JP2017161399A - 米の特性を評価するための方法及びキット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は簡便で精度の高い米の酒造適性の推定法の開発を課題とする。【解決手段】本発明は、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価する方法であって、評価対象米を、2以上の異なる濃度の尿素水溶液又はアルカリ水溶液に浸し、前記評価対象米の前記水溶液中での崩壊性を評価する崩壊性評価工程と、前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程とを含む方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、米の酒造適性、特に、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するための方法及びキットを提供する。
清酒の製造工程では、アルコール発酵が蒸米の酵素消化の進行に依存し、原料利用率や味の濃淡に影響するため、原料米の溶解性(蒸米の酵素消化性)が重要である。従って、酒造用原料米品種の開発や酒造現場において原料米の酒造適性を評価する際、蒸米の酵素消化性試験が重要視されている。
現在、蒸米の酵素消化性試験は主に酒造用原料米全国統一分析法によって行われるが、この分析方法は水分調整、精米が必要で時間と労力がかかる。また、酒造用原料米全国統一分析法の蒸米酵素消化性試験は、蒸米をαアミラーゼで24時間消化しBrix度を測定する。この方法は、もろみ初期における最高ボーメの推定などには有効な評価法と考えられているものの、消化時間が24時間と短く、通常20日間程度かかるもろみで原料米の消化を必ずしも反映していないと指摘されている。そのため、育種関係者や酒造現場から、簡便で精度の高い原料米の溶解性の評価方法の開発が望まれている。
これまでに、清酒製造工程中で蒸米中のデンプンの老化が起こること、並びに、デンプンの老化が起こる清酒もろみを擬した条件ではアミロペクチンの側鎖構造が蒸米酵素消化性に大きな影響を及ぼすことが明らかにされている。すなわち、アミロペクチン側鎖構造が蒸米酵素消化性の指標になることが明らかにされている(非特許文献1)。一方、アミロペクチン側鎖構造の解析は手間がかかるため、アミロペクチンの側鎖構造と密接に関連するデンプン熱特性値による蒸米酵素消化性の推定方法も検討されている。その結果、蒸米酵素消化性は、示差走査熱量計(DSC)又はラピッドビスコアナライザー(RVA)で測定される糊化温度によって精度良く推定できることが明らかにされている(非特許文献1)。
アミロペクチンの側鎖構造を推定する分析方法としてDSC及びRVAによる熱分析法以外にアルカリ崩壊性試験が報告されている(非特許文献2)。この方法は高額な装置を必要とせず、安価で簡便な方法である。非特許文献2では、1つの濃度のアルカリ水溶液中に試料米を浸して崩壊性を確認する試験が開示されており、蒸米の酵素消化性が異なる試料米では、1つの濃度のアルカリ水溶液中での崩壊性が異なることを確認している。
Okuda, M., Hashizume, K., Aramaki, I., Numata, M., Joyo, M., Goto-Yamamoto, N. and Mikami, S.: Influence of starch characteristics on digestibility of steamed rice grains under sake making conditions, and rapid estimation methods of digestibility by physical analysis, J.Appl. Glycosci., 56, 185-192 (2009). 奥田将生, 上用みどり, 高橋圭, 後藤奈美, 高垣幸男, 池上勝, 鍋倉義仁 : イネ登熟期が記録的な猛暑となった平成22年産米のデンプン特性及び蒸米酵素消化性, 日本醸造協会誌, 108, 368-376 (2013)
上記の通り、アミロペクチンの側鎖構造を推定する分析方法としてDSC及びRVAによる熱分析法は簡便で精度が高いものの、装置が高額であるため酒造現場への導入が進んでいない。
一方、非特許文献2に記載されているアルカリ崩壊性試験は高額な装置を必要とせず、安価で簡便な方法である。非特許文献2では、アルカリ崩壊性試験は、極端に溶解性の異なる試料の判定においては有効であることが明らかにされている。非特許文献2に記載のアルカリ崩壊性試験では、原料米を1つの濃度のアルカリ水溶液に浸漬し、浸漬後の崩壊性を目視判別する。このため、溶解性が微妙に異なる米試料間での溶解性を区別するための判定は困難であり定量性が乏しいという問題点があった。
