JPH06331684A - コンデンサ形計器用変圧器の内部部分放電検出方法 - Google Patents

コンデンサ形計器用変圧器の内部部分放電検出方法

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JPH06331684A
JPH06331684A JP11721893A JP11721893A JPH06331684A JP H06331684 A JPH06331684 A JP H06331684A JP 11721893 A JP11721893 A JP 11721893A JP 11721893 A JP11721893 A JP 11721893A JP H06331684 A JPH06331684 A JP H06331684A
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JP11721893A
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English (en)
Inventor
Shuji Hosokawa
周二 細川
Eiji Kotani
栄治 小谷
Teruyuki Takahashi
照行 高橋
Akio Nakabashi
昭雄 中橋
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Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コンデンサ形計器用変圧器の内部で発生する部
分放電を精度良く検出する。 【構成】接地線を流れる電流の波形の周波数分布を求め
る。周波数分布の最大レベルを与える周波数を基準周波
数として各周波数を基準周波数に対する比で表し、その
最大レベルを0デシベルとして各周波数成分のレベルを
デシベル表示して周波数分布を標準化する。内部で部分
放電が発生しているときに標準化された周波数分布の包
絡線がとり得るパターンの範囲を判定基準パターン範囲
Sとして予め求めておく。検出した接地線電流の周波数
分布から標準化された周波数分布を求めてその包絡線の
パターンが判定基準用パターン範囲Sに入るときに内部
部分放電が発生していることを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンデンサ形計器用変
圧器(CVT)の内部で発生する部分放電(内部部分放
電)を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンデンサ形計器用変圧器(以下CVT
ともいう。)1は、図8に示したように、主コンデンサ
C1 及び分圧コンデンサC2 と、変圧器Tr と、共振リ
アクトルLとを備え、コンデンサC1 及びC2 の直列回
路の両端に線路2と接地間の電圧が1次電圧として印加
される。
【0003】近年、電力系統の事故が及ぼす社会的な影
響が極めて大きくなっており、電力系統の事故を未然に
防ぐことが特に重要になっている。そのため常時電力設
備の状態を監視して、事故の前兆が検出された場合には
適切な保全措置を講じる、予測保全システムを完備する
ことが要請されるようになった。予測保全システムにお
いては、電力機器の内部で生じる部分放電を適確に検出
することが必要不可欠である。
【0004】試験場でCVTの内部部分放電を検出する
場合には、CVTをシールドルーム内に配置して、図8
に破線で示したように線路2と接地間に結合コンデンサ
3を接続し、内部部分放電が発生したときに図示の経路
で流れるパルス電流Ip を種々の方法で検出している。
【0005】図9は従来用いられている部分放電の検出
回路を示したもので、同図においてCx は供試物のキャ
パシタンス、Cc は結合コンデンサのキャパシタンス、
Zdは供試物に直列に接続された検出インピーダンス、
Zはチョークコイルやフィルタ等のインピーダンス、V
a は交流電源、Mは検出インピーダンスZd の両端の電
圧を測定する測定器である。この検出回路では、供試物
で部分放電が生じるとパルス電流ipx及びipcが流れ
る。電源側のインピーダンスが十分に大きいとすれば、
ipx−ipcが検出インピーダンスZd を流れるので、検
出インピーダンスの両端の電圧を測定することにより部
分放電パルスを検出することができる。
