JPH06321927A - 抗腫瘍ミトキサントロンのポリマー組成物 - Google Patents

抗腫瘍ミトキサントロンのポリマー組成物

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JPH06321927A
JPH06321927A JP6073757A JP7375794A JPH06321927A JP H06321927 A JPH06321927 A JP H06321927A JP 6073757 A JP6073757 A JP 6073757A JP 7375794 A JP7375794 A JP 7375794A JP H06321927 A JPH06321927 A JP H06321927A
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mitoxantrone
copolymer
anthracene
antitumor
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JP6073757A
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Hwei-Ru Tsou
フウエイ−ル・ツオウ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗腫瘍ミトキサントロンのポリマー組成物。 【構成】 ジビニルエーテル−無水マレイン酸(MV
E)共重合体と共有接合しているか或はそれと混和して
いるアントラセン抗腫瘍性化合物、特にミトキサントロ
ンを含んでいる抗腫瘍ポリマー組成物、並びに上記組成
物を投与することによる、哺乳動物における固体状腫瘍
の治療方法および白血病細胞増殖の後退を誘発する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、新規な抗腫瘍ポリマー組成
物、並びにそれを用いた治療方法に関する。より詳細に
は、本発明は、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(M
VE)共重合体と共有接合(covalently conjugated)
しているか或はそれと混和(admixed)しているアント
ラセン抗腫瘍化合物、特にミトキサントロン(mitoxant
rone)を含んでいる薬学組成物に関する。
【0002】
【関連技術の説明】恐らくは巨大分子から薬剤が徐放さ
れる結果として、薬剤の血漿レベルを長引かせ、そして
腫瘍細胞による好適な吸収を達成する試みの中で、薬剤
担体として巨大分子が用いられてきた。巨大分子担体の
中で、ジビニルエーテル−無水マレイン酸(MVE)が
幅広く調査されてきた。MVE共重合体は無水物環を多
数含んでおり、これが、−NH2、−OHおよび−SH
などの如き求核基を有する抗腫瘍剤を用いた官能化を容
易にしている。更に、各無水物環を薬剤分子で官能化す
ることによってカルボキシル基が生じる。従って、MV
E共重合体は、水溶性を維持しながら数多くの親油性抗
腫瘍剤と共有結合し得る。
【0003】MVE共重合体と5−フルオロウリジン、
ダウノマイシン、アドリアマイシン、β−D−アラビノ
フラノシルシトシンおよびメトトレキセートを含む種々
の治療活性を示す抗腫瘍剤との共有結合は、種々の結果
で行われてきた。これらのMVEと結合させた薬剤のい
くつかは、インビボにおける抗腫瘍評価において、より
高い治療効果と共により低い毒性を示す一方、他のもの
は全く向上を示さないか、或は生理条件下で不安定であ
った。メトトレキセートが有するプテリジン環の2−も
しくは4−アミノ基を通してメトトレキセートと結合さ
せたMVEが示す、遊離メトトレキセートに比較した時
のマウスにおけるL1210白血病に対する寿命向上
(%ILS)は若干のみであった。MVE共重合体は、
5−アザ−2’−デオキシ−シチジンの抗腫瘍活性に対
して増強効果を示しはしたが、同じ腫瘍主題の実験条件
および治療スケジュール下でシクロホスファミドと一緒
に用いたときは全く治療学的有益さを示さなかった。D.