そこで、本発明は、簡便で精度の高い米の酒造適性の推定法の開発を課題としている。
本発明は上記課題を解決するための手段として以下の発明を提供する。
(1)米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価する方法であって、
評価対象米を、2以上の異なる濃度の尿素水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記尿素水溶液中での崩壊性を評価する尿素崩壊性評価工程と、
前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
を含む方法。
(2)前記尿素崩壊性評価工程が、所定条件下において前記評価対象米が崩壊する尿素水溶液のうち最も低い尿素水溶液の濃度を崩壊下限尿素濃度として求める工程であり、
前記特性評価工程が、前記崩壊下限尿素濃度を指標として前記特性を評価する工程である、
(1)に記載の方法。
(3)米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価する方法であって、
評価対象米を、2以上の異なる濃度のアルカリ水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記アルカリ水溶液中での崩壊性を評価するアルカリ崩壊性評価工程と、
前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
を含む方法。
(4)前記アルカリ崩壊性評価工程が、所定条件下において前記評価対象米が崩壊するアルカリ水溶液のうち最も低いアルカリ水溶液の濃度を崩壊下限アルカリ濃度として求める工程であり、
前記特性評価工程が、前記崩壊下限アルカリ濃度を指標として前記特性を評価する工程である、
(3)に記載の方法。
(5)2以上の濃度の尿素水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキット。
(6)2以上の濃度のアルカリ水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキット。
本発明によれば、従来評価が容易ではなかった、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を、少量の試料により安価で簡便に精度良く評価することができる。
本発明を応用することで、仕込み後しか知り得なかった米の酒造適性を事前に知ることができ、米を原料とする酒類の製造管理に大きく貢献できるとともに酒類の品質向上に役立てることができる。
また、本発明を応用することで、米の育種及び栽培現場では、高額な分析装置を導入するまでもなく、所望の特性を有する米の選抜や栽培法の改良に役立てることができる。
試験1−1における尿素水溶液浸漬後のヨウ素染色の結果を示す。 試験1−1における尿素変色濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。 試験1−1における尿素変色濃度と老化速度との相関関係を示す。 試験1−1における尿素変色濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。 試験1−2における尿素水溶液浸漬後のヨウ素染色の結果(山田錦)を示す。 試験1−2における尿素水溶液浸漬後のヨウ素染色の結果(日本晴)を示す。 試験1−2における尿素変色濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。 試験1−2における尿素変色濃度と老化速度との相関関係を示す。 試験1−2における尿素変色濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。 試験2におけるKOH水溶液浸漬後の観察結果を示す。 試験2におけるアルカリ溶液崩壊濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。 試験2におけるアルカリ溶液崩壊濃度と老化速度との相関関係を示す。 試験2におけるアルカリ溶液崩壊濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。
<1.本発明で評価する米の特性>
本発明の方法及びキットは、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するために用いられる。
