JPH0633209B2 - 摺動材料およびその製造方法 - Google Patents
摺動材料およびその製造方法Info
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- JPH0633209B2 JPH0633209B2 JP23337989A JP23337989A JPH0633209B2 JP H0633209 B2 JPH0633209 B2 JP H0633209B2 JP 23337989 A JP23337989 A JP 23337989A JP 23337989 A JP23337989 A JP 23337989A JP H0633209 B2 JPH0633209 B2 JP H0633209B2
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- graphite material
- surface layer
- sliding
- sliding material
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は摺動材料およびその製造方法に関し、特に、
潤滑性の向上した摺動材料およびその製造方法に関する
ものである。
潤滑性の向上した摺動材料およびその製造方法に関する
ものである。
従来、機械部品において摺動材料を有するものに利用さ
れている摺動材料として、炭化ケイ素から形成されてい
るものが知られている。
れている摺動材料として、炭化ケイ素から形成されてい
るものが知られている。
前記の摺動材料にあっては、強度や硬度、さらに熱伝導
性などがすぐれており、前記機械部品のうち、主として
メカニカルシールなどに使用されているが、潤滑性が良
好でないために、良好な潤滑性を有する黒鉛材などと組
み合わせて一般に使用されている。
性などがすぐれており、前記機械部品のうち、主として
メカニカルシールなどに使用されているが、潤滑性が良
好でないために、良好な潤滑性を有する黒鉛材などと組
み合わせて一般に使用されている。
また、摺動材料とはべつに、切削工具などに使用される
材料として、六方晶窒化ホウ素なるものが知られてい
る。
材料として、六方晶窒化ホウ素なるものが知られてい
る。
前記六方晶窒化ホウ素は、潤滑性にすぐれているととも
に耐熱性にもすぐれているが、強度や硬度がすぐれてい
ないため、単体で使用できる分野は限定されているもの
であった。
に耐熱性にもすぐれているが、強度や硬度がすぐれてい
ないため、単体で使用できる分野は限定されているもの
であった。
本発明は上記両者の長所を生かして、強度、硬度がすぐ
れているとともに潤滑性が良好であり、さらに耐熱性が
すぐれている摺動材料およびその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
れているとともに潤滑性が良好であり、さらに耐熱性が
すぐれている摺動材料およびその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
上記の目的を達成するために本発明による摺動材料は、
黒鉛材からなる摺動材料であって、その表層が、網目状
の炭化ケイ素と、この炭化ケイ素の隙間に介在して炭化
ケイ素に結合している六方晶窒化ホウ素とから形成され
た構造を有し、また、本発明による摺動材料の製造方法
は、黒鉛材を高温状態に保持し、この黒鉛材の表面に、
金属ケイ素を接触反応させて、前記黒鉛材の表層を形成
している各炭素の外周に炭化ケイ素を形成し、次いで、
窒素ガス雰囲気下で前記黒鉛材を前記高温状態よりも高
い状態に保持するとともに酸化ホウ素ガスを接触反応さ
せ、前記黒鉛材の表層を形成しているとともに外周が炭
化ケイ素で覆われた各炭素を除去し、これとともに、除
去した後に生ずる隙間に六方晶窒化ホウ素を位置させた
手段を有している。
黒鉛材からなる摺動材料であって、その表層が、網目状
の炭化ケイ素と、この炭化ケイ素の隙間に介在して炭化
ケイ素に結合している六方晶窒化ホウ素とから形成され
た構造を有し、また、本発明による摺動材料の製造方法
は、黒鉛材を高温状態に保持し、この黒鉛材の表面に、
金属ケイ素を接触反応させて、前記黒鉛材の表層を形成
している各炭素の外周に炭化ケイ素を形成し、次いで、
窒素ガス雰囲気下で前記黒鉛材を前記高温状態よりも高
い状態に保持するとともに酸化ホウ素ガスを接触反応さ
せ、前記黒鉛材の表層を形成しているとともに外周が炭
化ケイ素で覆われた各炭素を除去し、これとともに、除
去した後に生ずる隙間に六方晶窒化ホウ素を位置させた
手段を有している。
本発明は上記の手段を採用したことより、本発明による
摺動材料を摺動部品に使用した場合には、高圧力、高温
度の条件下においても摺動部品の摺動特性は低下しない
