JPH0633534Y2 - 磁気カ−ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は，基板上に磁気記録再生用の磁性膜を設けた磁
気カードに関し，特に磁性膜の上から低保磁力の軟磁性
材料の保護被覆層で被った磁気カードの改良に関する物
である。

（２）従来の技術 従来の磁気カードは，プラスチック等の非磁性基板上に
磁気記録再生用の磁性膜を設けた構造で，磁気ヘッドを
用いて磁性膜への記録・再生を行っている。

（３）考案が解決しようとする問題点 この場合，磁性膜への記録・再生は一般の磁気ヘッドを
用いることも可能で情報が盗聴される惧がある。

また，この欠点を解決するため，高保磁力の磁性膜の上
に低保磁力の磁性膜を設けることにより，磁気的に保護
することになり，従来の一般のヘッドでの記録・再生が
不可能となる。しかしこの構成では，磁気記録再生用磁
性膜とヘッド面との間隔が広いため，高密度な記録がで
きない，十分な出力を得るためには，磁性層を厚くする
必要がありオーバーライト特性が悪くなるなどの欠点が
あった。

そこで，本考案の目的は，機密保持能力を保ちながら，
高密度の磁気記録を可能とする磁気カードを提供するこ
とにある。

（４）問題点を解決するための手段 本考案はこのような欠点を除去するため考案されたもの
で，プラスチック等の磁気カード基板１上に読み出し時
に生じる磁気信号を減衰させるための低保磁力の軟磁性
材料よりなる磁性層２を設け，その上に磁気記録再生用
の磁性膜３を，更にその上に非磁性の保護膜用４を設け
たものである。

（５）作用 本考案では軟磁性層を磁気記録再生用磁性膜の下に設け
たため記録再生用磁性膜とヘッドとの距離を近くしたも
のであるから高密度な記録を可能とする。

（６）実施例 第１図は本考案による磁気カードを厚さ方向にみた断面
図を示し,1はプラスチック基板,2は低保磁力の軟磁性材
料層であり,3は磁気記録再生用磁性膜,4は非磁性の保護
層である。

第２図は本考案の磁気カードの記録再生特性を示してい
る。第２図の符号ｂに示す如く，従来のもの（ａ）に比
し高い密度の記録ができ，且つオーバーライト特性に優
れている。

また，非磁性の保護層で表面を被うことにより，ヘッド
面と磁性面が直接接触しないため，下層の軟磁性材が磁
気記録層を磁気的に保護し，一般の磁気ヘッドによる再
生が不可能となる。

（７）考案の効果 以上説明したように，本考案によれば，軟磁性層を磁気
記録再生用磁性膜の下へ置き，記録再生用膜とヘッド面
との距離を近くすることにより，高密度な記録ができ，
且つオーバーライト特性に優れた磁気カードを提供する
ことができる。

また，本考案によれば，磁気記録再生用磁性膜を非磁性
の保護膜で表面を被うことにより、ヘッド面と磁性面が
直接接触しないため，下層の軟磁性材が磁気記録層を磁
気的に保護し，一般の磁気ヘッドによる再生が不可能に
なるため，信頼性の高く機密保持能力に優れた磁気カー
ドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるカードの構造を表す。１はプラス
チック等の非磁性基板,2は低保磁力の軟磁性材料層であ
り,3は磁気記録再生用磁性膜,4は非磁性の保護層であ
る。 第２図は本考案による磁気カードの特性を表す。ａは低
保磁力の軟磁性材層が磁気記録再生用磁性膜の上にある
場合でｂは低保磁力の軟磁性材層が下にある場合であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気カード基板１上の磁気再生用の磁性膜
   ３の下に，読み出し時に生じる磁気信号を減衰させるた
   めの低保磁力の軟磁材料よりなる磁性層２を設け，且つ
   前記磁気記録再生用磁性膜の上に非磁性の保護膜４を設
   けてなることを特徴とする磁気カード。