JPH0633334U - 照光スイッチ用表面シート及び照光スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】上面層がフラットな可撓性透明フィルム４１で
形成され、この透明フィルム４１の下面側に、上面側か
ら見て機能表示部分（５０）がヌキ部となるように該機
能表示部分（５０）を除いて光不透過層４２が形成され
るとともに、上記ヌキ部を覆うようにスモーク材料層４
４が形成され、かつ、このスモーク材料層４４の下面側
に上記機能表示部を特徴づけるための色透明印刷層４５
が形成されてなる。 【効果】機器の不使用時あるいは通常使用されないスイ
ッチを外観上スイッチと認識させないようにされるの
で、スイッチ部の配置，デザイン等の自由度が増し、機
器のトータルデザインを向上させることが可能となると
ともに、不要なスイッチが隠蔽され、必要なスイッチの
みが現れることから操作性の向上も図ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スイッチの機能を表す文字，絵記号等の線画からなる機能表示部が 照らし出されるようにされた照光スイッチ用表面シート及びそれが用いられた照 光スイッチに係り、特に、音響映像機器類に組み込むのに好適なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、闇中における操作部の視認性を向上させるため、及びスイッチ選択を明 確にする等の実用的な目的のため、キートップ表面における各スイッチの機能を 表す文字・記号等の線画からなる機能表示部を透明もしくは半透明の樹脂材料で 構成し（機能表示部以外は遮光性材料）、該機能表示部の下側に配置したＬＥＤ 等の光源の発光により、選択されたスイッチの機能表示部を照らし出すようにさ れた照光スイッチが知られているが、このものは外光により照光時以外も機能表 示部が視認可能である。

【０００３】 また、各スイッチはそれが設けられたフレームにおけるスイッチ配列部表面の 開口から突出するように配置され、各スイッチが構造上も明確に識別可能に構成 されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

近年、音響映像機器類等に設けられる操作スイッチは、実用性のみならず機器 全体としてのトータルデザインを考慮した検討が要求されている。

【０００５】 上記した従来の照光スイッチでは、使用時，不使用時を問わず、言い換えれば 照光ＯＮ，ＯＦＦ時を問わず、スイッチ群が外観上明確に現れ、特に多数の照光 スイッチを機器表面に突出配列した構成や、使用されていないスイッチあるいは 通常使用しないスイッチが視認されてしまう構成等では、デザイン上の制約を余 儀なくされ、トータルデザインを阻害するものであった。

【０００６】 例えば、カメラ一体型ビデオ等の機器では、カメラ用の操作キー群（録画用） とビデオ用の操作キー（再生用）がそれぞれ設けられ、モード切り換えスイッチ によりいずれかのモードを選択して使用するが、両スイッチを同時に操作するこ とはなく、録画モード選択時は再生用スイッチ群は視認される必要のない照光不 要なスイッチ群となり、外観上スイッチと認識させない方が機器の外表面がすっ きりとするのでデザイン的に好ましいといえる。

【０００７】 なお、一部、自動車のインスツルメントパネル等に文字・記号等の線画からな る表示部が照らし出されるようにされた照光パネルが使用されているが、このも のはスイッチ機能を有していない。かかる照光パネル６０は、図６に示される如 くに、低濃度に染料を練り込んだ透明プラスチック板、いわゆるスモーク材から なる表示板６１の下面側に上面側から見て表示部（５０）がヌキ部となるように 該表示部（５０）を除いて例えば黒色の遮蔽性印刷層６３が形成され、上記表示 部（５０）を特徴づけるために、そのヌキ部を覆うように色づけ用の色透明印刷 層６５が形成されていて、その下面側から光源７０により照光されるようになっ ている。

【０００８】 上記のような構成のパネルを用いて押し操作のスイッチを構成するには、表示 板６１が硬質なので明確にスイッチ用可動釦部を設けなければならず、外観的に スイッチの存在が明らかになり、前記した如くの、不使用時にはその存在を認識 させないことが要求される照光スイッチには利用できない。

