JPH06320782A - 印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

印刷方法及び印刷装置

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JPH06320782A
JPH06320782A JP11131293A JP11131293A JPH06320782A JP H06320782 A JPH06320782 A JP H06320782A JP 11131293 A JP11131293 A JP 11131293A JP 11131293 A JP11131293 A JP 11131293A JP H06320782 A JPH06320782 A JP H06320782A
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JP
Japan
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toner
latent image
pressure
paper
printing
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Withdrawn
Application number
JP11131293A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Inoue
邦弘 井上
Yusuke Sakagami
裕介 坂上
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JPH06320782A publication Critical patent/JPH06320782A/ja
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  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感圧紙による複写が可能であり、且つ低騒音
で、高速印刷、高印字品質の印刷装置を提供すること。 【構成】 潜像の1ドット分の大きさにほぼ一致する粒
径のトナー8を用いて、現像器4により潜像担持体1の
潜像に応じたトナー像を形成し、潜像担持体1と転写ロ
ーラ5間の間隙に複数枚の紙が重ねられ且つ圧力に感応
して複写可能な記録紙15を挿入することにより、潜像
担持体1上のトナー8を記録紙15に転写すると共に、
トナー8を通して圧力を記録紙15に伝達して複写を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数枚の紙が重ねられ
且つ圧力に感応して複写可能な記録紙の上用紙にトナー
の集合体で印刷を行い、且つ中用紙または下用紙に複写
を行う印刷方法及び印刷装置に関し、コンピュータ等の
出力装置として使用される印刷装置に適用して有用なも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやOA機器の発展に
伴い、大量の情報をハードコピーするための出力装置と
して、各種のプリンタや複写機が市販されている。これ
らのプリンタの複写機については、高速性、低騒音化、
高信頼性、高印字品質、小型化などの強い要求がある。
更に、伝票や帳票、レシート類では、オリジナルの印刷
の他に、圧力に感応する記録紙による複写が必要な用途
も多くなる。
【0003】従来の複写印字可能な印刷装置の代表的な
ものとして、ドットインパクト方式の印刷装置がある。
ドットインパクト式印刷装置の主な構成は、図5に示す
ように、印字ヘッド10、印字ワイヤ11、キャリッジ
12、ガイド軸13及びファブリックリボン14等から
なる。印刷の原理としては、印字ヘッド10内のアクチ
ュエータ(図示省略)に電気的信号を与えると、アクチ
ュエータに接続された印字ワイヤ11がワイヤガイド
(図示省略)を通って前進し、ファブリックリボン14
と記録紙15とを叩くことにより、ファブリックリボン
14中のインクが記録紙15に転写されて印字ワイヤ1
本毎に1画素が形成される。印字ヘッド10は、キャリ
ッジ12に固定された状態で、ガイド軸13上に滑らか
に移動でき、印字ヘッド10が所定の位置に来た所で印
