JPH06330454A - 布帛の連続洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ランニングコストの経済的な布帛の連続洗浄
装置の提供。 【構成】 蛇行状に形成されかつ洗浄すべき布帛の厚さ
方向幅が狭まい細幅通路と、この細幅通路の布帛導出口
からオーバーフローされた洗浄水を上記細幅通路の布帛
導入口へ還元せしめるための還元路を設けた。 【効果】 連続的に移送する長尺布帛の効果的な洗浄
と、水資源の節約に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は連続的に走行させる長尺
布帛の洗浄を、水資源の節約の下で有効かつ連続的に行
ないうるように構成した布帛の連続洗浄装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】工業的に加工生産する長尺布帛の例えば
前処理、後処理、染色処理等の処理時においては必ず洗
浄工程が含まれており、これらの洗浄工程に使用される
布帛の連続処理装置には各種装置が開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、一般的な連
続洗浄装置は、洗浄液槽内に多数本のガイドロールを配
設せしめて、これらのガイドロールにより蛇行される布
帛を洗浄液と繰返し接触せしめて、液の置換すなわち洗
浄を行なっているものであるが、このような基本的な洗
浄装置では洗浄効率が低く多量の水量と時間を費やせね
ばならないものであった。そこで洗浄効率を高めるため
に、ガイドロールによりガイド移送される布帛に、多数
個設けたノズル孔から噴射される洗浄液圧を付与せしめ
て、布帛に付着されている不純物を強制的に脱落させる
ようにした種類の洗浄装置も多数開発されているが、か
かるノズル孔からの噴射圧を利用して洗浄を行なうもの
にあっては、その洗浄装置により洗浄すべき布帛が、例
えば絹布の如き薄手布帛であり、しかも目寄りを生じや
すいような布帛、あるいは編物の如き目曲りを生じやす
い布帛にあっては前記ノズル孔から噴射される洗浄液の
噴射圧力を受けて編物組成の変形、すなわち絹布にあっ
ては目寄りが、また編物にあっては目曲りが生じて品質
不良を起すという不具合が生じる。さらには、移送され
る布帛に向けて、多数のノズル孔から噴射される圧力噴
射液を吹きつける洗浄手段では、それらのノズル孔から
噴射される洗浄液を直接受ける部分と、間接的に受ける
部分とで洗浄効果が異って筋状の洗浄むら、すなわちた
て縞状の処理むらを生じるという不具合がある。また上
記のように多数のノズル孔から噴射される圧力噴射液を
布帛へ作用させる洗浄手段では、洗浄液を加圧するため
の加圧設備及びエネルギー源さらには多量の使用水量が
必要となり、経済性の点でも問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
問題点に着目してなされたもので、特に長尺である布帛
を連続的に、しかも使用水量を少量に抑制しながら、効
果的な洗浄を達成し得る布帛の連続洗浄装置を提供する
ことにある。

【０００５】本発明をさらに具体的に述べるならば、洗
浄すべき布帛を蛇行状に移送する細幅通路を構成し、さ
らにその細幅通路の布帛導出口側よりその布帛導入口側
に向けて洗浄水を還元せしめるための還元路を設けた洗
浄装置である。

【０００６】従ってこの洗浄装置によれば、洗浄すべき
布帛は、洗浄水が充満されている細幅通路内を走行する
ことで、その布帛と洗浄水との接触圧（接触抵抗）が高
められ、これによって布帛に付与される洗浄水の置換作
用が高められる。さらには細幅通路内に充満されている
洗浄水は、布帛の走行に伴なって、流れを生じるために
細幅通路全長に亘って均一な汚れとなる等のことで布帛
の洗浄効果が大である。

【０００７】また洗浄水は還流方式を採用していること
から僅かな清水を補充するだけで有効な洗浄が期待で
き、これにより水資源が大幅に節約できる等の特長があ
る。

【０００８】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【０００９】１は洗浄槽の下側槽、２はその上側槽であ
って、この上下一対の槽１，２の組合せによって上下に
蛇行される細幅通路３が形成される。この細幅通路３の
通路幅ａは、この細幅通路３内に充満されている洗浄水
と、この細幅通路３内を通過する布帛４との接触抵抗が
大となる間隙、例えば５〜１０ｃｍ程度が望ましい。

