JPH06328811A - インクジェットプリント装置、インクジェットプリント方法およびプリント物 - Google Patents

インクジェットプリント装置、インクジェットプリント方法およびプリント物

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JPH06328811A
JPH06328811A JP5117075A JP11707593A JPH06328811A JP H06328811 A JPH06328811 A JP H06328811A JP 5117075 A JP5117075 A JP 5117075A JP 11707593 A JP11707593 A JP 11707593A JP H06328811 A JPH06328811 A JP H06328811A
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雅俊 一方井
康之 ▲高▼中
Yasuyuki Takanaka
Takashi Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定のノズルに吐出不良が発生したときやヨ
レが発生しても、白スジが目立つことなく良好な画像を
連続してプリントすることができるインクジェットプリ
ント装置を実現すること。 【構成】 プリント媒体に体してインクを付着させるプ
リントヘッドを用いてプリントを行うインクジェットプ
リント装置であって、前記プリント媒体が織物である場
合に、前記織物を構成する繊維の方向と、前記プリント
ヘッドを用いて前記プリント媒体に形成されるインクの
ドットの配列方向が異なるように前記プリント媒体と前
記プリントヘッドの相対位置を決める位置決め手段を備
えることを特徴とするインクジェットプリント装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリントヘッドからイ
ンクを吐出して布帛上にインクを付着させて得られた多
数のドットにより画像が形成されたインクジェットプリ
ント物およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の捺染装置の代表的なものとして、
シルクスクリーン版を用いて布帛等に直接印刷をするシ
ルクスクリーン捺染方式がある。シルクスクリーン捺染
方式では、印刷すべき原画像に対してその原画像に使わ
れている色毎にスクリーン版を作製し、シルクの目を通
してインクを直接布帛に転写して染色を行う方法であ
る。
【0003】上記のようなシルクスクリーン捺染方式に
おいては、スクリーン版を作製するにあたり多大な工数
および日数を要するほか、印刷に要する各色のインクの
調合やスクリーン版の位置合わせ等の作業をも要し、印
刷に時間がかかるという問題点がある。
【0004】さらに、装置も使用する色の数に比例して
大型化するうえに上記スクリーン版の保存スペースも必
要とするため、広い設置スペースを要するという問題点
がある。
【0005】上記のような問題点を解決するために、イ
ンクジェットプリント方式を用いて布帛に直接印刷する
装置が提案されている。
【0006】インクジェットプリント装置に適用される
インクジェットヘッドは、一般に、プリント用液滴の吐
出口、外吐出口に液体を供給するための液路および該液
路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部に
ある液体に作用させる液滴形成用のエネルギーを発生す
るためのエネルギー発生手段を備えている。
【0007】このエネルギー発生手段としては、ピエゾ
素子等の電気機械変換体を用いたもの、レーザー等の電
磁波を照射してそこにある液体に吸収させて発熱させ、
該発熱による作用で液滴を吐出、飛翔させるもの、ある
いは電気熱変換体等の発熱体等が知られている。
【0008】中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段
に持ち、熱エネルギーにより液滴を吐出させるインクジ
ェットヘッドは、エッチング、蒸着、スパッタリング等
の半導体製造プロセスを経て、基板上に製膜された電気
熱変換体、電極、液炉壁、天板等を形成する事により高
密度なインク吐出口を容易に製造することができるため
に以下のような利点を有する。
【0009】a)プリント用の液滴を吐出して飛翔用液
滴を形成するための吐出口を高密度に配列し、高解像力
のプリントを行なうために好適な構成を容易に取ること
が可能である。
【0010】b)構造上コンパクト化が容易である。
【0011】c)その作成に最近の半導体分野における
技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ
加工技術の長所を十二分に活用でき、これらの技術を利
用することで、長尺化および面状化(2次元化)、吐出
口のマルチ化、高密度化がさらに容易で、しかも大量に
生産性良く、製造コストも安価である。
【0012】エネルギー発生手段に電気熱変換体を用い
半導体製造プロセスを経て製造されたマルチ化された吐
出口を有するインクジェットヘッドとしては、各吐出口
に対応した液路が設けられ、該液路毎に電気熱変換体が
設けられ、かつ各液路に、各液路に連通している共通液
室より液体が供給される構造を有するものが知られてい
る。
【0013】図15は上記のようなインクジェットプリ
ントヘッドの従来例の構成を示す概略図である。
【0014】このヘッドは、エッチング・蒸着・スパッ
タリング等の半導体製造プロセス工程を経て、基板18
02上に成膜された電気熱変換体1803、電極180
4、液路壁1805、天板1806から構成されてい
る。
【0015】プリント用液体1812は図示していない
液体貯蔵室から液体供給管1807を通してプリントヘ
ッド1801の共通液室1808内に供給される。図中
1809は液体供給管用コネクタである。
【0016】共通液室1808内に供給されたプリント
用液体1812は毛管現象により液路1810内に供給
され、液路先端の吐出口面1811でメニスカスを形成
することにより安定に保持される。
【0017】ここで電気熱変換体1803に通電するこ
とにより、電気熱変換体1803面上の液体が加熱さ
れ、発泡現象が発生し、その発泡のエネルギーにより吐
出口面1811から液滴が吐出する。
【0018】上述したような構成により、液路密度16
液路/mmといった高密度の液路配置で128液路或い
は256液路というマルチ液路のインクジェットプリン
トヘッドを製造する事が可能となる。
【0019】プリントヘッドがプリント媒体の搬送方向
