JPH063311A - 流体の熱伝導率の測定方法及び流体の状態の測定装置 - Google Patents

流体の熱伝導率の測定方法及び流体の状態の測定装置

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JPH063311A
JPH063311A JP4187531A JP18753192A JPH063311A JP H063311 A JPH063311 A JP H063311A JP 4187531 A JP4187531 A JP 4187531A JP 18753192 A JP18753192 A JP 18753192A JP H063311 A JPH063311 A JP H063311A
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靖彦 椎木
Tomoshige Hori
友繁 堀
Kensuke Ito
健介 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細線加熱法により各種流体の定常状態の測定
値を求め、該測定値と各種流体の熱伝導率との相関関係
から流体の熱伝導率を求める方法と装置で、簡便かつ現
場利用可能な技術を提供する。 【構成】 流体と熱的に接触し、発熱作用と自らの温度
の測温作用を有するセンサーを用いて、そのセンサー温
度と流体温度の温度差と、流体の熱伝導率との相関関係
を得たのち、該関係を利用して測定値から熱伝導率を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体と熱的に接触する
発熱センサーが発熱するときに、該発熱センサーの温度
と流体の温度差から流体の物性値を得られることを利用
した、流体の熱伝導率を計測する方法と装置に関するも
のである。例えば、各種流体の熱伝導率は各種工業にお
ける生産設備の管理項目であり、熱伝導率は流体の温度
や組成により変化するものであることから生産設備にお
ける測定は重要である。具体例として、重合反応におけ
るモノマーからポリマーへの変化などを熱伝導率の変化
などから計測可能であればラインでの反応制御を簡易に
することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、非定常細線法による流体の熱伝導
率を計測する手段として、例えば以下の手段があげられ
ている。 1.「流体の熱伝導率の高精度測定に関する研究」 長坂雄次、長島昭 日本機械学論文集47巻417号
(昭56−5)821−829頁 2.「流体の熱伝導率の高精度測定に関する研究」 長坂雄次、長島昭 日本機械学論文集47巻419号
(昭56−7)1323−1331頁 3.「熱物性ハンドブック」 日本熱物性学会編 1990.5.30 養賢堂発行 568−573頁
【0003】ここで、流体の熱伝導率の測定は非定常法
と定常法に分類され、発熱体を利用する細線加熱法にお
ける非定常法とは、発熱開始から発熱体温度の温度上昇
勾配が生じている状態を指し、時間に依存する加熱によ
って生じる温度変化を利用する方法であり、定常法とは
非定常状態を経過して経時的に温度が一定に安定する状
態を指し、時間に依存しない温度場を利用する方法であ
る。一般的に、定常法は被測定流体の温度上昇によって
生じる対流現象による対流伝熱の影響を受けやすく、こ
の影響を除去しなければならないのに対し、非定常法は
測定時間が短く対流発生を検出できるというメリットか
ら、専ら非定常法による熱伝導率の測定が行われてい
る。文献1、2はその代表的発表例であって、試料中に
鉛直に配置した金属細線に通電し、この時の細線の発熱
量と温度から熱伝導率を算出する方法を利用しており、
詳細に報告されている。 文献3は定常法、非定常法と
もに既知の例をあげて説明されている。特に本発明と関
係がある方法は同心円筒法という測定法に関する記載で
あるが、外筒と内筒のクリアランスに被測定流体を配置
し、中心部の発熱体で発熱しながら複数の熱電対を用い
て温度を計測する定常法を用いた測定方法である。その
他、特開平1−180444号、特開平3−17542
号が上げられる。特開平1−180444号は非定常細
線加熱法を用いた測定方法においてセンサーからの信号
を読み取るブリッジ回路での電気抵抗を要因とする測定
