JPH0633108A - 酸化物分散強化耐熱合金焼結体の製法 - Google Patents
酸化物分散強化耐熱合金焼結体の製法Info
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- JPH0633108A JPH0633108A JP4193549A JP19354992A JPH0633108A JP H0633108 A JPH0633108 A JP H0633108A JP 4193549 A JP4193549 A JP 4193549A JP 19354992 A JP19354992 A JP 19354992A JP H0633108 A JPH0633108 A JP H0633108A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
- Chemically Coating (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化物分散強化耐熱合金粒子からなる粉末の
焼結において、金属カプセルを使用せずにHIP焼結す
ることによって略完全に緻密な焼結品が得られるように
する。 【構成】 実質的にCrからなる金属又はCrを主体と
する金属のマトリックス中に平均粒径0.1μm以下のY2
O3を0.2〜2.0重量%微細分散させた原料粉末に無電解
Niメッキ処理を行ない、原料粉末100重量部に対し
て、1〜5重量部のNiメッキを施し、Niメッキを施
した原料粉末から所定形状のグリーンコンパクトを形成
し、該コンパクトを焼結して完全緻密体に対して約94%
以上の相対密度を有する焼結体を形成し、得られた焼結
体をHIPする工程から構成される。
焼結において、金属カプセルを使用せずにHIP焼結す
ることによって略完全に緻密な焼結品が得られるように
する。 【構成】 実質的にCrからなる金属又はCrを主体と
する金属のマトリックス中に平均粒径0.1μm以下のY2
O3を0.2〜2.0重量%微細分散させた原料粉末に無電解
Niメッキ処理を行ない、原料粉末100重量部に対し
て、1〜5重量部のNiメッキを施し、Niメッキを施
した原料粉末から所定形状のグリーンコンパクトを形成
し、該コンパクトを焼結して完全緻密体に対して約94%
以上の相対密度を有する焼結体を形成し、得られた焼結
体をHIPする工程から構成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物分散耐熱合金粒
子からなる粉末の焼結に関し、特に複雑形状焼結体の製
造に好適な粉末焼結方法に関する。
子からなる粉末の焼結に関し、特に複雑形状焼結体の製
造に好適な粉末焼結方法に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】出願人は、以前に、高温におけ
る強度及び耐酸化性にすぐれた酸化物分散強化耐熱焼結
合金を提案した(特願平3−97000)。
る強度及び耐酸化性にすぐれた酸化物分散強化耐熱焼結
合金を提案した(特願平3−97000)。
【0003】この焼結合金は、実質的にCrからなる金
属又はCrを主体とする金属のマトリックス中に、平均
粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散させ
た原料粉末をメカニカルアロイング法によって調製し、
該原料粉末を適当な金属カプセルに充填した後、脱気密
封し、約1000〜1300℃の温度にて、約1000〜2000kgf/cm
2の圧力下で熱間静水圧処理(HIP)される。これは、
いわゆるカプセルHIP焼結法といわれるもので、この
カプセルHIP焼結によって、略完全に緻密な焼結品を
製造することができる。
属又はCrを主体とする金属のマトリックス中に、平均
粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散させ
た原料粉末をメカニカルアロイング法によって調製し、
該原料粉末を適当な金属カプセルに充填した後、脱気密
封し、約1000〜1300℃の温度にて、約1000〜2000kgf/cm
2の圧力下で熱間静水圧処理(HIP)される。これは、
いわゆるカプセルHIP焼結法といわれるもので、この
カプセルHIP焼結によって、略完全に緻密な焼結品を
製造することができる。
【0004】ウォーキングビーム式加熱炉用スキッドボ
タンの如きブロック形状の焼結品は、一般に、このカプ
