JPH06321837A - ヒドロキシエーテル類及びその製造法 - Google Patents

ヒドロキシエーテル類及びその製造法

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JPH06321837A
JPH06321837A JP5111815A JP11181593A JPH06321837A JP H06321837 A JPH06321837 A JP H06321837A JP 5111815 A JP5111815 A JP 5111815A JP 11181593 A JP11181593 A JP 11181593A JP H06321837 A JPH06321837 A JP H06321837A
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ketone
group
reaction
mol
formula
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JP5111815A
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English (en)
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Shoji Nakagawa
庄次 中川
Yukinaga Yokota
行永 横田
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Kao Corp
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Kao Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1A)〔式中、R1aは炭素数
1〜21のアルキル基を示し、R2aは炭素数3〜21
のアルキル基を示す〕で表わされるヒドロキシエーテル
類及びその製造法。 【化1】 【効果】 ヒドロキシエーテル(1A)は、そのアルキ
ル部分が炭素鎖のα−位で分岐しているため、分子量が
大きい割りには、融点が低く、室温で液体であるものが
多く、物性が良好であるため、潤滑剤や極性油としての
使用性が良好である。また、水との相互作用も認めら
れ、乳化剤や保湿剤などとしても有用である。また、本
発明方法によれば、安価で供給が充分可能なオレオケミ
カルや合成のアルデヒド及びケトンとグリセリンとか
ら、ヒドロキシエーテルが安価に高収率で合成できる。
さらに、食塩が副生する通常のエーテル化反応とは異な
り、廃棄物を出さず生産性も良い反応であるので近年の
環境問題の点からも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油性汚れ溶解剤、水に
可溶な有機溶剤、極性油、乳化剤、潤滑剤、保湿剤等と
して、又界面活性剤の製造中間体として有用なヒドロキ
シエーテル類及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルグリセリルエーテル(ヒ
ドロキシエーテル)は、香料の固定剤(米国特許第20
91162号)、石鹸の添加剤(米国特許第21570
22号、同第3350460号)、有機物質の抽出溶剤
(米国特許第2156724号)、保湿剤(特開平3−
14505号、特開平3−14506号)、水性インキ
組成物の成分(特開昭58−67770号)、化粧料成
分(特開昭52−12109号、特公昭57−3626
0号、特公平3−31187号)等の広い分野で利用さ
れている。
【0003】このヒドロキシエーテルとしては、魚類の
脂質中に存在するパルミチルグリセリルエーテル(キミ
ルアルコール)やステアリルグリセリルエーテル(バチ
ルアルコール)などが古くから知られている。これらの
天然ヒドロキシエーテルは、乳化剤として優れた性能を
有することから広い分野で使用されているが、融点の高
い固体であるため、化粧料等の多成分配合系では使用上
の制約が多いという欠点を有している。そこで、種々の
アルキル基を有するグリセリルエーテルが合成され、化
粧料等に配合されている。その例としては、ラウリルグ
リセリルエーテル、β−分岐アルキルグリセリルエーテ
ル(特開昭52−12109号)、アルキル鎖のほぼ中
央付近にメチル分岐を有するイソステアリルグリセリル
エーテル混合物(特公昭57−36260号)、テルペ
ンアルコールのグリセリルエーテル(特公平3−311
87号)等がある。
【0004】一方、これらのヒドロキシエーテルの製造
方法としては、アルコールとエピクロルヒドリンから合
成されるアルキルグリシジルエーテル(米国特許第30
24273号、特公昭57−36260号)を中間体と
して1,3−ジオキソランを経由して加水分解する方法
(特開昭56−133281号)、及び直接加水分解す
る方法(特開昭49−86307号)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヒドロキシエーテルは、混合物であるために品質管理が
困難であったり、原料が天然物由来のものであるため入
手量が制限され、高価になるなどの欠点があった。ま
た、従来のヒドロキシエーテルの合成方法は、食塩など
の廃棄物を大量に生じることや、生産性が悪く、工程が
複雑であることなどから製品が高価なものとなってしま
うという問題点を有していた。従って、本発明の目的
は、幅広い用途に使用できる新規なヒドロキシエーテル
及びその工業的に有利な製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは容易
に入手し得る原料を用いてヒドロキシエーテルを得るべ
く種々検討してきたところ、アルデヒド又はケトン類を
原料とし、ケタールを経由する合成法により工業的に有
利にヒドロキシエーテルが得られること、さらに、得ら
れた化合物の中には低融点で使用性が良く、極性油や、
化粧料の成分として有用な新規化合物が存在することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は次の一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、R1 は水素原子もしくは炭素数1
〜21のアルキル基を示すか、又はR 2 と一緒になって
炭素数2〜21のアルキレン基を形成し、R2 は炭素数
1〜21のアルキル基を示す。ただし、R1、R2 共に
α位に水素原子を有さないアルキル基である場合を除
く。〕で表わされるカルボニル化合物に、酸触媒下グリ
セリンを反応させ、得られた化合物に水素添加すること
を特徴とする一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 及びR2 は前記と同じものを
示す〕で表わされるヒドロキシエーテル類の製造法を提
供するものである。
【0012】また、本発明は、次の一般式(1A)
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、R1aは炭素数1〜21のアルキル
基を示し、R2aは炭素数3〜21のアルキル基を示す〕
で表わされるヒドロキシエーテル類を提供するものであ
る。
【0015】本発明において、R1 及びR2 で示される
炭素数1〜21のアルキル基としては、直鎖及び分岐鎖
のいずれも挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、イソヘプタ
デシル基、1−メチルオクチル基、1−メチルデシル基
等が挙げられる。また、R1 とR2 が一緒になって形成
する炭素数2〜21のアルキレン基としては、エチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレ
ン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタ
メチレン基、4−メチルペンタメチレン基、2−ter
t−ブチルペンタメチレン基、4−tert−ブチルペ
ンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基
等が挙げられる。
【0016】本発明方法は、次の反応式で表わすことが
できる。