【０００９】 かかる点に鑑み本考案は、基板上に配された光源の上側に配置されるスイッ チ釦の上面側に設けられ、必要時のみ上記光源からの照光により当該スイッチの 機能を表す文字，記号等の線画からなる機能表示部が照らし出されるようにされ 、機器の不使用時あるいは通常使用されないスイッチを外観上スイッチと認識さ せないようにされた照光スイッチ用表面シート及び照光スイッチを提供すること を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成すべく、本考案に係る照光スイッチ用表面シートは、基板上 に配された光源の上側に配置されるスイッチ釦の上面側に設けられ、上記光源か らの照光により当該スイッチの機能を表す文字，記号等の線画からなる機能表示 部が照らし出されるようにされたもので、上面層がフラットな可撓性透明フィル ムで形成され、この透明フィルムの下面側に、上面側から見て上記機能表示部分 がヌキ部となるように該機能表示部分を除いて光不透過層が形成されるとともに 、上記ヌキ部を覆うようにスモーク材料層が形成され、かつ、このスモーク材料 層の下面側に上記機能表示部を特徴づけるための色透明印刷層が形成されてなる 。

【００１１】 かかる構成の表面シートにおいて、可撓性透明フィルムとしては、市販のもの が使用でき、その材料としては、ポリカーボネイド、ポリエステル、塩化ビニル 等が挙げられる。

【００１２】 光不透過層は、代表的に黒色印刷層で形成されるが、その色は黒色に限られる ことはなく機器ボディと同色にする為、他の光を通す印刷色、例えば白色等も光 を通さない金属薄膜、例えばアルミニウム箔等を裏打ちする構造にすることで用 いることが可能である。なお、この光不透過層のヌキ部が機能表示部を構成する 光透過部となる。

【００１３】 スモーク材料層は、クリアーなインクに染料を低濃度に混ぜ込んだものからな るスモーク質の印刷層で形成することができ、通常はスモークグレー、スモーク ブラウン等と呼ばれるものを使用することができる。

【００１４】 色透明印刷層は、スモーク質の印刷層と同様に、クリアーなインクに染料を混 入したものを印刷することで形成することができるが、スモーク質の印刷層より はやや高濃度に各種の色染料を混入し、透過色の色合いを決定したり調整したり するために用いられる。

【００１５】 その他、場合に応じて、さらに光透過部（機能表示部）に対しては光拡散効果 を持つ印刷層等を、また光透過部以外に対しては例えば光の反射のための白色印 刷層等を設けてもよい。

【００１６】 また、本考案に係る照光スイッチは、基板上に配された光源の上側にスイッチ 釦が配置され、このスイッチ釦の上面側に上記した如くの表面シートが設けられ てなる。

【００１７】

【作用】

上述の如くの構成とされた本考案に係る照光スイッチ用表面シートにおいては 、光源により下面側から照光されたときには、上面側に色透明印刷層における文 字・記号等の線画からなる機能表示部が透かしにより照らし出されて発現し、下 面側から照光されていないときには機能表示部がスモーク材料層で隠蔽されてス イッチ部分が視認されない。

【００１８】 かかる表面シートが用いられた照光スイッチにおいては、凸部を有しないフラ ットな表面構造とされるので、構造的にスイッチと感じさせず、表面シート自体 が可撓性を有しているので、照光により機能表示部分が発現するシート上面（ス イッチ押入部）がそのままスイッチ操作部となる。

【００１９】 このようにされることにより、スイッチ部の配置，デザイン等の自由度が増し 、機器のトータルデザインを向上させることが可能となるとともに、不要なスイ ッチが隠蔽され、必要なスイッチのみが現れることから操作性の向上も図られる 。

【００２０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。 図１〜図３は、本考案に係る表面シートが用いられた照光スイッチの一実施例 を示す平面図（表面シートを取り去っている）、縦断面図、分解斜視図であり、 図４及び図５はかかる照光スイッチに用いられた表面シートを示す平面図及び断 面図である。

