劣る。しかも、凹凸パターンの
凹部の直径は、集光レンズで収束したレーザービームの
直径により決まるが、この直径は炭酸ガスレーザー光の
波長が長い(10.6μm )ため、物理的に約100 μm 以下
にすることがでない不利もある。
【0020】他方、スクリーン印刷法を用いる方法は、
特開平2-99207号公報に見られるように、微細模様をス
クリーン印刷により圧延ロールの表面に印刷し、その
後、エッチング又はめっきを行って微細模様をロール表
面に形成し、該圧延ロールにより鋼板表面に微細模様を
転写することからなる方法であるが、この方法では、シ
ョットブラスト法のようにグリッド粒子を機械的にロー
ル表面に叩きつけてダル目付け加工を行った場合のよう
なうねりがロール表面に発生せず、また放電加工やレー
ザーによる加工法のように高エネルギーを加工部に集中
させることもないので、ロール表面の硬さが劣化せず均
一で、ロールから鋼板への微細模様の転写が可能であ
る。
【0021】また、特公昭62-11922号公報には、耐酸腐
食性物質で表面を覆い、これをレーザー光で局所的に破
壊し、覆われていない部分を化学的に腐食する方法が開
示されている。さらに、特開平2−175882号公報には、
この技術を能率よく精密に容易に実施できるように改善
した方法及び装置を用い、次の工程から成る、整列され
た又は任意配列の凹凸を有するロールを加工する方法が
開示されている。すなわち、(1) 圧延ロール表面に光吸
収材を混入した耐酸腐食樹脂液を塗布して耐酸腐食性樹
脂膜を形成したのち、(2) この樹脂膜を連続的に平均で
5〜10Wの出力を有するQスイッチ・YAGレーザーを
用いてマーキング加工し、所要の模様に該ロール表面を
露出させ、(3) しかる後、エッチング処理を施してロー
ル表面に所望の模様を付与する方法である。
【0022】上掲した各種凹凸パターン形成方法のう
ち、スクリーン印刷法あるいは耐酸腐食性樹脂膜とQス
イッチ・YAGレーザーとを組み合わせた方法は、上述
したとおり、規則的に微細な凹凸模様を形成することが
できるので、これらの方法を用いることによって、この
発明の要件を満足する任意の凹部形状を得ることができ
る。
【0023】
【実施例】
実施例1 C:0.0040%, Si:0.60%, Mn:1.0 %, Al:0.4 %,
P:0.03%, Sb:0.050 %及びS:0.004 %を含有し、
残部実質的にFeの組成になる厚み:2.3 mmの熱延板を、
冷間圧延によって板厚:0.53mmの冷延板としたのち、N2
雰囲気中で 800℃, 1min の連続焼鈍を施し、ついで Y
AGレーザー加工法により、表1に示すように、表面粗さ
を種々に調整した圧延ロールを用いて、板厚:0.5 mmま
でスキンパス圧延を行った。かくして得られた各冷延板
から、幅:30mm、長さ:280 mmのエプスタイン試片を切
り出し、N2雰囲気中で 750℃, 2hの歪取り焼鈍後の耐
スティッキング性及び鉄損特性について調べて結果を表
1に示す。
【0024】なお、耐スティッキング性は、上記の歪取
り焼鈍条件の下で30×100 mmのせん断試料をラップ代:
15 cm2として積層、加圧(加圧力:500 kg)してまま焼
鈍し、その後引張り試験機により測定した鋼板の融着強
度で評価した。ここに、融着強度が 10 kg/cm2以下であ
れば実用上問題はない。
【0025】
【表1】
【0026】同表より明らかなように、この発明に従う
圧延ロールを用いて、所望の表面性状に調整された鋼板
はいずれも、耐スティッキング性のみならず、圧延方向
磁気特性にも優れていた。
【0027】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、耐スティッ
キング性及び圧延方向磁気特性が共に優れたセミプロセ
ス電磁鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】負荷曲線の説明図である。
【図2】表面凹凸を切断面面積率と凸部高さとの関係で
示したグラフである。
【図3】この発明でいう凸部の幅及び長さを示した図で
ある。
【図4】RP20 /SRmax と圧延方向の透磁率μ1.5 との
関係を、スキンパスにおける付加張力をパラメータとし
て示したグラフである。
【図5】凹部の幅及び凹部の長さが、圧延方向の透磁率
に及ぼす影響を示したグラフである。
【図6】従来法に従う凹部を示す模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無方向性電磁鋼板用の鋼スラブを、熱間
    圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
    施し、ついで焼鈍後、ロールの表面凹凸が、中心面平均
    粗さSRa で 0.6μm 以下、最大高さSRmax が 0.2〜2.2
    μm でかつ、各凸部につき、負荷曲線で深さ方向落差が
    最も大きい点(切断断面積率が0%又は100%の点を除
    く負荷曲線の微分係数が最小である点)を中心として切
    断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ
    方向の差がSRmax の60%以上で、しかも凸部の幅が8〜
    900 μm でかつ、凸部の長さの合計が単位面積1cm2
    たり 0.8〜230 cmを満足する圧延ロールを用いて、付加
    張力:5〜20 kg/mm2 の条件下にスキンパス圧延を施す
    ことを特徴とする耐スティッキング性及び圧延方向の磁
    気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法。
JP12601593A 1993-05-27 1993-05-27 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法 Pending JPH06335707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12601593A JPH06335707A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12601593A JPH06335707A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06335707A true JPH06335707A (ja) 1994-12-06

