JPH063327A - 磁性体の比較測定装置 - Google Patents

磁性体の比較測定装置

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JPH063327A
JPH063327A JP16090592A JP16090592A JPH063327A JP H063327 A JPH063327 A JP H063327A JP 16090592 A JP16090592 A JP 16090592A JP 16090592 A JP16090592 A JP 16090592A JP H063327 A JPH063327 A JP H063327A
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circuit
coil
voltage
master
test
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JP16090592A
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Inventor
Yoshiaki Yoshinaga
儀明 吉永
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SHOWA KIJIYUUKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
SHOWA KIJIYUUKI SEISAKUSHO KK
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性体である鉄系金属材料の品質に大きく関
与する重量と材質及び組織を、従来の超音波探傷検査な
どの非破壊検査に比べて、高精度・高スピードに測定す
ることができるとともに、装置の耐久性の向上を図れる
ようにする。 【構成】 マスターコイル1とテストコイル2とに励磁
電圧を印加して、各コイル1,2の2次巻線1b,2b
に誘起される電圧の位相差を計測することで、材質およ
び組織の差異を判別する一方、上記各コイル1,2の2
次巻線1b,2bに誘起される電圧の最大値との電位差
を計測することで、重量の差異を判別するように構成し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として鉄系の金属
材料等の磁性体からなる各種産業用の機械製品、部品な
どの品質を監視するために、その品質に大きく関与する
磁性体の重量と材質及び組織を、該磁性体を破壊した
り、変形することなく、非破壊・非接触状態で判別する
場合に適用される磁性体の比較測定装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機、自動車をはじめ機械工業
全般において、安全性が第一に重要視されるようになっ
ている。そのために、製品や部品の全数を検査すること
により品質管理を強化することと、検査部門の省力化・
効率化によるコストダウンが緊急の課題となっている。
【0003】このような課題に対応するために、例えば
鉄鋼製品の生産工程で線材やパイプ等の金属材料につい
ては、従来から、内部の探傷を目的としたX線透過検査
や超音波探傷検査、浸透検査、音響検査などの非破壊検
査を自動化したものが実用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の非破壊検査方式による場合は、検査精度・検査
スピード・装置の耐久性の面で十分な満足が得られるも
のでなく、したがって、安全性に直結する全数検査の実
施が困難な状況にあり、上述の各面で、より高度な検査
装置の開発が要望されている。。
【0005】この発明は上記の要望に応えるべくなされ
たもので、非破壊・非接触であるのはもとより、磁性体
の品質に関与する材質及び組織と重量を高精度・高スピ
ードに検査することができるとともに、優れた耐久性を
もつ磁性体の比較測定装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る磁性体の比較測定装置は、磁性体の
重量と材質及び組織の差異を非破壊・非接触で比較測定
するための磁性体の比較測定装置であって、マスターワ
ークを挿入するマスターコイルおよびテストワークを挿
入するテストコイルの1次巻線を励磁するための励磁電
圧を発生する励磁電圧発生回路と、上記マスターコイル
およびテストコイルの1次巻線に励磁電圧を印加したと
き、上記各コイルの2次巻線に誘起される電圧を増幅す
る増幅回路と、これら増幅回路の出力信号の雑音を除い