【0006】部分放電の検出方法としては種々のものが
知られているが、代表的なものとしてERA法がある。
ERA法は、ブラウン管オシロスコープ上に電源の1サ
イクルに同期した楕円リサージュ図形を描かせて該リサ
ージュ図形上に検出パルスを表示させるもので、その出
力図形は例えば図10のようになる。図10において
は、結合コンデンサを流れるパルス電流ipcがリサージ
ュ図形の内側に突出する形で現れ、供試物のキャパシタ
ンスを流れるパルス電流ipxがリサージュ図形の外側に
突出した形で現れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ERA法はリサージュ
図形上に現れるパルスの位置及びパルスの方向からその
パルスが供試物から発生しているのか、あるいは外部の
尖鋭部で発生しているのか等を判別できる優れた方法で
ある。しかし、このERA法によった場合には、使用す
る装置が大形になる上に、その操作及び判定に若干の熟
練を要するという問題があった。
【0008】また変電所に設置されたCVTの予測保全
を図るために、該変圧器の内部部分放電を検出すること
が必要であるが、変電所には放送による電波等の外来ノ
イズが多く存在するため、内部部分放電により生じたパ
ルスが外来ノイズによりマスクされ、部分放電の検出が
不可能になるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、ノイズの影響を少なくし
て内部部分放電の検出を適確に行うことができるコンデ
ンサ形計器用変圧器の内部部分放電検出方法を提案する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明は、コンデンサ
形計器用変圧器の接地線を流れる電流を検出する電流検
出手段を設けて、該電流検出手段の出力を周波数分析す
ることにより求めた周波数分布から変圧器の内部で発生
する内部部分放電を検出する方法である。
【0011】本願第1の発明においては、周波数分布の
最大レベルを与える周波数を基準周波数として各周波数
を該基準周波数に対する比で表し、該最大レベルを0デ
シベルとして各周波数成分のレベルをデシベル表示した
場合の周波数分布を標準化された周波数分布として、内
部部分放電が発生しているときに標準化された周波数分
布の包絡線がとり得るパターンの範囲を判定基準パター
ン範囲として予め求めておく。
【0012】そして設定されたサンプリング期間に電流
検出手段の出力をサンプリングし、サンプリング結果を
周波数分析することにより得た周波数分布から標準化さ
れた周波数分布を求めて該標準化された周波数分布の包
絡線のパターンを部分放電検出用周波数分布パターンと
し、該部分放電検出用周波数分布パターンが上記判定基
準用パターン範囲に入るときに内部部分放電が発生して
いることを検出する。また本願第2の発明においては、
サンプリングした結果を周波数分析することにより得た
接地線電流の周波数分布から標準化された周波数分布を
求める際に、放送用電波等の予め分かっている外来電波
の周波数についての成分データを削除するようにした。
【0013】
【作用】内部部分放電が発生すると、接地線を通してパ
ルス電流が流れる。内部部分放電により生じるパルス電
流は本来広い周波数帯域を有しているが、線路あるいは
母線のインダクタンスとCVT自身の静電容量とがフィ
ルタとなるため、内部部分放電により発生したパルスに
含まれる周波数成分の内特定のもののみが接地線を流れ
る。従って、接地線電流を検出してその周波数分布を求
めると、特定の周波数成分にピークを有するパターンが
得られるので、このパターンから内部部分放電の有無を
検出することができる。
【0014】本発明においては、接地線を流れる電流を
検出する電流検出手段の出力のサンプリング結果を周波
数分析することにより周波数分布を得て、この周波数分
布から内部部分放電が発生しているか否かを判定する。
【0015】種々の実験を行った結果、周波数分布の最
大レベルを与える周波数を基準周波数として各周波数を
該基準周波数に対する比(周波数比)で表し、該最大レ
ベルを0デシベルとして各周波数成分のレベルをデシベ
ル表示することにより、周波数分布パターンを標準化す
ると、内部部分放電が発生しているか否かの判定を容易
に行い得ることが明らかになった。
【0016】即ち、内部部分放電が発生しているときに
