JPH0633459B2 - 複合炭素被膜およびその作製方法 - Google Patents

複合炭素被膜およびその作製方法

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JPH0633459B2
JPH0633459B2 JP63054467A JP5446788A JPH0633459B2 JP H0633459 B2 JPH0633459 B2 JP H0633459B2 JP 63054467 A JP63054467 A JP 63054467A JP 5446788 A JP5446788 A JP 5446788A JP H0633459 B2 JPH0633459 B2 JP H0633459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の利用分野」 本発明は摩擦を生じる表面、特に摩擦により静電気を生
じる表面に関するものである。
「従来の技術」 従来より物体と物体とが擦れ合う部分には摩擦による摩
耗を少なくするものとして種々の耐摩耗材料が考えられ
て使用されている。
それらの耐摩耗材料の中には摩擦により静電気を生じる
表面に使用されているものもある。
このような摩擦により静電気を生じる表面に使用される
耐摩耗材料は耐摩耗性という特性の他に摩擦により生じ
た静電気が材料表面に蓄積しないように導電性を有する
ことが必要である。このような性質を持つ耐摩耗材料を
必要とするものの一例として密着型イメージセンサを挙
げることができる。
第9図に従来の密着型イメージセンサの断面図を示す。
透光性基板(1)上に光センサ素子(2)が設けられ、さらに
その上に透光性保護膜(3)が形成され、その透光性保護
膜上に接着層(4)、ITOからなる透明電極(5)、光セン
サ素子を原稿との摩擦から保護する表面保護層としての
ガラス板(6)を積層したものである。
密着型イメージセンサは入射窓(7)を通った入射光(8)を
原稿(9)に照射し、その照射による原稿からの反射光(1
0)を光センサ素子(2)に入射させることにより原稿の画
像を読みとるものであり、この画像の読み取りの際に
は、原稿をガラス面に密着させながら移動させるもので
ある。
従ってこの原稿の移動に伴ってガラス面と原稿との間に
は摩擦が生じ、この摩擦による静電気がガラス表面に発
生することになる。この摩擦による静電気が光センサ素
子に及ぼす影響を少なくするためにITOよりなる透明
電極(5)をガラス面に接して設け、その透明電極を接地
電極として静電気の蓄積を防いでいた。
そして上記のガラス板の他に耐摩耗性のあるものとして
Si3N4,Al2O3,SiO2などの蒸着膜、有機系のナイロン12、
PET(ポリエステル)、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル
・ケトン)、アクリル、ポリカーボネート、シリコンな
どのフィルム材やコーディング材等が考えられてきた。
また、従来より耐摩耗性、高平滑性、絶縁性及び高熱伝
導性等の多くの特性を有する材料として炭素膜が知られ
ており、その炭素膜をコーティングする技術としては特
願昭56- 146930が知られている。
〔従来技術の問題点〕
しかしながら前述したイメージセンサのガラス面には耐
摩耗性を有しているとはいうものの、原稿との摩擦によ
り傷が生じ易いという問題があった。多くの場合、傷の
幅が1μm以下の微細な傷であり画像読み取りにはほと
んど影響はないものであるが、原稿面上の極端な凹凸、
ホチキスなどの金具等が原稿にある場合には大きな傷と
なってしまい、特に上述した有機系の材料の場合にはこ
の傷が幅40〜 200μmにも達し、画像の読み取りに大き
く影響を与えてしまっていた。
現在の密着型イメージセンサに使用されているガラスは
上記の傷の幅が最も小さいものとして用いられているも
のであるが、ホチキスの付いた原稿を使用してしまい原
稿を送るためのローラとガラス板との間にホチキスを挟
んでしまうような事故は必ず起きるものであることを考
えた場合、密着型イメージセンサの表面保護層にはガラ
ス板以上の耐摩耗性のある材料が望まれている。そして
同時に前述したようにその耐摩耗性のある材料に導電性
が付与されていることも望まれている。
また密着型イメージセンサーに現在用いられているガラ
ス板は導電性がないためにガラス板にITOからなる電
極を密着させることでガラス表面に静電気を蓄積させな