て基本波だけを通過させるためのフィルター回路と、こ
れら各フィルター回路の出力信号の上記マスターコイル
の2次巻線に誘起される電圧の零クロス時限および上記
テストコイルの2次巻線に誘起される電圧の零クロス時
限をそれぞれ検出する零クロス発生回路と、これら各零
クロス発生回路が発生したマスターコイル側の2次巻線
の誘起電圧の位相とテストコイル側の2次巻線の誘起電
圧の位相との位相差を計測する位相差計測回路と、この
位相差計測回路に位相差を計測するための基準クロック
を供給する基準クロック発生回路と、上記位相差計測回
路の計測出力信号を演算して、設定された良否の判定レ
ベルと比較する比較回路と、この比較回路から出力され
る判定信号を論理演算してテストワークのマスターワー
クに対する材質及び組織の差異を測定する論理演算回路
とを備えてなる磁性体の材質及び組織の比較測定系を有
しているとともに、上記各フィルター回路の出力信号を
それぞれ絶対値整流する絶対値整流回路と、これら絶対
値整流回路の出力信号の最大値を記憶保持する最大値保
持回路と、これら最大値保持回路の出力信号の差異を検
出し増幅する差動増幅回路と、この差動増幅回路の出力
信号と設定された良否の判定レベルとを比較する比較回
路と、この比較回路から出力される判定信号を論理演算
して、テストワークのマスターワークに対する重量の差
異を測定する論理演算回路とを備えてなる磁性体の重量
の比較測定系を有しているものである。
【0007】特に、上記の磁性体の比較測定装置におい
て、上記励磁電圧発生回路で発生した励磁電圧を、上記
マスターコイルおよびテストコイルの1次巻線に直列に
印加するように構成することが必要である。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、励磁電圧発生回路で発生
させた励磁電圧をマスターワークを挿入したマスターコ
イルの1次巻線およびテストワークを挿入したテストコ
イルの1次巻線に印加することにより、上記両コイルの
2次巻線に電圧が誘起される。これら誘起電圧はそれぞ
れ増幅回路により増幅され、かつフィルター回路により
雑音が除去されたのち、零クロス発生回路に導かれて各
誘起電圧の零クロス時限が検出される。つづいて、各零
クロス発生回路が発生したマスターコイル側の2次巻線
の誘起電圧の位相とテストコイル側の2次巻線の誘起電
圧の位相との位相差が基準クロックの計数により計測さ
れ、その計測出力信号が次の比較回路において、設定さ
れた良否の判定レベルと比較されて、その判定信号の論
理演算によりテストワークのマスターワークに対する材
質及び組織の差異が測定される。
【0009】一方、上記励磁電圧の印加にともないマス
ターコイルおよびテストコイルの2次巻線に誘起される
電圧で上記増幅回路により増幅され、かつ上記フィルタ
ー回路により雑音が除去された誘起電圧は絶対値整流回
路で整流されたのち、計測期間中の最大値が保持回路で
保持され、差動増幅回路で増幅されて両者の電位差が検
出される。つづいて、その差動増幅回路の出力信号(電
位差)と設定された良否の判定レベルとが比較回路で比
較されて、その比較回路から出力される判定信号の論理
演算によりテストワークのマスターワークに対する重量
の差異が測定される。
【0010】以上のように、マスターコイルとテストコ
イルの2個のコイルにマスターワークとテストワークを
挿入して、両コイルに励磁電圧を印加するだけで、電磁
誘導現象に及ぼす影響に異なりを生じる要因となる鉄系
金属材料である磁性体の材質及び組織と重量の差異を、
高精度に、また高スピードに比較測定することが可能で
ある。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1は、この発明の磁性体の比較測定装置の
構成を示すブロック図であり、該装置は大別して、磁性
体の材質及び組織の差異を判別する系と、磁性体の重量
の差異を判別する系との2つの判別系を有しており、以
下においては、両系を分離して説明する。
【0012】まず、磁性体の材質及び組織の差異を判別
する系について説明する。図1において、1はマスター
ワーク(標準資料)Mを挿入するマスターコイルで、1
次巻線1aと2次巻線1bとからなる。2はテストワー
ク(試験資料)Tを挿入するテストコイルで、1次巻線
2aと2次巻線2bとからなる。3は励磁電圧発生回路
で、上記マスターコイル1の1次巻線1aおよびテスト
コイル2の1次巻線2aに励磁電圧を直列に印加するも
のであり、最大1.0Aの電流を供給し、電圧は1.5
V〜15.0Vの範囲で1ステップ1.5V毎に10段
階に可変で、かつ、周波数は40Hz〜80Hzの範囲
