JPH06321766A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH06321766A
JPH06321766A JP2018494A JP2018494A JPH06321766A JP H06321766 A JPH06321766 A JP H06321766A JP 2018494 A JP2018494 A JP 2018494A JP 2018494 A JP2018494 A JP 2018494A JP H06321766 A JPH06321766 A JP H06321766A
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skin
hydrocarbon
medicine
amine derivative
acid
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JP2018494A
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Yukihiro Ohashi
幸浩 大橋
Taketoshi Fujimori
健敏 藤森
Akira Kawamata
章 川俣
Yoshinori Takema
吉則 武馬
Hiroyuki Osu
弘之 大須
Yukihiro Yada
幸博 矢田
Kazuhiko Higuchi
和彦 樋口
Genji Imokawa
玄爾 芋川
Hiroshi Kusuoku
比呂志 楠奥
Tsutomu Fujimura
努 藤村
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜3の炭化水素基又は炭素数1
〜5のヘテロ原子を含有する炭化水素基を示し、R2
3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子
又は炭素数1〜20の水酸基が置換していてもよい炭化
水素基を示す)で表わされるアミン誘導体(1)又はそ
の酸付加塩を含有する皮膚外用剤。 【効果】 しわの発生を抑制し、また、しわの消滅に著
効を示すとともに、不全角化、表皮肥厚、脂質代謝異常
などに対しても顕著な抑制作用を示し、皮膚の正常な機
能の回復や恒常性の維持に資する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚外用剤に関し、更に
詳しくは、しわの予防・改善効果に優れるとともに、皮
膚の正常な機能維持を可能にし、かつ抗フケ効果や日焼
け後の改善効果に優れる皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
健康で美しい肌を保つことが、老若男女を問わず、重大
な関心事となっている。ところが、肌は、温度、湿度、
紫外線、化粧品、加齢、疾病、ストレス、食習慣等によ
り微妙な影響を受け、そのため、肌の諸機能(生体から
の水分等の損失を防ぎ、体温の恒常的維持を司どる機
能、外界からの物理的・化学的刺激及び種々の細菌から
の身体保護機能、皮膚の弾力性を保持し、表面形態を決
定する機能等)の減退、肌の老化など、種々のトラブル
が発生する。
【0003】これらのうち、真皮のトラブルの1つであ
るしわは、加齢や太陽光線による皮膚の老化により発生
する。すなわち、真皮の線維組織を作る細胞は太陽光線
への露出や年齢の増加とともに小さくかつ少なくなり、
特にコラーゲン線維が大きく失われ、真皮の退化、皮下
脂肪組織の減少などにより皮膚が老化し、これが主にし
わ、弛緩及び弾力性損失の原因となる。従来、このよう
な老化作用によるしわを抑制したり、治療したりするた
めに、種々の組成物や方法が提案されている(特開昭6
2−185005号公報、特開昭62−502546号
公報、特開平2−72157号公報、特開平2−288
822号公報等)。
【0004】しかし、これらはいずれも、満足のいくし
わ改善効果を奏するものではなかった。
【0005】一方、表皮における乾性肌、脂性肌、フケ
症等の尋常性の皮膚トラブルは、外環境の変化(季節変
化、紫外線等)や生理機能の変動(加齢や疾患に伴う)
といった生体に作用する体内外の因子による皮膚組織の
機能異常、これらにより誘起される皮膚肥厚や不全角化
等により発生する。このような皮膚トラブルを予防、改
善する主たる試みとしては、合成あるいは天然の保湿成
分の塗布により皮膚の乾燥を防ぎ皮膚の保湿能を高める
方法、血行促進剤の塗布により血行促進を改善する方法
等がなされてきた。
【0006】しかし、これらの方法は種々の皮膚トラブ
ルの予防、改善効果、その持続性、薬剤の安定性・安全
性等の点で、種々の問題を有している。すなわち、これ
らの方法は、一般に、表皮、特に角層表面の水分を補給
するもの又は保湿成分の一部を補うものであることか
ら、その効能及び効果は一時的なものであり、永続的な
皮膚の改善は期待できないものであった。
【0007】そこで、しわの発生を抑制し、かつ消滅せ
しめる効果に優れ、一方、皮膚の不全角化、表皮肥厚、
脂質代謝異常等に対し顕著な抑制作用を有する物質の開
発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、後述する特定のアミン誘導
体が、しわ改善及び角化改善に顕著な作用を示すことを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 は炭素数1〜3の炭化水素基