字ワイヤ11が動作することにより、文字等が形成され
ていく。アクチュエータとしては、プランジャソレノイ
ド型、有極型、クラッパ型、スプリングチャージ型、ム
ービングコイル型、圧電素子型などがあるが、一般的に
はクラッパ型やスプリングチャージ型のアクチュエータ
に多く使用されている。
【0004】記録紙15としては、複数枚の紙が重ねら
れ且つ圧力に感応して複写可能なものである。通常は、
感圧紙と呼ばれるカーボン紙またはノンカーボン紙を複
数枚重ねることにより複写が可能となり、伝票やレシー
ト等に広く利用されている。なお、現在ではノンカーボ
ン紙が主流になっている。
【0005】図6にノンカーボン紙を用いた記録紙15
の構成例を示す。図6において、記録紙15は一番上に
位置する上用紙16と、一番下に位置する下用紙18
と、必要に応じた枚数でこれらの中間に位置する中用紙
17とからなり、上用紙16は普通の紙即ち原紙19の
裏面に発色基剤20が塗布されたものであり、中用紙1
7は原紙19の表面に顕色剤21が塗布され且つ裏面に
発色基剤20が塗布されたものであり、下用紙18は表
面に顕色剤21が塗布されたものである。発色基剤20
は染料を封入したマイクロカプセルの集合体であり、顕
色剤21と向い合せになった状態で限界圧力以上の荷重
が加えられるとそこだけのマイクロカプセルが破壊して
染料が染み出し、顕色剤21との化学反応により所定の
色が現われる。これがノンカーボン紙における複写の原
理である。
【0006】カーボン紙を用いた記録紙15の構成例を
図7に示す。図7(a)に示すものは上用紙22と、必
要枚数の中用紙23と、下用紙24とからなり、上用紙
22及び中用紙23は同じもので裏面にカーボン層25
として炭素と油またはロウとの混合物25が塗布されて
いる。下用紙24は普通の紙でありカーボン層25はな
い。図7(b)に示すものは複数枚の普通の用紙26
と、各用紙26間に挾まれた、裏面にカーボン層25を
有する薄いカーボン紙27とからなる。これらの記録紙
15の場合も、圧力によって複写が行われる点において
ノンカーボン紙と同様であり、以下の説明ではノンカー
ボン紙を用いた記録紙について述べるが、カーボン紙の
場合でも同様に成立するものである。
【0007】オリジナルの印刷物に加えて例えば2枚の
複写物が必要な場合は、図6に示した上用紙16、中用
紙17及び下用紙18を各1枚所定の順番に重ねて、上
から印字ワイヤ11によって加圧されるようにドットイ
ンパクト式印刷装置にセットすれば、良好な複写物が得
られる。ドットインパクト式印刷装置での複写枚数は通
常、3〜6枚程度が目安である。なお、ボールペンによ
る手書きの場合は4〜5枚程度、電動タイプライタの場
合は6〜10枚程度である。
【0008】なお、他の方式の印刷装置、例えば熱転写
式、インクジェット式、電子写真式の印刷装置で複写が
できるものは、今のところ実用化されていない。
【0009】従って、近年のコンピュータによる情報処
理能力の高まりに連れ、金銭決裁などもコンピュータ処
理化されて大量の情報を出力するニーズがある中、複写
を必要とする伝票やレシート類の発行は増加する一方で
あるが、複写可能な印刷装置はドットインパクト式のも
のに限られていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ドットインパ
クト式印刷方法は印字の際に発生する騒音が大きく、人
間に対して不快感を与えるという欠点がある。一般的
に、印刷の騒音は人間に対して不快感を与えるため、で
きるだけ静かな方が望ましい。更に、印刷速度を速くさ
せると騒音は大きくなる傾向にあり、高速印字と低騒音
は相反する要求である。更に、印刷の解像度は印字ワイ
ヤの本数で決まり、多くすると印字品質は良くなるが、
印刷速度は遅くなる傾向にあり、高印字品質と高速印字
は相反する要求である。本発明は、かかる問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、感圧
紙による複写が可能であり且つ低騒音で、高速印刷、高
印字品質の印刷装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
印刷方法は、回転可能な潜像担持体と、潜像担持体上の