こととなる。
摺動材料を摺動部品に使用した場合には、高圧力、高温
度の条件下においても摺動部品の摺動特性は低下しない
こととなる。
本発明による摺動材料は第1図に示すように、基材とな
る黒鉛材1の表層が、網目状をなすとともに炭化ケイ素
である骨格部2と、この骨格部2の隙間に介在して骨格
部2に化学的に結合した六方晶窒化ホウ素3とで形成さ
れるようにしたものである。
る黒鉛材1の表層が、網目状をなすとともに炭化ケイ素
である骨格部2と、この骨格部2の隙間に介在して骨格
部2に化学的に結合した六方晶窒化ホウ素3とで形成さ
れるようにしたものである。
以下、本発明による摺動材料の製造方法を、図面を参照
しつつ説明する。
しつつ説明する。
まず、炭素粉末を、2000℃以上の温度で焼結して黒
鉛材1を形成する。
鉛材1を形成する。
次いで、得られた黒鉛材1を、1400℃以上の温度に
保持するとともに表面に金属ケイ素を接触反応させる
と、第2図に示すように、前記黒鉛材1の表層に0.5
mmから2mm程度の厚さで、全体として網目状をなす炭化
ケイ素である骨格部2が形成される。
保持するとともに表面に金属ケイ素を接触反応させる
と、第2図に示すように、前記黒鉛材1の表層に0.5
mmから2mm程度の厚さで、全体として網目状をなす炭化
ケイ素である骨格部2が形成される。
この骨格部2は、黒鉛材1の表層を形成している各炭素
1aの外周に形成されるものであり、その成分である炭
化ケイ素の強度、硬度がすぐれていることから、黒鉛材
1表層の強度、硬度を高めることとなる。
1aの外周に形成されるものであり、その成分である炭
化ケイ素の強度、硬度がすぐれていることから、黒鉛材
1表層の強度、硬度を高めることとなる。
次に上記のように表層に骨格部2が形成された黒鉛材1
を、1600℃の温度に保持するとともに窒素ガス雰囲
気下の条件で、表面に酸化ホウ素ガスを接触反応させ
る。
を、1600℃の温度に保持するとともに窒素ガス雰囲
気下の条件で、表面に酸化ホウ素ガスを接触反応させ
る。
すると、前記黒鉛材1の表層の、外周が骨格部2に覆わ
れた炭素1aは、酸化ホウ素中の酸素と結合して酸化物
となって骨格部2から除去され、この炭素1aが除去さ
れた後の骨格部2の隙間に、窒素ガスと前記酸化ホウ素
ガス中のホウ素が結合した窒化ホウ素ガスが入り、六方
晶窒化ホウ素3となる。
れた炭素1aは、酸化ホウ素中の酸素と結合して酸化物
となって骨格部2から除去され、この炭素1aが除去さ
れた後の骨格部2の隙間に、窒素ガスと前記酸化ホウ素
ガス中のホウ素が結合した窒化ホウ素ガスが入り、六方
晶窒化ホウ素3となる。
そして、最後に室温まで冷却して目的物を得ることとな
る。
る。
すなわち、第1図に示すように、黒鉛材1は、その表層
が網目状をなすとともに炭化ケイ素である骨格部2と、
この骨格部2の隙間に介在して骨格部に結合した六方晶
窒化ホウ素3とから形成されることとなる。
が網目状をなすとともに炭化ケイ素である骨格部2と、
この骨格部2の隙間に介在して骨格部に結合した六方晶
窒化ホウ素3とから形成されることとなる。
上記のようにして製造される本発明による摺動材料にお
いては、その表層に形成される網目状の炭化ケイ素であ
る骨格部2により、表層の強度や硬度がすぐれたものに
なり、また、前記骨格部2の隙間に介在して骨格部2に
化学的に結合した六方晶窒化ホウ素3により、表層の潤
滑性がすぐれたものになるとともに、耐熱性についても
すぐれることとなる。
いては、その表層に形成される網目状の炭化ケイ素であ
る骨格部2により、表層の強度や硬度がすぐれたものに
なり、また、前記骨格部2の隙間に介在して骨格部2に
化学的に結合した六方晶窒化ホウ素3により、表層の潤
滑性がすぐれたものになるとともに、耐熱性についても
すぐれることとなる。
したがって、本発明による摺動材料は、メカニカルシー
ルなどに利用された場合、高圧力、高温度といった条件
下にあっても、メカニカルシールのシール性能を低下さ
せることがなく、すぐれた摺動材料として有用なものに
なる。
ルなどに利用された場合、高圧力、高温度といった条件
下にあっても、メカニカルシールのシール性能を低下さ
せることがなく、すぐれた摺動材料として有用なものに
なる。
本発明は、上記のように、黒鉛材からなる摺動材料であ
って、その表層が、網目状の炭化ケイ素と、この炭化ケ
イ素の隙間に介在して炭化ケイ素に結合している六方晶
窒化ホウ素とから形成された摺動材料であり、また、こ
の摺動材料を製造するのに、黒鉛材を高温状態に保持
し、この黒鉛材の表面に、金属ケイ素を接触反応させ
て、前記黒鉛材の表層を形成している各炭素の外周に炭
化ケイ素を形成し、次いで、窒素ガス雰囲気下で前記黒
鉛材を前記高温状態よりも高い状態に保持するとともに
酸化ホウ素ガスを接触反応させ、前記黒鉛材の表層を形