【0017】
【化7】
【0018】〔式中、R1 及びR2 は前記と同じものを
示す〕
【0019】本発明方法に用いられるカルボニル化合物
(2)には、アルキルアルデヒド及びジアルキルケトン
があるが、このうちアルキルアルデヒドは、例えば脂肪
アルコールの脱水素反応、オレフィンのヒドロホルミル
化反応(オキソ法)、脂肪酸クロライドのローゼムント
還元や脂肪酸よりの直接水添等によって容易に得られ
る。オキソ法の場合直鎖体と分岐体が生成するが精密蒸
留により単品に分離精製することができる。当該アルキ
ルアルデヒドの具体例を挙げると以下のようになるが必
ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバ
レルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプチルアルデ
ヒド、カプリルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデ
ヒド、ペラルゴンアルデヒド、カプリンアルデヒド、ウ
ンデカンアルデヒド、ラウリンアルデヒド、トリデカン
アルデヒド、ミリスチンアルデヒド、ペンタデカンアル
デヒド、パルミチンアルデヒド、マルガリンアルデヒ
ド、ステアリンアルデヒド、イソステアリンアルデヒ
ド、2−メチルノニルアルデヒド、2−メチルウンデシ
ルアルデヒド、ベヘニンアルデヒドなどが挙げられる。
【0020】また、本反応に用いられるジアルキルケト
ンはオレフィンの触媒酸化反応(ワッカー法)や第2級
アルコールの酸化、脱水素やシクロアルカンの酸化等に
よって容易に得られる。ワッカー法の場合、得られるケ
トンは分布を持つが精密蒸留により単品に分離精製する
ことができる。ジアルキルケトンの具体例を挙げると以
下のようになるが必ずしもこれらに限定されるものでは
ない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチル
ケトン、メチルヘキシルケトン、メチルヘプチルケト
ン、メチルオクチルケトン、メチルノニルケトン、メチ
ルデシルケトン、メチルウンデシルケトン、メチルドデ
シルケトン、メチルトリデシルケトン、メチルテトラデ
シルケトン、メチルペンタデシルケトン、メチルヘキサ
デシルケトン、メチルヘプタデシルケトン、メチルオク
タデシルケトン、メチルノナデシルケトン、メチルエイ
コシルケトン、メチルヘンエイコシルケトン、シクロヘ
キサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシ
クロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、2−t
ert−ブチルシクロヘキサノン、4−tert−ブチ
ルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロブタノ
ン、シクロプロパノン、シクロドデカノン、シクロヘプ
タノン、シクロオクタノン、ジエチルケトン、ジプロピ
ルケトン、ジブチルケトン、ジペンチルケトン、ジヘキ
シルケトン、ジヘプチルケトン、ジオクチルケトン、ジ
ノニルケトン、ジウンデシルケトン、ジトリデシルケト
ン、ジペンタデシルケトン、ジヘプタデシルケトン、3
−ヘキサノン、3−ヘプタノン、3−オクタノン、4−
オクタノン、3−ノナノン、4−ノナノン、3−デカノ
ン、4−デカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノ
ン、5−ウンデカノン、3−ドデカノン、5−ドデカノ
ン、3−トリデカノン、ジイソプロピルケトン、ジイソ
ブチルケトンなどが挙げられる。
【0021】本反応の第一段階であるアルキルアルデヒ
ド(2)とグリセリンとの反応はアセタール化反応であ
り、アルキルアルデヒドに対するグリセリンの比率(モ
ル比)は1.5〜0.2好ましくは1.2〜0.6であ
る。この反応は触媒としてパラトルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、硫酸などの酸触媒をアルキルアルデヒ
ド(2)に対して0.01〜5モル%、好ましくは0.
1〜1モル%用いて行なう。この方法は無溶媒あるいは
キシレン、トルエン、ベンゼン、オクタン、イソオクタ
ン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、
ブタン、リグロイン、石油エーテルなどの不活性溶媒あ
るいはこれらの混合溶媒中で、使用するアルデヒドの沸
点にもよるが20〜130℃、好ましくは50〜100
℃の温度にて生成する水を除去しながら行なうのが好ま
しい。温度が低いと反応が進行せず、高いと着色が激し
く副反応が生じる。また、窒素流通条件下、窒素雰囲気
下及び空気雰囲気下のいずれでもよい。反応時間は、種
々の条件によって変りうるが通常1〜30時間が好まし
い。得られたアセタールは中和したのち濾過、洗浄等の
前処理を行なったのち、白土処理、晶析、蒸留などの操
作によって精製できる。
【0022】また、ジアルキルケトン(2)とグリセリ
ンとの反応はケタール化反応であり、ジアルキルケトン
に対するグリセリンの比率(モル比)は1.5〜0.
2、好ましくは1.2〜0.6である。この反応は、触
媒としてパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
硫酸などの酸触媒をジアルキルケトン(2)に対して
0.1〜5モル%、好ましくは1〜3モル%用いて行な
う。この反応は無溶媒あるいはキシレン、トルエン、ベ
ンゼン、オクタン、イソオクタン、ヘプタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ペンタン、リグロイン、石油エー
テルなどの不活性溶媒中あるいはこれらの混合溶媒中
で、使用するケトンの沸点にもよるが40〜130℃、
好ましくは70〜100℃の温度にて生成する水を除去
しながら行なうのが好ましい。温度がこれより低いと反
応が進行せず高いと着色が激しく副反応が生じ好ましく
ない。また窒素流通条件下、窒素雰囲気下及び空気雰囲
気下のいずれでもよい。反応時間は種々の条件によって
変りうるが通常5〜200時間が好ましい。得られたケ
タールは中和したのち濾過、洗浄等の前処理を行なった
のち、白土処理、晶析、蒸留などの操作によって精製す
ることができる。
【0023】第二段階のアセタールあるいはケタール
〔(3)及び(4)〕の水素添加反応は、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、プラチナ等、通常の水素化分解
触媒をアセタノールあるいはケタールに対し、5〜50
00ppm 添加し、水素圧を常圧〜250kg/cm2 、温度
を50〜250℃とし、1〜30時間反応させればよ
い。上記水素化分解触媒は、これらをカーボン、アルミ
ナ、シリカ、ケイソウ土、酸化チタン等に0.1〜20
%担持させたものを使用してもよい。なお、水素化分解
触媒としては、パラジウムが特に好ましく、そのpHは6
〜8のものが特に好ましい。又、水分はあらかじめ除去
されていることが好ましい。この反応は無溶媒でも、デ
カン、オクタン、イソオクタン、ヘプタン、ヘキサン、
シクロヘキサン等の不活性溶媒を用いてもよい。また、
アセタール、ケタールの原料であるグリセリンやアルキ
ルアルデヒド、ジアルキルケトンを添加してもよい。さ
らに、リン酸などの酸性物質を微量添加してもよい。反
応は密閉方式でも、水素流通方式でもよい。
【0024】反応混合物から本発明化合物(1)を単離
するには、濾過を行なって触媒を除去したのち、常法に
より、例えば溶媒留去、洗浄、再結晶、蒸留、クロマト
グラフィー等を単独又は組み合せて行なうことができ
る。
【0025】なお、この反応においては、本発明化合物
(1)以外に、下記の化合物(5)及び(6)が副生す
る。
【0026】
【化8】
【0027】〔式中、R1 及びR2 は前記と同じものを
示す〕
【0028】本発明化合物(1)の生成量を増加させる
には、アルキルアルデヒド又はジアルキルケトンを多量
添加し、水素添加反応を完全に行なえばよい。
【0029】
【発明の効果】本発明のヒドロキシエーテル(1)は、
そのアルキル部分が炭素鎖のα−位で分岐しているた
め、分子量が大きい割りには、液体であり、物性が良好
