JPH0632992A - 水性分散顔料組成物 - Google Patents

水性分散顔料組成物

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JPH0632992A
JPH0632992A JP4186943A JP18694392A JPH0632992A JP H0632992 A JPH0632992 A JP H0632992A JP 4186943 A JP4186943 A JP 4186943A JP 18694392 A JP18694392 A JP 18694392A JP H0632992 A JPH0632992 A JP H0632992A
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pigment
aqueous dispersion
water
acrylate
pigment composition
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JP4186943A
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English (en)
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Satoru Arata
悟 安良田
Yoshihiro Tsuri
義広 釣
Yumiko Watanabe
由美子 渡辺
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MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
Original Assignee
MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自己染着性にすぐれるため固着剤を用いなく
とも着色性にすぐれるとともに、ビルドアップ性にすぐ
れ、紙力増強剤などを添加したばあいでも色相の変化が
小さく、地合いがよく、着色の表裏差が小さく、セルロ
ース繊維への定着性がすぐれた水性分散顔料組成物を提
供すること。 【構成】 顔料、分散剤および水性媒体からなる水性分
散顔料組成物であって、分散剤が陽イオン性重合体を主
成分とするものであることを特徴とする水性分散顔料組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性分散顔料組成物に関
する。さらに詳しくは、紙、パルプ用着色剤、繊維用着
色剤、皮革用着色剤などとして好適に使用しうる水性分
散顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製紙用着色剤には、有機顔料、無
機顔料、体質顔料などの顔料を樹脂ワニス、陰イオン系
界面活性剤、非イオン系界面活性剤などで水に分散させ
て、水性分散顔料組成物としたものが用いられている。
【0003】しかしながら、これらの水性分散顔料組成
物は、一般にパルプに対する親和性が小さく、またAl
3+、Fe3+、固着剤などによって顔料粒子の表面の電荷
が中和され、機械的外力に弱いソフトフロックを紙(セ
ルロース繊維)上に形成することによって染色している
が、このようにソフトフロックを用いたばあいには、着
色紙の表裏で色相、濃度の差が生じ、ビルドアップ性が
おとるようになるので、濃色染色の際には染料を必ず用
いなければならなかった。また、これらのなかでも非イ
オン系界面活性剤を用いた水性分散顔料組成物のばあい
には、パルプへの着色濃度が低下したり、抄紙時に泡立
ちが生じるなどの問題があり、実用するのが困難であ
る。
【0004】さらに、カチオン性固着剤を用いた紙の染
色法が、特開平1-104898号公報に開示されているが、か
かるカチオン性固着剤を用いたばあいであっても、分散
能がおとったり、経時的にゲル化が生じ、着色力が低下
するなどの問題がある。
【0005】一方、ここ数年の傾向として、紙の品質の
向上、コストダウンおよび生産工程の合理化が厳しく要
求され、これに伴なう抄紙条件の変動に対応するため
に、エマルジョンサイズ剤、紙力増強剤などへの依存度
が高まってきている。
【0006】しかしながら、紙力増強剤を含めて歩溜向
上剤には、一般に凝集剤系のものが用いられているが、
このような凝集剤系のものを用いたばあいには、ハード
フロックを形成するため、その添加量によっては染色率
(定着率)が低下し、ばあいによっては色相変化をひき
起こし、しかも地合いを損なうなどの問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記水性分散顔料組成物に鑑みて鋭意研究を重ねた結
果、水性分散顔料組成物に分散剤として陽イオン性重合
体を配合したばあいには、驚くべきことに、自己染着性
にすぐれるため固着剤を用いなくとも着色性がすぐれる
とともに、ビルドアップ性がすぐれ、しかもエマルジョ
ンサイズ剤や、紙力増強剤を含めて歩溜向上剤を用いた
ばあいであってもすぐれた発色性、ビルドアップ性およ
び地合いが維持されるというまったく新しい事実を初め
て見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は顔
料、分散剤および水性媒体からなる水性分散顔料組成物
であって、分散剤が陽イオン性重合体を主成分とするも
のであることを特徴とする水性分散顔料組成物に関す
る。
【0009】
【作用および実施例】本発明の水性分散顔料組成物は、
前記したように、顔料、分散剤および水性媒体からな
り、分散剤として陽イオン性重合体を主成分とするもの
である。
【0010】本発明の水性分散顔料組成物に用いられる
顔料としては、各種有機顔料および無機顔料があげら
れ、該顔料の種類についてはとくに限定はないが、色の
鮮明性および着色性がすぐれるという点で有機顔料が好
ましい。
【0011】前記有機顔料としては、たとえばアセト酢
酸アリリード誘導体、β−ナフトール誘導体などから導
かれるモノアゾ顔料、β−オキシナフトエ酸染料などの
モノアゾ染料をレーキ化したレーキ顔料、ジスアゾ顔
料、縮合ジスアゾ顔料、イソインドリン誘導体、ナフタ
リンまたはペリレンテトラカルボン酸の誘導体、アント
ラキノン顔料、チオインジゴ誘導体、アゾメチン誘導
体、キナクリドン、ジオキサジン、ピラゾロキナゾロ
ン、フタロシアニン顔料、トリアリールメタン染料など
の塩基性染料をレーキ化したレーキ顔料などがあげら
れ、かかる有機顔料の具体例としては、たとえばピグメ
ント・イエロー1(C.I. 11680)、ピグメント・イエロ
ー3(C.I. 11710)、ピグメント・イエロー42(C.I.