いようにしなければならず、ガラス板の厚みが極めて薄
いものでも5μm程度と厚いうえにITOの電極を付け
なければならないため、原稿からの反射光にも影響を与
えてしまっている。つまり反射光は原稿から光センサ素
子に到るまでの間にガラスやITO等があるとその中で
吸収、散乱されてしまうため、ガラスやITOはなるべ
く薄い方が良いからである。
本発明は上記の密着型イメージ・センサに見られるよう
な摩擦により摩耗を生じる部分及び摩擦により静電気が
生じるような部分に対して好適な、耐摩耗性及び導電性
を有した材料を目的として成されたものである。
〔問題を解決すべき手段〕
本発明は炭素または炭素を主成分とする被膜形成時に高
周波エネルギーと反応圧力を変化させることで、形成さ
せた被膜のビッカース硬度及び比抵抗を大きく変えるこ
とが可能であり、加えて硬度の大きな電気絶縁性の大き
な被膜から硬度の小さいかつ電気導電性の大きな被膜ま
でを作製させることが可能であるという知見に基づいて
成されたものである。
本発明は上記の目的を達成するためビッカース硬度が10
00Kg/mm2以下を有し、比抵抗が10〜10-6Ω・cmである
炭素または炭素を主成分とする第1の被膜とビッカース
硬度が2000Kg/mm2以上を有し、比抵抗が10〜1013Ω・
cmである炭素または炭素を主成分とする第2の被膜とを
積層させた構造を有した複合炭素被膜を作製したことに
ある。
即ち比抵抗が1×10〜1×10-6Ω・cm好ましくは1×
10-3〜5×10-5Ω・cmと小さくかつビッカース硬度が10
00Kg/mm2以下好ましくは500 〜700Kg/mmの炭素または
炭素を主成分とする第1の被膜に導電性を与えて、第1
の被膜に積層させた比抵抗として10〜1013Ω・cm好ま
しくは1×10〜5×1011Ω・cmの大きさを持つ第2の
被膜に生じた静電気を第2の被膜表面に蓄積させないよ
うにすると共に第2の被膜にはビッカース硬度が2000Kg
/mm2以上好ましくは3000Kg/mm2〜5000Kg/mm2理想的には
6500Kg/mm2というダイヤモンドに類似の硬さを持たせた
炭素または炭素中に水素ハロゲン元素が25原子%以下ま
たはIII価またはV価の不純物が5原子%以下、また窒
素がN/C≦0.05の濃度に添加された炭素を主成分とす
る被膜により耐摩耗性を与えたものである。
また上記の比抵抗を小さくして導電性を与えた第1の被
膜を上記のダイヤモンドに類似の硬さを与えた第2の被
膜で挟んだ第1図に示す構造にしても良い。この構造を
持つ被膜を被形成面上に形成させることにより被形成面
に接している第2の被膜が絶縁性であるため、被形成面
に対して電気的保護の役割をすると共に被形成面中の不
純物が第1の被膜に混入することを防ぐことができる。
第1の被膜あるいは第2の被膜は、被膜中において硬度
及び比抵抗を一定にする場合と、被膜中において硬度の
小さい膜から大きい膜(比抵抗の大きい膜から小さい
膜)を何層かに別けて第2図(A)に示すように積層さ
せて被膜とする場合と、第2図(B)に示すように硬度
を連続的に変えて、単層の中で硬度が連続的に変化した
被膜とする場合が可能である。本発明の被膜はこれらの
構造を持った第1の被膜あるいは第2の被膜を任意に組
合わせて積層させたものである。つまり一定の硬度を持
つ第2の被膜を一定の硬度を持った第2の被膜で挟んで
第3図(A)及び(B)に示すような膜厚と硬度及び膜
厚と比抵抗との関係を持つ被膜も可能であり、また、第
1の被膜及び第2の被膜をそれぞれの被膜中で硬度及び
比抵抗が連続的に変化したものとして第4図(A)及び
(B)に示す被膜とすることも可能である。
本発明はビッカース硬度が1000Kg/mm2以下好ましくは 5
00〜700Kg/mm、比抵抗が10〜10-6Ω・cm好ましくは
1×10-3〜5×10-5Ω・cmの炭素または炭素を主成分と
する被膜(第1の被膜)を接地電極に接した被形成面に
おいて形成させ、ビッカース硬度が2000Kg/mm2以上好ま
しくは3000〜5000Kg/mm2、比抵抗が10〜1013Ω・cm好
ましくは1×10〜5×1011Ω・cmの炭素または炭素を
主成分とする被膜(第2の被膜)を高周波印加電極に接
した被形成面において形成させた。これはプラズマ中の
電子が高周波印加電極に蓄積させることにより、高周波
印加電極の近傍においてセルフバイアスが生じるために
正イオン(例えばH)が高周波印加電極に向かって加