得られる周波数分布を上記のようにして標準化すると、
標準化された周波数分布の包絡線がとり得るパターンの
範囲は図5の折れ線で囲まれた範囲(判定基準パターン
範囲)Sに収まることが明らかになった。図5において
横軸は、各周波数の基準周波数(サンプリング結果を周
波数分析することにより得られた周波数分布の最大レベ
ルを与える周波数)に対する比を示しており、縦軸は、
周波数分布の最大レベルを0デシベルとした場合の各周
波数成分の信号レベルを示している。
【0017】内部部分放電の有無を判定するには、サン
プリング結果を周波数分析することにより求めた周波数
分布を標準化し、標準化した周波数分布の包絡線のパタ
ーンを内部部分放電検出用周波数分布パターンとして、
該パターンが、図5の判定基準パターン範囲Sに入るか
否かを見ればよい。即ち、部分放電検出用周波数分布パ
ターンの全体が判定基準パターン範囲S内に収まる場合
に内部部分放電が発生していると判定し、標準化された
周波数分布の一部でも判定基準パターン範囲Sからはみ
出す場合には、内部部分放電が発生していないと判定す
る。
【0018】上記の標準化された周波数分布は簡単な演
算により求めることができ、部分放電検出用周波数分布
パターンが判定基準パターン範囲範囲に入るか否かは、
コンピュータにより簡単な比較演算を行うことによって
容易に判断できるため、内部部分放電の存在の有無の判
定を短時間で行わせることができる。
【0019】もちろん標準化された周波数分布を表示さ
せて、内部部分放電の有無を目視により判定してもよい
が、その場合、標準化された周波数分布の包絡線が判定
基準パターン範囲に入るか否かを見るだけで内部部分放
電の有無を判定できるため、判定者の熟練度の如何に係
わりなく、内部部分放電の有無を適確に判定することが
できる。
【0020】上記のように周波数分布を標準化すると、
内部部分放電発生時に接地線電流波形に現れる特徴的な
周波数分布パターンをとらえることができるため、内部
部分放電の発生をノイズと区別して検出することがで
き、変電所等のノイズが多い場所でも内部部分放電を適
確に検出することができる。
【0021】また本願第2の発明のように、サンプリン
グ結果を周波数分析することにより求めた周波数分布か
ら標準化された周波数分布を求める際に、放送用電波等
の予め分かっている外来電波の周波数についての成分デ
ータを削除するようにすると、外来ノイズの相当部分を
除去できるため、S/N比を大幅に向上させて内部部分
放電の検出精度を高めることができる。
【0022】
【実施例】図1はCVTに本発明の検出方法を実施する
装置を取り付けた状態を概略的に示したもので、同図に
おいてC1 及びC2 はそれぞれ主コンデンサ及び分圧コ
ンデンサ、Tr は変圧器、Lは共振リアクトル、ZDは
鉄共振抑制用の抑制負担である。変圧器Tr 、共振リア
クトルL及び抑制負担ZDは、絶縁油を満たしたタンク
10内に収納され、コンデンサC1 及びC2 はタンク1
0の上部に取り付けられた碍子11内に設けられてい
る。タンク10の側方には機器箱12及び13が取り付
けられ、機器箱12内には、変圧器Tr の2次コイルの
一端に接続された2次端子14と、2次コイルの他端と
抑制負担ZDの一端とに接続された2次端子15と、抑
制負担ZDの他端に接続された端子16と、アース端子
17と、2次端子14,15と出力端子18,19との
間を開閉する開閉器20とが設けられ、端子14,16
間は接続バー21により接続されている。
【0023】また機器箱13内には、分圧コンデンサC
2 の接地側端子、変圧器Tr の1次コイルと共振リアク
トルLとの接続点、及び共振リアクトルLの接地側端子
にそれぞれ接続された端子22,23及び24が設けら
れ、端子23,24間に2次短絡保護ギャップGが接続
されている。端子22及び24はそれぞれ接地線25及
び26を通して接地線27に接続され、接地線27は接
地端子28を通して外部に導出されて大地に接続されて
いる。
【0024】以上の各部によりCVT1が構成されてい
る。本発明の検出方法は、CVT1のコンデンサC1 ,
C2 の内部及びタンク10の内部で、誘電体中のボイ
ド、導体の接触不良、或いは導電性異物の付着等により
発生する内部部分放電を検出するものである。
【0025】本発明の検出方法においては、CVT1の
接地線25に流れる接地線電流を検出して、検出した接