前記の酒造時の溶解性とは、米を原料として用いた酒造の際に形成されるもろみ中での米の溶解性である。もろみには蒸米が用いられる。溶解性が高いほど、蒸米がもろみ中で溶解し易く、溶解性が低いほど、蒸米はもろみ中で溶解しにくく粒形状が残存し易い。米の酒造時の溶解性は、米の糊化温度、蒸米の老化性、蒸米の酵素消化性等の因子に依存している。後述するように、本発明者らは、米の糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性と、米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性とが相関関係にあることを見出した。この知見をもとに、評価対象米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性を指標として、それを用いた酒造時の溶解性を評価するという本発明を完成するに至った。
前記の糊化温度は、典型的には、示差走査熱量計(DSC)又はラピッドビスコアナライザー(RVA)で測定される糊化温度であり、特に好ましくはDSCで測定される糊化温度である。DSCによる糊化温度は、次の方法により求めることができる。具体的には、試料数mgを精秤し、2倍量の蒸留水を加え混合し、測定セルに密封する。レファレンスセルには蒸留水を入れ基準物質とする。DSCの測定条件は、1分間に5〜10℃程度の加熱速度で約20℃から約120℃まで昇温する。昇温していくとデンプンの糊化が始まり、吸熱反応によりピークが観察され、制御解析システムにより、糊化開始温度、糊化ピーク温度、糊化終了温度を求めることができる。糊化温度としては、糊化開始温度を採用してもよいが、測定者の判断によらない糊化ピーク温度を糊化温度としている。本発明者らは、驚くべきことに、米の糊化温度と、米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性とが相関関係にあること、並びに、評価対象米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性を指標として、その糊化温度を評価することができることを見出した。
前記の蒸米の酵素消化性は、蒸米とした状態での酵素による消化され易さを意味する。ここで酵素は糖化系酵素であり、典型的にはα−アミラーゼ及びグルコアミラーゼから選択される1種以上の糖化系酵素を含む。蒸米の酵素消化性は、α−アミラーゼを含み、その他糖化系酵素としてグルコアミラーゼや、タンパク質分解酵素としてプロテアーゼ及びペプチダーゼを含んだ粗酵素を用いて評価することができる。該粗酵素を用いた蒸米の酵素消化性の評価は次の手順で行うことができる。白米10gを一晩水に浸漬し、翌日水切りし、45分間蒸後、蒸米を室温まで冷却しチャック付きビニル袋に入れ、15℃で一定時間放置した後、前記粗酵素の酵素液で反応させる。反応条件は、15℃で24時間反応させた後に、遠心分離等で固液を分離し液体部分について糖度計で測定したBrix値を蒸米の酵素消化性とする。本発明者らは、驚くべきことに、蒸米の酵素消化性と、米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性とが相関関係にあること、並びに、評価対象米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性を指標として、それを用いて調製した蒸米の酵素消化性を評価することができることを見出した。
前記の蒸米の老化性は、蒸米とした状態での老化のし易さを意味する。蒸米の老化性は、具体的には、次式のように求めることができる。
蒸米の老化性(%)=100−(蒸米6時間老化の蒸米酵素消化性/蒸米1時間老化の蒸米酵素消化性)x100
該式中「蒸米6時間老化の蒸米酵素消化性」は、上記の「蒸米の酵素消化性」と同様に、白米10gを一晩水に浸漬し、翌日水切りし、45分間蒸後、蒸米を室温まで冷却しチャック付きビニル袋に入れ、15℃で6時間放置した後、前記粗酵素の酵素液を用いて15℃で24時間反応させた後に、遠心分離等で固液を分離し、液体部分について糖度計で測定したBrix値を指す。「蒸米1時間老化の蒸米酵素消化性」は、同様に、白米10gを一晩水に浸漬し、翌日水切りし、45分間蒸後、蒸米を室温まで冷却しチャック付きビニル袋に入れ、15℃で1時間放置した後、前記粗酵素の酵素液を用いて15℃で24時間反応させた後に、遠心分離等で固液を分離し、液体部分について糖度計で測定したBrix値を指す。本発明者らは、驚くべきことに、蒸米の老化性と、米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性とが相関関係にあること、並びに、評価対象米の尿素崩壊性及びアルカリ崩壊性を指標として、それを用いて調製した蒸米の老化性を評価することができることを見出した。
