JPH06329623A - ビタミンa誘導体の製造法 - Google Patents

ビタミンa誘導体の製造法

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JPH06329623A
JPH06329623A JP6050302A JP5030294A JPH06329623A JP H06329623 A JPH06329623 A JP H06329623A JP 6050302 A JP6050302 A JP 6050302A JP 5030294 A JP5030294 A JP 5030294A JP H06329623 A JPH06329623 A JP H06329623A
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vitamin
reaction
methyl
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solvent
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JP6050302A
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English (en)
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Mitsutaka Tanaka
光孝 田中
Tadashi Hanaoka
正 花岡
Kunio Takanohashi
邦夫 高野橋
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C403/00Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone
    • C07C403/14Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by doubly-bound oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/16Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring the ring being unsaturated

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビタミンA誘導体の製造法の提供。 【構成】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1およびR2は同一または異なってアルキル基
を示す)で表される化合物を塩基の存在下、一般式(I
I): 【化2】 (式中、R3は炭化水素基を示す)で表される化合物と反
応させることを特徴とするビタミンA誘導体の製造法。 【効果】 ビタミンA誘導体、特に全トランス型のビタ
ミンA誘導体が、高収率、高純度かつ容易に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタミンA誘導体の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビタミンAは、下式で示される公知の化
合物である。
【0003】
【化4】
【0004】ビタミンAのアセテートまたはパルミテー
ト等のカルボン酸エステル誘導体は医薬、食品添加剤、
飼料添加剤などに広く使用されており、これらビタミン
A誘導体は従来より種々の方法で製造されている。この
うち、有機リンを用いるウィティヒおよびその関連反応
を用いるビタミンA誘導体の製造法としては以下の2法
が知られている。
【0005】
【化5】
【0006】(式中、Phはフェニル基、Xはハロゲンを
示す) [ピュア・アンド・アプライド・ケミストリー(Pure
Appl.Chem.)43,527(1975)]
【0007】
【化6】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のビタミンA誘導
体の製造法は次のような問題点を有している。上記の
方法はウィティヒ反応を利用するものであるが、副生成
物としてシス体、例えば式:
【0009】
【化7】
【0010】で表される9−シス−ビタミンA−アセテ
ートやトリフェニルホスフィンオキシドが多量に生成し
目的物の収量は低い。これらの副生成物の分離は操作が
繁雑かつ困難であり、特にトリフェニルホスフィンオキ
シドは非水溶性のため、生成したビタミンA−アセテー
トとの分離が極めて難しいといった欠点がある。上記
の方法はウィティヒ−ホーナー反応を用いるものである
が、この方法により直接ビタミンAのアセテートまたは
パルミテート等のビタミンAのカルボン酸エステルを製
造することはできない。これらのビタミンAのカルボン
酸エステルを得るには、上記の方法により得られたレ
チン酸メチルエステル等のレチン酸のアルキルエステル
を還元してビタミンAとし、次いでアシル化してビタミ
ンAのカルボン酸エステルとする方法が報告されている
[アンゲヴァンツェ・ヘミー(Angew.Chem.)72,81
1(1960)参照]。この方法は、レチン酸のアルキル
エステルを還元する還元剤が高価である事、一連の工程
が長く煩雑である事等により、工業的製造法としては適
当でない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)一般式
(I):
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1およびR2は同一または異なっ
てアルキル基を示す)で表される化合物を塩基の存在
下、一般式(II):
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R3は炭化水素基を示す)で表され
る化合物と反応させることを特徴とするビタミンA誘導
体の製造法、(2)R1およびR2が同一または異なって
低級アルキル基である上記(1)記載の製造法、(3)
3がアルキル基である上記(1)記載の製造法、
(4)R3がメチル基である上記(3)記載の製造法、
(5)R3がエチル基である上記(3)記載の製造法、
(6)R3がペンタデシル基である上記(3)記載の製
造法、(7)ビタミンA誘導体が全トランスの側鎖を有
する上記(1)記載の製造法、(8)ビタミンA誘導体
が一般式(III):
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R3は炭化水素基を示す)で表さ
れる化合物である上記(1)記載の製造法、(9)塩基
が有機アルカリ金属塩である上記(1)記載の製造法、
(10)塩基がアルコラートである上記(1)記載の製
造法、(11)アルコラートがC1-5アルコールおよび
アルカリ金属から得られる上記(10)記載の製造法、
(12)塩基の使用量が、一般式(I)で表される化合
物1モルに対して約1から3モルである上記(1)記載
の製造法、(13)一般式(II)で表される化合物の使
用量が、一般式(I)で表される化合物に対して約1か
ら2モルである上記(1)記載の製造法、(14)有機
溶媒中で反応を行う上記(1)記載の製造法、(15)