【００２１】 図１〜３に示される照光スイッチ１０は、例えばカメラ一体型ビデオに複数個 並列的に設けられるもので、Ａｌメンブレン保持板１２上に熱溶着部１３で保持 されたスイッチ用メンブレン１４及びＬＥＤ用メンブレン２０を有し、図３を参 照すればよくわかるように、スイッチ用メンブレン１４上には上面に保護シート １６が被着された下方が開口する丸皿状のクリックバネ１８の周縁部が固着され 、ＬＥＤ用メンブレン２０上には光源としてのチップＬＥＤ２２が配されている 。

【００２２】 なお、ＬＥＤ用メンブレン２０には上記クリックバネ１８を上側に臨ませるた めの半円形の開口部２３が、また、スイッチ用メンブレン１４におけるクリック バネ１８の下面側には図示されていないがＡｌメンブレン保持板１２に設けられ た接点にクリックバネ１８が接触し得るように円形の開口部が設けられている。

【００２３】 上記したＡｌメンブレン保持板１２，スイッチ用メンブレン１４，ＬＥＤ用メ ンブレン２０は白色材料からなるフレーム２５に一体的に保持されており、上記 フレーム２５にはスイッチ釦３０が揺動可能に嵌め込まれる開口部２７が形成さ れている。この開口部２７は、上から見ると矩形部２７ａと突出部２７ｂとから なる概略凸の字状とされていて、矩形部２７ａの中央部にはチップＬＥＤ２２が 位置し、突出部２７ｂの下側に上記クリックバネ１８が位置するようになってい る。

【００２４】 上記フレーム２５の開口部２７には、上から見るとそれと相似形の、下側が開 口する矩形箱型状の光源対向部３２とこの光源対向部３２から側方に突出するバ ネ押し片部３４とを有するスイッチ釦３０が嵌め込まれている。このスイッチ釦 ３０は、全体が光拡散効果を有する乳半材、例えばポリカーボネイドに染料を混 入した乳白色の材料が用いられて例えば射出成形により製造されたもので、その 光源対向部３２における光源（チップＬＥＤ２２）側の底面がチップＬＥＤ２２ 側に湾出する球面状の凸面３７に形成されている。

【００２５】 また、光源対向部３２の一端側の両側部には開口部２７に設けられた左右一対 の支持凹部２７ｃに遊嵌される一対のヒンジピン３５が突設され、バネ押し片部 ３４には下方に突出してクリックバネ１８の頂面を押す押圧部３６が設けられて いる。従って、スイッチ釦３０は、その光源対向部３２の上面側を押圧すると上 記ヒンジピン３５を枢軸として下向きに揺動し、上記押圧部３６でクリックバネ １８を押圧してそれを接点（図示省略）に接触させることができるようになって いる。

【００２６】 そして、かかるスイッチ釦３０の上側には、当該スイッチの機能を表す図４に おいて破線で示される如くの絵記号からなる機能表示部５０が形成された可撓性 材料からなる表面シート４０がフレーム２５に固着されて配されている。

【００２７】 この表面シート４０は、上面層がフラットで可撓性を有する例えばポリカーボ ネイドからなる透明フィルム４１で形成され、この透明フィルム４１の下面側に 、上面側から見て機能表示部分（５０）がヌキ部となるように該機能表示部分（ ５０）を除いて黒色印刷層からなる光不透過層４２が形成されるとともに、上記 ヌキ部を覆うように、クリアーなインクに染料を低濃度に混ぜ込んだスモーク質 の印刷層からなるスモーク材料層４４が形成され、かつ、このスモーク材料層４ ４の下面側に機能表示部（５０）を特徴づけるための色透明印刷層４５が形成さ れている。この色透明印刷層４５は、スモーク材料層４４と同様に、クリアーな インクに染料を混入したものを印刷することにより形成され、スモーク材料層４ ４よりはやや高濃度に適当な色染料を混入したもので、透過色の色合いを決定し たり調整したりするために用いられる。