地線電流の周波数分布を求めることにより内部部分放電
を検出する。
【0026】接地線電流を検出するため、接地線25に
変流器30が取り付けられ、変流器30の出力端子はケ
ーブル31を通して機器箱13から外部に導出されてい
る。ケーブル31の端末部には終端抵抗32が接続さ
れ、変流器30から得られる電流信号が終端抵抗32に
より電圧信号に変換される。変流器30とケーブル31
と終端抵抗32とにより電流検出手段が構成されてい
る。
【0027】上記終端抵抗32の両端に得られる電圧信
号は周波数分析装置33に入力される。図2は周波数分
析装置33の構成を示したもので、同図において35は
CPU、36はデータバスで、データバス36の端末部
は終端インピーダンス37により終端されている。また
38は高速フーリエ演算(FFT演算)を行うFFT演
算部、39はメモリで、これらはデータバス36を介し
てCPUに接続されている。40はCRT表示装置、4
1はキーボード、42はプリンタで、これらはそれぞれ
表示インターフェース43、キーボードインタフェース
44及びプリンタインタフェース45とデータバス36
とを介してCPUに接続されている。また46はアナロ
グ・デジタル変換器(A−D変換器)で、該A−D変換
器46の入力端子46aに終端抵抗32の両端に得られ
る電流検出手段の検出出力が入力されている。
【0028】本発明においては、終端抵抗32の両端に
得られる検出信号をサンプリングして、サンプリング値
を周波数分析することにより接地線25を流れる電流の
周波数分布を求め、その周数分布から内部部分放電を検
出する。
【0029】CVTの内部で部分放電が発生すると、内
部部分放電により生じたパルス電流が接地線25を流れ
る。内部部分放電により発生するパルスは広い周波数帯
域を有しているが、線路あるいは母線のインダクタンス
とCVT自体の静電容量がフィルタとなるため、接地線
25には特定の周波数成分のみが流れることになる。従
って、部分放電パルスを含む接地線電流の検出信号波形
を周波数分析すると、特定の周波数成分にピークを有す
る周波数分布が得られる。
【0030】図3はCVTをシールドルーム内に入れ
て、コンデンサの内部に作った欠陥で部分放電を行わせ
た場合に得られた接地線電流の波形の周波数分布の一例
を示したものである。このように、内部部分放電が発生
している場合には、接地線電流の検出信号を周波数分析
すると特有の周波数分布が得られるため、該周数分布を
分析することにより部分放電の有無を検出することがで
きる。
【0031】試験結果によると、部分放電を検出するた
めには200KHz ないし2MHzの信号成分を検出す
る必要がある。従って変流器30としては少なくとも2
MHz まで特性が平坦なものを用いる。変流器の変流比
は、周波数分析装置33の構成に応じて適宜に設定す
る。またサンプリング周波数は4MHz 以上とする必要
がある。
【0032】本発明者は、種々の実験を行った結果、周
波数分布の最大レベルを与える周波数を基準周波数とし
て各周波数を該基準周波数に対する比(周波数比)で表
し、該最大レベルを0デシベルとして各周波数成分のレ
ベルをデシベル表示することにより、周波数分布を標準
化すると、内部部分放電が発生しているか否かの判定を
容易に行い得ることを見出した。
【0033】即ち、内部部分放電が発生しているときに
得られる周波数分布を上記のようにして標準化すると、
標準化された周波数分布の包絡線がとり得るパターンの
範囲が、図5の折れ線で囲まれた判定基準パターン範囲
Sに収まることが明らかになった。図5において横軸
は、各周波数の基準周波数(サンプリング結果を周波数
分析することにより得られた周波数分布の最大レベルを
与える周波数)に対する比を示しており、縦軸は、周波
数分布の最大レベルを0デシベルとした場合の各周波数
成分の信号レベルを示している。図5において、下側の
折れ線の屈曲点a,b,c,d1 ,d2 ,e,f及びg
における周波数比の値及び信号レベルの値を示す座標は
それぞれ、a(0.7 ,−40),b( 0.8,−35),c
(0.9 ,−25),d1 (0.95,−15),d2 (1.05,−
15),e(1.1 ,−25),f(1.2 ,−35),g(1.3
,−40)である。また上側の折れ線の屈曲点a´,b
´,c´,d´,e´,f´及びg´における周波数比