との交差方向に走査されるシリアルタイプのインクジェ
ットプリント装置では、プリント媒体を所定位置にセッ
トした後、画像信号に基づき、プリント媒体に沿って移
動するキャリッジ上に搭載したプリントヘッドによって
画像がプリントされ、一走査分すなわちプリントヘッド
の印字幅分のプリントを終了した後にプリント媒体を該
印字幅分だけ搬送し、その後に次の行の画像をプリント
するという動作を繰り返し、プリント媒体全体の画像プ
リントが行われる。また、印字中の吐出不良を防止する
ために、プリント開始前等にプリントヘッドに対して適
宜回復動作を行っている。
【0020】これは、例えば図15に示したインクジェ
ットプリントヘッドを用いてプリント用インクを吐出、
飛翔させプリント動作を続けていくと、プリントインク
滴がプリントヘッド1801の各液路1810から吐出
する際に無数に発生するサテライト状の微少インクミス
ト(霧状インク)が、プリントヘッド1801の吐出面
1811に付着・蓄積し、その付着量が多くなるとイン
ク吐出口をふさいでしまい、インク滴の吐出を妨げると
いった問題が生じたり、また、ヘッド表面へのゴミ付
着、ノズルへのゴミ混入、ノズルへのインク泡流入等の
原因により、不吐出が生じるといった問題が生じるため
である。
【0021】このような問題に対し、例えば、インクを
強制的に循環させ、これら不吐出の原因となるものを除
去するといった回復動作が行われる。
【0022】上述したようなシリアルタイプのプリント
方式では、プリントヘッドを持ち運びや設置に有利な小
型プリント装置に搭載することや、走査距離を長くし
て、小サイズはもちろんプリントヘッドの走査方向に長
尺な大サイズのプリント媒体にプリントできる大型機に
も搭載し、共通のプリントヘッドを用いて様々な用途に
応じたプリント装置を実現している。
【0023】上記のように構成されるインクジェットプ
リント装置は、高精細画像を高速でプリントでき、ノン
インパクトであるため低騒音であり、多色のインクを使
用して容易にカラー画像をプリントできる等の利点を有
していることから,コンピューターやワードプロセッサ
ー等と併用され、あるいは単独で使用される複写機、プ
リンター、ファクシミリ等のプリント装置において、プ
リント手段として広く用いられている。
【0024】一方、プリント媒体の材質としては、近年
では、通常のプリント媒体である紙や樹脂薄板、例えば
OHP用紙、の他に、薄紙や加工紙、例えばファイリン
グ用のパンチ孔付き紙やミシン目付き紙、任意形状の
紙、あるいは織布等を使用することが要求されてきてい
る。またプリント媒体の大きさに対しても宣伝広告用の
紙や衣類等に使用される織布では大サイズのものが要求
されてきている。
【0025】最近では、布帛に対して直接プリントを行
うインクジェットプリント装置が提案されている。この
ものにおいては、文字をプリントする場合と異なり、プ
リント媒体の端部もプリント領域とされるため、プリン
ト媒体の端部よりプリントを始めるときには、すでにプ
リントヘッドの状態がインクの吐出に最適な状態に準備
されていることが必要であり、良好なプリントを行うた
めには上述したような回復動作および予備吐出動作が予
め完了していることが必要となる。
【0026】上記のように構成されるインクジェットプ
リント方式を用いた装置においては、スクリーン捺染に
用いられるスクリーン版を必要としないため、布帛に直
接印刷するまでの工程、日数が大幅に短縮することがで
きるほか、装置を小型化することができる。当然のこと
ではあるが、印刷のための画像情報もテープ、フロッピ
ーディスク、光ディスク等の記録媒体に保存できるた
め、その保管性および保存性についても優れている。さ
らに、原画像に対する配色変え、レイアウト変更、拡大
・縮小等の加工を容易に行うことができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】布帛等に印刷を行う場
合、繊維の長手方向とドット配列(プリントヘッドの走
査方向)が一致している場合に、インクジェットプリン
ト装置に特有の特定のノズルに発生したインクの不吐出
やヨレ(プリント物の搬送不良等によりインクが目標と
異なる位置に付着してしまう)による画像欠陥(白ス
ジ)が発生し、図16に示すようにインクが全く付着し
ない糸(もしくは、インクの付着する領域が繊維の長手
方向に限定された糸)が発生することがある。このよう
な糸は、その存在が視覚的に非常に目立つものとなり、
印字品位が実際よりも悪く見えてしまうという問題点が
ある。繊維の最も突出する部分と白スジとが重なった場
合には、周期的に白スジが目立つ部分が発生するために
特に問題となる。
【0028】これは、図17に示すような、布帛に付着
したインクは布帛を形成する繊維の長手方向に広がる場
合にも同様である。
【0029】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、特定のノズル
に吐出不良が発生したときやヨレが発生しても、白スジ
が目立つことなく良好な画像を連続してプリントするこ
とができるインクジェットプリント装置を実現すること
を目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリント装置は、プリント媒体に対してインクを付着さ
せるプリントヘッドを用いてプリントを行うインクジェ
ットプリント装置であって、前記プリント媒体が織物で
ある場合に、前記織物を構成する繊維の方向と、前記プ
リントヘッドを用いて前記プリント媒体に形成されるイ
ンクのドットの配列方向が異なるように前記プリント媒
体と前記プリントヘッドの相対位置を決める位置決め手
段を備えることを特徴とするインクジェットプリント装
置。
【0031】この場合、前記プリントヘッドは、熱エネ
ルギーを利用してインクを吐出するプリントヘッドであ
って、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱
エネルギー変換体を備えたインクジェットプリントヘッ
ドであってもよい。
【0032】本発明のインクジェットプリント方法は、
プリント媒体に対してインクを付着させるプリントヘッ
ドを用いてプリントを行うインクジェットプリント方法
であって、前記プリント媒体が織物である場合に、前記
織物を構成する繊維の方向と、前記プリントヘッドを用
いて前記プリント媒体に形成されるインクのドットの配
列方向が異なるようにプリントを行うことを特徴とす
る。
【0033】本発明によるプリント物は、織物にインク
のドットにより画像が形成されたプリント物であって、
前記織物を構成する繊維の方向と前記織物上に形成され