S. Zaharko他、 Canc. Treat.Rpts. 68(10): 1255-1264
(1984)。米国特許第4,520,162号には、アドリアマイシ
ン、ダウノマイシンおよびAraCのMVE−共重合体の接
合体が開示されている。
【0004】アントラセン抗腫瘍剤は、ミトキサントロ
ンおよびビサントレン(bisantrene)が代表的な一員で
あるアントラセン部分を有する化合物の一群である。ミ
トキサントロンは、人における急性の非リンパ球性白血
病を治療する目的で示されている。これらの薬剤は優れ
た抗腫瘍活性を示すが、これらはまた、正常な細胞に対
しても強力な毒性を示す。例えば、ミトキサントロンの
投与は骨髄抑制および心臓異常、並びに他の副作用と関
連している。従って、この薬剤の抗腫瘍効果を増強する
ことができるならば、理論的には、この薬剤をより少な
い用量で長期間に渡って投与することが可能になり、従
って望ましくない副作用の幾つかをなくすか或は最小限
にすることが可能になるであろう。従って、本発明の1
つの目的は、上記アントラセン抗腫瘍剤の抗腫瘍活性を
増強する方法を提供することにある。
【0005】
【発明の要約】本発明は、ジビニルエーテルと無水マレ
イン酸との共重合体(MVE)部分の加水分解物と共有
接合しているか或はそれとの混和物として合成アントラ
セン抗腫瘍性化合物を含んでいる、治療学的活性を示す
抗腫瘍組成物に関する。この共重合体状MVE部分は、
一般式
【0006】
【化3】
【0007】[式中、nは、少なくとも2の整数であ
る]で表され得る。このアントラセン抗腫瘍性化合物
は、ミトキサントロン、ビサントレン、並びにそれらの
同族体、異性体および類似物などのアントラセン部分を
有する公知抗腫瘍性化合物から選択される。このアント
ラセン化合物との混和物としてか或はそれに共有接合し
ているMVE共重合体を含んでいる、本発明の組成物
は、そのどちらかの薬剤が単独で投与された時示す抗腫
瘍活性よりも高い抗腫瘍活性を示す。
【0008】上述したように、一般式Iで表されるMV
E共重合体は、該アントラセン抗腫瘍剤と混和している
か、或はそれに共有接合していてもよい。このMVE共
重合体と該アントラセン抗腫瘍剤との共有連結は、この
ポリマーが有する無水マレイン酸部分のカルボニル基と
該アントラセン抗腫瘍剤が有するアミノ基との間で生じ
る。このアントラセン剤がミトキサントロンである場
合、以下の式で表される発明ポリマー組成物が生じる。
【0009】
【化4】
【0010】上の図式において、nは上に挙げた如き値
を有しており、そしてこの共重合体の無水物部分を加水
分解で遊離酸形態に変化させるか或は中和でそれの塩に
変化させる。このアントラセン抗腫瘍剤は、該ポリマー
が有する無水マレイン酸部分と反応させるためのアミノ
基をその側鎖の中に有する適切な上記化合物のいずれか
である。
【0011】本発明の組成物は、薬学的に許容される賦
形剤の中で該アントラセン抗腫瘍剤とその加水分解した
ポリマーとを混合することによって調製されるか、或は
その結合した形態は、トリエチルアミンの如き第三級ア
ミン存在下の1−メチル−2−ピロリジノンの如き適切
な有機溶媒の中で該アントラセン剤とMVE共重合体と
を反応させることによって容易に調製され得る。この無
水物部分からその遊離酸もしくは塩形態への変換は、通
常の加水分解または中和によって達成され得る。
【0012】
【詳細な記述】本発明で用いるアントラセン抗腫瘍剤
は、アントラセン核を有する公知抗腫瘍剤であり、これ
らの最もよく知られている例はミトキサントロンおよび
ビサントレンである。ミトキサントロンおよびビサント
レンは下記の構造式を有している。
【0013】
【化5】
【0014】ミトキサントロンは、米国特許第4,197,24
9号(引用することによって本明細書に組み入れられ
る)の開示に従って製造され得る。ビサントレンの製造
は、米国特許第4,258,181号(引用することによって本
明細書に組み入れられる)の中に開示されている。これ
らの化合物は、種々の白血病、並びに他の形態の癌、例
えば乳癌、結腸癌および卵巣癌などの治療における優れ
た抗腫瘍剤であるとして知られている。本発明で用いる
に好適な化合物はミトキサントロンであるが、MVE共
重合体が有する無水マレイン酸部分のカルボニル基とア
