JPH06332786A - 複合オブジェクトを持つデータ処理システム - Google Patents

複合オブジェクトを持つデータ処理システム

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Publication number
JPH06332786A
JPH06332786A JP5122557A JP12255793A JPH06332786A JP H06332786 A JPH06332786 A JP H06332786A JP 5122557 A JP5122557 A JP 5122557A JP 12255793 A JP12255793 A JP 12255793A JP H06332786 A JPH06332786 A JP H06332786A
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JP
Japan
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class
link
processing
data
world
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5122557A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadamitsu Ryu
忠光 龍
Hiroyuki Izumi
寛幸 泉
Masahiko Murakawa
雅彦 村川
Masanobu Toyoda
雅信 豊田
Takeshi Adachi
武史 足立
Naomi Ichikawa
なおみ 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to US08/248,978 priority patent/US5560012A/en
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F16/00Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor
    • G06F16/20Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor of structured data, e.g. relational data
    • G06F16/28Databases characterised by their database models, e.g. relational or object models
    • G06F16/289Object oriented databases

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Information Retrieval, Db Structures And Fs Structures Therefor (AREA)
  • Stored Programmes (AREA)
  • Devices For Executing Special Programs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,メソッドをもオブジェクトの1つ
として取り扱い,静的モデルと動的モデルと機能的モデ
ルとにもとづいて,新しい目的をもった処理要求に対し
て,個々のオブジェクトを強リンクと弱リンクとを用い
て巧みに組み合わせて処理できるようにすることを目的
としている。 【構成】 与えられた処理要求に対応して,内部スキー
マ310内のクラス・スキーマ312によって,機能的
モデル431内のオブジェクトを強リンクと弱リンクと
を用いて組織化してクラスを生成し,得られたクラスに
対応して,インスタンス・スキーマ316によって上記
処理要求に対処するインスタンスを生成して実行するよ
うにすると共に,上記クラスやインスタンスを他端局に
も転送できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】実世界をオブジェクト・モデルと
みなして把握し,当該実世界を外延的外辞と内包とに対
応づけ,内包を情報隠蔽された領域に置き,当該内包を
特定するいわばiD情報を外延的外辞と対応づけて構成
し,当該外延的外辞に対応づけて,上記実世界を,オブ
ジェクトの世界を構成する静的世界と動的世界とで表現
しておき,当該静的世界についてはクラスおよび/また
は複合クラスによってシステムの仕組みを与え,当該動
的世界については,上記クラスおよび/または複合クラ
スのインスタンスによって当該動的モデルの動きを与え
るようにしておくと共に,互いに関係しあう複合オブジ
ェクトの間で強リンクと弱リンクとを使い分けて当該弱
リンクの場合に必要に応じて相互の複合オブジェクトの
間の関係を切断可能にした複合オブジェクトを持つデー
タ処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図26は本発明の場合の如くオブジェク
トをカプセル化する利点を説明する図である。例えば実
行処理データ214を例にとると,図26(A)に示す
如く,当該実行処理データは一連の命令(又は命令群)
250を処理順にシリヤライズされたものとして与えら
れる。これらの命令(又は命令群)250の幾つかがま
とまって,所定の処理を実行する即ち或る振る舞いを行
う処理単位251を構成する。
【0003】したがって図26(A)に示す実行処理デ
ータは,図26(B)に示す如く,或る振る舞いを行う
処理単位251が処理順にシリヤライズされたものとみ
ることができる。図26(B)に示す如くシリヤライズ
された実行処理データ214は全体でもって或る特定の
動作を行うためのものである。したがって,他の特定の
処理を行うための実行処理データ214は,組み合わせ
を異にした処理単位251の連結された別の実行処理デ
ータとして与えられる。
【0004】異なる振る舞いを発揮する既存の処理単位
251が多量に得られるにつれて,図26(C)に示す
如く,個々の処理単位251を,所定のメソッドMの下
で,必要に応じて,統合させ,図26(B)に示す実行
処理データ214と同じ動作を行わせるものを得ること
ができる。
【0005】予めオブジェクトとオブジェクト・コマン
ドとオブジェクト部品との関係を説明しておく。以下,
より具体的に本発明にいうオブジェクトとオブジェクト
・コマンドとオブジェクト部品との関係を説明する。
【0006】実世界,例えば会社部門についてモデル化
を行った例が図27に示される。図27においては,
「従業員」を表わす枠内に,例えば「仕事の型=1」に
属する「秘書」がおり,「仕事の型=2」に属する「リ
ーダ」がおり,「仕事の型=3」に属する「労働者」が
いる。そして「従業員」という枠は「チーム」という枠
に属している。
【0007】「リーダ」は「チーム・リーダ」という関
係の下で「チーム」と関係づけられ,また「労働者」は
「作業単位」という枠内で「労働者・機械」という関係
の下で「機械」と関係づけられる。
【0008】また「チーム」と「機械」とは「機械・作
業場」という関係の下で関係づけられており,「労働
者」と「機械」とはまた「機械・労働者」という関係の
下で関係づけられる。更に「従業員」は「部門・従業
員」という関係の下で「部門」と関係づけられる。
【0009】また更に,「従業員」は「従業員・属性」
という関係の下で「所属」と関係づけられ,「作業単
位」は「作業単位・部品」という関係の下で「部品」と
関係づけられる。
【0010】更にその上で,(1)「部門」はオブジェ
クト「部門名」やオブジェクト「ドル」と関係づけら
れ,(2)「チーム」は,チーム識別番号によってオブ
ジェクト「名前」と関係づけられ,仕事の型によってオ
ブジェクト「従業員番号」と関係づけられ,名前によっ
てオブジェクト「コード名」やオブジェクト「姓」と関
係づけられ,給与によってオブジェクト「ドル」と関係
づけられ,平均給与によってオブジェクト「ドル」と関
係づけられ,部門の平均数によってオブジェクト「数」
と関係づけられ,(3)「秘書」はタイピング速度によ
ってオブジェクト「数」と関係づけられ,(4)「所
属」は,名前によってオブジェクト「名」と関係づけら
れ,歳によってオブジェクト「年」と関係づけられ,
(5)「部品」はオブジェクト「部品番号」やオブジェ
クト「ドル」と関係づけられ,(6)「作業単位・部
品」は数量によってオブジェクト「数」と関係づけら
れ,(7)「作業単位」は必要な時間によってオブジェ
クト「時間」と関係づけられ,(8)「機械」は,オブ
ジェクト「機械番号」やオブジェクト「ドル」やオブジ
ェクト「機械名」と関係づけられ,(9)「機械・労
働」は使用時間によってオブジェクト「時間」と関係づ
けられる。
【0011】図27に示されるモデルは,一般に,例え
ば,丸印を「振る舞い」(あるいはメソッド)とし,角
印を「データ」とし,菱形印を「関係」とすると,図2
8に示す如く一般化して表わすことができる。即ち,
(1)メソッドaとデータIとがまとめられて1つのよ
り大きいデータIVの働きをし,(2)メソッドbとcと
が関係αによってデータIIと関係づけられて1つのより
大きいデータVの働きをし,(3)メソッドcとdとが
関係βによってデータIII と関係づけられて1つのより
大きいデータVIの働きをし,(4)メソッドeが関係γ