誤差について検討されたものである。特開平3−175
42号は非定常細線加熱法を用いて測定する場合の流体
の熱対流をおさえるため、温度上昇と電流通電時間の対
数との直線関係を得て熱伝導率を計測する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】文献にあげられる非定
常法による熱伝導率の測定方法は、細線加熱法という測
定技術を基本として紹介されているが、細線は測定制度
の向上のため直径が数ミクロンのものを使用している。
このため測定操作は試料を別個に用意し行われるもの
で、インラインに構成することは不可能である。このこ
とは文献3に紹介されている定常法でも言える。つま
り、流体の熱伝導率を生産現場においてインラインで測
定する構成や方法について従来は検討されていなかっ
た。また本発明でも利用する定常法について、文献に紹
介されているものは測定装置の構成が複雑であり、イン
ラインに配置することが困難なばかりでなく、インライ
ンに構成した場合の洗浄に対する対応性がないものであ
る。本発明と類似した文献の同心円筒法に用いられてい
る公知測定装置は温度計が複数個配置され、かつ試料温
度を均一にするため銀製のセルにするなど構成が複雑で
高価である。
【0005】特開平1−180444号及び特開平3−
17542号はどちらも非定常法を用いるもので、高度
の熱伝導率測定に関する出願である。基本的に本発明は
定常法を用いるためこれらの従来技術とは関係ないが、
非定常法を用いる場合の欠点として熱伝導率を得るため
に測定値の処理が必要であることがあげられる。特に特
開平1−180444号で示すように細線加熱法では抵
抗変化や温度変化、温度域など考慮すべき問題も残され
ている。また、これらの方法ではインラインでの測定装
置の配置は困難である。その原因は測定方法がバッチ処
理であること、測定装置が振動に弱い細線を用いるこ
と、測定装置自体が環境温度の温度変化の影響をうけや
すいことなどが原因となる。
【0006】本発明は細線加熱法における定常法を用い
て、対流による対流伝熱の影響の問題を解決し、かつ熱
伝導率と良好な相関関係にある指標値を得て、安価で生
産現場にインライン計測が可能な熱伝導率の測定方法と
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、流体の温度を計測すると共に、該流体中に配置し
た発熱作用を有し、かつ自らの温度を計測可能な発熱セ
ンサーの温度を計測して定常状態における両者の温度差
をもとめ、該温度差と流体の熱伝導率の相関関係から流
体の熱伝導率を求めるか、もしくは流体の温度と発熱セ
ンサーの温度を計測して定常状態における両者の温度差
が一定となるように発熱作用を制御した時の発熱センサ
ーの発熱量と流体の熱伝導率の相関関係を用いて流体の
熱伝導率を求める構成とした。そして、熱伝導率の被測
定流体が一定時間流動しないように構成した封鎖可能な
ライン内に発熱センサーを配置し、かつ、恒温設備によ
りライン内の被測定流体の温度変化を防止し、被測定流
体をラインに一定間隔で供給して被測定流体の熱伝導率
の変化を計測するようにした。また、被測定流体が一定
時間流動しないよう構成した封鎖可能なライン内に発熱
作用を有するとともに自らの温度を計測可能な発熱セン
サーを配置し、該発熱センサーが配置されるラインの一
部もしくは全部を恒温設備内に配置するか、または恒温
設備で被覆した流体の状態の測定装置を構成した。そし
て、ラインの内壁と発熱センサー外壁とのクリアランス
を、発熱センサーの発熱で生ずる被測定流体の対流によ
る対流伝熱の影響を受けない大きさに設定し、そのクリ
アランスを0. 8mm以下とした。なお、発熱センサー
の温度とは、センサーに内蔵する発熱体の温度でもよい
し、この温度とセンサーシースの条件などから算出され
るセンサー表面温度であってもよい。センサー表面温度
を求める方法は特開昭63−217261号にて本出願
人により提案されているが、熱伝達の分析によっても得
ることができる。また、恒温設備として恒温槽に供給さ
れる恒温液の温度コントロールを試料流体の温度と追従
するように構成しても構わない。そして恒温設備とはセ
ンサー配置ラインを二重管とし、外管側に恒温液を流動
させるものでもかまわない。さらに流体の温度とは、流
体温度を別のセンサーで計測されてもよいし、本発明に