<2.尿素水溶液中での米の崩壊性に基づく評価>
本発明の第1実施形態は、
米の前記特性を評価する方法であって、
評価対象米を、2以上の異なる濃度の尿素水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記尿素水溶液中での崩壊性を評価する尿素崩壊性評価工程と、
前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
を含む方法である。
評価対象米としては酒造用原料米(酒米)が特に好ましい。
尿素崩壊性評価工程で用いる評価対象米は、玄米又は白米である。白米の精米歩合は特に限定されない。例えば、酒造用原料米の白米を評価対象米とする場合には、酒造の際の米の精米歩合と同じ精米歩合の白米を評価対象米として用いることができる。米の水分によって崩壊濃度が影響されるのであらかじめ水分に応じた判定基準を設けるとよい。
尿素崩壊性評価工程に用いる各尿素水溶液は、水に尿素を溶解させて調製することができる。尿素水溶液の尿素濃度は、米の崩壊性を評価するまでの浸漬時間、浸漬温度、撹拌の有無等の諸条件に応じて適宜設定することができ特に限定されないが、一例を挙げれば、1.5M〜4.0Mの範囲である。
本発明の第1実施形態では、2以上、好ましくは3以上、好ましくは5以上、好ましくは10以上、好ましくは100以下、好ましくは50以下の異なる濃度の尿素水溶液を用いる。このように複数の濃度の尿素水溶液を用いることにより、尿素水溶液中での評価対象米の崩壊性を定量的に把握することが容易であるため、それに応じて前記特性を定量的に評価することが可能となる。この実施形態では、2以上の尿素水溶液の各々は段階的に異なる尿素濃度に設定されており、例えば0.01M〜1M、好ましくは0.05〜0.5M、好ましくは0.05〜0.2Mの濃度差で段階的に異なる尿素濃度に設定されている。2以上の尿素水溶液のうち、最も高濃度の溶液と最も低濃度の溶液との濃度差は、特に限定されないが、1.0M〜3.0Mの範囲が例示できる。前記の好ましい実施形態における尿素水溶液の濃度の範囲は特に限定されないが、各尿素水溶液の尿素濃度は1.5M〜4.0Mの範囲であることが例示できる。
尿素崩壊性評価工程において評価対象米を各尿素水溶液に浸す際には、1つの尿素水溶液に浸す評価対象米の粒数は特に限定されないが、例えば3粒以上、好ましくは3〜15粒である。各尿素水溶液の容量は特に限定されないが、通常は5〜20mLとすることができる。
尿素水溶液中の評価対象米の浸漬条件は適宜調整することができる。例えば浸漬時間としては3〜24時間が例示でき、浸漬時の液温は10〜40℃が例示できる。浸漬時に尿素水溶液は撹拌してもよいが、好ましくは撹拌しない。
尿素水溶液中での評価対象米の崩壊性は、浸漬処理後に尿素水溶液を観察して目視により評価対象米の崩壊の有無を評価してもよいし、崩壊の程度を多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。目視による評価対象米の崩壊の有無の基準は適宜設定することができる。また、尿素水溶液中での米の崩壊に伴って増大する成分、例えば溶出した澱粉、を染色し、色に基づいて評価対象米の崩壊を評価してもよい。例えば澱粉の染色はヨウ素染色により行うことができる。この場合も、染色された尿素水溶液の色を目視して、ある基準(例えば、ヨウ素染色の場合は、飽和した濃青色)に達したか否かにより崩壊の有無を評価してもよいし、目視した色の濃さに応じて崩壊の程度を多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。或いは、染色された尿素水溶液の色の濃さを吸光度計等で定量して、ある基準値に達したか否かにより崩壊の有無を評価してもよいし、測定値に応じて崩壊の程度を連続的に又は多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。
前記の、本発明の第1実施形態では、好ましくは、所定条件において、各尿素水溶液中で評価対象米を浸漬して崩壊の有無を評価し、評価対象米が崩壊する尿素水溶液のうち最も低い尿素水溶液の濃度を「崩壊下限尿素濃度」として求める。ここで評価対象米の崩壊の有無は前記の手法により評価することができる。「所定条件」とは、典型的には、尿素濃度以外の条件(浸漬時間、温度等)を揃えた条件である。この方法によれば、評価対象米の崩壊し易さを「崩壊下限尿素濃度」として定量的に評価することができるため、それに応じて米の前記特性を定量的に評価することが可能となる。