であるため、潤滑剤や極性油としての使用性が良好であ
る。また、水との相互作用も認められ、乳化剤や保湿剤
などとしても有用である。また、本発明方法によれば、
安価で供給が充分可能なオレオケミカルや合成のアルデ
ヒド及びケトンとグリセリンとから、ヒドロキシエーテ
ルが安価に高収率で合成できる。さらに、食塩が副生す
る通常のエーテル化反応とは異なり、廃棄物を出さず生
産性も良い反応であるので近年の環境問題の点からも優
れている。さらに、エーテル化に際し、エピクロルヒド
リンやハロゲン化クロライドのような有機塩素を含有す
る原料を使用しないので、得られるヒドロキシエーテル
は完全に有機塩素を含まない安定性に優れたものとな
る。そして、従来のグリシジルエーテルを加水分解して
得られるヒドロキシエーテルはエポキシ基が残存する可
能性があるが、本発明によればそのような心配もなく安
全性にも優れたものである。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 1,3−ビスヘキシルオキシ−2−プロパノール(1
a)の合成:
【0032】(1)2−ペンチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−メタノール(4a)及び2−ペンチル−1,3
−ジオキサン−5−オール(3a) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた容量3lの反応容器
にカプロンアルデヒド400g(3.994モル)、グ
リセリン404.5g(4.392モル)、パラトルエ
ンスルホン酸1水和物3.80(0.02モル)及びヘ
キサン400mlを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、69
〜77℃で4時間反応を行ない、計算量の水を蒸留し
た。反応終了後60℃に冷却し、炭酸ナトリウム4.2
4g(0.04モル)を加えて中和し、60℃で30分
間攪拌したのち、除々に130℃まで昇温し、ヘキサン
350mlを回収し、粗標記化合物(3a)及び(4a)
774.9gを得た。このものを濾過したのちビグリュ
ー管(20cm×1.5cmφ)を通して減圧蒸留を行な
い、標記化合物(3a)及び(4a)668.04gを
得た(収率96.0%)。b.p.87〜102℃/0.3
mmHg、ガスクロマトグラフィー純度94.1%、水酸基
価372.0(理論値322.0)。
【0033】(2)1,3−ビスヘキシルオキシ−2−
プロパノール(1a):0.5lのオートクレーブに
(1)で得た化合物(3a)及び(4a)200g
(1.148モル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%
含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)
(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉
末50%含水品,E−type,pH6.9」)4g(2
重量%)を仕込んだ。水素圧10kg/cm2 にて攪拌しな
がら昇温し、190℃にて水素圧20kg/cm2 で3時
間、さらに190℃にて水素圧200kg/cm2 で4時間
反応させた。反応終了後、メンブランフィルター(PT
FE 0.2μ)を用い加圧濾過を行ない、粗標記化合
物(1a)及び3−ヘキシルオキシ−1,2−プロパン
ジオール(1a′)の混合物188.33gを得た(粗
収率93.1%)。ガスクロマトグラフィー純度90
%。(1a)/(1a′)=7/3(重量比)。
【0034】このものに水/ヘキサン/メタノール=2
00ml/200ml/200mlを加えて振盪し、得られた
下層をさらにヘキサン200mlで抽出した。上記上層と
ヘキサン層に標記化合物(1a)が濃縮された。
【0035】実施例2 1,3−ビスヘプチルオキシ−2−プロパノール(1
b)の合成:
【0036】(1)(2)−ヘプチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−メタノール(4b)及び2−ヘプチル−
1,3−ジオキサン−5−オール(3b) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた容量3lの反応容器
にヘプチルアルデヒド400g(3.503モル)、グ
リセリン354.84g(3.853モル)、パラトル
エンスルホン酸1水和物3.33g(0.0175モ
ル)、トルエン200ml及びヘキサン200mlを仕込ん
だ。攪拌しながら昇温し、82〜94℃で5時間反応を
行ない計算量の水を留去した。反応終了後60℃に冷却
し、炭酸ナトリウム3.71g(0.035モル)を加
えて中和し、60℃で30分間攪拌したのち水100ml
を加えて60℃で30分間攪拌した。その後、静置分層
し、上層を飽和食塩水(100ml)で2回洗浄したのち
エバポレートし、粗標記化合物(3b)及び(4b)6
36.8gを得た。このものをビグリュー管(20cm×
1.5cmφ)を通して減圧蒸留し標記化合物(3b)及
び(4b)591.21gを得た(収率89.6%)。
b.p.87〜102℃/0.4mmHg。ガスクロマトグラフ
ィー純度99.8%。水酸基価303.2(理論値29
8.0)。
【0037】(2)1,3−ビスヘプチルオキシ−2−
プロパノール(2b) 0.5lのオートクレーブに(1)で得た化合物(3
b)及び(4b)100g(0.531モル)及び5%
Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポンプで減圧、
室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット
社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,E−typ
e,pH6.9」)2g(2重量%)を仕込んだ。水素圧
10kg/cm2 にて攪拌しながら昇温し、190℃にて水
素圧20kg/cm2 で6時間、さらに190℃にて水素圧
200kg/cm2 で4時間反応させた。反応終了後メンブ
ランフィルター(PTFE 0.2μ)を、用い加圧濾
過を行ない粗標記化合物(1b)及び3−ヘプチルオキ
シ−1,2−プロパンジオール(1b′)の混合物8
8.91gを得た(粗収率88%)。ガスクロマトグラ
フィー純度90%。(1b)/(1b′)=7/3(重
量比)。
【0038】このものに水/ヘキサン/メタノール=1
00ml/100ml/100mlを加えて振盪した。得られ
た下層を除き、上層をさらに水/メタノール=50ml/
50mlで9回下層へ抽出し、残った上層には標記化合物
(1b)が濃縮された。
【0039】実施例3 1,3−ビスイソプロポキシ−2−プロパノール(1
c)の合成:0.5lのオートクレーブにソルケタール
136g(1.029モル)及び5%Pd/C(乾燥
品:50%含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾燥
したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pd
カーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.2
4」)2.7g(2重量%)を仕込んだ。水素圧10kg
/cm2 にて攪拌しながら昇温し、190℃にて水素圧7
0kg/cm2 で4時間、さらに190℃にて水素圧200
kg/cm2 で4時間反応させた。反応終了後、イソプロパ
ノールに溶解し、キョーワード600s 13.6gを
通して減圧濾過し、得られたイソプロパノール溶液をエ
バポレートして粗標記化合物(1c)及び3−イソプロ
ポキシ−1,2−プロパンジオール(1c′)の混合物
129.63gを得た(粗収率93.9%)。ガスクロ
マトグラフィー純度91.6%。(1c)/(2c)=
63/37(重量比)。このもの129.32gをビグ
リュー管(20cm×1.5cmφ)を用いて減圧蒸留し、
b.p.52〜53℃/0.4mmHgの留分として標記化合物
(1c)を35.55g得た。ガスクロマトグラフィー
純度99.5%。水酸基価357.7(理論値318.
