JPH063275U

JPH063275U - ミシン部品

Info

Publication number: JPH063275U
Application number: JP4459092U
Authority: JP
Inventors: 成樹大川; 武和田
Original assignee: ジューキ株式会社
Priority date: 1992-06-26
Filing date: 1992-06-26
Publication date: 1994-01-18

Abstract

(57)【要約】【目的】縫製作業能率の向上および縫製品質の向上等
を図ることのできるミシン部品を提供する。【構成】プラスチック母材と強化材とからなるプラス
チック複合材料により所定形状に形成するとともに、そ
の少なくとも摺動面を硬質の被覆層を以て覆ってなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ミシン部品に係り、特にミシンの可動部分あるいは摺動部分に好適なミシン部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ミシンにおいては、縫製時にミシン主軸の回転運動を天秤機構を介して針棒機構に伝達させ、天秤および針棒を上下運動させるようになっている。そして、縫製作業時の天秤および針棒の上下運動により振動が発生したり、天秤機構および針棒機構部品の摺動部の摩耗が増大したり、騒音が発生することが知られている。また、送り歯の動作に追随して上下運動する押え機構からも振動および騒音が発生することが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、現在では、縫製作業能率の向上および縫製品質の向上等が常に図られており、前述した振動、摩耗、騒音等の問題点を解決する種々の提案がなされている。このような問題点を解決する一つの手段として、ミシン部品の軽量化、例えばミシン部品を減肉する等の形状による対策、ミシン部品をアルミニウムにより形成する等の素材による対策等の各種の対策が行なわれている。

【０００４】そして、高速回転による縫製作業能率の向上および縫製品質の向上等を図るうえでは前述した各種の対策では十分でなく、より軽量、かつ、耐摩耗性を有するミシン部品が望まれている。

【０００５】本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、縫製作業能率の向上および縫製品質の向上等を図ることのできるミシン部品を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前述した目的を達成するため本考案のミシン部品は、プラスチック母材と強化材とからなるプラスチック複合材料により所定形状に形成するとともに、その少なくとも摺動面を硬質の被覆層を以て覆ったものである。

【０００７】

【作用】

前述した構成からなる本考案のミシン部品によれば、プラスチック母材と強化材とからなるプラスチック複合材料を素材として用いることにより、ミシン部品を軽量化させることができるとともに、機械的強度・寸法精度・摩擦・摩耗・衝撃・表面粗さ等の特性値を最適化させることができる。そして、ミシン部品の少なくとも摺動面を硬質の被覆層により覆うことにより、摺動面の耐摩擦性・耐摩耗性を格段に向上させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１から図２により説明する。

【０００９】まず、本考案に係るミシン部品のプラスチック複合材料について説明する。

【００１０】プラスチック複合材料は、プラスチックからなる母材と、金属質，無機質または有機質の繊維や粉末等からなる強化材とにより構成されており、そのほとんどは繊維により強化されている。この繊維により強化されたものは、一般に、繊維強化樹脂と称されている。また、使用する樹脂の種類によりＦＲＰ（Fiber Rein forced Plastics ）、ＦＲＴＰ（Fiber Reinforced Thermo Plastics）に区分され、繊維の種類によりＧＦＲＰ（Glass Fiber Reinforced Plastics ）、ＣＦＲＰ（Carbon Fiber Reinforced Plastics）、ＫＦＲＰ（Kevlar Fiber Reinforce d Plastics）等と称されて区分されている。

【００１１】このような多種多様の繊維強化樹脂は、単独、あるいは組み合わせてハイブリッド型としてミシンの各部位における要求機能に合わせて選択されミシン部品の素材とされる。

【００１２】つぎに、前記プラスチック複合材料を用いたミシン部品の製造方法について説明する。

【００１３】前記プラスチック複合材料を、金型を用いて射出成形あるいは圧縮成形することにより所望のミシン部品が製造される。前記射出成形においては、プラスチック複合材料をペレットとして用い、一方、前記圧縮成形においては、プラスチック複合材料をＢＭＣ（Bulk Molding Compound ）あるいはＳＭＣ（Sheet Moldin g Compound）として用いる。そして、成形されたミシン部品の少なくとも摺動面に硬質の被覆層を形成することにより完成品とされる。この硬質の被覆層は、例えば窒化チタン、硬質クロム等により、蒸着、イオンプレーティング等の公知の薄膜形成法、あるいは鍍金等を行なうことによって形成される。

【００１４】従って、このようにして形成されるミシン部品は、プラスチック複合材料を用いることにより軽量化を簡単に行なうことができるとともに、振動、騒音の発生を確実に減少させることができる。そして、ミシン部品の少なくとも摺動面には、硬質の被覆層が形成されているので、耐摩擦性、耐摩耗性を格段に向上させることができる。

【００１５】また、プラスチック複合材料の母材の種類、強化材の種類を使用部位の要求特性に合わせて選択することができるので、ミシン部品の要求特性に対して最適化を図ることができる。

【００１６】つぎに、本考案に係るミシン部品の適用例を図１および図２について説明する。

【００１７】図１は本考案に係るミシン部品を適用するミシンの針棒機構および天秤機構の一例を示す要部の分解斜視図であり、図２は本考案に係るミシン部品を適用するミシンの押え機構の一例を示す要部の分解斜視図である。

【００１８】ミシンの針棒機構は、針１ａを上下運動させて縫合する被加工布（図示せず）に上糸（図示せず）を貫通させ、貫通させた上糸を釜（図示せず）にすくい取らせる等の機能を有している。また、ミシンの天秤機構は針１ａに上糸（図示せず）を補給し、釜が上糸をすくい下糸をくぐるために必要な量をゆるめ、上糸が下糸をくぐると速やかに上糸を引き上げる等の機能を有している。

【００１９】そして、本考案に係るミシン部品は、図１に示すように、ミシンの針棒機構および天秤機構の針１ａを支持する針棒１、針棒抱き２、針棒抱き角駒３、針棒クランクロッド４、針棒クランク５、リンク天秤６、天秤クランク７、釣合錘８等の可動あるいは摺動する部分に用いることができる。

【００２０】さらに、図２に示すように、ミシンの押え機構の押え９、押え棒１０、押え棒抱き糸案内１１、押え棒抱き１２、押え棒案内１３等の可動あるいは摺動する部分に用いることができる。

【００２１】なお、本考案は前述した実施例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、ミシン部品の摺動面以外の表面に硬質の被覆層を形成してもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のミシン部品によれば、ミシン部品を確実に軽量化するとともに、耐摩耗性を向上させることができる。そして、ミシン部品の軽量化はミシンの振動、騒音を確実に減少させることができるので縫製作業者の疲労感を軽減させることができる。さらに、ミシン部品の耐摩耗性の向上は、ミシンの機能を長期間にわたり安定して保持させることができるとともに、ミシンの寿命を長くすることができるという実用的な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るミシン部品を適用するミシンの針
棒機構および天秤機構の一例を示す要部の分解斜視図

【図２】本考案に係るミシン部品を適用するミシンの押
え機構の一例を示す要部の分解斜視図

【符号の説明】

１針棒１ａ針２針棒抱き３針棒抱き角駒４針棒クランクロッド５針棒クランク６リンク天秤７天秤クランク８釣合錘９押え１０押え棒１１押え棒抱き糸案内１２押え棒抱き１３押え棒案内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】プラスチック母材と強化材とからなるプ
ラスチック複合材料により所定形状に形成するととも
に、その少なくとも摺動面を硬質の被覆層を以て覆って
なるミシン部品。