速されることになるので、高周波印加電極に接して被形
成面を設ければ、加速された正イオンが形成中の炭素ま
たは炭素を主成分とする被膜に衝突することでC=Cの
ような二重結合を有する炭素の割合が減りC−Cの結合
を有する炭素が増加したり、あるいは炭素原子に結合し
てしいる水素原子がなくなることによりSP混成軌道を
持ついわゆる三方炭素やSP混成軌道を持ついわゆる二方
炭素がなくなりSP混成軌道を持ったいわゆる四方炭素
の割合が増すことになるため、高周波印加電極に接した
被形成面にはダイヤモンドに類似した硬さを持った炭素
または炭素を主成分とする被膜が形成されまた、形成さ
れやすいのである。
また逆に接地電極側ではプラズマ中の電子が蓄積されて
ないためセルフバイアスも生ぜず、従って形成中の被膜
への正イオンの衝突もないため上記のような正イオンに
よる効果もなく、三方炭素や二方炭素あるいはC=Cの
ような二重結合を持った炭素被膜が形成されるためビッ
カース硬度の低い比抵抗の小さな被膜になってしまうの
である。
本発明における硬度及び比抵抗の変化した被膜を作る場
合には、被膜形成の際の反応圧力を減少させる方法、高
周波エネルギーを増加させる方法、添加物気体の添加量
を変化させる方法及び上記3つの方法を2つまたは3つ
組合わせる方法をとった。これは被膜形成に使用する炭
化水素化物気体の圧力を減少させることにより単位体積
中に含まれる炭化水素化物気体分子の個数が減少するた
め、相対的に気体を分解するために加えられている高周
波エネルギーの出力が大きくなりプラズマ中の電子が増
大して高周波印加電極に蓄積されるため前記したセルフ
バイアスが増大するということに基づくものである。
また、高周波エネルギーの出力を増大させる方法がある
が、これは上述した如く、気体を分解するエネルギーが
増大するとプラズマ中の電子が増大するために、高周波
印加電極への電子の蓄積が増大してセルフバイアスが大
きくなることによるものである。
本発明に用いられる被形成面としては、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PES,PMMA.テフロ
ン、エポキシ、ポリイミド等の有機樹脂基体または金属
メッシュ状キャリア、紙等テープ状キャリア、ガラス、
金属、セラミック、半導体、磁気ヘッド用部材、磁気デ
ィスク等がある。
以下に実施例と共に本発明を具体的に説明する。
第5図は本発明の炭素または炭素を主成分とする第1ま
たは第2の被膜を形成するためのプラズマCVD装置の
概要を示す。
炭化水素化物基体としてはエチレン(C2H4)、メタン系
炭化水素(CnH2n+2)等の気体または珪素を一部に含んだ
場合はテトラメチルシラン((CH3)4Si)をテトラエチルシ
ラン((C2H5)4Si)等が挙げられる。
図面において、ドーピング系(11)において、キャリアガ
スである水素を(12)より、反応性気体である炭化水素気
体例えばメタン、エチレンを(13)より、III価不純物の
ジボラン(水素希釈)(14)、V価不純物のアンモニアま
たはフィスヒンを(15)よりバルブ(16)、流量計(17)をへ
て反応系(18)中にノズル(19)より導入させる。このノズ
ルに至る前に、反応性気体の励起用にマイクロ波エネル
ギーを(20)で加えて予め活性化させることは有効であ
る。
反応系(18)には第1の電極(21)、第2の電極(22)を設け
た。一対の電極(21)、(22)間には高周波電源(23)、マッ
チングトランス(24)、直流バイアス電源(25)より電気エ
ネルギーが加えられ、プラズマが発生する。本発明では
第1の被膜を接地電極に接して置いた被形成面に、また
第2の被膜を高周波印加電極に接して置いた被形成面に
作成するための切換スイッチ31及び32を設けた。
本発明では第1の被膜を接地電極に接して置いた被形成
面に、また第2の被膜を高周波印加電極に接して置いた
被形成面に作製するため切換スイッチ31及び32を設
けた。
排気系(26)は圧力調整バルブ(27)、ターボ分子ポンプ(2
8)、ロータリーポンプ(29)をへて不要気体を排気する。
反応性気体には、反応空間(30)における圧力が0.001 〜
10torr代表的には0.01〜0.5torr の下で高周波もしくは
直流によるエネルギーにより0.1 〜5KW のエネルギーが
加えられる。
特に励起源が1GH2以上、例えば2.45GHの周波数にあっ
ては、C-H 結合より水素を分解し、さらに周波数源が0.