続いて特性評価工程において、尿素崩壊性評価工程において求められた前記崩壊性を指標として前記特性を評価する。この特性評価工程では、別途求めた又は既知の、尿素水溶液中での米の崩壊性と前記特性との相関関係に基づいて、前記崩壊性を指標として前記特性を評価すればよい。
本発明の第2実施形態は、本発明の第1実施形態を実施するためのキット、すなわち、2以上の濃度の尿素水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキットに関する。本発明の第2実施形態のキットに含まれる2以上の濃度の尿素水溶液はそれぞれ、本発明の第1実施形態について述べた尿素水溶液と同様とすることができる。或いは、本発明の第2実施形態のキットは、前記尿素水溶液として、希釈により、本発明の第1実施形態について述べた尿素水溶液を調製することができる尿素水溶液を含んでいてもよい。
本発明の第2実施形態のキットは、前記尿素水溶液以外に、前記尿素水溶液を収容し尿素崩壊性評価工程を行うための容器を含んでいてもよい。
<3.アルカリ水溶液中での米の崩壊性に基づく評価>
本発明の第3実施形態は、
米の前記特性を評価する方法であって、
評価対象米を、2以上の異なる濃度のアルカリ水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記アルカリ水溶液中での崩壊性を評価するアルカリ崩壊性評価工程と、
前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
を含む方法である。
アルカリ崩壊性評価工程で用いる評価対象米は、本発明の第1実施形態に用いることができるものと同様である。
アルカリ崩壊性評価工程に用いるアルカリ水溶液は、水にアルカリを溶解させて調製することができる。アルカリとしては強アルカリ成分が好ましく、例えばKOH、NaOH、LiOH、RbOH、CsOH、Ca(OH)、Sr(OH)が挙げられる。アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、米の崩壊性を評価するまでの浸漬時間、浸漬温度、撹拌の有無等の諸条件に応じて適宜設定することができ特に限定されないが、一例を挙げれば、0.1重量%〜5.0重量%の範囲である。
本発明の第3実施形態では、2以上、好ましくは3以上、好ましくは5以上、好ましくは10以上、好ましくは100以下、好ましくは50以下の異なる濃度のアルカリ水溶液を用いる。このように複数の濃度のアルカリ水溶液を用いることにより、アルカリ水溶液中での評価対象米の崩壊性を定量的に把握することが容易であるため、それに応じて前記特性を定量的に評価することが可能となる。本発明の第3実施形態では、2以上のアルカリ水溶液の各々は段階的に異なるアルカリ濃度に設定されており、例えば0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.2重量%の濃度差で段階的に異なるアルカリ濃度に設定されている。2以上のアルカリ水溶液のうち、最も高濃度の溶液と最も低濃度の溶液との濃度差は、特に限定されないが、0.5重量%〜5.0重量%の範囲が例示できる。本発明の第3実施形態におけるアルカリ水溶液の濃度の範囲は特に限定されないが、各アルカリ水溶液のアルカリ濃度は0.1重量%〜5.0重量%の範囲であることが例示できる。
アルカリ崩壊性評価工程において評価対象米を各アルカリ水溶液に浸す際には、1つのアルカリ水溶液に浸す評価対象米の粒数は特に限定されないが、例えば3粒以上、好ましくは3〜15粒である。各アルカリ水溶液の容量は特に限定されないが、通常は5〜20mLとすることができる。
アルカリ水溶液中の評価対象米の浸漬条件は適宜調整することができる。例えば浸漬時間としては3〜48時間、特に3〜24時間が例示でき、浸漬時の液温は10〜40℃が例示できる。浸漬時にアルカリ水溶液は撹拌してもよいが、好ましくは撹拌しない。
