JPH06333418A - 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物 - Google Patents
電力ケーブル用半導電性樹脂組成物Info
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- JPH06333418A JPH06333418A JP5119490A JP11949093A JPH06333418A JP H06333418 A JPH06333418 A JP H06333418A JP 5119490 A JP5119490 A JP 5119490A JP 11949093 A JP11949093 A JP 11949093A JP H06333418 A JPH06333418 A JP H06333418A
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- compound
- ethylene
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Insulated Conductors (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フィラーの受容性を増し、引張特性、耐寒性
等の機械的特性の低下を招かず、ホットカットペレタイ
ジングができ、かつ長期信頼性を損なう(浸水課電劣
化)原因となる水トリーの発生・伸展を抑制する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレ
ン)に酢酸ビニルを含有したエチレン−酢酸ビニル共重
合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを混合し、導電
性カーボンブラックを配合して構成する。
等の機械的特性の低下を招かず、ホットカットペレタイ
ジングができ、かつ長期信頼性を損なう(浸水課電劣
化)原因となる水トリーの発生・伸展を抑制する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレ
ン)に酢酸ビニルを含有したエチレン−酢酸ビニル共重
合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを混合し、導電
性カーボンブラックを配合して構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力ケーブルの被覆材
として用いられる電力ケーブル用半導電性樹脂に係り、
特に、長期信頼性を損なう(浸水課電劣化)原因となる
水トリーの発生・伸展及び導電性付与による機械的物性
の低下を抑制すると共にコンパウンド製造時におけるホ
ットカットペレタイジングを可能とすることのできる電
力ケーブル用半導電性樹脂組成物に関する。
として用いられる電力ケーブル用半導電性樹脂に係り、
特に、長期信頼性を損なう(浸水課電劣化)原因となる
水トリーの発生・伸展及び導電性付与による機械的物性
の低下を抑制すると共にコンパウンド製造時におけるホ
ットカットペレタイジングを可能とすることのできる電
力ケーブル用半導電性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエチレン等の優れた合成樹脂
が安価に作られるようになり、成形性、絶縁性、耐久
性、施工性等の良さから、電力ケーブル等の絶縁体とし
て用いられている。このポリエチレンは、耐熱性を向上
させるために架橋を施されることが多い。
が安価に作られるようになり、成形性、絶縁性、耐久
性、施工性等の良さから、電力ケーブル等の絶縁体とし
て用いられている。このポリエチレンは、耐熱性を向上
させるために架橋を施されることが多い。
【0003】一般に、架橋ポリエチレン等を絶縁体に用
いた電力ケーブル1は、図1(図1においては線心を示
す)に示す如く、導体2の上に内部半導電層3を被覆
し、その上に架橋ポリエチレン等の絶縁体4が被覆され
ている。この絶縁体4の上に外部半導電層5が被覆され
て構成されている。この外部半導電層5の上に遮蔽テー
プ6が巻かれ、このテープ6の上にポリ塩化ビニル等の
合成樹脂製のシース7が被覆されている。このように電
力ケーブル1の絶縁体4の内面側及び外面側に押出によ
って半導電層(3、5)を設けた構造となっているの
は、絶縁体界面における部分放電の防止と電界緩和を目
的としたものである。この絶縁体4の内面側及び外面側
に押出被覆される半導電層の体積抵抗率は、経験上10
5 Ω−cm以下程度であることが必要であるとされてい
る。この内部半導電層3及び外部半導電層5は、合成樹
脂をマトリックスとし、導電性カーボンブラックを添加
することによって得られる。
いた電力ケーブル1は、図1(図1においては線心を示
す)に示す如く、導体2の上に内部半導電層3を被覆
し、その上に架橋ポリエチレン等の絶縁体4が被覆され
ている。この絶縁体4の上に外部半導電層5が被覆され
て構成されている。この外部半導電層5の上に遮蔽テー
プ6が巻かれ、このテープ6の上にポリ塩化ビニル等の
合成樹脂製のシース7が被覆されている。このように電
力ケーブル1の絶縁体4の内面側及び外面側に押出によ
って半導電層(3、5)を設けた構造となっているの
は、絶縁体界面における部分放電の防止と電界緩和を目
的としたものである。この絶縁体4の内面側及び外面側
に押出被覆される半導電層の体積抵抗率は、経験上10
5 Ω−cm以下程度であることが必要であるとされてい
る。この内部半導電層3及び外部半導電層5は、合成樹
脂をマトリックスとし、導電性カーボンブラックを添加
することによって得られる。
【0004】この導電性を付与するために添加するカー
ボンブラックとして、主に用いられるのは、アセチレン
ブラック及び一部の導電性ファーネスブラックであり、
プラスチック絶縁電力ケーブルとして必要な体積抵抗率
(105 Ω−cm以下)を得るために、マトリックス樹
脂100重量部に対して相当量(通常、良く用いられる
アセチレンブラック、導電性ファーネスブラックは50
重量部前後が多い)の添加を要するのが普通であり、マ
トリックス樹脂としては、結晶性の低密度ポリエチレン
または非結晶性のあるいは低結晶性のエチレン共重合体
等のポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的であ
る。
ボンブラックとして、主に用いられるのは、アセチレン
ブラック及び一部の導電性ファーネスブラックであり、
プラスチック絶縁電力ケーブルとして必要な体積抵抗率
(105 Ω−cm以下)を得るために、マトリックス樹
脂100重量部に対して相当量(通常、良く用いられる
アセチレンブラック、導電性ファーネスブラックは50
重量部前後が多い)の添加を要するのが普通であり、マ
トリックス樹脂としては、結晶性の低密度ポリエチレン
または非結晶性のあるいは低結晶性のエチレン共重合体
等のポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリオレフィン系樹脂組成物を主体とした半導電層
は、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体
等の非結晶性、あるいは低結晶性樹脂(エチレン共重合
体)を用いた場合には、軟化点が低いため、高温特性
(コンパウンドのペレット製造時におけるホットカット
ペレタイジング性)が悪いという問題点を有している。
うなポリオレフィン系樹脂組成物を主体とした半導電層
は、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体
等の非結晶性、あるいは低結晶性樹脂(エチレン共重合
体)を用いた場合には、軟化点が低いため、高温特性
(コンパウンドのペレット製造時におけるホットカット
ペレタイジング性)が悪いという問題点を有している。
【0006】また、マトリックス樹脂に、高温特性を良
くするため、高温特性に優れた低密度ポリエチレン等の
結晶性樹脂を用いると、フィラーの受容性が悪いことか
ら、導電性を得るに必要な量の導電性カーボンブラック
を添加すると、機械的物性(引張伸び値、脆化温度な
ど)が低下するという問題点を有している。
くするため、高温特性に優れた低密度ポリエチレン等の
結晶性樹脂を用いると、フィラーの受容性が悪いことか
ら、導電性を得るに必要な量の導電性カーボンブラック
を添加すると、機械的物性(引張伸び値、脆化温度な
ど)が低下するという問題点を有している。
【0007】また、マトリックス樹脂に低密度ポリエチ
レン等の結晶性樹脂を用いた場合、エチレン共重合体を
