JP3267959B2 - ダイヤモンド状炭素膜作製方法 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素膜作製方法

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茂則 林
典也 石田
麻里 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性を有し、そ
の固有抵抗が5×1013Ωcm以下の炭素または炭素を主成
分とする被膜に関する。 本発明はこれをガラス等の透
光性部材に形成するに際し、この部材上に透光性を有
し、部材と密着性を有する窒化珪素膜または炭化珪素膜
を形成し、さらにその上に炭素または炭素を主成分とす
る被膜を形成する多層構造の部材に関する。そして本発
明ではこの多層膜を同じ反応容器内で形成するものであ
る。 本発明は、3価または5価の不純物を水素または
弗素とともに炭素または炭素を主成分とする保護用被膜
中に添加し、親水性の程度の制御、ビッカ−ス硬度の制
御および電気伝導度の制御をせんとするものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラズマCVD 法においては、平坦
面を有する基板上に平面状に成膜する方法が工業的に有
効であるとされている。さらに、プラズマCVD 法であり
ながら、スパッタ効果を伴わせつつ成膜させる方法も知
られている。その代表例である炭素膜のコ−ティングに
関しては、本発明人の出願になる特許願『炭素被膜を有
する複合体およびその作製方法』(特願昭56−146930昭
和56年9月17日出願) が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、部材表面を
保護するために炭素または炭素を主成分とする膜を形成
する方法に関するものであり、部材上に炭素または炭素
を主成分とする被膜を密着性良く形成する方法を提供す
る。さらに基体または部材にバイアス印加をしたエッチ
ング方法に関するものであり 、部材上に形成された炭素
または炭素を主成分とする被膜、窒化珪素膜等または炭
化珪素膜をエッチングする方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した課題を達成する
ために、本発明では、部材上に下地被膜を形成する第一
の工程と、前記下地被膜上にダイヤモンド状炭素膜を形
成する第二の工程とを同じ反応容器で行い、 前記第二
の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズマを発生
して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成分とする
被膜をエッチングする。
【0005】更に、本発明では、反応容器内で部材に下
地被膜を形成し、前記反応容器内を外気に曝すことなく
前記反応容器内で前記下地被膜上にダイヤモンド状炭素
膜を形成する。本発明の炭素または炭素を主成分とする
被膜即ちDLC(ダイヤモンド状炭素膜)及び下地被膜
はプラズマCVDによって形成される。
【0006】炭素または炭素を主成分とする被膜の形成
として、エチレン(C2 H4 ),メタン(CH4 ),アセチレン(C
2 H2 ),弗化炭素(C2 F6 ,C3 F8 ) のような炭化水素気
体または弗化炭素またはCHF3 , H2 C3 F 6 ,H3 CF,CH
2 F 2 等の弗化炭素の如き炭素弗化物気体を導入し、さ
らに3価または5価の添加物、代表的にはそれぞれホウ
素用のジボラン(B2 H 6 ),弗化ホウ素(BF 3 ) またアン
モニア(NH 3 ),弗化窒素(NF 3 ) を添加した。そして成
膜された被膜中に3価または5価の添加物は0.1〜10原
子%とした。このとき水素または弗素は5〜30原子%が
添加されていた。
【0007】かくしてSP3 軌道を有するダイヤモンドと
類似のC-C 結合をつくり、比抵抗( 固有抵抗) 1×106
〜5×1013Ωcm代表的には1×107 〜5×1011Ωcmを有
するとともに、ビッカ−ス硬度700 〜5000Kg/mm 2 , 光
学的エネルギバンド巾(Eg という)が1.0eV 以上、好ま
しくは1.5 〜5.5eV を有する可視領域で透光性のダイヤ
モンドと類似の特性を有する被膜を形成した。
【0008】本発明方法での成膜に際し、弗素の如きハ
ロゲン元素を初期状態から有するC 2F 6 とNH3 +H2