【００２８】 上記のような構成を有する本実施例の照光スイッチ１０においては、機構部分 のうち、スイッチ釦３０が光拡散効果のある乳半材が用いられて構成されている ので、チップＬＥＤ２２からの光は、そのスイッチ釦３０で拡散されて表示部５ ０を照光する。そのため、光源としてのチップＬＥＤ２２とスイッチ釦３０及び 表示部５０とを近接させても、機能表示部５０全体が均一に照らし出される。

【００２９】 また、スイッチ釦３０におけるチップＬＥＤ２２との対向部を該チップＬＥＤ ２２に湾出する凸面３７を持つ形状にしたことで、スイッチ釦３０自体がレンズ として働き、スイッチ釦３０を薄型にしても光拡散効果を補うことが可能となる 。

【００３０】 そして、上記した照光スイッチ１０に使用される表面シート４０においては、 光源（チップＬＥＤ２２）により下面側から照光されたときには、上面側に色透 明印刷層４５における文字・記号等の機能表示部５０が透かしにより照らし出さ れて発現し、下面側から照光されていないときには機能表示部５０がスモーク材 料層４４で隠蔽されてスイッチ部分が視認されない。

【００３１】 かかる表面シート４０が用いられた照光スイッチ１０においては、凸部を有し ないフラットな表面構造とされるので、構造的にスイッチと感じさせず、表面シ ート４０自体が可撓性を有しているので、照光により機能表示部５０が発現する シート上面（スイッチ押入部）がそのままスイッチ操作部となる。

【００３２】 このようにされることにより、スイッチ部の配置，デザイン等の自由度が増し 、機器のトータルデザインを向上させることが可能となるとともに、不要なスイ ッチが隠蔽され、必要なスイッチのみが現れることから操作性の向上も図られる 。

【００３３】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案に係る表面シートが用いられた照光 スイッチは、機器の不使用時あるいは通常使用されないスイッチを外観上スイッ チと認識させないようにされるので、スイッチ部の配置，デザイン等の自由度が 増し、機器のトータルデザインを向上させることが可能となるとともに、不要な スイッチが隠蔽され、必要なスイッチのみが現れることから操作性の向上も図る ことができるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の照光スイッチの平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に従う断面図。

【図３】実施例の照光スイッチの分解斜視図。

【図４】実施例の表面シートを示す平面図。

【図５】実施例の表面シートの断面図。

【図６】従来の照光パネルの説明に供される断面図。

【符号の説明】

１０ 照光スイッチ １４ スイッチ用メンブレン １８ クリックバネ ２０ ＬＥＤ用メンブレン ２２ チップＬＥＤ（光源） ２５ フレーム ３０ スイッチ釦 ３７ 凸面 ４０ 表面シート ４１ 可撓性透明フィルム ４２ 光不透過層 ４４ スモーク材料層 ４５ 色透明印刷層 ５０ 機能表示部分

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板上に配された光源の上側に配置され
   るスイッチ釦の上面側に設けられ、上記光源からの照光
   により当該スイッチの機能を表す文字，記号等の線画か
   らなる機能表示部が照らし出されるようにされた照光ス
   イッチ用表面シートであって、 上面層がフラットな可撓性透明フィルムで形成され、こ
   の透明フィルムの下面側に、上面側から見て上記機能表
   示部分がヌキ部となるように該機能表示部分を除いて光
   不透過層が形成されるとともに、上記ヌキ部を覆うよう
   にスモーク材料層が形成され、かつ、このスモーク材料
   層の下面側に上記機能表示部を特徴づけるための色透明
   印刷層が形成されてなる、照光スイッチ用表面シート。
2. 【請求項２】 基板上に配された光源の上側にスイッチ
   釦が配置され、このスイッチ釦の上面側に請求項１記載
   の表面シートが設けられてなる、照光スイッチ。