セルHIP焼結によって製造されている。
タンの如きブロック形状の焼結品は、一般に、このカプ
セルHIP焼結によって製造されている。
【0005】しかし、例えばタービンブレードの如く、
複雑形状の製品を作る場合も、一旦HIPによって緻密
な焼結体ブロックを作製した後、機械加工によって所望
形状に切り出していた。このため、複雑形状の焼結品
は、材料歩留りが非常に悪く、製品コストが高くなる問
題があった。
複雑形状の製品を作る場合も、一旦HIPによって緻密
な焼結体ブロックを作製した後、機械加工によって所望
形状に切り出していた。このため、複雑形状の焼結品
は、材料歩留りが非常に悪く、製品コストが高くなる問
題があった。
【0006】複雑形状の焼結品も、このように焼結体ブ
ロックを形成してから切削等の機械加工を行なうのは、
カプセルHIP焼結の場合、複雑形状のカプセルを製作
することが非常に困難だからである。また、多大の工数
をかけて複雑形状のカプセルを製作しても、カプセル内
の全ての場所で均一密度になるように原料粉末を充填す
ることはできない。特にカプセルの隅部は、充填密度が
小さくなるため、HIP後の収縮量も多くなる。このた
め、カプセルの隅部については、その後の機械加工のた
めの加工しろを十分に考慮してカプセル設計せねばなら
ず、焼結体ブロックから切り出すのと実質的に変わらな
くなってしまう。
ロックを形成してから切削等の機械加工を行なうのは、
カプセルHIP焼結の場合、複雑形状のカプセルを製作
することが非常に困難だからである。また、多大の工数
をかけて複雑形状のカプセルを製作しても、カプセル内
の全ての場所で均一密度になるように原料粉末を充填す
ることはできない。特にカプセルの隅部は、充填密度が
小さくなるため、HIP後の収縮量も多くなる。このた
め、カプセルの隅部については、その後の機械加工のた
めの加工しろを十分に考慮してカプセル設計せねばなら
ず、焼結体ブロックから切り出すのと実質的に変わらな
くなってしまう。
【0007】一方、この酸化物分散耐熱合金粒子からな
る粉末の焼結をカプセルを使用せずに、プレス、鋳込
み、射出成形、冷間静水圧加圧(CIP)等によって所望
形状のグリーンコンパクトに形成した後、該コンパクト
を高温で焼結すると次のような問題があった。
る粉末の焼結をカプセルを使用せずに、プレス、鋳込
み、射出成形、冷間静水圧加圧(CIP)等によって所望
形状のグリーンコンパクトに形成した後、該コンパクト
を高温で焼結すると次のような問題があった。
【0008】上記焼結合金はCrを約70%以上含んでい
るから、融点は約1700℃以上もの高温になる。また、そ
の融点はCrの含有量が多くなるほど高くなる。緻密な
焼結体を得るには、原則として原料成分の融点近傍の温
度で焼結せねばならないが、このような高温で焼結する
と、金属マトリックス中に微細分散していた酸化物が金
属結晶の粒界に凝集し、強度が著しく低下する不都合が
あった。これでは、酸化物を均一に微細分散させて高温
圧縮強度を向上させる意味がない。
るから、融点は約1700℃以上もの高温になる。また、そ
の融点はCrの含有量が多くなるほど高くなる。緻密な
焼結体を得るには、原則として原料成分の融点近傍の温
度で焼結せねばならないが、このような高温で焼結する
と、金属マトリックス中に微細分散していた酸化物が金
属結晶の粒界に凝集し、強度が著しく低下する不都合が
あった。これでは、酸化物を均一に微細分散させて高温
圧縮強度を向上させる意味がない。
【0009】一方、Crを約70%以上含むグリーンコン
パクトを、酸化物の凝集を起こさない温度条件(約1500
℃以下)で焼結すると、焼結品の密度は完全緻密体の約7
5%程度にまでしか達しないため、所望の高温強度が得
られず、実用に供することはできない。焼結品の気孔を
消失させて、より緻密な構造とするためには、更に熱間
静水圧加圧(HIP)を行なえばよいが、HIP前の焼結
品の密度が完全緻密体の約94%以上なければ、HIPを
行なっても圧力がかからず、HIPによる密度向上効果
は殆んど期待できない。
パクトを、酸化物の凝集を起こさない温度条件(約1500
℃以下)で焼結すると、焼結品の密度は完全緻密体の約7
5%程度にまでしか達しないため、所望の高温強度が得
られず、実用に供することはできない。焼結品の気孔を
消失させて、より緻密な構造とするためには、更に熱間
静水圧加圧(HIP)を行なえばよいが、HIP前の焼結
品の密度が完全緻密体の約94%以上なければ、HIPを