反応またはC 2 F 6 とB 2 H 6 +H2 との反応を用い、プ
ラズマCVD 中に炭化物気体に加えて同時に窒素( 5価の
添加物) またはホウ素( 3価の添加物) を混入させて、
親水性表面を有せしめ、また厚さ方向に均一な濃度勾配
を設けた炭素を主成分とする被膜または添加物の有無を
制御した多層の複合膜を作ってもよい。
【0009】本発明の下地被膜として、窒化珪素膜また
は炭化珪素膜を形成する。これら被膜は非酸化物材料で
なるため、炭素または炭素を主成分とする被膜の密着性
が向上される。
【0010】本発明で用いるプラズマCVD装置には
反応空間の一端側および他端側に互いに離間して一対の
電極( 第1および第2の電極)を配設する。さらにそれ
ぞれ独立した電磁エネルギ供給手段およびマッチングボ
ックスを有する。そしてそれぞれの電極にマッチングボ
ックスを介して供給される電磁エネルギの位相を互いに
制御する位相調整器を有する。
【0011】それぞれの電極から発せられる電磁エネル
ギを用い、反応空間にKWレベルの大電力を供給し、かつ
それぞれの電極の位相を制御して相乗効果を有するプラ
ズマを反応空間で発生せしめたものである。
【0012】この空間内に直流または交流バイアスを加
えるための第3の電極を必要に応じて設ける。一対の電
極間の空間(プラズマ空間)に被処理面を有する基体、
部材をホルダを用いて配設する。反応空間は減圧にさ
れ、反応性気体が供給される。反応性気体のプラズマ化
のため、一対の電極のそれぞれには所定の電力および周
波数の電磁エネルギが電磁エネルギ供給手段、マッチン
グボックスを介して供給される。このそれぞれの電極に
は、接地に対して互いに位相が概略180 °または概略0
°となるよう異なった高周波電圧をそれぞれの高周波電
源より印加し、互いに対称または同相の交番電圧が印加
されるよう位相調整器で調整、制御する。
【0013】結果として合わせて実質的に1つの高周波
の交番電圧とし、プラズマ空間にKWレベルの大電力を印
加し、反応性気体を完全に分解、電離させるための高周
波プラズマを誘起させる。さらにそのそれぞれの高周波
電源の他端を接地せしめる。
【0014】またさらに発生させる場合、基体または部
材を挟んで直流(自己または外部よりの直流バイアス用
電圧)または交番(交流バイアス用電圧)電圧を印加す
る。自己直流バイアス方式の場合、第2の交番電圧で一
方の電極側で加速されたイオンが部材の被形成面上をス
パッタしつつ、被形成面上に強く被膜化またはエッチン
グをさせる。
【0015】第1の交番電圧がそれぞれ独立した電磁エ
ネルギ供給手段およびマッチングボックスをへてそれぞ
れの電極に印加させる場合、また概略0°即ち0±30°
以内の場合と概略180 °即ち180 ±30°以内の場合では
反応空間全体へ均一に広げるためには後者即ち180 ±30
°以内( 概略180 °) が優れていた。また、90±30°以
内の位相度ではプラズマが特に一方の電極側にかたよっ
てしまった。
【0016】これは反応空間内でイオンを双方の電極で
一方から他方の電極にまた他方の電極から一方の電極に
大きく運動させる位相とすることにより、空間をより広
く、プラズマ化し、そのイオンを運動させるためと推定
される。
【0017】上記本発明人による特許出願(特許願昭56
-146930)においては、プラズマCVD装置は、一対の電極
のみを用いる平行平板型であり、1つの高周波電源より
導出した2つの出力端をそれぞれの電極に連結し、一方
の電極(カソ−ド側)に基板を配設し、自ら発生するセ
ルフバイアスを用いて平坦面の上面に炭素膜を成膜す
【0018】かかる1つの高周波電源を用いるため、平
行平板型のプラズマ反応方法においては、電極の一方の
側の電極に平行に密接して基板を配設してその上面にプ
ラズマCVD がなされる。 そのため、大量生産をせんと
しても、単に電極を大面積とし、形成する膜も1層の被
膜を一方の電極面でのみ処理するもので生産性が悪い。
さらにこの基体または部材に独立してバイアスを印加す
ることが難しく、薄膜形成に最適なプロセス条件を探す
ことが困難である。
【0019】さらに基体または部材にバイアス印加をし
たエッチング方法に関しても、多量に同時に処理をする
ことができない。このため、大容量空間で一度に多数の
部材に対し膜を形成する方法またはエッチングする方法
が求められていた。 上述した本発明に用いるプラズマ
CVD装置はかかる目的をも達成することが可能であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面に従って本発明の作製