34)。
【0040】実施例4 1,3−ビス(1−メチルプロポキシ)−2−プロパノ
ール(1d)の合成:
【0041】(1)2−メチル−2−エチル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール(4d) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた3lの反応容器にメ
チルエチルケトン400g(5.547モル)、グリセ
リン561.91g(6.102モル)、パラトルエン
スルホン酸1水和物21.10g(0.1109モル)
及びヘキサン400mlを仕込んだ。攪拌しながら昇温
し、67〜74℃で30時間反応を行ない、計算量の水
を留去した。反応終了後60℃に冷却し、炭酸ナトリウ
ム23.51g(0.2218モル)を加えて中和し、
60℃で30分間攪拌したのち、除々に120℃まで昇
温し、ヘキサン400mlを回収し、濾過ののち粗標記化
合物(4d)894.74gを得た。ビグリュー管(2
0cm×1.5cmφ)を用いて減圧蒸留し、標記化合物
(4d)725.14gを得た(収率89.4%)。b.
p.101〜104℃/17mmHg。ガスクロマトグラフィ
ー純度99.1%。水酸基価381.8(理論値38
3.8)。
【0042】(2)1,3−ビス(1−メチルプロポキ
シ)−2−プロパノール(1d) 0.5lのオートクレーブに(1)で得た化合物(4
d)150g(1.026モル)及び5%Pd/C(乾
燥品:50%含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾
燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%P
dカーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.
9」)3g(2重量%)を仕込んだ。水素圧10kg/cm
2 にて攪拌しながら昇温し、190℃に水素圧20kg/
cm2 で6時間、さらに190℃にて水素圧200kg/cm
2 で3時間反応させた。反応終了後メンブランフィルタ
ー(PTFE 0.2μ)を用い加圧濾過を行ない粗標
記化合物(1d)及び3−(1−メチルプロポキシ)−
1,2−プロパンジオール(1d′)の混合物141.
76gを得た(粗収率93.2%)。ガスクロマトグラ
フィー純度86.3%。(1d)/(1d′)=7/3
(重量比)。
【0043】このものをビグリュー管(10cm×1.5
cmφ)を用いて、減圧蒸留し、b.p.63℃/0.2mmHg
の留分として標記化合物(1d)を5.39g得た。
【0044】実施例5 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:
【0045】(1)2−メチル−2−イソブチル−1,
3−ジオキソラン−4−メタノール(4e) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた2lの反応容器にメ
チルイソブチルケトン790g(7.887モル)、グ
リセリン484.2g(5.258モル)、パラトルエ
ンスルホン酸1水和物20.0g(0.105モル)及
びヘキサン400mlを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、
85〜90℃で105時間反応を行ない、計算量の水を
留去した。反応終了後40℃に冷却し、炭酸ナトリウム
22.29g(0.210モル)を加えて中和し、50
℃で1時間攪拌したのち水300mlを加えて室温で30
分間攪拌し、静置分層した。下層をのぞいたのち飽和食
塩水で2回(250ml/200ml)洗浄して芒硝で乾燥
し、エバポレートし、粗標記化合物(4e)1050.
1gを得た(純度81.1%)。粗収率93%。このも
のを減圧蒸留し、標記化合物(4e)824.5gを得
た(収率90.0%)。b.p.76℃/1mmHg。ガスクロ
マトグラフィー純度97.3%。水酸基価314.1
(理論値322.03)。
【0046】(2)1,3−ビス(1,3−ジメチルブ
トキシ)−2−プロパノール(1e) 0.5lのオートクレーブに(1)で得た化合物(4
e)290g(1.664モル)及び5%Pd/C(乾
燥品:50%含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾
燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%P
dカーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.2
4」)2.9g(1重量%)を仕込んだ。水素圧10kg
/cm2 にて攪拌しながら昇温し、190℃に水素圧70
kg/cm2 で11時間、さらに190℃にて水素圧200
kg/cm2 で10時間反応させた。反応終了後キョーワー
ド600s 27gを通して濾過し、粗標記化合物(1
e)及び3−(1,3−ジメチルブトキシ)−1,2−
プロパンジオール(1e′)の混合物288.5gを得
た(粗収率98.3%)。ガスクロマトグラフィー純度
90.6%。(1e)/(1e′)=72/28(重量
比)。粗標記化合物(1e)を含む混合物192.38
gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ク
ロロホルム/メタノール)で精製した。最初に留出する
フラクションをビグリュー管(12cm×1.5cmφ)を
用いて減圧蒸留し、標記化合物(1e)43.55gを
得た。b.p.94℃/0.4mmHg。ガスクロマトグラフィ
ー純度99.7%。水酸基価213.1(理論値21
5.44)。 化合物(1e)のスペクトル IR(NEAT, cm-1):3464(O-H伸縮), 2956, 2920, 2868(C-
H伸縮),1466, 1372(C-H 変角), 1152, 1124(C-O-C伸
縮),1090(C-O 伸縮)
【0047】
【化9】
【0048】実施例6 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:0.5lのオートクレーブに
実施例5の(1)で得た(4e)100g(0.574
モル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空
ポンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー
・ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水
品,E−type,pH6.24」)1.0g(1重量
%)を仕込んだ。水素圧10kg/cm2 にて攪拌しながら
昇温し、190℃にて水素圧70kg/cm2 で4時間反応
させた。反応率60%。水素添加選択率90%。生成物
は、標記化合物(1e)7%、3−(1,3−ジメチル
ブトキシ)−1,2−プロパンジオール42%、2−メ
チル−2−イソブチル−4−(1,3−ジメチルブトキ
シ)−1,3−ジオキソラン51%の混合物であった。
この混合物から、実施例5と同様にシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより、標記化合物(1e)が単離さ
れた。
【0049】実施例7 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:0.5lのオートクレーブに
実施例5の(1)で得た(4e)50g(0.287モ
ル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポ
ンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・
ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水
品,E−type,pH6.24」)1.0g(1重量
%)を仕込んだ。水素圧10kg/cm2 にて攪拌しながら
昇温し、190℃に水素圧20kg/cm2で6時間反応さ
せた。反応率99%。水素添加選択率90%。生成物
は、標記化合物(1e)26%、3−(1,3−ジメチ
ルブトキシ)−1,2−プロパンジオール72%、2−
メチル−2−イソブチル−4−(1,3−ジメチルブト
キシ)−1,3−ジオキソラン2%の混合物であった。
標記化合物(1e)は実施例5と同様にしてシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより単離できた。
【0050】実施例8 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:0.5lのオートクレーブに
実施例5の(1)で得た(4e)30g(0.172モ
ル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポ
ンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・
ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水