マトリックス樹脂に用いた場合と比較し、水トリー(内
部半導電層の場合、内導トリー、外部半導電層の場合、
外導トリー)が発生し易く、これが絶縁破壊を誘発し、
電気的な長期信頼性を損なう危険性があるという問題点
を有している。
レン等の結晶性樹脂を用いた場合、エチレン共重合体を
マトリックス樹脂に用いた場合と比較し、水トリー(内
部半導電層の場合、内導トリー、外部半導電層の場合、
外導トリー)が発生し易く、これが絶縁破壊を誘発し、
電気的な長期信頼性を損なう危険性があるという問題点
を有している。
【0008】また、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸
ビニル共重合体等の非結晶性、あるいは低結晶性樹脂
(エチレン共重合体)を用い、カーボンブラックを添加
してケーブルの半導電層を構成すると、フィラー(カー
ボンブラック)の受容性は良好であり、機械的物性の低
下が少なく、半導電層からの水トリー発生数も少ない
が、ベース樹脂としての軟化点が低く、このため、コン
パウンドペレットの製造において、コンパウンドが溶融
状態のまま空気中にてペレタイジングするホットカット
ペレタイジングが難しくなる。したがって、水中又は水
冷ストランドペレタイジングを行うことになるため、水
冷及びペレット乾燥装置が必要があり、設備が複雑とな
ると共にコンパウンドの吸水による品質低下が起きると
いう問題点を有している。
ビニル共重合体等の非結晶性、あるいは低結晶性樹脂
(エチレン共重合体)を用い、カーボンブラックを添加
してケーブルの半導電層を構成すると、フィラー(カー
ボンブラック)の受容性は良好であり、機械的物性の低
下が少なく、半導電層からの水トリー発生数も少ない
が、ベース樹脂としての軟化点が低く、このため、コン
パウンドペレットの製造において、コンパウンドが溶融
状態のまま空気中にてペレタイジングするホットカット
ペレタイジングが難しくなる。したがって、水中又は水
冷ストランドペレタイジングを行うことになるため、水
冷及びペレット乾燥装置が必要があり、設備が複雑とな
ると共にコンパウンドの吸水による品質低下が起きると
いう問題点を有している。
【0009】本発明は、フィラーの受容性を増し、引張
特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くことなく、ホ
ットカットペレタイジングができ、かつ長期信頼性を損
なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生・伸展
を抑制することのできる電力ケーブル用半導電性樹脂組
成物を提供することを目的としている。
特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くことなく、ホ
ットカットペレタイジングができ、かつ長期信頼性を損
なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生・伸展
を抑制することのできる電力ケーブル用半導電性樹脂組
成物を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における電力ケーブル用半導電性樹脂組成物
においては、導電性カーボンブラックの添加により半導
電化がなされるところのマトリックス樹脂組成につい
て、低密度ポリエチレン90〜50重量%に対し、酢酸
ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビニル
共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10〜5
0重量%配合して酢酸ビニルの換算含有量が5重量%を
超え15重量%以下としたものである。なお、この組成
物は、高温特性及び機械的特性の向上のために架橋剤を
添加してもよく、また必要量の酸化防止剤も添加され
る。
に、本発明における電力ケーブル用半導電性樹脂組成物
においては、導電性カーボンブラックの添加により半導
電化がなされるところのマトリックス樹脂組成につい
て、低密度ポリエチレン90〜50重量%に対し、酢酸
ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビニル
共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10〜5
0重量%配合して酢酸ビニルの換算含有量が5重量%を
超え15重量%以下としたものである。なお、この組成
物は、高温特性及び機械的特性の向上のために架橋剤を
添加してもよく、また必要量の酸化防止剤も添加され
る。
【0011】
【作用】低密度ポリエチレン90〜50重量%に対し、
酢酸ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10
〜50重量%混合してて酢酸ビニルの換算含有量が5重
量%を超え15重量%以下としてマトリックス樹脂とし
ているため、フィラー(カーボンブラック)の受容性を
増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くこ
となく、ホットカットペレタイジングができ、長期信頼
性を損なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生
・伸展を抑制することができる。
酢酸ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10
〜50重量%混合してて酢酸ビニルの換算含有量が5重
量%を超え15重量%以下としてマトリックス樹脂とし
ているため、フィラー(カーボンブラック)の受容性を
増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くこ
となく、ホットカットペレタイジングができ、長期信頼
性を損なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生
・伸展を抑制することができる。
【0012】通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、
酢酸ビニル含有量が多くなるにしたがって融点及び軟化
点が低くなるが、本ポリマーアロイ化により例えば以下
の実施例のポリマーアロイにて示されるように酢酸ビニ
ル含有量が50重量%である場合でも、融点=76℃、
軟化点=40℃である。これは単独のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体では、酢酸ビニル含有量が30重量%強の
ものの融点及び軟化点に相当するものであり、高温特性
に優れた組成物を得ることができる。
酢酸ビニル含有量が多くなるにしたがって融点及び軟化
点が低くなるが、本ポリマーアロイ化により例えば以下
の実施例のポリマーアロイにて示されるように酢酸ビニ
ル含有量が50重量%である場合でも、融点=76℃、
軟化点=40℃である。これは単独のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体では、酢酸ビニル含有量が30重量%強の
ものの融点及び軟化点に相当するものであり、高温特性
に優れた組成物を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について比較例
と比較して説明する。
と比較して説明する。
【0014】実施例1 本実施例は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)80重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)20重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(E
VA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロイ)
は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40℃、
融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリオレ
フィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル(V
A)は、50%含有されている。したがって、本実施例
における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含有量
は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、10.