方法を記す。
【0021】
【実施例】「実施例1」図2は、基体または部材上にプ
ラズマ反応法により薄膜形成またはエッチングを行う方
法を実施するためのプラズマ処理装置の概要を示す。
図面において、プラズマ反応装置の反応容器(7) はゲ−
ト弁(9) で外部と仕切られている。ガス系(30)におい
て、キャリアガスである水素またはアルゴンを(31)よ
り、反応性気体である炭化水素気体、例えばメタン(CH
4 ),エチレン(C2 H 4 ) を(32)より、弗化炭素気体であ
る弗化炭素(C2 F 6 ,C3 F 8 ) を(33)より、3価または
5価用の気体であるB 2 H 6 またはNH3 を(34)より、ジ
シラン(Si 2 H 6 )を(35)より、反応容器のエッチング
用気体である弗化窒素または酸素を(36)より、バルブ(2
8)、流量計(29)をへて反応系(50)中にノズル(25)を経て
導入する。
【0022】水素と六弗化二炭素(C2 F 6 ) とを導入す
ると、水素が弗素を引き抜き、残ったC-F 結合による弗
素が添加されたSP3 結合を多数有するダイヤモンド状炭
素膜(DLCともいうが、添加物が添加されたDLC を含めて
本発明は炭素または炭素を主成分とする被膜という) を
成膜できる。 またジシラン(Si 2 H 6 ) を(35)より、
アンモニア(NH 3 ) を(34)より導入して、プラズマCVD
反応を生ぜしめて窒化珪素膜を形成することができる。
【0023】この反応容器(7) の上下に第1の一対の電
極を同一形状を有せしめて第1および第2の電極(3-1),
(3-2) をアルミニウムの金属メッシュで構成せしめる。
このそれぞれの電極には第1および第2の電磁エネルギ
供給手段(15-1),(15-2) を有する。それぞれの電源であ
る供給手段より1〜100MHzの交番電圧例えば13.56MHzの
高周波電圧を発し、その電磁エネルギをLCR で構成され
反応容器内のインピ−ダンスとマチングをさせるための
マッチングボックス(16-1),(16-2) を有する。
【0024】このマッチングボックスより導入端子(4-
1),(4-2) をへてそれぞれの電極(3-1),(3-2) に電磁エ
ネルギが供給される。第1および第2の電源(15-1),(15
-2) は同一周波数の同一波形を原則とするが、定倍波形
を用いてもよい。それぞれの電源の位相は位相調整器(2
6)で180 °±30°以内に互いに制御されている。
【0025】反応性気体はノズル(25)より下方向に放出
される。バイアス電圧の直流電源(17-2), 第2の交番電
圧電源(17-1)の周波数を10Hz〜100KHzよりなるバイアス
手段(17)により供給される。そしてこのバイアスはスイ
ッチがオンのとき基体または部材に供給される。
【0026】かくして反応空間(8) にプラズマが発生す
る。排気系(25)は、圧力調整バルブ(21), タ−ボ分子ポ
ンプ(22), ロ−タリ−ポンプ(23)を経て不要気体を排気
する。これらの反応性気体は、反応空間(8) で0.001 〜
1.0torr 例えば0.05torrとした。
【0027】かかる空間において、0.5 〜50KW( 単位面
積あたり0.005 〜5W/cm 2 ) 例えば1KW ( 単位面積あた
り0.1W/cm 2 の高エネルギ) の第1の高周波電圧を加え
る。さらに第2の交番電圧による交流バイアスの印加に
より、被形成面上には-50 〜-600V(例えばその出力は1K
W)の負の自己バイアス電圧が印加されており、この負の
自己バイアス電圧により加速された反応性気体を基体ま
たは部材上にスパッタしつつ成膜し、かつ緻密な膜とす
ることができた。
【0028】反応性気体は、例えばエチレンと弗化炭素
の混合気体とした。その割合はC 2 F6 /C2 H 4 =1/4
〜4/1 とし、代表的には1/1 である。この割合を可変す
ることにより、透過率および比抵抗を制御することがで
きる。基体または部材(1) の温度は室温〜150 ℃、代表
的には外部加熱をすることなく室温に保持させる。かく
して被形成面上は比抵抗1×106 〜5×1013Ωcmを有
し、光学的エネルギバンド巾1.0 〜5.5eV を有し、有機
樹脂上またその他固体無機材料上にも密着させて成膜さ
せ得る。
【0029】可視光に対し、透光性のアモルファス構造
または結晶構造を有する弗素と水素とが添加された炭素
または炭素を主成分とする被膜を0.1 〜8μm例えば0.