77492)、ピグメント・イエロー74(C.I. 11741)、
ピグメント・イエロー83(C.I. 21108)、ピグメント
・イエロー106、ピグメント・イエロー108(C.I.
68240)、ピグメント・イエロー117、ピグメント・
イエロー126、ピグメント・イエロー139、ピグメ
ント・イエロー185、ピグメント・オレンジ5(C.I.
12075)、ピグメント・オレンジ67、ピグメント・レ
ッド3(C.I. 12120)、ピグメント・レッド48:1
(C.I. 15865:1)、ピグメント・レッド48:4(C.
I. 15865:4)、ピグメント・レッド101(C.I. 774
91)、ピグメント・レッド112(C.I. 12370)、ピグ
メント・レッド123(C.I. 71145)、ピグメント・レ
ッド169(C.I. 45160:2)、ピグメント・バイオレ
ット23(C.I. 51319)、ピグメント・バイオレット2
7(C.I. 42555:3)、ピグメント・ブルー1(C.I. 4
2595:2)、ピグメント・ブルー15:1(C.I. 7416
0)、ピグメント・ブルー15:3(C.I. 74160)、ピ
グメント・ブルー61(C.I. 42765:1)、ピグメント
・グリーン7(C.I. 74260)、ピグメント・グリーン3
6(C.I. 74265)などがあげられる。これらの有機顔料
のなかでは、ピグメント・レッド112、ピグメント・
バイオレット23、ピグメント・ブルー15:1、ピグ
メント・ブルー15:3、ピグメント・グリーン7が好
ましい。
【0012】前記無機顔料の代表例としては、たとえば
酸化鉄、フェリシアン化鉄、硫黄含有珪酸ナトリウムア
ルミニウム、二酸化チタン、カーボンブラックなどがあ
げられ、かかる無機顔料の具体例としては、たとえばピ
グメント・イエロー42(C.I. 77492)、ピグメント・
ホワイト6(C.I. 77891)、ピグメント・ブルー27
(C.I. 77510)、ピグメント・ブルー29(C.I. 7700
7)、ピグメント・ブラック7(C.I. 77266)などがあ
げられる。
【0013】前記顔料は、通常1種でまたは2種以上を
併用して用いられるが、かかる顔料の配合量は、水性分
散顔料組成物中に10〜70%(重量%、以下同様)、なか
んづく20〜50%含有されるように調整されることが好ま
しい。かかる顔料の配合量が10%未満のばあいには、着
色力がおとるようになり、えられる水性分散顔料組成物
の実用性が小さくなる傾向があり、また70%をこえるば
あいには、増粘やゲル化をひき起こし、えられる水性分
散顔料組成物の安定性が低くなって実用性が小さくなる
傾向がある。また前記顔料の平均粒子径は、通常0.1 〜
1μm、好ましくは0.1 〜0.3 μm程度であり、この程
度の平均粒子径のばあいには、凝集もなく、水性分散顔
料組成物中に該顔料は均一に分散される。
【0014】本発明の水性分散顔料組成物に用いられる
分散剤は、陽イオン性重合体を主成分とするものであ
る。
【0015】本発明において、前記陽イオン性重合体と
しては、たとえばアルキル(メタ)アクリレートおよび
一般式(I) :
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立し
て炭素数1〜6のアルキル基、R3 は水素原子またはメ
チル基、nは1〜6の整数を示す)で表わされるアミノ
基含有(メタ)アクリレートからなる共重合体が中和さ
れたものが好ましく用いられる。なお、前記一般式(I)
中のR1 およびR2 を示すアルキル基の炭素数は1〜3
であることが好ましく、nは1〜3の整数であることが
好ましい。
【0018】前記共重合体の重合成分である前記アルキ
ル(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえばメ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0019】また前記一般式(I) で表わされるアミノ基
含有(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえば
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレートなどがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0020】前記共重合体の各重合成分の使用割合はと