0重量%である。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)80重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)20重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(E
VA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロイ)
は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40℃、
融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリオレ
フィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル(V
A)は、50%含有されている。したがって、本実施例
における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含有量
は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、10.
0重量%である。
【0015】実施例2 本実施例は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)70重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)30重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)70重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)30重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。
【0016】エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニ
ル(EVA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロ
イ)は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40
℃、融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリ
オレフィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル
(VA)は、50%含有されている。したがって、本実
施例における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含
有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、1
5.0重量%である。
ル(EVA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロ
イ)は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40
℃、融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリ
オレフィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル
(VA)は、50%含有されている。したがって、本実
施例における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含
有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、1
5.0重量%である。
【0017】比較例1 比較例1は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)100重量部に対して、比表
面積=950m2 /mg,DBP吸油量=350ml/
100gの導電性カーボンブラック(具体的には、ケッ
チェンブラックインターナショナル株式会社製 ケッチ
ェンブラックEC)15重量部、架橋剤(ジクミルパ−
オキサイド)1.0重量部、酸化防止剤(4−4´−チ
オビス−(6−第3−ブチル−m−クレゾール)0.5
重量部を配合したものである。この比較例1における酢
酸ビニル(VA)の含有量は、0重量%である。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)100重量部に対して、比表
面積=950m2 /mg,DBP吸油量=350ml/
100gの導電性カーボンブラック(具体的には、ケッ
チェンブラックインターナショナル株式会社製 ケッチ
ェンブラックEC)15重量部、架橋剤(ジクミルパ−
オキサイド)1.0重量部、酸化防止剤(4−4´−チ
オビス−(6−第3−ブチル−m−クレゾール)0.5
重量部を配合したものである。この比較例1における酢
酸ビニル(VA)の含有量は、0重量%である。
【0018】比較例2 比較例2は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)60重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)40重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(E
VA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロイ)
は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40℃、
融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリオレ
フィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル(V
A)は、50%含有されている。したがって、比較例2
における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含有量
は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、20.
0重量%である。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)60重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(EVA/VA)変成ポ
リオレフィン(ポリマーアロイ)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EN7050)40重量部を加えた樹脂
100重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,
DBP吸油量=350ml/100gの導電性カーボン
ブラック(具体的には、ケッチェンブラックインターナ
ショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重
量部、架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量
部、酸化防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブ
チル−m−クレゾール)0.5重量部を配合したもので
ある。エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル(E
VA/VA)変成ポリオレフィン(ポリマーアロイ)
は、MFR=1.0g/10min、軟化点=40℃、
融点=76℃の特性を有し、EVA/VA変成ポリオレ
フィン全体の量を100とした場合、酢酸ビニル(V
A)は、50%含有されている。したがって、比較例2
における樹脂全体に対する酢酸ビニル(VA)の含有量
は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有量で、20.
0重量%である。
【0019】比較例3 比較例3は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)80重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)(具体的には、三菱油化株
式会社製 V505)20重量部を加えた樹脂100重
量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP吸
油量=350ml/100gの導電性カーボンブラック
(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナル
株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、架
橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化防
止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m−
クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=2.
0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=85℃
の特性を有し、EVA全体の量を100とした場合、酢
酸ビニル(VA)は、25%含有されている。したがっ
て、比較例3における樹脂全体に対する酢酸ビニル(V
A)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有
量で、5.0重量%である。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)80重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)(具体的には、三菱油化株
式会社製 V505)20重量部を加えた樹脂100重
量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP吸
油量=350ml/100gの導電性カーボンブラック
(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナル
株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、架
橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化防
止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m−
クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=2.
0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=85℃
の特性を有し、EVA全体の量を100とした場合、酢
酸ビニル(VA)は、25%含有されている。したがっ
て、比較例3における樹脂全体に対する酢酸ビニル(V
A)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有
量で、5.0重量%である。
【0020】比較例4 比較例4は、密度=0.919g/cc,MFR=2.
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)50重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)(具体的には、三菱油化株
式会社製 V505)50重量部を加えた樹脂100重
量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP吸
油量=350ml/100gの導電性カーボンブラック
(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナル
株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、架
橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化防
止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m−
クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=2.
0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=85℃
の特性を有し、EVA全体の量を100とした場合、酢
酸ビニル(VA)は、25%含有されている。したがっ
て、比較例4における樹脂全体に対する酢酸ビニル(V
A)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有
量で、12.5重量%である。
0g/10min,軟化点=86℃,融点=109℃の
低密度ポリエチレン(LDPE)(具体的には、三菱油
化株式会社製 EH30)50重量部に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)(具体的には、三菱油化株
式会社製 V505)50重量部を加えた樹脂100重
量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP吸
油量=350ml/100gの導電性カーボンブラック
(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナル
株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、架
橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化防
止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m−
クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=2.