行なっても圧力がかからず、HIPによる密度向上効果
は殆んど期待できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化物分散
耐熱合金粒子からなる粉末の焼結において、金属カプセ
ルを使用せず、かつ約1500℃よりも高温に加熱せずに緻
密な焼結品が得られる焼結法を提供することを目的とす
る。
耐熱合金粒子からなる粉末の焼結において、金属カプセ
ルを使用せず、かつ約1500℃よりも高温に加熱せずに緻
密な焼結品が得られる焼結法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的にCr
からなる金属又はCrを主体とする金属のマトリックス
中に、平均粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微
細分散させた原料粉末の焼結において、グリーンコンパ
クトを約1500℃以下の温度で焼結することによって、完
全緻密体の約94%以上の密度を有する焼結体を形成でき
るようにしたもので、この焼結体をさらにHIPするこ
とによって非常に緻密な焼結品が得られるようにしたも
のである。本発明の焼結法は、実質的にCrからなる金
属又はCrを主体とする金属のマトリックス中に、平均
粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散させ
た原料粉末に無電解Niメッキ処理を行ない、原料粉末
100重量部に対して、1〜5重量部のNiをメッキする
工程、Niメッキを施した原料粉末から所定形状のグリ
ーンコンパクトを形成する工程、該コンパクトを焼結す
る工程、得られた焼結体をHIPする工程を有してい
る。
からなる金属又はCrを主体とする金属のマトリックス
中に、平均粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微
細分散させた原料粉末の焼結において、グリーンコンパ
クトを約1500℃以下の温度で焼結することによって、完
全緻密体の約94%以上の密度を有する焼結体を形成でき
るようにしたもので、この焼結体をさらにHIPするこ
とによって非常に緻密な焼結品が得られるようにしたも
のである。本発明の焼結法は、実質的にCrからなる金
属又はCrを主体とする金属のマトリックス中に、平均
粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散させ
た原料粉末に無電解Niメッキ処理を行ない、原料粉末
100重量部に対して、1〜5重量部のNiをメッキする
工程、Niメッキを施した原料粉末から所定形状のグリ
ーンコンパクトを形成する工程、該コンパクトを焼結す
る工程、得られた焼結体をHIPする工程を有してい
る。
【0012】なお、グリーンコンパクトの焼結体は、完
全緻密体の約94%以上の密度を具備できるようにする。
その後のHIPによって、ほぼ完全に緻密な焼結体が得
られるようにするためである。
全緻密体の約94%以上の密度を具備できるようにする。
その後のHIPによって、ほぼ完全に緻密な焼結体が得
られるようにするためである。
【0013】金属は、実質的にCrからなる金属、又は
Fe20%以下を含み、残部実質的にCrからなる金属、
又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及びAl−Ti
から構成される群の中から選択される少なくとも一種を
合計量で10%以下含み、残部実質的にCrからなる金
属、又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及びAl−
Tiから構成される群の中から選択される少なくとも一
種を合計量で10%以下並びにFe20%以下を含み、残部
実質的にCrからなる金属である。なお、Al−Tiは
金属間化合物である。これら金属のマトリックスに、平
均粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散さ
せることにより、焼結製品として、1300℃を超える温度
域で使用した場合、高い圧縮変形抵抗性を有し、また酸
化性雰囲気において安定した酸化抵抗性を確保できる。
Fe20%以下を含み、残部実質的にCrからなる金属、
又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及びAl−Ti
から構成される群の中から選択される少なくとも一種を