潜像を消去する潜像消去装置と、潜像担持体上に潜像を
形成する潜像形成装置と、潜像に応じたトナー像を形成
する現像装置と、複数枚の紙が重ねられ且つ圧力に感応
して複写可能な記録紙にトナー像を転写し且つ複写する
複写装置と、記録紙にトナー像を定着する定着装置と、
転写後潜像担持体に残留したトナーを除去する清掃装置
とを用い、更に、潜像の1ドット分の大きさとほぼ一致
した粒径のトナーを用いることを特徴とするものであ
る。この場合、請求項2の発明の如く、前記トナー像を
1層のみのトナーで形成することが好ましい。
【0012】請求項3の発明にかかる印刷装置は、回転
可能な潜像担持体と、潜像担持体上の潜像を消去する潜
像消去装置と、潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成
装置と、潜像に応じたトナー像を潜像の1ドット分の大
きさとほぼ一致した粒径のトナーの一層で形成する現像
装置と、複数枚の紙が重ねられ且つ圧力に感応して複写
可能な記録紙にトナー像を転写し且つ複写する複写装置
と、記録紙にトナー像を定着する定着装置と、転写後潜
像担持体に残留したトナーを除去する清掃装置とを具備
していることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明の印刷装置はノンインパクト式のもので
あり、代表的な電子写真式印刷装置の他、磁気式印刷装
置及びイオンフロー式印刷装置等があるが、基本的な画
像形成工程はいずれも同じであり、潜像消去、潜像形
成、現像、転写、定着及びクリーニングの各工程をもっ
ているため、低騒音で、しかも高印字品質、高速印刷な
どといった特性を有する。即ち、ドットインパクト式印
刷装置のような印字ワイヤを持たないため、機械的な可
動部分は少なく、印字ワイヤ等による衝撃音のような大
きな騒音を発生しない。印字ワイヤを持たずに複写を行
うことができる原理は次の通りである。
【0014】潜像担持体上に形成された潜像に対して、
現像装置によってトナーが選択的に付着して、トナーの
集合体によりトナー像が形成される。転写工程には圧力
を利用した方式と、圧力を利用しない方式とがある。圧
力転写方式または静電圧力転写方式など、圧力を利用し
た転写工程では、潜像担持体と転写ローラとの間の圧力
により、潜像担持体上のトナーが塑性変形しながら記録
紙の表面に付着して転写が行われると同時に、トナーが
存在する部分だけに、圧力が記録紙の厚み方向に伝達さ
れて、複写が行われる。例えば、3枚重ねの圧力複写可
能な記録紙が給紙されてきたとすると、一番上の上用紙
にトナー像が転写され、同時に、潜像担持体と転写ロー
ラとの間にトナー及び記録紙が挾まれてるため圧力が生
じ、トナーが塑性変形しながらこの圧力を上用紙以下、
中用紙、下用紙に対して厚さ方向に伝達する。静電転写
方式など、圧力を利用しない転写工程では、次の2通り
がある。 (イ)静電転写方式を例にとれば、転写ローラから記録
紙に対してトナーの電荷とは反対極性の電荷を与えるこ
とにより、潜像担持体と転写ローラとの間を記録紙が通
過するときに、静電力によってトナーが記録紙の表面に
付着して転写が行われる。そして転写後に、別のローラ
間に記録紙を通して加圧することにより、トナーが塑性
変形して記録紙表面に強く付着し、且つトナーが存在す
る部分だけに、圧力が記録紙の厚み方向に伝達されて、
複写が行われる。 (ロ)ここでも静電転写方式を例にとれば、転写ローラ
にトナーの電荷とは反対極性の電荷を与えることによ
り、静電力によって潜像担持体上のトナーが転写ローラ
の表面に付着して転写が行われる。そして転写後に、転
写ローラとこれとは別のローラとの間に記録紙を通して
加圧することにより、転写ローラ上のトナーが記録紙の
表面に塑性変形しながら強く付着し、且つトナーが存在
する部分だけに、圧力が記録紙の厚み方向に伝達され
て、複写される。
【0015】いずれの転写方式の場合も、トナー及び記
録紙に圧力を加えるローラの材料は、圧力を伝達するた
めの条件として、少なくともトナーや記録紙よりも硬い
ことが必要である。また、トナーは圧力を加えられた
時、初期には塑性変形し易く、しかも転写性が良く、或
る程度変形した後は塑性変形し難く、圧力が記録紙に伝
達される特性を持つ。この時の圧力が、ノンカーボン紙