によってデータIVとVとVIと関係づけられて1つの更に
大きいデータVII の働きをする,のように,互いにまと
められ,からみあって,より大きい集団がつくられてい
る形で表わすことができる。
【0012】図28に示す夫々の丸印や角印や菱形印は
1つ1つオブジェクトとして取り扱われ得るものであ
る。今図28に示すメソッドaとデータIとの如き集ま
りを考慮して,図29(A)に示す如きカプセル化を考
える。図29(A)においてカプセルの上方に孔があけ
られているのは,メッセージを交信可能であることを示
している。当該図29(A)に示すカプセルの上方の孔
を仮にふさいだとすると,図28に示すメソッドaとデ
ータIとの如き集まりであるデータIVに相当する。当該
データが図29(B)の左端に示されている。図29
(B)の左端のデータDに対してメソッドMを付して複
合されたオブジェクトを得ると,図29(B)の中央に
示されるデータとなり,更にその上にメソッドを付して
複合されたオブジェクトを得ると,図29(B)の右端
に示すものとなる。このように複合化してゆく態様が図
29(C)に対応して示されている。
【0013】複合化が行われる態様は,図29(B)の
形に限られるものではない。例えば図29(C)の最左
端に示すオブジェクトにおいてデータDが,メソッドと
データとよりなるオブジェクトで置換されると,図29
(C)左端から2番目に示すものとなる。この場合に
は,図示のメソッドM1 とデータD1 との間にメッセー
ジ・パッシングが必要となり,図29(C)左端から3
番目に示すものの如くメソッドM1 が1つのオブジェク
トとなる。この結果,オブジェクトCの中にオブジェク
トAとオブジェクトBとが存在し,オブジェクトAとオ
ブジェクトBとの間にメッセージ・パッシングが存在す
るという構造をもつものとなる。
【0014】また更に,図示のオブジェクトBにおける
メソッドMをオブジェクトB1 とし,オブジェクトBに
おけるデータDをオブジェクトB2 とすると,図29
(C)最右端に示す如く,オブジェクトBの中に,オブ
ジェクトB1 とオブジェクトB 2 とが存在し,オブジェ
クトB1 とオブジェクトB2 との間にメッセージ・パッ
シングが存在するという構造となる。
【0015】以上説明した如く,後述する所の,いわば
原子オブジェクトが複合化されて,例えばカプセル・オ
ブジェクトとなり,当該カプセル・オブジェクトが複合
化されて例えばイベント・オブジェクトとなり,当該イ
ベント・オブジェクトが複合化されて例えばシステム・
オブジェクトとなる・・・如く,次々と複合化されてゆ
く。
【0016】なお,上記においてデータDとして示され
るものは,一般に,複数個の処理対象単位であり,メソ
ッドMとして示したものは当該複数個の処理対象単位を
どのように利用してゆくかを指示する情報または情報群
と考えてよい。図29において,オブジェクトとして表
現したものは,個々の「処理対象単位」,あるいは個々
の処理対象単位がまとめられて1つのまとまった処理対
象単位として取り扱われ得る「処理対象単位」である。
【0017】上記図28に示す如く,個々のオブジェク
トI,II,III は夫々より大きいオブジェクトIV,V,
VIの一部を構成する。また当該オブジェクトIV,V,VI
はまたより大きいオブジェクトVII の一部を構成する。
換言するとオブジェクトIV,V,VIは夫々オブジェクト
VII からみると当該オブジェクトVII における“イズ・
ア(is−a)”で表される関係や“パート・オブ(part
−of)”で表わされる関係にある。
【0018】図示のオブジェクトI,II,III を最小単
位と考えるとき,これらオブジェクトI,II,III はい
わば原子オブジェクトである。そしてそれらが集まって
いわばカプセル・オブジェクトと呼ばれるものが形成さ
れ,当該カプセル・オブジェクトなどが集まっていわば
イベント・オブジェクトと呼ばれるものが形成され,更
により大きいシステム・オブジェクトと呼ばれるものが
形成される。
【0019】これらの各オブジェクトを総称して複合オ
ブジェクトと呼んでいる。なお当該複合オブジェクトの
概念の中に,上記原子オブジェクトをも含ませている。
しかし原子オブジェクトは上述の如く最小単位のオブジ
ェクトであり,複合オブジェクトあるいは単にオブジェ
クトと一般に称する場合には上記原子オブジェクトの如
く分解不可能な単体で存在しているものを除外したもの
と考えてよい。
【0020】上述したカプセル化されたオブジェクトは
一般に上記複合オブジェクトがカプセル化されたもので
ある。実世界は,上記図27に例示される如く,個々の
「処理対象単位」あるいは個々の処理対象単位がまとめ
られて1つのまとまった処理対象単位として取り扱われ
得る「処理対象単位」に該当するオブジェクトが互いに
入り組んで関連し合っている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く,一般的
に,実世界をオブジェクトをもってモデル化することが
でき,現実に人間相互の会話においても,実世界の実体
に相当するものはお互いの暗黙の諒解の中におき,当該
実世界の実体を代表する名称を用いて会話が行われる。
このようなことから,従来のオブジェクト指向に関連し
た技術においても,図30(A)に示す如く,作成した
プログラムをクラス化し,そのプログラム実体を「隠蔽
の世界」に対応する記憶装置内に隠蔽しておき,必要に
応じて,当該プログラムの名前をもってプログラム実体
を呼び出して利用することが考慮されている。しかし,
従来の場合では,個々の手続型のプログラムが記憶装置
内に蓄積されているにとどまるものであった。
【0022】また蓄積されたプログラムは1つ1つオブ
ジェクトに対応するものであり,これらの各オブジェク
トを複合して把握することも試みられているが,従来の
場合,集合やタップルや属性に関してのみ複合化が考え
られているのみである。即ち,図30(B)は,「人」
に関する関係を関連づけた図であるが,(i) 上記「集
合」とは,「人」に対して“is−a”の関係にある
「花子」や「太郎」や「次郎」などの集まりを意味し,
(ii)上記「タップル」とは,例えば「太郎」に関して
“part−of”の関係にある「名前」や「年令」や
「趣味」などの集まりを意味し,(iii) 上記「属性」と
は,「人」に関して,「歩き方」や「人種」などを意味
データとして対応づけたものを意味している。
【0023】更に,従来の場合,仮に図30(B)の如
く,「人」について関連づけが行われているとすると,
「人」,「花子」「太郎」・・・・「テニス」などの各
要素を結合するリンクは固定的に定まったものとなって
しまい,夫々の要素間必要に応じてリンクすると言う発
想が欠如している。
【0024】このために,例えば「年令」について事象
発火があると,「太郎」「名前」,「趣味」,「人」な
ど“part−of”や“is−a”の関係をもってリ
ンクされている各要素から所定のルールにしたがって情
報を遺伝させる必要が生じる。このために,場合によっ
ては当面の処理に不必要な情報までいちいち遺伝させる
ことになってしまう。
【0025】本発明は,オブジェクトを情報隠蔽された
領域に内包を表す機能的モデルとして格納し,外延的外
辞に対応づけて静的モデルと動的モデルとをおくように
オブジェクト指向データ処理システムを考慮し,複合オ
ブジェクトを与えるに当たって,各オブジェクト間を結
合するリンクとして,強リンクと弱リンクとをもつよう
にすることを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
図を示す。図中の符号310は内部スキーマであって,
新しい目的を与えられた処理要求に対応してクラスや複
合クラスを生成し,また生成されたクラスや複合クラス
(以下,簡単のためクラスをもって両者を代表させるこ
とがある)に対応づけられたインスタンスを生成する。
【0027】符号410は静的世界,420は動的世
界,431は機能的モデルを表している。実世界をオブ
ジェクト・モデルとみなして把握し,当該実世界を外延
的外辞と内包とに対応づけ,(i) 内包が,情報隠蔽され
た領域において,機能的モデル431として,既存のメ
ソッド313やクラス302を格納する(新しく作成さ
れたメソッドやクラスも格納される)形で,システム内
に取り込まれ,(ii)外延的外辞が,静的世界410と動
的世界420として,システム内に取り込まれている。
【0028】静的世界410は,複数のメソッド313
やクラス302を,新しい処理要求に対応するクラスと
してまとめられ,当該クラスが組み合わされて,当該新
しい処理要求を実行するシステムの仕組みを与える。ま
た動的世界420は,各クラスに対応するインスタンス
を,上記新しい処理要求を実行する処理順に結合され,
セッションがつくられるようにして,当該システムを実
行する動的モデルを与える。
【0029】図中の符号312はクラス・スキーマであ
ってクラスを生成する機能部分,313ないし315は
夫々メソッドであってクラス・スキーマ312によって
上記新しい処理要求に対応するクラスの構成要素として
取り込まれるメソッドである。
【0030】符号316はインスタンス・スキーマであ
って,上記新しい処理要求に対応するクラスの夫々に対
応づけられるインスタンスを生成する機能部分を表して
いる。
【0031】符号303はインスタンス,414は状態
テーブル,415は因果関係制約群,416はクラス変