又は炭素数1〜5のヘテロ原子を含有する炭化水素基を
示し、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、同一又は異
なって、水素原子又は炭素数1〜20の水酸基が置換し
ていてもよい炭化水素基を示す)で表わされるアミン誘
導体又はその酸付加塩を含有する皮膚外用剤を提供する
ものである。
【0012】なお、本発明に使用されるアミン誘導体
(1)の一部は公知のものである(例えばルーマニア国
特許68−58619号公報)。しかし、それら公知の
化合物の皮膚に対する作用、特にしわ改善及び角化改善
に関する作用については全く知られていない。
【0013】一般式(1)中、R1 〜R6 の炭化水素基
としては、飽和又は不飽和の直鎖、分岐鎖又は環状のい
ずれでもよい。R1 の炭素数1〜3の炭化水素基として
は炭素数1〜3のアルキル又はアルケニル基が挙げら
れ、具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、アリルが挙げられる。R1 の炭素数1〜5の
ヘテロ原子を含有する炭化水素基としては、酸素原子、
窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子、リン原子、フッ素原
子を有する炭化水素基が挙げられる。酸素原子及び/又
は窒素原子を含む炭化水素基の具体例としては、2−ヒ
ドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル、2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−3−ヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、ア
ミノカルボニルメチル、1−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチル等が挙げられる。このうち、1〜3個の水酸
基が置換した炭素数1〜5のアルキル基が特に好まし
い。
【0014】一般式(1)中、R2 、R3 、R4 、R5
及びR6 としては水素原子及び1〜5個の水酸基が置換
していてもよい炭素数1〜20、好ましくは1〜5の炭
化水素基が挙げられ、このうち、好ましい具体例として
は、水素原子;メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、テ
トラデシル、オクタデシル等の炭素数1〜20のアルキ
ル基;フェニル等のアリール基;ベンジル等のアラルキ
ル基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,
2−ジヒドロキシプロピル、1,2,3−トリヒドロキ
シブチル、1,2,3,4−テトラヒドロキシペンチ
ル、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシヘキシル等
の1〜5個の水酸基が置換したアルキル基が挙げられ
る。R1 が炭素数1〜3のアルキル基又は1〜3個の水
酸基が置換した炭素数1〜5のアルキル基であり、R2
が水素原子、2−ヒドロキシエチル基、メチル基又はベ
ンジル基であり、R3 、R4 、R5 、R6 が水素原子、
メチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル
基又は1,2,3,4−テトラヒドロキシペンチル基で
ある化合物が特に好ましい。
【0015】本発明に使用される一般式(1)で表わさ
れるアミン誘導体は、公知の種々の方法により合成され
る。例えば、下記反応式で表わされるように、グリシジ
ルエーテル誘導体(2)にアミン誘導体(3)を付加さ
せることにより合成される。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
びR6 はそれぞれ前記と同義である。)
【0018】また、本発明に使用されるアミン誘導体
(1)の酸付加塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸
等の無機酸塩、又はコハク酸、フマル酸、ヘキサデカン
酸、オクタデカン酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、
酒石酸、安息香酸等の有機酸塩などが挙げられる。これ
らは、常法により、アミン誘導体(1)と上記それぞれ
の酸とを反応させることにより得られる。
【0019】前記アミン誘導体(1)又はその酸付加塩
は、しわの発生を抑制し、また、しわを消滅させる作用
を有することから、しわ改善剤として使用できる。また
アミン誘導体(1)又はその酸付加塩は、皮膚の角化を
促す作用があることから、日焼けなどにより引き起こさ
れる皮膚の色素沈着の原因物質であるメラニンの代謝を
早めることによって皮膚の色素沈着の改善効果(美白効
果)を有し、美白剤としても使用できる。しわ改善剤、
美白剤としては、通常外用で用いられるが、内服でも投
与可能であり、また有効成分として、前記アミン誘導体
(1)又はその酸付加塩の他に通常使用される抗炎症
剤、ビタミン類等を必要に応じ適宜配合できる。
【0020】一方、前記アミン誘導体(1)又はその酸
付加塩は、表皮細胞DNA合成を抑制し、分化誘導を促
進し、表皮肥厚を抑制する作用を有する。すなわち、皮
膚の表皮細胞の異常角化を正常化する作用を有し、角化
改善剤として使用できる。角化改善剤としては、上記し
わ改善剤等と同様、外用で用いられるが、内服でも投与