品,E−type,pH6.24」)1.5g(5重量
%)を仕込んだ。水素圧20kg/cm2 にて水素を5l/
min で流通しつつ、攪拌しながら昇温し、190℃にて
水素圧20kg/cm2 で6時間、水素を5l/min で流通
して反応させた。反応率100%。水素添加選択率90
%。生成物は標記化合物(1e)26%、3−(1,3
−ジメチルブトキシ)−1,2−プロパンジオール74
%の混合物であった。標記化合物(1e)は実施例5と
同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離
できた。
【0051】実施例9 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:0.5lのオートクレーブに
実施例5の(1)で得た(4e)30g(0.172モ
ル)、5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポン
プで減圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケ
ムキャット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,
E−type,pH6.24」)0.6g(2重量%)及
びグリセリン6g(0.0651モル)を仕込んだ。水
素圧20kg/cm2 にて水素を2.5l/min で流通しつ
つ、攪拌しながら昇温し、190℃にて水素圧20kg/
cm2で6時間、水素を2.5l/min で流通して反応さ
せた。反応率100%。水素添加選択率90%。生成物
は標記化合物(1e)17%、3−(1,3−ジメチル
ブトキシ)−1,2−プロパンジオール83%の混合物
であった。標記化合物(1e)は実施例5と同様にシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより単離できた。
【0052】実施例10 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:
【0053】(1)2−メチル−2−イソブチル−1,
3−ジオキソラン−4−メタノール(4e) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器で備えた2lの反応容器にメ
チルイソブチルケトン326.3g(3.258モ
ル)、グリセリン200g(2.172モル)、パラト
ルエンスルホン酸8.3g(0.0436モル)、トル
エン200ml及びヘキサン200mlを仕込んだ。攪拌し
ながら昇温し90〜93℃で12時間反応を行ない計算
量の水を留去した。反応終了後60℃に冷却し、炭酸ナ
トリウム9.24g(0.0872モル)を加えて中和
し、60℃で30分間攪拌した。そののち除々に150
℃まで昇温しヘキサン及びトルエン等を回収し濾過した
のちビグリュー管(20cm×1.5cmφ)を用いた減圧
蒸留によって標記化合物(4e)341gを得た(収率
90.1%)。b.p.65〜68℃/0.5mmHg.ガスク
ロマトグラフィー純度98.9%。水酸基価306.1
(理論値322.03)。
【0054】(2)1,3−ビス(1,3−ジメチルブ
トキシ)−2−プロパノール(1e) 0.5lのオートクレーブに(1)で得た(4e)30
g(0.172モル)、5%Pd/c(乾燥品:50%
含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)
(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉
末50%含水品,K−type,pH8.2」)1.5g
(5重量%)及びグリセリン6.88g(0.0747
モル)を仕込んだ。水素圧10kg/cm2 にて水素を2.
5l/min で流通しつつ、攪拌しながら昇温し、190
℃にて水素圧20kg/cm2 で6時間、水素を2.5l/
min で流通して反応させた。反応率100%。水素添加
選択率90%。生成物は標記化合物(1e)14%、3
−(1,3−ジメチルブトキシ)−1,2−プロパンジ
オール86%の混合物であった。標記化合物(1e)は
実施例5と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により単離できた。
【0055】実施例11 1,3−ビス(1−ヘプタデシルオクタデシルオキシ)
−2−プロパノール(1f)の合成:
【0056】(1)2,2−ジヘプタデシル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール(4f) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器で備えた500mlの反応容器
に、ジヘプタデシルケトン200g(0.395モ
ル)、グリセリン36.34g(0.395モル)、パ
ラトルエンスルホン酸1水和物0.38g(0.002
モル)及びヘキサン50mlを仕込んだ。攪拌しながら昇
温し、100℃で136時間反応を行ない、計算量の水
を留去しさらにヘキサンを留去して化合物(4f)を含
む反応混合物225.26gを得た。(ガスクロマトグ
ラフィーによる反応率85.4%。)このうち124.
31gをヘキサン600mlに溶解し、炭酸ナトリウム
1.2gを加えて中和し、50℃で1時間攪拌した。そ
ののち、50℃で不溶物を濾過し、室温に冷却して析出
する未反応のジヘプタデシルケトンを7.87g回収し
た。濾液は、−20℃に冷却して結晶を析出させたの
ち、結晶を濾集しデシケーターで減圧乾燥して標記化合
物(4f)95.23gを得た。(収率75.2%)。
m.p.37〜39℃。
【0057】(2)1,3−ビス(1−ヘプタデシルオ
クタデシルオキシ)−2−プロパノール(1f) 0.5lのオートクレーブに(1)で得た化合物(4
f)50g(0.086モル)、ヘキサン100ml及び
5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポンプで減
圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャ
ット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,E−t
ype,pH6.24」)0.9g(1.8重量%)を仕
込んだ。水素圧10kg/cm2 にて攪拌しながら昇温し、
190℃にて水素圧175〜250kg/cm2 で2時間反
応させた。反応終了後、濾過助剤としてセライト545
を用い、減圧濾過して触媒を除去し、エバポレートして
標記化合物(1f)を含む混合物を43.33g得た
(収率86.4%)。m.p.36〜38℃。このうち5g
をクロロホルム20mlに溶解し、ワコーゲルC−200
150gを充填したシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製した。クロロホルムで溶出し、2番目に溶
出する部分として標記化合物(1f)を0.74g得た
(収率12.8%)。m.p.44〜45℃。
【0058】標記化合物(1f)のスペクトル IR(NEAT, cm-1):3496(O-H伸縮), 2920, 2852(C-H伸
縮),1466, 1378(C-H変角), 1118(C-O-C伸縮), 1094(C-O
伸縮),720(CH2横ゆれ)
【0059】実施例12 1,3−ビス(1−ヘプタデシルオクタデシルオキシ)
−2−プロパノール〔本発明化合物(1f)〕の合成:
【0060】(1)2,2−ジヘプタデシル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール(4f) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた容量1lの反応容器
にジヘプタデシルケトン500g(0.986モル)、
グリセリン99.92g(1.085モル)、パラトル
エンスルホン酸1水和物3.75g(0.0197モ
ル)及びヘキサン160mlを仕込んだ。攪拌しながら昇
温し、100℃で190時間反応を行ない、計算量の水
を除去したのち60℃に冷却した。炭酸ナトリウム2
0.88g(0.197モル)を加えて、60℃で1時
間攪拌し中和したのち、濾過により35.29gの不溶
物を除去し、室温に冷却し、析出する未反応のジヘプタ
デシルケトン36.32gを、濾過により回収した。濾
液は、−20℃に冷却し、析出する結晶を濾集し、減圧
乾燥したのち化合物(4f)487.28gを得た。
(収率85.1%)m.p.37〜39℃。
【0061】(2)1,3−ビス(1−ヘプタデシルオ
クタデシルオキシ)−2−プロパノール(4f) 1lのオートクレーブに(1)で得た化合物(4f)2
00g(0.344モル)、ヘキサン400ml及び5%
Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポンプで減圧、
室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット
社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,E−typ