ミド連結を生じ得る反応性アミノ基を分子内に有してい
る如何なるアントラセン抗腫瘍剤も本発明で用いるに適
切である。
【0015】本発明で用いるMVE共重合体は、一般式
Iとして表される共重合体である。この共重合体は、本
分野で知られている如く、従来技術、例えば米国特許第
3,320,216号の中に記述されている操作に従って無水マ
レイン酸とジビニルエーテルとを共重合させることによ
って製造され得る。50,000以下、好適には10,
000−15,000の範囲の平均分子量を有する共重
合体が本発明で用いるに適切である。これらのMVE共
重合体はそれら自身、限定された度合で固有の免疫転形
もしくは抗腫瘍活性を示す。
【0016】上述したように、本発明の共有接合体は、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド、ジメ
チルホルムアミドなどの如き適切な有機溶媒中でMVE
共重合体とアントラセン抗腫瘍剤とを反応させることに
よって調製され得る。この反応は、プロトン捕捉剤、例
えばトリエチルアミンの如き第三級アミンの存在下で、
該アントラセン剤が有するアミノ基と該MVE共重合体
が有する無水マレイン酸部分のカルボニル基との間のア
ミド連結を生じさせるように実施される。加水分解を行
って遊離酸形態を生じさせた後、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウムなどの如き塩生成カチオ
ンを含んでいる種々の薬学的に許容される塩生成試薬を
用いて、それをその塩形態に変化させることができる。
これらの有機溶媒および低分子量の有機化合物を、水に
対する徹底的な透析で除去する。
【0017】これらの組成物をインビボで投与する場
合、この接合体形態のアミド連結は徐々に加水分解して
遊離の抗腫瘍剤を放出する。これにより恐らくはその薬
剤のゆっくりとした放出がもたらされ、その結果とし
て、腫瘍細胞による好適な吸収が達成される。
【0018】本発明の治療学的組成物が有する活性材料
は、1日当たり、体重1kg当たり約5mgから約20
0mgの範囲の量で投与された時、哺乳動物における白
血病および関連した癌の後退および/または抑制を誘発
する。最適な結果を得るに好適な投薬法は、1日当た
り、体重1kg当たり約5mgから約50mgであり、
上記投薬単位は、24時間で投与される全量が、約70
kgの体重を有する被験者に対して約350mgから約
3.5gの活性化合物量になるように用いられる。この
ような投薬法は、最適な治療応答を与えるように調整さ
れ得る。例えば、いくつかに分割した用量で毎日投与す
るか、或は治療状況の緊急さの指示に比例させて用量を
減らしていくことも可能である。
【0019】これらの活性化合物は非経口もしくは腹こ
う内投与され得る。遊離酸または薬学的に許容される塩
としてこの活性化合物を含んでいる溶液は、ヒドロキシ
プロピルセルロースの如き界面活性剤と適切に混合した
水中で調製され得る。グリセロール、液状ポリエチレン
グリコール類、およびそれらの混合物中、およびオイル
中で、分散剤を調製することができる。通常の貯蔵条件
および使用条件下で微生物が増殖するのを防止する目的
で、これらの調合物は防腐剤を含んでいる。
【0020】注射用途に適切な薬学形態には、無菌水溶
液または分散液、並びに無菌注射溶液または分散液を即
座に調製するための無菌粉末が含まれる。全ての場合に
おいて、この形態は無菌である必要があり、そして注射
が容易な度合まで液体である必要がある。そして製造お
よび貯蔵条件下で安定性を示す必要があり、そして細菌
および菌・カビの如き微生物の汚染作用に対して保護さ
れている必要がある。この担体は、例えば水、エタノー
ル、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリ
コール、および液状ポリエチレングリコールなど)、そ
れらの適切な混合物、並びに植物油などが入っている溶
媒または分散媒体であってもよい。例えば、レシチンの
如きコーティング物を用い、分散液の場合に必要とされ
る粒子サイズを維持し、そして界面活性剤を用いること
によって、適当な流動性を維持することができる。微生
物が示す作用の防止は、種々の抗菌剤および抗菌・カビ
剤、例えばパラベン類、クロロブタノール、フェノー
ル、ソルビン酸、チメロサールなどを用いることによっ
