JPH063310Y2 - 冷温風送風装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、冷風と温風とを季節などに応じて適宜切換
えて送風することの可能な冷温風送風装置に関する。

（従来の技術） 近年、同一装置で室内に冷風と温風とを適宜切換えて送
風することができる冷温風送風装置が提供されている。

このような冷温送風装置の一般的な構造を第３図および
第４図に示し、１が筺体で、この筺体１の背面に吸入口
２が、前面に吹出口３がそれぞれ形成され、前記吸入口
２にエアフィルタ４が取付けられている。筺体１の内底
部には水槽５が設置され、また吸入口２の内側には該吸
入口２と対向して吸水フィルタユニット６がが配置さ
れ、この吸水フィルタユニット６の下端部が水槽５内に
挿入されている。この吸水フィルタユニット６は一対の
ローラ７．８間に無端状の吸水フィルタ９を掛け渡して
なり、前記一方のローラ７をモータ１０で駆動して吸水
フィルタ９を水槽５内の水中に順次浸漬させながら走行
させるようになっている。

吸入口２と吹出口３との間にはファンケーシング１４が
設けられ、このファンケーシング１４の内部にモータ１
５で駆動される送風用のファン１６が収納されている。
ファンケーシング１４の一端側の開口は吸気口１７、他
端側の開口は吐出口１８で、吐出口１８から前記吹出口
３に向って冷風路２０と温風路２１とが分岐するように
形成され、前記温風路２１内に例えば多数の通風空間を
有するハニカム状に構成されたセラミックヒータからな
るヒータユニット２２が設けられている。そしてこれら
冷風路２０と温風路２１との間にモータ（図示せず）に
より駆動される切換えダンパ２４が回動可能に設けら
れ、この切換えダンパ２４の動作で冷風路２０と温風路
２１とが交互に切換えられるように開閉され、またこの
切換えダンパ２４が冷風路２０を閉塞する動作に応じて
前記ヒータユニット２２が通電されるようになってい
る。

なお、２６は吹出口３に設けられたルーバ装置、２７が
このルーバ装置２６を駆動するモータである。

このように構成された冷温風送風装置の稼働時には、吸
水フィルタ９がローラ７．８間を無端走行し、この吸水
フィルタ９から水分が順次蒸発する。またファン１６の
回転により筺体１の外部の空気が吸入口２からエアフィ
ルタ４を通して吸入される。そしてこの空気が前記吸水
フィルタ９を通過し、この際に前記水分の蒸発による気
化潜熱で冷却されて冷風となり、この冷風が吸気口１７
を通してファンケーシング１４内に順次吸入される。

ここで夏期においては、第４図中実線で示すように切換
えタンパ２４により温風路２１が閉塞状態に、冷風路２
０が開放状態に保持され、したがってファンケーシング
１４の冷風は吐出口８からそのまま冷風路２０を通して
吹出口３に吹出されて室内冷房が図られる。

一方、冬期においては、第４図中鎖線で示すように切換
えタンパ２４の切換え動作により冷風路２０が閉塞状態
に、温風路２１が開放状態に保持され、またヒータユニ
ット２２が通電され、したがってファンケーシング１４
内の冷風つまり加湿空気は吐出口１８から温風路２１内
に送出される。そしてこの加湿空気がヒータユニット２
２を通過し、この間にヒータユニット２２により加熱さ
れて温風となり、この温風が吹出口３から順次吹出さ
れ、室内暖房が図られる。

（考案が解決しようとする課題） ところで、ファンケーシング１４から送出される風量は
大（強）であり、したがって冷風路２０を開放した場合
には吹出口３から大風量の冷風が吹出だされる点で好ま
しい。しかしながら冷風路２０を閉塞して温風路２１を
開放する状態に切換えた場合においては、ヒータユニッ
ト２２が通風の抵抗となるため、このヒータユニット２
２を空気が通過する際に大きな風切音が発生し、また圧
力損失が増大してファン１６のファンスリップによる異
常音が発生してしまう難点がある。