数/定数を表している。なお状態テーブル414は,上
記新しい処理要求に対応するよう組み上げられたシステ
ムに,構成要素として取り込まれた複数のクラスについ
ての上下関係などを記述したり,使用されるクラス変数
/定数をリンクづけているものと考えてよい。因果関係
制約群415も,状態テーブル414に書き込まれ,図
示の動的世界420におけるセッションを実行する上で
制約となる因果関係を記述している。例えばインスタン
スbを実行するに当たってはインスタンスaが実行済み
でなければならないなどの因果関係が記述されており,
セッションの実行に当たっては当該因果関係がチェック
される。
【0032】図中の符号500は本発明にいう強リンク
であり,501は本発明にいう弱リンクである。強リン
ク500が与えられているリンクについては事象発火に
対応して必ず情報遺伝を行う必要があることを意味し,
弱リンク501が与えられているリンクについては必要
に応じて情報遺伝を行うようにされる。
【0033】
【作用】新しい処理要求に対応するシステムを組み上げ
ることが指示されると,当該システムの構成要素となる
各クラスを生成するようにされる。当該各クラスを生成
するに当たっては,クラス・スキーマ312に対して,
当該クラスを構成するに必要なメソッドやクラスの名前
と当該メソッドやクラスをポイントするポインタとが与
えられる。そして,当該必要なメソッドやクラスが機能
的モデル431から,内部スキーマ310側に取り込ま
れる。当該クラスの生成に対応して,インスタンス・ス
キーマ316が,当該クラスを実行する上で必要とする
インスタンスを生成する。そして,生成された各インス
タンスは自己を使用するクラスと対応づけられる。
【0034】上記生成された各クラスは,静的世界41
0内で,状態テーブル414に連結されて,上記の新し
い処理要求に対応すべく組み上げられたシステムにおけ
る構成要素とされる。図示のクラス302′は当該構成
要素とされたクラスを表している。一方,動的世界42
0においては,当該システムを実行するために,各イン
スタンス303が時系列に結合され,セッションが組み
上げられる。そして,当該セッションを実行することに
よって,当該システムが実行されることとなる。または
当該セッションを組み上げることによって,当該システ
ムが実行可能状態に準備されたことになる。
【0035】上述のようにして,新しい処理要求に対応
したクラスや複合クラスが生成されるが,これらは機能
的モデル431として保持され,以降の更に新しい処理
要求に対応したシステムを組み上げるために利用される
ことになる。当該システムが組み上げられる際に,上述
の強リンク500や弱リンク501を用いて,必要に応
じた,また状況に応じた,またその時々の気分に応じた
システムの組み上げを可能にし,情報遺伝を巧みに行い
得るようにする。
【0036】
【実施例】図2は静的世界と動的世界とを説明する説明
図である。実世界(例えばユーザの要求)は,当該実世
界を表現する具体的な情報を与える内包402と,当該
実世界400をいわば簡単に表現する外延的外辞401
とを対応づけてモデル化することができる。情報の交換
に当って,例えば或る実世界400についての情報交換
を行うに当って,当該実世界400について互にその内
包402が理解されている場合には,当該実世界400
についての外延的外辞401を与えることで足りる。即
ち,いちいち具体的な情報を相手方に通知する必要はな
く,いわばその実世界400の呼称を相手方に通知すれ
ば足りる。
【0037】図2(A)は静的世界と動的世界とを説明
する説明図である。図2(A)において内包402は,
上記した理由から,図2(A)に示す如く,一般に情報
が隠蔽されるものであり,「情報隠蔽の世界」430に
対応している。一方,実世界は,当該実世界400につ
いての仕組みやその仕組みの中での因果関係などを与え
る「静的世界」410と,当該実世界の時間的な動きを
表現したりまた複数のセッションについての並列処理を
許すか否かを指示したりする「動的世界」420とをも
ってモデル化することができる。そして,当該「静的世
界」や「動的世界」と,上述の「情報隠蔽の世界」と
が,図2(A)に示す如く,外延的外辞401によって
対応づけられている。
【0038】更に言えば,内包402は情報隠蔽の世界
であり,外延的外辞によって特定される内容について,
当該内容を規定するデータを含んでいる。この外延的外
辞即ち或る意味を含んだ外延的外辞を使って実世界をシ
ミュレートする。それが,「静的世界」に対応する静的
モデルであり,「動的世界」に対応する動的モデルであ
る。
【0039】図2(B)は静的モデルと動的モデルと機
能的モデルとの関係を説明する説明図である。図2
(B)に示す静的モデル411は図2(A)に示す静的
世界410に対応するモデルであり,同じく動的モデル
421は動的世界420に対応するモデルである。また
図2(A)に示す情報隠蔽の世界430を機能的モデル
431に対応づけている。
【0040】システムについての仕組みを特定化してゆ
き,また上述した“is−a”や“part−of”などの関係
(テンプレート)を設計することによって,静的モデル
が形成される。そして機能設計が得られ,それに対応す
る形で図1に示すクラス302(あるいは複数のクラス
が更に複合化されて得られるクラス−複合化クラス)が
設計される。
【0041】動的モデルは,上述のクラス302内にイ
ンスタンス・データを割り付けることによって,特定の
処理対象単位(インスタンス)が形成され,当該各処理
対象単位間での時間的な順序関係を設計することによっ
て形成される。そして,静的モデルと動的モデルとの間
に,因果関係による制約が与えられることとなる。
【0042】既存のメソッド313や,クラス302
や,新しく生成されたクラスは機能的モデル431とし
て保持され,以降の更に新しい処理要求に対応したシス
テムを組み上げるために利用されるが,これらメソッド
やクラスがシステムとしてダイナミックに,組み上げら
れて利用されてゆくが,当該ダイナミック・オブジェク
ト処理について説明する。
【0043】図3はダイナミック・オブジェクト処理部
における動作の一部を説明する図である。上述のメソッ
ドやクラスは後述する図5に示す如くオブジェクト部品
206として,部品属性ファイル205に保持される。
図3に示すダイナミック・オブジェクト処理部は,当該
オブジェクト部品を用いて処理を行う。言うまでもな
く,本発明の場合には,上述の如く,各オブジェクト部
品206あるいは更に複合された形でのオブジェクト部
品206を適宜組み合わせることが可能となる。
【0044】図3に示す符号212はダイナミック・オ
ブジェクト処理部であって,シミュレーションなどを行
う仮動作モード216と,テストなどを行うインスタン
ト動作モード217と,データ処理を行ないあるいは他
端末との交信処理を行う本番動作モード218とをもっ
ている。
【0045】符号205は部品属性ファイルであり,符
号205’は当該部品属性ファイル205の内容の全部
または一部についてコンパイル処理を行うなどして実動
動作を高速度で実行し得るようにまとめた実行処理デー
タ214を保持しているものである。なお実行処理デー
タ214は,処理実行のためのオブジェクト・プログラ
ムの場合で言えば,一般に,数10から数100ステッ
プよりなる処理単位がいわば処理順にシリヤルに結合づ
けられているものである。
【0046】符号213は,上述のオブジェクト206
に対応するものであって,一般には,上述の原子オブジ
ェクトの形のままのものや,上述のカプセル・オブジェ
クトの状態のもの,上述のイベント・オブジェクトの状
態のもの,上述のシステム・オブジェクトの状態のもの
の夫々に相当するものである。当該オブジェクト213
は,オブジェクト部品206の形でオブジェクト・コマ
ンドによって特定されるように格納されている。
【0047】符号215はダイレクト・オブジェクト処
理展開処理を表わしており,上記個々のオブジェクト2
13を展開し,あるいは複数のオブジェクトをまとめて
展開して,実行処理データ214を得る処理を行う。
【0048】図26を参照して上述した如く一般に複合
オブジェクトの形で処理対象単位にまとめられて,1つ
のある目的をもった処理を実行するための振る舞いを発
揮する単位となる。そしてそれらは,オブジェクト・コ
マンド201をもって特定されるオブジェクト部品20
6の形で,部品属性ファイル205に格納されている。
【0049】新しい処理要求に対応したシステムに(新
しい処理機能に相当する)を生成するような場合,当該
新しい処理要求に対応する処理を実行し得るようにする
ために,新しくオブジェクトが生成されあるいは既存の
オブジェクトが合目的的に結合されて,当該新しい処理
機能を発揮するオブジェクトが上記オブジェクト部品2
06の1つとして用意される。
【0050】当該生成されたオブジェクトについては,
現実に正しく機能するか否かについてシミュレーション
を行ったり,あるいはシミュレーションの終了したもの
については仮動作を行わせてみるなどの処理を行う。こ
の処理が図3図示の仮動作モード216であり,ダイナ
ミック・オブジェクト処理部212は,部品属性ファイ
ル205の内容を利用して,該当する処理動作をシミュ
レーションしてみるようにする。
【0051】仮動作モード216によって一応正常に動
作したオブジェクト213あるいはオブジェクト群につ
いては,このままでは実動動作に当たってオブジェクト