5 μm(平面部),1〜3μm(凸部)に生成させた。
成膜速度は100 〜1000Å/分を有していた。
【0030】かくして部材であるガラス板、有機樹脂物
上、その他の部材に炭素を主成分とする被膜、特に炭素
中に水素または弗素を30原子%以下含有するとともに、
0.3 〜10原子%の濃度にホウ素または窒素が混入した親
水性炭素膜を形成させることができた。
【0031】有機物上に100 〜2000Åの厚さにエチレン
のみによる第1の炭素を設け、さらにその上にC 2 F 6
と水素とアンモニアとを用いて弗素と窒素と水素とが添
加された親水性炭素を主成分とする被膜を多層に形成さ
せることができた。
【0032】「実施例2」この実施例は実施例1で用い
た装置により、図1に示す如く、有機物の部材要部上に
炭素を主成分とする膜を作製した例である。図1(A) に
おいて、アルミニウムの筒上に基体として、有機樹脂が
設けられたOPC(有機感光導電体) ドラム(1) を用いたも
ので、その上に光伝導体または保護膜としてDLC 膜(45)
を形成したものである。
【0033】図1(A),(B) において、このプラスチック
ス基体(1) は軽量であり、この上への密着性向上のため
エチレンと水素とを用いて0.01〜0.1 μmの厚さに形成
した。さらにその上にC 2 F 6 とNH3 とH 2 との混合気
体を用いて比抵抗が1×106 〜5×1013Ωcm好ましくは
1×107 〜5×1012Ωcmの膜を0.2 〜2 μmの厚さに親
水性を有する炭素膜を形成した。かくしてOPC ドラム上
に本発明方法により窒素が4.5 原子%,弗素および水素
が10〜30原子%添加された炭素を主成分とする被膜を作
製することができた。
【0034】「実施例3」この実施例は下地材料用被膜
として窒化珪素を形成する例である。反応性気体として
図2でジシラン(Si 2 H 6 )/NH3 を(35)より、アンモニ
ア(NH3 ) を(34)より供給して、(Si 2 H 6 )/NH3 =1/3
〜1/10とした。外部より加熱することなく、実施例1
と同じく、0.05torrの圧力で高周波を加えた。すると窒
化珪素膜をこれらの上面に100 Å/ 分の成膜速度で形成
することが可能となった。
【0035】「実施例4」この実施例は図1(C) に示し
たものである。図2のプラズマ処理装置を実施例と同様
に用いた。そして板状の基体ホルダをプラズマ空間(8)
内に配設し、その両面に被形成面を有する基板(1) を保
持し、ここに多層に被膜を形成した例でありこの基体と
してはガラス板がある。このガラス板は自動車、オ−ト
バイ、航空機、船舶のフロントウインド、サイドミラ
−、サイドウインド、リアウインドまたは家庭の窓であ
り、その外気に触れる面側である。
【0036】この基板上にまず実施例3に示した窒化珪
素膜を形成した。この反応容器を外気( 特に酸素) に触
れさせることなくさらに反応性気体を排除し、実施例1
に示した如くこの上に弗素が添加された炭素膜を0.1 〜
5μm例えば0.5 μmの厚さに形成した。
【0037】本発明において、特にこの炭素または3価
または5価の添加物に加えて弗素が添加された炭素を主
成分とする被膜は親水性を有し、また静電気の発生によ
るゴミの付着を防ぐため、その比抵抗は1×106 〜5×
1013Ωcmの範囲、特に好ましくは1×107 〜1×1011Ω
cmの範囲とした。
【0038】本実施例において、ガラスは酸化珪素より
なり、酸素を含有し、弗化物気体とは反応しやすいため
に、DLC を形成する前に耐酸素性を有するバッファ層と
して透光性でかつ緻密性がよい窒化珪素膜(45-1)を形成
した。そして耐弗素性を酸化珪素より有する窒化珪素上
に弗素が添加された炭素膜または炭素を主成分とする被
膜(45-2)を積層した。この図1(C) の縦断面図はフロン
トウインドのみならず、サイドウインド、ミラ−表面で
あってもよい。
【0039】図1(E) は曲面上に対し形成したものであ
る。これらは実使用上風切りが強く、また鉱物質のほこ
りが衝突しやすく、結果として失透、濁りが摩耗により
発生しやすいため、本発明は優れたものである。
【0040】「実施例5」本発明の実施例において、下
地材料としてジシランとエチレンとをプラズマ雰囲気中
に導入し、炭化珪素(SixC 1-x 0<X<1)を形成し、その上
に炭素または炭素を主成分とする被膜を形成した。する
と、この炭化珪素の光学的エネルギバンド巾が1.5 〜2.