を例にとれば、上用紙、中用紙の裏側に塗布されている
発色基剤のマイクロカプセルを破壊することができる大
きさであると、マイクロカプセルが破壊されその中に封
入されている染料が滲み出て、対向する中用紙、下用紙
の顕色剤と反応して発色し、複写が行われる。
【0016】上述した複写の原理は、3枚重ねの記録紙
に限定されるものではなく、2枚の場合には上用紙と下
用紙だけとなり、4枚以上の場合には中用紙が必要枚数
増えることになる。一般に、トナーを介して記録紙に与
える圧力が大きければ大きいほど、多くの枚数の複写を
行うことができる。
【0017】ところが、潜像担持体と転写ローラ間な
ど、トナーが付着した記録紙に圧力を加えるローラ間の
間隙が小さすぎる場合には、トナーが存在する部分以外
にも記録紙に圧力が加わり、そこも発色して下地の汚れ
となってしまう。これに対して、これらのローラ間の間
隙が適切な場合には、トナーの塑性変形や記録紙の圧縮
を或る程度吸収するが、トナーの集合体で形成された画
像部分のみが押されて圧力を記録紙の厚み方向に伝達す
る。また、トナーのない部分には圧力が伝達され難い。
従って、下地汚れが少ない高品質の複写を得ることがで
きる。
【0018】ところで、一般の印刷装置では、潜像の1
ドット分の大きさに比べて、トナー粒径が極めて小さ
い。例えば潜像の解像度が400DPIの場合、潜像の
1ドットは約60μmφであるのに対し、通常市販され
ているトナーの粒径は10μm以下が一般的である。こ
のようなトナー粒径が10μm以下、潜像の解像度が4
00DPIという条件で印刷を行うと、図8に示すよう
に、潜像担持体28の潜像部の1つのドット28A上に
は、複数個のトナー29が付着し、更に、トナー層は2
層以上となることが判った。
【0019】このように小粒径のトナー29が複数個、
2層以上に渡って潜像の各ドット28Aに付着した場合
は、1つのドット28A内でトナー29による凹凸が生
じる。また、ドット28A間でも付着高さaがばらつ
く。このため複写のために圧力を加えても、圧力の伝達
が1ドット内であるいはドット間でばらついて一定高さ
の面で行うことができず、複写における発色濃度が1ド
ット内でまたはドット間でばらつき、印字品質が良好で
はないということが判った。一方、圧力の伝達を効果的
に行うには、前述したトナーの付着高さaが、a≧30
μm、好ましくはa≧40μm、より好ましくはa≧5
0μmであることが実験により判った。しかし、付着高
さaを高くすればするほど、トナー層が多層になり、ト
ナー29が崩れるなどにより圧力伝達が困難になるの
で、このままでは高印字品質を得るのは困難である。本
発明では、トナー粒径が潜像の1ドット分の大きさにほ
ぼ一致するので、1ドットには1つのトナーだけが付着
する。この場合、トナー粒径は通常市販されているもの
の数倍から数10倍と大きいからトナーが2層以上にな
って潜像に付着することは殆どないが、必要に応じて例
えば機械的手段により、あるいはトナーの重量、潜像の
トナーに対する吸引力及び現像装置のトナーに対する吸
引力これらの関係を調整することにより、1層のみに制
限する。これにより、トナー付着高さがドット内はもと
より、ドット間で一定するから、複写のための圧力伝達
が均一となり、発色濃度のばらつきが低減し、高印字品
質が得られる。また、トナー付着高さがトナー粒径と同
じ十分大きな高さとなるから、圧力伝達が容易であり、
複写用の圧力を低くしても高印字品質の複写が得られ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の印刷装置の実施例を図1〜図
4に基づいて説明する。なお、印刷装置としては電子写
真式、磁気式、イオンフロー式いずれでも良いが、第1
実施例では磁気式のものについて、第2及び第3実施例
では電子写真式のものについて説明する。
【0021】〔第1実施例〕図1〜図2により本発明の
一実施例を説明する。図1は本実施例が対象とした磁気
式印刷装置の概略構造を示す。硬いドラム状の回転可能
な潜像担持体1の周辺に潜像消去器(消磁器)2、磁気
式潜像形成器3、現像器4、複写装置を構成する複写兼
用の転写ローラ5、定着器6、クリーナ7の順に配置さ
れている。潜像担持体1の表面には磁気記録層とそれを
保護するための保護層が形成されている。トナー8は乾