の値及び信号レベルの値を示す座標はそれぞれ、a´
(0.7 ,−17.5),b´(0.8 ,−15),c´(0.9 ,
−10),d´(1.0 ,0 ),e´(1.1 ,−10),f´
(1.2 ,−15)及びg´(1.3 ,−17.5)である。
【0034】内部部分放電の有無を判定するには、サン
プリング結果を周波数分析することにより求めた周波数
分布を標準化し、標準化した周波数分布の周波数比0.7
〜1.3 の範囲の部分の包絡線のパターンを部分放電検出
用周波数分布パターンとして、このパターンが、図5の
判定基準パターン範囲Sに入るか否かを見ればよい。即
ち、部分放電検出用周波数分布パターンの全体が図5の
判定基準パターン範囲Sに収まる場合に内部部分放電が
発生していると判定し、標準化された周波数分布の一部
でも図5の判定基準パターン範囲Sからはみ出す場合に
は、内部部分放電が発生していないと判定すればよい。
【0035】上記の標準化された周波数分布は簡単な演
算により求めることができ、部分放電検出用周波数分布
パターンが図5の範囲Sに入るか否かは、コンピュータ
により簡単な比較演算を行うことにより容易に判断でき
るため、内部部分放電の存在の有無の判定を短時間で自
動的に行わせることができる。
【0036】上記のように周波数分布を標準化すると、
内部部分放電発生時に接地線電流波形に現れる特徴的な
周波数分布パターンをとらえることができるため、内部
部分放電の発生をノイズと区別して検出することがで
き、変電所等のノイズが多い場所でも内部部分放電を適
確に検出することができる。
【0037】またサンプリング回数を多くして平均化処
理を施すと、ホワイトノイズを低減することができるた
め、ノイズの影響を更に少なくして検出精度を高めるこ
とができる。
【0038】ところで変電所においてCVTの部分放電
を検出する場合には、放送等の電波が到来する。図4は
内部部分放電が生じていない場合にサンプリング結果か
ら得られた周波数分布の一例を示したもので、同図のピ
ークP1 はNHKの第1放送(594KHz )であり、
ピークP2 はNHKの第2放送(693KHz )であ
る。これら放送等の電波の周波数は固定されているた
め、サンプリング回数を多くして平均化処理を施しても
除去できない。標準化された周波数分布に上記のような
ピークが存在すると、内部部分放電が生じている場合で
も、該周波数分布の包絡線の一部が図5の範囲からはみ
出すことになるため、内部部分放電を検出できないこと
になる。
【0039】そこで本願第2の発明においては、接地線
電流のサンプリング結果を周波数分析することにより得
た接地線電流の周波数分布から放送用電波等の予め分か
っている周波数についての成分データを削除する。放送
用電波等の予め分かっている周波数はメモリに記憶させ
ておくか、または測定の都度キーボードから入力し、記
憶された周波数またはキーボードから入力された周波数
のデータを、サンプリング結果を周波数分析することに
より得た周波数分布から削除する。しかる後に標準化さ
れた周波数分布を求めて該標準化された周波数分布の包
絡線のパターンを部分放電検出用周波数分布パターンと
し、該部分放電検出用周波数分布パターンが予め求めら
れている判定基準用パターン範囲に入るときに内部部分
放電が発生していることを検出する。
【0040】尚放送用電波等の予め分かっている周波数
の成分データの削除は、標準化された周波数分布を求め
る前に行っても良く、標準化された周波数分布を求めた
後に行っても良い。
【0041】本発明の検出方法を実施するに当り、サン
プリング周波数を最低の4MHz に設定する場合でも、
サンプリング時間を商用周波数の1/2サイクルまたは
1/4サイクルといった長い時間に設定するとデータ量
が著しく多くなるため、周波数分析装置に設けるメモリ
サイズが大きくなる上に、演算時間が長くなってしま
う。
【0042】そこで、サンプリング時間を1msec程度に
短くしてデータ量を少なくすることが望ましい。このよ
うに1サイクル中のごく短い期間のみサンプリングを行
う場合、内部部分放電によるパルスを確実に捕らえるこ
とができる期間にサンプリング期間を設定する必要があ
る。
【0043】また接地線25には、内部部分放電による
パルス電流の外に、コンデンサの外側の充電部の尖鋭部
分等で発生した気中コロナ放電によるパルス電流や外来