そこで第５図（ａ）に示すように、温風路２１の途中で
かつヒータユニット２２よりも風上側の部分において、
ファンケーシング１４の吸気口１７部分に連通するバイ
パス開口部３０を形成し、ファンケーシング１４の吐出
口１８から温風路２１内に送出された空気の一部を前記
バイパス開口部３０を通してファンケーシング１４内に
戻し、これによりヒータユニット２２を通過する風量を
減少させて風切音や異常音の発生を抑制する手段が考え
られている。

ところがこのような手段にあっては、第５図（ｂ）に示
すように、冷風路２０を開放しし、温風路２１を閉塞す
る状態に設定した際に、ファンケーシング１４の吸気口
１７部分の負圧により、筺体１の外部の温度が高くかつ
塵を含む空気が吹出口３からヒータユニット２２を通
り、さらにバイパス開口部３０を通してファンケーシン
グ１４内に流入し、この空気がエアフィルタ４および吸
水フィルタ９を通して吸入された冷風に混合し、この結
果、冷風路２０を通して冷風を送風する際にその温度が
上昇して冷却効果が低下し、またヒータユニット２２に
塵埃を含む空気が常時流通するため、このヒータユニッ
ト２２に塵埃が徐々に付着して堆積し、ついにはヒータ
ユニット２２に目詰りが生じてしまう難点がある。

この考案はこのような点に着目してなされたもので、そ
の目的とするところは、冷風路を開放して冷風を送風す
る際に冷却効果が低下したり、ヒータユニットに塵埃が
付着して目詰りを起すようなことがない冷温風送風装置
を提供することにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） この考案はこのような目的を達成するために、背面に吸
入口、前面に吹出口を有する筺体と、前記吸入口の内側
に設けられた吸水フィルタユニットと、前記筺体内に設
けられ一端部に吸気口、他端部に吐出口を有したファン
ケーシングと、このファンケーシング内に収納され回転
動作で筺体外の空気を前記吸水フィルタユニットを通し
て前記吸気口からファンケーシング内に吸入するファン
と、前記ファンケーシングの吐出口から前記吹出口に向
って分岐して設けられた冷風路および温風路と、これら
冷風路および温風路を交互に切換えて開閉する切換えダ
ンパと、前記温風路内に設けられたヒータユニットと、
前記温風路の途中で前記ヒータユニットよりも風上側の
部分に形成されて前記ファンケーシングの吸気口部分に
連通したバイパス開口部と、このバイパス開口部を開閉
するシャッタとを具備し、前記シャッタが前記切換えダ
ンパの動作に連動し該切換えダンパにより冷風路が閉塞
された際にバイパス開口部を開放し、冷風路が開放され
た際にバイパス開口部を閉塞するようにしたものであ
る。

（作用） このような構成においては、切換えタンパにより冷風路
を閉塞し、温風路を開放した状態ではバイパス開口部が
開放状態に保持され、この状態でファンケーシングの吐
出口から温風路内に空気が送出されると、この空気の一
部がバイパス開口部を通してファンケーシングの吸気口
部分に吸入され、したがってヒータユニットを通過する
風量が減少し、このためその通過に伴う風切音の発生
や、圧力損失の増大に伴うファンスリップによる異常音
の発生が抑制される。

一方、切換えタンパを切換えて冷風路を開放し、温風路
を閉塞した際には、切換えダンパに連動してシャッタが
動作し、この動作でバイパス開口部が閉塞される。した
がってファンケーシングの吐出口から送出された空気は
冷風路を通して吹出口から吹出される。このとき、バイ
パス開口部がシャッタにより閉塞されているから、筺体
の外部の空気がヒータユニットからバイパス開口部を通
してファンケーシング内に吸入されるようなことがな
く、このため冷風路を通して送風される冷風の温度が上
昇したり、ヒータユニットが塵埃で目詰りするようなこ
とがない。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について第１図および第２図
を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する部分
には同符号を付してその説明を省略する。

温風路２１をファンケーシング１４の吸気口１７部分に
連通させるバイパス開口部３０には、シャッタ３１が支
軸３２を介して回動自在に取付けられ、このシャッタ３
１の回動動作でバイパス開口部３０が開閉されるように
なっている。また冷風路２０と温風路２１との分岐部分
には連動レバー３３が支軸３４を介して回動自在に取付
けられ、この連動レバー３３の一端部と前記シャッタ３
１の一端部とが連動杆３５により連結され、これにより
連動レバー３３に連動してシャッタ３１が回動するよう
になっている。そして連動レバー３３はスプリング３７
を介して図中反時計方向、すなわちシャッタ３１がバイ
パス開口部３０を開放する方向に弾性的に付勢されてい
る。