式のものである。これらの基本構成は特公昭50−40
622号公報、特公昭55−17382号公報、特公昭
57−46795号公報などに開示されている。
【0022】現像器(現像装置)4には、潜像の1ドッ
ト分の大きさとほぼ一致する粒径のトナー8を入れてあ
り、且つ、本実施例ではドクターブレード42によりト
ナー8が1層だけスリーブ411に付着するようにトナ
ーの穂立ちを機械的に制限している。トナー8の粒径と
潜像の解像度及びドット径の関係を表1に例示する。な
お、トナー粒径の範囲は1ドット径の例えば±15%程
度が目安となる。
【0023】
【表1】
【0024】上述したトナー粒径と潜像のドット径との
関係により、トナー8は図2に示すように、潜像担持体
1表面の潜像の各ドット1Aに1つづつ一層で付着し、
且つ、十分なトナー付着高さとなる。なお、トナー付着
高さaはトナー粒径に一致すするから、解像度が400
DPIの場合でもa≧30μmを十分満足でき、圧力の
伝達が極めて容易になる。
【0025】潜像担持体1の構成例としては、アルミニ
ウムなどの金属でできたドラムにNi、Ni−Pなどの
硬度の硬い下地層をおよそ5〜30μm形成し、この上
にCo−Ni、Co−P、Co−Zn−P、Ni−Co
−P、Ni−Co−Zn−Pなどの磁気記録層をおよそ
1〜15μm形成し、更にNi、Ni−Pなどの保護層
をおよそ0.3〜5μm形成する。下地層のメッキにピン
ホールなどの欠陥があると、磁気記録層にも欠陥ができ
てしまうので細密で均一な成膜が要求される。下地層、
保護層の表面はテープ研磨などで表面精度が保たれてお
り、磁気潜像を形成する磁気ヘッド3との間隔が精度良
く維持される。メッキ以外にも、スパッタや蒸着などの
方法もある。磁気記録層の磁気特性は、保磁力が200
〜1500エルステッド(Oe)程度がよく、残留磁化
はできるだけ大きい方が望ましい。以上は、水平記録式
の場合の磁気記録媒体の構成であるが、垂直記録式の場
合には記録層の下に透磁率の高い軟磁性層があり構成が
異なるが、いずれかに限定するものではない。
【0026】潜像形成器(潜像形成装置)3としては、
記録ヘッドとその走査機構、またはフルライン型の記録
ヘッドから構成される。フルライン型の磁気ヘッドの場
合には走査する必要はないが、そうでない場合には潜像
担持体1の軸方向に記録ヘッドを走査する必要がある。
走査の方法にはシリアル走査とヘリカル走査があり、ヘ
リカル走査の方が記録速度が速いが潜像形成工程だけ特
別に潜像担持体1の回転速度を変更しなければならな
い。記録ヘッドのコイルに電流を流すことにより磁極か
ら漏洩磁束が生じ、これにより磁気記録媒体を磁化する
ことによって磁気潜像を形成する。記録ヘッドからの出
力は、磁気記録媒体の保磁力のおよそ2〜3倍必要であ
る。ここで形成した磁気潜像は潜像消去器(潜像消去装
置)2で消去しない限り消えることはなく、現像、転
写、定着、クリーニングの各工程を繰り返せばマルチコ
ピー機能を有することができ、これは磁気式印刷装置の
特徴である。また、磁気潜像は湿度の影響を受けにくい
ため、静電式に比べ環境安定性に優れている。磁気記録
には、水平記録式と垂直記録式とがあるが、いずれかに
限定するものではない。
【0027】次に図1に示した現像器4は磁気ブラシ現
像法といわれ、アルミニウムやステンレス鋼などの非磁
性金属でできたスリーブ411の中に円筒状磁石412
が同心状に配置されたマグネットローラ41、トナー8
の穂立ち高さを規制するドクターブレード42、トナー
容器43、スリーブ411と磁石412の回転機構およ
びその制御部(共に図示省略)などから構成される。円
筒状の磁石412は、等方性のフェライト磁石などでで
きており、6〜12極で均等にあるいは不均等に着磁さ
れる。トナー8をトナー容器43に入れると、スリーブ
表面には磁界の強弱に応じてトナー8が穂立ち状態にな
り、トナー8の供給が可能になる。更に、ドクターブレ
ード42でこの穂立ちが規制されて、本実施例ではスリ
ーブ表面に一層だけトナーが形成され、潜像担持体1の
表面にトナーが接触して現像される。現像法について
は、1成分乾式現像法であれば磁気ブラシ現像法だけで
なくとも良く、例えば加圧現像法、タッチダウン法、マ
グネダイナミック法なども使用することは可能であり、