【００１０】また蛇行状に形成される細幅通路３の各曲
り角部には、布帛の円滑なる走行を行なうためのガイド
ロール５が配置されている。なおこの蛇行の数すなわ
ち、曲り角の数は、必要に応じて適宜設定することがで
きる。

【００１１】６及び７は、細幅通路３の布帛導入口及び
布帛導出口であって、上記上側槽２の上面には、布帛導
出口７よりオーバーフローされた洗浄水を布帛導入口６
へ還元せしめるための第１の還元路８と、布帛導出口７
からオーバーフローされた洗浄水を、細幅通路３の各上
側曲り角部を経て布帛導入口６へ還元せしめるための第
２の還元路９が形成されているものである。

【００１２】以上が本実施例の構成であるが、次にその
作用について述べる。

【００１３】上側槽２と、下側槽１とにより形成される
細幅かつ蛇行形の細幅通路３内に洗浄水（洗浄湯でも
可）を充満させる。そこでその細幅通路３内に洗浄すべ
き布帛４を、所定の速度で通過せしめる。

【００１４】この洗浄すべき布帛が細幅通路３内を所定
の速度で通過することによって、該布帛には、細幅通路
内で流通抵抗が大となっている洗浄水の水圧（水抵抗）
を受け、この水圧により、布帛に付着されている不純物
の脱落作用及び布帛に含まれている水分の置換作用が促
進され、これにより布帛の洗浄が効率よく行なわれる。

【００１５】またこの洗浄装置によれば、布帛導出口７
からオーバーフローされた洗浄水は、第１の還元路８及
び第２の還元路９を経て、布帛導入口６へ還元させて、
再使用する構造となしたことで洗浄水の放出量が抑制さ
れ、例えば僅かな補水量だけで有効な洗浄が達成できる
ので水資源の節約と経済性に優れた布帛の連続洗浄装置
が得られる。

【００１６】さらにこの洗浄装置では、洗浄水の還流動
作を、布帛の移走力に追従して行なわせるものであるか
ら、洗浄水をポンプアップさせる必要もなく、従って電
気的エネルギーの省力化と設備の簡素化が可能となり、
装置の経済性にも優れたものがある。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明は、洗浄すべき布帛
の厚さ方向の幅が小さく、しかも上下蛇行状に形成され
る細幅通路と、この細幅通路の内部を、洗浄すべき布帛
を通過せしめるガイド手段と、上記細幅通路の布帛導出
口からオーバーフローされた洗浄水を、細幅通路の布帛
導入口へ還元せしめるための還元路を有する布帛の連続
洗浄装置であるから、これによれば洗浄すべき布帛が細
幅通路３内を所定の速度で通過することによって、該布
帛には、細幅通路内で流通抵抗が大となっている洗浄水
の水圧（水抵抗）を受け、この水圧により、布帛に付着
されている不純物の脱落作用及び布帛に含まれている水
分の置換作用が促進され、これにより布帛の洗浄が効率
よく行なわれる。さらに本発明によれば還元路を経て、
布帛導出口からオーバーフローされた洗浄水が布帛導入
口を経て細幅通路内に還元されることから、水資源の節
約に役立ちランニングコストの安い洗浄装置が提供でき
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の洗浄装置の側面構造説明図。

【図２】本発明実施例の洗浄装置の平面構造説明図。

【符号の説明】

１…下側槽 ２…上側槽 ３…細幅通路 ４…布帛 ５…ガイドロール ６…布帛導入口 ７…布帛導出口 ８…第１の還元路 ９…第２の還元路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄すべき布帛の厚さ方向の幅が小さ
   く、しかも上下蛇行状に形成される細幅通路と、この細
   幅通路の内部を、洗浄すべき布帛を通過せしめるガイド
   手段と、上記細幅通路の布帛導出口からオーバーフロー
   された洗浄水を、細幅通路の布帛導入口へ還元せしめる
   ための還元路を有することを特徴とする布帛の連続洗浄
   装置。