可能であり、また有効成分として、前記アミン誘導体
(1)又はその酸付加塩の他に通常使用される抗炎症
剤、ビタミン類等を必要に応じ適宜配合できる。
【0021】本発明の皮膚外用剤としては、薬用皮膚外
用剤、化粧薬用皮膚外用剤、化粧料等の種々の使用形態
をとることができる。
【0022】薬用皮膚外用剤及び化粧薬用皮膚外用剤と
しては、例えば、薬効成分を含有する各種の軟膏剤が挙
げられる。軟膏剤としては、油性基剤をベースとするも
の、油/水型、水/油型の乳化系基剤をベースとするも
ののいずれであってもよい。上記油性基剤としては、特
に制限はなく、例えば、植物油、動物油、合成油、脂肪
酸、及び天然又は合成のグリセライド等が挙げられる。
また、上記薬効成分としては、特に制限はなく、例え
ば、鎮痛消炎剤、鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟
化剤、ホルモン剤、ビタミン類等を必要に応じて適宜使
用することができる。
【0023】また、化粧料として使用する場合は、化粧
料成分として一般に使用されている油分、保湿剤、美白
剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整
剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料、植物エキス等を任意
に組み合わせて配合することができる。化粧料として
は、種々の用途及び形態、例えば、水/油型又は油/水
型の乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化
粧料、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤、ヘアート
ニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤として用いることがで
きる。本発明の皮膚外用剤は、常用の方法により上記種
々の形態のものに調製することができる。
【0024】アミン誘導体(1)又はその酸付加塩の皮
膚外用剤への配合量は、特に制限されないが、乳化系の
皮膚外用剤の場合には全組成量の好ましくは0.000
1〜5重量%(以下、「%」で示す)、より好ましくは
0.0001〜1%であり、特に好ましくは0.000
1〜0.1%である。また、スクワラン等の液状炭化水
素を基剤とする油性の皮膚外用剤の場合では全組成量の
好ましくは0.0001〜10%、より好ましくは0.
0001〜5%であり、特に好ましくは0.0001〜
2%である。
【0025】
【発明の効果】本発明の皮膚外用剤は、しわの発生を顕
著に抑制し、またしわを消滅させる効果に優れるもので
ある。また、本発明の皮膚外用剤は、紫外線その他種々
の因子の影響による不全角化、表皮肥厚、脂質代謝異常
などに対し顕著な抑制作用を有しており、しかも、皮膚
の正常な機能を回復させ、更に恒常性の維持に資するも
のであり、特に優れた抗フケ効果や日焼け後の肌の改善
効果を有する。また、本発明の皮膚外用剤は、皮膚の角
化を促す作用があることから、日焼けなどにより引き起
こされる皮膚の色素沈着の原因物質であるメラニンの代
謝を早めることによって色素沈着の改善、すなわち美白
効果に優れたものである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】製造例1 1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−メトキシ−
2−プロパノール(1a)〔一般式(1)で、R1 =C
3 、R2 =R3 =R4 =R5 =R6 =Hの化合物〕の
製造 還流冷却管、100mlの滴下ロートを備えた1000ml
の2口フラスコに、エタノールアミン517g(8.4
6mol )、エタノール103gを入れ、窒素雰囲気下8
0℃に加熱攪拌しながら、メチルグリシジルエーテル5
0.0g(0.57mol )を3時間かけて滴下した。更
に2時間加熱攪拌したのち、蒸留により表記化合物(1
a)73.0g(収率80%)を得た。
【0028】
【化4】
【0029】無色固体 融点 41.5〜42.5℃ IR(NaCl,cm-1) 3400,2932,2850,1452,1102,
1106,958.1 H−NMR(CDCl3 , δ) 2.52−2.82(m,4H),3.25−3.42
(m,5H),3.50−4.15(m,6H)
【0030】製造例2 アミン誘導体(1a)をエタノール中で塩酸、グリコー
ル酸又は乳酸と反応させ、溶媒を減圧留去することによ
り、アミン誘導体(1a)の塩酸塩、グリコール酸又は
乳酸塩を製造した。
【0031】(1a)塩酸塩 淡黄色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3344,2928,1664,1584,1446,
1190,1078.1 H−NMR(D2O,δ) 3.07−3.31(m,4H),3.41(s,3
H),3.55(d,2H,J=4.3Hz),3.8
5−3.90(m,2H),4.10−4.21(m,
1H)
【0032】(1a)乳酸塩 無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3340,2944,1588,1456,1418,
1198,1124,1038,966,852,77
2.1 H−NMR(CDCl3,δ) 1.29−1.39(m,3H),2.80−4.35
(m,18H).