成しているとともに外周が炭化ケイ素で覆われた各炭素
を除去し、これとともに、除去した後に生ずる隙間に六
方晶窒化ホウ素を位置させたことにより、摺動部品に利
用された場合、高圧力、高温度の条件下においても安定
した摺動性能を保持することができ、耐久性が向上し、
長寿命になるなどのすぐれた効果を有するものである。
って、その表層が、網目状の炭化ケイ素と、この炭化ケ
イ素の隙間に介在して炭化ケイ素に結合している六方晶
窒化ホウ素とから形成された摺動材料であり、また、こ
の摺動材料を製造するのに、黒鉛材を高温状態に保持
し、この黒鉛材の表面に、金属ケイ素を接触反応させ
て、前記黒鉛材の表層を形成している各炭素の外周に炭
化ケイ素を形成し、次いで、窒素ガス雰囲気下で前記黒
鉛材を前記高温状態よりも高い状態に保持するとともに
酸化ホウ素ガスを接触反応させ、前記黒鉛材の表層を形
成しているとともに外周が炭化ケイ素で覆われた各炭素
を除去し、これとともに、除去した後に生ずる隙間に六
方晶窒化ホウ素を位置させたことにより、摺動部品に利
用された場合、高圧力、高温度の条件下においても安定
した摺動性能を保持することができ、耐久性が向上し、
長寿命になるなどのすぐれた効果を有するものである。
第1図は本発明による摺動材料の断面説明図、第2図は
黒鉛材の表層に炭化ケイ素である骨格部を形成した図で
ある。 1……黒鉛材 1a……炭素 2……骨格部(炭化ケイ素) 3……六方晶窒化ホウ素
黒鉛材の表層に炭化ケイ素である骨格部を形成した図で
ある。 1……黒鉛材 1a……炭素 2……骨格部(炭化ケイ素) 3……六方晶窒化ホウ素
Claims (2)
- 【請求項1】黒鉛材からなる摺動材料であって、その表
層が、網目状の炭化ケイ素と、該炭化ケイ素の隙間に介
在して炭化ケイ素に結合している六方晶窒化ホウ素とか
ら形成されたことを特徴とする摺動材料。 - 【請求項2】黒鉛材を高温状態に保持し、該黒鉛材の表
面に、金属ケイ素を接触反応させて、前記黒鉛材の表層
を形成している各炭素の外周に炭化ケイ素を形成し、次
いで、窒素ガス雰囲気下で前記黒鉛材を前記高温状態よ
りも高い状態に保持するとともに酸化ホウ素ガスを接触
反応させ、前記黒鉛材の表層を形成しているとともに外
周が炭化ケイ素で覆われた各炭素を除去し、これととも
に、除去した後に生ずる隙間に六方晶窒化ホウ素を位置
させたことを特徴とする摺動材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23337989A JPH0633209B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 摺動材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23337989A JPH0633209B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 摺動材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0397683A JPH0397683A (ja) | 1991-04-23 |
JPH0633209B2 true JPH0633209B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=16954179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23337989A Expired - Fee Related JPH0633209B2 (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 摺動材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0633209B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11231067B2 (en) * | 2018-05-10 | 2022-01-25 | Nissan Motor Co., Ltd. | Bearing member |
-
1989
- 1989-09-08 JP JP23337989A patent/JPH0633209B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0397683A (ja) | 1991-04-23 |
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---|---|---|---|
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