0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=85℃
の特性を有し、EVA全体の量を100とした場合、酢
酸ビニル(VA)は、25%含有されている。したがっ
て、比較例4における樹脂全体に対する酢酸ビニル(V
A)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換算含有
量で、12.5重量%である。
【0021】比較例5 比較例5は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
(具体的には、三菱油化株式会社製 V505)100
重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP
吸油量=350ml/100gの導電性カーボンブラッ
ク(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナ
ル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、
架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化
防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m
−クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=
2.0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=8
5℃の特性を有し、EVA全体の量を100とした場
合、酢酸ビニル(VA)は、25%含有されている。し
たがって、比較例4における樹脂全体に対する酢酸ビニ
ル(VA)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換
算含有量で、25.0重量%である。
(具体的には、三菱油化株式会社製 V505)100
重量部に対して、比表面積=950m2 /mg,DBP
吸油量=350ml/100gの導電性カーボンブラッ
ク(具体的には、ケッチェンブラックインターナショナ
ル株式会社製 ケッチェンブラックEC)15重量部、
架橋剤(ジクミルパ−オキサイド)1.0重量部、酸化
防止剤(4−4´−チオビス−(6−第3−ブチル−m
−クレゾール)0.5重量部を配合したものである。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、MFR=
2.0g/10min、軟化点=45℃以下、融点=8
5℃の特性を有し、EVA全体の量を100とした場
合、酢酸ビニル(VA)は、25%含有されている。し
たがって、比較例4における樹脂全体に対する酢酸ビニ
ル(VA)の含有量は、コンパウンド中の酢酸ビニル換
算含有量で、25.0重量%である。
【0022】これらの実施例に基づく電力ケーブル用半
導電層樹脂組成物、比較例に基づく電力ケーブル用半導
電層樹脂組成物のそれぞれについて、コンパウンドペレ
ット製造性について調査した。
導電層樹脂組成物、比較例に基づく電力ケーブル用半導
電層樹脂組成物のそれぞれについて、コンパウンドペレ
ット製造性について調査した。
【0023】また、これらの実施例に基づいく電力ケー
ブル用内部半導電層、比較例に基づく電力ケーブル用内
部半導電層のそれぞれについて、導体の上に半導電層を
被覆した6kV−CV60mm2 ケーブルを作製し、そ
れぞれの内部半導電層について水トリー発生数を測定し
た。
ブル用内部半導電層、比較例に基づく電力ケーブル用内
部半導電層のそれぞれについて、導体の上に半導電層を
被覆した6kV−CV60mm2 ケーブルを作製し、そ
れぞれの内部半導電層について水トリー発生数を測定し
た。
【0024】その比較結果が表1に示してある。
【0025】表 1 この表1中のコンパウンドペレット製造性は、コンパウ
ンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイジングするホ
ットカットペレタイジングが容易か否かによって判断
し、○が容易、×が難として表している。
ンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイジングするホ
ットカットペレタイジングが容易か否かによって判断
し、○が容易、×が難として表している。
【0026】コンパウンドは、マトリックス樹脂、カー
ボンブラック及び添加剤に熱が加えられ、マトリックス
樹脂の融点以上の温度になったときに、これらがブレン
ド混練され、これを押出機に通して、細いロッド状に押
し出されてきたもの(複数本)を空気中においてカット
され、ペレット化される。このコンパウンドの軟化点が
低い場合には、コンパウンドが溶融状態において直接空
気中でのカット(ホットカットペレタイジング)するが
カットされたコンパウンドが再び粘着してしまい不可能
となる(カット時点でコンパウンドが溶融状態)。した
がって、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレッ
ト状にカットし、カットされたコンパウンドが再び溶着
しない状態をホットカットペレタイジングが容易(○)
としている。本発明では、酢酸ビニル含有量が多くても
同一含有量のエチレン−酢酸ビニル共重合体に比べて融
点、軟化点の低下の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合
体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイ(酢酸ビニル単量
体にて変成されたエチレン−酢酸ビニル共重合体)を用
いることによって、コンパウンド中の酢酸ビニル含有量
を多くしてもその軟化点の低下を最小限に押さえること
ができ、したがって、コンパウンド製造におけるホット
カットペレタイジングが可能となり、かつ、水トリーの
発生を防止する内部半導電層を得ることができる。ま
た、表1中の水トリー発生数は、乾式架橋の6kV−C
V60mm2 ケーブルの内部半導電層において周波数加
速浸水課電(6.9kV 1000Hz 3ヶ月)後の
任意の箇所から5cmの長さ採り、この切り取ったケー
ブルの導体を抜き取り、残った筒状の内部半導電層を
0.5mmの厚さに輪切りにスライスして100片の試
料片を作成し、この100片の試料片について顕微鏡で
水トリーを検査し、水トリー発生数を計数したものであ
る。水トリー発生数が多いほど水トリー劣化が生じ、長
期信頼性を得られないことを示している。
ボンブラック及び添加剤に熱が加えられ、マトリックス
樹脂の融点以上の温度になったときに、これらがブレン
ド混練され、これを押出機に通して、細いロッド状に押
し出されてきたもの(複数本)を空気中においてカット
され、ペレット化される。このコンパウンドの軟化点が
低い場合には、コンパウンドが溶融状態において直接空
気中でのカット(ホットカットペレタイジング)するが
カットされたコンパウンドが再び粘着してしまい不可能
となる(カット時点でコンパウンドが溶融状態)。した
がって、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレッ
ト状にカットし、カットされたコンパウンドが再び溶着
しない状態をホットカットペレタイジングが容易(○)
としている。本発明では、酢酸ビニル含有量が多くても
同一含有量のエチレン−酢酸ビニル共重合体に比べて融
点、軟化点の低下の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合