【0033】(1a)グリコール酸塩 無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3320,2904,1600,1446,1322,
1198,1076,968,918,748,69
0.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.92−3.09(m,4H),3.38(s,3
H),3.43−3.49(m,2H),3.82−
4.18(m,10H).
【0034】製造例3 製造例1におけるメチルグリシジルエーテルの代わり
に、アリルグリシジルエーテルを用いた以外は、製造例
1と同様に反応を行い、下記に示すアミン誘導体(1
b)を合成した。
【0035】
【化5】
【0036】無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3320,2920,2860,1648,1460,
1428,1356,1106,1056,1000,
932,868.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.57−2.77(m,4H),3.40−4.02
(m,10H),5.16−5.31(m,2H),
5.80−6.00(m,1H).
【0037】製造例4 1−((1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)ア
ミノ)−3−メトキシ−2−プロパノール(1c)〔一
般式(1)で、R1 =R3 =CH3 、R4 =CH2
H、R2 =R5 =R6 =Hの化合物〕の製造 還流冷却管、10mlの滴下ロートを備えた300mlの2
口フラスコに、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロ
パンジオール78.9g(0.75mol )、エタノール
15.8gを入れ、窒素雰囲気下80℃に加熱攪拌しな
がら、メチルグリシジルエーテル4.4g(0.05mo
l )を3時間かけて滴下した。反応終了後、エタノール
を減圧下に留去し、過剰の2−アミノ−2−メチル−
1,3−プロパンジオールを結晶化させて除いた後、シ
リカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製す
ることにより、表記化合物(1c)9.1g(収率94
%)を得た。
【0038】
【化6】
【0039】淡黄色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3380,2936,2888,1456,1384,
1326,1196,1128,1044,962,8
64,750.1 H−NMR(CDCl3,δ) 0.94(s,3H),2.55(dd,1H,J=
8.3,11.7Hz),2.66(dd,1H,J=
3.5,11.7Hz),3.28−3.94(m,1
4H).
【0040】製造例5 製造例4における2−アミノ−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールの代わりに、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタンを用い、エタノールの代わりに水を用
いた以外は、製造例4と同様に反応を行い、下記に示す
アミン誘導体(1d)を合成した。
【0041】
【化7】
【0042】淡黄色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3368,2892,1462,1196,1032,
964,870,751.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.63(dd,1H,J=7.7,12.1Hz),
2.75(dd,1H,J=3.6,12.1Hz),
3.21−3.94(m,17H).
【0043】製造例6 1−(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミ
ノ)−3−メトキシ−2−プロパノール(1e)〔一般
式(1)で、R1 =R2 =CH3 、R3 =R4=R5
6 =Hの化合物〕の製造 還流冷却管を備えた100mlの2口フラスコに、メチル
グリシジルエーテル8.8g(0.1mol )、2−(メ
チルアミノ)エタノール9.0g(0.12mol )及び
エタノール1.8gを入れ、窒素雰囲気下80℃で3時
間加熱攪拌した。反応終了後、蒸留により表記化合物
(1e)14.5g(収率89%)を得た。
【0044】
【化8】
【0045】無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3396,2892,1448,1324,1192,
1030,874.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.33(s,3H),2.37−2.72(m,4
H),3.32−3.96(m,10H).