e,pH6.24」)3.8g(1.9重量%)を仕込ん
だ。水素圧10kg/cm2 にて攪拌しながら昇温し、19
0℃にて水素圧200kg/cm2 で15時間反応させた。
【0062】反応終了後、濾過助剤としてキョーワード
600s 20gを通し、減圧濾過して、触媒を除去
し、〔濾集物36.17g(触媒とジヘプタデシルケト
ン)〕エバポレートして得た151.11gのうち15
0gをエタノール500mlに溶解し、36%HCl 1
5g、H2O 135gと共に、温度計、還流冷却器、
攪拌棒を備えた1lの4つ口フラスコに仕込んで80℃
で24時間還流攪拌した。冷却して析出する不溶物(1
35.18g)は濾集されてヘキサンより晶析して7
7.72gジヘプタデシルケトンが回収され、濾液は濃
縮され標記化合物(1f)と3−(1−ヘプタデシルオ
クタデシルオキシ)−1,2−プロパンジオールの混合
物57.08g(A)が得られた。また、反応終了後の
溶液部分は、エタノールをエバポレートし、ヘキサン2
00mlに再溶解し、水さらに飽和重曹水で洗浄して芒硝
で乾燥し、エバポレートして5.85gの標記化合物
(1f)と3−(1−ヘプタデシルオキタデシルオキ
シ)−1,2−プロパジオールの混合物(B)を得た。
(A)と(B)62.93gをクロロホルム100mlに
溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコー
ゲルC−200 400g)により精製した。クロロホ
ルムで溶出して標記化合物(1f)15.81gを得
た。
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、本反応に用いられるジアルキルケト
ンは安価なオレオケミカルである脂肪酸の高温脱炭酸二
量化反応やオレフィンの触媒酸化反応(ワッカー法)や
第2級アルコールの酸化、脱水素やシクロアルカンの酸
化等によって容易に得られる。ワッカー法の場合、得ら
れるケトンは分布を持つが精密蒸留により単品に分離精
製することができる。ジアルキルケトンの具体例を挙げ
ると以下のようになるが必ずしもこれらに限定されるも
のではない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メ
チルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペ
ンチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルヘプチル
ケトン、メチルオクチルケトン、メチルノニルケトン、
メチルデシルケトン、メチルウンデシルケトン、メチル
ドデシルケトン、メチルトリデシルケトン、メチルテト
ラデシルケトン、メチルペンタデシルケトン、メチルヘ
キサデシルケトン、メチルヘプタデシルケトン、メチル
オクタデシルケトン、メチルノナデシルケトン、メチル
エイコシルケトン、メチルヘンエイコシルケトン、シク
ロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチ
ルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、2
−tert−ブチルシクロヘキサノン、4−tert−
ブチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロブ
タノン、シクロプロパノン、シクロドデカノン、シクロ
ヘプタノン、シクロオクタノン、ジエチルケトン、ジプ
ロピルケトン、ジブチルケトン、ジペンチルケトン、ジ
ヘキシルケトン、ジヘプチルケトン、ジオクチルケト
ン、ジノニルケトン、ジウンデシルケトン、ジトリデシ
ルケトン、ジペンタデシルケトン、ジヘプタデシルケト
ン、3−ヘキサノン、3−ヘプタノン、3−オクタノ
ン、4−オクタノン、3−ノナノン、4−ノナノン、3
−デカノン、4−デカノン、3−ウンデカノン、4−ウ
ンデカノン、5−ウンデカノン、3−ドデカノン、5−
ドデカノン、3−トリデカノン、ジイソプロピルケト
ン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】第二段階のアセタールあるいはケタール
〔(3)及び(4)〕の水素添加反応は、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、プラチナ等、通常の水素化分解
触媒をアセタノールあるいはケタールに対し、5〜50
00ppm添加し、水素圧を常圧〜250kg/c
、温度を50〜250℃とし、1〜30時間反応さ
せればよい。上記水素化分解触媒は、これらをカーボ
ン、アルミナ、シリカ、ケイソウ土、酸化チタン等に
0.1〜20%担持させたものを使用してもよい。な
お、水素化分解触媒としては、パラジウムが特に好まし
く、そのpHは5〜8のものが特に好ましい。又、水分
はあらかじめ除去されていることが好ましい。この反応
は無溶媒でも、デカン、オクタン、イソオクタン、ヘプ
タン、ヘキサン、シクロヘキサン等の不活性溶媒を用い
てもよい。また、アセタール、ケタールの原料であるグ
リセリンやアルキルアルデヒド、ジアルキルケトンを添
加してもよい。さらに、リン酸などの酸性物質を微量添
加してもよい。反応は密閉方式でも、水素流通方式でも
よい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】(2)1,3−ビスヘキシルオキシ−2−
プロパノール(1a):0.51のオートクレーブに
(1)で得た化合物(3a)及び(4a)200g
(1.148モル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%
含水品を真空ポンブで減圧、室温で1日乾燥したもの)
(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉
末50%含水品,E−type,pH6.9」)4g
(2重量%)を仕込んだ。水素圧10kg/cmにて
攪拌しながら昇温し、190℃にて水素圧20kg/c
で3時間、さらに190℃にて水素圧200kg/
cmで4時間反応させた。反応終了後、メンブランフ
ィルター(PTFE 0.2μ)を用い加圧濾過を行な
い、粗標記化合物(1a)及び3−ヘキシルオキシ−
1,2−プロパンジオール(1a′)の混合物188.
33gを得た(粗収率93.1%)。ガスクロマトグラ
フィー純度90%。(1a)/(1a′)=3/7(重
量比)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】(2)1,3−ビスヘプチルオキシ−2−
プロパノール(2b) 0.51のオートクレーブに(1)で得た化合物(3
b)及び(4b)100g(0.531モル)及び5%
Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポンブで減圧、
室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット
社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,E−typ
e,pH6.9」)2g(2重量%)を仕込んだ。水素
圧10kg/cmにて攪拌しながら昇温し、190℃
にて水素圧20kg/cmで6時間、さらに190℃
にて水素圧200kg/cmで4時間反応させた。反
応終了後メンブランフィルター(PTFE 0.2μ)
を、用い加圧濾過を行ない粗標記化合物(1b)及び3
−ヘプチルオキシ−1,2−プロパンジオール(1
b′)の混合物88.91gを得た(粗収率88%)。
ガスクロマトグラフィー純度90%。(1b)/(1
b′)=3/7(重量比)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】実施例3 1,3−ビスイソプロポキシ−2−プロパノール(1
c)の合成:0.51のオートクレーブにソルケタール
136g(1.029モル)及び5%Pd/C(乾燥
品:50%含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾燥
したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pd
カーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.2
4」)2.7g(2重量%)を仕込んだ。水素圧10k
g/cmにて攪拌しながら昇温し、190℃にて水秦
圧70kg/cmで4時間、さらに190℃にて水素
圧200kg/cmで4時間反応させた。反応終了
後、イソプロパノールに溶解し、キョーワード600s
13.6gを通して減圧濾過し、得られたイソプロパ
ノール溶液をエバポレートして粗標記化合物(1c)及
び3−イソプロポキシ−1,2−プロパンジオール(1
c′)の混合物129.63gを得た(粗収率93.9
%)。ガスクロマトグラフィー純度91.6%。(1
c)/(1c′)=37/63(重量比)。このもの1
29.32gをビグリュー管(20cm×1.5cm
φ)を用いて減圧蒸留し、b.p.52〜53℃/0.