1 〜50MH例えば13.56MH2の周波数にあってはC-C 結
合、C=C結合を分解し、-C-C-結合を作り、炭素の不対
結合手同志を互いに衝突させて共有結合させ、安定なダ
イヤモンド構造を局部的に有した構造とさせ得る。
直流バイアスは-200〜600V( 実質的には-400〜+400V)を
加える。なぜなら、直流バイアスが零のときは自己バイ
アスが-200V(第2の電極を接地レベルとして)を有して
いるためである。
反応性気体は、水素で一部を希釈した。例えばメタン:
水素=1:1とした。第1の電極は冷却手段を有してお
り、被形成面上の温度を 250〜-100℃に保持させた。
第6図及び第7図は、上述の装置で作製した炭素被膜の
ビッカース硬度及び比抵抗の被膜作製時に加えた高周波
エネルギーに対する関係を示した。
第6図は高周波印加電極(カソード電極)側で形成させ
た被膜であり、大きな高周波エネルギーを加えて作製し
た被膜ほどビッカース硬度の大きいものが得られた。ま
た第7図は接地電極(アノード電極)側で形成させた被
膜であり、大きな高周波エネルギーを加えて作製した被
膜ほどビッカース硬度の小さいものが得られた。この第
6図及び第7図よりカソード電極側では比抵抗の大きな
被膜がまた、アノード電極側では比抵抗の小さな被膜が
できることがわかる。この被膜の作製条件は圧力0.15to
rr、メタンの流量100SCCM 、基板温度を室温、成膜時間
180分で行った。
以上のような装置により本発明の第1の被膜及び第2の
被膜を積層させることにより本発明の被膜を得た。
第2の被膜形成後第1の被膜を形成させるとき、あるい
はその逆の場合には切換スイッチ31及び32を切換え
ることにより被形成面をカソード電極側よりアノード電
極側にしたり、その逆のものとした。
〔実施例1〕 本実施例は密着型イメージセンサに本発明の炭素被膜を
適用し第3図に示す構造の炭素膜を形成したものであ
る。
第8図に示すように透明ガラス基板(33)上に電極及びア
モルファスシリコンを公知のプラズマCVD 法を用いて積
層させエキシマレーザーにより電極及びアモルファスシ
リコンの層を加工することにより光センサー素子(34)を
形成させた後、透光性ポリイミド(35)を公知のスピンナ
ー法で塗布し密着型イメージセンサーを作製した。その
後上記イメージセンサーをカソード電極側に設置して水
素の添加されたメタンを100SCCM の流量で導入し、圧力
を0.03torrに保持し、メタンに対し260Wの高周波エネル
ギーを加えて60分間膜形成を行い、上記ポリイミド層上
に第1の層(36)を0.6 μmの厚さに形成した。次に切換
スイッチ31及び32を切換えて被形成面がアノード電
極側になるようにして第1の層(36)の上に、メタンに対
し300Wの高周波エネルギーを加えて40分間膜形成を行
い、第2の層(37)を0.5 μmの厚さに形成した。そして
切換スイッチを切換えることにより第2の層(37)上に、
第1の層と同じ条件で第3の層(38)を形成し、第3 図に
示すような被膜とした。
これら3つの層のビッカース硬度を測定したところ第1
の層及び第3の層は4500Kg/mm2、第2の層は600Kg/mm
であり、また比抵抗は第1及び第3の層が1×10Ωc
m、第2の層が1×10-7Ωcmであった。形成された炭素
被膜は被形成面上と表面とにダイヤモンド類似の硬さと
電気絶縁性とを有し、それに挟まれて硬度の低い電気導
電性の大きな膜を有しているため、原稿と摩擦を生じる
面ではダイヤモンド類似の硬さを有する第3の層(38)が
形成されているため原稿面上の凹凸やホチキスの金具等
により上記の層に傷が付くこともなく、また原稿と第3
の層との間に摩擦により静電気が生じても導電性を有す
る第2の層(37)により静電気の蓄積を防ぐことができ
た。また絶縁性の第1の層により光センサー素子への電