Family

ID=14924619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12601593A Pending JPH06335707A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06335707A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016515047A (ja) * 2013-03-15 2016-05-26 ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. ダル光沢仕上げの圧延肌

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016515047A (ja) * 2013-03-15 2016-05-26 ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. ダル光沢仕上げの圧延肌
US9914160B2 (en) 2013-03-15 2018-03-13 Novelis Inc. Methods for forming a work roll and a dulled gloss finish on a metal substrate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6455593B2 (ja) 方向性電磁鋼板
JP4724431B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
EP0775752B1 (en) Grain-oriented electrical steel sheet and method of manufacturing the same
EP0837148B1 (en) Grain-oriented electromagnetic steel sheet
EP1057898B1 (en) High flux density grain-oriented electrical steel sheet excellent in high magnetic field core loss property and method of producing the same
JP6769587B1 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
EP0388776B1 (en) Method of producing non-oriented magnetic steel plate having high magnetic flux density and uniform magnetic properties through the thickness direction
US6416592B2 (en) Electromagnetic steel sheet having excellent magnetic properties and production method thereof
JP2018154881A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001303261A (ja) 張力付与異方性被膜を有する低鉄損一方向性電磁鋼板
JPH06335707A (ja) 耐スティッキング性及び圧延方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法
JP4192399B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPS5938334A (ja) 加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄鋼板の製造法
JPH06330171A (ja) 円周方向の磁気特性に優れたセミプロセス電磁鋼板の製造方法
JP7307354B2 (ja) 磁気特性が優れた方向性電磁鋼板
JPH0826437B2 (ja) シャドウマスク用Fe―Ni合金薄板およびその製造方法
JP2022022494A (ja) 方向性電磁鋼板
JPH0823046B2 (ja) 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06336660A (ja) 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板
WO2024111619A1 (ja) 方向性電磁鋼板
US4938806A (en) Method for producing an electro-magnetic steel sheet
WO2024111647A1 (ja) 方向性電磁鋼板
JP3068329B2 (ja) 打抜性及び溶接性の優れた積層鉄心用電磁鋼板の製造方法
EP0585956A1 (en) Thick grain-oriented electrical steel sheet exhibiting excellent magnetic properties
JP3419024B2 (ja) 搬送性及び高速溶接性に優れる無方向性電磁鋼板