4mmHgの留分として標記化合物(1c)を35.5
5g得た。ガスクロマトグラフィー純度99.5%。水
酸基価357.7(理論値318.34)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】(2)1,3−ビス(1−メチルプロポキ
シ)−2−プロパノール(1d) 0.51のオートクレーブに(1)で得た化合物(4
d)150g(1.026モル)及び5%Pd/C(乾
燥品:50%含水品を真空ポンプで減圧、室温で1日乾
燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%P
dカーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.
9」)3g(2重量%)を仕込んだ。水素圧10kg/
cmにて攪拌しながら昇温し、190℃にて水素圧2
0kg/cmで6時間、さらに190℃にて水素圧2
00kg/cmで3時間反応させた。反応終了後メン
ブランフィルター(PTFE 0.2μ)を用い加圧濾
過を行ない粗標記化合物(1d)及び3−(1−メチル
プロポキシ)−1,2−プロパンジオール(1d′)の
混合物141.76gを得た(粗収率93.2%) ガスクロマトグラフィー純度86.3%。(1d)/
(1d′)=3/7(重量比)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】(2)1,3−ビス(1,3−ジメチルブ
トキシ)−2−プロパノール(1e) 0.51のオートクレーブに(1)で得た化合物(4
e)290g(1.664モル)及び5%Pd/C(乾
燥品:50%含水品を真空ポンブで減圧、室温で1日乾
燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%P
dカーボン粉末50%含水品,E−type,pH6.
24」)2.9g(1重量%)を仕込んだ。水素圧10
kg/cmにて攪拌しながら昇温し、190℃にて水
素圧70kg/cmで11時間、さらに190℃にて
水素圧200kg/cmで10時間反応させた。反応
終了後キョーワード600s 27gを通して濾過し、
粗標記化合物(1e)及び3−(1,3−ジメチルブト
キシ)−1,2−プロパンジオール(1e′)の混合物
288.5gを得た(粗収率98.3%)。ガスクロマ
トグラフィー純度90・6%。(1e)/(1e′)=
28/72(重量比)。粗標記化合物(1e)を含む混
合物192.38gをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)で精製し
た。最初に留出するフラクションをビグリュー管(12
cm×1.5cmφ)を用いて減圧蒸留し、標記化合物
(1e)43.55gを得た。b.p.94℃/0.4
mmHg。ガスクロマトグラフィー純度99.7%。水
酸基価213.1(理論値215.44)。 化合物(1e)のスペクトル IR(NEAT,cm−1):3464(O−H伸
縮),2956,2920,2868(C−H伸縮),
1466,1372(C−H変角),1152,112
4(C−O−C伸縮),1090(C−O伸縮)
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】実施例7 1,3−ビス(1,3−ジメチルブトキシ)−2−プロ
パノール(1e)の合成:0.51のオートクレーブに
実施例5の(1)で得た(4e)50g(0.287モ
ル)及び5%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポ
ンプで減圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・
ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水
品,E−type,pH6.24」)1.0g(1重量
%)を仕込んだ。水素圧10kg/cmにて攪拌しな
がら昇温し、190℃にて水素圧20kg/cmで6
時間反応させた。反応率99%。水素添加選択率90
%。生成物は、標記化合物(1e)26%、3−(1,
3−ジメチルブトキシ)−1,2−プロパンジオール7
2%、2−メチル−2−イソブチル−4−(1,3−ジ
メチルブトキシ)−1,3−ジオキソラン2%の混合物
であった。標記化合物(1e)は実施例5と同様にして
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離でき
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】(2)1,3−ビス(1,3−ジメチルブ
トキシ)−2−プロパノール(1e) 0.51のオートクレーブに(1)で得た(4e)30
g(0.172モル)、5%Pd/C(乾燥品:50%
含水品を真空ポンブで減圧、室温で1日乾燥したもの)
(エヌ・イー・ケムキャット社製「5%Pdカーボン粉
末50%含水品,K−type,pH8.2」)1.5
g(5重量%)及びグリセリン6.88g(0.074
7モル)を仕込んだ。水素圧10kg/cmにて水素
を2.51/minで流通しつつ、攪拌しながら昇温
し、190℃にて水素圧20kg/cmで6時間、水
素を2.51/minで流通して反応させた。反応率1
00%。水素添加選択率90%。生成物は標記化合物
(1e)14%、3−(1,3−ジメチルブトキシ)−
1,2−プロパンジオール86%の混合物であった。標
記化合物(1e)は実施例5と同様にシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより単離できた。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】(1)2,2−ジヘプタデシル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール(4f) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた500mlの反応容
器に、ジヘプタデシルケトン200g(0.395モ
ル)、グリセリン36.34g(0.395モル)、パ
ラトルエンスルホン酸1水和物0.38g(0.002
モル)及びヘキサン50mlを仕込んだ。攪拌しながら
昇温し、100℃で136時間反応を行ない、計算量の
水を留去しさらにヘキサンを留去して化合物(4f)を
含む反応混合物225.26gを得た。(ガスクロマト
グラフィーによる反応率85.4%。)このうち12
4.31gをヘキサン600mlに溶解し、炭酸ナトリ
ウム1.2gを加えて中和し、50℃で1時間攪拌し
た。そののち、50℃で不溶物を濾過し、室温に冷却し
て析出する未反応のジヘプタデシルケトンを7.87g
回収した。濾液は、−20℃に冷却して結晶を析出させ
たのち、結晶を濾集しデシケーターで減圧乾燥して標記
化合物(4f)95.23gを得た。(収率75.2
%)。m.p.37〜39℃。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明において、R及びRで示される
炭素数1〜21のアルキル基としては、直鎖及び分岐鎖
のいずれも挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、Sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、イソヘプタ
デシル基、1−メチルオクチル基、1−メチルデシル基
等が挙げられる。また、RとRが一緒になって形成
する炭素数2〜21のアルキレン基としては、エチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレ
ン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタ
メチレン基、1−メチルペンタメチレン基、1−ter