で可変に構成されている。
【0013】4A,4Bは上記マスターコイル1の2次
巻線1bおよびテストコイル2の2次巻線2bに誘起さ
れる電圧をそれぞれ増幅する増幅回路、5A,5Bはフ
ィルター回路で、上記各増幅回路4A,4Bの出力信号
の雑音を除去して励磁電圧発生回路3で発生させた励磁
電圧と同じ周波数の正弦波だけを通過させる。6A,6
Bは零クロス発生回路で、上記フィルター回路5A,5
Bを通過した基本波だけの誘起電圧の零クロス時限を検
出する。6Cも零クロス発生回路で、上記励磁電圧発生
回路3で発生させた励磁電圧の零クロス時限を検出す
る。7は位相差計測回路で、上記の各零クロス発生回路
6A,6Bが発生したマスターコイル側の2次巻線の誘
起電圧の位相とテストコイル側の2次巻線の誘起電圧の
位相との位相差を計測するものであり、この位相差計測
回路7には、位相差を計測するための基準クロックck
を供給する基準クロック発生回路8が接続されており、
計測期間にわたり位相差計測回路7に入力される基準ク
ロックckを計数することで、位相差を計測するように
なされている。
【0014】9は比較回路で、上記位相差計測回路7の
計測出力信号と、予め良否の判定レベルが設定されてい
る判定レベル設定回路10から出力される判定レベルと
を比較する。ここで、上記判定レベル設定回路10に設
定されている判定レベルは、標準良品を上記テストコイ
ル2に挿入した状態での励磁電圧の印加にともない、マ
スターコイル1の2次巻線1bおよびテストコイル2の
2次巻線2bにそれぞれ誘起される電圧の位相の差を零
にオフセットし、下限限度サンプルを上記テストコイル
2に挿入した状態での励磁電圧の印加にともないマスタ
ーコイル1の2次巻線1bおよびテストコイル2の2次
巻線2bにそれぞれ誘起される電圧の位相の差を下限値
とし、また上限限度サンプルを上記テストコイル2に挿
入した状態での励磁電圧の印加にともないマスターコイ
ル1の2次巻線1bおよびテストコイル2の2次巻線2
bにそれぞれ誘起される電圧の位相の差を上限値として
設定された判定レベルと上記位相差計測回路7の計測出
力信号とを上記比較回路9で比較することにより、−N
G、OK、+NGなる判定信号を出力する。12は論理
演算回路で、上記比較回路9から出力される−NG、O
K、+NGなる判定信号の論理演算を行なう。
【0015】つぎに、磁性体の重量の差異を判別する系
について説明する。なお、この系における構成のうち、
図1に示す1〜3、4A,4Bおよび5A,5Bは上記
した磁性体の材質及び組織の差異を判別する系の構成と
共用されるものであるため、ここでは詳しい説明を省略
する。
【0016】図1において、13A,13Bは絶対値整
流回路で、上記フィルター回路5A,5Bの出力信号を
それぞれ絶対値整流する。14A,14Bは最大値保持
回路で、上記絶対値整流回路13A,13Bの出力信号
(電圧)の計測期間中の最大値を記憶保持し、計測期間
終了にともないその最大保持電圧を放電する。15は差
動増幅回路で、上記各最大値保持回路14A,14Bの
出力信号(最大電圧)の差異を検出し増幅する。
【0017】16は比較回路で、上記差動増幅回路15
の出力信号と、予め良否の判定レベルが設定されている
判定レベル設定回路18から出力される判定レベルとを
比較する。ここで、上記判定レベル設定回路18に設定
されている判定レベルは、標準良品を上記テストコイル
2に挿入した状態での励磁電圧の印加にともない、マス
ターコイル1の2次巻線1bおよびテストコイル2の2
次巻線2bにそれぞれ誘起される電圧の最大値の差異が
零になるように調整し、下限限度サンプルを上記テスト
コイル2に挿入した状態での励磁電圧の印加にともない
マスターコイル1の2次巻線1bおよびテストコイル2
の2次巻線2bにそれぞれ誘起される電圧の最大値の差
異を下限値とし、また上限限度サンプルを上記テストコ
イル2に挿入した状態での励磁電圧の印加にともないマ
スターコイル1の2次巻線1bおよびテストコイル2の
2次巻線2bにそれぞれ誘起される電圧の最大値の差異
を上限値として設定された判定レベルと上記差動増幅回
路15の出力信号とを上記比較回路16で比較すること
により、−NG、OK、+NGなる判定信号を出力す
る。17は論理演算回路で、上記比較回路16から出力
される−NG、OK、+NGなる判定信号の論理演算を
行なう。
【0018】次に、上記構成の動作について、上述の2
つの系に分けて説明する。まず、磁性体の材質及び組織
の差異を判別する系においては、励磁電圧発生回路3で
発生させた励磁電圧をマスターワークMを挿入したマス