体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイ(酢酸ビニル単量
体にて変成されたエチレン−酢酸ビニル共重合体)を用
いることによって、コンパウンド中の酢酸ビニル含有量
を多くしてもその軟化点の低下を最小限に押さえること
ができ、したがって、コンパウンド製造におけるホット
カットペレタイジングが可能となり、かつ、水トリーの
発生を防止する内部半導電層を得ることができる。ま
た、表1中の水トリー発生数は、乾式架橋の6kV−C
V60mm2 ケーブルの内部半導電層において周波数加
速浸水課電(6.9kV 1000Hz 3ヶ月)後の
任意の箇所から5cmの長さ採り、この切り取ったケー
ブルの導体を抜き取り、残った筒状の内部半導電層を
0.5mmの厚さに輪切りにスライスして100片の試
料片を作成し、この100片の試料片について顕微鏡で
水トリーを検査し、水トリー発生数を計数したものであ
る。水トリー発生数が多いほど水トリー劣化が生じ、長
期信頼性を得られないことを示している。
【0027】表1の実施例1〜実施例2は、いずれもコ
ンパウンドペレット製造性が○で、水トリー発生数が実
施例1は1個、実施例2は0個と長期信頼性が高いこと
を示している。これに対し、比較例1は、低密度ポリエ
チレンにEVA/VA変成ポリオレフィンも、EVAも
混合されていないので、VAの含有量が『0』であるた
め、コンパウンドペレット製造性は○であるが、水トリ
ー発生数が85個と長期信頼性が甚だしく低いことが分
かる。また、比較例2は、実施例1と同じEVA/VA
変成ポリオレフィンを用いるが、低密度ポリエチレンと
の重量比率が異なるため、VAの換算含有量が実施例1
の2倍となり、水トリー発生数が『0』個と長期信頼性
は高いが、コンパウンドペレット製造性が×で、コンパ
ウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイジングする
ホットカットペレタイジングができないものとなってい
る。
ンパウンドペレット製造性が○で、水トリー発生数が実
施例1は1個、実施例2は0個と長期信頼性が高いこと
を示している。これに対し、比較例1は、低密度ポリエ
チレンにEVA/VA変成ポリオレフィンも、EVAも
混合されていないので、VAの含有量が『0』であるた
め、コンパウンドペレット製造性は○であるが、水トリ
ー発生数が85個と長期信頼性が甚だしく低いことが分
かる。また、比較例2は、実施例1と同じEVA/VA
変成ポリオレフィンを用いるが、低密度ポリエチレンと
の重量比率が異なるため、VAの換算含有量が実施例1
の2倍となり、水トリー発生数が『0』個と長期信頼性
は高いが、コンパウンドペレット製造性が×で、コンパ
ウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイジングする
ホットカットペレタイジングができないものとなってい
る。
【0028】さらに比較例3は、EVAを用い低密度ポ
リエチレンとの重量比率は、実施例1と同じ組成となっ
ているが、VAの換算含有量が5.0%と、実施例1、
実施例2よりも低く、コンパウンドペレット製造性は○
と、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレット状
にカットし、カットされたコンパウンドが再び溶着しな
い状態であるが、水トリー発生数が13個と長期信頼性
が低いことが分かる。また、比較例4は、比較例3と同
じEVAを用いているが、LDPEとの重量比率が異な
るため、VAの換算含有量が12.5%となっている。
そして、比較例4は、VAの換算含有量が実施例1と実
施例2の間の値を示しているため、水トリー発生数が
『1』個と長期信頼性は高いが、コンパウンドペレット
製造性が×で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中に
てペレタイジングするホットカットペレタイジングがで
きないものとなっている。さらに、比較例5は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のみを使用し、低密
度ポリエチレンを使用していないため、VAの換算含有
量が25.0%と高く、水トリー発生数が『0』個と長
期信頼性は高いが、コンパウンドペレット製造性が×
で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイ
ジングするホットカットペレタイジングができないもの
となっている。
リエチレンとの重量比率は、実施例1と同じ組成となっ
ているが、VAの換算含有量が5.0%と、実施例1、
実施例2よりも低く、コンパウンドペレット製造性は○
と、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレット状
にカットし、カットされたコンパウンドが再び溶着しな
い状態であるが、水トリー発生数が13個と長期信頼性
が低いことが分かる。また、比較例4は、比較例3と同
じEVAを用いているが、LDPEとの重量比率が異な
るため、VAの換算含有量が12.5%となっている。
そして、比較例4は、VAの換算含有量が実施例1と実
施例2の間の値を示しているため、水トリー発生数が
『1』個と長期信頼性は高いが、コンパウンドペレット
製造性が×で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中に
てペレタイジングするホットカットペレタイジングがで
きないものとなっている。さらに、比較例5は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のみを使用し、低密
度ポリエチレンを使用していないため、VAの換算含有
量が25.0%と高く、水トリー発生数が『0』個と長
期信頼性は高いが、コンパウンドペレット製造性が×
で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイ
ジングするホットカットペレタイジングができないもの
となっている。
【0029】なお、表1の実施例で用いた導電性カーボ
ンブラックはマトリックス樹脂の第1成分がフィラー受
容性に劣る結晶性の低密度ポリエチレンであることから
少量添加にて導電性を付与できる高導電性ファーネスブ
ラック(商品名:ケッチェンブラックEC)を選んであ
るが、その他のファーネスブラック及びアセチレンブラ
ックなども用いることができる。
ンブラックはマトリックス樹脂の第1成分がフィラー受
容性に劣る結晶性の低密度ポリエチレンであることから
少量添加にて導電性を付与できる高導電性ファーネスブ
ラック(商品名:ケッチェンブラックEC)を選んであ
るが、その他のファーネスブラック及びアセチレンブラ
ックなども用いることができる。
【0030】なお、本組成は、機械的特性並びに高温特
性の向上のために架橋剤を添加してもよく、また、必要
量の酸化防止剤も添加される。
性の向上のために架橋剤を添加してもよく、また、必要
量の酸化防止剤も添加される。
【0031】さらに、表1の比較例1に示すように半導
電層のマトリックス樹脂を低密度ポリエチレンのみとし
た場合、この水トリー(内部半導電層の場合、内導トリ
ー、外部半導電層の場合、外導トリー)が多発する傾向
にあるが、このマトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを添加す
ることによって水トリーの発生が抑制できる(実施例参
照)。
電層のマトリックス樹脂を低密度ポリエチレンのみとし
た場合、この水トリー(内部半導電層の場合、内導トリ
ー、外部半導電層の場合、外導トリー)が多発する傾向
にあるが、このマトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを添加す