【0046】製造例7 製造例6における2−(メチルアミノ)エタノールの代
わりにジエタノールアミンを用いたか、又は、メチルグ
リシジルエーテルの代わりにアリルグリシジルエーテル
を用いた以外は、製造例6と同様に反応を行い、下記に
示すアミン誘導体(1f)、(1g)を合成した。ま
た、Pd/C触媒を用いて(1g)に水素添加すること
により、下記に示すアミン誘導体(1h)を合成した。
【0047】
【化9】
【0048】(1f) 無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3340,2884,1442,1362,1248,
1030.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.37−2.83(m,6H),3.37−3.96
(m,10H),4.74(bs,3H).
【0049】(1g) 無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3420,3088,2948,2856,1650,
1462,1424,1328,1264,1198,
1082,1034,926,874,800.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.32(s,3H),2.38−2.71(m,4
H),3.37−3.66(m,6H),3.86−
4.05(m,3H),5.16−5.33(m,2
H),5.91(ddt,1H,J=5.7,10.
3,17.2Hz).
【0050】(1h) 無色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3432,2948,2872,1466,1118,
1084,1036,956,872.1 H−NMR(CDCl3,δ) 0.92(t,3H,J=7.4Hz),1.60(t
q,2H,J=7.4,7.4Hz),2.33(s,
3H),2.39−2.72(m,4H),3.35−
3.49(m,6H),3.64(t,2H,J=5.
3Hz),3.86−3.97(m,1H).
【0051】製造例8 1−(N−ベンジル−N−(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)
−2−プロパノール(1i)〔一般式(1)で、R1
HOCH2CH(OH)CH2、R2 =C65CH2、R
3 =R4 =R5=R6 =Hの化合物〕の製造 還流冷却管を備えた100mlの2口フラスコに、2,3
−ジヒドロキシプロピルグリシジルエーテル3.7g
(0.025mol )、2−ベンジルアミノエタノール
3.8g(0.025mol )及びエタノール0.8gを
入れ、窒素雰囲気下80℃で3時間加熱攪拌した。反応
終了後、エタノールを減圧下に留去し、シリカゲルフラ
ッシュカラムクロマトグラフィーで精製することによ
り、表記化合物(1i)5.3g(収率71%)を得
た。
【0052】
【化10】
【0053】黄色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3400,3032,2880,1652,1604,
1498,1456,1372,1330,1258,
1126,1048,870,794,740,69
8.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.48−2.80(m,4H),3.33−4.03
(m,16H),7.21−7.36(m,5H).
【0054】製造例9 製造例8における2,3−ジヒドロキシプロピルグリシ
ジルエーテルの代わりにメチルグリシジルエーテルを、
2−ベンジルアミノエタノールの代わりにN−メチルグ
ルカミンを用いた以外は、製造例8と同様に反応を行
い、下記に示すアミン誘導体(1j)を合成した。
【0055】
【化11】
【0056】淡黄色油状物 IR(NaCl,cm-1) 3344,2920,1630,1434,1078,
870.1 H−NMR(CDCl3,δ) 2.33,2.34(s,合計3H),2.49−2.
65(m,4H),3.30−4.07(m,12
H).