管理部(図4参照)との間で多くの交信を必要として処
理速度が遅いことから,実行処理データ(EXEデー
タ)214に展開される(コンパイルされて1つのEX
Eデータとされる)。当該展開処理が図示のダイレクト
・オブジェクト処理展開処理215において行われ,部
品属性ファイル205’に格納される。
【0052】ダイナミック・オブジェクト処理部212
においては,部品属性ファイル205の内容を利用し
て,所定の処理について一時的に代行処理を行ってみた
り,あるいはテスト処理を行ってみたりする必要が生じ
た場合,上記ダイレクト・オブジェクト処理展開処理2
15を発動して実行処理データ214を生成して,当該
処理を行うことがある。このような処理モードが,図3
においてインスタント動作モード217として示されて
いる。
【0053】また図3図示の本番動作モード218は,
図示の実行処理データ214を用いて,本番の処理動作
を行うモードである。なお部品属性ファイル205内で
のメタ・データには,当該オブジェクトの性質などに関
する意味データが記述されていると共に,自分のオブジ
ェクトからみての上位のオブジェクト(“is−a”で示
されるオブジェクト)についての結合関係や自分のオブ
ジェクトに含まれるより下位のオブジェクト(“part−
of”で示されるオブジェクト)群についての結合関係
(上述の強リンク500や弱リンク501を含む)を指
示する記述が存在していると考えてよい。
【0054】図4は端局の構成を示している。符号10
1は端局であって実行処理データ214を用いて処理実
行を行いあるいは回線を介して他の端局と交信を行うも
のを表わしている。また符号103はLANまたは交換
回線などの回線を表わしている。
【0055】端局101内には,更に符号219で示す
通信/受信処理部,符号220で示すオブジェクト管理
部,符号221で示すディスプレイ,符号222で示す
ハイパー言語処理部などが存在している。
【0056】図示のディレクトリ処理部204はコマン
ド・リンク処理部であって,デイレクトリ処理部とも呼
ばれる。1つの新しいオブジェクトが出来たとき,当該
オブジェクトの呼称名に対応するコマンド(オブジェク
ト・コマンド)を設定し,実データ203やメタ・デー
タ202の格納場所を割り付け,コマンド・リンク・テ
ーブルを作成する。このときオブジェクトの型を決定
し,大きさが決まる。そして当該コマンド・リンク・テ
ーブルを用いて,メタ・データ202と実データ203
との結合体を入出力できるようにする。
【0057】図4に示す(仮動作サポート)は,図3に
示した仮動作モード216を行うまでの動作に対応する
サポート機能である。図示のハイパー言語処理部222
には「部品表示・選択」機能があり,使用可能なオブジ
ェクト部品をディスプレイ221から検索して出力す
る。もしも適当なものがなければ新しいオブジェクト部
品として「部品指定」機能を用いて部品指定を行なう。
「属性設定」機能によってクラス・オブジェクト部品を
生み出し,「スキーマ」設定機能などによってインスタ
ンス・オブジェクト部品を生み出すことができる。
【0058】ディスプレイ221を用いての「部品表
示」機能には,オブジェクト部品のメタデータである所
の(i)名称やコメントを出力する目次表示,(ii)オ
ブジェクト部品の内容を示すスキーマや属性の表示,
(iii )クラス属性やインスタンス定数の表示などがあ
る。
【0059】またハイパー言語処理部222による「部
品組み合わせ」機能には,即ちオブジェクト部品を組み
合わせてより大きい複合されたオブジェクト部品を得る
には,クラスの作成に関して属性の追加・変更・削除機
能が用意され,インスタンス定数の作成に関してスキー
マの追加・変更・削除機能が用意されている。
【0060】ハイパー言語処理部222による「ユーザ
画面作成」機能では,画面作成および表示に当たって,
「画面作成および表示」クラスのバッファに画面のデー
タを入れてインスタンスをつくるようにする。このた
め,当該「ユーザ画面作成」機能は画面クラスをインス
タンス化することに相当する。
【0061】またハイパー言語処理部222における
「仮動作」機能では,メッセージをインスタンスが受け
るとクラスで示すメソッドとリンクさせて一次メモリ上
に一時的にカプセル(図29参照)を実現し当該カプセ
ルのもつ振る舞いを実行するようにする。
【0062】更にハイパー言語処理部222における
「部品変更」の機能は,図1に示す内部スキーマ310
の機能に対応するものであり,属性やスキーマの変更・
追加・削除によって,オブジェクト部品を変更する機能
である。また「部品登録」機能は,部品属性ファイル2
05上に,オブジェクト・コマンド(当該オブジェクト
部品の呼称である)と対応づけて,当該オブジェクト部
品を登録する機能である。
【0063】図4に示す(展開(コンパイル)」は,図
3に示すダイレクト・オブジェクト処理展開処理215
を表わしている。当該展開の処理では,データ処理装置
の一次メモリの大きさに合わせて,なるべく大きい実行
処理データ214に展開する。
【0064】オブジェクト管理部220は,図4に示し
たハイパー言語処理部222を制御して上述の如くオブ
ジェクト部品206を部品属性ファイル205上に保持
させ,ダイナミック・オブジェクト処理部212を制御
して仮動作モード216やインスタント動作モード21
7や本番動作モード218の各動作を行わせる。また,
回線103を介してのメッセージ受信に対応して,仮動
作モードでのインスタンス起動を行ない,一次メモリ上
で仮にカプセル化を行ってデータ処理装置を動かし,当
該処理の結果をメッセージ送信するようにする。勿論,
既に実行処理データ214に展開済みのものがあれば,
それを実行して,相手端局にメッセージ送信する。
【0065】自己端局101内での処理に当たって,所
望されるオブジェクト部品が自己端局101内に存在し
なかったり,属性がなかったり,スキーマがなかったり
すると,回線103を介して他端局から転送を受けて,
自己端局101内に取り込む所のラーニングを行う。
【0066】図5はオブジェクトを取扱う処理態様を示
す。図5に示した部品属性ファイル205におけるオブ
ジェクト部品206は,従来のユーザ・データ・データ
ベース中のユーザ・データと,従来のメタ・データ・デ
ータベース中のメタ・データとを,1つにまとめること
ができるようにされて1つにまとめられたものであると
考えることもできる。勿論,従来の構成の場合には,ユ
ーザ・データ・データベースを管理するデータベース・
マネージメント・システムとメタ・データ・データベー
スを管理するデータ・ディクショナリ・アンド・ディレ
クトリ・システムとが互いに独立に動作していたもので
あった。またユーザ・データ・データベースの内容とメ
タ・データ・データベースの内容とは個別にアクセスさ
れ利用されるものであった。図5に示す場合には,図5
に示す実データ203とメタ・データ202とは結合さ
れ,オブジェクト・コマンドによって特定することによ
って,1つのオブジェクト部品206として取り扱い得
るようにされている。
【0067】上記ユーザ・データ・データ・ベース上の
個々のユーザ・データ(エンティティ・データ)と,上
記メタ・データ・データ・ベース上の個々のメタ・デー
タとを結合して,オブジェクト部品として取り扱うよう
にする思想が提起されつつある。
【0068】そして当該オブジェクト部品として取り扱
う対象には,いわば原子オブジェクトと呼ばれる最小規
模のオブジェクトから,逐次複合化されている所のカプ
セル・オブジェクト,イベント・オブジェクト,システ
ム・オブジェクトなどが存在している。このために,当
該取り扱われる対象がきわめて複雑化し複合化し,ある
1つのオブジェクトが与えられた場合に,当該オブジェ
クトがどのような性質をそなえているものかについて,
いわば直接の生成担当者しか判断がつかない状況になる
ことになりかねない。
【0069】このような状況から,上記オブジェクト部
品を構成するメタ・データとエンティティ・データとに
関して,当該メタ・データにはエンティティ・データの
説明文,即ち名称やコメントや,第3者にとって意味の
判る意味データモデル,概略フロー,詳細フロー,ソー
スプログラムなどが記述されることになる。
【0070】したがって,上記オブジェクト部品は,一
般に十分に大きい情報量をもつものとなり,当該オブジ
ェクト部品を,当該オブジェクト部品の内容を簡潔に説
明する呼称を与えることが望まれる。
【0071】本発明においては,複合化され得るオブジ
ェクトに関するオブジェクト部品の内容を説明できる呼
称を与え,当該呼称によって当該オブジェクト部品をア
クセスできるようにしている。
【0072】図6はオブジェクト管理を行う構成図を示
す。図中の符号101は端局であってデータ処理装置を
構成しているもの,103はLAN又は交換回線であっ
て他の端局と交信を行うためのものを表している。
【0073】また符号202はメタ・データ,203は
実データ(エンティティ・データ),205は部品属性
ファイル,206はオブジェクト部品,219は通信/
受信部,220はオブジェクト管理部を表している。ま
た符号214は実行処理データであってオブジェクト部
品の1つまたはそれらを組み合わせたものをコンパイル
して本番実行処理に適したように展開したもの,符号2
05’は部品属性ファイル205と同じものであって上
記の実行処理データ214を含んでいるものを表してい