て成され得る。多くの場合、等浸透圧剤、例えば糖類ま
たは塩化ナトリウムなどを含有させるのが好適である。
【0021】必要に応じて、上に挙げた他の種々の材料
と一緒に適当な溶媒の中に必要量の活性化合物を混合し
た後、濾過殺菌することによって、無菌注射溶液を調製
する。一般に、基本的な分散用媒体と上に挙げた他の必
要とされる材料を含んでいる無菌賦形剤の中に種々の無
菌活性材料を混合することによって、分散液を調製す
る。無菌注射溶液を製造するための無菌粉末の場合に好
適な製造方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、こ
れによって、必要とされる追加的材料いずれかの溶液を
予め無菌濾過することで得られる材料と活性材料を含ん
でいる粉末を生じさせる。
【0022】ここで用いる「薬学的に許容される担体」
には、いずれかのおよび全ての溶媒、分散用媒体、コー
ティング物、抗菌剤および抗菌・カビ剤、等浸透圧剤、
吸収遅延剤などが含まれる。薬学活性を示す物質に関し
て上記媒体および薬剤を用いることは本分野でよく知ら
れている。何らかの通常の媒体もしくは薬剤がこの活性
材料に適合性を示す限り、これはこれらの治療学的組成
物内で用いられると期待される。追加的活性材料もまた
これらの組成物の中に組み込まれ得る。
【0023】投与を容易にしそして投薬量を均一にする
には、非経口組成物を投薬単位形態で調合するのが特に
有利である。ここで用いる投薬単位形態は、治療すべき
哺乳動物被験体のための単位投薬量として適合する物理
的に独立した単位を表しており、ここで各単位には、所
望の薬学担体と共に、所望の治療効果を生じるように計
算された予め決めた量の活性材料が含まれている。本発
明の新規な投薬単位形態に関する内訳は、本明細書の中
に詳述するように、(a)この活性材料が有するユニー
クな特質および達成すべき特別な治療効果、および
(b)体の健康を害している病気状態を示す生きている
被験体の病気を治療する目的で上記活性材料をコンパン
ド化することに関する技術に固有の制限、によって指図
されそしてそれに直接依存している。
【0024】投与を便利にしそして有効にする目的で、
適切な薬学的に許容される担体と一緒にこの主要活性材
料を有効量でコンパンド化し、ここで、投薬形態は、例
えば、この主要活性化合物を約0.1から約400mg
の範囲の量で含んでいてもよく、約1から約30mgが
好適である。割合で表すこの活性化合物は、一般に、担
体1mL当たり約0.1から約400mgの量で存在し
ている。追加的活性材料を含んでいる組成物の場合、こ
れらの投薬量は上記材料の通常用量および投与様式を参
考にして決定される。
【0025】癌の後退および抑制は、例えば静脈投与を
用いて達成される。単一の静脈投薬量または日単位の投
薬量を繰り返して投与することができる。約5から10
日に及んで毎日投与することでしばしば充分である。日
単位の投薬量または1用量を1日置きか或はそれよりも
低い頻度で投与することも可能である。この投与法から
分かるように、投与すべき主要活性材料の量は、癌を有
する宿主に有害な細胞毒性副作用を過剰に生じさせるこ
となく白血病などの補助後退および軽減を生じさせるに
充分な量である。ここで用いる癌病は、白血病の如き血
液の悪性疾患、並びに他の固体状および非固体状悪性疾
患、例えば黒色癌、肺癌、乳房腫瘍、結腸腫瘍および卵
巣腫瘍などを意味している。後退および抑制は、治療を
行なわなかった場合の病気の進行過程に比較して、腫瘍
の増殖を押えるか或は遅らせるか或は他の病状発現が生
じることを意味している。
【0026】本発明の新規な組成物は、この組成物にお
けるアントラセン抗腫瘍剤としてミトキサントロンを用
いた下記の試験で確立されるように、哺乳動物の癌病の
後退および/または抑制を誘発する特性を有している。
【0027】リンパ球白血病P388試験 このP388マウス白血病試験において、体重が18−
21gのオスBDF1マウスに、この試験の0日目に1
x106個のP388腫瘍細胞を腹こう内(ip)注射
した。腫瘍接種後1、5および9日目に薬剤をip投与
した。1グループ毎に6から12匹のマウスを用いた。
生存に対する効果を%ILSとして表し、これを下記の
如く計算した。ILS=[(T/C)−1]x100、