【0057】実施例1 UVB照射によりヘアレスマウスに生成したしわへのア
ミン誘導体の作用:ヘアレスマウス(HR/ICR,実
験開始時9週齢)に、東芝健康線用ランプ20SEを6
本使用してUVB光を週3回照射した。エネルギー量は
TOKYOOPTICAL 社製のUV−Radiom
eter UVR−305/365Dを用いて測定し
た。1回の照射量は1MED以下とし、0.28mW/cm
2 のエネルギー量で65mJとした。照射期間は20週間
で、ヘアレスマウス背部にしわが形成されていることを
確認した後、8匹ずつの群に分け、0.025%濃度の
アミン誘導体(1a)〜(1j)のエタノール溶液を8
0μl ずつ週5回、6週間塗布し続けた。コントロール
としてエタノールのみ80μl ずつサンプル同様に塗布
した。塗布終了後、しわの度合を肉眼により、下記の基
準(しわ指数)で評価した。結果を表1に示す。
【0058】(しわ指数評価基準) 1:しわが完全に消滅。 2:しわがあるのかないのかわからない。 3:しわが少しある。 4:しわが非常にある。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から明らかなように、アミン誘
導体(1a)〜(1j)を塗布することにより、ヘアレ
スマウス背部に生成したしわを消滅させることができ
た。
【0061】更に、しわの詳細を解析するため、各マウ
スについて、ハイドロフィリックエクザフレックス親水
性ビニルシリコーン印象材を用いて、皮膚のレプリカを
直径1cm2 の大きさで3ケ所から採取した。このレプリ
カを水平状態にして30度方向から光を照射し、しわに
よってできる陰の割合を画像解析装置を用いて面積率と
して求めた。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2の結果から明らかなように、アミン誘
導体(1a)〜(1j)を塗布することによりヘアレス
マウス背部に生成したしわを消滅させることができる。
【0064】実施例2 表皮角化細胞のDNA合成に対するアミン誘導体の抑制
効果 (1)方法 a)ヒト表皮角化細胞の培養 表皮角化細胞は、クラボウ(株)より発売されているヒ
ト正常角化細胞(商品名:エピパック)を購入し使用し
た。なお、細胞の維持、継代には同社より発売されてい
るヒト正常角化細胞用培地(商品名:K−GM)を用い
た。 b)DNA合成(チミジン取り込み測定)の測定 24穴プレート中で増殖状態に培養された角化細胞を使
用した。まず、各ウエルの培地を吸引除去し、脳下垂体
抽出液を添加していないK−GMを450μl加え培地
交換を行った。その後、前記合成例により得られたアミ
ン誘導体(1a)〜(1j)を添加した。更に、経時的
に0.2μCi/ml〔3H〕チミジンを加え、4時間イン
キュベートした。その後、上清を吸引除去し、PBS
(−)で3回洗浄後、500μl の2N NaOHを加
えた。37℃で10分間インキュベートした後、同量の
2N HClを加え中和し、氷冷した10%トリクロロ
酢酸を4ml加え30分間静置した。ガラスフィルターで
沈澱物を回収した後、氷冷10%トリクロロ酢酸3mlで
3回洗浄した。更に氷冷エタノール3mlで1回フィルタ
ーを洗浄したのち、ガラスフィルターを風乾し、液体シ
ンチレーションカウンターでその放射活性を測定するこ
とにより細胞へのチミジンの取り込みを算定した。
【0065】
【表3】
【0066】表3より、チミジンの取り込みが上記アミ
ン誘導体の添加により著しく減少すること、すなわち、
ヒト表皮角化細胞のDNA合成が阻害されることが明ら
かとなった。また、同条件下で処理したヒト表皮角化細
胞を4日目に観察したところ、ほとんどの細胞は不溶膜
(コーニファイド エンベロープ)となり、角化してい
ることがわかった。このことから、本アミン誘導体は表
皮の角化を促進する活性を有することが明らかとなっ
た。
【0067】実施例3 以下に組成を示すW/Oクリームを下記製造方法により
得た。
【0068】
【表4】 (組成) (重量%) (1)アミン誘導体(1a)〜(1j) 0.08 (2)コレステロール 0.5 (3)コレステロールイソステアレート 1.0 (4)ポリエーテル変性シリコーン 1.5 (5)環状シリコーン 20.0 (6)メチルフェニルポリシロキサン 2.0 (7)メチルポリシロキサン 2.0 (8)硫酸マグネシウム 0.5 (9)55%エタノール 5.0 (10)カルボキシメチルキチン (一丸ファルコス社製,キチンリキッドHV) 0.5 (11)精製水 バランス
【0069】(製造方法)(1)〜(7)を80℃に加
温して溶解し、これに(8)〜(11)を加えて均一に
混合し、W/Oクリームを調製した。
【0070】実施例4 以下に組成を示すO/Wクリームを下記製造方法により
得た。
【0071】
【表5】 (組成) (重量%) (1)ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0 (2)モノステアリン酸ソルビタン 0.5 (3)ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.5 (4)セトステアリルアルコール 2.0 (5)ステアリン酸 1.8 (6)アミン誘導体(1a)〜(1j) 0.001 (7)コレステロール 1.5 (8)コレステリルイソステアレート 1.0 (9)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 8.0 (10)メチルポリシロキサン 5.0 (11)グリセリン 5.0 (12)精製水 バランス