る。
【0074】また図示の符号201は本発明において与
えられたオブジェクト・コマンドであって,上述のオブ
ジェクト部品206を特定する呼称として与えられるも
のである。
【0075】当該オブジェクト・コマンド201は,シ
グニチャー(サロゲイト)とオブジェクトiDとに大別
されるが,シグニチャーは次の如きパートからなってい
る。即ち, (i) ヘッダ:後述する説明文域や“is−a”階層や
“part−of”階層やシーケンスなどが,幾バイト
目から幾バイト分存在するかを指定する。 (ii)説明文域:オブジェクトの説明文を要約したもので
あってオブジェクトについての本来の意味でのメタ・デ
ータが圧縮して記述される。例えば「誰が作ったか」
「幾バージョン目か」などの説明文に対応する部分を圧
縮して示したものである。 (iii) “is−a”階層:例えば「犬は動物である」と
いう場合の下位「犬」についての上位「動物」との関係
を階層化して,犬の相対位置を表現するが,当該“is
−a”階層には,当該上位「動物」に対して下位「犬」
などが存在している状況を指示する。 (iv)“part−of”階層:例えば「本州」や「九
州」や「四国」は「日本本土」の一部を構成しているも
のであるが,このように例えば「九州」が「日本本土」
の一部を構成しているという構成関係にあることを,当
該“part−of”階層によって位置づけて表現する
ようにする。 (v) シーケンス:複雑に組み合わさったオブジェクト
(複合オブジェクト)には,多くのより細かいオブジェ
クトから成立っている。このような,より細かいオブジ
ェクトの群についての実行順序(分岐を含む)を指示す
る部分を圧縮して表現する。 (vi)オブジェクトiD:従来からのユーザ・データ・デ
ータ・ベースに格納されているデータに対して付与され
ているiDと同じものが与えられる。
【0076】オブジェクト管理部220は,部品属性フ
ァイル205内に,新しくオブジェクト部品206を生
成したり,存在しているオブジェクト部品を修正したり
また削除したり,複数のオブジェクト部品を統合して単
一のオブジェクトにまとめたり,単一のオブジェクト部
品を複数のオブジェクト部品に分割したりする機能をも
つと共に次の如き機能をもつ。
【0077】即ち,複数のオブジェクトと交信を行っ
て,個々のオブジェクトの処理順を順序づけて所望する
処理要求に合致した処理を行う機能をもつ。このような
各種処理を行うに当たって,オブジェクト管理部220
は,上記オブジェクト・コマンド201をもって,個々
のオブジェクト部品を特定する。
【0078】なお上述のように順序づけられたオブジェ
クト部品の群について,あるいは個々のオブジェクト部
品について,必要に応じて,コンパイルを行って実行処
理データ214を生成し,当該端局101内でのデータ
処理や,LAN又は交換回線103を経由しての他端局
との交信処理時に当該実行処理データ214を用いるよ
うにする(コンパイルされていることからファイル・ア
クセスなどが少なく処理が高速化される)。
【0079】図7は複数のクラス間での関係を説明する
説明図である。図7(A)は或るクラスXと他のクラス
Yとが“is−a”の関係にある場合を表している。例
えばクラスXが「車」に関するプログラムであるとし,
クラスYが「乗用車」に関するプログラムであるとする
如き関係にある場合を表している。
【0080】図7(A)の場合,クラスXに関してメソ
ッドa,b,cが取り込まれており,クラスYに関して
メソッドd,eが取り込まれているものとして示されて
いる。このような場合に,クラスYを実行することが指
示されたとすると,クラスYの実行に当たっては,クラ
スXからメソッドa,b,cがインヘリットされ(遺伝
され)て,メソッドa,b,c,d,eにもとづいた処
理を実行するようにされる。
【0081】図7(B)は或るクラスXと他のクラスα
やβとが“part−of”の関係にある場合を表して
いる。例えばクラスXが「車」に関するプログラムであ
るとし,クラスαやβが「車体」や「エンジン」や「車
輪」・・・などの1つであるプログラムであるとする如
き関係にある場合を表している。
【0082】図7(B)の場合,クラスXに関してメソ
ッドa,b,cが取り込まれており,クラスαに関して
メソッドp,qが取り込まれており,クラスβに関して
メソッドr,sが取り込まれているものとして示されて
いる。このような場合に,クラスXを実行することが指
示されたとすると,当該クラスXの実行に当たっては,
メソッドa,b,c,p,q,r,sにもとづいた処理
を実行するようにされる。
【0083】本発明は,上述した如く,新しい要求に対
応したシステムを,クラスとインスタンスとの形で把握
して,当該処理対象を適宜に自由に設計できるように
し,後日,他の処理に容易に利用できるようにしてい
る。このとき,図1に関連して述べた因果関係による制
約などに正しく対処する必要がある。
【0084】図8は処理実行のための説明図を示す。上
述している如く,図中の符号401は外延的外辞を表し
図2に示した外延的外辞に対応するものである。また符
号403は手続の世界であって,図2に示した内包に対
応するものである。更に符号404はオブジェクトの世
界であって,実世界をモデル化して表す世界である。
【0085】実世界(例えば新しい目的に対応したシス
テム)をモデル化するに当たって,本発明においては,
当該モデル化に必要なクラスおよび/またはメソッドに
ついての相互間の関係を指示する静的世界410と,当
該モデル化に当たって得られたインスタンスの処理の時
間順序関係を指示する動的世界420とを用いるように
する。
【0086】なお,上記静的世界410において指示さ
れる上記クラスおよび/またはメソッドを,更にはクラ
スを複合化した複合クラスを,簡単のために以下,クラ
ス302’をもって代表する。
【0087】符号302は手続の世界403に存在する
クラス,303はインスタンス,313,314,・・
・は夫々メソッドを表す。上記メソッド313,・・・
は,個々の処理を実行する既存の処理単位であり,当該
メソッドの群の中から更に複雑な処理を実行するために
複数のメソッドを取り込んでまとめたものがクラス30
2である。更に必要に応じては,クラス群やメソッド群
の中から,より複雑な処理を実行するために,クラスや
メソッドを取り込んで,複合クラスを成形させておくこ
ともある。これらは夫々オブジェクト単位の1つ1つに
相当している。
【0088】これらのメソッドやクラスは,今,既存の
ものとして存在しているものとする。例えばユーザから
或る種の処理に関して,当該処理対象を処理すべき要請
があったとする。このとき,本発明においては,当該処
理対象を処理するに必要なクラスやメソッドを,当該処
理対象の処理のために取り込んで,各クラスやメソッド
相互の間の関係づけを行う。これらの関係づけを行った
情報を記述しているのが,静的世界410の場である。
この場合に,上述の強リンク500や弱リンク501を
利用して当面必要とする範囲や必要とするであろう範囲
でシステムを組み上げてゆくようにされる。
【0089】図示の場合には,当該処理対象の処理のた
めに,クラス302’として,A,B,C,D,E,
F,G,K,Lが取り込まれ,(i) クラスEに対してク
ラスG,クラスAとが“is−a”の関係にあり,(ii)
クラスAに対してクラスDが“is−a”の関係にあ
り,(iii) クラスFに対してクラスBが“is−a”の
関係にあり,(iv)クラスBに対してクラスDとクラスK
とが“part−of”の関係にあり,(v) クラスCに
対してクラスKとクラスLとが“part−of”の関
係にある,ものとして示されている。なお実際には,静
的世界に記述されるクラス302’は,手続の世界40
3に存在するクラス302やメソッド313・・・をポ
イントするに足るIDを用いて与えられている。
【0090】クラス302’は,手続の世界403に存
在するクラスやメソッドと対応づけられているが,簡単
に言えば,個々の処理を実行するためのいわば数学にお
ける公式の如きプログラムであって,当該プログラム
は,当該プログラム内で値が一般的な変数をもって与え
られているものと考えてよい。当該クラスにおける一般
的な変数に対してインスタンス・データをセットし,個
々のインスタンス・データを組み込んだ特定のプログラ
ムとしたものがインスタンス303である。
【0091】動的世界420においては,静的世界41
0において取り込まれたクラス302’に対応したイン
スタンスa,b,c・・・の時間的な処理順序が指示さ
れて,上記ユーザが要請した処理が実行される。
【0092】例えばユーザから或る処理対象を処理する
ことが要請されたとすると,静的世界410上におい
て,当該処理に必要とされるクラス302’として,ク
ラスA,B,C,D,E,F,K,Lが指定される。そ
して,これら各クラス相互間で,“is−a”や“pa
rt−of”などの関係が明らかにされる。実際には,
状態テーブルが用意され,それらの関係が記述され,か
つクラス302’間で因果関係上の制約が存在すれば,
その旨も記述される。
【0093】ユーザからの上記処理対象を処理する処理
に当たっては,上記取り込まれたクラス302’をその
まま用いるのではなく,当該各クラス302’内の上記
一般的な変数に対して,個々のインスタンス・データを
設定したインスタンス303を用いる。そして,各イン
スタンスが処理されてゆく時間的順序関係にしたがった