利用する測温作用も有する発熱センサーの操作によって
計測してもよいし、また恒温設備に供給される恒温流体
温度でもよい。本発明の装置における場合、対流伝熱の
影響を消失させる方法としてセンサーとライン内径のク
リアランスが問題になるが、クリアランスが狭くなるほ
ど発熱センサーから流体への熱伝導の影響が大きくなり
流体温度を計測しづらくなるため恒温流体の温度を流体
温度とするように構成することが好ましい。この場合の
装置構成として計測ラインの材質について考慮すること
は、当業者の考察可能な範囲の問題である。
【0008】流体温度は他の素子を用いて測定してもよ
く、また恒温流体温度に代えてもよいが、発熱センサー
は発熱体を内蔵するセンサーであり、発熱作用を有する
とともに自らの温度計測が可能なセンサーであり、かつ
センサーへの電流制御により単なる測温素子として機能
させることも可能である。この電流操作による機能の変
換操作を行うことにより測温素子であるときは被測定流
体の温度を計測し、発熱センサーであるときは発熱セン
サーの温度を計測させることも可能である。本発明は被
測定流体の熱伝導率との指標値を、発熱センサー温度と
被測定流体の温度との温度差とすることを基本としてい
るが、最も簡易的には発熱センサー温度と恒温流体温度
の温度差を用いることでもかまわない。
【0009】また、本発明における装置として、センサ
ー直径とセンサーが配置されるラインの内径の間のクリ
アランスは測定において重要な影響を及ぼすもので、ク
リアランスが大きいと、定常状態における測定において
被測定流体に対流が生まれ、熱は対流伝熱と伝導伝熱に
より移動し、特に対流伝熱による熱の移動は熱伝導率の
測定に影響を与えて、測定を不可能にする。このクリア
ランスは小さいほどよいが、小さすぎるとセンサー加工
やライン加工の困難性が増大し、また被測定流体の入れ
替えにも時間を要することになるので許容範囲にあるか
ぎり大きい方がよいこととなる。なお、クリアランスが
いかに小さくても定常法を用いた測定において流動する
流体の熱伝導による対流が完全になくなるとはいえない
が、対流がおきてもクリアランスに対する相関係数が高
いところにおいて、対流伝熱が伝導伝熱に比較して無視
できるほど小さくなり、熱伝導率と指標値の間の相関関
係は高いものであることを本発明者は実験から発見し、
この関係を利用するのが本発明である。このクリアラン
スを決定する方法は大きく分けて2通りある。一つは、
流体の温度分布を計測しながら実験的に温度分布が一定
で対流が生じないことを確認する方法である。この場合
はセンサーごと、流体ごとに確認する必要があり、確実
性は高いが決定に時間を要するなどの欠点がある。温度
分布ができる場合は対流による対流伝熱の影響があるも
のと判断されるものである。2つめは、各センサー直径
においてクリアランスを変化させ、標準物質を用いて指
標値を得たのち、標準物質の熱伝導率と指標値との相関
係数を一般的方法で求めて、この相関係数の高い、測定
値を保証する範囲での直径及びクリアランスと該相関係
数を求めてクリアランスを決定する方法である。この相
関係数を利用する方法では測定対象である流体の粘性が
低い場合は相関係数の高いものからクリアランスを決定
し、流体の粘性が高い場合は相関係数の低いものでも決
定可能となる。そのほか流体の粘性が低くても、精度の
高さを求められない場合は相関係数の低いものを任意に
用いることも可能である。なお、記述のごとくセンサー
直径から解析によってクリアランスの設定が可能である
が、本出願人は3. 5mm以下のセンサーについて実験
からクリアランスを0. 8mm以下にすると試料におけ
る伝熱作用による対流が生じても対流伝熱の影響を無視
できる定常状態を維持出来ることを確認した。この確認
と、相関係数を比較すると、相関係数が0. 995以上
であればほぼクリアランスの決定に問題ないことがわか
った。従って、相関係数さえ求めておけば、いかなるセ
ンサー直径であっても、そのクリアランスを対流による
対流伝熱の影響を受けない範囲に決定することが可能で
ある。
【0010】
【作用】本発明の熱伝導率の測定は2つの測定目的に利
用される。一つは、標準状態における測定方法により各
種流体の熱伝導率と指標値の相関関係を求め、実ライン
でこの相関関係を利用してライン中の流体の熱伝導率を