ることによって水トリーの発生が抑制できる(実施例参
照)。
【0032】このように、本実施例の電力ケーブル用内
部半導電層によれば、フィラー(カーボンブラック)の
受容性が増し、機械的特性(引っ張り特性、耐寒性な
ど)の低下を少なくすることができる。
部半導電層によれば、フィラー(カーボンブラック)の
受容性が増し、機械的特性(引っ張り特性、耐寒性な
ど)の低下を少なくすることができる。
【0033】また、本実施例の電力ケーブル用半導電層
樹脂組成物によれば、マトリックス樹脂の第1成分であ
る低密度ポリエチレンに必要量の酢酸ビニル成分を添加
しても、コンパウンド軟化点の低下を少なくでき、コン
パウンドのペレット製造において空気中でホットカット
ペレタイジングができるため、水冷及びペレット乾燥装
置が不要となり、設備の簡略化と共にペレタイジングす
る際のコンパウンドの吸水による品質低下を解消するこ
とができる。
樹脂組成物によれば、マトリックス樹脂の第1成分であ
る低密度ポリエチレンに必要量の酢酸ビニル成分を添加
しても、コンパウンド軟化点の低下を少なくでき、コン
パウンドのペレット製造において空気中でホットカット
ペレタイジングができるため、水冷及びペレット乾燥装
置が不要となり、設備の簡略化と共にペレタイジングす
る際のコンパウンドの吸水による品質低下を解消するこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、低密度ポリエチレン90〜5
0重量%に対し、酢酸ビニルを30重量%以上含有した
エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリ
マーアロイを10〜50重量%混合して酢酸ビニルの換
算含有量が5重量%を超え15重量%以下とし、マトリ
ックス樹脂としているため、フィラー(カーボンブラッ
ク)の受容性を増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性
の低下を招くことなく、ホットカットペレタイジングが
でき、長期信頼性を損なう(浸水課電劣化)原因となる
水トリーの発生・伸展を抑制することができる。
0重量%に対し、酢酸ビニルを30重量%以上含有した
エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリ
マーアロイを10〜50重量%混合して酢酸ビニルの換
算含有量が5重量%を超え15重量%以下とし、マトリ
ックス樹脂としているため、フィラー(カーボンブラッ
ク)の受容性を増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性
の低下を招くことなく、ホットカットペレタイジングが
でき、長期信頼性を損なう(浸水課電劣化)原因となる
水トリーの発生・伸展を抑制することができる。
【図1】架橋ポリエチレン等を絶縁体に用いた電力ケー
ブルの断面図である。
ブルの断面図である。
1………………………………………………………………
……電力ケーブル 2………………………………………………………………
……導体 3………………………………………………………………
……内部半導電層 4………………………………………………………………
……絶縁体 5………………………………………………………………
……外部半導電層 6………………………………………………………………
……遮蔽テープ 7………………………………………………………………
……シース
……電力ケーブル 2………………………………………………………………
……導体 3………………………………………………………………
……内部半導電層 4………………………………………………………………
……絶縁体 5………………………………………………………………
……外部半導電層 6………………………………………………………………
……遮蔽テープ 7………………………………………………………………
……シース
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】この導電性を付与するために添加するカー
ボンブラックとして、主に用いられるのは、アセチレン
ブラック及び一部の導電性ファーネスブラックであり、
プラスチック絶縁電力ケーブルとして必要な体積抵抗率
(105 Ω−cm以下)を得るために、マトリックス樹
脂100重量部に対して相当量(通常、良く用いられる
アセチレンブラック、導電性ファーネスブラックは50
重量部前後が多い)の添加を要するのが普通であり、マ
トリックス樹脂としては、結晶性の低密度ポリエチレ
ン、または非結晶性のあるいは低結晶性のエチレン共重
合体等のポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的
である。
ボンブラックとして、主に用いられるのは、アセチレン
ブラック及び一部の導電性ファーネスブラックであり、
プラスチック絶縁電力ケーブルとして必要な体積抵抗率
(105 Ω−cm以下)を得るために、マトリックス樹
脂100重量部に対して相当量(通常、良く用いられる
アセチレンブラック、導電性ファーネスブラックは50
重量部前後が多い)の添加を要するのが普通であり、マ
トリックス樹脂としては、結晶性の低密度ポリエチレ
ン、または非結晶性のあるいは低結晶性のエチレン共重
合体等のポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的
である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリオレフィン系樹脂組成物を主体とした半導電層
は、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体
等の非結晶性あるいは低結晶性樹脂(エチレン共重合
体)を用いた場合には、軟化点が低いため、高温特性
(コンパウンドのペレット製造時におけるホットカット
ペレタイジング性)が悪いという問題点を有している。
うなポリオレフィン系樹脂組成物を主体とした半導電層
は、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体
等の非結晶性あるいは低結晶性樹脂(エチレン共重合
体)を用いた場合には、軟化点が低いため、高温特性
(コンパウンドのペレット製造時におけるホットカット
ペレタイジング性)が悪いという問題点を有している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、マトリックス樹脂に、高温特性を良
くするため、高温特性に優れた(軟化点が高い)低密度
ポリエチレン等の結晶性樹脂を用いると、フィラーの受
容性が悪いことから、導電性を得るに必要な量の導電性
カーボンブラックを添加すると、機械的物性(引張伸び
値、脆化温度など)が低下するという問題点を有してい
る。
くするため、高温特性に優れた(軟化点が高い)低密度
ポリエチレン等の結晶性樹脂を用いると、フィラーの受
容性が悪いことから、導電性を得るに必要な量の導電性
カーボンブラックを添加すると、機械的物性(引張伸び
値、脆化温度など)が低下するという問題点を有してい
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、マトリックス樹脂にエチレン−酢酸
ビニル共重合体等の非結晶性あるいは低結晶性樹脂(エ
チレン共重合体)を用い、カーボンブラックを添加して
ケーブルの半導電層を構成すると、フィラー(カーボン
ブラック)の受容性は良好であり、機械的物性の低下が
少なく、半導電層からの水トリー発生数も少ないが、ベ
ース樹脂としての軟化点が低く、このため、コンパウン