磁気ブラシ現像法に限定するものではない。なお、トナ
ーの穂立ちを制限せず複数個のトナーで穂ができる場合
は、潜像の洩れ磁束によるトナーへの磁気吸引力、マグ
ネットローラ41からトナーへの磁気吸引力、トナー中
の磁性粉含有率、トナーの重量を調整することにより、
潜像の1ドットにトナーを1層だけ付着させるようにし
ても良い。
【0028】トナー8は、基本的には結着剤、磁性粉か
ら成り、例えばコア部及びその周囲のシェル部の2重構
造をなす。また必要に応じて着色剤、帯電制御剤、導電
性制御剤、流動化剤、IR吸収剤、離形剤、分散剤など
が内添または外添される。結着剤としては、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレ
ン・アクリル共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ワックスなどが例示で
き、単体またはこれらの混合体などが使用できる。磁性
粉としては、γ−Fe2 3 、Co−γ−Fe2 3
Baフェライト、Fe3 4 、CrO2 、Co−FeO
2 などの酸化物、Fe2 Nなどの窒化物や、鉄、コバル
ト、ニッケルなどの単体または合金、化合物などの磁性
材料が適している。これらの磁性粉を樹脂中に均一に分
散させる。磁性粉の含有量は多いほど磁気特性は良くな
るが、多過ぎると転写性、定着性が劣るので10〜70
wt%程度がよい。また、磁性粉の含有量が多くなると
トナー8の比重が大きくなり、磁気的吸引力に比べ重力
の効果が大きくなり、現像がうまくいかなくなるので限
界がある。
【0029】記録紙15としては、図6または図7に例
示した各種のものを使うことができる。
【0030】現像器4で可視化された画像は、転写ロー
ラ5によって記録紙15に転写される。一般的に転写装
置には、静電転写方式、圧力転写方式、これらを併用し
た静電圧力方式などがある。圧力転写方式や静電圧力方
式では、潜像担持体1と転写ローラ5との間の圧力によ
り、トナー8を塑性変形させながら記録紙15の表面に
付着させ転写する。この時の圧力でトナー8を通じて記
録紙15に圧力を伝達させて複写する。
【0031】記録紙15上に転写されたトナー8は、こ
の状態では圧力で塑性変形したりしてはいるもののまだ
記録紙15の繊維にまで深く入り込んでいないため、定
着器(定着装置)6で加熱・溶融し記録紙15の繊維の
中まで入り込み固着する。この状態では、記録紙15を
折り曲げたり、粘着テープを貼った後剥してもトナー8
が剥がれることはない。熱定着器6には、ヒートロール
式、フラッシュランプ式などが使用できるが、トナー8
の樹脂成分、磁性粉量などによって熱特性が決まり、定
着の通紙速度にも依存するので、温度や赤外線の輻射量
などの条件を決めてやる。
【0032】上記工程で転写効率が100%に至らない
場合には、転写後の潜像担持体1上にトナー8の一部分
が残留することになる。これを除去するのがクリーナ
(清掃装置)7であり、基本的に弾性ブレード71と残
留トナーの容器72から成る。転写効率が低い場合には
残留トナーが多くなるため、永久磁石を備えて残留トナ
ーを磁気的に吸引しこぼれないようにすることもある。
【0033】新しい印刷を行なう場合には、磁気潜像を
形成する前に潜像消去器2で古い磁気潜像を消去する。
潜像消去器2には、永久磁石式と電磁石式の2通りがあ
る。永久磁石式の場合には、ドラム状潜像担持体1の円
周方向に一様に磁化して局所的に磁束が漏洩しないよう
にするもので、電力等のエネルギーが不要で安価であ
る。但し磁気潜像を消去しない場合には、潜像消去器2
を潜像担持体1に対して移動させ磁気的な距離を大きく
して消去磁界を弱くする必要がある。これに対して電磁
石式は、ヨークとコイルから成り電流を流す必要がある
が、磁気潜像を消去する必要がない場合には電流を切る
ことにより消去磁界がゼロになるため制御が比較的自由
である。
【0034】以上述べたように本実施例によれば、図6
に示した複写可能なノンカーボン紙が例えば3枚重ねら
れて記録紙15として給紙されてくると、一番上の上用
紙16にはトナー8が転写されると同時に潜像担持体1
と転写ローラ5の間に挾まれるため圧力が生じ、トナー
8は塑性変形しながら上用紙16以下中用紙17、下用
紙18を押しつけることになる。この時の圧力が、中用