くに限定がないが、アルキル(メタ)アクリレートと一
般式(I) で表わされるアミノ基含有(メタ)アクリレー
トとの重量比が60/40〜90/10、なかんづく70/30〜80
/20であることが好ましい。一般式(I) で表わされるア
ミノ基含有(メタ)アクリレートの使用量が前記範囲の
下限値未満であるばあいには、えられる共重合体をたと
えば酸で中和して水溶性とすることができなくなる傾向
があり、また前記範囲の上限値をこえるばあいには、顔
料が分散されにくく、かつコストが高くなって実用性が
小さくなる傾向がある。
【0021】前記共重合体をうる方法としては、とくに
限定がなく、通常の重合法を採用することができるが、
たとえば還流温度を維持したアルコールに前記重合成分
と、たとえばアゾビスイソブチロニトリルや、ジターシ
ャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルパー
オキシベンゾエートなどの有機過酸化物などの重合開始
剤を添加したのち還流温度で4〜8時間程度保温して重
合を完結させる溶液重合法などがあげられる。このとき
用いられるアルコールはとくに限定がないが、たとえば
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n- ブタ
ノールなどがあげられる。
【0022】かくしてえられる共重合体は、後述する水
性媒体に不溶であるので、かかる共重合体に、たとえば
塩酸、ギ酸、酢酸、乳酸などの酸などを加えて中和して
該水性媒体に可溶となるようにする。このばあい、中和
率は80〜120 モル%、なかんづく90〜110 モル%である
ことが好ましい。かかる中和率が80モル%未満であるば
あいには、樹脂ワニスを希釈する際に白濁や分離が生じ
る傾向があり、また120 モル%をこえるばあいには、樹
脂ワニスが酸性になり容器類へ腐食を及ぼす傾向があ
る。なお、中和率が100 モル%であるとは、共重合体の
塩基性基1当量を中和するのに用いる酸が1当量である
ことをいう。このように中和された共重合体は中性付近
のpHを有するものである。
【0023】前記陽イオン性重合体の重量平均分子量は
10000 〜50000 、なかんづく20000〜30000 であること
が好ましい。かかる重量平均分子量が10000 未満である
ばあいには、顔料の分散性が不充分となる傾向があり、
また50000 をこえるばあいには、樹脂ワニスの粘度がい
ちじるしく高くなり水で希釈しにくく、かつ顔料分散体
が増粘し、ゲル化を起こす傾向がある。
【0024】本発明においては、分散剤として陽イオン
性重合体を単独で用いることができるが、さらに必要に
応じて前記陽イオン性重合体のほかに、分散剤にそのほ
かの成分を添加することができる。このような成分とし
ては、前記陽イオン性重合体と相溶するかまたは安定的
に均一に分散しうるものであればよく、かかる成分の具
体例としては、たとえばアミノ酸塩型、四級アンモニウ
ム塩型などのカチオン性界面活性剤、アミノ酸型、ベタ
イン型などの両性界面活性剤、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高
分子、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリベンジル
トリメチルアンモニウムクロリド、ポリ(1,2-ジエチル
-1,5)ビニルピリジニウムブロミド、ジシアンジアミド
などのカチオン性重合体などがあげられ、これらの成分
は、通常単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。かかる成分の配合量は、本発明の目的が阻害さ
れない範囲内で適宜調整すればよい。
【0025】前記分散剤の配合量は、前記顔料100 部
(重量部、以下同様)に対して5〜300 部、なかんづく
10〜200 部であることが好ましい。かかる配合量が5部
未満であるばあいには、えられる水性分散顔料組成物中
での顔料の分散安定性がわるくなる傾向があり、また30
0 部をこえるばあいには、えられる水性分散顔料組成物
の粘度が高くなりすぎてゲル化を起こしやすくなる傾向
がある。また前記分散剤の平均粒子径は0.1 〜1μm、
なかんづく0.1 〜0.3 μmであることが好ましい。
【0026】本発明の水性分散顔料組成物に用いられる
水性媒体は、水をはじめ、水を主体としたものがあげら
れる。前記水を主体としたものとしては、たとえば水に
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、プロピレングリコールなどの従来、水性分散顔料組
成物において凍結防止剤や乾燥防止剤などとして用いら
れている水溶性有機溶媒が配合されたものなどがあげら
れる。
【0027】前記水性媒体の配合量は、通常えられる水
性分散顔料組成物中における顔料の配合量に応じて調整
すればよい。
【0028】本発明の水性分散顔料組成物は、前記した
ように、顔料、分散剤および水性媒体からなるが、かか
る水性分散顔料組成物には、これらのほかにもベンゾト
リアゾール系などの防腐剤、無機系または有機系の増粘
剤などの各種添加剤が、必要に応じて本発明の目的を阻
害しない範囲で配合されていてもよい。
【0029】本発明の水性分散顔料組成物の製法は、と
くに限定されるものではないが、たとえばサンドグライ
ンダー、セントリミル、ダイノミル、ボールミル、ロー
ルミル、スピードラインミルなどの分散機を用いて前記
各成分を混合摩砕する方法などがあげられる。
【0030】かくしてえられる本発明の水性分散顔料組
成物は、紙、パルプ用着色剤として好適に使用すること
ができるが、そのほかにもたとえば水性インキ用着色剤
などとしても使用することができる。なお、該水性分散
顔料組成物を紙、パルプ用着色剤として用いるばあいに
は、該組成物を抄紙の際に添加してもよく、製造した抄
造紙上に塗布してもよい。
【0031】本発明の水性分散顔料組成物は、非常に低
粘度のものであるにもかかわらず、長時間保存したばあ
いであっても顔料粒子が凝集したり、沈降する現象がま
ったくみられない。このことは、基本的に微粒子化され
た顔料の表面に、分散剤の親油性部分が吸着され、その
結果、親水性部分がたがいに反発しあって顔料粒子同士
の凝集、沈降が抑制され、分散安定化されることに起因
するものと考えられる。
【0032】また染色時においては、従来の水性分散顔
料組成物は、陰イオン性であるため、Al3+やFe3+
固着剤とのあいだでイオンコンプレックスを生じやす
く、また歩溜向上剤などを添加したばあいには、ハード
フロックが形成され、セルロース繊維上に不均一な状態
として顔料が存在するため、顔料本来の発色性が損なわ
れ、ビルドアップ性や地合いに悪影響を及ぼす結果とな
っていた。
【0033】しかしながら、本発明の水性分散顔料組成
物は、陰イオン性であるセルロース繊維に対して自己染
着能を有していることから、前記従来の水性分散顔料組
成物のようにAl3+やFe3+と固着剤とのあいだでイオ
ンコンプレックスを起こしにくく、また歩溜向上剤など
の添加によるフロックも凝結作用によるハードフロック
ではなく、ソフトフロック程度であり、さらに均染性、
発色性にすぐれ、かつビルドアップ性にすぐれた染色を
可能とする。
【0034】すなわち、本発明の水性分散顔料組成物
は、陰イオン性界面活性剤が用いられた従来の水性分散
顔料組成物と比較すると、比較的短時間で顔料が速やか
にセルロース繊維に吸着され、自己染着性にすぐれるた
め固着剤を用いなくともすぐれた着色性、発色性を示
し、えられた着色紙の色相、濃度の表裏差が小さいもの
である。
【0035】つぎに本発明の水性分散顔料組成物を実施
例をあげて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例の
みに限定されるものではない。
【0036】製造例1 コンデンサー、チッ素導入管、滴下装置および撹拌機を
備えた反応器にエタノール100 部を仕込んで加熱し、還
流温度を維持した。
【0037】ついで、チッ素気流下でメチルメタクリレ
ート65部、ジメチルアミノエチルアクリレート35部およ
びアゾビスイソブチロニトリル2部を、3時間かけて前
記反応器内に滴下した、滴下終了後、前記還流温度で6
時間保温し、重合を完結させて共重合体をえた。かかる
共重合体の重量平均分子量は20000 であった。
【0038】続いて、前記反応器を内温50℃まで冷却
し、酢酸18部を加えて前記共重合体を中和し(中和率:
100 モル%)、水溶性樹脂ワニスをえた。
【0039】製造例2 製造例1で用いたものと同じ反応器にn- ブタノール10
0 部を仕込んで加熱し、還流温度を維持した。
【0040】ついで、チッ素気流下でブチルメタクリレ
ート48部、ブチルアクリレート40部、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート12部およびアゾビスイソブチロニト
リル2部を、3時間かけて前記反応器内に滴下した、滴
下終了後、前記還流温度で6時間保温し、重合を完結さ
せて共重合体をえた。かかる共重合体の重量平均分子量
は10000 であった。
【0041】続いて、前記反応器を内温50℃まで冷却
し、塩酸3部を加えて前記共重合体を中和し(中和率:
100 モル%)、水溶性樹脂ワニスをえた。
【0042】製造例3 製造例1で用いたものと同じ反応器にイソプロパノール
100 部を仕込んで加熱し、還流温度を維持した。
【0043】ついで、チッ素気流下で2-エチルヘキシル
メタクリレート30部、エチルアクリレート50部、ジエチ
ルアミノエチルアクリレート20部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1.5 部を、3時間かけて前記反応器内に滴
下した、滴下終了後、前記還流温度で6時間保温し、重
合を完結させて共重合体をえた。かかる共重合体の重量
平均分子量は15000 であった。
【0044】続いて、前記反応器を内温50℃まで冷却
し、乳酸13部を加えて前記共重合体を中和し(中和率:
100 モル%)、水溶性樹脂ワニスをえた。
【0045】実施例1 下記成分をサンドグラインダー((株)井上製作所製)
にて2時間分散処理し、製紙用水性分散顔料組成物をえ
た。
【0046】 成 分 (部) 酸化鉄 50 (平均粒子径:0.5 μm) 製造例1でえられた水溶性樹脂ワニス 10 エチレングリコール 5 水 35 実施例2 下記成分をサンドグラインダーにて3時間分散処理し、
製紙用水性分散顔料組成物をえた。
【0047】 成 分 (部) フタロシアニンブルー 15 (平均粒子径:0.2 μm) 製造例2でえられた水溶性樹脂ワニス 30 エチレングリコール 5 水 50 実施例3 下記成分をサンドグラインダーにて1時間分散処理し、
製紙用水性分散顔料組成物をえた。
【0048】 成 分 (部) ナフトールレッド 15 (平均粒子径:0.3 μm) 製造例3でえられた水溶性樹脂ワニス 20 エチレングリコール 5 水 60 比較例1 実施例1で用いた製造例1でえられた水溶性樹脂ワニス
10部のかわりに、スチレン- マレイン酸共重合体5部を
用い、水の使用量を40部にかえたほかは実施例1と同様
にして製紙用水性分散顔料組成物をえた。
【0049】比較例2 実施例2で用いた製造例2でえられた水溶性樹脂ワニス
20部のかわりに、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物2部を用い、水の使用量を78部にかえたほかは実施例
1と同様にして製紙用水性分散顔料組成物をえた。
【0050】比較例3 実施例3で用いた製造例3でえられた水溶性樹脂ワニス
20部のかわりに、10%水溶液のアクリルアミド- ジエチ
ルアミノエチレンアクリレート共重合体(重量比:20/
80、粘度:5000mP(20℃))20部を用いたほかは実施例
3と同様にして製紙用水性分散顔料組成物をえた。
【0051】実験例 実施例1〜3および比較例1〜3でえられた水性分散顔
料組成物を下記の方法にしたがって各種性能試験に供し
た。その結果を表1に示す。
【0052】(1)自己染着性試験 固形分3%のパルプスラリー(LBKP/NBKP=50
/50、csf=400cc)に、パルプ固形分換算で前記水
性分散顔料組成物5%を添加し、均一に分散させてパル
プスラリーをえた。このパルプスラリーを用いてTAP
PIスタンダードシートマシーン(東洋精機(株)製)
で坪量80g/m2 の紙を抄き、抄造紙をえた。
【0053】えられた抄造紙の染着性を以下の評価基準
に基づき目視により観察して評価した。
【0054】(評価基準) A:強く着色している。 B:やや強く着色している。 C:わずかに着色している。 D:着色していない。
【0055】(2)ビルドアップ性試験 固形分3%のパルプスラリー(LBKP/NBKP=50
/50、csf=400cc)に、パルプ固形分換算で前記水性
分散顔料組成物1、5、10または20%、エマルジョンサ
イズ剤(サイズパインN−700、荒川化学工業(株)
製)1.0 %および硫酸バンド 3.0%を添加し、均一に分
散させてpH4.5 のパルプスラリーをえた。このパルプ
スラリーを用いてTAPPIスタンダードシートマシー
ンで坪量80g/m2 の紙を抄き、マクベス濃度計RD−
918を用いて抄造紙の着色力を測定した。なお、表1
中の着色力は、マクベス濃度計の測定値を100 倍した数
値である。
【0056】(3)着色の表裏差試験 (2)のビルドアップ性試験と同様にして作製した抄造
紙について、測色色差計(ND−1001DP、日本電
色(株)製)を用いて色差を求めて着色の表裏差(色
差)を評価した。
【0057】(4)紙力増強剤の添加による色相安定性
試験 固形分3%のパルプスラリー(LBKP/NBKP=50
/50、csf=400cc)に、パルプ固形分換算で前記水性
分散顔料組成物5%、エマルジョンサイズ剤(サイズパ
インN−700、荒川化学工業(株)製)1.0 %、紙力
増強剤(ポリストロン117、荒川化学工業(株)製)
0.7 %および硫酸バンド 3.0%を添加し、均一に分散さ
せてpH4.5 のパルプスラリーをえた。このパルプスラ
リーを用いてTAPPIスタンダードシートマシーンで
坪量80g/m2 の紙を抄き、抄造紙をえた。
【0058】えられた抄造紙を、紙力増強剤を添加しな
かったほかは前記と同様にしてえられた抄造紙と比較
し、色相および濃度の変化を以下の評価基準に基づき目
視により観察して評価した。
【0059】(評価基準) A:変化なし。 B:わずかに着色力が低下する。 C:着色力が低下する。 D:いちじるしく着色力が低下する。
【0060】
【表1】
【0061】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1〜3でえられた本発明の水性分散顔料組成物を用
いた抄造紙は、自己染着性にすぐれているため固着剤を
用いなくとも充分に着色しており、ビルドアップ性にす
ぐれ、かつ紙力増強剤の添加による色相の変化がなく、
しかも着色の表裏差が小さくなっている。
【0062】したがって、実施例1〜3でえられた本発
明の水性分散顔料組成物は、セルロース繊維への定着性
が非常にすぐれたものであることがわかる。
【0063】
【発明の効果】本発明の水性分散顔料組成物は、自己染
着性にすぐれているため固着剤を用いなくとも着色性に
すぐれるとともに、ビルドアップ性にすぐれ、紙力増強
剤などを添加したばあいでも色相の変化がなく、しかも
地合いがよく、着色の表裏差も小さく、セルロース繊維
への定着性が非常にすぐれたものである。
【0064】したがって、本発明の水性分散顔料組成物
は、紙、パルプ用着色剤などとして好適に使用しうるも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/14 LHU 7921−4J C09C 3/10 PBZ 6904−4J C09D 7/12 PSM 7211−4J 17/00 PUJ 7415−4J D06M 15/267 D21H 19/44

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、分散剤および水性媒体からなる水
    性分散顔料組成物であって、分散剤が陽イオン性重合体
    を主成分とするものであることを特徴とする水性分散顔
    料組成物。
  2. 【請求項2】 陽イオン性重合体が、アルキル(メタ)
    アクリレートおよび一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して炭素数1〜
    6のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、nは
    1〜6の整数を示す)で表わされるアミノ基含有(メ
    タ)アクリレートからなる共重合体が中和されたもので
    ある請求項1記載の水性分散顔料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108570861A (zh) * 2018-06-15 2018-09-25 浙江圣山科纺有限公司 高光泽特亮铝银浆在户外布上的应用
CN116396641A (zh) * 2023-04-06 2023-07-07 浙江纳美新材料股份有限公司 一种水性阳离子色浆及其制备方法与应用

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