アルカリ水溶液中での評価対象米の崩壊性は、浸漬処理後にアルカリ水溶液を観察して目視により評価対象米の崩壊の有無を評価してもよいし、崩壊の程度を多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。目視による評価対象米の崩壊の有無の基準は適宜設定することができる。また、アルカリ水溶液中での米の崩壊に伴って増大する成分、例えば溶出した澱粉、を染色し、色に基づいて評価対象米の崩壊を評価してもよい。例えば澱粉の染色は、崩壊液を中和しそのままヨウ素染色するか、崩壊液を遠心などにより固液分離後し分離された液体成分をヨウ素染色することにより行うことができる。この場合も、染色されたアルカリ水溶液の色を目視して、ある基準(例えば、ヨウ素染色の場合は、飽和した濃青色)に達したか否かにより崩壊の有無を評価してもよいし、目視した色の濃さに応じて崩壊の程度を多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。或いは、染色されたアルカリ水溶液の色の濃さを吸光度計等で定量して、ある基準値に達したか否かにより崩壊の有無を評価してもよいし、測定値に応じて崩壊の程度を連続的に又は多段階評価(例えば3段階又はそれ以上の段階での評価)で評価してもよい。
本発明の第3実施形態では、好ましくは、所定条件において、各アルカリ水溶液中で評価対象米を浸漬して崩壊の有無を評価し、評価対象米が崩壊するアルカリ水溶液のうち最も低いアルカリ水溶液の濃度を「崩壊下限アルカリ濃度」として求める。ここで評価対象米の崩壊の有無は前記の手法により評価することができる。「所定条件」とは、典型的には、アルカリ成分濃度以外の条件(浸漬時間、温度等)を揃えた条件である。この方法によれば、評価対象米の崩壊し易さを「崩壊下限アルカリ濃度」として定量的に評価することができるため、それに応じて米の前記特性を定量的に評価することが可能となる。
続いて特性評価工程において、アルカリ崩壊性評価工程において求められた前記崩壊性を指標として前記特性を評価する。この特性評価工程では、別途求めた又は既知の、アルカリ水溶液中での米の崩壊性と前記特性との相関関係に基づいて、前記崩壊性を指標として前記特性を評価すればよい。
本発明の第4実施形態は、本発明の第3実施形態を実施するためのキット、すなわち、2以上の濃度のアルカリ水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキットに関する。本発明の第4実施形態のキットに含まれる2以上の濃度のアルカリ水溶液はそれぞれ、本発明の第3実施形態について述べたアルカリ水溶液と同様とすることができる。或いは、本発明の第4実施形態のキットは、前記アルカリ水溶液として、希釈により、本発明の第3実施形態について述べたアルカリ水溶液を調製することができるアルカリ水溶液を含んでいてもよい。
本発明の第4実施形態のキットは、前記アルカリ水溶液以外に、前記アルカリ水溶液を収容しアルカリ崩壊性評価工程を行うための容器を含んでいてもよい。
<1.尿素崩壊性による蒸米消化性の評価>
(試験1−1)産地品種及び蒸米消化性の異なる試料の解析例
(方法)
酒米として以下の品種の酒米を用意した:吟風(北海道)、山田錦(酒類総合研究所)、吟ぎんが(岩手県)、山田錦(兵庫県)、出羽燦々(山形県)、五百万石(福島県)、日本晴(酒類総合研究所)、五百万石(石川県)、五百万石(新潟県)、五百万石(福井県)、日本晴(滋賀県)、コシヒカリ(千葉県)。
いずれの酒米も平成26年産のものを用いた。
上記の各酒米について、既存の蒸米酵素消化性の評価指標であるDSC(示差走査熱量計)糊化温度(℃)、老化速度(%)、6時間気中放置蒸米消化性(°Brix)を測定した。各測定は以下の条件で行った。
DSC(示差走査熱量計)糊化温度(℃):DSC(Differential Scanning Calorimetry =示差走査熱量計、Pyris Diamond DSC, Perkin Elmer, France)を用いて解析した。試料15mgを精秤し、2倍量の蒸留水を加え混合し、耐圧セルに密封した。1分間に5℃の加熱速度で5℃から120℃まで昇温した。蒸留水32mgを基準物質とした。コンピュータの自動計算により、糊化ピーク温度(Tp)を求めた。
6時間気中放置蒸米消化性(°Brix):蒸米の酵素消化性は、70%に搗精した白米10gを金網かごにいれ15℃の水中で15〜20時間浸漬した後、浸漬した米を水切りした。浸漬した米を、小型こしき(M−11,EISHIN ELECTRIC)を用いて45分間蒸きょうした。蒸し後、こしきから蒸米をとりだし、室温まで放冷し、チャック付きビニル袋にいれ15℃で6時間放置した。放置した蒸米を、50mLの酵素液(α−アミラーゼ 60U/mL,グルコアミラーゼ 24U/mL,peptidase 3U/mL:天野製薬ペプチダーゼR,0.1Mコハク酸緩衝液pH4.3)に投入し,15℃で24時間酵素消化した。反応終了後,2000×gで10分間遠心分離を行い、デジタル糖度計(DIGITAL REFRACTOMETER PR−100,ATAGO CO.LTD)を用いて上澄み液の°Brixを測定した。