紙17、下用紙18の裏側に塗布された発色基剤20の
マイクロカプセルを破壊し、中に封入されていた染料が
染み出てきて発色するため複写が可能となる。この複写
のメカニズムは、ノンカーボン紙の枚数を3枚の場合に
限定するものではなく、2枚の場合には上用紙16と下
用紙18だけになり、4枚以上の場合には中用紙17の
枚数のみが増えることになる。いずれにしろ、トナー8
の集合体で構成された画像部のみが押されて圧力を記録
紙15の方に伝達し、非画像部には圧力が伝達され難
く、下地の汚れが少ない高品質の複写画像が得られる。
しかも何枚重ねても効果的であり、一番下の感圧紙にも
鮮明な複写が可能となる。なお、記録紙15は図7に例
示したものでも複写可能である。
【0035】〔第2実施例〕図3により本発明の第2実
施例を説明する。図3は本実施例が対象とする電子写真
式印刷装置の概略構成を示し、ドラム状の回転可能な潜
像担持体51の周辺に潜像消去器52、静電潜像形成器
53、現像器54、静電転写用の転写ローラ55、複写
用の2本のローラ56a,56b、定着器57及びクリ
ーナ58がこの順で配置されている。トナー59の粒径
と潜像の1ドットの大きさの関係は表1に示した通りで
ある また、本実施例では現像器54にトナー59を一層だけ
スリーブに付着させるようにドクターブレードを設定し
てある。
【0036】動作としては、先ず潜像消去器52により
潜像担持体51上の静電潜像を消去する。次に静電潜像
形成器53により潜像担持体51上に静電潜像を形成
し、現像器54によってトナー59を静電吸引力により
潜像担持体51の表面に選択的に付着させて顕像化す
る。但し、現像器54は磁気ブラシ現像方式のものを使
用している。そして記録紙15が搬送されてきて、潜像
担持体51と転写ローラ55間に挿入され、潜像担持体
51上のトナー59が静電吸引力により記録紙15上に
転写される。転写後の記録紙15は2本の加圧用ローラ
56a,56b間に挿入され、このとき加わる圧力がト
ナー59を通して記録紙15に伝達することにより、複
写が行われる。転写されたトナー59は記録紙15の繊
維に対して深く食い込んでいないため、熱定着によって
溶融させ繊維の間に入れ込ませる。これによって投錨効
果が得られ記録紙15に強固に固着する。なお、潜像担
持体51上のトナー59はそのほとんどが記録紙15に
転写されるが、一部残留することがある。そのためクリ
ーナ58が残留トナーを除去し、潜像担持体51の表面
は清浄に維持され、次の印刷時に下地汚れ等が生じな
い。
【0037】なお、トナーの穂立ちを制限せず複数個の
トナーで穂ができる場合は、潜像へのトナーの静電吸引
力、現像器54のマグネットローラからトナーへの磁気
吸引力、トナー中の磁性粉含有率、トナーの重量を調整
することにより、潜像の1ドットにトナーを1層だけ付
着させるようにしても良い。
【0038】〔第3実施例〕図4に基づき、本発明の第
3実施例を説明する。図4は本実施例が対象とする電子
写真式印刷装置の概略構成を示す。ドラム状の静電潜像
担持体51の周辺に潜像消去器52、静電潜像形成器5
3、現像器54、静電転写用の第1の転写ローラ55、
定着器57及びクリーナ58がこの順で配置されてい
る。更に第1の転写ローラ55に対して、空隙をあけて
複写兼用に圧力転写用の第2の転写ローラ60が配置さ
れている。本実施例の場合もトナー59の粒径は表1に
示すように潜像の1ドット分の大きさにしてある。ま
た、現像器54には、トナー59を一層だけスリーブに
付着させるように、ドクターブレードを設定してある。
【0039】動作としては、先ず潜像消去器52により
潜像担持体51上の静電潜像を消去する。次に静電潜像
形成器53により潜像担持体51上に静電潜像を形成
し、現像器54によってトナー59を静電吸引力により
潜像担持体51の表面に選択的に付着させて顕像化す
る。但し、現像器54は磁気ブラシ現像方式のものであ
る。この潜像担持体51上のトナー59を静電吸引力で
第1の転写ローラ55に一旦転写する。そして記録紙1
5が搬送されてきて、第1の転写ローラ55と第2の転
写ローラ60間の空隙に挿入され、第1の転写ローラ5
5上のトナー59が圧力により記録紙15上に転写さ
れ、このとき加わる圧力がトナー59を通して記録紙1
