JP2744737B2 - Cr系耐熱合金粉末の焼結法 - Google Patents

Cr系耐熱合金粉末の焼結法

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JP2744737B2 JP4184817A JP18481792A JP2744737B2 JP 2744737 B2 JP2744737 B2 JP 2744737B2 JP 4184817 A JP4184817 A JP 4184817A JP 18481792 A JP18481792 A JP 18481792A JP 2744737 B2 JP2744737 B2 JP 2744737B2
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裕史 山本
貴宏 北川
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Cr系耐熱合金粉末の
焼結法、特に複雑形状品の製造に好適なCr系耐熱合金
粉末の焼結法に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】出願人は、以前に、高温におけ
る強度及び耐酸化性にすぐれ、かつ焼結欠陥の生じにく
い焼結材料として、Fe5〜50重量%を含有し、残部実
質的にCrからなるFe−Cr合金粒子の焼結体を提案
した(特願平1−80872)。
【0003】ところで、原料粉末を固化する方法とし
て、一般的には、プレス、鋳込み、射出成形、冷間静水
圧加圧(CIP)等によって所望形状のグリーンコンパク
トを形成し、該コンパクトを高温で焼結する方法が知ら
れている。
【0004】しかし、Crを約50%以上含むと、融点は
約1600℃以上もの高温になる。Crの含有量が多くなる
ほど、融点も高くなる。緻密な焼結体を得るには、原則
として原料成分の融点近傍の温度で焼結せねばならな
い。しかし、このための高温焼結設備は、経済的にも、
エネルギー消費量の点からも非常に不利であり、約16
00℃以上の温度での焼結は、実用的に不可能に近いと
いうのが現状である。
【0005】一方、Crを約50%以上含むグリーンコ
ンパクトを、鉄合金の一般的な焼結条件(約1500℃)によ
って焼結すると、焼結品の密度は完全緻密体の約80%程
度にまでしか達しないため、所望の高温強度が得られ
ず、実用に供することはできない。焼結品の気孔を消失
させて、より緻密な構造とするためには、更に熱間静水
圧加圧(HIP)を行なえばよいが、HIP前の焼結品の
密度が完全緻密体の約94%以上なければ、HIPを行な
っても圧力がかからず、HIPによる密度向上効果は殆
んど期待できない。
【0006】かかる理由から、Cr系耐熱合金粉末を焼
結する場合、原料粉末を金属カプセルに充填し、脱気密
封した後、HIPを行なう、いわゆるカプセルHIP焼
結法が広く採用されている。このカプセルHIP焼結に
よって、略完全に緻密な焼結品を製造することができ
る。
【0007】ウォーキングビーム式加熱炉用スキッドボ
タンの如きブロック形状の焼結品は、一般に、このカプ
セルHIP焼結によって製造されている。
【0008】ところが、例えばタービンブレードの如
く、複雑形状の製品を作る場合も、一旦HIPによって
緻密な焼結体ブロックを作製した後、機械加工によって
所望形状に切り出していた。このため、複雑形状の焼結
品は、材料歩留りが非常に悪く、製品コストが高くなる
問題があった。
【0009】複雑形状の焼結品も、このように焼結体ブ
ロックを形成してから切削等の機械加工を行なうのは、
カプセルHIP焼結の場合、複雑形状のカプセルを製作
することが非常に困難だからである。また、多大の工数
をかけて複雑形状のカプセルを製作しても、カプセル内
の全ての場所で均一密度になるように原料粉末を充填す
ることはできない。特にカプセルの隅部は、充填密度が
小さくなるため、HIP後の収縮量も多くなる。このた
め、カプセルの隅部については、その後の機械加工のた
めの加工しろを十分に考慮してカプセル設計せねばなら
ず、焼結体ブロックから切り出すのと実質的に変わらな
くなってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Cr系耐熱
合金粉末の焼結において、金属カプセルを使用せずにH
IP焼結することによって緻密な焼結品が得られる焼結
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe5〜50重
量%、残部実質的にCrからなるFe−Cr合金粉末の