ターコイル1の1次巻線1aおよびテストワークTを挿
入したテストコイル2の1次巻線2aに印加することに
より、上記両コイル1,2の2次巻線1b,2bにそれ
ぞれ電圧が誘起される。これら誘起電圧はそれぞれ増幅
回路4A,4Bにより増幅され、かつ、フィルター回路
5A,5Bにより雑音が除去されたのち、零クロス発生
回路6A,6Bに導かれて各誘起電圧の零クロス時限が
検出される。つづいて、各零クロス発生回路6A,6B
が発生したマスターコイル1側の2次巻線1bの誘起電
圧の位相とテストコイル2側の2次巻線2bの誘起電圧
の位相との位相差が基準クロックckの計数により計測
され、その計測出力信号が次の比較回路10において、
設定された良否の判定レベルと比較されて−NG、O
K、+NGなる判定信号が出力され、その判定信号を論
理演算回路12において、次式(1)に示すような論理
演算を行なうことによりテストワークTのマスターワー
クMに対する材質及び組織の差異が測定される。
【0019】
【数1】
【0020】ところで、上記マスターコイル1側の2次
巻線1bの誘起電圧の位相とテストコイル2側の2次巻
線2bの誘起電圧の位相との間には、コイル1,2のイ
ンダクンスにより位相遅れがある。すなわち、マスター
ワークMに対して透磁率の高いテストワークTをテスト
コイル2に挿入した場合にマスターコイル1の2次巻線
1bに誘起される電圧の位相とテストコイル2の2次巻
線2bに誘起される電圧の位相との間の位相差は、マス
ターコイル1に挿入したマスターワークMと同等の透磁
率のテストワークTをテストコイル2に挿入した場合に
マスターコイル1の2次巻線1bに誘起される電圧の位
相とテストコイル2の2次巻線2bに誘起される電圧の
位相との間の標準位相遅れよりも小さくなり、また、マ
スターワークMに対して透磁率の低いテストワークTを
テストコイル2に挿入した場合にマスターコイル1の2
次巻線1bに誘起される電圧の位相とテストコイル2の
2次巻線2bに誘起される電圧の位相との間の位相差
は、上記の標準位相遅れよりも大きくなる。
【0021】そして、上記のような位相遅れ角θは、印
加電圧10V・1次巻線励磁電流0.8Aで60Hzの
正弦波を印加したテストの結果、ワークの硬度(HR
C)と密接な相関関係があることが判明した。すなわ
ち、マスターワークMの硬度がHRC60に対して、テ
ストワークTの硬度がHRC62の場合には、図2の実
線に示すように、標準位相遅れよりも約1度位相が進
み、テストワークTの硬度がHRC58の場合には、標
準位相遅れよりも約1度位相が遅れる。また、マスター
ワークMの硬度がHRC30に対して、テストワークT
の硬度がHRC32の場合には、図2に示すように、標
準位相遅れよりも約30分位相が進み、テストワークT
の硬度がHRC28の場合には、標準位相遅れよりも約
30分位相が遅れる。
【0022】鉄系金属材料(磁性体)全般の透磁率に影
響を及ぼす要因としては、含有炭素量・異種金属含有量
・結晶粒度の大きさ等が挙げられるが、この発明の基礎
実験でのデータでは、マスターワークの含有炭素量・異
種金属含有量・結晶粒度の大きさを変えれば、マスター
コイル1に挿入したマスターワークと同等の透磁率をも
つテストワークをテストコイル2に挿入した場合、マス
ターコイル1の2次巻線1bに誘起される電圧の位相と
テストコイル2の2次巻線2bに誘起される電圧の位相
との間の位相差に差異が生じる場合があるために、含有
炭素量・異種金属含有量・結晶粒度の大きさなどの差異
に対する絶対値は規定できないけれども、この発明によ
る材質及び組織の差異の判別は、あくまでもマスターワ
ークに対しての比較測定であり、上述したように、標準
良品を挿入した際の両コイル1,2の2次巻線1b,2
bに誘起される電圧との間の位相差を零にオフセットし
て、下限限度サンプルをテストコイル2に挿入した場合
の誘起電圧の位相差を下限値に設定し、上限限度サンプ
ルをテストコイル2に挿入した場合の誘起電圧の位相差
を上限値に設定している判定レベルと、テストワークT
の挿入時に得られる誘起電圧の位相差とを比較すること
で、所定の材質及び組織の差異を非接触で、かつ高速に
比較測定することができる。
【0023】つぎに、磁性体の重量の差異を判別する系
においては、励磁電圧発生回路3で発生させた励磁電圧
をマスターワークMを挿入したマスターコイル1の1次
巻線1aおよびテストワークTを挿入したテストコイル
2の1次巻線2aに印加することにより、上記両コイル
1,2の2次巻線1b,2bにそれぞれ電圧が誘起され
る。これら誘起電圧はそれぞれ増幅回路4A,4Bによ
り増幅され、かつ、フィルター回路5A,5Bにより雑