ドペレットの製造において、コンパウンドが溶融状態の
まま空気中にてペレタイジングするホットカットペレタ
イジングが難しくなる。したがって、水中又は水冷スト
ランドペレタイジングを行うことになるため、水冷及び
ペレット乾燥装置が必要があり、設備が複雑となると共
にコンパウンドの吸水による品質低下が起きるという問
題点を有している。
ビニル共重合体等の非結晶性あるいは低結晶性樹脂(エ
チレン共重合体)を用い、カーボンブラックを添加して
ケーブルの半導電層を構成すると、フィラー(カーボン
ブラック)の受容性は良好であり、機械的物性の低下が
少なく、半導電層からの水トリー発生数も少ないが、ベ
ース樹脂としての軟化点が低く、このため、コンパウン
ドペレットの製造において、コンパウンドが溶融状態の
まま空気中にてペレタイジングするホットカットペレタ
イジングが難しくなる。したがって、水中又は水冷スト
ランドペレタイジングを行うことになるため、水冷及び
ペレット乾燥装置が必要があり、設備が複雑となると共
にコンパウンドの吸水による品質低下が起きるという問
題点を有している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】低密度ポリエチレン90〜50重量%に対し、
酢酸ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10
〜50重量%混合して酢酸ビニルの換算含有量が5重量
%を超え15重量%以下としてマトリックス樹脂として
いるため、フィラー(カーボンブラック)の受容性を増
し、引張特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くこと
なく、ホットカットペレタイジングができ、長期信頼性
を損なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生・
伸展を抑制することができる。
酢酸ビニルを30重量%以上含有したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイを10
〜50重量%混合して酢酸ビニルの換算含有量が5重量
%を超え15重量%以下としてマトリックス樹脂として
いるため、フィラー(カーボンブラック)の受容性を増
し、引張特性、耐寒性等の機械的特性の低下を招くこと
なく、ホットカットペレタイジングができ、長期信頼性
を損なう(浸水課電劣化)原因となる水トリーの発生・
伸展を抑制することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、これらの実施例に基づく電力ケーブ
ル用内部半導電層、比較例に基づく電力ケーブル用内部
半導電層のそれぞれについて、導体の上に半導電層を被
覆した6kV−CV60mm2 ケーブルを作製し、それ
ぞれの内部半導電層について水トリー発生数を測定し
た。
ル用内部半導電層、比較例に基づく電力ケーブル用内部
半導電層のそれぞれについて、導体の上に半導電層を被
覆した6kV−CV60mm2 ケーブルを作製し、それ
ぞれの内部半導電層について水トリー発生数を測定し
た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】コンパウンドは、マトリックス樹脂、カー
ボンブラック及び添加剤に熱が加えられ、マトリックス
樹脂の融点以上の温度になったときに、これらがブレン
ド混練され、これを押出機に通して、細いロッド状に押
し出されてきたもの(複数本)を空気中においてカット
し、ペレット化される。このコンパウンドの軟化点が低
い場合には、コンパウンドが溶融状態において直接空気
中でカット(ホットカットペレタイジング)されると、
カットされたコンパウンドが再び粘着してしまいペレッ
ト化が不可能となる(カット時点でコンパウンドが溶融
状態)。したがって、コンパウンドが溶融状態のまま空
気中でペレット状にカットされ、カットされたコンパウ
ンドが再び溶着しない状態をホットカットペレタイジン
グが容易(○)としている。本発明では、酢酸ビニル含
有量が多くても同一含有量のエチレン−酢酸ビニル共重
合体に比べて融点、軟化点の低下の少ないエチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイ
(酢酸ビニル単量体にて変成されたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)を用いることによって、コンパウンド中の
酢酸ビニル含有量を多くしてもその軟化点の低下を最小
限に押さえることができ、したがって、コンパウンド製
造におけるホットカットペレタイジングが可能となり、
かつ、水トリーの発生を防止する内部半導電層を得るこ
とができる。また、表1中の水トリー発生数は、乾式架
橋の6kV−CV60mm2 ケーブルの内部半導電層に
おいて周波数加速浸水課電(6.9kV 1000Hz
3ヶ月)後の任意の箇所から5cmの長さを採り、こ
の切り取ったケーブルの導体を抜き取り、残った筒状の
内部半導電層を0.5mmの厚さに輪切りにスライスし
て100片の試料片を作成し、この100片の試料片に
ついて顕微鏡で水トリーを検査し、水トリー発生数を計
数したものである。水トリー発生数が多いほど水トリー
劣化が生じ、長期信頼性を得られないことを示してい
る。
ボンブラック及び添加剤に熱が加えられ、マトリックス
樹脂の融点以上の温度になったときに、これらがブレン
ド混練され、これを押出機に通して、細いロッド状に押
し出されてきたもの(複数本)を空気中においてカット
し、ペレット化される。このコンパウンドの軟化点が低
い場合には、コンパウンドが溶融状態において直接空気
中でカット(ホットカットペレタイジング)されると、
カットされたコンパウンドが再び粘着してしまいペレッ
ト化が不可能となる(カット時点でコンパウンドが溶融
状態)。したがって、コンパウンドが溶融状態のまま空
気中でペレット状にカットされ、カットされたコンパウ
ンドが再び溶着しない状態をホットカットペレタイジン
グが容易(○)としている。本発明では、酢酸ビニル含
有量が多くても同一含有量のエチレン−酢酸ビニル共重
合体に比べて融点、軟化点の低下の少ないエチレン−酢
酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイ
(酢酸ビニル単量体にて変成されたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)を用いることによって、コンパウンド中の
酢酸ビニル含有量を多くしてもその軟化点の低下を最小
限に押さえることができ、したがって、コンパウンド製
造におけるホットカットペレタイジングが可能となり、
かつ、水トリーの発生を防止する内部半導電層を得るこ
とができる。また、表1中の水トリー発生数は、乾式架
橋の6kV−CV60mm2 ケーブルの内部半導電層に
おいて周波数加速浸水課電(6.9kV 1000Hz
3ヶ月)後の任意の箇所から5cmの長さを採り、こ
の切り取ったケーブルの導体を抜き取り、残った筒状の
内部半導電層を0.5mmの厚さに輪切りにスライスし
て100片の試料片を作成し、この100片の試料片に
ついて顕微鏡で水トリーを検査し、水トリー発生数を計
数したものである。水トリー発生数が多いほど水トリー
劣化が生じ、長期信頼性を得られないことを示してい
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】さらに比較例3は、EVAを用い低密度ポ
リエチレンとの重量比率は、実施例1と同じ組成となっ
ているが、VAの換算含有量が5.0%と、実施例1、
実施例2よりも低く、コンパウンドペレット製造性は○