測定する方法である。これはライン中の液体の判別にも
利用可能である。もう一つは、被測定流体の標準状態に
おける構造または成分組成変化を計測する場合と、被測
定流体のその時における熱伝導率を測定する場合があ
る。構造または成分組成変化を測定する場合は被測定流
体の温度を恒温流体によって一定の測定環境温度に制御
して計測し、その時の熱伝導率の変化から構造または成
分組成変化を推測する。後者の熱伝導率は、被測定流体
の温度変化による熱伝導率の変化を計測するもので、こ
の場合は恒温流体を流体温度に制御する必要がある。目
的に応じて恒温流体を制御する方法は既知の技術で解決
される。また、前記標準状態とは、温度298K、圧力
101KPaにおける状態を言い、この時の各種流体の
物性値は「熱物性ハンドブック」日本熱物性学会編(養
賢堂)を参照とする。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1に示
すように、センサー1を内蔵するライン2が恒温層3の
内部に設けてある。4、5はライン2に流入される被測
定液の入口と出口であり、入口4からポンプの圧力によ
ってライン2に被測定液が導かれ、一定流量通過後、先
ず出口5側の弁6が閉止し、後に入口4側の弁7が閉止
してライン2内の液の流動が停止するようになってい
る。なお、以上のように弁6、7を用いずに、例えば、
ステッピングモーターなどを利用してライン2に送液し
て、間欠的にライン2内に液を停止させる構成とするこ
ともできる。 また、センサー1は図示のように鉛直に
配置することが望ましい。これは被測定液内の気泡など
がセンサー1の表面に滞留するのを防止して被測定液の
均一性を保持させることにより、誤差を生じさせないよ
うにするためである。特にセンサー1が細い場合はライ
ン2の内壁とのクリアランスが小さく、被測定液を一定
以上の圧力で送液する必要が出てくるため、センサーに
圧力がかかり変形を生じやすくなる。このような場合
は、センサー1を鉛直に配置して被測定液の圧力がセン
サー軸方向にかかるようにした方が変形を防ぐことがで
きる。
【0012】図2に示すように、センサー1は発熱体1
0の周りを絶縁物質11で覆ったものであり、発熱体1
0の内部に埋設された発熱線(金属細線)12にリード
線13から電流が供給できる構成となっている。以上の
構成は基本的には特開昭64−44838号のセンサー
と同様である。そして、このようなセンサー1を配置さ
れたライン2の内部に配置し、リード線13から電流を
供給して発熱体10を発熱せしめると共に発熱線12の
抵抗値の変化からセンサー1の温度を測定する。そし
て、恒温層3に流動させた恒温水(例えば水)により一
定温度に保持してライン2内の被測定流体がセンサーの
発熱作用によって温度上昇するのを防止しながら定常状
態においてセンサー1と被測定流体の温度差から被測定
流体の熱伝導率を測定するものである。
【0013】ここで、発熱センサー1とライン2の内壁
とのクリアランスは、発熱センサー1の発熱によって温
度上昇した被測定流体が対流を生じて対流伝熱の影響を
与えないような大きさに設計する必要がある。クリアラ
ンスは基本的には、センサー1の直径とライン2の内径
により決定されるが、流体の粘性によっても大きく変化
し、粘性の高い流体であれば対流が起きづらいのでクリ
アランスを大きくすることができる。また、発熱センサ
ー1の発熱量による影響や、発熱センサー1の形状、発
熱センサー内部の発熱体12の長さなどもクリアランス
を決定するファクターである。
【0014】クリアランスの決定方法は実験的方法と相
関係数から決定する方法があるが、ここでは相関係数を
用いたクリアランスの決定例について記述する。図3は
センサー1の直径が各々1mm、1. 25mm、2. 5
mm、5mmの場合における相関係数を求めた結果を示
しており、図示のようにクリアランスが0. 8mm以下
のときに相関係数が0. 995以上となり、使用可能な
ものと判断できる。なお、精度を無視すれば、クリアラ
ンスが2mm程度でも可能であるが、対流伝熱による熱
の移動によって対流伝熱が影響を受けない範囲であるに
は、相関係数が0. 995以上となるようにクリアラン
スが0. 8mm以下であることが好ましい。
【0015】図4は、相関係数が0. 995、流体が