合計量で10%以下含み、残部実質的にCrからなる金
属、又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及びAl−
Tiから構成される群の中から選択される少なくとも一
種を合計量で10%以下並びにFe20%以下を含み、残部
実質的にCrからなる金属である。なお、Al−Tiは
金属間化合物である。これら金属のマトリックスに、平
均粒径0.1μm以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散さ
せることにより、焼結製品として、1300℃を超える温度
域で使用した場合、高い圧縮変形抵抗性を有し、また酸
化性雰囲気において安定した酸化抵抗性を確保できる。
【0014】原料粉末の粒子にNiメッキを施すのは、
粒子界面での拡散を起こり易くして、焼結性を向上させ
るためである。しかし、Niメッキ量が原料粉末100重
量部に対して1重量部に満たないと、粒子界面での拡散
を起こり易くして焼結性を高めるという効果は期待でき
ない。一方、Niメッキ量が原料粉末100重量部に対し
て5重量部を超えると、焼結時にNiが母合金に十分固
溶されずに粒子界面に残存し、酸化物分散強化合金が本
来的に備える特性が損なわれ、高温における強度が低下
する。かかる理由から、酸化物分散強化粒子に施すNi
メッキの量は、原料粉末100重量部に対してNi1〜5
重量部とする。
粒子界面での拡散を起こり易くして、焼結性を向上させ
るためである。しかし、Niメッキ量が原料粉末100重
量部に対して1重量部に満たないと、粒子界面での拡散
を起こり易くして焼結性を高めるという効果は期待でき
ない。一方、Niメッキ量が原料粉末100重量部に対し
て5重量部を超えると、焼結時にNiが母合金に十分固
溶されずに粒子界面に残存し、酸化物分散強化合金が本
来的に備える特性が損なわれ、高温における強度が低下
する。かかる理由から、酸化物分散強化粒子に施すNi
メッキの量は、原料粉末100重量部に対してNi1〜5
重量部とする。
【0015】
【作用】原料粉末の粒子に、Niメッキを施しているか
ら、粒子界面で拡散が起こり易くなり、融点よりも低温
で相互拡散が起こり、焼結緻密化するものと考えられ
る。従って、Crを70%以上含有し、融点が約1700℃を
超える原料粉末であっても、約1500℃以下の温度での焼
結によって、完全緻密体の約94%以上の密度を備えた焼
結体を得ることができる。
ら、粒子界面で拡散が起こり易くなり、融点よりも低温
で相互拡散が起こり、焼結緻密化するものと考えられ
る。従って、Crを70%以上含有し、融点が約1700℃を
超える原料粉末であっても、約1500℃以下の温度での焼
結によって、完全緻密体の約94%以上の密度を備えた焼
結体を得ることができる。
【0016】この焼結体をHIPすることによって、気
孔が取り除かれ、ほぼ完全に緻密な構造に生成される。
孔が取り除かれ、ほぼ完全に緻密な構造に生成される。
【0017】
【実施例】Fe14%、Cr85%及びY2O31%の合金粒
子からなる供試原料粉末Aと、Fe4%、Cr95%及び
Y2O31%の合金粒子からなる供試原料粉末Bについ
て、無電解Niメッキの焼結性向上効果を調べた。
子からなる供試原料粉末Aと、Fe4%、Cr95%及び
Y2O31%の合金粒子からなる供試原料粉末Bについ
て、無電解Niメッキの焼結性向上効果を調べた。
【0018】原料粉末は、金属粉末とY2O3粉末をアト
ライター等の高エネルギーボールミルを用いることによ
り、メカニカルアロイング処理を施し、平均粒径10μm
以下の酸化物分散強化合金粒子に調製した。
ライター等の高エネルギーボールミルを用いることによ
り、メカニカルアロイング処理を施し、平均粒径10μm
以下の酸化物分散強化合金粒子に調製した。
【0019】次に、この原料粉末に無電解Niメッキを
施す。無電解法を採用するのは、処理品が粉末であるた
め、電解法でのメッキは実質的に不可能だからである。
なお、無電解Niメッキの前処理として、酸エッチング
によって合金粒子表面の酸化被膜を除去し、さらに酸洗
を行なう。Niの無電解メッキは、約90℃の温度に加熱
したメッキ浴槽の中に原料粉末を浸漬し、攪拌しながら
行なう。なお、合金粒子に施すNiメッキ量は、メッキ
液の濃度、原料粉末投入量及びメッキ処理時間によって
適宜調整することができる。供試原料粉末A及びBにつ
いて施した種々のNiメッキ量を表1に示す。供試No.