たインクのドットの配列方向が異なっていることを特徴
とする。
【0034】本発明の他の形態によるインクジェットプ
リント方法は、プリント媒体とインクを吐出するプリン
トヘッドの対向位置を移動させながら前記プリントヘッ
ドからインクを吐出して前記プリント媒体に記録を行う
インクジェットプリント方法であって、プリント媒体が
織物である場合に、織物を構成する繊維の方向が前記移
動方向と異なるようにしてプリントを行うことを特徴と
するインクジェットプリント方法。
【0035】この場合、プリント媒体上にインクを吐出
してプリント部分を形成した後、プリント部分のインク
をプリント媒体に対して定着させる工程を付加してもよ
い。
【0036】上記のいずれの方法においても、定着工程
の後にプリント媒体を洗浄処理する工程を付加してもよ
い。
【0037】本発明は上記のような方法により得られる
プリント物および加工品を含み、また、上記の各方法は
捺染のために用いられてもよい。
【0038】なお、本明細書において『プリント』とは
『捺染』や『記録』の意味を含むものであり、プリント
の目的が限られることはなく、広くプリント媒体に画像
を付与することを言う。
【0039】プリント媒体としては、布帛、壁紙、紙、
OHP用フィルム等が挙げられる。ここで、布帛とは、
素材、織り方、編み方を問わず、あらゆる織物、不織布
およびその他の布地を含む。また、上記壁紙には、紙、
布帛、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートを素材とする
壁用貼付部材を含む。
【0040】
【作用】本発明のインクジェットプリント方法において
は、プリント媒体が織物である場合に、該織物を、織物
を構成する繊維の方向が主走査方向と異なるように坦持
体に貼り付けるので、特定のノズルに不吐出が発生した
場合、もしくはヨレが発生して白スジが生じてもインク
が全く付着しない糸が発生することはなく、白スジが目
立たないものとなる。
【0041】本発明のインクジェットプリント装置は、
プリントヘッドの副走査方向が主走査方向とは異なる方
向であり、かつ、直交しない方向とされる。織物を構成
するたて糸とよこ糸は、略直交するように織られるの
で、たて糸もしくはよこ糸のいずれかの繊維方向を副走
査方向に必然的に繊維の方向が主走査方向と異なること
となり、上記の作用が生じる。
【0042】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0043】図1および図2は布帛に対してプリントを
行うインクジェットプリント装置の一実施例の基本構成
を示す図である。
【0044】このインクジェットプリント装置は、シス
テムとして構成され、大別して図1に示すように、デザ
イナー等が作成した原画を読み取り、この原画像を電気
信号で表される原画データに変換する画像読み取り装置
101、画像読み取り装置101からの原画データを取
り込んで加工してイメージデータとして出力する画像処
理部102、画像処理部102で作成されたイメージデ
ータに基づき、布帛等のプリント媒体上にプリントを行
う画像プリント部103から構成されている。
【0045】画像読み取り装置101では、CCDイメ
ージセンサにより原画像が読み取られる。
【0046】画像処理部102では、入力された原画デ
ータから、後述するマゼンタ(略号M)、シアン(略号
C)、イエロー(略号Y)、ブラック(略号Bk)の4
色のインクを吐出するインクジェットプリント部A−2
(図2参照)を駆動するためにデータを作成する。デー
タの作成の際には、原画像をインクのドットで再現する
ための画像処理、色調を決定する配色、レイアウトの変
更、拡大、縮小等の図柄の大きさの加工、選択がなされ
る。
【0047】画像プリント部103では、インクジェッ
トプリント部A−2によりプリントが行われる。インク
ジェットプリント部A−2は、微小のインク滴をプリン
ト媒体に向けて飛翔させ、このインク滴をプリント媒体
に付着させることによりプリントを行うものである。
【0048】図3は、本発明において使用されるインク
ジェットプリント装置のプリント部を示す斜視図であ
る。
【0049】まず、インクジェットプリント部は大別し
て、フレーム枠206、2本のガイドレール207及び
208、インクジェットヘッド209とその移動用キャ
リッジ210、インク供給装置211とその移動用キャ
リッジ212、ヘッド回復装置213及び電装系205
とを備えて構成される。インクジェットヘッド209
(以下、単にヘッドと呼ぶ)は、複数のノズル列と電気
信号をインク吐出エネルギーに変換するための変換装置
とを含み、画像処理部102から送られてきた画像信号
に応じてノズル列から選択的にインクを吐出させる機構
をもつ。
【0050】ヘッドとしては、熱エネルギーを利用して
インクを吐出するプリントヘッドであって、インクに与
える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
を備えており、熱エネルギー変換体によって印加される
熱エネルギーよりインクに状態変化を生起させ、該状態
変化に基づいて吐出口よりインクを吐出させるヘッドが
好ましく使用される。
【0051】インク供給装置211は、インクを貯留
し、ヘッドにインクを必要量供給するためのものであ
り、不図示のインクタンクやインクポンプ等を有する。
本体とヘッド209とはインク供給チューブ215で接
続され、通常は毛細管作用によりヘッドから吐出される
分だけ自動的にヘッド209に供給される。また、後述
するようなヘッド回復動作のときには、インクポンプを
用いて強制的にインクがヘッド209に供給される。
【0052】上記ヘッド209及びインク供給装置21
1はそれぞれキャリッジ210、キャリッジ212に搭
載され、不図示の駆動装置によりガイドレール207,
208に沿って往復移動を行うように構成されている。
【0053】ヘッド回復装置(不図示)は、ヘッドのイ
ンク吐出安定性を維持するためにヘッド209のホーム
ポジション(待機位置)においてヘッド209に対向し
得る位置に設けられており、矢印A方向に前進後退可能
であり、具体的には次に述べるような動作を行う。
【0054】まず、非動作時にヘッド209のノズル内
からのインクの蒸発を防ぐためにホームポジションにお
いてヘッド209のキャッピングを行う(キャッピング
動作)。あるいは画像プリント開始前にノズル内の気泡
やゴミ等を排出するためにインクポンプを用いてヘッド
内のインク流路を加圧してノズルから強制的にインクを
排出するといった動作(加圧回復動作)またはノズルか
らインクを強制的に吸引排出する動作(吸引回復動作)
を行う際に排出されたインクを回収する等の機能を果た
す。
【0055】電装系205は、電源部及びインクジェッ
トプリント部全体のシーケンス制御を行うための制御部
を含む。プリント媒体236はヘッド209がガイドレ
ールに沿って主走査方向に移動して所定長のプリントが
行われる毎に不図示の搬送装置により副走査方向(矢印
B方向)に所定量搬送され、画像形成が行われていく。
図中、斜線部217はプリントが終了した部分を示す。
【0056】なお、プリントヘッド209としては、単
色プリント用のインクジェットプリントヘッド、カラー
プリント用の異なる色のインクでプリントする複数個の
プリントヘッド、あるいは同一色彩で濃度の異なる濃淡
インクでプリントする複数のプリントヘッド等を用いる
ことができる。
【0057】また、プリントヘッドとインクタンクを一
体化したカートリッジタイプのもの、あるいはプリント
ヘッドとインクタンクを別体としこれらをインク供給チ
ューブで接続する構成のもの等、プリント手段及びイン
クタンクの構成を問わず適用することができる。
【0058】さらに、以下の態様のプリント装置におい
て本発明を実施することにより、吸水性が極めて低いプ
リント媒体においても高品質な画像を得ることができ
る。
【0059】図2は、特に本発明に好ましい画像プリン
ト部の概要を示す模式図である。このプリント装置は、
大きく分けて、捺染用の前処理を施されたロール状の布
帛等のプリント媒体を送り出す給布部Bと、送られてき
たプリント媒体を精密に行送りして、インクジェットヘ
ッドでプリントを行う本体部Aと、プリントされたプリ
ント媒体を乾燥させ巻取る巻取り部Cからなる。そし
て、本体部Aはさらにプラテンを含むプリント媒体の精
密送り部A−1とインクジェットプリント部A−2とか
らなる。
【0060】以下、プリント媒体として前処理されたプ
リント媒体を用い捺染を実施する場合を例にとってこの
装置の動作を説明する。
【0061】前処理されたロール状のプリント媒体23
6は給付部Bから送り出され、本体部に送られる。本体
部には精密にステップ駆動される薄い無端のベルト23
7が駆動ローラ247、巻回ローラ249に架け回され
ている。駆動ローラ247は、高分解能のステッピング
モータ(図示せず)でダイレクトにステップ駆動されて
そのステップ量だけベルトをステップ送りする。送られ
てきた布236は巻回ローラ249によってバックアッ
プされたベルト237表面に、押付けローラ240によ
って押付けられ、張付けられる。
【0062】ベルトによってステップ送りをされてきた
プリント媒体236は、第1のプリント部231におい
て、ベルト裏面のプラテン232によって定位され表側
からインクジェットヘッド209によってプリントされ
る。1行のプリントが終る毎に、所定量ステップ送りさ
れ、次いでベルト裏面からの加熱プレート234による
加熱と、温風ダクト235によって供給/排出される、
表面からの温風によって乾燥される。続いて第2のプリ
ント部231′において、第1のプリント部と同様な方
法で重ねプリントがなされる。
【0063】プリントが終ったプリント媒体236は引
き剥されて前述の加熱プレート234と温風ダクト23
5と同様な後乾燥部246で再度乾燥されガイドロール
241に導かれて巻取りロール248に巻取られる。そ
して、巻取られたプリント媒体236は本装置から取外
され、バッチ処理で発色、洗浄、乾燥等の後処理工程を
経て製品となる。
【0064】次に、インクジェットプリント部A−2付
近の詳細について図4に基づき説明する。
【0065】ここでの好ましい態様は、第1プリント部
のヘッドにより、ドット数を間引いて情報をプリント
し、乾燥工程を経て、第2プリント部のヘッドにより、
第1プリント部で間引かれた情報を補完するようにイン
ク滴を吐出するものである。
【0066】図4において、プリント媒体236は、ベ
ルト237に張り付けられて、図中の上方向にステップ
送りされるようになっている。図中下方の第1プリント
部231にはY,M,C,Bkのほか、特色S1〜S4
用のインクジェットヘッド8本を搭載した第1のキャリ
ッジ244がある。本例におけるインクジェットヘッド
(プリントヘッド)は、インクを吐出するために利用さ
れるエネルギーとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱
エネルギーを発生する素子を有するものを用いている。
【0067】第1のプリント部の下流側にはベルトの裏
面から加熱する加熱プレート234と、表側から乾燥さ
せる温風ダクト235とからなる乾燥部245が設けら
れている。加熱プレート234の熱伝達面は、強くテン
ションをかけられた無端のベルト237に押し当てら
れ、中空になっている内側に通してある高温高圧の蒸気
によって、ベルト237を裏面から強力に加熱する。ベ
ルト237は貼り付けられているプリント媒体236を
熱伝導によって直接に効果的に加熱する。加熱プレート
面の内側は集熱のためのフィン234′が設けられてい
て熱を効率的にベルト裏面に集中できるようにしてあ
る。ベルトに接しない側は断熱材243でカバーしてあ
り、放熱による損失を防いでいる。
【0068】表側では、下流側の供給ダクト230から
乾燥温風を吹き付けることによって、乾燥しつつあるプ
リント媒体236に、より湿度の低い空気を当てて効果
を高めるようにしている。そしてプリント媒体236の
搬送方向とは逆に流れて充分に水分を含んだ空気は、上
流側の吸引ダクト233から、吹き付けの量よりもはる
かに多量の吸引をすることによって、蒸発水分が漏れて
周囲の機械装置に結露しないようにしてある。温風の供
給源は図4の奥側にあり、吸引は手前側から行うように
なっていて、プリント媒体236に対向している吹き出
し口238と吸引口239との圧力差が長手方向全域に
わたって均一になるようにしてある。空気の吹き付け/
吸引部は裏面の加熱プレート234の中心に対して下流
側にオフセットされており、充分に加熱された所に空気
が当たるようにしてある。これらによって第1のプリン
ト部231がプリント媒体236が受容した薄め液も含
むインク中の多量の水分を強力に乾燥させる。
【0069】その下流(上方)には第2のプリント部2
31′があり、第1のキャリッジと同様の構成の第2の
キャッリジ244′で第2のプリント部を形成してい
る。
【0070】次に、インクジェット捺染プリントの具体
例を説明する。先に説明したように図2は捺染に好適な
インクジェットプリント装置の構成を示す図である。図
2に示すようなインクジェットプリント装置を用いて、
インクジェット印捺工程を経た後、プリント媒体を乾燥
(自然乾燥を含む)させる。そして、引き続きプリント
媒体繊維上の染料を拡散させ、かつ繊維への染料を反応
定着させる工程を施す。この工程により、充分な発色性
と染料の固着による堅牢性を得ることができる。
【0071】この拡散、反応定着工程は従来公知の方法
でよく、例えば、スチーミング法が挙げられる。なお、
この場合、印捺工程の前に、予めプリント媒体にアルカ
リ処理を施してもよい。
【0072】その後、後処理工程において、未反応の染
料の除去及び前処理に用いた物質の除去が行われる。最
後に、欠陥補正、アイロン仕上げ等の整理仕上げ工程を
経てプリントが完成する。
【0073】なお、プリント媒体としての布帛として
は、絹、綿、麻、レーヨン、ナイロン等がある。
【0074】特に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを充分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、必要に応じて布帛に対
し、予め前処理を施しておくことができる。例えば、特
開昭62−53492号公報においてインク受容層を有
する布帛類が開示され、また、特公平3−46589号
公報においては還元防止剤やアルカリ物質を含有させた
布帛の提案がなされている。このような前処理の例とし
ては、布帛に、アルカリ性物質、水溶性高分子、合成高
分子、水溶性金属塩、尿素及びチオ尿素から選ばれる物
質を含有させる処理を挙げることができる。
【0075】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニア及びアンモニア化合物等がある。また、スチーミン
グ及び乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナト
リウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質とし
ては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウム及
び重炭酸ナトリウムがある。
【0076】水溶性高分子としては、トウモロコシ、小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、
ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グアガム、
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等の天然水
溶性高分子が挙げられる。
【0077】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系
化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0078】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4,KCl及びCH3COONa等が挙げられ、また、
アルカリ土類金属としては、CaCl2及びMgCl2
が挙げられる。中でもNa,K及びCaの塩類が好まし
い。
【0079】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法等を挙げる
ことができる。
【0080】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料の反
応定着工程(染着工程)を施すのが好ましい。このよう
な反応定着工程は、従来公知の方法でよく、例えば、ス
チーミング法、HTスチーミング法、サーモフィックス
法、予めアルカリ処理した布帛を用いない場合は、アル
カリパッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム法、
アルカリショック法、アルカリコールドフィックス法等
が挙げられる。
【0081】さらに未反応の染料の除去及び前処理に用
いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知の
方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、この
洗浄の際に従来公知のフィックス処理を併用することが
好ましい。
【0082】なお以上述べた後処理工程が施されたプリ
ント物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離さ
れた片は縫着、接着、溶着等、最終的な加工品を得るた
めの工程が施され、ワンピース、ドレス、ネクタイ、水
着、エプロン、スカーフ、布団カバー、ソファカバー、
ハンカチ、カーテン、ブックカバー、ルームシューズ、
タペストリー、テーブルクロス等が得られる。布帛を縫
製等により加工して衣類やその他の日用品とする方法
は、例えば「最新ニット縫製マニュアル」:センイジャ
ーナル社発行や月刊誌「装苑」:文化出版局発行等、公
知の書籍に多数記載されている。
【0083】本実施例では、200dpi(ドット/イ
ンチ),256ノズル,ノズル口径22×33μmのバ
ブルジェット方式のプリントヘッドを用い、平均ドロッ
プ径60μm,平均180pl/ドットの吐出量にてプ
リントを行った。
【0084】また、インクとしては、以下の4色を用い
てフルカラープリントを行った。各インクの組成を以下
に示す。
【0085】1.C,I, Reactive Blue 10部 (反応性染料) チオジグリコール 15部 ジエチレングリコール 15部 水 60部 2.C,I, Reactive Red 10部 (反応性染料) チオジグリコール 15部 ジエチレングリコール 15部 水 60部 3.C,I, Reactive Yellow 10部 (反応性染料) チオジグリコール 15部 ジエチレングリコール 15部 水 60部 4.C,I, Reactive Black 15部 (反応性染料) チオジグリコール 15部 ジエチレングリコール 15部 水 55部 また、布帛としては、繊維径平均300μm、横糸径平
均200μmからなる原糸を平織した線布にプリントを
行った。
【0086】この線布は、その繊維の方向がヘッドの移
動方向と異なるようにベルト237に貼り付けられてい
る。
【0087】図5はいわゆるシーケンシャル・マルチス
キャンによりプリントされるプリントデータを説明する
ための図である。
【0088】図5において、点線で囲まれた各矩形領域
が1ドット(画素)に対応し、例えばプリント密度が4
00dpi(ドット/インチ)の場合は、各矩形の面積
は約(63.5μm)2となる。黒い丸で示された部分
がドットが打たれた場所で、黒丸が存在していない箇所
がプリントが行われない部分を示している。インクジェ
ットヘッドが矢示F方向に移動し、インク吐出用ノズル
より所定のタイミングでインクが吐出される。このシー
ケンシャル・マルチスキャンは、各ノズルの吐出するイ
ンク滴の大きさのばらつきや、インク吐出方向のばらつ
きによって生ずる各ノズル間の濃度ばらつきを補正する
ために行われ、同一のライン(ヘッド移動方向)を複数
のノズルでプリントする。このように複数個のノズルで
1つのラインを形成することにより、各インクジェット
ヘッドのノズル特性のランダム性を利用し、濃度ムラの
低減を図っている。すなわち、2度スキャンによるシー
ケンシャル・マルチスキャンの場合、1回目の走査でイ
ンクジェットヘッドの上半分を用いてプリントを行い、
2回目の走査ではインクジェットヘッドの下半分のノズ
ルを用いてプリントを行う。
【0089】このシーケンシャル・マルチスキャンによ
るプリントをする例を示したのが図6と図7である。
【0090】いま、例えば図5に示したデータをプリン
トする場合には、まず図6に示すように、インクジェッ
トヘッドの移動方向に発生するデータの奇数番目のプリ
ントデータのみを、インクジェットヘッドの上半分のノ
ズルでプリントする。次に、インクジェットヘッド(キ
ャリッジ)がホーム位置方向に戻され、プリント媒体2
36がインクジェットヘッドの巾の半分だけ送られて、
図7に示すように今度はインクジェットヘッドの移動方
法の偶数番目のドットをインクジェットヘッドの下半分
のノズルを用いてプリントする。こうして2度のスキャ
ンにより図5に示すようなデータがプリント媒体236
上にプリントされる。
【0091】図8は通常の2回マルチスキャンでの印刷
例を示している。第1のプリント部231のインクジェ
ットヘッドで印刷したエリア(下1)801、(下2)
802、(下3)803で示し、第2のプリント部23
1′のインクジェットヘッドで印刷したエリアを(上
1)804、(上2)805、(上3)806で示す。
【0092】プリント媒体送り方向は図示矢印の通りで
あり、プリント媒体236の1回のステップ送り量は、
インクジェットヘッドのプリント巾に対応している。図
8から明らかなようにプリントされた領域での全ては、
第2のプリント部231′のインクジェットヘッドの上
半分と第1のプリント部231のインクジェットヘッド
の下半分か、第2のプリント部231′のインクジェッ
トヘッドの下半分と第1のプリント部231のインクジ
ェットヘッドの上半分とを用いてプリントされている。
ここで、各インクジェットヘッドでプリントされるデー
タは、前述の図6及び図7に示すように間引かれてお
り、これら2つのインクジェットヘッドで重ね合わせて
プリントされた結果、807で示す印刷濃度が得られ
る。
【0093】本実施例において得られるプリント物は、
プリント物を上述したように繊維の方向がヘッドの移動
方向と異なるようにベルト237に貼り付けたことによ
り、ノズルの不吐出やヨレにより発生する白スジが目立
たないものとなった。
【0094】図9は上記のプリント結果を示す図であ
る。
【0095】プリント媒体236は、繊維方向とヘッド
走査方向との角度θが10度となるようにベルト237
に貼り付けられている。すなわち、ベルト237の搬送
方向にたいして斜めに貼り付けられている。この結果、
ヘッドに不吐出部やヨレ部が発生しても、インクが全く
付着しない糸が存在することはなく、非常に目立つ白ス
ジは見られず、良好な捺染布帛を形成することができ
た。
【0096】さらに図10に示すように、繊維方向とヘ
ッド走査方向との角度θが45度となるようにベルト2
37に貼り付けて記録を行ったところ、上記の作用が一
層強いものとなり、より良好な捺染布帛を得ることがで
きた、図11に示すように1/2斜文織の線布を繊維方
向とヘッド走査方向との角度θが45度となるようにベ
ルト237に貼り付けて記録を行ったところ、上記と同
様に、良好な捺染布帛を得ることができた。
【0097】さらに図12に示すように、朱子織の線布
を繊維方向とヘッド走査方向との角度θが45度となる
ようにベルト237に貼り付けて記録を行ったところ、
上記と同様に、良好な捺染布帛を得ることができた。
【0098】図13は、朱子織の線布に付着したインク
が繊維方向ににじんだ状態を示す図である。
【0099】繊維に付着したインクは図示するように繊
維方向に沿って広がるため、インクが吐出されない部分
の繊維は視覚的に非常に目立たないものとなる。
【0100】図14は本発明の第2の実施例の構成を示
す図である。
【0101】上述した実施例においては、繊維方向とヘ
ッド走査方向とに角度を付けることを、ベルト237に
プリント媒体236を斜めに貼り付けることにより行っ
ていたが、本実施例においては、インクジェットプリン
ト部自体がベルト237の搬送方向に対して角度を有す
るように斜めに設置されている。この他の構成は、図3
に示した実施例と同様であるために図3と同じ番号を付
して説明は省略する。
【0102】本実施例においても、線布とヘッドの走査
方向との関係は上記の実施例と同様となるために、上述
したものと同様に良好な捺染布帛を得ることができた。
【0103】上記の各実施例における繊維方向とヘッド
走査方向との角度について言うと、0度よりも大きけれ
ば、換言すると、多少なりとも角度が付けられていれば
有効となるが、ヘッド走査方向がなるべく多くの繊維に
またがるように5度以上の角度を付けることによりその
効果は顕著となる。また、45度を超える角度をつける
と、たて糸とよこ糸の位置関係が逆転することとなる
が、図12に示した朱子織のようにたて糸もしくはよこ
糸のいずれかが表面に多く出る織り方があるため、線布
の織り方および貼り付け方に応じて、表面に多く出る繊
維にヘッド走査方向が多くまたがるように角度を調整す
ることが望ましい。
【0104】上記のいずれの実施例においても、繊維方
向とヘッド走査方向とが等しいインクジェットプリント
装置で作製されたプリント物と同様の図柄を得ようとす
る場合には、繊維方向とヘッド走査方向の角度に応じた
画像処理が必要となる。図1に示した画像処理部102
は、画像読み取り部101より出力される原画データに
対して、繊維方向とヘッド走査方向の角度に応じた処理
(内蔵する画像メモリのマップをsinθをかけて入れ換
える等)を施し、入れ換えたメモリの内容をイメージデ
ータとして画像プリント部103へ出力している。
【0105】本発明は、特にインクジェットプリント
(記録)方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液
滴を形成し、プリントを行うインクジェット方式のプリ
ントヘッド、プリント装置において優れた効果をもたら
すものである。
【0106】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰
を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応し
た液体(インク)内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0107】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れたプリントを行うことができる。
【0108】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変
換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている
構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米
国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明
に含まれるものである。
【0109】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0110】さらに、プリント装置がプリントできる最
大プリント媒体の幅に対応した長さを有するフルライン
タイプのプリントヘッドとしては、上述した明細書に開
示されているような複数プリントヘッドの組み合わせに
よってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1
個のプリントヘッドとしての構成のいずれでもよいが、
本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することがで
きる。
【0111】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプのプリントヘッ
ド、あるいはプリントヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプのプリントヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0112】また、本発明のプリント装置の構成として
設けられる、プリントヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙
げれば、プリントヘッドに対してのキャッピング手段、
クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換
体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み
合わせによる予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定したプリントを行う
ために有効である。
【0113】さらに、プリント装置のプリントモードと
しては黒色等の主流色のみをプリントモードだけではな
く、プリントヘッドを一体的に構成するか複数個を組み
合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー、ま
たは混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0114】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用プリント信号
付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0115】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーのプリント
信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インク
として吐出するものや、プリント媒体に到達する時点で
は既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによ
って初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適
用可能である。このような場合インクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0116】さらに加えて、本発明に係るプリント装置
の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の
情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設
けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るものであっても良い。
【0117】
【発明の効果】本発明の装置および方法は以上説明した
ように構成されているので、特定のノズルに吐出不良が
発生したときやヨレが発生しても、白スジが目立つこと
なく良好な画像を連続してプリントすることができ、良
好な捺染布帛を形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の基本構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第1の実施例の画像プリント部の構成
を示す図である。
【図3】第1の実施例のプリント部を示す斜視図であ
る。
【図4】第1の実施例のインクジェットプリント部付近
を示す図である。
【図5】第1の実施例による重ねプリントを説明するた
めの図である。
【図6】シーケンシャル・マルチスキャンによるプリン
トを説明するための図である。
【図7】シーケンシャル・マルチスキャンによるプリン
トを説明するための図である。
【図8】シーケンシャル・マルチスキャンによるプリン
トを説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施例を用いたプリント結果を
示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例を用いたプリント結果
を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施例を用いたプリント結果
を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施例を用いたプリント結果
を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施例を用いたプリント結果
を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施例の構成を示す斜視図で
ある。
【図15】従来より用いられるインクジェットヘッドの
構成を示す図である。
【図16】従来例によるプリント結果を示す図である。
【図17】従来例によるプリント結果を示す図である。
【符号の説明】
A 本体部 A−1 精密送り部 A−2 インクジェットプリント部 B 給布部 C 巻取部 101 画像読み取り装置 102 画像処理部 103 画像プリント部 205 電装系 206 フレーム枠 207,208 ガイドレール 209 インクジェットヘッド 210 キャリッジ 211 インク供給装置 212 キャリッジ 213 ヘッド回復装置 215 チューブ 217 プリント済部分 230 供給ダクト 231 第1プリント部 231′ 第2プリント部 233 吸引ダクト 234 加熱プレート 235 温風ダクト 236 プリント媒体 237,1002 ベルト 238 吹出し口 239 吸引口 240 押付けローラ 244 第1キャリッジ 244′ 第2キャリッジ 245 乾燥部 246 後乾燥部 247 駆動ローラ 248 巻き取りロール 249 巻回ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 8808−2H D06P 5/00 111 A 9356−4H B41J 3/10 101 E (72)発明者 渡辺 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント媒体に対してインクを付着させ
    るプリントヘッドを用いてプリントを行うインクジェッ
    トプリント装置であって、 前記プリント媒体が織物である場合に、前記織物を構成
    する繊維の方向と、前記プリントヘッドを用いて前記プ
    リント媒体に形成されるインクのドットの配列方向が異
    なるように前記プリント媒体と前記プリントヘッドの相
    対位置を決める位置決め手段を備えることを特徴とする
    インクジェットプリント装置。
  2. 【請求項2】 前記プリントヘッドは、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するプリントヘッドであって、イ
    ンクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギ
    ー変換体を備えたインクジェットプリントヘッドである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリ
    ント装置。
  3. 【請求項3】 プリント媒体に対してインクを付着させ
    るプリントヘッドを用いてプリントを行うインクジェッ
    トプリント方法であって、 前記プリント媒体が織物である場合に、前記織物を構成
    する繊維の方向と、前記プリントヘッドを用いて前記プ
    リント媒体に形成されるインクのドットの配列方向が異
    なるようにプリントを行うことを特徴とするインクジェ
    ットプリント方法。
  4. 【請求項4】 織物にインクのドットにより画像が形成
    されたプリント物であって、 前記織物を構成する繊維の方向と前記織物上に形成され
    たインクのドットの配列方向が異なっていることを特徴
    とするプリント物。
  5. 【請求項5】プリント媒体とインクを吐出するプリント
    ヘッドの対向位置を移動させながら前記プリントヘッド
    からインクを吐出して前記プリント媒体に記録を行うイ
    ンクジェットプリント方法であって、 プリント媒体が織物である場合に、織物を構成する繊維
    の方向が前記移動方向と異なるようにしてプリントを行
    うことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  6. 【請求項6】 前記プリント媒体上にインクを吐出して
    プリント部分を形成した後、前記プリント部分のインク
    を前記プリント媒体に対して定着させる工程を有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリン
    ト方法。
  7. 【請求項7】 前記定着工程の後にプリント媒体を洗浄
    処理する工程を有するすることを特徴とする請求項6記
    載のインクジェットプリント方法。
  8. 【請求項8】 前記プリント媒体に対してインクを吐出
    してプリントを行う前に前記プリント媒体に前処理剤を
    含有させる工程を有することを特徴とする請求項5ない
    し7のいずれかに記載のインクジェットプリント方法。
  9. 【請求項9】 前記プリントヘッドは、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するプリントヘッドであって、イ
    ンクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギ
    ー変換体を備えたインクジェットプリントヘッドである
    ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の
    インクジェットプリント方法。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし9のいずれかに記載の
    インクジェットプリント方法を実施して得られたプリン
    ト物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のプリント物をさらに
    加工して得られた加工品。
  12. 【請求項12】 前記加工品は、前記プリント物を所望
    の大きさに切り離し、切り離された片に対して最終的な
    加工品を得るための工程を施して得られたものである請
    求項11記載の加工品。
  13. 【請求項13】 前記最終的な加工品を得るための工程
    は縫製である請求項12記載の加工品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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