水、発熱量が一定の条件下において発熱センサー1の直
径と、クリアランスの関係を示したもので、センサー直
径によって設定可能な最大クリアランスを示している。
この図によると、相関係数0. 995を確保するには水
においてクリアランスを最大0. 8mmまでしか設定で
きないことが理解できる。なおこの図は直径が0. 35
mm以下のセンサーにおける平均的熱伝達の分析をベー
スとしており、相関係数0. 995においてセンサー直
径を変化させた場合のクリアランスの許容値を数値解析
で求めたものである。この図でも直径0.35mm以下
においては実験結果と一致しており、相関係数によるク
リアランス設定が問題ないことを示すものである。
【0016】ここで、図1のような装置において定常状
態で測定した温度差ΔθWと被測定流体の熱伝導率λと
は次式が成立することが分かっている。 ここで、Q:発熱量(W) L:発熱長(m) r2 :外筒内半径(m) r1 :内筒外半径(m) 従って、上式から熱伝導率λは温度差△θW によって求
められることが分かる。なお、該式から解るように、温
度差△θW と熱伝導率λの相関関係に代えて、発熱量Q
と熱伝導率λの相関関係により、熱伝導率λを求めるこ
とも可能である。この場合は温度差△θW が一定となる
ように制御して発熱量Qの変化と熱伝導率λの相関関係
を求めることになる。本実施例では温度差△θW と熱伝
導率λとの相関関係で説明する。図5、6は、図1のよ
うな装置において恒温層3で25℃に保ちながら定常状
態で測定したセンサー1の温度と被測定流体の温度との
差ΔθW と被測定流体の熱伝導率λとの関係を示したも
のである(図5と図6は軸の縮尺が異なり、図5は液体
部分、図6は気体部分を示すものである)。なお、図中
の各点は図7(表1)の各物質によって測定された温度
差ΔθWと熱伝導率λとの関係を示し、黒丸が実験測定
値であり、白丸が数値解析で求められる値を示す。図示
のごとく、数値解析の結果と実験の結果はよく一致して
おり、数値解析によって測定値を予測することが可能で
あることが分かる。
【0017】また、以上のように流体の熱伝導率λを対
流の生じない状態でかつ定常状態で計測するためには、
上述したようにクリアランスを所望の大きさに設定する
ことが大切である。そこで、対流が生じないか、もしく
は対流が生じても対流伝熱による熱の移動が熱伝導率の
測定に影響を与えないようなクリアランスに設定して実
験を行った測定の結果を表したのが図8(表2)であ
る。この結果をグラフで表したのが図9、10であり、
このような関係を予め調べておけば温度差ΔθS を計測
してライン内の流体の熱伝導率を求めることにより、被
測定流体がなんであるかを判定することが可能となる。
従って、種々の流体を断続的に変更してライン内に流動
させたような場合に、流体の種類を判定することができ
る。なお、熱伝導率が変化する特定な流体の熱伝導率測
定も可能であることは言うまでもないが、そのような場
合は流体の熱伝導率の変化と温度差ΔθSとの相関を別
個に求めておく必要がある。この場合は熱伝導率の変化
から、例えば流体の濃度変化や、構造または成分組成変
化を検出することも可能であるし、この熱伝導率の変化
を演算処理してラインの制御系に用いることも可能であ
る。具体例は示さないが、例えば濃度変化を熱伝導率の
変化として検出し、その変化度合からラインの流量制御
を行うことなどが考えられる。なお、この場合の熱伝導
率測定では目的に応じて恒温流体温度を一定としたり被
測定流体温度に制御したりすることは前述の通りであ
る。
【0018】なお、図9、10は温度差ΔθS と数値解
析で求めた熱伝導率λとの関係を示しているが、数値解
析で求めた熱伝導率と実測値の熱伝導率がほとんど一致
することは、先に図5、6に示した通りである。また、
以上の実施例における実験はセンサー直径1mm、クリ
アランス0. 25mm、発熱量20Wの条件で行ったも
のである。また、図8(表2)に示した測定値によって
熱伝導率λを求めるための回帰式を求めたところ、次の
ような式が得られた。 λ = 1/(A+B×△θW+C×△θW2+D×△θW
3) 係数A、B、C、Dの各値は以下の通りである。 A = −1. 0398 E1 B = 6. 1081 E−1 C = −6. 1724 E−3 D = 8. 2584 E−5
【0019】なお、対流が生じると対流伝熱による熱の