気的影響を抑えると共に透光性ポリイミド中の不純物が
第2の層(37)に混入することを防止できた。
本実施例では第1の層(36)を設けたが第1の層がなくて
も本発明の目的は達成できる。
〔実施例2〕 本実施例は第4図に示す構造の炭素膜を形成したもので
ある。
実施例1と同様の密着型イメージセンサーをカソード電
極側に設置して水素の添加されたメタンを100SCCM の流
量で導入し、圧力を0.03torrに保持してメタンに対して
300Wの高周波エネルギーを加えた後0.5 〜2.5W/minの減
少率で200Wにまでエネルギーを減らしてビッカース硬度
が5000Kg/mm2から1000Kg/mm2まで連続し、比抵抗が1012
Ωcmから104Ωcmまで連続的に変化している炭素膜を形
成させ0.7 μmの厚さを有する第1の層とし、その後切
換スイッチ(31)及び(32)を切換えて被形成面をアノード
電極側にした後、高周波エネルギーを0.5 〜2.5W/minの
割合で200Wから300Wに増加及び300Wから200Wに減少させ
ることにより厚さ方向に対してビッカース硬度が1000Kg
/mm2から600Kg/mm、600Kg/mmから1000Kg/mm2まで及
び比抵抗が1012Ωcmから10Ωcmまで連続的に変化した
0.4 μmの厚さを有する第2の層を形成させた。その後
切換スイッチ(31)及び(32)を切換えて被形成面をカソー
ド電極側にした後200W〜300Wまで0.5 〜2.5W/minの割合
で高周波エネルギーを増加させてビッカース硬度が1000
Kg/mm2から5000Kg/mm2まで連続した、また比抵抗が10
Ωcmから1012Ωcmまで連続的に変化した0.7 μmの厚さ
を有する第3の層を形成して第4図に示す構造の炭素膜
を形成した。この炭素膜は実施例1の膜と同様の効果を
持ち、また、第1の層がなくても良いことも同様であっ
た。
〔実施例3〕 本実施例は実施例1における第3の層を硬度及び比抵抗
の異なる複数の層を積層させることにより形成させたも
のである。
第1の層及び第2の層は実施例1と同様に作製し、その
後被形成面をカソード側にして高周波エネルギーを80W
にして50分、150Wにして50分、300Wにして40分加えて、
比抵抗が5×10Ωcm、2×10Ωcm、1×10Ωcmと
変化した1.7 μmの厚さを有する第3の層を形成し本発
明の炭素膜を得た。
この得られた炭素膜においても実施例1で得られた炭素
膜と同様の効果があり、また第1の層がなくても良いこ
とは実施例1と同様であった。
〔実施例4〕 本実施例は第1の層を硬度及び比抵抗が連続的に減少し
た層とし、第3の層を硬度及び比抵抗の異なる複数の層
を積層させることにより形成させたものである。
先ず第1の層を実施例2と同様に作製した後第2の層を
実施例1に従って作製し、第3の層を実施例3により作
製させ本発明の炭素膜とした。
本実施例の炭素膜においても実施例1で得られた炭素膜
と同様の効果があり、また第1の層がなくて良いことは
実施例1と同様であった。
実施例1〜4においては密着型イメージセンサに本発明
の炭素膜を適用したが、サーマルヘッドの耐摩耗層にも
本発明の実施例を適用することができた。
〔効果〕
本発明の炭素被膜は比抵抗が1×10〜1×10-6Ω・cm
好ましくは1×10-3〜5×10-5Ω・cmと小さく、かつビ
ッカース硬度が1000Kg/mm2以下好ましくは500 〜700Kg/
mm2の炭素または炭素を主成分とする第1の被膜に導電
性を与えて、第1の被膜に積層させた比抵抗として10
〜1013Ω・cm好ましくは1×10〜5×1011Ω・cmの大
きさを持つ第2の被膜に生じた静電気を第2の被膜表面
に蓄積させないようにすると共に第2の被膜にはビッカ
ース硬度が2000Kg/mm2以上好ましくは3000Kg/mm2〜5000
