JPH06321239A - ボックスパレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋体を開くためのスペースが小さくて済み、
収納物を直下に放出でき、放出時に揺動することのない
ボックスパレットを提供する。 【構成】 本体部１１の底部に２枚の蓋体１２，１２を
回動自在に連結し、それら蓋体を両開き（観音開き）式
に開閉させる。蓋体を閉状態で係止するためのフック１
５を、蓋体に連結固定されている開閉レバー１３に対し
てリンク１７を介して連結し、開閉レバーの起倒に連動
させてフックを開閉操作する。開閉レバーの先端部を係
止するロックレバー２０を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば土砂や廃棄物
等をばら積みして収納して搬送するために用いて好適な
ボックスパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のボックスパレットとしては図３
に示すような底面開放型と称される型式のものが知られ
ている。これは、側壁面を構成している本体部１と、底
面を構成しているとともに下方に回動自在とされている
蓋体２とからなる中空箱状の形態のもので、蓋体２を閉
じた状態で内部に土砂や廃棄物等をばら積みして収納
し、クレーンやフォークリフトによって所定位置に搬送
した後には、蓋体２を開くことのみで収納物を放出する
ことができるものである。

【０００３】この従来のボックスパレットにおける蓋体
２はいわゆる片開き式に開閉するものであって、蓋体２
はその一側縁側が本体部１に対して軸３により回動自在
に連結され、他の側縁側がフック４により本体部１に対
して係止されるようになっている。フック４はリンク
５，６を介して開閉レバー７により開閉操作され、リン
ク６に連結されているシリンダ８により常に閉方向に付
勢されるようになっている。そして、蓋体２を開いて収
納物を放出するには、ロープ９を介して開閉レバー７を
引くと、リンク６，５を介してフック４が開方向に回動
して蓋体２から外れ、蓋体２および収納物の重量によっ
て蓋体２が自ずと下方に回動して開放されるようになっ
ている。また、開放された蓋体２を閉じるには、このボ
ックスパレット全体を降下させていくと蓋体２が地面や
床面に接して相対的に押し上げられて閉じていき、フッ
ク４を押し開いて自ずと本体部１に対して係止されるよ
うになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ボックスパレットは、収納物を放出する際には蓋体２を
開放し得るだけの高さをボックスパレットの下方に確保
する必要があるので、収納物を比較的高い位置から放出
することになり、このため、収納物の種類や量によって
は放出の際に大きな衝撃が生じたり広範囲に飛散してし
まうことがある。また、蓋体２が瞬時に開放されれば収
納物はボックスパレットの直下に放出されるが、実際に
は蓋体２が開きはじめてから完全に開放されるまでには
多少なりとも時間がかかるから、収納物は開きつつある
蓋体２に沿って斜め下方に向けて放出されることにな
り、このため、収納物はボックスパレットの直下よりず
れた位置に放出されてしまうものである。さらに、この
ボックスパレットをクレーンにより吊って搬送する場
合、蓋体２が閉じている状態においては十分に安定して
いるが、蓋体２を開いた際にはその重量が偏心荷重とな
るので不安定になり、したがって放出時に大きく揺動し
てしまうことがある。以上のことから、上記のような不
具合を解消させ得る有効なボックスパレットの開発が要
望されていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は中空箱状とされ
ているとともに底面が開閉する型式のボックスパレット
であって、側壁面を構成している本体部と、該本体部の
底部に回動自在に連結されて底面を構成しているととも
に両開き式に開閉するようにされた２枚の蓋体と、各蓋
体を閉状態で本体部に対して係止するためのフックと、
各蓋体に連結固定されていて蓋体の開閉に伴って起倒す
る開閉レバーと、該開閉レバーと前記フックとを連結し
ていて開閉レバーの起倒に連動してフックを開閉操作す
るためのリンクと、前記開閉レバーの先端部を係止する
ロックレバーとを有してなることを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明のボックスパレットはその底面を２枚の
蓋体により構成し、開閉レバーの操作によりそれら蓋体
を両開き（観音開き）式に開閉するものである。したが
って、従来のボックスパレットと同等の外観寸法であれ
ば蓋体の寸法は従来のものの半分程度になり、それを開
くためにボックスパレットの下方に確保するべきスペー
スが小さくて済み、ボックスパレットをより低い位置で
蓋体を開くことが可能となり、放出時の衝撃や周囲への
飛散を低減させ得る。また、双方の蓋体を同時に開くこ
とにより収納物はボックスパレットの直下に落下するこ
とになるし、蓋体の重量が偏心荷重となることがないの
で放出時にボックスパレットが揺動してしまうこともな
い。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１および図２を参
照して説明する。図１は本実施例のボックスパレットの
正面図、図２は一部を断面視した側面図である。本実施
例のボックスパレットも上述した従来のボックスパレッ
トと同様の底面開放型のものであるが、従来のものが単
独の蓋体２を片開き式に開閉するものであったのに対
し、本実施例のものは２枚の蓋体１２，１２が両開き
（観音開き）式に開閉するものとされている。

【０００８】すなわち、本実施例のボックスパレット
は、側壁面を構成している本体部１１と、底面を構成し
ている開閉自在な２枚の蓋体１２，１２とにより中空箱
状のものとされている。各蓋体１２の基部には開閉レバ
ー１３が連結固定され、その開閉レバー１３の基端部
（下端部）が軸１４により本体部１１に対して連結さ
れ、この開閉レバー１３を介して蓋体１２が本体部１１
に対して回動可能に連結され、軸１４を中心として開閉
レバー１３が起倒することにより蓋体１２が開閉するよ
うになっている。