電波の信号電流等がノイズとして流れているため、内部
部分放電を適確に検出するためには、これらのノイズを
除去することが必要である。
【0044】ノイズを除去するには、複数回行ったサン
プリング結果を平均する平均化処理が有効であるが、こ
の場合、内部部分放電により発生したパルスがサンプリ
ングした全データに含まれていないと、逆にS/N比を
低下させることになる。またホワイトノイズは平均化処
理により低減させることができるが、外部の気中放電に
よるパルスは内部部分放電によるパルスとともに分析さ
れてしまうため、内部部分放電を外部気中放電と判別す
ることは困難である。
【0045】本発明者は、部分放電パルスの発生状況を
観察した結果、サンプリングを行う期間を特定すること
により、外部気中放電によるパルスを除去して、実質的
に内部部分放電による部分放電パルスのみをサンプリン
グできることを見出した。
【0046】即ち、コンデンサの誘電体中で発生する部
分放電は、1次電圧が零点から正及び負のピークに向か
って変化する1/4サイクルの期間に集中して発生す
る。1次電圧V1 が図6(A)のような波形であるとす
ると、接地線電流Ie は、図6(B)に示したように1
次電圧V1 に対して90度位相が進んでいるため、部分
放電パルスip は接地電流Ie が正及び負のピークから
零点に向けて変化する1/4サイクルの期間に発生す
る。コンデンサの金属電極に接しているボイドで部分放
電が生じる場合には、部分放電パルスの発生位相は図6
と同様であるが、接地線電流の負の半サイクルの期間に
発生する部分放電パルスの数が少なくなる。これに対
し、外部気中放電によるパルスip'は、図7(A),
(B)に示したように1次電圧V1 のピーク付近に集中
して発生する。高圧側の電極の尖鋭端部で発生する気中
放電は1次電圧の負の半サイクルのピーク付近に集中
し、低圧側の電極の尖鋭端部での気中放電は、1次電圧
の正の半サイクルのピーク付近に集中する。
【0047】そこで、1次電圧V1 が零点を迎えてから
ピークを迎えるまでの内部部分放電の発生頻度が高い期
間から、外部気中放電の発生頻度が高い1次電圧のピー
ク付近の期間を除いた特定の期間(例えば図6のT1 ,
T1 ´の期間)内にサンプリング期間を設定して電流検
出手段の出力をサンプリングするようにすると、外部気
中放電の影響を受けず、内部部分放電の検出を行うこと
ができる。
【0048】尚サンプリング期間は図4のT1 ,T1 ´
のいずれの期間に設定しても良いが、前述のように、コ
ンデンサの金属電極に接しているボイドで部分放電が生
じる場合には、接地線電流の負の半サイクルの期間に発
生する部分放電パルスの数が少なくなるので、内部部分
放電の検出を確実にするためには、T1 の期間にサンプ
リング期間を設定するのが好ましい。
【0049】実験により得られたデータによれば、電圧
位相で0°ないし70°度の範囲にサンプリング期間を
設定して接地電流の検出信号のサンプリングを行えば、
殆どの場合、外部気中放電によるパルスを除外して実質
的に内部部分放電によるパルスのみを検出できることが
明らかになった。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本願第1の発明によれ
ば、接地線を流れる電流を検出する電流検出手段の出力
のサンプリング結果を周波数分析することにより周波数
分布を標準化して、標準化された周波数分布の包絡線が
とり得るパターンの範囲から内部部分放電の有無を判定
するようにしたので、内部部分放電の存在の有無の判定
を短時間で誤りなく行わせることができる利点がある。
【0051】また本願第2の発明によれば、サンプリン
グ結果を周波数分析して得た周波数分布から標準化され
た周波数分布を求める際に、放送用電波の周波数等の予
め分かっている固定周波数のデータを削除するようにし
たので、放送用電波等の固定された周波数がノイズとな
って誤検出の原因になるのを防ぐことができ、検出精度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサ形計器用変圧器に本発明の検出方法
で用いる装置を接続した状態を概略的に示した構成図で
ある。
【図2】本発明の実施例で用いる周波数分析装置の構成
を示したブロック図である。
【図3】本発明の検出方法において接地線電流の検出信