t−ブチルペンタメチレン基、3−tert−ブチルペ
ンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基
等が挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の効果】本発明のヒドロキシエーテル(1A)
は、そのアルキル部分が炭素鎖のα−位で分岐している
ため、分子量が大きい割りには、融点が低く、室温で液
体であるものが多く、物性が良好であるため、潤滑剤や
極性油としての使用性が良好である。また、水との相互
作用も認められ、乳化剤や保湿剤などとしても有用であ
る。また、本発明方法によれば、安価で供給が充分可能
なオレオケミカルや合成のアルデヒド及びケトンとグリ
セリンとから、ヒドロキシエーテルが安価に高収率で合
成できる。さらに、食塩が副生する通常のエーテル化反
応とは異なり、廃棄物を出さず生産性も良い反応である
ので近年の環境問題の点からも優れている。さらに、エ
ーテル化に際し、エピクロルヒドリンやアルキルハライ
ドのような有機塩素や有機臭素や有機沃素を含有する原
料を使用しないので、得られるヒドロキシエーテルは完
全に有機塩素や有機臭素や有機沃素を含まない安定性に
優れたものとなる。そして、従来のグリシジルエーテル
を加水分解して得られるヒドロキシエーテルはエポキシ
基が残存する可能性があるが、本発明によればそのよう
な心配もなく安全性にも優れたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】(1)2−ペンチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−メタノール(4a)及び2−ペンチル−1,3
−ジオキサン−5−オール(3a) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた容量31の反応容器
にカプロアルデヒド400g(3.994モル)、グリ
セリン404.5g(4.392モル)、パラトルエン
スルホン酸1水和物3.80(0.02モル)及びヘキ
サン400mlを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、69
〜77℃で4時間反応を行ない、計算量の水を留去し
た。反応終了後60℃に冷却し、炭酸ナトリウム4.2
4g(0.04モル)を加えて中和し、60℃で30分
間攪拌したのち、除々に130℃まで昇温し、ヘキサン
350mlを回収し、粗標記化合物(3a)及び(4
a)774.9gを得た。このものを濾過したのちビグ
リュー管(20cm×1.5cmφ)を通して減圧蒸留
を行ない、標記化合物(3a)及び(4a)668.0
4gを得た(収率96.0%)。b.p.87〜102
℃/0.3mmHg、ガスクロマトグラフィー純度9
4.1%、水酸基価372.0(理論値322.0)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】(1)2−ヘプチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−メタノール(4b)及び2−ヘプチル−1,3
−ジオキサン−5−オール(3b) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた容量31の反応容器
にヘプチルアルデヒド400g(3.503モル)、グ
リセリン354.84g(3.853モル)、パラトル
エンスルホン酸1水和物3.33g(0.0175モ
ル)、トルエン200ml及びヘキサン200mlを仕
込んだ。攪拌しながら昇温し、82〜94℃で5時間反
応を行ない計算量の水を留去した。反応終了後60℃に
冷却し、炭酸ナトリウム3.71g(0.035モル)
を加えて中和し、60℃で30分間攪拌したのち水10
0mlを加えて60℃で30分間攪拌した。その後、静
置分層し、上層を飽和食塩水(100ml)で2回洗浄
したのちエバポレートし、粗標記化合物(3b)及び
(4b)636.8gを得た。このものをビグリュー管
(20cm×1.5cmφ)を通して減圧蒸留し標記化
合物(3b)及び(4b)591.21gを得た(収率
89.6%)。b.p.87〜102℃/0.4mmH
g。ガスクロマトグラフィー純度99.8%。水酸基価
303.2(理論値298.0)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【化9】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】(1)2−メチル−2−イソブチル−1,
3−ジオキソラン−4−メタノール(4e) 温度計、還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、塩
化カルシウム管及び攪拌器を備えた21の反応容器にメ
チルイソブチルケトン326.3g(3.258モ
ル)、グリセリン200g(2.172モル)、パラト
ルエンスルホン酸1水和物8.3g(0.0436モ
ル)、トルエン200ml及びヘキサン200mlを仕
込んだ。攪拌しながら昇温し90〜93℃で12時間反
応を行ない計算量の水を留去した。反応終了後60℃に
冷却し、炭酸ナトリウム9.24g(0.0872モ
ル)を加えて中和し、60℃で30分間攪拌した。その
のち除々に150℃まで昇温しヘキサン及びトルエン等
を回収し濾過したのちビグリュー管(20cm×1.5
cmφ)を用いた減圧蒸留によって標記化合物(4e)
341gを得た(収率90.1%)。b.p.65〜6
8℃/0.5mmHg.ガスクロマトグラフィー純度9
8.9%。水酸基価306.1(理論値322.0
3)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】(2)1,3−ビス(1−ヘプタデシルオ
クタデシルオキシ)−2−プロパノール(1f) 11のオートクレーブに(1)で得た化合物(4f)2
00g(0.344モル)、ヘキサン400ml及び5
%Pd/C(乾燥品:50%含水品を真空ポンプで減
圧、室温で1日乾燥したもの)(エヌ・イー・ケムキャ
ット社製「5%Pdカーボン粉末50%含水品,E−t
ype,pH6.24」)3.8g(1.9重量%)を
仕込んだ。水素圧10kg/cmにて攪拌しながら昇
温し、190℃にて水素圧200kg/cmで15時
間反応させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1A) 【化1】 〔式中、R1aは炭素数1〜21のアルキル基を示し、R
    2aは炭素数3〜21のアルキル基を示す〕で表わされる
    ヒドロキシエーテル類。
  2. 【請求項2】 次の一般式(2) 【化2】 〔式中、R1 は水素原子もしくは炭素数1〜21のアル
    キル基を示すか、又はR 2 と一緒になって炭素数2〜2
    1のアルキレン基を形成し、R2 は炭素数1〜21のア
    ルキル基を示す。ただし、R1、R2 共にα位に水素原
    子を有さないアルキル基である場合を除く。〕で表わさ
    れるカルボニル化合物に、酸触媒下グリセリンを反応さ
    せ、得られた化合物に水素添加することを特徴とする一
    般式(1) 【化3】 〔式中、R1 及びR2 は前記と同じものを示す〕で表わ
    されるヒドロキシエーテル類の製造法。
  3. 【請求項3】 水素添加をパラジウム触媒を用いて行な
    うことを特徴とする請求項2記載のヒドロキシエーテル
    類の製造法。
  4. 【請求項4】 水素添加を活性炭に担持された触媒を用
    いて行なうことを特徴とする請求項2又は3記載のヒド
    ロキシエーテル類の製造法。
  5. 【請求項5】 水素添加をpHが5〜8の触媒を用いて行
    なうことを特徴とする請求項2、3又は4記載のヒドロ
    キシエーテル類の製造法。
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