音が除去されたのち、絶対値整流回路13A,13Bに
入力されて、ここで絶対値整流される。つづいて、計測
期間中の最大値が最大値保持回路14A,14Bで保持
され、その保持電圧が計測終了後に放電され差動増幅回
路15で増幅されて両者の電位差が検出される。つづけ
て、その差動増幅回路15の出力信号(電位差)が次の
比較回路16において、設定された良否の判定レベルと
比較されて−NG、OK、+NGなる判定信号が出力さ
れ、その判定信号を論理演算回路17において、次式
(2)の論理演算を行なうことによりテストワークTの
マスターワークMに対する重量の差異が測定される。
【0024】
【数2】
【0025】ところで、上記マスターコイル1側の2次
巻線1bの誘起電圧の最大値とテストコイル2側の2次
巻線2bの誘起電圧の最大値との間には、それらコイル
1,2に挿入されるワークの重量の差が大きく関係して
いる。すなわち、マスターコイル1に標準資料であるマ
スターワークMを挿入し、テストコイル2にそのマスタ
ーワークMと同一のテストワークTを挿入した際にマス
ターコイル1の2次巻線1bに誘起される電圧の最大値
とテストコイル2の2次巻線2bに誘起される電圧の最
大値が同一になるように各々の信号に対する増幅回路4
A,4Bの増幅率を調整しておく。この状態で、マスタ
ーワークMよりも重量の重いテストワークをテストコイ
ル2に挿入した場合は、図3の実線に示すように、テス
トコイル2の2次巻線2bに誘起される電圧の最大値V
1max.がマスターコイル1の2次巻線1bに誘起さ
れる電圧の最大値V0max.に比較して大きくなり、
また、逆にマスターワークMよりも重量の軽いテストワ
ークをテストコイル2に挿入した場合には、図3に示す
ように、テストコイル2の2次巻線2bに誘起される電
圧の最大値V2max.が上記の電圧の最大値V0ma
x.に比較して小さくなる。なお、図2および図3に示
す実験結果については、テストコイル2およびマスター
コイル1の1次巻線と2次巻線数の比によって定まるも
のであり、その巻線数の比を変えると、位相差および誘
起電圧も変化するが、傾向としては同じである。
【0026】この発明による重量の差異の判別は、あく
までもマスターワークに対しての比較測定であり、上述
したように、標準良品を挿入した際の両コイル1,2の
2次巻線1b,2bに誘起される電圧の最大値との差が
零になるように調整して、下限限度サンプルをテストコ
イル2に挿入した場合の誘起電圧の最大値のを下限値に
設定し、上限限度サンプルをテストコイル2に挿入した
場合の誘起電圧の最大値の差を上限値に設定している判
定レベルと、テストワークTの挿入時に得られる誘起電
圧の最大値の差とを比較することで、所定の重量の差異
を非接触で、かつ高速に比較測定することができる。
【0027】なお、上記実施例において、マスターコイ
ル1およびテストコイル2の1次巻線1a,2aを励磁
するための励磁電圧を発生する励磁電圧発生回路3で発
生させた励磁電圧をマスターコイル1およびテストコイ
ル2に直列に印加するように構成した場合は、マスター
コイル1とテストコイル2のインピーダンスに差異があ
っても、流れる励磁電流は常に同一となり、マスターコ
イル1に挿入した標準資料と同一の試験資料をテストコ
イル2に挿入した時の各々のコイル1,2の2次巻線1
b,2bの誘起電圧を常に同一にすることが可能で、測
定精度をより一層向上することができるという効果があ
る。
【0028】また、上記実施例のように、誘起電圧を絶
対値整流して、その最大値を保持するように構成する場
合は、平滑回路で直流にする場合に比して、計測時間を
短くして所定の測定スピードの上昇が図れる。
【0029】さらに、上記実施例では、構成が理解しや
すいように、材質及び組織の差異を比較測定する系と重
量の差異を比較測定する系との構成を完全に分離した形
で説明したが、例えば位相差計測手段、差動増幅手段、
判定レベルとの比較手段、論理演算手段などを、マイコ
ンの使用により一括的な構成としてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、磁性
体である鉄系金属材料の品質に大きく関与する重量と材
質及び組織を、非破壊・非接触状態で検査することがで
きるのはもとより、磁性体自体の有する電磁誘導特性を
有効に活用することで、従来のX線透過検査や超音波探
傷検査などの非破壊検査に比べて、精度の高い測定を非
常に能率的、省力的に実現することができる。また、非
接触で電圧を印加するだけであるから、装置自体の損傷
などもなく、その耐久性を向上できて、安全性に直結す