5eV であるため、黄色の半透光性の下地材とすることが
できた。さらに炭素被膜の密着性向上にもきわめて有効
であった。
【0041】「実施例6」この実施例は図1(D) の形状
である。装置は実施例1を用い、下地材料として実施例
4と同様に窒化珪素膜、その上に親水性の炭素膜を形成
した。図1の層において、基板ホルダを板状とし、その
両面にそれぞれの基板(11),(11')を配設して形成したも
のである。その結果、それぞれの基板(11),(11')上には
片面のみに窒化珪素膜(45-1), (45-1') とその上に炭素
または炭素を主成分とする被膜(45-2),(45'-2)が積層し
て形成された。その結果、炭素膜(4) と同様にガラス等
の上にも炭素膜を密着して形成することができた。そし
て片面の雨があたる表面のみに形成することにより、生
産性を2倍にすることができた。その他は実施例4と同
様である。
【0042】「実施例7」この実施例は実施例1で用い
た装置を用いた。図2において、酸素(O2 ) または弗化
窒素(NF 3 ) のみを導入し、基体または部材または反応
容器、ホルダ上の被膜のエッチング除去を100 〜300 Å
/ 分の速度でした。この実施例において、エッチングさ
れる材料は炭素または炭素を主成分とする被膜( プラズ
マ酸素でエッチングされる) 、窒化珪素(NF 3 のプラズ
マによりエッチングされる) である。
【0043】
【発明の効果】本発明方法により、部材上に下地被膜を
形成することにより、炭素または炭素を主成分とする被
膜を部材上に密着性良く形成することが可能になり、更
に、同一反応容器内で下地被膜と炭素または炭素を主成
分とする被膜を形成するため、下地被膜表面を外気に曝
すことなく炭素または炭素を主成分とする被膜を形成で
きるため、より密着性が向上される。 また、同一反応容
器内で下地被膜、炭素または炭素を主成分とする被膜を
エッチングすることも可能である。 更に、本発明によっ
て、電気伝導度を有しかつ親水性の表面を有する保護膜
を作ることが初めて可能となった。特に窓等の透光性表
面にはほこりがたまったり、また雨の日その表面張力が
あると内部より窓を通して外部を見んとしても、雨粒の
乱反射のためによく外を見ることができない。本発明は
かかる欠点を除去し、透光性基体または部材上に親水性
の炭素または炭素を主成分とする被膜を形成したもので
ある。
【0044】特に透光性の基体が酸化珪素等のガラス部
材であった場合、その下地材料を同一反応炉で反応性気
体を取り替えるのみで成膜できる被膜は窒化珪素膜と炭
素または炭素を主成分とする被膜であり、これらはとも
に非酸化物材料である。さらに耐弗素気体被膜である窒
化珪素膜を下地材料に用いることは基体を弗素で損傷さ
せないため有効である。それらの成膜に際しては成膜温
度を概略同じ温度の室温〜150 ℃で形成し生産性を向上
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基体または部材上に被膜を形成した例
およびその要部を示す。
【図2】本発明のプラズマ装置の概要を示す。
【符号の説明】
1 基体 45 DLC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹山 順一 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社 半導体エネルギー研究所内 審査官 宮澤 尚之 (56)参考文献 特開 昭63−219586(JP,A) 特開 昭63−210275(JP,A) 特開 昭63−210010(JP,A) 特開 昭63−140083(JP,A) 特開 昭63−97961(JP,A) 特開 昭62−196371(JP,A) 特開 昭62−157602(JP,A) 特開 昭62−150356(JP,A) 特開 昭62−46514(JP,A) 特開 昭61−106494(JP,A) 特開 昭61−30671(JP,A) 特開 昭60−230983(JP,A) 特開 昭60−170234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/27 B32B 9/00 C30B 29/04

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、前記下地被膜上に窒素と弗素とを含むダイヤモンド
    状炭素膜を形成する第二の工程とを同じ反応容器で行
    い、 前記第二の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズ
    マを発生して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成
    分とする被膜をエッチングすることを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  2. 【請求項2】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、前記下地被膜上に窒素と水素と弗素とを含むダイヤ
    モンド状炭素膜を形成する第二の工程とを同じ反応容器
    で行い、 前記第二の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズ
    マを発生して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成
    分とする被膜をエッチングすることを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  3. 【請求項3】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、炭化水素気体及び弗化窒素気体のプラズマを形成し