ここで、T/Cは、処理グループ(T)におけるマウス
の中間生存時間(MST)をプラセボ処理対照グループ
(C)のMSTで割った値である。25%以上に相当す
る%ILS値は、薬剤活性が正であることを示してい
た。
【0028】ミトキサントロンのMVEポリマー誘導体
を、0.8から24.3mg/kgの用量範囲で、それ
が示すP388腫瘍に対する効果に関して試験した結
果、これは用量依存性を示す抗腫瘍活性を示した(図
1)。MVE共重合体それ自身が免疫刺激活性および抗
腫瘍活性を示すと報告されてはいるが、我々の所で最も
高いポリマー薬剤用量に含まれている用量に相当する用
量で試験した時得られた%ILSは10%のみであっ
た。遊離ミトキサントロンは毒性を示し、そして1.6
mg/kgの薬剤相当用量以上の用量において、本MV
E+MITO混合物もしくはMVE−MITO接合体の
いずれよりも低い活性を示した。更に、3.2mg/k
g以上の用量のとき本ポリマー薬剤が示す活性は、試験
した如何なる用量でも遊離ミトキサントロンよりも高
く、そして単にこの遊離ミトキサントロンの活性にその
共重合体それ自身の活性を加えることによって予測され
る活性よりも高かった。本ポリマー薬剤の最適用量は
6.4mg/kgであり(%ILS>500%)、長期
生存体が数多く存在していた(60日目に生存していた
のは、12匹のマウスの中で8匹であった)。
【0029】H207卵巣腫瘍モデル試験 腫瘍をアセティカル(ascetical)除去した後2−5m
mの片に小さく切ることによって、腫瘍フラグメントを
調製した。体重が21から23gのメスヌード−ヌード
マウス(Harlan Spargue Dawleyから入手)に、試験の
0日目に5−6個の腫瘍フラグメントを皮下注射した。
腫瘍の大きさが50−150mgに到達した時点(腫瘍
接種後7−8日)で、腫瘍接種後8日、12日および1
6日目に薬剤でマウスを処理した。カリパスを用いて週
に一度腫瘍を測定し、式LxW2/2に従って腫瘍の質
量を計算した。42%以下に相当しているT/Cx10
0%値は、薬剤活性が正であることを示していた。
【0030】ミトキサントロンのMVEポリマー誘導体
をマウスにおけるヒト卵巣H207癌に対して試験した
結果、これは5.7から17.1mg/kgの用量範囲
で活性を示した。遊離ミトキサントロンが抑制した腫瘍
増殖は、腫瘍移植後35日目でプラセボの3%のみであ
り、その時点で、生存しているマウスの83%に毒性が
生じ始めた。遊離ミトキサントロンとは対照的に、MV
E−ミトキサントロン接合体を用い5.7−11.4m
g/kgの用量で処理したマウスは腫瘍を生じることな
く生存した。MVE−ミトキサントロン接合体を用い1
7.1mg/kgの如き高用量でマウスを処理した場
合、マウスには腫瘍がなく、その生存率は67%であっ
た。従って、MVEを用いてミトキサントロンの誘導体
を生じさせると、ミトキサントロンが示す治療ウインド
ーが向上する。加水分解したMVEポリマーとミトキサ
ントロンとの物理的混合物を用いて処理したマウスに関
しても同様な結果が観察された。この加水分解したMV
E共重合体とミトキサントロンとの物理的混合物を用い
て処理したマウスは全て腫瘍を生じることなく生存し
た。MVE共重合体それ自身は、最も高いポリマー薬剤
用量に含まれている用量に相当する用量で試験したとき
活性を示さなかった(T/C=94%)。図2は、上記
プロトコルに従って処理したマウスに関する腫瘍重量お
よび生存率上昇を示している。
【0031】以下に示す特定実施例に関連させて本発明
を更に詳しく説明する。
【0032】
【実施例】
実施例1 0.4mLの1−メチル−2−ピロリジノンの中に、ジ
ビニルエーテル/無水マレイン酸(MVE)共重合体
(MW10,000)を50mg溶解させた。次に、こ
れと、1.75mLの1−メチル−2−ピロリジノンと
0.16mLのトリエチルアミンの中に溶解させた10
0mgのミトキサントロン塩酸塩とを反応させた。この
反応を室温で一晩進行させた後、7.69mLの水を加
えて、1時間撹拌した。PD−10カラムにかけた後、
充分な透析を行うことによって、この反応生成物の精製
を行った。0.45μmのフィルターを通して濾過した
後、濃青色の溶液が18.25mL得られた。この青色
溶液のTLC分析(シリカゲル、THF:水:HOAc