焼結において、グリーンコンパクトを約1500℃の温度で
焼結することによって、完全緻密体の約94%以上の密度
を有する焼結体を形成できるようにしたもので、この焼
結体をさらにHIPすることによって非常に緻密な焼結
品が得られるようにしたものである。本発明の焼結法
は、Fe5〜50重量%、残部実質的にCrのFe−Cr
合金の粒子からなる原料粉末を調製する工程、該原料粉
末100重量部に対して、Fe、Ni、Co粉末の少なく
とも1種を合計量で1〜5重量部添加し混合する工程、
得られた混合物を所定形状のグリーンコンパクトに形成
する工程、該コンパクトを焼結する工程、得られた焼結
体を更にHIPする工程を有している。
【0012】なお、グリーンコンパクトの焼結体は、完
全緻密体の約94%以上の密度を具備できるようにする。
その後のHIPによって、ほぼ完全に緻密な焼結体が得
られるようにするためである。
【0013】Cr系耐熱合金の原料粉末として、Fe5
〜50重量%、残部実質的にCrからなるFe−Cr合金
粒子を使用するのは、1300℃を超える温度域での使用に
おいて、高い圧縮変形抵抗性を有し、また酸化性雰囲気
において安定した酸化抵抗性を確保できる材料だからで
ある。
【0014】Fe−Cr合金の原料粉末と、Fe、N
i、Co粉末の少なくとも1種とを略均一に混合する。
原料粉末の粒子間にFe等の微細粒子を介在させること
により、これら微細粒子が焼結の橋渡し的役割を発揮
し、原料粉末の焼結性が向上するからである。Fe、N
i、Co粉末の添加量が、原料粉末100重量部に対して
1重量部に満たないと、原料粉末の焼結性向上効果は期
待できない。一方、添加量が5重量部を超えると、焼結
時に添加粉末粒子が母合金に十分固溶されずに粒子界面
に残存し、Fe−Cr合金が本来的に備える特性が損な
われ、高温における強度が低下する。かかる理由から、
添加混合するFe、Ni、Coの粉末は、Fe−Cr合
金100重量部に対して1〜5重量部とする。
【0015】添加するFe、Ni、Co粉末の粒径は微
細であることが望ましく、少なくとも原料粉末よりも粒
径を小さくする必要がある。望ましい粒径サイズは、約
10μm以下である。
【0016】
【作用】原料粉末の合金粒子間に、Fe、Ni、Coの
1種又は2種以上の微細粒子が介在するから、原料粉末
の粒子界面で拡散が起こり易くなり、融点よりも低温で
相互拡散が起こり、焼結緻密化するものと考えられる。
従って、Crを50%以上含有し、融点が約1600℃を超え
る原料粉末であっても、約1500℃の温度での焼結によっ
て、完全緻密体の約94%以上の密度を備えた焼結体を得
ることができる。
【0017】この焼結体は、さらにHIPすることによ
って、気孔が取り除かれ、ほぼ完全に緻密な構造に生成
される。
【0018】
【実施例】Fe15%及びCr85%の合金粒子からなる供
試原料粉末Aと、Fe5%及びCr95%の合金粒子から
なる供試原料粉末Bについて、Fe、Ni、Coの少な
くとも1種の微細粉末添加による焼結性向上効果を調べ
た。
【0019】原料粉末は、Fe−Cr合金をアトライタ
ーで粉砕し、粒度20〜40μmに調製した。なお、アトラ
イターによってメカニカルアロイング効果を得る場合
は、Fe−Cr合金粉末に代えて、Fe粉末とCr粉末
の混合粉末を使用することもできる。
【0020】原料粉末に、Fe、Ni、Coの粉末少な
くとも1種加えて略均一に混合する。添加粉末は、粒子
径サイズ約2μm以下の純Fe、純Ni、純Co粉末を
用いた。混合方法は、ポリプロピレン製広口瓶に、Fe
−Cr合金粉末、及びFe、Ni、Coの粉末少なくと
も1種を入れ、更にWCボールを入れて密封した後、ボ
ールミルを行なってもよいし、Fe−Cr合金粉末と、
Fe、Ni、Coの粉末少なくとも1種とを、アトライ
ター等の高エネルギーボールミルによって混練してもよ
い。供試原料粉末A又はBと、Fe、Ni、Coの粉末
少なくとも1種添加して混合した種々の実施例を表1に
示す。供試No.1〜No.5は供試原料粉末Aと混合したも
ので、供試No.6〜No.8は供試原料粉末Bと混合したも
のである。なお、表1において、添加粉末の量は、供試
原料粉末を100重量部としたときの重量部を示してい
る。
【0021】供試材No.1〜No.8を、夫々、ゴム筒に充
填し、冷間静水圧加圧(CIP)に付し、加圧力1500気
圧、加圧時間1分の条件で成形し、グリーンコンパクト
(直径30mm×長さ30mm)を作製した。
【0022】次に、これらのグリーンコンパクトを、電
気炉のArとH2の雰囲気ガス中にて、温度1500℃、加
