JPH0632636B2 - 麦芽の酵素活性の判定法 - Google Patents

麦芽の酵素活性の判定法

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JPH0632636B2
JPH0632636B2 JP15615085A JP15615085A JPH0632636B2 JP H0632636 B2 JPH0632636 B2 JP H0632636B2 JP 15615085 A JP15615085 A JP 15615085A JP 15615085 A JP15615085 A JP 15615085A JP H0632636 B2 JPH0632636 B2 JP H0632636B2
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malt
aqueous solution
color
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resazurin
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紀男 西川
耕造 鎌田
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Sapporo Breweries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、麦芽の酵素活性の判定法に関する。
(従来の技術) 従来、ビール製造において、春播大豆から製造された麦
芽(以下春播麦芽と略称する)に、冬播大豆から製造さ
れた麦芽(以下冬播麦芽と略称する)が多量に混入した
ものを使用すると、β−グルカンにより麦芽の濾過渋滞
を来たし、又ビールに混濁を生成せしめるなどの不都合
を生じる。特にヨーロッパ産の春播麦芽は望ましいが、
その輸入麦芽中に冬播麦芽が混入していることがしばし
ばである。従ってビール製造に当たり、これを予めチェ
ックできるようにすることが望ましい。従来、その検出
法として、麦芽の1粒づゝにつき、蛋白区分を抽出し、
電気泳動を行い、アルブミン、グロブリン、ホルデイ
ン、グルテリン区分の泳動バンド差によりその春播麦芽
と冬播麦芽とを判別する研究報告がある〔フォン.アー
ル.シンドバック等モナトシュリフトフュールブラウラ
イ(Monatschriftfr Brauerei)Vo132 P470(197
9)〕。
また一方、各種麦芽の酵素活性の優劣を簡単にチェック
できる判定法が望まれている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の報告に提案の検出法は、その操作過程が煩わしく
且つ相当の労力を要すると共にその結果が得られるまで
に相当の時間がかゝり日常法として実用的でない。従っ
て、その判別を簡単に短時間にできる方法が望まれる。
(問題を解決するための手段) 本発明は、従来の上記実情に鑑み、簡単に且つ短時間
で、春播麦芽中に冬播麦芽が混入しているか否か或いは
その混入率などを簡単に且つ短時間でチェックでき、ま
た、各種麦芽の酵素活性の優劣を簡単に且つ短時間に知
ることができる実用的な麦芽の酵素活性の判定法を提供
するもので、被検麦芽を酸化還元指示薬水溶液と反応さ
せ所定時間経過後の染色された麦芽又は指示薬の色を観
測し、その色から、該麦芽に含まれる酸化・還元酵素の
総合力としての活性の高低を判断することを特徴とす
る。
(作用) 麦芽の含有する酸化酵素、還元酵素の総合力としての活
性(以下これを単に「麦芽の酵素活性」と言う)が酸化
還元指示薬の酸化、還元による色の変化に影響するが、
その麦芽の酵素活性が比較的高いものほど早く指示薬の
変色が早いことが認められた。而して、一定時間経過し
た時点における染色した麦芽の色或いは指示薬水溶液の
色を観測するだけで、各種の麦芽の酵素活性の高低の判
定を簡単且つ容易に行うことができる。
この場合、発明者は、多くの試験研究の結果、春播麦芽
の酵素活性は、一般に、冬播麦芽のそれよりも高いこと
を知見したので、これに基づき、春播麦芽と冬播麦芽の
判別を簡単に且つ短時間に行うことができ、従って、例
えば、春播麦芽中に冬播麦芽が混入しているか否か、或
いは、その混入率などをチェックでき実用的である。
(実施例) 本発明の実施例を次に詳述する。
酸化還元指示薬として、代表的には公知のレサズリンを
使用する。レサズリンはレサズリンナトリウム塩を0.00
1〜0.2%、通常0.001〜0.5%の範囲に溶解した水溶液と
し、且つそのpHを5.0〜8.0、好ましくは、6.5〜7.5の範
囲に希塩酸により調整したものを使用する。このレサズ
リン水溶液は、pH7で紫色、pH6.5で暗紫色、酸化の進
行に伴いオレンジ→ピンクとなり、酸性域の還元で無色
となる。
第1に、各種麦芽の酵素活性の高低を判定する実施例に
付き説明する。
被検すべき各種の麦芽を夫々2gづゝ試験管に入れ、各
試験管に、レサズリン0.0125%を溶解しpH7に調整した
水溶液5mlを加え室温に6時間置いた。1時間毎にスパ
ーテルで撹拌した。その6時間後のレサズリン溶液の色
を観察した結果は、下記表1の通りであった。
このように、麦芽の品種により、レサズリンに対する酸
化還元による脱色作用を異にする。かくして、レサズリ
ンの変色の程度によりその各麦芽品種のもつ夫々の麦芽
の酵素活性の高低が判断し得られる。即ち、上記の表1
より、冬播麦芽は春播麦芽に比し酵素活性は弱いこと、
春播麦芽でもその活性に強弱があることが分かった。従
って、或る麦芽につきその6時間後の色からその活性の
高低は、上記の判定法により判断できる。而して、蛋白
質酵素、糖化酵素などの総合的な酵素力が高いと、酸化
・還元酵素の活性も高いと考えられ、ビール製造におけ