=55:30:15)を行った結果、このプレートの起
点に青色スポットのみが示され、このことは、ミトキサ
ントロンがMVE共重合体に共有連結しており、この生
成物内には全く遊離ミトキサントロンが存在していない
ことを示していた。この生成物をUV分析した結果、M
VE共重合体1分子当たりのミトキサントロンは平均で
18分子であることが示された。このミトキサントロン
含有量は44.5重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】P388腫瘍モデルにおける、本発明のミトキ
サントロン−共重合体組成物に比較した時の、遊離ミト
キサントロンで処理したマウスの寿命上昇パーセント
(%ILS)を示すグラフである。
【図2】H207マウス卵巣腫瘍モデルにおける、本発
明のミトキサントロン−共重合体組成物に比較した時
の、遊離ミトキサントロンのインビボ試験結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 216/12 MLA 222/06 MLU C08L 29/10 LGZ 35/00 LJA

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬学的に許容される担体と組み合わせ
    て、ジビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体部
    分と共有接合しているか或はそれとの混和物として合成
    アントラセン抗腫瘍性化合物を含んでいる薬学組成物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化1】 [式中、nは、少なくとも2の整数であり、そしてR
    は、その結合している窒素と一緒に、この共重合体部分
    が有するカルボニル基とのアミド連結を生じ得る反応性
    アミノ基を有する合成アントラセン抗腫瘍性化合物であ
    る]で表される共重合体部分か或はそれの薬学的に許容
    される塩を含んでいるポリマー化合物。
  3. 【請求項3】 該合成アントラセン化合物がミトキサン
    トロンおよびビサントレンから成る群から選択される請
    求項1項記載の薬学組成物。
  4. 【請求項4】 該合成アントラセン化合物がミトキサン
    トロンである請求項1項の薬学組成物。
  5. 【請求項5】 該無水マレイン酸とジビニルエーテルと
    の共重合体部分が50,000以下の分子量を有する請
    求項1、3または4項記載の薬学組成物。
  6. 【請求項6】 該合成アントラセン抗腫瘍性化合物がミ
    トキサントロンおよびビサントレンから成る群から選択
    される請求項2項記載のポリマー化合物。
  7. 【請求項7】 該合成アントラセン抗腫瘍性化合物がミ
    トキサントロンである請求項6項のポリマー化合物。
  8. 【請求項8】 哺乳動物における固体状腫瘍を治療する
    方法において、請求項1項記載の組成物の治療学的有効
    量を上記哺乳動物に投与することを含む方法。
  9. 【請求項9】 哺乳動物における白血病細胞増殖の後退
    を誘発する方法において、請求項1項記載の組成物の治
    療学的有効量を上記哺乳動物に投与することを含む方
    法。
  10. 【請求項10】 一般式 【化2】 [式中、nは、少なくとも2の整数であり、そしてR
    は、その結合している窒素と一緒に、この共重合体部分
    が有するカルボニル基とのアミド連結を生じ得る反応性
    アミノ基を有する合成アントラセン抗腫瘍性化合物であ
    る]で表される共重合体部分を含んでいるポリマー化合
    物の製造方法において、適切な触媒存在下の有機溶媒の
    中で無水マレイン酸とジビニルエーテルとの共重合体と
    該合成アントラセン抗腫瘍性化合物とを反応させそして
    この得られる生成物の加水分解を生じさせてその遊離酸
    形態を生じさせることを含む方法。
JP6073757A 1993-03-25 1994-03-22 抗腫瘍ミトキサントロンのポリマー組成物 Pending JPH06321927A (ja)

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