号を周波数分析することにより得た周波数分布の一例を
示した線図である。
【図4】外来ノイズを含む接地線電流の周波数分布の一
例を示した線図である。
【図5】内部部分放電が発生している場合に、接地線電
流の標準化された周波数分布がとり得るパターンの範囲
を示した線図である。
【図6】内部部分放電が発生している場合のCVTの1
次電圧波形及び接地線電流の波形を概略的に示した波形
図である。
【図7】(A)及び(B)は外部気中放電が発生してい
る場合のCVTの1次電圧波形及び接地線電流波形を概
略的に示した波形図である。
【図8】従来の検出方法により内部部分放電を検出する
ために線路に結合コンデンサを接続した状態を示した回
路図である。
【図9】従来の検出方法で用いていた検出回路の構成を
示した回路図である。
【図10】ERA方により得られた楕円リサージュ図形
を示した波形図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ形計器用変圧器 10 タンク 11 碍子 C1 主コンデンサ C2 分圧コンデンサ Tr 変圧器 25 接地線 30 変流器 32 終端抵抗 33 周波数分析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 照行 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 中橋 昭雄 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ形計器用変圧器の接地線を流
    れる電流を検出する電流検出手段を設け、 前記電流検出手段の出力を周波数分析することにより求
    めた周波数分布から前記変圧器の内部で発生する内部部
    分放電を検出する方法において、 前記周波数分布の最大レベルを与える周波数を基準周波
    数として各周波数を該基準周波数に対する比で表し、該
    最大レベルを0デシベルとして各周波数成分のレベルを
    デシベル表示した場合の周波数分布を標準化された周波
    数分布とし、 前記内部部分放電が発生しているときに前記標準化され
    た周波数分布の包絡線がとり得るパターンの範囲を判定
    基準パターン範囲として予め求めておき、 設定されたサンプリング期間に前記電流検出手段の出力
    をサンプリングし、 サンプリングした結果を周波数分析することにより得た
    周波数分布から前記標準化された周波数分布を求めて該
    標準化された周波数分布の包絡線のパターンを部分放電
    検出用周波数分布パターンとし、 前記部分放電検出用周波数分布パターンが前記判定基準
    用パターン範囲に入るときに内部部分放電が発生してい
    ることを検出するコンデンサ形計器用変圧器の内部部分
    放電検出方法。
  2. 【請求項2】 サンプリングした結果を周波数分析する
    ことにより得た接地線電流の周波数分布から標準化され
    た周波数分布を求める際に、放送用電波等の予め分かっ
    ている外来電波の周波数についての成分データを削除す
    ることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ形計器
    用変圧器の内部部分放電検出方法。
JP11721893A 1993-05-19 1993-05-19 コンデンサ形計器用変圧器の内部部分放電検出方法 Withdrawn JPH06331684A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010130470A1 (de) * 2009-05-14 2010-11-18 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur identifizierung von verschmutzung und/oder betauung von bauelementen eines spannungszwischenkreis-umrichters
CN113376481A (zh) * 2015-08-26 2021-09-10 Avo公司 通过输入信号混叠的局部放电检测频带扩展

Cited By (3)

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