一方、切換えダンパ２４にはその回動動作に応じて前記
連動レバー３３に当接する操作ピン３８が設けられてい
る。

このような構成においては、図中実線で示すように、切
換えタンパ２４により冷風路２０を閉塞し、温風路２１
を開放した状態ではバイパス開口部３０が開放状態に保
持され、この状態でファンケーシング１４の吐出口１８
から温風路２１内に空気が送出される。そしてこの空気
の一部がバイパス開口部３０を通してファンケーシング
１４の吸気口１７部分に吸入され、したがってヒータユ
ニット２２を通過する風量が減少し、このためその通過
に伴う風切音の発生や、圧力損失の増大に伴うファンス
リップによる異常音の発生が抑制され、静かな稼働を達
成できる。そして温風路２１内の空気の一部はファンケ
ーシング１４内に戻され、吹出口３側に排出されること
がないから、ヒータユニット２２を通過して吹出口３に
吹出される温風の温度が低下するようなことがない利点
がある。

一方、第２図に鎖線で示すように、切換えタンパ２４を
切換えて冷風路２０を開放し、温風路２１を閉塞した際
には、切換えダンパ２４の動作で操作ピン３８を介して
連動レバー３３がスプリング３７に抗して押圧され、こ
の押圧により連動レバー３３がシャッタ３１と一体的に
図中時計方向に回動し、この回動によりシャッタ３１を
介してバイパス開口部３０が閉塞される。したがってフ
ァンケーシング１４の吐出口１８から送出された空気は
冷風路２０を通して吹出口３から吹出される。このと
き、上述のようにバイパス開口部３０はシャッタ３１に
より閉塞されており、したがって筺体１の外部の空気が
ヒータユニット２２からバイパス開口部３０を通してフ
ァンケーシング１４内に吸入されるようなことがなく、
このため冷風路２０を通して送風される冷風の温度が上
昇したり、ヒータユニット２２が塵埃で目詰りするよう
なことがない。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、温風送風時にお
ける風切音やファンスリップによる異常音の発生を抑制
することができるとともに、冷風送風時における冷却効
果の低下やヒータユニットに対する目詰りの発生を防止
することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による冷温風送風装置の上
面から見た構成図、第２図はその要部を拡大した構成
図、第３図は従来の冷温風送風装置の側面から見た構成
図、第４図は同じく上面から見た構成図、第５図は同冷
温風送風装置の温風路にバイパス開口部を形成した状態
の構成図である。 １…筺体、２…吸入口、３…吹出口、６…吸水フィルタ
ユニット、１４…ファンケーシング、１６…ファン、１
７…吸気口、１８…吐出口、２０…冷風路、２１…温風
路、２２…ヒータユニット、２４…切換えダンパ、３０
…バイパス開口部、３１…シャッタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】背面に吸入口、前面に吹出口を有する筺体
   と、前記吸入口の内側に設けられた吸水フィルタユニッ
   トと、前記筺体内に設けられ一端部に吸気口、他端部に
   吐出口を有したファンケーシングと、このファンケーシ
   ング内に収納され回転動作で筺体外の空気を前記吸水フ
   ィルタユニットを通して前記吸気口からファンケーシン
   グ内に吸入するファンと、前記ファンケーシングの吐出
   口から前記吹出口に向って分岐して設けられた冷風路お
   よび温風路と、これら冷風路および温風路を交互に切換
   えて開閉する切換えダンパと、前記温風路内に設けられ
   たヒータユニットと、前記温風路の途中で前記ヒータユ
   ニットよりも風上側の部分に形成されて前記ファンケー
   シングの吸気口部分に連通したバイパス開口部と、この
   バイパス開口部を開閉するシャッタとを具備し、前記シ
   ャッタは前記切換えダンパの動作に連動し該切換えダン
   パにより冷風路が閉塞された際にバイパス開口部を開放
   し、冷風路が開放された際にバイパス開口部を閉塞する
   ことを特徴とする冷温風送風装置。