る麦芽の優劣の判定に役立つと考えられる。尚、その判
定する時間は一般に4〜6時間経過後で行うことができ
極めて簡単に短時間に麦芽の活性を判断でき有利であ
る。しかし乍ら、この程度の時間に限られず、更に7〜
24時間後に判断することもできる。尚、レサズリンのpH
の変化より見れば、その各麦芽の浸漬時間と共に低下す
るが、各品種により一定時間における低下傾向に緩急が
あり、その低下の緩急の差によってもその酵素活性に優
劣があることが分かる。一般に冬播種はpHの低下が遅
く、24時間後でpH5.8〜pH5.3程度の範囲にとゞまるが、
春播麦芽は24時間後でpH5.5〜pH4.0の範囲まで下がるこ
とが認められた。
次に、春播麦芽と冬播麦芽との混在したものからその夫
々を識別し春播麦芽中の冬播麦芽の混在率を知る本発明
の判定法の実施例を次に説明する。
春播麦芽と冬播麦芽とをよく混合し、例えば便宜上、組
織培養用の96穴のプラスチック製、白色磁器製などの容
器(穴の内径6mm、深さ10mm)を使用し、その各穴内に
各麦芽の1粒づゝを入れ、その各穴内に前記調整のレサ
ズリン溶液を粒が沈む最少量、例えば0.18mlをピペット
マンで入れて粒が沈んだ状態にし、そのまゝ6時間お
く。6時間経過後、その容器から全粒を集め、10秒間流
水洗浄後直ちに、pH5.8,M/5リン酸緩衝液に5分間
浸し、その後10秒流水洗浄した後、その全粒を濾紙上に
拡げ脱水し、その色を観察する。尚、30分〜1時間の風
乾後の観察の方が判別が容易である。96粒の内訳は、予
め便宜上、品種の分かった冬播麦芽の3品種、プレイザ
ント、ガーベル、ソニアの1粒づゝと他は全て春播麦芽
の25品種から96粒を選んだものを混ぜたものを試料とし
たものであるが、上記の6時間浸漬処理後の96粒の水
洗、脱水後の観察によれば、3粒が暗褐色〜暗紫色を呈
しているに対し他の93粒は、これら3粒とは全く異色の
オレンジ、ピンク、無色であった。このことから、96粒
中3粒の冬播麦芽と93粒の春播麦芽の判別ができた。
春播麦芽品種と冬播麦芽品種とを人為的に種々組み合わ
せ混合した色々の混合品種につき上記の方法で夫々判別
した。その全ての麦芽の色の判別し得る麦芽の水洗後の
所要時間は下記の通りであった。
上記の洗浄作業中、緩衝液を使用するとオレンジに染色
したものは、その色が乾燥後でも安定に固定されるの
で、その判定を極めて確実安定に行うことができる。
次に具体的な実施例を更に詳述する。
実施例1 ヨーロッパ産冬播麦芽、プレイザント、ガーベル、ソニ
アの3品種とカリーナ、オーラ、ヨーロッパ、シェバリ
エローザ、シェバリエルポール、アテム、キム、トライ
アンフの春播麦芽の8品種を人為的に下記表3に示す種
々の混合割合で混合した全部で100粒から成る23種の被
検試料の夫々につきその1粒づゝを前記と同様に、100
粒を入れる穴をもつ容器に入れ上記レサズリンを入れ同
様に浸漬し6時間後取り出し、その染色した100粒につ
き水洗、緩衝液への浸漬、水洗、風乾による乾燥の工程
を経て得られた夫々の混合試料につき盲検テストを行っ
た。その結果は該表3に示す通り、23回のテストの合計
の冬播麦芽の検出率は、95.9%と高い判別検出率を得
た。
実施例2 各国から輸入した春播麦芽5種につき、その各100粒を
前記実施例1と同様に6時間染色した後の結果は下記表
4の通りで、冬播麦芽の混入は認められなかった。
尚、レサズリン水溶液のレサズリン濃度が増大するほど
反応が遅く、色に差が出る時間帯が長くなるので判定が
それだけ難しくなる。従って、最高0.5%の添加量にと
ゞめることが一般であり、通常0.001〜0.2%の範囲とす
るのが好ましい。その水溶液の当初のpHは、高くなるほ
ど判定までに時間がかゝり、pH8では24時間程度を要す
るが、能率上pH7.5〜6.5の範囲で行うことが好ましい。
(発明の効果) このように本発明によるときは、麦芽を酸化還元指示薬
と反応させ所定時間後の染色された麦芽又は指示薬の色
を観測するだけで、各種麦芽の酵素活性の高低を判定す
ることができ、また、その色の相異から酵素活性に高低
の差のある春播麦芽と冬播麦芽の判別、春播麦芽中の冬
播麦芽の混入率の判定を行うことができ、而も簡単な操
作で短時間に判定でき実用的である等の効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検麦芽を酸化還元指示薬水溶液と反応さ
    せ所定時間経過後の染色された麦芽又は指示薬の色を観
    測し、その色からその酵素活性の高低を判断することを
    特徴とする麦芽の酵素活性の判定法。
  2. 【請求項2】被検麦芽を1粒づゝ酸化還元指示薬水溶液
    に漬け、所定時間経過後の染色された麦芽の色又は水溶
    液の色の相異により冬播麦芽か春播麦芽かの判別を行う
    ようにした特許請求の範囲1項に記載の判定法。
  3. 【請求項3】酸化還元指示薬水溶液はレサズリン水溶液
    である特許請求の範囲1項又は2項に記載の判定法。
  4. 【請求項4】レサズリン水溶液は、レサズリンのナトリ
    ウム塩0.001〜0.5%、好ましくは0.001〜0.2%の水溶液
    で且つpH5〜8、好ましくはpH7乃至その付近に調整さ
    れたものである特許請求の範囲1〜3項のいずれかに記
    載の判定法。
  5. 【請求項5】pH7のレサズリン水溶液に麦芽を漬けて6
    時間後の麦芽又は水溶液の色を観測する特許請求の範囲
    1〜4項のいずれかに記載の判定法。
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JP3121552B2 (ja) * 1996-12-27 2001-01-09 麒麟麦酒株式会社 早凝性判定法

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