有機溶媒が、炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、ケ
トン類およびアミド類から選ばれる1または2以上の有
機溶媒である上記(14)記載の製造法、(16)有機
溶媒が炭化水素類およびエーテル類から選ばれる上記
(15)記載の製造法、(17)有機溶媒がトルエンま
たはジイソプロピルエーテルである上記(16)記載の
製造法、(18)非極性非プロトン溶媒と極性非プロト
ン溶媒との混合溶媒中で反応を行う上記(1)記載の製
造法、(19)極性非プロトン溶媒の誘電率が約20か
ら50である上記(18)記載の製造法、(20)極性
非プロトン溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドまたは
ヘキサメチルホスホリックトリアミドである上記(1
8)記載の製造法、(21)極性非プロトン溶媒の使用
量が溶媒全量に対して約5から50%(v/v)である上
記(18)記載の製造法、(22)−70℃から0℃の
反応温度で反応を行う上記(1)記載の製造法に関する
【0018】上記式中、R1またはR2で示されるアルキ
ル基としては、例えば直鎖または分枝状アルキル基があ
げられる。好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分枝状
の低級アルキル基である。具体例として、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等があげられ
る。さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖または分枝状
アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル)である。R3で示される炭化水素基としては、例えば
飽和または不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基があげ
られる。好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基等であ
る。さらに好ましくは炭素数1〜20のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ド
デシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘ
キサデシル、ヘプタデシルオ、クタデシル、ノナデシ
ル、エイコシル等)である。特に好ましくは、メチルま
たはペンタデシル基である。R3がメチル基の場合、ビ
タミンA−アセテートが製造される。R3がペンタデシ
ル基の場合、ビタミンA−パルミテートが製造される。
【0019】塩基としては、例えば水素化アルカリ金属
等の無機塩基、有機アルカリ金属塩(例、アルコール
類、スルフォキシド類等とアルカリ金属との塩)等の有
機塩基があげられる。このうち、有機アルカリ金属塩等
の有機塩基が好ましい。水素化アルカリ金属としては、
たとえば水素化ナトリウム、水素化カリウム等があげら
れる。有機アルカリ金属塩としては、アルコラート
(例、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム
等)、スルフォキシド類のアルカリ金属塩(例、ジムシル
ナトリウム、ジムシルカリウム等)等があげられる。さ
らに好ましくは、低級(炭素数1〜5)アルコールとアル
カリ金属とから得られるアルコラート(例、t−ブトキシ
ドナトリウム、t−ブトキシドカリウム等)である。塩基
の使用量は一般式(I)で示される化合物(以下、化合
物(I)と略記する)1モルに対し約1〜3モルの量が
好ましい。化合物(II)(以下、化合物(II)と略記す
る)の使用量は、化合物(I)1モルに対し約1〜2モ
ルの量が好ましい。
【0020】化合物(I)を塩基の存在下、化合物(I
I)と反応させる方法について以下に述べる。本反応は
有機溶媒中で行うのが好ましい。有機溶媒としては本反
応を阻害しないものであればよい。有機溶媒としては、
好ましくは非プロトン性溶媒が用いられる。該溶媒とし
ては、例えばヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼン,トル
エン等の炭化水素類、ジエチルエーテル,ジイソプロピ
ルエーテル,ジメトキシエタン,テトラヒドロフラン,ジ
オキサン等のエーテル類などの非極性非プロトン溶媒;
例えばアセトニトリル等のニトリル類、アセトン等のケ
トン類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチ
ルアセトアミド,N−メチルピロリドン,ヘキサメチルホ
スホリックトリアミド等のアミド類などの極性非プロト
ン溶媒等が挙げられる。好ましくは、ヘキサン,シクロ
ヘキサン,ベンゼン,トルエン等の炭化水素類、ジエチル
エーテル,ジイソプロピルエーテル,ジメトキシエタン,
テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類等の非
極性非プロトン溶媒である。特に好ましくは、トルエン
またはジイソプロピルエーテルである。これらは一種の
み、または二種以上を適当な割合で混合して用いる。
【0021】本反応は、上記の有機溶媒を二種以上混合
して用いる場合、例えば、非極性非プロトン溶媒と極性
非プロトン溶媒とを混合して行うとさらに有利に進行す
る。非極性プロトン溶媒は、好ましくは誘電率が10以
下である。極性非プロトン溶媒としては、好ましくは誘
電率が約15〜60のもの、さらに好ましくは誘電率が
約20〜50のものがあげられる。その具体例としては
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニト
リル等が挙げられる。このうち、N,N−ジメチルホル
ムアミドまたはヘキサメチルホスホリックトリアミドが
好ましい。好ましくは、トルエンまたはジイソプロピル
エーテルなどの非極性非プロトン溶媒とN,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの極性非プロトン溶媒の組み合わせ
である。極性非プロトン溶媒の使用量は、溶媒全量に対
し約5〜50%v/vである。好ましくは、約10〜25
%v/vである。反応温度は、約−95℃〜+20℃の範
囲内で行う。好ましくは約−70℃〜0℃である。本反
応は一般に低温で行うと収率が良い。また必要に応じ、
ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行
ってもよい。反応時間は特に限定されない。5分〜5時
間程度である。好ましくは5分〜2時間程度である。
【0022】本反応の方法において、化合物(I)、化
合物(II)および塩基を加える順序はいずれの方法を用
いてもよい。例えば、化合物(I)を有機溶媒に溶か
し、ついで低温下、化合物(II)および塩基を同時に添
加、または別々に添加する方法、または塩基を有機溶媒
に溶かし、低温下、化合物(I)および化合物(II)を
同時に、または別々に添加する方法などがあげられる。
化合物(I)、化合物(II)および塩基は、好ましくは
有機溶媒に溶かして用いる。本方法において好ましく
は、化合物(I)を有機溶媒に溶かし、低温下、化合物
(II)および塩基を同時に添加する。本発明の製造法で
製造されるビタミンA誘導体は、好ましくは全トランス
の側鎖を有する。以下、これら全トランスの側鎖を有す
るビタミンA誘導体を、「全トランス型」ということが
ある。全トランス型ビタミンA誘導体は、例えば一般式
(III):
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R3は上記と同意義)で表される。
本反応により得られるビタミンA誘導体は、自体公知の
手段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析晶出、
再結晶、クロマトグラフィー等によって単離、精製する
ことができる。例えば、反応終了後、反応液に水を加え
必要に応じ更に適当な有機溶媒(例、ジイソプロピルエ
ーテル、トルエン、n−ヘキサン、1,2−ジクロロエタ
ン、酢酸エチル、クロロホルム等)を加えてビタミンA
誘導体を抽出し、次いで水洗後得られた有機層を脱水し
溶媒を例えば低温で減圧留去する。本反応により得られ
るビタミンA誘導体は医薬、食品添加剤、飼料添加剤な
どに広く使用される。上記製造法において原料化合物で
ある化合物(I)は自体公知の方法に従って、下記に示
すようにβ−ヨノンより3工程で容易に製造することが
できる。
【0025】
【化12】
【0026】(式中、R'はC1-4アルキル基を示す) もう一方の原料化合物である化合物(II)は、例えば原
料化合物が4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−
1−アールである、すなわち化合物(II)においてR3
がメチル基である場合、自体公知の方法に従って、例え
ば下記に示すようにイソプレンより3工程で容易に製造
することができる。
【0027】
【化13】
【0028】化合物(II)において、R3が不飽和炭化
水素基である場合、上記の方法またはこれに準じた方法
に従って化合物(II)を製造することができる。また、
化合物(II)は下記に示すようにイソプレンから容易に
製造することができる。
【0029】
【化14】
【0030】例えば、まず、所望によりpH調整剤とし
ての強酸(例、硫酸等)の存在下、イソプレンに次亜ハ
ロゲン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
(例、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸マグネシウム
等)を反応させることによりイソプレンをハロヒドリン
化する。つぎに、得られたハロヒドリン体をアシル化し
た後、所望により転位反応に付して4−アシルオキシ−
2−メチル−1−ハロ−2−ブテンを得る。該反応は例
えば、所望により強酸(例、過塩素酸等)などの触媒の
存在下、該ハロヒドリン体にアシル化剤[例、酸無水物
(例、無水酢酸、プロピオン酸無水物等)、酸ハライド
(例、塩化パルミトイル等)等]を反応させることによ
り行うことができる。つぎに、得られたハロアシル体を
アシルオキシ化して4−アシルオキシ−2−メチル−2
−ブテン−1−オール カルボキシレートを得る。該ア
シルオキシ化は、例えば、所望によりハロゲン化テトラ
−n−アルキルアンモニウム(例、臭化テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム等)のような四級アンモニウム塩の存在
下、該ハロアシル体にカルボン酸の金属塩(例、ナトリ
ウム塩、カリウム塩等のようなアルカリ金属塩等)を反
応させることにより行うことができる。つぎに、得られ
たアシルオキシ体をアルコーリシスに付して4−アシル
オキシ−2−メチル−2−ブテン−1−オールを得る。
該アルコーリシスは、例えば、アルカリ金属炭酸塩
(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金
属炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウム等)のような触
媒の存在下、アルコール(例、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等)中で行うことができる。得られた
アルコール体を酸化反応に付して、4−アシルオキシ−
2−メチル−2−ブテン−1−アール、すなわち化合物
(II)を得る。該酸化反応は、N−オキシラジカル化合
物(例、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシ等)、塩化銅などのような触媒の存在下、反応系
中に空気または酸素を吹き込むことにより行うことがで
きる。
【0031】また、化合物(II)は、上記4−アシルオ
キシ−2−メチル−1−ハロ−2−ブテンおよびヘキサ
メチレンテトラミンから得られる四級アンモニウム塩
を、所望によりpH調整剤としての酸(例、酢酸等)の
存在下、水および水と均一に混合しない有機溶媒[例、
トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素類;1,2−ジ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジイソプロピ
ルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類
等]中で加水分解することにより製造することもでき
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 ビタミンAアセテートの製造法
【0033】
【化15】
【0034】3−メチル−5−(2,6,6−トリメチル
−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4−ペンタジエ
ニルホスホン酸ジエチルエステル10.0g(純度93.2
%,27.4ミリモル)をトルエン40mlに溶解し−45
℃に冷却した。粉末のt−ブトキシナトリウム5g(52
ミリモル)をトルエン20mlとN,N−ジメチルホルムア
ミド(以下、ジメチルホルムアミドと略記)20mlの混
液に溶解した溶液及び4−アセトキシ−2−メチル−2
−ブテン−1−アール5.0g(35.2ミリモル)をトル
エン40mlに溶解した溶液を、先の冷却した溶液へ−4
5℃で約20分で同時に滴下した。滴下後同温度で5分
間かきまぜた後水20mlを加え二層分離した。分取した
有機層を水120mlで2回洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ去した後、溶媒を減圧
下で留去すると黄色の固化物11.5gが得られた。この
固化物を下記の条件による高速液体クロマトグラフィー
で定量したところ生成したビタミンAアセテート(全ト
ランス型)の収率は92.0%であった。又各種異性体の
収率は11−シス体と13−シス体合わせて6.4%(生
成比は約2:1)、9−シス体1.0%であった。この固
化物にメタノール20mlを加えてかきまぜると結晶が析
出した。−20℃に冷却して約30分かきまぜた後、析
出した結晶をろ取した。減圧下乾燥すると淡黄色の結晶
8.3gが得られた。この結晶を日局(第11改正)ビタミ
ンA定量法第1法に従って定量したところ純度は97.
3%であった。さらにこの結晶中のビタミンAアセテー
ト及び各種異性体の重量を下記の条件による高速液体ク
ロマトグラフィーで測定したところ、ビタミンAアセテ
ート(全トランス型)は7.76g(収率86.2%)、11
−シス体と13−シス体合わせて0.26g(収率2.9
%)、9−シス体は0.04g(収率0.4%)であった。結
晶をろ取した母液を減圧下で濃縮乾固したところ黄色の
固化物2.6gが得られた。これを上記の高速液体クロマ
トグラフィーで同様に定量したところビタミンAアセテ
ート(全トランス型)0.53g(収率5.9%)、11−シ
ス体と13−シス体合わせて0.30g(収率3.3%)、
9−シス体0.03g(収率0.3%)が検出された。 カラム:ヌクレオジル 50−5 φ4.6×250nm 溶離液:ヘキサン−エーテル 50:1(v/v) 流 速:0.8ml/分 検 出:UV310nm
【0035】実施例2 ビタミンAアセテートの製造法 チッ素ガスで置換した300mlのフラスコに3−メチル
−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチル
エステル8.0g(純度93.4%,21.95ミリモル)を
入れ、ジイソプロピルエーテル160mlで溶解し、−6
5℃に冷却した。これにt−ブトキシカリウム4.0g(3
5.65ミリモル)をジイソプロピルエーテル20mlとジ
メチルホルムアミド8mlとの混液に溶解した溶液を−6
5℃に保ちながら約15分で滴下した。さらに1〜2分
後、4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−ア
ール4.0g(28.14ミリモル)をジイソプロピルエー
テル20mlに溶解した溶液を約15分で滴下した。滴下
終了後同温度で5分間撹拌した後、反応液に水200ml
を加え、有機層を分離した。さらに水層をジイソプロピ
ルエーテル40mlで抽出した。この抽出物と上記の有機
層とを合せ、水洗した後無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。硫酸ナトリウムをろ去した後、溶媒を減圧下留去す
ると黄色の油状物8.1gが得られた。この油状物を実施
例1の方法に準じて高速液体クロマトグラフィーで定量
したところ、生成したビタミンAアセテート(全トラン
ス型)の収率は83.2%であった。又各種異性体の収率
は各々、11−シス体と13−シス体合わせて6.9
%、9−シス体は1.3%であった。
【0036】実施例3 ビタミンAアセテートの製造法 チッ素ガスで置換した300mlのフラスコに3−メチル
−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチル
エステル2.0g(5.87ミリモル)、3−メチル−5−
(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジメチルエステ
ル2.6g(8.32ミリモル)および3−メチル−5−
(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イ
ル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸メチルエステル
4.3g(13.17ミリモル)をトルエン40mlに溶解
し、−45℃に冷却した。粉末のt−ブトキシナトリウ
ム5g(52ミリモル)をトルエン20mlとジメチルホル
ムアミド20mlの混液に溶解した溶液及び4−アセトキ
シ−2−メチル−2−ブテン−1−アール5.0g(35.
2ミリモル)をトルエン40mlに溶解した溶液を先の冷
却した溶液に−45℃で約25分で同時に滴下した。以
後実施例1の方法と同様に処理したところ固化物11.
3gが得られた。固化物について実施例1に記載の方法
で生成したビタミンAアセテート(全トランス型)の収率
を求めたところ91.4%であった。又各種異性体の収
率は11−シス体と13−シス体合わせて6.0%、9
−シス体1.3%であった。
【0037】実施例4 ビタミンAアセテートの製造法 チッ素ガスで置換した300mlのフラスコに3−メチル
−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチル
エステル10g(純度93.2%,27.4ミリモル)を入
れ、トルエン40mlで溶解し−45℃に冷却した。t−
ブトキシナトリウム7.5g(78.0ミリモル)をトルエ
ン75mlとジメチルホルムアミド45mlとの混液に溶解
した溶液及び4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン
−1−アール5.0g(35.2ミリモル)をトルエン40m
lに溶解した溶液を同時に上記の−45℃に冷却した溶
液へ約25分で滴下した。滴下後5分間−45℃で撹拌
した後水45mlを加えた。有機層を分離しさらに水20
0mlで2回洗浄した。減圧下で溶媒を留去すると黄色の
固体10.3gが得られた。この固体を実施例1の方法に
準じて高速液体クロマトグラフィーで定量したところ、
ビタミンAアセテート(全トランス型)の収率は90.2
%であった。又、各異性体の収率は各々11−シス体と
13−シス体合わせて7.0%、9−シス体は1.0%で
あった。
【0038】実施例5 ビタミンAアセテートの製造法 チッ素ガスで置換した300mlのフラスコに3−メチル
−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチル
エステル10g(純度93.2%,27.4ミリモル)を入
れ、ジイソプロピルエーテル40mlで溶解し−45℃に
冷却した。t−ブトキシナトリウム7.5g(78.0ミリ
モル)をジイソプロピルエーテル75mlとジメチルホル
ムアミド45mlとの混液に溶解した溶液及び4−アセト
キシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール5.0g(3
5.2ミリモル)をジイソプロピルエーテル40mlに溶解
した溶液を同時に上記の冷却した溶液へ約25分で滴下
した。滴下後5分間−45℃で撹拌した後水45mlを加
えた。有機層を分取しさらに水200mlで2回洗浄し
た。減圧下で溶媒を留去すると黄色の固体10.1gが得
られた。この固体を実施例1の方法に準じ高速液体クロ
マトグラフィーで定量したところ、ビタミンAアセテー
ト(全トランス型)の収率は85.0%であった。又、各
異性体の収率は各々11−シス体と13−シス体合わせ
て6.5%、9−シス体は1.3%であった。
【0039】実施例6 ビタミンAアセテートの製造法 窒素ガスで置換した300mlのフラスコに3−メチル−
5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1
−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチルエ
ステル8.0g(純度93.4%,21.95ミリモル)を入
れ、テトラヒドロフラン160mlで溶解し、−65℃に
冷却した。t−ブトキシカリウム4.0g(35.65ミリ
モル)をテトラヒドロフラン20mlに溶解した。一方4
−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール
4.0g(28.14ミリモル)をテトラヒドロフラン20m
lに溶解した。次に、先に用意した冷却したホスホン酸
ジエステル溶液に、−65℃を保ちながら、上記のt−
ブトキシカリウム溶液を約15分で滴下した。一方上記
の4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アー
ル溶液を該t−ブトキシカリウム溶液の滴下開始1〜2
分後から滴下し始め、−65℃を保ちながら約15分か
けて滴下した。滴下終了後同温度で5分間撹拌後、水を
加え、さらにヘキサン160mlを加えて静置した。有機
層を分離し、水層をヘキサン40mlで抽出した。この抽
出物と有機層を合わせ水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。硫酸ナトリウムをろ去した後、減圧下で溶媒
を留去すると黄色の油状物8.2gが得られた。これを実
施例1の方法に準じて高速液体クロマトグラフィーによ
り定量したところ、生成したビタミンAアセテート(全
トランス型)の収率は80.4%であった。また、各種の
異性体の収率は各々、11−シス体及び13−シス体を
合わせて5.6%、9−シス体1.6%であった。
【0040】実施例7 ビタミンAアセテートの製造法 窒素ガスで置換した300mlのフラスコにジイソプロピ
ルエーテル200mlを入れ、これにt−ブトキシカリウ
ム5.0g(44.56ミリモル)を加え撹拌し−40〜−
50℃に冷却した。これに3−メチル−5−(2,6,6
−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4
−ペンタジエニルホスホン酸ジエチルエステル10.0g
(純度93.6%,27.50ミリモル)をジイソプロピル
エーテル25mlに溶解した溶液を−40〜−50℃を保
ちながら約30分で滴下した。次に、この溶液に4−ア
セトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール5.0g
(35.17ミリモル)をジイソプロピルエーテル25ml
に溶解した溶液を−40〜−50℃を保ちながら約30
分で滴下後更に同温度で30分間撹拌した。反応終了
後、水を加えて、静置した。有機層を分離し、水層をジ
イソプロピルエーテル50mlで抽出した。この抽出物と
有機層を合わせ水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。硫酸ナトリウムをろ去した後、溶媒を留去すると
黄色の油状物9.3gが得られた。これを実施例1の方法
に準じて高速液体クロマトグラフィーにより定量したと
ころ、生成したビタミンAアセテート(全トランス型)の
収率は78.4%であった。更に各種の異性体の収率は
各々、11−シス体および13−シス体を合わせて7.
9%、9−シス体2.9%であった。
【0041】実施例8 ビタミンAアセテートの製造法 窒素ガスで置換した200mlのフラスコに60重量%水
素化ナトリウム1.18g(29.5ミリモル)を入れ、n−
ヘキサン5mlで3回洗浄した。次にジメチルスルホキシ
ド15mlを加え、65℃で45分間撹拌してジムシルナ
トリウムを得た。冷却後テトラヒドロフランを50mlを
加えた後−50〜−70℃に冷却した。次に3−メチル
−5−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2,4−ペンタジエニルホスホン酸ジエチル
エステル5.0g(純度93.6%,13.75ミリモル)を
テトラヒドロフラン50mlに溶解しこの溶液を先のジム
シルナトリウム溶液に−50〜−70℃を保ちながら約
25分で滴下した。20分間撹拌後、この溶液に、4−
アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール2.
5g(17.59ミリモル)をテトラヒドロフラン50mlに
溶解した溶液を−50〜−70℃を保ちながら約20分
で滴下した。同温度で20分間撹拌した。反応終了後、
反応液をヘキサン400ml中に移し、水を加え分液し
た。有機層を分離し、水層をヘキサン200mlで抽出し
た。抽出物と有機層を合わせ10重量%塩化ナトリウム
水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸
ナトリウムをろ去した後溶媒を留去すると、黄色の油状
物5.2gが得られた。これを実施例1の方法に準じて高
速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、生成
したビタミンAアセテート(全トランス型)の収率は7
0.2%であった。更に各種の異性体収率は各々11−
シス体および13−シス体を合わせて7.1%、9−シ
ス体2.6%であった。
【0042】実施例9 ビタミンAプロピオネートの製造法 チッ素ガス気流下、3−メチル−5−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4−ペン
タジエニルホスホン酸ジエチルエステル5g(純度94.
5%,13.88ミリモル)をトルエン50mlに溶解し−
60℃に冷却した。t−ブトキシナトリウム2.5g(2
6.0ミリモル)をトルエン10mlとジメチルホルムアミ
ド10mlの混液に溶解した溶液、及び4−プロピオニル
オキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール2.8g
(17.9ミリモル)をトルエン15mlに溶解した溶液
を、先の冷却した溶液へ−45℃で約10分かけて同時
に滴下した。滴下後同温度で5分間かきまぜた後水20
mlを加えた。静置後有機層を分取しこれを水100mlで
2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥後溶媒
を減圧下で留去すると黄色の油状物5.8gが得られた。
この油状物を日局(第11改正)ビタミンA定量法第1法
に従って定量したところ、純度はビタミンAプロピオネ
ートとして63.9%(収率89.5%)であった。又、こ
の油状物を実施例1の条件による高速液体クロマトグラ
フィーでトランス型及び各種異性体の含有量を測定した
ところ、ビタミンAプロピオネート(全トランス型)の収
率は82.5%、11−シス体と13−シス体合わせて
4.7%,9−シス体1.1%であった。
【0043】実施例10 ビタミンAパルミテートの製造法 チッ素ガス気流下、3−メチル−5−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,4−ペン
タジエニルホスホン酸ジエチルエステル5g(純度94.
5%,13.88ミリモル)をトルエン50mlに溶解し−
60℃に冷却した。粉末のt−ブトキシナトリウム2.5
g(26.0ミリモル)をトルエン10mlとジメチルホルム
アミド10mlの混液に溶解した溶液及び4−パルミトイ
ルオキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール6.0g
(18.0ミリモル)をトルエン20mlに溶解した溶液
を、先の冷却した溶液へ−45℃で約10分かけて同時
に滴下した。滴下後同温度で5分間かきまぜた後水20
mlを加えた。静置後有機層を分取し水100mlで2回洗
浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥後、溶媒を減
圧下で留去すると黄色の油状物7.5gが得られた。この
油状物を日局(第11改正)ビタミンA定量法第1法に従
って定量したところ、純度はビタミンAパルミテートと
して80.5%(収率82.9%)であった。この油状物に
アセトン−メタノール混液(9:1v/v)50mlを加え−
20℃に冷却した。析出した淡黄色の結晶を手早くろ取
し減圧下乾燥すると油状のビタミンAパルミテート5.
3g(収率72.7%)を得た。結晶をろ取した母液を実施
例1の高速液体クロマトグラフィーの条件で定量したと
ころ、ビタミンAパルミテート0.43g(収率5.9%)
が検出された。
【0044】参考例1 イソプレンクロロヒドリンの合成 95%イソプレン8.96g(125ミリモル)および水1
00mlを500mlの四径フラスコ中、0℃に保ち、ここ
へ1N硫酸約100mlおよび1モル次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液100ml(100ミリモル)を、反応液のpHを
7〜9に保つように添加した。この間、反応温度は0〜
5℃に保った。約4時間で滴下を終了し、終了時のpH
を1N硫酸にて6〜7に調整したのち1,2−ジクロロ
エタン100mlにて3回抽出を行った。抽出液をガスク
ロマトグラフィーにて定量したところ、イソプレン2.
05g(30.1ミリモル)を回収し、イソプレンクロロヒ
ドリンの1,2付加体7.13g(59.1ミリモル)および
1,4付加体3.35g(27.8ミリモル)が得られた。
(反応収率91.6%)
【0045】参考例2 4−アセトキシ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテン
の合成 100mlの四径コルベンに無水酢酸9.32g(91.2ミ
リモル;1.05当量)と60%過塩素酸水29.1mg(0.
174ミリモル;0.2モル%)を加え、反応温度15〜
20℃に保つようイソプレンクロロヒドリン(1,2体、
1,4体混合物)10.48g(86.9ミリモル)を添加し
た。2時間撹拌したのち、60%過塩素酸水145.5m
g(0.869ミリモル;1モル%)を追加し、室温に戻
し、更に2時間撹拌した。反応終了後、反応液に水50
mlと1,2−ジクロロエタン50mlを加え水洗したの
ち、1,2−ジクロロエタン層を無水硫酸ナトリウムに
て乾燥した。1,2−ジクロロエタンを留去したのち減
圧蒸留(3〜5mmHg;60〜65℃)により4−アセトキ
シ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテン12.79g
(78.6ミリモル;収率90.5%)が得られた。
【0046】参考例3 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−オール
ホルメートの合成 4−アセトキシ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテン
8.13g(50ミリモル)をジメチルホルムアミド25ml
に溶解し、100mlの四径コルベンに仕込んだ。ここへ
粉末のギ酸ナトリウム6.80g(100ミリモル;2当
量)とテトラn−ブチルアンモニウムブロミド0.81g
(2.5ミリモル;5モル%)を加え、40℃で24時間加
熱撹拌した。反応終了後、反応液を氷水約30mlに注入
し、エーテル50mlにて3回抽出して、エーテル抽出層
を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。エーテルを留去し
た後、シリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン(1:
3))にて精製したところ、4−アセトキシ−2−メチル
−2−ブテン−1−オール ホルメート8.18g(47.
5ミリモル;収率95.0%)が得られた。1 H−NMR(CDCl3):δ1.80(d,3H),2.12(s,
3H),4.50〜4.82(m,4H),5.72(t,1H),8.