1〜No.5は供試原料粉末Aから調製したもので、供試N
o.6〜No.8は供試原料粉末Bから調製したものであ
る。なお、表1において、Niメッキ量とは、供試原料
粉末を100重量部としたときのNiの重量部を示してい
る。
施す。無電解法を採用するのは、処理品が粉末であるた
め、電解法でのメッキは実質的に不可能だからである。
なお、無電解Niメッキの前処理として、酸エッチング
によって合金粒子表面の酸化被膜を除去し、さらに酸洗
を行なう。Niの無電解メッキは、約90℃の温度に加熱
したメッキ浴槽の中に原料粉末を浸漬し、攪拌しながら
行なう。なお、合金粒子に施すNiメッキ量は、メッキ
液の濃度、原料粉末投入量及びメッキ処理時間によって
適宜調整することができる。供試原料粉末A及びBにつ
いて施した種々のNiメッキ量を表1に示す。供試No.
1〜No.5は供試原料粉末Aから調製したもので、供試N
o.6〜No.8は供試原料粉末Bから調製したものであ
る。なお、表1において、Niメッキ量とは、供試原料
粉末を100重量部としたときのNiの重量部を示してい
る。
【0020】供試材No.1〜No.8を、夫々、ゴム筒に充
填し、冷間静水圧加圧(CIP)に付し、加圧力1500kgf/
cm2、加圧時間1分の条件で成形し、グリーンコンパク
ト(直径30mm×長さ30mm)を作製した。
填し、冷間静水圧加圧(CIP)に付し、加圧力1500kgf/
cm2、加圧時間1分の条件で成形し、グリーンコンパク
ト(直径30mm×長さ30mm)を作製した。
【0021】次に、これらのグリーンコンパクトを、電
気炉のArとH2の雰囲気ガス中にて、温度1500℃、加
熱時間4時間の条件で焼結した。焼結体の表面に付着し
た酸化被膜を除去した後、アルキメデス法に基づいて密
度測定を行なった。なお、供試原料粉末A、Bとも、完
全緻密体の密度を7.2g/cm3とみなして、相対焼結密度を
算出した。算出結果は、表1中、「HIP前」の欄に示
す。
気炉のArとH2の雰囲気ガス中にて、温度1500℃、加
熱時間4時間の条件で焼結した。焼結体の表面に付着し
た酸化被膜を除去した後、アルキメデス法に基づいて密
度測定を行なった。なお、供試原料粉末A、Bとも、完
全緻密体の密度を7.2g/cm3とみなして、相対焼結密度を
算出した。算出結果は、表1中、「HIP前」の欄に示
す。
【0022】得られた各焼結体は、温度1250℃、加圧力
1200kgf/cm2、HIP時間2時間の条件にてHIPを行
なった。HIP後、前記と同じ要領にて密度測定を行な
った。HIP後の相対焼結密度の算出結果を表1に示
す。
1200kgf/cm2、HIP時間2時間の条件にてHIPを行
なった。HIP後、前記と同じ要領にて密度測定を行な
った。HIP後の相対焼結密度の算出結果を表1に示
す。
【0023】比較例として、Niメッキなしの供試材N
o.11及びNo.12を準備し、前記と同じ要領にて、グリー
ンコンパクトを作製し、その後、焼結及びHIPを行な
い、相対焼結密度を調べた。その結果を表1に示す。な
お、供試No.11は供試原料粉末Aから調製したもので、
供試No.12は供試原料粉末Bから調製したものである。
o.11及びNo.12を準備し、前記と同じ要領にて、グリー
ンコンパクトを作製し、その後、焼結及びHIPを行な
い、相対焼結密度を調べた。その結果を表1に示す。な
お、供試No.11は供試原料粉末Aから調製したもので、
供試No.12は供試原料粉末Bから調製したものである。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から明らかなように、供試原料
粉末100重量部に対して、1〜5重量部のNiをメッキ
した供試材(供試No.1〜No.8)は、HIP前の段階で、
既に完全緻密体の約94〜96%の緻密焼結体が得られてお
り、HIPすることによってほぼ完全に緻密な焼結品を
得られることがわかる。
粉末100重量部に対して、1〜5重量部のNiをメッキ
した供試材(供試No.1〜No.8)は、HIP前の段階で、
既に完全緻密体の約94〜96%の緻密焼結体が得られてお
り、HIPすることによってほぼ完全に緻密な焼結品を
得られることがわかる。
【0026】これに対し、供試No.11及びNo.12は、Ni
メッキを施していないため、HIP前の段階では、相対
密度が約75%程度の焼結体しか得られていない。この供
試材にHIPを行なっても、密度向上効果は殆んど認め
られない。
メッキを施していないため、HIP前の段階では、相対
密度が約75%程度の焼結体しか得られていない。この供
試材にHIPを行なっても、密度向上効果は殆んど認め
られない。
【0027】以上の結果から、Niメッキが、焼結性の
向上に極めて有効であり、融点よりもかなり低い温度で
焼結を行なっても、少なくとも約94%の相対密度を有す
る焼結体を得られることがわかる。
向上に極めて有効であり、融点よりもかなり低い温度で
焼結を行なっても、少なくとも約94%の相対密度を有す
る焼結体を得られることがわかる。
【0028】
【発明の効果】酸化物分散強化耐熱合金粉末のHIP焼
結を、カプセルを使用せずに行なうことができるから、
焼結すべき製品形状の自由度は大きい。従って、原料粉
末からほぼ任意形状の製品を成形してグリーンコンパク
トを作り、これを通常の焼結及びHIPを行なうだけ
で、非常に緻密な焼結品を得ることができる。高融点の