【０００９】また、各蓋体１２を閉じた状態でそれらの
先端側を係止するためのフック１５が軸１６により本体
部１１に対して取り付けられ、そのフック１５にはリン
ク１７が連結されている。リンク１７は上記開閉レバー
１３の起倒に連動させてフック１５の開閉操作を行うた
めのものであり、その両端がそれぞれフック１５の基端
と開閉レバー１３の上記軸１４の上方の位置に軸１８，
１９により連結されている。なお、軸１６，１８間の距
離は軸１４，１９間の距離より小さく設定されていて、
それら４つの軸１６，１８，１４，１９により構成され
るリンク機構は非平行リンク機構となっており、したが
って開閉レバー１３を倒して蓋体１２を開く際にはフッ
ク１５が速やかに開操作されて蓋体１２の係止が速やか
に解かれるようになっている

【００１０】さらに、図２に示すように上記の開閉レバ
ー１３の先端部（上端部）にはロックレバー２０が係止
されるようになっている。そのロックレバー２０は中間
部が軸２１により本体部１１に対して連結され、基端部
はバネ２２により上方に付勢され、その付勢力により先
端部が開閉レバー１３に取り付けられているピン２３に
対して係合し、蓋体１２が不用意に開いてしまうことの
ないようにそれをロックするようにしている。また、ロ
ックレバー２０の基端部にはロープ２４が連結されてお
り、そのロープ２４を引いてバネ２２の付勢力に抗して
ロックレバー２０の基端部を引き下げれば、ロックレバ
ー２０の先端部が持ち上げられてピン２３との係合が解
除され、蓋体１２および収納物の重量により蓋体１２が
軸１４を中心として下方に回動しようとし、それに伴っ
て開閉レバー１３が転倒しようとし、その結果、リンク
１７が前方に押し出されてフック１５が開操作され、フ
ック１５による蓋体１２の係止が解除されて蓋体１２が
開放されるようになっている。

【００１１】このように、本実施例のボックスパレット
は、２枚の蓋体１２，１２が両開き式に開閉するもので
あることから、全体の外観寸法が同一である場合におい
ては従来のボックスパレットにおける片開き式の蓋体２
に比較して個々の蓋体１２，１２の寸法は半分になり、
したがって蓋体１２，１２を開く際に本体部１１の下方
に確保するべきスペースが自ずと小さくなり、その分、
ボックスパレット全体を従来より低い位置に配置して蓋
体１２，１２を開くことが可能となり、収納物の放出時
の衝撃や周囲への飛散を低減させ得るものである。ま
た、双方の蓋体１２，１２を同時に開くことにより収納
物は自ずとボックスパレットの直下に落下することにな
るし、さらに、蓋体１２，１２が開いてもそれらの重量
が偏心荷重となることがないので放出時にボックスパレ
ットが揺動してしまうこともない。

【００１２】なお、従来のボックスパレットの場合と同
様に、蓋体１２，１２の開放はロープ２４を引くことの
みで行い得るが、双方の蓋体１２，１２を同時に開放す
るべく各蓋体１２，１２を係止しているロックレバー２
０，２０の双方を連動させて同時に操作することが良
い。また、開放された蓋体１２，１２を閉じるには、ボ
ックスパレット全体を降下させて地面や床面により蓋体
１２，１２を相対的に押し上げれば自ずとフック１５，
１５によりロックされるが、蓋体１２に連結固定されて
いる開閉レバー１３を手作業により起こすことによって
も蓋体１２を閉じることができる。この際、蓋体１２の
重量は従来の片開き式の蓋体２の重量に比して半分程度
であり、その重心の位置も回動中心側に近くなっている
から、従来の場合に比して蓋体１２を容易に閉じること
ができる。さらに、開閉レバー１３の起倒に連動してフ
ック１５が自ずと開閉操作されるから、シリンダ８を用
いている従来のボックスパレットに比してリンク機構の
構成が簡略化されたものとなっている。

【００１３】

【発明の効果】以上で説明したように、本発明のボック
スパレットは、底面を２枚の蓋体により構成し、それら
２枚の蓋体を両開き式に開閉する構成であるから、蓋体
を開く際に本体部の下方に確保するべきスペースが、単
独の蓋体を片開き式に開閉する従来一般のボックスパレ
ットを用いる場合に比して小さくでき、したがって従来
より低い位置において蓋体を開放することが可能となる
から、放出時の衝撃や周囲への飛散を低減させ得るとと
もに、収納物を自ずとボックスパレットの直下に落下さ
せることができ、さらに、蓋体を開いた際にボックスパ
レットが揺動してしまうこともない、という優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例であるボックスパレットの正面
図である。

【図２】同、側面図である。

【図３】従来のボックスパレットの斜視図である。

【符号の説明】

１１ 本体部 １２ 蓋体 １３ 開閉レバー １５ フック １７ リンク ２０ ロックレバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空箱状とされているとともに底面が開
   閉する型式のボックスパレットであって、側壁面を構成
   している本体部と、該本体部の底部に回動自在に連結さ
   れて底面を構成しているとともに両開き式に開閉するよ
   うにされた２枚の蓋体と、各蓋体を閉状態で本体部に対
   して係止するためのフックと、各蓋体に連結固定されて
   いて蓋体の開閉に伴って起倒する開閉レバーと、該開閉
   レバーと前記フックとを連結していて開閉レバーの起倒
   に連動してフックを開閉操作するためのリンクと、前記
   開閉レバーの先端部を係止するロックレバーとを有して
   なることを特徴とするボックスパレット。