18(s,1H)
【0047】参考例4 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−オール
の合成 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−オール
ホルメート8.18g(47.5ミリモル)のメタノール溶
液40mlに、炭酸水素ナトリウム0.40g(4.75ミリ
モル;10モル%)を加え、室温にて2時間撹拌した。反
応終了後、メタノールの大半を減圧留去し、得られた反
応液を氷水20ml−酢酸エチル100mlに加え、水層の
pHを1N塩酸にて5〜6にして酢酸エチル層をとっ
た。更に50mlの酢酸エチル2回で水層を抽出し、酢酸
エチル層を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。酢
酸エチルを留去すると、4−アセトキシ−2−メチル−
2−ブテン−1−オール6.69g(46.4ミリモル;収
率97.7%)が油状物として得られた。1 H−NMR(CDCl3):δ1.82(s,3H),2.06(s,
3H),2.61(−OH,1H),4.04(s,2H),4.65
(d,2H),5.62(t,1H)
【0048】参考例5 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール
の合成 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−オール
6.69g(46.4ミリモル)のジメチルホルムアミド溶
液40mlに2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−
1−オキシ0.39g(2.32ミリモル;5モル%)および
塩化第一銅0.48g(4.64ミリモル;10モル%)を加
え、酸素を100ml/min程度で吹き込みながら40℃
にて8時間反応した。反応終了後氷水30mlに反応液を
加え、エーテル100mlにて3回抽出し、抽出液を無水
硫酸マグネシウムにて乾燥した。エーテルを留去し、カ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン(1:
3))にて精製したところ、4−アセトキシ−2−メチル
−2−ブテン−1−アール6.02g(42.3ミリモル;
収率91.2%)が得られた。
【0049】参考例6 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール 4−アセトキシ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテン
7.8gをヘキサメチレンテトラミン6.7gとアセトニト
リル47mlの懸濁液に加え、室温で16時間撹拌したの
ち、析出量をろ取し12.5gの四級アンモニウム塩の結
晶を得た。この塩7.9gを水50mlに溶かし、トルエン
100mlを加えた。75℃で撹拌しながら反応開始30
分後、1時間後、2時間後に酢酸を1.5gずつ加え、6
時間で反応を停止した。トルエン層を分液し、濃縮した
のち、残留油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製したところ、4−アセトキシ−2−メチル−2
−ブテン−1−アール2.6g(74%)が得られた。
【0050】参考例7 4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール
の合成 (a)未精製の4−アセトキシ−2−メチル−1−クロロ
−2−ブテン194g(純度83.8%、1モル)をヘキサ
メチレンテトラミン168g(1.2モル)/水1リットル
に加え、35℃、4時間撹拌したのち水層と有機層を分
液した。水層に1,2−ジクロロエタン1リットルを加
え、1N硫酸でpHを調節しながら、72℃、6時間反
応を行った。1,2−ジクロロエタン層を分取したの
ち、水層に1,2−ジクロロエタン1リットルを加え、
再び反応を行った。1,2−ジクロロエタン層を合し、
濃縮したのち、残留物を減圧蒸留したところ、4−アセ
トキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アール98g(6
9%)が得られた。bp.0.2-0.3:58〜66℃。 (b)上記有機層(容量50ml、ガスクロマトグラフィーか
ら4−アセトキシ−2−メチル−2−ブテン−1−アー
ル4.3g含有)に35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液9g
と氷水100gを加え、よくかきまぜたのち、水層を分
液した。水層に1,2−ジクロロエタン100mlを加
え、これに37%ホルムアルデヒド水溶液10mlを加え
て30〜40℃で3時間撹拌したのち、1,2−ジクロ
ロエタン層を分液し、濃縮したところ、4−アセトキシ
−2−メチル−2−ブテン−1−アール3.4gが得られ
た(回収79%)。全収量((a)+(b)):101.4g(4−ア
セトキシ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテンから7
1.4%)。
【0051】参考例8 4−プロピオニルオキシ−2−メチル−2−ブテン−1
−アールの合成 (i)4−プロピオニルオキシ−2−メチル−1−クロロ
−2−ブテンの合成 イソプレンクロロヒドリン(1,2付加体と1,4付加体
の混合物)33%(w/w)を含むジクロロエタン溶液15
1g(イソプレンクロロヒドリンとして49.8g、0.4
13モル)を10〜15℃に冷却し、60%過塩素酸水
0.2g(0.0012モル)を加えた。プロピオン酸無水
物64.5g(0.496モル)を同温度で加えた後、2時
間室温で撹拌した。60%過塩素酸水0.07g(0.00
04モル)を加え、更に2時間室温で撹拌した。反応終
了後、反応液を氷水500mlにあけジクロロエタン50
0mlで抽出した。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液300mlで洗浄し、さらに水洗した後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。1,2−ジクロロエタンを減圧留去
して粗製の4−プロピオニルオキシ−2−メチル−1−
クロロ−2−ブテン64.2g(0.363モル,収率87.
9%)を得た。このものは特に精製せず次の工程に付し
た。 (ii)4−プロピオニルオキシ−2−メチル−2−ブテン
−1−アールの合成ヘキサメチレンテトラミン50.9g
(0.363モル)を水345mlに溶解した溶液に、上記
(i)で得られた粗製の4−プロピオニルオキシ−2−メ
チル−1−クロロ−2−ブテン64.0g(0.362モ
ル)を加え35℃で4時間撹拌してテトラミン塩を調製
した。反応液に1,2−ジクロロエタン200mlを加
え、水に不溶の化合物を抽出除去した。洗浄した水層に
更に1,2−ジクロロエタン400mlを加え、60℃で
4時間撹拌してテトラミン塩を加水分解した。反応終了
後1,2−ジクロロエタン層を分取し、さらに水層に1,
2−ジクロロエタン250mlを加えて抽出した。1,2
−ジクロロエタン層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。1,2−ジクロロエタンを減圧下留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキ
サン(1:5))で精製し、4−プロピオニルオキシ−2−
メチル−2−ブテン−1−アール15.2g(0.0973
モル,収率26.8%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ1.40(t,3H),1.79(s,
3H),2.30(q,2H),4.90(d,2H),6.52(t,1
H),9.42(s,1H)
【0052】参考例9 4−パルミトイルオキシ−2−メチル−2−ブテン−1
−アールの合成 (i)4−パルミトイルオキシ−2−メチル−1−クロロ
−2−ブテンの合成 イソプレンクロロヒドリン(1,2−付加体と1,4−付
加体の混合物)33%(w/w)を含むジクロロエタン溶液
80g(イソプレンクロロヒドリンとして26.4g,0.2
19モル)に塩化パルミトイル50g(0.182モル)を
氷冷下滴下した。滴下後55〜60℃で約2時間撹拌し
た。反応液を氷水200mlにあけ、塩化メチレン200
mlで3回抽出した。塩化メチレン層をまとめ水300ml
で洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。塩化メチ
レンを減圧留去して粗製の4−パルミトイルオキシ−2
−メチル−1−クロロ−2−ブテン60.0gを得た。こ
の粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−
酢酸エチル(99:1))で精製して4−パルミトイルオキ
シ−2−メチル−1−クロロ−2−ブテン27.0g(0.