老化速度(%):上記6時間気中放置蒸米消化性と同様の操作で、蒸後の放置時間を1時間とした1時間気中放置蒸米消化性を求めた。1時間気中放置蒸米消化性の値(°Brix)と6時間気中放置蒸米消化性の値(°Brix)から、老化速度(%)を以下の式で求めた。
蒸米の老化性(%)=100−(蒸米6時間老化の蒸米酵素消化性/蒸米1時間老化の蒸米酵素消化性)x100
上記の各酒米について尿素水溶液中での崩壊性(尿素崩壊性)を次の手順で評価した。
以下の尿素崩壊性試験では、酒米試料として、精米歩合70%、水分13.5%に調整したものを用いた。
尿素水溶液として、0.1M刻みで2.2M〜3.6Mの範囲の尿素濃度の水溶液を用意した。
所定濃度の尿素水溶液を、内径35mm、高さ17mmのポリスチレン製の円形ディッシュに5mL入れ、各ディッシュに酒米試料を6粒加えて浸漬させ、30℃で1日間静置した。
30℃で1日間静置した後、各ディッシュを目視して崩壊の程度を観察するとともに、0.01mol/Lのヨウ素溶液125μlをディッシュに入れヨウ素染色した。
酒米品種ごとに、ヨウ素染色により濃青色を発色する尿素濃度の下限値を求めた。濃青色とは、ディッシュの底が透けて見えなくなる濃い青色を指す。求めた下限値を「尿素変色濃度(M)」とした。
(結果)
結果を次表に示す。
Figure 2017161399
図1に、各酒米試料について、各濃度の尿素水溶液中で30℃1日間の浸漬後のヨウ素染色の結果を示す。
図2に、尿素変色濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。
図3に、尿素変色濃度と老化速度との相関関係を示す。
図4に、尿素変色濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。
図1に示す結果から、DSC糊化温度の低い試料(蒸米酵素消化性が高い)は尿素が低濃度で染色されるのに対して、DSC糊化温度の高い試料(蒸米酵素消化性が低い)は高濃度で染色されたことが分かる。
図2〜4に示す結果から、尿素変色濃度と、DSC糊化温度、老化速度、及び、6時間気中放置蒸米消化性とは高い相関関係があることが分かる。
従って、米が崩壊する尿素濃度を指標として、デンプンの熱特性値(アミロペクチン側鎖構造)を評価することができるとともに、蒸米とした場合の酵素消化性を精度良く判定することが可能であることが分かる。
(試験1−2)同一品種で年次の異なる試料の解析例
(方法)
酒米として、平成19年度〜平成26年度の各年度に収穫された山田錦(酒類総合研究所)及び日本晴(酒類総合研究所)を用いた。
各酒米について、試験1−1と同様の手順により、既存の蒸米酵素消化性の評価指標であるDSC(示差走査熱量計)糊化温度(℃)、老化速度(%)、及び、6時間気中放置蒸米消化性(°Brix)、並びに、本発明の評価指標である尿素変色濃度(M)を求めた。
(結果)
結果を次表に示す。
Figure 2017161399
図5に、各年度の山田錦試料について、各濃度の尿素水溶液中で30℃1日間の浸漬後のヨウ素染色の結果を示す。
図6に、各年度の日本晴試料について、各濃度の尿素水溶液中で30℃1日間の浸漬後のヨウ素染色の結果を示す。
図7に、尿素変色濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。
図8に、尿素変色濃度と老化速度との相関関係を示す。
図9に、尿素変色濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。
図5〜9に示す結果から、試験1−1と同様に、尿素変色濃度と、DSC糊化温度、老化速度、及び、6時間気中放置蒸米消化性とは高い相関関係があることが示された。米が崩壊する尿素濃度を指標として、デンプンの熱特性値(アミロペクチン側鎖構造)を評価することができるとともに、蒸米とした場合の酵素消化性を精度良く判定することが可能であることが分かる。
上記の試験1−1、1−2の条件で求めた尿素変色濃度(M)に基づく蒸米溶解性の判定は、例えば、代表的な酒米品種である山田錦では以下の基準により行うことができる。
Figure 2017161399
<2.アルカリ崩壊性による蒸米消化性の評価>
(試験2)産地品種及び蒸米消化性の異なる試料の解析例
(方法)
酒米として以下の品種の酒米を用意した:吟風(北海道)、山田錦(酒類総合研究所)、吟ぎんが(岩手県)、山田錦(兵庫県)、出羽燦々(山形県)、五百万石(福島県)、日本晴(酒類総合研究所)、五百万石(石川県)、五百万石(新潟県)、五百万石(福井県)、日本晴(滋賀県)、コシヒカリ(千葉県)。