【0072】(製造方法)(1)〜(10)を80℃に
加温して溶解し、これに(11)〜(12)を加えて均
一に混合し、O/Wクリームを調製した。
【0073】実施例5 以下に組成を示すサンスクリーンクリームを下記製造方
法により得た。
【0074】
【表6】 (組成) (重量%) (1)アミン誘導体(1a)〜(1j) 0.0005 (2)シリコン被覆酸化亜鉛 7.0 (3)p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3.0 (4)コレステリルイソステアレート 1.0 (5)ポリエーテル変性シリコーン 2.0 (6)メチルポリシロキサン 5.0 (7)環状シリコーン 15.0 (8)硫酸マグネシウム 1.0 (9)グリセリン 5.0 (10)精製水 バランス
【0075】(製造方法)(1)〜(7)を80℃に加
温して溶解し、これに(8)〜(10)を加えて均一に
混合し、保湿サンスクリーンクリームを調製した。
【0076】実施例6 以下に組成を示すパック剤を下記製造方法により得た。
【0077】
【表7】 (組成) (重量%) (1)アミン誘導体(1a)〜(1j)塩酸塩 0.05 (2)ポリビニルアルコール 15.0 (3)カルボキシメチルセルロースナトリウム 5.0 (4)プロピレングリコール 3.0 (5)エタノール 8.0 (6)精製水 バランス (7)香料 0.5 (8)防腐剤、酸化剤 適量
【0078】(製造方法)(1)〜(8)を70℃に加
温して溶解した後冷却し、パック剤を製造した。
【0079】実施例7 以下に組成を示す軟膏を下記製造方法により得た。
【0080】
【表8】 (組成) (重量%) (1)アミン誘導体(1a)〜(1j) 0.075 (2)白色ワセリン バランス (3)コレステリルイソステアレート 3.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)グリセリルエーテル 1.0 (6)グリセリン 10.0
【0081】(製造方法)(1)〜(6)を80℃に加
温して溶解した後冷却し、軟膏を調製した。
【0082】実施例3〜7で調製した本発明の外用剤は
しわの発生抑制及び消滅効果に優れるとともに不全角
化、表皮肥厚、脂質代謝異常を抑制し、正常機能回復及
び恒常性維持に優れるものであった。
フロントページの続き (72)発明者 大須 弘之 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606−6 (72)発明者 矢田 幸博 栃木県芳賀郡二宮町久下田西1丁目115− 1 (72)発明者 樋口 和彦 栃木県芳賀郡市貝町市塙4594 (72)発明者 芋川 玄爾 栃木県宇都宮市氷室町1022−89 (72)発明者 楠奥 比呂志 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606−6 (72)発明者 藤村 努 栃木県芳賀郡市貝町市塙4594

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜3の炭化水素基又は炭素数1
    〜5のヘテロ原子を含有する炭化水素基を示し、R2
    3 、R4 、R5 及びR6 は、同一又は異なって、水素
    原子又は炭素数1〜20の水酸基が置換していてもよい
    炭化水素基を示す)で表わされるアミン誘導体又はその
    酸付加塩を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
JP2018494A 1993-03-17 1994-02-17 皮膚外用剤 Pending JPH06321766A (ja)

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JP2018494A JPH06321766A (ja) 1993-03-17 1994-02-17 皮膚外用剤
PCT/JP1994/000436 WO1994021595A1 (en) 1993-03-17 1994-03-17 Amine derivative and dermatologic preparation containing the same
DE69419601T DE69419601T2 (de) 1993-03-17 1994-03-17 Aminderivate und sie enthaltende dermatologische zubereitungen
US08/513,872 US5723497A (en) 1993-03-17 1994-03-17 Amine derivative and dermatologic preparation containing the same
EP94910037A EP0691327B1 (en) 1993-03-17 1994-03-17 Amine derivative and dermatologic preparation containing the same

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09175983A (ja) * 1995-12-28 1997-07-08 Kao Corp 皮膚外用剤

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