Kg/mm2理想的には6500Kg/mm2というダイヤモンドに類似
の硬さを持たせた炭素または炭素中に水素ハロゲン元素
が25原子%以下またはIII価またはV価の不純物が5原
子%以下、また窒素がN/C≦0.05の濃度に添加された
炭素を主成分とする被膜により耐摩耗性を与えたもので
あるため、密着型イメージ・センサーに見られるような
摩擦により摩耗を生じる部分及び摩擦により静電気が生
じるような部分に対して好適な耐摩耗性及び導電性を有
した材料である。
このため本発明は電気部品及び機械部品等の上記のよう
な摩擦及び静電気が生じる部分に広く応用することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合炭素被膜の断面を示す図。 第2図は本発明の複合炭素被膜を構成する被膜の膜厚と
硬度との関係を示す図。 第3図及び第4図は本発明の複合炭素被膜の膜厚に対す
る硬度及び比抵抗との関係を示す図。 第5図は本発明に使用する装置の概要を示す図。 第6図はカソード電極側で形成させた炭素被膜の高周波
エネルギーに対するビッカース硬度と比抵抗との関係を
示す図。 第7図はアノード電極側で形成させた炭素被膜の高周波
エネルギーに対するビッカース硬度と比抵抗との関係を
示す図。 第8図は密着型イメージ・センサーに本発明の複合炭素
被膜を適用した図。 第9図は従来の密着型イメージ・センサを示す図。 11……ドーピング系 16……バルブ 17……流量計 18……反応系 19……ノズル 20……マイクロ波エネルギー 21……第1の電極 22……第2の電極 23……高周波電源 24……マッチングトチンス 25……直流バイアス電源 26……排気系 27……圧力調整バルブ 28……ターボ分子ポンプ 29……ロータリーポンプ 30……反応空間 31、32……切換スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビッカース硬度が1000Kg/mm2以下を有し、
    比抵抗が10〜10-6Ω・cmである炭素または炭素を主成
    分とする第1の被膜とビッカース硬度が2000Kg/mm2以上
    を有し、比抵抗が10〜1013Ω・cmである炭素または炭
    素を主成分とする第2の被膜とを積層させた構造を有す
    ることを特徴とする複合炭素被膜。
  2. 【請求項2】炭素または炭素を主成分とする被膜におい
    て上記被膜中にビッカース硬度が1000Kg/mm2以下かつ比
    抵抗が10〜10-6Ω・cmの部分からビッカース硬度が20
    00Kg/mm2以上かつ比抵抗が10〜1013Ω・cmの部分まで
    ビッカース硬度及び比抵抗が連続的に増加している部分
    を有することを特徴とする複合炭素被膜。
  3. 【請求項3】第1の電極と、被形成面を有する基板に接
    して設けられた第2の電極との間に直流または高周波エ
    ネルギーを加えて発生させたプラズマにより炭化水素化
    物気体と、またはこれに加えて添加物気体とを分解反応
    せしめて上記被形成面上にビッカース硬度が1000Kg/mm2
    以下を有し、比抵抗が10〜10-6Ω・cmである炭素また
    は炭素を主成分とする第1の被膜と、ビッカース硬度が
    2000Kg/mm2以上を有し、比抵抗が10〜1013Ω・cmであ
    る炭素または炭素を主成分とする第2の被膜とを積層さ
    せる場合、第1の被膜形成が被形成面を接地電極に接し
    て設けることにより行われ、第2の被膜形成が被形成面
    を高周波印加電極に接して設けることにより行われるこ
    とを特徴とする複合炭素被膜形成方法。
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