いずれの酒米も平成26年産のものを用いた。
上記の各酒米について、各測定は試験1−1と同様の手順により、既存の蒸米酵素消化性の評価指標であるDSC(示差走査熱量計)糊化温度(℃)、老化速度(%)、6時間気中放置蒸米消化性(Brix)を測定した。
上記の各酒米についてアルカリ水溶液(KOH水溶液)中での崩壊性(アルカリ崩壊性)を次の手順で評価した。
以下のアルカリ崩壊性試験では、酒米試料として、精米歩合70%、水分13.5%に調整したものを用いた。
KOH水溶液として、0.1重量%刻みで0.7〜1.8重量%の範囲のKOH濃度の水溶液を用意した。以下の説明ではアルカリ(KOH)濃度に関して「%」は「重量%」を意味する。
所定濃度のアルカリ水溶液を内径35mm、高さ17mmのポリスチレン製の円形ディッシュに5mL入れ、各ディッシュに酒米試料を6粒加えて浸漬させ、30℃で1日間静置した。
30℃で1日間静置した後、各ディッシュを目視して崩壊の程度を観察した。
酒米品種ごとに、目視により、酒米粒が崩壊するKOH濃度の下限値を求めた。求めた下限値を「アルカリ溶液崩壊濃度(%)」とした。
(結果)
結果を次表に示す。
Figure 2017161399
図10に、各酒米試料について、各濃度のKOH水溶液中で30℃1日間の浸漬後の観察結果を示す。丸で囲った試料は、崩壊が認められた試料のうちKOH濃度が最も低い試料である。
図11に、アルカリ溶液崩壊濃度とDSC糊化温度との相関関係を示す。
図12に、アルカリ溶液崩壊濃度と老化速度との相関関係を示す。
図13に、アルカリ溶液崩壊濃度と6時間気中放置蒸米消化性との相関関係を示す。
図10に示す結果から、DSC糊化温度の低い試料(蒸米酵素消化性が高い)はアルカリが低濃度で崩壊するのに対して、DSC糊化温度の高い試料(蒸米酵素消化性が低い)は高濃度で崩壊したことが分かる。
図11〜13に示す結果から、アルカリ濃度と、DSC糊化温度、老化速度、及び、6時間気中放置蒸米消化性とは高い相関関係があることが分かる。
従って、米が崩壊するアルカリ濃度を指標として、デンプンの熱特性値(アミロペクチン側鎖構造)を評価することができるとともに、蒸米とした場合の酵素消化性を精度良く判定することが可能であることが分かる。
上記試験2の条件で求めたアルカリ溶液崩壊濃度(%)に基づく蒸米溶解性の判定は、例えば、以下の基準により行うことができる。
Figure 2017161399
本発明は、清酒、焼酎等の米を原料とする酒類の製造のため原料米の評価方法として利用可能である。

Claims (6)

  1. 米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価する方法であって、
    評価対象米を、2以上の異なる濃度の尿素水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記尿素水溶液中での崩壊性を評価する尿素崩壊性評価工程と、
    前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
    を含む方法。
  2. 前記尿素崩壊性評価工程が、所定条件下において前記評価対象米が崩壊する尿素水溶液のうち最も低い尿素水溶液の濃度を崩壊下限尿素濃度として求める工程であり、
    前記特性評価工程が、前記崩壊下限尿素濃度を指標として前記特性を評価する工程である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価する方法であって、
    評価対象米を、2以上の異なる濃度のアルカリ水溶液にそれぞれ浸し、前記評価対象米の各々の前記アルカリ水溶液中での崩壊性を評価するアルカリ崩壊性評価工程と、
    前記崩壊性を指標として前記特性を評価する特性評価工程と
    を含む方法。
  4. 前記アルカリ崩壊性評価工程が、所定条件下において前記評価対象米が崩壊するアルカリ水溶液のうち最も低いアルカリ水溶液の濃度を崩壊下限アルカリ濃度として求める工程であり、
    前記特性評価工程が、前記崩壊下限アルカリ濃度を指標として前記特性を評価する工程である、
    請求項3に記載の方法。
  5. 2以上の濃度の尿素水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキット。
  6. 2以上の濃度のアルカリ水溶液を含む、米の、酒造時の溶解性、糊化温度、蒸米の老化性、及び、蒸米の酵素消化性からなる群から選択される1種以上の特性を評価するためのキット。
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