    て前記下地被膜上に窒素と弗素と水素とを含むダイヤモ
    ンド状炭素膜を形成する第二の工程とを同じ反応容器で
    行い、 前記第二の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズ
    マを発生して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成
    分とする被膜をエッチングすることを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  4. 【請求項4】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、弗化炭化水素気体及びアンモニア気体のプラズマを
    形成して前記下地被膜上に弗素と窒素と水素とを含むダ
    イヤモンド状炭素膜を形成する第二の工程とを同じ反応
    容器で行い、 前記第二の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズ
    マを発生して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成
    分とする被膜をエッチングすることを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  5. 【請求項5】 部材上に下地被膜を形成する第一の工程
    と、弗化炭化水素気体及び弗化窒素気体のプラズマを形
    成して前記下地被膜上に弗素と窒素と水素とを含むダイ
    ヤモンド状炭素膜を形成する第二の工程とを同じ反応容
    器で行い、 前記第二の工程の後に、前記反応容器内で酸素のプラズ
    マを発生して、前記反応容器内の炭素または炭素を主成
    分とする被膜をエッチングすることを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記ダイヤモンド状炭素膜に含まれる窒素の添加量は
    0.1〜10原子%であることを特徴とするダイヤモン
    ド状炭素膜形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至のいずれか一に記載の第
    一の工程と第二の工程との間において、前記反応容器内
    を外気に曝さないことを特徴とするダイヤモンド状炭素
    膜作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至のいずれか一に記載の第
    一の工程において、ターボ分子ポンプを用いて、前記反
    応容器内の不要気体を排気することを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至のいずれか一に記載の第
    二の工程において、ターボ分子ポンプを用いて、前記反
    応容器内の不要気体を排気することを特徴とするダイヤ
    モンド状炭素膜作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至のいずれか一に記載の
    第二の工程において、前記部材に負の自己バイアス電圧
    を印加して、前記ダイヤモンド状炭素膜を形成すること
    を特徴とするダイヤモンド状炭素膜の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記部材は酸化物であることを特徴とするダイヤモ
    ンド状炭素膜作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記部材は有機樹脂が設けられたOPCドラムであ
    ることを特徴とするダイヤモンド状炭素膜作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記下地被膜は非酸化物であることを特徴とするダ
    イヤモンド状炭素膜作製方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記下地被膜は窒化珪素膜であることを特徴とする
    ダイヤモンド状炭素膜作製方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記下地被膜は炭化珪素膜であることを特徴とする
    ダイヤモンド状炭素膜作製方法。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記下地被膜は炭素膜であることを特徴とするダイ
    ヤモンド状炭素膜作製方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16のいずれか一におい
    て、前記ダイヤモンド状炭素膜の光学的エネルギーバン
    ド巾は1.0eV〜5.5eVであることを特徴とする
    ダイヤモンド状炭素膜形成方法。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17のいずれか一におい
    て、前記ダイヤモンド状炭素膜の抵抗値は1×106
    〜5×1013Ωcmであることを特徴とするダイヤモン
    ド状炭素膜形成方法。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれか一におい
    て、前記ダイヤモンド状炭素膜のビッカース硬度は70
    0〜5000Kg/mm2であることを特徴とするダイ
    ヤモンド状炭素膜形成方法。
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