酸化物分散強化耐熱合金粉末から複雑形状の焼結品を作
る場合でも、カプセルの製作、緻密な焼結体ブロック形
成後の機械加工等は不要となるから、その経済的効果は
極めて大きい。
結を、カプセルを使用せずに行なうことができるから、
焼結すべき製品形状の自由度は大きい。従って、原料粉
末からほぼ任意形状の製品を成形してグリーンコンパク
トを作り、これを通常の焼結及びHIPを行なうだけ
で、非常に緻密な焼結品を得ることができる。高融点の
酸化物分散強化耐熱合金粉末から複雑形状の焼結品を作
る場合でも、カプセルの製作、緻密な焼結体ブロック形
成後の機械加工等は不要となるから、その経済的効果は
極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 27/06 C23C 18/31 A 18/32 (72)発明者 北川 貴宏 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 西 隆 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内
Claims (1)
- 【請求項1】 金属のマトリックス中に平均粒径0.1μm
以下のY2O3を0.2〜2.0重量%微細分散させた粒子から
なる原料粉末に無電解Niメッキ処理を行ない、原料粉
末100重量部に対してNi1〜5重量部をメッキする工
程、Niメッキを施した原料粉末から所定形状のグリー
ンコンパクトを形成する工程、該コンパクトを焼結する
工程、及び、得られた焼結体を熱間静水圧加圧する工程
を有しており、前記金属は、実質的にCrからなる金
属、又はFe20%以下を含み、残部実質的にCrからな
る金属、又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及びA
l−Tiから構成される群の中から選択される少なくと
も一種を合計量で10%以下含み、残部実質的にCrから
なる金属、又はAl、Mo、W、Nb、Ta、Hf及び
Al−Tiから構成される群の中から選択される少なく
とも一種を合計量で10%以下並びにFe20%以下を含
み、残部実質的にCrからなる金属である、酸化物分散
強化耐熱合金焼結体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4193549A JPH0633108A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 酸化物分散強化耐熱合金焼結体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4193549A JPH0633108A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 酸化物分散強化耐熱合金焼結体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633108A true JPH0633108A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16309913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4193549A Withdrawn JPH0633108A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 酸化物分散強化耐熱合金焼結体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0633108A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104419856A (zh) * | 2013-08-20 | 2015-03-18 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种铬基合金及其制造方法 |
CN104419858A (zh) * | 2013-08-20 | 2015-03-18 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种铬基合金及其制造方法 |
CN104419857A (zh) * | 2013-08-20 | 2015-03-18 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种铬基合金及其制造方法 |
-
1992
- 1992-07-21 JP JP4193549A patent/JPH0633108A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104419856A (zh) * | 2013-08-20 | 2015-03-18 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种铬基合金及其制造方法 |
CN104419858A (zh) * | 2013-08-20 | 2015-03-18 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种铬基合金及其制造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |