JPH0632815A - エラストマー状オレフィン系共重合体の精製方法 - Google Patents

エラストマー状オレフィン系共重合体の精製方法

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JPH0632815A
JPH0632815A JP23255192A JP23255192A JPH0632815A JP H0632815 A JPH0632815 A JP H0632815A JP 23255192 A JP23255192 A JP 23255192A JP 23255192 A JP23255192 A JP 23255192A JP H0632815 A JPH0632815 A JP H0632815A
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propylene
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篤司 井上
Kazuyuki Tanaka
一幸 田中
Kimihiko Iikura
公彦 飯倉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】V化合物と有機Al化合物とを触媒としてエチ
レン、プロピレン、及び必要に応じて非共役ジエンを共
重合して得られたEPM或いはEPDMを精製する方法
を提供する。 【構成】重合系にトルエン等の良溶媒とアルコールとを
混合し、次いで過酸化水素水溶液と水、或いは過酸化水
素水溶液と苛性ソーダ水溶液等のアルカリ性水溶液を添
加して、触媒残渣を分解し、水層に抽出する精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体プロピレン中で懸
濁重合により得られたエチレン・プロピレンゴム或いは
エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体等のエラス
トマー状オレフィン系共重合体を脱灰する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エチレン・プロピレンゴムやエチレン・
プロピレン・ジエン三元共重合体等のエラストマー状オ
レフィン系共重合体は、一般には、3価或いは5価のバ
ナジウム化合物等の遷移金属化合物と有機アルミニウム
化合物とを触媒として、エチレンとプロピレン、或いは
エチレンとプロピレンと非共役ジエン系炭化水素を共重
合するという方法により製造されてきた。そして、工業
的なプロセスとしては、液体プロピレン中で重合を行う
懸濁重合法と、n−ヘキサン等の有機溶媒中で重合を行
う溶液重合法が、主に行われてきた。
【0003】溶液重合法は、重合中に生成したオレフィ
ン系共重合体が析出することが殆どないため、反応器内
での閉塞が殆ど起こらないという長所がある。又、重合
圧力が低いので反応器の設計、製作や操業が楽であるこ
とや重合後の溶液の移送が容易であるということも長所
である。更に、脱灰操作が極めて容易なため、触媒残渣
の含有量の極めて低いオレフィン系共重合体を容易に得
ることができる。このため、従来は、溶液重合法が主に
行われていた。
【0004】しかし、溶液重合法においては、重合が進
むにつれて重合溶液の粘度が急激に上昇するので、オレ
フィン系重合体の濃度は7〜10%程度が限界であり、
分子量も高くすることができなかった。又、重合熱の除
去も困難であった。更に、脱灰工程や凝固工程、溶媒回
収工程等が必要となりプロセスが複雑になるという問題
もあった。このため、近年、このような欠点のない懸濁
重合法を採用することが検討されるようになってきた。
【0005】
【解決すべき課題】懸濁重合法においては、オレフィン
系共重合体が液体プロピレン中に粒子状に懸濁したスラ
リー液の状態で重合が進行するので、重合系が高粘度に
なることがない。このため、溶液法と比較して、オレフ
ィン系共重合体の濃度や分子量を高くできる可能性があ
る。又、プロピレンの蒸発潜熱により重合熱の除去が極
めて容易である。更に、オレフィン系共重合体中のモノ
マー組成比の制御も容易である。
【0006】しかし、この重合法においては、共重合体
は触媒を包み込むようにして生成するので、重合後脱灰
処理により触媒を除去することが困難であった。しか
し、オレフィン系共重合体中のバナジウム含有量が高い
と、オレフィン系共重合体が黄色や褐色に着色したり物
性が低下したりする。このため、バナジウム含有量が低
いことが強く要求され、殊に近年は5ppm以下という
極めて低い含有量のものが要求されている。
【0007】懸濁重合法における上記の問題を解決する
ため、モノクロロマロン酸エチルやジクロロマロン酸エ
チル等の活性化剤を重合系に添加して触媒の活性を向上
させることにより、重合工程で生成するオレフィン系共
重合体そのもののバナジウム含有量を減少させることが
検討された。それとともに、脱灰工程を改良し、オレフ
ィン系共重合体中のバナジウムをより効果的に除去でき
るようにすることも検討された。従来検討された脱灰方
法としては、例えば、重合工程で得られるスラリーに塩
酸や酢酸、苛性ソーダ水溶液等の抽出液、酒石酸やグル
コン酸等の錯化液、及び酸化剤を添加し、次いでこれに
トルエン等の有機溶媒を混合するという方法がある(特
公昭46−5156号)。又、このほかには、スラリー
に重合圧力よりも高い圧力においてアルコールや苛性ソ
ーダ水溶液、或いは酒石酸水溶液などを添加して脱灰す
るという方法(特公昭48−16063)も検討され
た。更に、重合後のスラリーにポリエーテルジアミン或
いはポリエーテルモノアミン等を添加してから水洗する
という方法(特公昭46−6985)や、良溶媒と界面
活性剤を添加してから水を添加するという方法(特開昭
60−69112)も検討された。
【0008】しかし、これらの方法によっても、バナジ
ウム含有量が5ppmと極めて低いオレフィン系共重合
体を得ることは困難であった。
【0009】本発明は、バナジウム含有量が5ppm以
下と極めて低いオレフィン系共重合体が容易に得られる
脱灰方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題解決のための技術的手段】本発明の脱灰方法は、
バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とを触媒と
して、エチレンとプロピレン、或いはエチレンとプロピ
レンと非共役ジエン系炭化水素を懸濁重合して得られた
エラストマー状オレフィン系共重合体を脱灰する方法で
あって、重合工程で得られたスラリー液に、先ず良溶媒
とアルコールを混合し、次いで、過酸化水素水と、水ま
たはアルカリ水溶液を添加し、エラストマー状オレフィ
ン系共重合体中の触媒残渣を水相に抽出するというもの
である。
【0011】先ず、重合工程で得られたスラリー液に、
第1段階として良溶媒とアルコールとを添加し、攪拌、
混合する。この段階においては、添加した良溶媒により
スラリー液中のオレフィン系共重合体粒子が膨潤すると
ともに、粒子に含まれる触媒残渣中のバナジウム化合物
がアルコールと反応すると考えられる。
【0012】良溶媒の添加量は、未反応の液体プロピレ
ンに対する重量比で0.01〜0.40の範囲になるよ
うにすることが好ましく、0.02〜0.30の範囲と
することが特に好ましい。未反応の液体プロピレンに対
する良溶媒の量が0.01よりも少ないと、オレフィン
系共重合体が充分膨潤しないので、触媒残渣が充分抽出
されない。一方、0.40よりも多いと、生成したオレ
フィン系重合体が添加した良溶媒に溶解するので、スラ
リー液の粘度が上昇するという問題がある。
【0013】添加するアルコールの量は、生成したオレ
フィン系重合体に対する重量比で0.02〜20の範囲
になるようにすることが好ましく、0.5〜10の範囲
とすることが特に好ましい。生成したオレフィン系重合
体に対するアルコールの添加量が0.02よりも少ない
ときは、触媒残渣中のバナジウム化合物は完全にアルコ
ールと反応しないので、後工程で充分抽出されない。一
方、アルコールの添加量が20を超えても、触媒残渣は
それ以上効果的に抽出されないので、アルコールの無駄
である。
【0014】アルコールと良溶媒の割合は、1/10〜
100/1(体積比)の範囲が好ましい。温度は−10
〜60℃の範囲が好ましい。
【0015】アルコールと良溶媒とは同時に添加しても
よい。この場合、アルコールと良溶媒とを混合液として
添加してもよく、別々に添加してもよい。又、アルコー
ルを先に良溶媒を後に添加してもよく、その逆でもよ
い。
【0016】アルコールとしては、ROHで表せるもの
が好ましい。ここでRは炭素数1〜12のアルキル基、
或いはアリールアルキル基である。具体的には、メタノ
ール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアル
コール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノ
ニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコ
ール、ドデシルアルコール等の脂肪族飽和アルコール、
シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式ア
ルコール、ベンジルアルコールやシンナミルアルコール
等の芳香族アルコール等が用いられる。このなかで最も
好ましいものは脂肪族飽和アルコールである。
【0017】良溶媒としては、溶解度パラメーターが
7.3〜9.5であるものが用いられる。溶解度パラメ
ーターがこの範囲のものであれば、脂肪族炭化水素、脂
環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
エーテル、ケトン、エステル等どのような種類の溶媒も
用いうる。このような溶媒としては、例えばn−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デ
カン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘプタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、
メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、酢酸エチル、酢酸、クロロホルム、テトラクロ
ロエタン等が挙げられる。但し、溶解度パラメーターが
7.3よりも小さな溶媒はポリマーの膨潤効果が小さ
く、9.5よりも大きな溶媒は触媒の除去効果が小さい
という点で好ましくない。
【0018】良溶媒とアルコールとを添加したスラリー
液に、第2段階として、過酸化水素と、水またはアルカ
リ水溶液を添加し攪拌して、オレフィン共重合体粒子中
の触媒残渣を酸化して水溶性を高めつつ水相に抽出す
る。過酸化水素は濃度3〜60%程度の水溶液として添
加することが好ましい。本発明の方法においては、過酸
化水素と、水またはアルカリ水溶液のどちらを先に添加
してもよい。また、これらを同時に添加してもよい。
【0019】過酸化水素の添加量は、触媒として使用し
たバナジウム化合物1モルに対して0.01〜5000
モルの範囲とすることが好ましく、0.1〜1000モ
ルの範囲とすることが特に好ましい。バナジウム化合物
1モルに対する過酸化水素の添加量が0.01モルより
も少ないと、バナジウム化合物が充分酸化されないので
好ましくない。一方、過酸化水素の添加量が5000モ
ルよりも大きいと、生成したオレフィン系共重合体その
ものが酸化される可能性があるから好ましくない。
【0020】水またはアルカリ水溶液の添加量は、オレ
フィン共重合体の重量1に対して0.01〜10の重量
の範囲になるようにすることが好ましく、添加・攪拌の
際の温度は−10〜60℃の範囲が好ましい。水相を分
離するには、例えば静置する等の方法が可能である。こ
のとき、水相は下に、オレフィン共重合体粒子のスラリ
ーは上に分離する。
【0021】水またはアルカリ水溶液としては、pHが
5.5〜12のものが用いられる。本発明において、ア
ルカリ水溶液とは、アルカリ性化合物の水溶液をいい、
具体的には苛性ソーダ水溶液、苛性カリ水溶液、アンモ
ニア水溶液等が含まれる。但し、pHが12より大きな
アルカリ性水溶液は好ましくない。触媒残渣が溶けにく
いからである。水としてはpHが5.5以上のものが好
ましい。pHが5.5より小さな水を用いると、装置の
腐食のおそれが大きいからである。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明について具体的
に説明する。
【0023】〔実施例1〕内容量2リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、液体プロピレン500g、5−
エチリデン−2−ノルボルネン14ml、ジエチルアル
ミニウムクロライド2.9mmol、及びジエチル亜鉛
0.2mmolを仕込んだ。次いで、重合温度を25℃
に設定して、内容物を攪拌しつつ、エチレンを、オート
クレーブの内圧よりも2kg/cm,G高い圧力で供
給しながら、0.05mmolのバナジウムトリアセチ
ルアセトネートをトルエン4mlに溶解した溶液を圧入
し、重合を開始した。重合は20分間行った。活性化剤
として、エチルモノクロロマロネートとエチルジクロロ
マロネートを1:9のモル比で混合した混合物を用い、
この混合物0.15mmolをトルエンに溶解して3m
lとした溶液を、重合開始時から終了時にわたって連続
的に添加した。20分経過後、590gのスラリー液が
得られた。このスラリー液のスラリー濃度は27.7重
量%であった。尚、スラリー濃度は、 なる式によって計算した。このスラリー液に、先ず、良
溶媒としてトルエン40mlを加え、次いでメタノール
50mlを加えて20℃で10分間激しく攪拌した。次
いで、3%濃度の過酸化水素水溶液10mlを加えて、
攪拌下で、pH10の苛性ソーダ水溶液400mlを添
加し、30分間攪拌を行い、次いで30分間静置して、
該スラリー液から水相を分離した。水相を分離したスラ
リー液から、未反応のモノマーを脱ガスして除去し、残
った少量のトルエン等を真空乾燥機により除去した。得
られた共重合体は、エチレン含有量が61.9重量%、
プロピレン含有量が29.4重量%、5−エチリデン−
2−ノルボルネンの含有量が8.7重量%であった。数
平均分子量Mnは296,000、重量平均分子量Mw
は781,000であり、Mw/Mn=2.6であっ
た。バナジウム含有量は3.1ppm、アルミニウム含
有量は235ppmであった。尚、脱灰前のスラリー液
中の共重合体は、バナジウム含有量が19.9ppm、
アルミニウム含有量は612ppmであった。
【0024】〔実施例2〕内容量2リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、液体プロピレン500g、5−
エチリデン−2−ノルボルネン12ml、ジエチルアル
ミニウムクロライド2.5mmol、及びジエチル亜鉛
0.1mmolを仕込んだ。次いで、重合温度を25℃
に設定して、内容物を攪拌しつつ、エチレンを、オート
クレーブの内圧よりも2kg/cm,G高い圧力で供
給しながら、0.04mmolのバナジウムトリアセチ
ルアセトネートをトルエン3mlに溶解した溶液を圧入
し、重合を開始した。重合は30分間行った。活性化剤
として、エチルモノクロロマロネートとエチルジクロロ
マロネートを2:8のモル比で混合した混合物を用い、
この混合物0.12mmolをトルエンに溶解して5m
lとした溶液を、重合開始時から終了時にわたって連続
的に添加した。30分経過後、スラリー液が592g得
られた。スラリー液中のスラリー濃度は28.1重量%
であった。尚、スラリー濃度は、実施例1と同様にして
計算した。このスラリー液に、先ずシクロヘキサン40
mlを加え、次いでイソプロピルアルコール60mlを
加えて20℃で10分間、激しく攪拌した。次いで濃度
3%の過酸化水素水溶液10mlを加え、攪拌下で更に
pH9の苛性カリ水溶液400mlを添加し、30分間
攪拌を行い、次いで30分間静置して、該スラリー液か
ら水相を分離した。水相を分離したスラリー液から、未
反応のモノマーを脱ガスして除去し、残った少量のシク
ロヘキサン等を真空乾燥機により除去した。得られた共
重合体は、エチレン含有量が63.7重量%、プロピレ
ン含有量が29.2重量%、5−エチリデン−2−ノル
ボルネンの含有量が7.1重量%であった。数平均分子
量Mnは243,000、重量平均分子量Mwは61
5,000であり、Mw/Mn=2.5であった。バナ
ジウム含有量は2.8ppm、アルミニウム含有量は2
25ppmであった。尚、脱灰前のスラリー液中の共重
合体は、バナジウム含有量が15.7ppm、アルミニ
ウム含有量は519ppmであった。
【0025】〔実施例3〕内容量2リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、液体プロピレン500g、ジシ
クロペンタジエン14ml、ジエチルアルミニウムクロ
ライド2.8mmol、及びジエチル亜鉛0.1mmo
lを仕込んだ。次いで、重合温度を23℃に設定して、
内容物を攪拌しつつ、エチレンを、オートクレーブの内
圧よりも3kg/cm,G高い圧力で供給しながら、
0.03mmolのバナジウムトリアセチルアセトネー
トをトルエン3mlに溶解した溶液を圧入し、重合を開
始した。重合は30分間行った。活性化剤として、エチ
ルモノクロロマロネートとエチルジクロロマロネートを
3:7のモル比で混合した混合物を用い、この混合物
0.15mmolをトルエンに溶解して5mlとした溶
液を、重合開始時から終了時にわたって連続的に添加し
た。50分経過後、スラリー液が585g得られた。ス
ラリー液中のスラリー濃度は28重量%であった。尚、
スラリー濃度は、実施例1と同様にして計算した。この
スラリー液に、先ず、トルエン30mlを加え、次いで
エタノール70mlを加えて30℃で10分間、激しく
攪拌した。次いで、濃度3%の過酸化水素水溶液15m
lを加え、攪拌下で更にpH9の苛性ソーダ水溶液40
0mlを添加し、30分間攪拌を行い、次いで30分間
静置して、該スラリー液から水相を分離した。水相を分
離したスラリー液から、未反応のモノマーを脱ガスして
除去し、残った少量のトルエン等を真空乾燥機により除
去した。得られた共重合体は、エチレン含有量が58.
8重量%、プロピレン含有量が33.4重量%、ジシク
ロペンタジエンの含有量が7.8重量%であった。数平
均分子量Mnは316,000、重量平均分子量Mwは
841,000であり、Mw/Mn=2.7であった。
バナジウム含有量は4.8ppm、アルミニウム含有量
は327ppmであった。尚、脱灰前のスラリー液中の
共重合体は、バナジウム含有量が12ppm、アルミニ
ウム含有量は591ppmであった。
【0025】〔実施例4〕内容量2リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、液体プロピレン500g、ジエ
チルアルミニウムクロライド2.5mmolを仕込み、
水素をゲージ圧で0.4kg/cmになるように仕込
んだ。次いで、重合温度を20℃に設定して、内容物を
攪拌しつつ、エチレンを、オートクレーブの内圧よりも
2気圧高い圧力で供給しながら、0.03mmolのバ
ナジウムトリアセチルアセトネートをトルエン3mlに
溶解した溶液を圧入し、重合を開始した。重合は35分
間行った。活性化剤として、エチルモノクロロマロネー
トとエチルジクロロマロネートを4:6のモル比で混合
した混合物を用い、この混合物0.15mmolをトル
エンに溶解して10mlとした溶液を、重合開始時から
終了時にわたって連続的に添加した。35分経過後、ス
ラリー液が577g得られた。スラリー液中のスラリー
濃度は31.4重量%であった。尚、スラリー濃度は、
実施例1と同様にして計算した。このスラリー液に、先
ず、シクロヘキサン40mlを加え、次いでエタノール
50mlを加えて20℃で10分間、激しく攪拌した。
次いで、濃度3%の過酸化水素水溶液10mlを加え、
攪拌下で更にpH11の苛性ソーダ水溶液400mlを
添加し、30分間攪拌を行い、次いで30分間静置し
て、該スラリー液から水相を分離した。水相を分離した
スラリー液から、未反応のモノマーを脱ガスして除去
し、残った少量のシクロヘキサン等を真空乾燥機により
除去した。得られた共重合体は、エチレン含有量が5
7.6重量%、プロピレン含有量が42.4重量%であ
った。数平均分子量Mnは217,000、重量平均分
子量Mwは527,000であり、Mw/Mn=2.4
であった。バナジウム含有量は2.5ppm、アルミニ
ウム含有量は220ppmであった。尚、脱灰前のスラ
リー液中の共重合体は、バナジウム含有量が11pp
m、アルミニウム含有量は489ppmであった。
【0026】〔比較例1〕実施例1と同様にして、スラ
リー濃度28.1重量%のオレフィン系重合体のスラリ
ー液を得た。このスラリー液592gに対して、良溶媒
としてトルエン40mlを加え、メタノール50ml、
3%濃度の過酸化水素水10ml、及びpH10の苛性
ソーダ水溶液400mlを添加し30分間攪拌した。そ
の後30分静置し、水相を分離した。水相を分離したス
ラリー液から、未反応のモノマーを脱ガスして除去し、
残った少量のトルエン等を真空乾燥機により除去した。
得られた共重合体は、エチレン含有量が62.2重量
%、プロピレン含有量が29.4重量%、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネンの含有量が8.4重量%であっ
た。数平均分子量Mnは301,000、重量平均分子
量Mwは782,000であり、Mw/Mn=2.6で
あった。バナジウム含有量は7.8ppmと高かった。
アルミニウム含有量は385ppmであった。尚、脱灰
前のスラリー液中の共重合体は、バナジウム含有量が1
9.6ppm、アルミニウム含有量は602ppmであ
った。
【0027】〔比較例2〕実施例1と同様にして、スラ
リー濃度28.0重量%のスラリー液を得た。このスラ
リー液590gに対して、濃度3%の過酸化水素水10
ml及びpH10の苛性ソーダ水溶液400mlを添加
し、30分間激しく攪拌し、その後30分静置し、水相
を分離した。水相を分離したスラリー液から、未反応の
モノマーを脱ガスして除去し、残った少量のトルエン等
を真空乾燥機により除去した。得られた共重合体は、エ
チレン含有量が60.9重量%、プロピレン含有量が3
0.6重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネンの含
有量が8.5重量%であった。数平均分子量Mnは29
8,000、重量平均分子量Mwは779,000であ
り、Mw/Mn=2.6であった。バナジウム含有量は
8.0ppmと高かった。アルミニウム含有量は402
ppmであった。尚、脱灰前のスラリー液中の共重合体
は、バナジウム含有量が19.8ppm、アルミニウム
含有量は607ppmであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の脱灰方法を用いる事により、懸
濁重合法において生成した粒子状のオレフィン系共重合
体から効果的に触媒残渣を除去できるので、懸濁重合法
を用いてもバナジウム含有量が5ppm以下と極めて低
いオレフィン系共重合体が容易に得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
    物とを触媒として、エチレンとプロピレン、或いはエチ
    レンとプロピレンと非共役ジエン系炭化水素を懸濁重合
    して得られたエラストマー状オレフィン系共重合体を脱
    灰する方法であって、 (a)重合系に良溶媒とアルコールを混合し、次いで、 (b)過酸化水素と、水またはアルカリ水溶液を添加
    し、エラストマー状オレフィン系共重合体中の触媒残渣
    を水相に抽出する、エラストマー状オレフィン系共重合
    体の精製方法。
JP4232551A 1992-04-17 1992-07-17 エラストマー状オレフィン系共重合体の精製方法 Expired - Lifetime JP3022904B2 (ja)

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EP2993704B1 (en) 2010-10-08 2019-04-24 Mitsui Chemicals, Inc. Encapsulating material for solar cell and solar cell module

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