0752モル,収率34.3%)を得た。 (ii)4−パルミトイルオキシ−2−メチル−2−ブテン
−1−アールの合成 上記(i)で得た4−パルミトイルオキシ−2−メチル
−1−クロロ−2−ブテン27g(0.0752モル)とヘ
キサメチレンテトラミン10.5g(0.0750モル)を
アセトニトリル550mlに加え室温で約20時間撹拌し
た。析出した結晶をろ取して減圧下乾燥しテトラミン塩
26.5g(0.0531モル,収率70.6%)を得た。こ
の塩26.5g(0.0531モル)を水50ml、酢酸20m
l及びシクロヘキサン250mlの混液に加え60℃で2
時間撹拌した。反応終了後反応液に水100ml及び塩化
メチレン200mlを加え抽出した。水層はさらに塩化メ
チレン200mlで2回抽出した。有機層をまとめ水10
0mlで洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去後残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン)で精製したところ4−パルミトイルオキシ−2
−メチル−2−ブテン−1−アール7.3g(0.0216
モル,収率28.7%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ0.90(t,3H),1.30(s,
26H),1.80(s,3H),2.38(q,2H),4.90(d,
2H),6.50(t,1H),9.44(s,1H)
【0053】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、ビタミンA誘
導体が、高収率、高純度かつ容易に製造できる。目的と
する全トランス型のビタミンA誘導体の生成収率は高
く、一方、異性体(例、9−シス体、11−シス体、1
3−シス体等)の生成が少ないため、例えば再結晶等に
より、全トランス型のビタミンA誘導体を容易に単離精
製することができる。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1およびR2は同一または異なってアルキル基
    を示す)で表される化合物を塩基の存在下、一般式(I
    I): 【化2】 (式中、R3は炭化水素基を示す)で表される化合物と反
    応させることを特徴とするビタミンA誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 R1およびR2が同一または異なって低級
    アルキル基である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 R3がアルキル基である請求項1記載の
    製造法。
  4. 【請求項4】 R3がメチル基である請求項3記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】 R3がエチル基である請求項3記載の製
    造法。
  6. 【請求項6】 R3がペンタデシル基である請求項3記
    載の製造法。
  7. 【請求項7】 ビタミンA誘導体が全トランスの側鎖を
    有する請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】 ビタミンA誘導体が一般式(III): 【化3】 (式中、R3は炭化水素基を示す)で表される化合物で
    ある請求項1記載の製造法。
  9. 【請求項9】 塩基が有機アルカリ金属塩である請求項
    1記載の製造法。
  10. 【請求項10】 塩基がアルコラートである請求項1記
    載の製造法。
  11. 【請求項11】 アルコラートがC1-5アルコールおよ
    びアルカリ金属から得られる請求項10記載の製造法。
  12. 【請求項12】 塩基の使用量が、一般式(I)で表さ
    れる化合物1モルに対して約1から3モルである請求項
    1記載の製造法。
  13. 【請求項13】 一般式(II)で表される化合物の使用
    量が、一般式(I)で表される化合物に対して約1から
    2モルである請求項1記載の製造法。
  14. 【請求項14】 有機溶媒中で反応を行う請求項1記載
    の製造法。
  15. 【請求項15】 有機溶媒が、炭化水素類、エーテル
    類、ニトリル類、ケトン類およびアミド類から選ばれる
    1または2以上の有機溶媒である請求項14記載の製造
    法。
  16. 【請求項16】 有機溶媒が炭化水素類およびエーテル
    類から選ばれる請求項15記載の製造法。
  17. 【請求項17】 有機溶媒がトルエンまたはジイソプロ
    ピルエーテルである請求項16記載の製造法。
  18. 【請求項18】 非極性非プロトン溶媒と極性非プロト
    ン溶媒との混合溶媒中で反応を行う請求項1記載の製造
    法。
  19. 【請求項19】 極性非プロトン溶媒の誘電率が約20
    から50である請求項18記載の製造法。
  20. 【請求項20】 極性非プロトン溶媒がN,N−ジメチ
    ルホルムアミドまたはヘキサメチルホスホリックトリア
    ミドである請求項18記載の製造法。
  21. 【請求項21】 極性非プロトン溶媒の使用量が溶媒全
    量に対して約5から50%(v/v)である請求項18記
    載の製造法。
  22. 【請求項22】 −70℃から0℃の反応温度で反応を
    行う請求項1記載の製造法。
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