移動が熱伝導率の測定に影響を与えることとなるので、
そのような場合は図11、12に示されるように温度差
ΔθS と熱伝導率λの相関関係がバラツキを生ずること
から判定することができる。なお、図11は液体部分、
図12は気体部分を示すものである。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、インラインで流体の熱
伝導率を容易に測定することができるようになる。従っ
て、工程の管理が容易になる。また、恒温層で一定温度
に保ちながら測定するので、誤差が少なく、測定設備が
配置される場所の温度変化に影響されない正確な測定が
可能になる。特に、本発明のように温度差と熱伝導率の
関係から熱伝導率を得るようにすると、測定にあたって
複雑な数値処理や演算回路などが不必要であり、測定装
置自体を安価に構成することができる。しかも、従来の
定常法による測定装置に比較して構造が簡単であり、洗
浄やメンテナンスが容易である。従って実際の生産設備
に直接配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定装置の断面図
【図2】センサーの断面図
【図3】クリアランスと相関係数の関係を示すグラフ
【図4】発熱センサーの直径とクリアランスの関係を示
すグラフ
【図5】温度差と被測定流体の熱伝導率の関係を示すグ
ラフ
【図6】温度差と被測定流体の熱伝導率の関係を示すグ
ラフ
【図7】各物質の熱伝導率を示す表1
【図8】各物質の熱伝導率と温度差を示す表2
【図9】温度差と数値解析で求めた熱伝導率との関係を
示すグラフ
【図10】温度差と数値解析で求めた熱伝導率との関係
を示すグラフ
【図11】対流伝熱による熱の移動が熱伝導率の測定に
影響を与えた状態における温度差と被測定流体の熱伝導
率の関係を示すグラフ
【図12】対流伝熱による熱の移動が熱伝導率の測定に
影響を与えた状態における温度差と被測定流体の熱伝導
率の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 発熱センサー 3 恒温層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の温度を計測すると共に、該流体中
    に配置した発熱作用を有し、かつ自らの温度を計測可能
    な発熱センサーの温度を計測して定常状態における両者
    の温度差をもとめ、該温度差と流体の熱伝導率の相関関
    係から流体の熱伝導率を求める流体の熱伝導率の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 流体の温度を計測すると共に、該流体中
    に配置した発熱作用を有し、かつ自らの温度を計測可能
    な発熱センサーの温度を計測して定常状態における両者
    の温度差が一定となるように発熱作用を制御した時の発
    熱センサーの発熱量と流体の熱伝導率の相関関係を用い
    て流体の熱伝導率を求める流体の熱伝導率の測定方法。
  3. 【請求項3】 熱伝導率の被測定流体が一定時間流動し
    ないように構成した封鎖可能なライン内に発熱センサー
    を配置し、かつ、恒温設備によりライン内の被測定流体
    の温度を制御し、被測定流体をラインに一定間隔で供給
    して被測定流体の熱伝導率の変化を計測する請求項1ま
    たは2記載の流体の熱伝導率の測定方法。
  4. 【請求項4】 被測定流体が一定時間流動しないよう構
    成した封鎖可能なライン内に発熱作用を有するとともに
    自らの温度を計測可能な発熱センサーを配置し、該発熱
    センサーが配置されるラインの一部もしくは全部を恒温
    設備内に配置するか、または恒温設備で被覆した流体の
    状態の測定装置。
  5. 【請求項5】 ラインの内壁と発熱センサー外壁とのク
    リアランスを、発熱センサーの発熱で生ずる被測定流体
    の対流による対流伝熱の影響を受けない大きさに設定し
    た請求項4記載の流体の状態の測定装置。
  6. 【請求項6】 上記クリアランスを0. 8mm以下とし
    た請求項5記載の流体の状態の測定装置。
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