る全数検査の実施を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による磁性体の比較測定装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の基礎実験での実験データで、磁性体
の硬度と位相差との関係を説明する図である。
【図3】この発明の基礎実験での実験データで、磁性体
の重量と電位差との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 マスターコイル 1a 1次巻線 1b 2次巻線 2 テストコイル 2a 1次巻線 2b 2次巻線 3 励磁電圧発生回路 4A,4B 増幅回路 5A,5B フィルタ回路 6A,6B 零クロス発生回路 7 位相差計測回路 8 基準クロック発生回路 9,16 比較回路 10,18 判定レベル設定回路 12,17 論理演算回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体の重量と材質及び組織の差異を非
    破壊・非接触で比較測定するための磁性体の比較測定装
    置であって、マスターワークを挿入するマスターコイル
    およびテストワークを挿入するテストコイルの1次巻線
    を励磁するための励磁電圧を発生する励磁電圧発生回路
    と、上記マスターコイルおよびテストコイルの1次巻線
    に励磁電圧を印加したとき、上記各コイルの2次巻線に
    誘起される電圧を増幅する増幅回路と、これら増幅回路
    の出力信号の雑音を除いて基本波だけを通過させるため
    のフィルター回路と、これら各フィルター回路の出力信
    号の上記マスターコイルの2次巻線に誘起される電圧の
    零クロス時限および上記テストコイルの2次巻線に誘起
    される電圧の零クロス時限をそれぞれ検出する零クロス
    発生回路と、これら各零クロス発生回路が発生したマス
    ターコイル側の2次巻線の誘起電圧の位相とテストコイ
    ル側の2次巻線の誘起電圧の位相との位相差を計測する
    位相差計測回路と、この位相差計測回路に位相差を計測
    するための基準クロックを供給する基準クロック発生回
    路と、上記位相差計測回路の計測出力信号を演算して、
    設定された良否の判定レベルと比較する比較回路と、こ
    の比較回路から出力される判定信号を論理演算してテス
    トワークのマスターワークに対する材質及び組織の差異
    を測定する論理演算回路とを備えてなる磁性体の材質及
    び組織の比較測定系を有しているとともに、上記各フィ
    ルター回路の出力信号をそれぞれ絶対値整流する絶対値
    整流回路と、これら絶対値整流回路の出力信号の最大値
    を記憶保持する最大値保持回路と、これら最大値保持回
    路の出力信号の差異を検出し増幅する差動増幅回路と、
    この差動増幅回路の出力信号と設定された良否の判定レ
    ベルとを比較する比較回路と、この比較回路から出力さ
    れる判定信号を論理演算して、テストワークのマスター
    ワークに対する重量の差異を測定する論理演算回路とを
    備えてなる磁性体の重量の比較測定系を有していること
    を特徴とする磁性体の比較測定装置。
  2. 【請求項2】 上記励磁電圧発生回路で発生した励磁電
    圧を、上記マスターコイルおよびテストコイルの1次巻
    線に直列に印加するように構成している請求項1の磁性
    体の比較測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0854375A (ja) * 1994-08-11 1996-02-27 Kaisei Enjinia Kk 電磁誘導型検査装置
JP2007183114A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Nippon Petroleum Refining Co Ltd ベローズの劣化検査方法
JP4766472B1 (ja) * 2010-10-22 2011-09-07 国立大学法人 岡山大学 非破壊検査装置及び非破壊検査方法

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JP2007183114A (ja) * 2006-01-04 2007-07-19 Nippon Petroleum Refining Co Ltd ベローズの劣化検査方法
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