JPH063317Y2 - 空気調和機の室外機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、空気調和機の室外機に係り、とくに送風機
保持部材を改良した室外機に関するものである。

【従来の技術】 第３図および第４図は実公昭６１−７４９５号公報に示
された従来の空気調和機の室外機を示す。第３図，第４
図において、１は室外機の筐体、２は筐体１内を左右に
区画する仕切板、３は筐体１内の仕切板２で仕切られた
一側部に設置された圧縮機、４および５は筐体１の仕切
板２で仕切られた他側部に設置された送風機および熱交
換器である。送風機４は、電動機６と、電動機６の回転
軸に嵌合固定されたプロペラファン７とから構成され、
電動機６が送風機保持部材８に固定されている。この保
持部材８は、第５図に示すように、１枚の板金に折曲げ
加工と打抜き加工を施したもので、上記筐体１に上，下
端部が固定されている。 次に、上記のように構成された室外機の動作について説
明する。圧縮機３が駆動され、また電動機６の駆動によ
りプロペラファン７が回転することにより、熱交換器５
と外気の間で熱交換が行われる。なお、冷媒のサイクル
動作については、従来の一般的な分離形空気調和機の室
外機と同様であるので、説明を省略する。 以上のように構成された従来の室外機では、送風機４
は、熱交換器５に対して効率よく通風が行えるようにす
るため、熱交換器５の中央部と対向するように配設する
必要がある。このため、送風機４は重量物である電動機
６を筐体１の底面からある程度の高さまで持上げて送風
機保持部材８に保持しなければならない。したがって、
上記保持部材８は、ある程度の強度が必要であり、板金
加工によって板材を曲げ各部にフランジを設けること
で、強度をもたせた送風機保持部材８が用いられてい
る。

【考案が解決しようとする問題点】

従来の空気調和機の室外機では、送風機保持部材が上述
したように構成され、形状が複雑であると共に、重量が
増加する傾向にあり、また板金を複雑な形状に加工する
ため、高価なプレス型が必要となり、上記保持部材単品
としてのコストが高くなり、さらに保持部材を構成する
板金材によって、室外機内の通風を阻害し、騒音が大き
くなるという問題点があった。 この考案は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、簡単な構造で安価に製作でき、また軽量化
を図ることができ、さらに騒音も小さくできる送風機保
持部材を備えた空気調和機の室外機を得ることを目的と
している。

【問題点を解決するための手段】

この考案に係る空気調和機の室外機は、送風機保持部材
を、継ぎ目なし鋼管によって構成した主フレームに、板
金からなる電動機取付部材を固定して構成し、この取付
部材のみを板金にしたものである。

【作用】

この考案における室外機では、送風機保持部材の主フレ
ームを継ぎ目なし鋼管によって構成したことにより、単
純な構造で十分な強度を有し、板金で構成したのは電動
機取付部材のみであるため、軽量にすることができ、さ
らに室外機内の通風を送風機保持部材で阻害することも
防止できる。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を第１図，第２図について説
明する。 第１図，第２図において、８は送風機保持部材であり、
この保持部材８は、継ぎ目なし鋼管を用いた上部および
下部フレーム９および１０を鋼管からなるスペーサ１
１，１１で接続した主フレーム１２と、板金で構成し主
フレーム１２の上下方向中央部に固定した電動機取付部
材１３とから構成され、板金で構成した部材は、中央部
に送風機の電動機が嵌まる孔１３ａがある上記取付部材
１３のみに限定されている。また、上部，下部フレーム
９，１０は正面逆Ｕ字状、Ｕ字状に形成され、上端部、
下端部がパイプ中空部を潰した扁平に成形され、さらに
扁平にされた部分が 字状、Ｌ字状に前，後方向に折曲げられて筐体への固定
部９ａ，１０ａが形成されている。 以上のように構成された実施例の送風機保持部材８は、
上述した第３図、第４図に示す空気調和機の室外機に、
従来の送風機保持部材に代えて用いられ、取付部材１３
の孔１３ａに送風機の電動機が嵌められて、この電動機
が取付部材１３に固定される。 そして、この実施例による送風機保持部材８の上部フレ
ーム９と下部フレーム１０は、これらの間に介挿される
スペーサ１１，１１と溶接されて主フレーム１２が一体
となるが、スペーサ１１，１１によって主フレーム１２
の高さ寸法を調整することができ、継ぎ目なし鋼管の曲
げ加工による寸法の延びなどを修正して正確な寸法が得
られる。また、主フレーム１２の上下方向中央部に板金
からなる電動機取付部材１３を溶接することによって、
上部、下部フレーム９，１０の左，右対向端部を接続
し、上記保持部材８全体としてのねじれ強度を向上させ
ることができる。

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係る空気調和機の室外
機は、送風機保持部材を、継ぎ目なし鋼管で構成した主
フレームに、板金で構成した電動機取付部材を固定し、
この取付部材のみに板金で構成する部材を限定したの
で、従来の全体を板金で構成した送風機保持部材に比
べ、簡単な構造で、従来のものと同等以上の強度を確保
でき、重量の軽減を図ることができ、部品の取扱，組立
も容易にでき、また従来の送風機保持部材が複雑で高価
なプレス型が必要であったのに対し、この考案では、板
金で構成した部材が電動機取付部材のみであり、この部
材は単純な形状のプレス型を用い小形プレスで成形で
き、継ぎ目なし鋼管を曲げ加工することも容易であり、
したがって、構成部材が安価に得られ、送風機保持部材
全体としても安価になる。そして、この考案では、室外
機の筐体の大きさ、電動機の取付位置が変化する場合
や、電動機の取付数が複数になる場合にも、主フレーム
の高さ、および電動機取付部材の数を変更することで、
容易に対処することができ、室外機の多機種生産に対応
することも容易であり、さらに、主フレームが継ぎ目な
し鋼管で構成されていることにより、筐体内の風路での
通風抵抗が少なく、騒音を低減させることができるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による空気調和機の室外機
に用いる送風機保持部材の斜視図、第２図は第１図の送
風機保持部材の分解斜視図、第３図は従来の空気調和機
の室外機を示す縦断正面図、第４図は同一部を除いた分
解斜視図、第５図は従来の送風機保持部材の斜視図であ
る。 １…筐体、５…送風機、６…電動機、７…プロペラファ
ン、８…送風機保持部材、９，１０…上部，下部フレー
ム、１１…スペーサ、１２…主フレーム、１３…電動機
取付部材。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】室外機の筐体に固定される主フレームを継
   ぎ目なし鋼管で構成し、電動機取付部材のみを板金で構
   成し、この部材が上記主フレームに固定してある送風機
   保持部材を備えたことを特徴とする空気調和機の室外
   機。
2. 【請求項２】継ぎ目なし鋼管によって構成した主フレー
   ムは、室外機の筐体に固定する部分を扁平に成形してあ
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の空気調和機の
   室外機。