処理が行われることとなる。
【0094】図示の場合,クラスAに対応するインスタ
ンスa,クラスBに対応するインスタンスb,クラスC
に対応するインスタンスc,クラスDに対応するインス
タンスd,クラスFに対応するインスタンスfが生成さ
れ,(i) インスタンスa,b,cと進むセッションと,
(ii)インスタンスf,c,dおよびaと進むセッション
とが与えられたものとして示されている。
【0095】言うまでもなくインスタンスaを生成する
に当たっては,いわば公式に相当するクラスAを用いて
当該インスタンスaが生成されるが,この場合,クラス
AはクラスEに対して,“is−a”の関係にあること
から,インスタンスaの生成に当たっては,クラスAは
クラスEに示される内容を遺伝されているものとみて,
クラスEとクラスAとの両者を用いて,生成が行われ
る。
【0096】また,インスタンスbの生成に当たって
は,クラスBに対して,クラスDとクラスKとが“pa
rt−of”の関係にあることから,インスタンスbは
クラスB,クラスD,クラスKを用いて生成される。
【0097】更に,各セッションの実行に当たっては,
例えばインスタンスaを実行する開始時点において,静
的世界410に存在する図1に示す状態テーブル414
を調べると共にその旨を書き込んで実行が行われ,イン
スタンスaの処理が終了した時点で,その旨が上述の状
態テーブルに書き込まれる。このようにして,静的世界
410に記述されて存在する上記因果関係に対応する制
約を侵すことのないようにされる。勿論,個々のインス
タンスa,b,c・・・が生成された状態の下でセッシ
ョンが組まれたことに起因する因果関係上の制約も,新
たに発生し得るが,この制約は当該セッションに対応づ
けて与えられる。しかし,上述の如く静的世界において
クラス302’が取り込まれて関係づけられた際に生成
する因果関係は,静的世界410において記述されてお
り,動的世界でのセッションの処理において引き継がれ
るようにされる。
【0098】図9はセッションの実行に当たって因果関
係が取り入れられる態様を説明する図である。図中の4
14は図1に示すものと同じ状態テーブルを表してい
る。図示の場合,状態テーブル414内の情報として或
る処理のためにクラスPないしYが取り込まれているこ
とが示され,かつクラスPの下にクラスQ,R,S,
T,Uが存在し,クラスSの下にクラスX,Yが存在
し,クラスUの下にクラスV,Wが存在するものとして
示されている。そして,インスタンスr,u,t,w,
s,xが生成されて,セッションが組まれている。
【0099】動的モデル421の下で,セッションIや
セッションIIが実行されてゆく。しかし,個々のインス
タンス例えばuが自己の処理を実行される間には,他イ
ンスタンスとの間の因果関係を考慮する必要はない。当
該因果関係は,例えばインスタンスuが自己の処理を開
始する時点で,状態テーブル414の内容を調べ,因果
関係上の制約に反しているか否かをチェックした上で実
行し,インスタンスuの処理が終了した時点で状態テー
ブル414内に報告しておくことで足りる。
【0100】セッションIにおいてインスタンスuを実
行した結果,セッションIIにおけるインスタンスuの実
行に代えて他のインスタンスvを実行させる必要が生じ
る場合などにおいては,セッションIのインスタンスu
の実行終了報告にもとづいて,セッションIIのインスタ
ンスuに割り込んでインスタンスvに分岐させればよ
い。または,セッションIIのインスタンスuの開始時に
その旨が動的モデル421側に通知されればよい。
【0101】上記において,クラスが夫々“is−a”
の関係や“part−of”の関係によってリンクされ
ているものとして説明した。しかし,各クラス間の関係
は,当該“is−a”や“part−of”の関係によ
ってリンクされるもののみとは限られない。
【0102】図10ないし図15は,静的モデルにおけ
るクラス間の関係を示す例を表している。図10は“i
s−a”の関係と“part−of”の関係とでリンク
されている場合を示している。
【0103】図11はハイアラキカル・リンクで結合さ
れる場合を示し,いわゆるツリー型リンクであって,下
位クラスからは上位クラスが一義的に定まる。図12は
ハイパー・リンクで結合される場合を示し,いわゆる入
れ子の関係でつながってゆく。
【0104】図13は,演算リンクであって,1つのク
ラスと他のクラスとの間での演算結果が新しいクラスと
して生成されるものとなっている。図14は,リレーシ
ョナル・リンクであって,複数のスキーマに対応してタ
ップルが用意され,いわばクラスがスキーマに対応し,
インスタンスがタップルで与えられる。
【0105】図15は,ネットワーク・リンクであっ
て,CODASYL型で代表されるリンクである。図1
6ないし図17は,動的モデルにおけるインスタンス間
の関係を示す例を表している。
【0106】図16は,シーケンス・リンクであって,
1つの流れに沿ってイベントが展開されてゆく。図17
は,分岐・合流・コピー・リンクの例を示すもので,図
示の如く,合流したり,分岐したり,コピーされたりし
てイベントが展開されてゆく。そして,図17に示す如
く,上記「合流」や「分岐」や「コピー」や「シーケン
ス」を組み合わせて,いわゆるシナリオが形成されるも
のとなる。
【0107】上記の如く静的モデルにのみ用いられるリ
ンクや動的モデルにのみ用いられるリンクを示したが,
静的モデルと動的モデルとの両方に関連するリンクとし
て,次の如きものが存在し得る。 (i) オブジェクト・リンク・・・静的モデルにおけるク
ラスに対応して当該クラスの属性として当該クラスに関
連するメソッド(プログラム)がリンクされ,かつ動的
モデルにおけるインスタンスに対応して当該インスタン
スにおいて必要とするデータがリンクされる。 (ii)気分リンク・状況リンク・・・動的モデルにおける
システムの状態によって,静的モデルにおけるどのクラ
スの範囲までに情報遺伝の範囲を絞るかを定めるリンク
であって,本発明にいう弱リンクの1つの種類である。 (iii) ひらめきリンク・・・動的モデルにおいて使用す
るコマンドに関係しているコマンドを,静的モデル内で
連想によって関係づけるリンクであって,本発明にいう
弱リンクの1つの種類である。 (iv)さとりリンク・・・動的モデルにおいて使用するコ
マンドから静的モデル内で複数のクラスを所望される処
理に見合うようにリンクづけてゆくことを期待するリン
クであって,本発明にいう弱リンクの1つの種類であ
る。 (v) 新推論リンク・・・静的モデル内で推論を行わせな
がら所望される処理に見合うようにリンクづけてゆくこ
とを期待するリンクであって,本発明にいう弱リンクの
1つの種類である。
【0108】オブジェクト指向のデータベースにおいて
は,図18に示す如く,機能的モデルとして存在してい
るオブジェクトA,α,β,γ,P,Q,Rなどが,静
的モデルの場において,例えばオブジェクトAに対して
“part−of”の関係にあるオブジェクトα,β,
γを取り込んでオブジェクトA,α,β,γを用いる1
つの複合オブジェクトを生成し,またオブジェクトP,
Q,Rに関連して動的モデルの場において,インスタン
スp,q,rがシーケンス・リンクで結合されてセッシ
ョンが生成される。
【0109】このようにオブジェクトを複合化して,図
19に示す如く,複合クラスA’や複合インスタンスM
を生成したとすると,複合クラスA’に対応して情報隠
蔽の世界に(αβγ)よりなる機能的モデルが生成され
て格納され,また複合インスタンスMに対応して情報隠
蔽の世界に(PQR)よりなる機能的モデルが生成され
て格納されることとなる。
【0110】オブジェクトAに対してオブジェクトα,
β,γが“part−of”の関係にある場合には,元
々の組クラスとなっていたオブジェクトAと複合化され
たオブジェクトA’とは見掛け上は異なってみえるが,
その働き自体は同じものであり,オブジェクトAとオブ
ジェクトA’とはエノバージョン管理によって管理され
るべきである。
【0111】図20は静的モデルにおいて複数のオブジ
ェクトが関係しあっている状態の一例を示している。図
示の場合,(i) クラス(オブジェクトの1つである)X
に対してクラスαとクラスβとクラスγとが“part
−of”の関係でリンクされ,(ii)クラスXとクラスP
とが“is−a”の関係でリンクされ,(iii) クラスP
に対してクラスAとクラスBとクラスCとが“part
−of”の関係でリンクされ,(iv)クラスAに対してク
ラスγとクラスδとが“is−a”の関係でリンクされ
ている。
【0112】図20の如きリンクが静的モデルの場で張
られている場合に,仮にクラスαにおいて事象発火が生
じて操作を必要とすることになった場合には,クラスα
からクラスXに,クラスXから“part−of”の関
係にあるクラスα,β,γに,クラスXから“is−
a”の関係にあるクラスPに,クラスPから“part
−of”の関係にあるクラスA,B,Cに,クラスγか
らクラスAに操作が伝搬されることになり,関連した各
クラスの間で情報遺伝が行われる。
【0113】即ち(i) クラスAの属性がクラスγに遺伝
され,(ii)クラスA,B,Cの各属性がクラスPに遺伝
され,(iii) クラスPの属性がクラスXに遺伝され,(i
v)クラスα,β,γの属性がクラスXに遺伝され,(v)
クラスXの属性がクラスαに遺伝されることとなる。
【0114】通常では図20の如きリンクが存在してい