5に伝達することにより、複写が行われる。転写された
トナー59は記録紙15の繊維に対して深く食い込んで
いないため、熱定着によって溶融させ繊維の間に入れ込
ませる。これによって投錨効果が得られ記録紙15に強
固に固着する。なお、潜像担持体51上のトナー59は
そのほとんどが第1の転写ローラ55に転写されるが、
一部残留することがある。そのためクリーナ58が残留
トナーを除去し、潜像担持体51の表面は清浄に維持さ
れ、次の印刷時に下地汚れ等が生じない。
【0040】なお、トナーの穂立ちを制限せず複数個の
トナーで穂ができる場合は、潜像へのトナーの静電吸引
力、現像器54のマグネットローラからトナーへの磁気
吸引力、トナー中の磁性粉含有率、トナーの重量を調整
することにより、潜像の1ドットにトナーを1層だけ付
着させるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】本発明に印刷装置によれば、ドットイン
パクト式印刷装置のような大きな騒音を発生することな
く、しかも高速印刷、高印字品質で、感圧紙を用いて印
刷と同時に複写をとることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る印刷装置を示す図。
【図2】複写の原理を示す図。
【図3】本発明の第2実施例に係る印刷装置を示す図。
【図4】本発明の第3実施例に係る印刷装置を示す図。
【図5】ドットインパクト式印刷装置の画像形成機構を
示す図。
【図6】ノンカーボン紙を用いた記録紙の構成例を示す
図。
【図7】カーボン紙を用いた記録紙の構成例を示す図。
【図8】従来のトナーが潜像部に付着した様子を示す
図。
【符号の説明】
1,51 潜像担持体 2,52 潜像消去器 3,53 潜像形成器 4,54 現像器 5,60 複写兼用の転写ローラ 6,57 定着器 7,58 クリーナ 8,59 トナー 15 記録紙 16,22 上用紙 17,23 中用紙 18,24 下用紙 19 原紙 20 発色基剤 21 顕色剤 25 カーボン層 26 普通用紙 27 カーボン紙 55 転写ローラ 56a,56b 複写用のローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 19/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能な潜像担持体と、潜像担持体上
    の潜像を消去する潜像消去装置と、潜像担持体上に潜像
    を形成する潜像形成装置と、潜像に応じたトナー像を形
    成する現像装置と、複数枚の紙が重ねられ且つ圧力に感
    応して複写可能な記録紙にトナー像を転写し且つ複写す
    る複写装置と、記録紙にトナー像を定着する定着装置
    と、転写後潜像担持体に残留したトナーを除去する清掃
    装置とを用い、更に、潜像の1ドット分の大きさとほぼ
    一致した粒径のトナーを用いることを特徴とする印刷方
    法。
  2. 【請求項2】 前記トナー像を1層のみのトナーで形成
    することを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 回転可能な潜像担持体と、潜像担持体上
    の潜像を消去する潜像消去装置と、潜像担持体上に潜像
    を形成する潜像形成装置と、潜像に応じたトナー像を潜
    像の1ドット分の大きさとほぼ一致した粒径のトナーの
    一層で形成する現像装置と、複数枚の紙が重ねられ且つ
    圧力に感応して複写可能な記録紙にトナー像を転写し且
    つ複写する複写装置と、記録紙にトナー像を定着する定
    着装置と、転写後潜像担持体に残留したトナーを除去す
    る清掃装置とを具備していることを特徴とする印刷装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016071027A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置、画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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