熱時間4時間の条件で焼結した。焼結体の表面に付着し
た酸化被膜を除去した後、アルキメデス法に基づいて密
度測定を行なった。なお、供試原料粉末A、Bとも、完
全緻密体の密度を7.2g/cm3とみなして、相対焼結密度を
算出した。算出結果は、表1中、「HIP前」の欄に示
す。
【0023】得られた各焼結体は、温度1250℃、加圧力
1200気圧、保持時間2時間の条件にてHIPを行なっ
た。HIP後、前記と同じ要領にて密度測定を行なっ
た。HIP後の相対焼結密度の算出結果を表1に示す。
【0024】比較例として、供試材No.11〜No.15を作製
した。供試材No.11とNo.15は、Fe、Ni、Co粉末の
いずれも含まない比較例、供試材No.12〜No.14は、F
e、Ni、Co粉末の添加量が本発明の規定量に達して
いない比較例である。これら比較例について、前記と同
じ要領にて、グリーンコンパクトを形成し、その後、焼
結及びHIPを行ない、相対焼結密度を調べた。その結
果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から明らかなように、供試原料
粉末100重量部に対して、Fe、Ni、Co粉末の少な
くとも1種を1〜5重量部添加混合した供試材(No.1〜
No.8)は、HIP前の段階で、既に完全緻密体の94〜9
6.4%の緻密焼結体が得られており、更にHIPするこ
とによってほぼ完全に緻密な焼結品を得られることがわ
かる。
【0027】これに対し、供試材No.11及びNo.15は、F
e、Ni、Co粉末を添加していないため、HIP前の
段階では、相対密度が約75%程度の焼結体しか得られて
いない。この供試材は更にHIPを行なっても、密度向
上効果は殆んど認められない。また、供試材No.12〜No.
14は、Fe、Ni、Co粉末の添加量が少ないため、約
85%程度の焼結体しか得られない。これらの焼結体に更
にHIPを行なっても、密度向上効果は不十分である。
【0028】以上の結果から、Fe−Cr合金の原料粉
末に、所定量のFe、Ni、Co粉末を少なくとも1種
混合することによって、焼結性が向上し、融点よりもか
なり低い温度で焼結を行なっても、少なくとも約94%の
相対密度を有する焼結体を得られることがわかる。
【0029】
【発明の効果】Cr系耐熱合金粉末のHIP焼結を、カ
プセルを使用せずに行なうことができるから、焼結すべ
き製品形状の自由度は大きい。従って、原料粉末からほ
ぼ任意形状の製品を成形してグリーンコンパクトを作
り、これを通常の焼結及びHIPを行なうだけで、非常
に緻密な焼結品を得ることができる。高融点のCr系耐
熱合金粉末から複雑形状の焼結品を作る場合でも、カプ
セルの製作、緻密な焼結体ブロック形成後の機械加工等
は不要となるから、その経済的効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/18 B22F 3/14 M (72)発明者 北川 貴宏 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会 社クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 西 隆 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社 クボタ尼崎工場内 (56)参考文献 特開 平2−258947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/04,33/02 B22F 1/00,3/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe5〜50重量%、残部実質的にCrか
    らなるFe−Cr合金を粒子とする原料粉末を調製する
    工程、該原料粉末100重量部に対して、Fe粉末、Ni
    粉末及びCo粉末からなる群から選択された少なくとも
    1種以上の粉末を合計量で1〜5重量部混合する工程、
    得られた混合物を所定形状のグリーンコンパクトに形成
    する工程、該コンパクトを焼結する工程、及び、得られ
    た焼結体を熱間静水圧加圧する工程、を有していること
    を特徴とするCr系耐熱合金粉末の焼結法。
JP4184817A 1992-07-13 1992-07-13 Cr系耐熱合金粉末の焼結法 Expired - Lifetime JP2744737B2 (ja)

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