る場合に,上述の如く情報遺伝が行われることとなる
が,クラスXの下にあるクラスαとクラスβとクラスγ
とをまとめて,1つの複合オブジェクト(複合クラスも
その1つ)を形成する場合には次の如くなる。
【0115】即ち,図21に示す如く,クラスXの下に
“part−of”の関係にあるクラスαとクラスβと
クラスγとは,複合オブジェクトX’をもって呼ばれる
ものとなり,当該複合オブジェクトの内包は,1つのか
たまりをもって,情報隠蔽の世界に隠蔽されるものとな
る。
【0116】このような複合オブジェクトX’が形成さ
れている状態の下で,図20に関連して述べた如き情報
遺伝を行う必要が生じた際にも,クラスγ自体が操作さ
れる場合にはクラスAの属性がクラスγに情報遺伝され
る必要がある。しかし,複合オブジェクトX’が操作さ
れる場合に,クラスAの属性をクラスX’の側に情報遺
伝させるか否かは,期待する処理の状況や状態によって
選択できるものであることが望まれる。そして,このよ
うな選択が可能になることが現実的でもある。
【0117】本発明の場合には,図21に示すクラスγ
とクラスAとの間のリンクに関して,強リンクと弱リン
クとの2つの種類を考慮するようにする。勿論,当該強
リンクと弱リンクとは,図示のクラスγとクラスAとの
間にのみ考慮されるものではない。任意のクラス相互間
のリンクにおいて考慮することが可能であることは言う
までもない。
【0118】強リンクとは,クラスγが操作される際に
上位クラスのクラスAの属性が必ず遺伝させられるよう
なリンクである。弱リンクとは,クラスγが操作される
際にも,クラスAの属性を遺伝させるか否かを選択でき
るようなリンクである。
【0119】強リンクが張られている場合には,情報隠
蔽の世界である手続の世界においては,クラスAの属性
をクラスγに遺伝させた手続X’(α,β,A→γ)が
存在せしめられるものとなる。また弱リンクが張られて
いる場合には,同じように手続の世界においては,クラ
スAの属性をクラスγに遺伝させていない手続X’
(α,β,γ)が存在することとなる。
【0120】図22は操作の伝搬を説明する図である。
今,静的モデルの場において,クラスA,B,C,D,
α,β,γ,X,E,Fが存在して図示の如きリンクが
存在するものとする。この場合に,クラスBに操作が与
えられた際に,図7に関連して述べた如く,(a)“i
s−a”の関係の下では下位クラスの操作に当たって上
位クラスの属性が遺伝されるものであり,(b)“pa
rt−of”の関係の下では上位クラスの操作に当たっ
て下位クラスの属性が遺伝されるものである,このこと
から,図22に示す太線矢印の如く操作の伝搬が行われ
る。即ち情報遺伝が行われる。
【0121】ただ図22に示すクラスγとクラスXとの
間や,クラスXとクラスFとの間のリンクが弱リンク
(図中において×印がつけられている)が張られてい
て,当該弱リンクによって上記クラス間での結合を断つ
ようにされているとすると,クラスXの属性がクラスγ
に遺伝される必要がなくなり,図22において点線の枠
で示す「操作の伝搬」の範囲でのみ情報遺伝が行われる
こととなる。
【0122】上記弱リンクを用いて結合することは情報
遺伝を行う範囲を適宜に限定できるメリットをもつが,
このような弱リンクを導入することはきわめて現実的で
ある。
【0123】図23は固定の弱リンクが利用される一例
を示す。今,オブジェクト「人」が存在していて,オブ
ジェクト「会社」やオブジェクト「市役所」やオブジェ
クト「生物学会」とリンクしているものを考える。
【0124】図23に示す如きリンク関係がある場合
に,クラス「人」に関して当該人が勤務している会社に
関連する処理を行う場合を考えると,クラス「人」とク
ラス「会社」とを結合すれば足りる。このような処理を
行う際に利用される情報は,「従業員ナンバ」や「サラ
リー」や「入社年月日」や「職能級」や「役職」などで
あり,一般にはクラス「市役所」に属する情報「納税
者」や「住宅所有者」や「投票者」などの情報を必要と
しない。またクラス「生物学会」に属する情報「足が2
本で手が2本」や「足で歩く」などの情報を必要としな
い。
【0125】このために,クラス「人」とクラス「会
社」との間,クラス「人」とクラス「市役所」の間,ク
ラス「人」とクラス「生物学会」との間の各結合を弱リ
ンクとしておいて,適宜に強リンクに変更し得るように
しておくことが現実的である。図23に示す如く,例え
ばクラス「人」に対して弱リンクにて結合されるクラス
が予め定められているような場合を「固定の弱リンク」
と呼ぶ。これは弱リンクを張っておく箇所が固定的に予
め与えられるからである。
【0126】図23に対して,図24は可変の弱リンク
が利用される一例を示す。例えば「テレビ」に関係した
リンクが図24の一点鎖線の左側に示す如く存在してい
るとする。当該リンクは,テレビに関係したすべてにつ
いてリンクが張られているものとする。
【0127】このようなリンクが張られている場合にお
いて処理を行うような場合でも,今,(i) テレビをみて
いることに関して処理を行おうとしている場合,(ii)テ
レビを買いに行っていることに関して処理を行おうとし
ている場合,(iii) テレビの設計を行うことに関して処
理を行おうとしている場合,(iv)テレビに関して学会発
表を行うことに関して処理を行おうとしている場合,な
どに応じて,当面の処理において情報遺伝を行う範囲を
変更可能にすることが望ましい。
【0128】このために,各クラスの間に「可変の弱リ
ンク」を張っておき,例えば「テレビをみていることに
関して」処理を行おうとしている場合には,「テレビの
番組」などに焦点を置いたクラスの間で結合を行い,例
えば図示の実線の枠で示す如く,情報遺伝の範囲を限定
するようにされる。また他の場合,例えば「学会発表を
行うことに関して」処理を行おうとしている場合には,
「テレビの原理」や「CRTの性能」などに焦点を置い
たクラスの間で結合を行うことになる。このように可変
の弱リンクは,いわばその時々の「気分」で,必要に応
じて結合が行われることから,「気分リンク」とも呼ん
でいる。
【0129】このような可変の弱リンクは,必要に応じ
て自由に利用できるものであり,図23に示す例えばク
ラス「人」とクラス「会社」とを結合して処理が行われ
ている間に,一時的にクラス「人」とクラス「市役所」
とを結合してクラス「市役所」に関連する情報「住所」
や「家族」などを取り込むことができる。このような形
での情報検索を「超検索」と呼んでもよい。また図24
に示す例において,例えばテレビに関連した「画像処
理」に関するクラスから,更に当該クラス「画像処理」
を例えばクラス「ファクシミリ技術」と結合し,更にク
ラス「映画技術」と結合し,またクラス「レーザ技術」
と結合するなど,推論処理を展開させてゆくこともでき
る。このような形での推論を「新推論」と呼んでもよ
い。
【0130】図25は知識データを抽出してゆく過程を
概念的に表した説明図である。図中の符号450は顕在
的知識データ,451は潜在的知識データ,452は一
次的データ,453は二次的データ,454は同一知識
データ内の内部的リンク,455は潜在的知識データへ
の内部的リンク,456は気分的リンク,457は抽象
構造論的知識獲得リンクであって,各二次的データ45
3内で知識が獲得されてゆく態様を与えるもの,458
はキーワード,459は外部的リンクを表している。
【0131】人間が知識データを抽出してゆく過程を表
すと図25に示す如きものと考えられる。知識データに
は顕存的知識データ450と潜在的知識データ451と
の2つがあり,それらそれぞれの中に表面的知識の一次
的データ452とブラックボックス的知識の二次的デー
タ453とがある。一次的データ452は実世界の直接
の写像データであり,二次的データ453は抽象構造論
的に考え出されたデータであると考えてよい。
【0132】また実際のシステムで考えた場合,顕存的
知識データ450は自分のターミナルノードに実際に存
在するデータに相当するものであり,潜在的知識データ
451は,自分以外のターミナルノードにあるデータに
相当するものとみることができる。
【0133】以上のデータ類をリンクする方法として同
一知識データ内の内部的リンク454,潜在的知識デー
タへの内部的リンク455,一次データと二次データと
を結ぶ気分的リンク456がある。潜在的知識データを
手に入れた場合が人間でいう“さとる”という動作に当
たるものであり,この“さとり”が起こると潜在的知識
データは次第に顕在的知識データへ移行していき“ひら
めき力”を手に入れることが出来る。なお,リンク45
6を気分的リンク456と名付けたのは一次的データ4
52と二次的データ453とが,ある種のそのときによ
る直観やそのときによる連想などによってリンクづけら
れるものであるからである。
【0134】図25に示される知識データを抽出するに
当たっては,キーワード458にもとづいて,顕在的知
識データ450内の一次的データ452に働きかけられ
ることから開始される。当該一次的データ452から,
同一知識データ内の内部的リンク454によって知識獲
得の態様が拡がり,また潜在的知識データへの内部的リ
ンク455によって潜在的知識データ451へも知識獲
得の態様が拡がってゆく。更には二次的データ453へ
も気分的リンク456を介して発展してゆくこともあ
る。
【0135】この状況における顕在的知識データ450
から潜在的知識データ451へ働きかける態様は,図4