と、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレット状
にカットされ、カットされたコンパウンドが再び溶着し
ない状態であるが、水トリー発生数が13個と長期信頼
性が低いことが分かる。 また、比較例4は、比較例3
と同じEVAを用いているが、LDPEとの重量比率が
異なるため、VAの換算含有量が12.5%となってい
る。そして、比較例4は、VAの換算含有量が実施例1
と実施例2の間の値を示しているため、水トリー発生数
が『1』個と長期信頼性は高いが、コンパウンドペレッ
ト製造性が×で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中
にてペレタイジングするホットカットペレタイジングが
できないものとなっている。さらに、比較例5は、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のみを使用し、低
密度ポリエチレンを使用していないため、VAの換算含
有量が25.0%と高く、水トリー発生数が『0』個と
長期信頼性は高いが、コンパウンドペレット製造性が×
で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイ
ジングするホットカットペレタイジングができないもの
となっている。
リエチレンとの重量比率は、実施例1と同じ組成となっ
ているが、VAの換算含有量が5.0%と、実施例1、
実施例2よりも低く、コンパウンドペレット製造性は○
と、コンパウンドが溶融状態のまま空気中でペレット状
にカットされ、カットされたコンパウンドが再び溶着し
ない状態であるが、水トリー発生数が13個と長期信頼
性が低いことが分かる。 また、比較例4は、比較例3
と同じEVAを用いているが、LDPEとの重量比率が
異なるため、VAの換算含有量が12.5%となってい
る。そして、比較例4は、VAの換算含有量が実施例1
と実施例2の間の値を示しているため、水トリー発生数
が『1』個と長期信頼性は高いが、コンパウンドペレッ
ト製造性が×で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中
にてペレタイジングするホットカットペレタイジングが
できないものとなっている。さらに、比較例5は、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のみを使用し、低
密度ポリエチレンを使用していないため、VAの換算含
有量が25.0%と高く、水トリー発生数が『0』個と
長期信頼性は高いが、コンパウンドペレット製造性が×
で、コンパウンドが溶融状態のまま空気中にてペレタイ
ジングするホットカットペレタイジングができないもの
となっている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、本実施例の電力ケーブル用半導電層
樹脂組成物によれば、マトリックス樹脂の第1成分であ
る低密度ポリエチレンに水トリーの発生を抑制するため
に酢酸ビニル成分を添加しても、コンパウンド軟化点の
低下を少なくでき、コンパウンドのペレット製造におい
て空気中でホットカットペレタイジングができるため、
水冷及びペレット乾燥装置が不要となり、設備の簡略化
と共にペレタイジングする際のコンパウンドの吸水によ
る品質低下を解消することができる。
樹脂組成物によれば、マトリックス樹脂の第1成分であ
る低密度ポリエチレンに水トリーの発生を抑制するため
に酢酸ビニル成分を添加しても、コンパウンド軟化点の
低下を少なくでき、コンパウンドのペレット製造におい
て空気中でホットカットペレタイジングができるため、
水冷及びペレット乾燥装置が不要となり、設備の簡略化
と共にペレタイジングする際のコンパウンドの吸水によ
る品質低下を解消することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【発明の効果】本発明は、低密度ポリエチレン90〜5
0重量%に対し、酢酸ビニルを30重量%以上含有した
エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリ
マーアロイを10〜50重量%混合して酢酸ビニルの換
算含有量が5重量%を超え15重量%以下とし、マトリ
ックス樹脂としているため、フィラー(カーボンブラッ
ク)の受容性を増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性
の低下を招くことなく、また、ホットカットペレタイジ
ングができ、さらに長期信頼性を損なう(浸水課電劣
化)原因となる水トリーの発生・伸展を抑制することが
できる。
0重量%に対し、酢酸ビニルを30重量%以上含有した
エチレン−酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリ
マーアロイを10〜50重量%混合して酢酸ビニルの換
算含有量が5重量%を超え15重量%以下とし、マトリ
ックス樹脂としているため、フィラー(カーボンブラッ
ク)の受容性を増し、引張特性、耐寒性等の機械的特性
の低下を招くことなく、また、ホットカットペレタイジ
ングができ、さらに長期信頼性を損なう(浸水課電劣
化)原因となる水トリーの発生・伸展を抑制することが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 低密度ポリエチレン90〜50重量%に
対し、酢酸ビニルを30重量%以上含有したエチレン−
酢酸ビニル共重合体/酢酸ビニル単量体ポリマーアロイ
を10〜50重量%混合して酢酸ビニルの換算含有量が
5重量%を超え15重量%以下としたことを特徴とする
マトリックス樹脂組成に対し導電性カーボンブラックを
適宜配合し半導電化したところの電力ケーブル用半導電
性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5119490A JPH06333418A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5119490A JPH06333418A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06333418A true JPH06333418A (ja) | 1994-12-02 |
Family
ID=14762564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5119490A Pending JPH06333418A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06333418A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101409621B1 (ko) * | 2012-09-14 | 2014-06-18 | 롯데케미칼 주식회사 | 원자력발전소 극한소재용 장수명 폴리올레핀 수지 조성물 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP5119490A patent/JPH06333418A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101409621B1 (ko) * | 2012-09-14 | 2014-06-18 | 롯데케미칼 주식회사 | 원자력발전소 극한소재용 장수명 폴리올레핀 수지 조성물 및 그 제조방법 |
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