や図6においてLAN又は交換回線103によって他端
局と交信することに対応している。また顕在的知識デー
タ450や潜在的知識データ451内で一次的データ4
52や二次的データ453を獲得してゆく態様は,図1
に示される処理に対応している。また図25に示す内部
的リンク455は図10ないし図17に示した如きリン
クに相当し,図25に示す気分的リンク456は図22
などに示す気分リンクに相当すると考えてよい。
【0136】
【発明の効果】以上説明した如く,本発明によれば,情
報隠蔽の世界に保持されている既存のオブジェクトや新
しく作られて保持される生成されたオブジェクトを,ユ
ーザの要求にあわせて,オブジェクト・コマンドによっ
て呼び込み,静的モデルや動的モデルを設計し,ユーザ
の要求に対処してゆくことができる。そして当該ユーザ
の要求に対処してゆく処理がきわめて融通性に富むもの
となっており,更に将来の利用のために蓄積されてゆく
こととなる。更に弱リンクを導入したことによってシス
テムを組み上げる上での融通性が増大し,不必要な情報
遺伝を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図を示す。
【図2】静的世界と動的世界とを説明する説明図であ
る。
【図3】ダイナミック・オブジェクト処理部における動
作の一部を説明する図である。
【図4】端局の構成を示す。
【図5】オブジェクトを取扱う処理態様を示す。
【図6】オブジェクト管理を行う構成図を示す。
【図7】複数のクラス間での関係を説明する説明図であ
る。
【図8】処理実行のための説明図を示す。
【図9】セッションの実行に当たって因果関係が取り入
れられる態様を説明する説明図である。
【図10】リンクの態様(1)を示す。
【図11】リンクの態様(2)を示す。
【図12】リンクの態様(3)を示す。
【図13】リンクの態様(4)を示す。
【図14】リンクの態様(5)を示す。
【図15】リンクの態様(6)を示す。
【図16】リンクの態様(7)を示す。
【図17】リンクの態様(8)を示す。
【図18】複合クラス化を説明する図である。
【図19】複合クラスが存在する場合を説明する図であ
る。
【図20】リンク関係の例を示す。
【図21】リンク関係の例を示す。
【図22】操作の伝搬を説明する図である。
【図23】固定の弱リンクの例を示す。
【図24】可変の弱リンクの例を示す。
【図25】知識データを抽出してゆく過程を概念的に表
した説明図である。
【図26】本発明の場合の如くオブジェクトをカプセル
化する利点を説明する図である。
【図27】会社部門をモデル化した状態を説明する図で
ある。
【図28】モデル抽象化を説明する図である。
【図29】カプセルを説明する図である。
【図30】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
101 端局 102 端局 103 LAN又は交換回線 201 オブジェクト・コマンド 202 メタ・データ 203 実データ 204 コマンド・リンク処理部(ディレクトリ処理
部) 205 部品属性ファイル 206 オブジェクト部品 212 ダイナミック・オブジェクト処理部 213 オブジェクト(オブジェクト部品206に相
当) 214 実行処理データ 215 ダイレクト・オブジェクト処理展開処理 216 仮動作モード 217 インスタント動作モード 218 本番動作モード 219 通信/受信処理部 220 オブジェクト管理部 221 ディプレイ 222 ハイパー言語処理部 250 一連の命令 251 処理単位 302 クラス 303 インスタンス 310 内部スキーマ 312 クラス・スキーマ 313 メソッド 314 メソッド 315 メソッド 316 インスタンス・スキーマ 401 外延的外辞 403 手続の世界 404 オブジェクトの世界 410 静的世界 411 静的モデル 414 状態テーブル 415 因果関係制約群 416 クラス変数/定数 420 動的世界 421 動的モデル 430 情報隠蔽の世界 431 機能的モデル 450 顕在的知識データ 451 潜在的知識データ 452 一次的データ 453 二次的データ 454 同一知識データ内の内部的リンク 455 潜在的知識データへの内部的リンク 456 気分的リンク 457 抽象構造論的知識獲得リンク 458 キーワード 459 外部的リンク 480 オブジェクト部品の自由な組合わせ技術 481 メタ・データの作成 500 強リンク 501 弱リンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村川 雅彦 神奈川県川崎市高津区坂戸100番1 富士 通ネットワークエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 豊田 雅信 神奈川県川崎市高津区坂戸100番1 富士 通ネットワークエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 足立 武史 神奈川県川崎市高津区坂戸100番1 富士 通ネットワークエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 市川 なおみ 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の処理単位および/または単一の処
    理単位を複合化した複合処理単位をオブジェクトと名付
    け,当該オブジェクトを組み合わせ,所望される処理を
    実行する複合オブジェクトを持つデータ処理システムに
    おいて,実世界をオブジェクト・モデルとみなして把握
    し,当該実世界を外延的外辞と内包とに対応づけ,内包
    を情報隠蔽された領域に置き,当該内包を特定するいわ
    ばiD情報を外延的外辞と対応づけて構成し,当該外延
    的外辞に対応づけて,上記実世界を,上記オブジェクト
    の世界を構成する静的世界と動的世界とで表現してお
    き,当該静的世界については,静的モデルとして,クラ
    スおよび/または複合クラスを用いてシステムの仕組み
    を与え,上記動的世界については,動的モデルとして,
    上記クラスおよび/または複合クラスのインスタンスを
    用いて当該動的モデルの動きに対応するセッションを与
    え,上記動的モデルから発生した因果関係を上記静的モ
    デルの中に情報として与えるよう構成してなり,既存お
    よび/または新たに生成された複数のメソッドを組み合
    わせて上記クラスおよび/または複合クラスを構成せし
    めると共に,当該クラスおよび/または複合クラスの夫
    々に対応づけて,上記インスタンスを構成して処理を実
    行するよう構成されてなり,上記既存および/または新
    たに生成されたメソッドと,上記構成されたクラスおよ
    び/または複合クラスと,上記動的モデルの動きに対応
    するセッションとを夫々複合オブジェクトとして上記内
    包に対応する情報隠蔽された領域において機能的モデル
    として格納されると共に,当該機能モデルとして上記内
    包に格納されている夫々の複合オブジェクトを,上記i
    D情報によって対応づけて利用可能に構成し,上記静的
    モデルと上記動的モデルとに取り出された複数の複合オ
    ブジェクト相互間で,相互の関係を与えるリンクを張っ
    て,上記静的モデルと上記動的モデルとを設計してお
    き,かつ当該リンクの種類として,一方の複合オブジェ
    クトに操作がかかった際に当該リンクによって関係づけ
    られている他方の複合オブジェクトへ操作を自動的に伝
    搬してゆく強リンクと,一方の複合オブジェクトに操作
    がかかった際にも上記他方の複合オブジェクトへの操作
    を伝搬させるか伝搬させないかを指示可能にした弱リン
    クとをもうけ,上記クラスおよび/または複合クラスを
    構成し,および/または上記インスタンスを構成して行
    う処理の実行に当たって,上記リンクの種類にしたがっ
    て操作を伝搬させる範囲を設定するようにしたことを特
    徴とする複合オブジェクトを持つデータ処理システム。
  2. 【請求項2】 上記弱リンクは互いに関係しあう複合オ
    ブジェクトに対応づけて記述されて格納されると共に,
    当該弱リンクを一時的あるいは永久的に強リンクに書き
    替え可能にし,または当該書き替えられたリンクを再び
    弱リンクに復帰可能にしたことを特徴とする請求項1記
    載の複合オブジェクトを持つデータ処理システム。
  3. 【請求項3】 上記弱リンクは,互いに関係しあう複合
    オブジェクトに対応づけて記述され,予め定められた観
    点の下での処理に当たって必ず強リンクに書き替えられ
    る固定の弱リンクと,互いに関係しあう複合オブジェク
    トに対応づけて記述され,個々の処理時点で必要に応じ
    て任意に強リンクに書き替え可能にされる可変の弱リン
    クとを含んでいることを特徴とする請求項2記載の複合
    オブジェクトを持つデータ処理システム。
JP5122557A 1993-05-25 1993-05-25 複合オブジェクトを持つデータ処理システム Withdrawn JPH06332786A (ja)

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