JPH06320251A - 低炭素鋼の鋳造方法、および低炭素鋼用の鋳型構造 - Google Patents

低炭素鋼の鋳造方法、および低炭素鋼用の鋳型構造

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JPH06320251A
JPH06320251A JP10949493A JP10949493A JPH06320251A JP H06320251 A JPH06320251 A JP H06320251A JP 10949493 A JP10949493 A JP 10949493A JP 10949493 A JP10949493 A JP 10949493A JP H06320251 A JPH06320251 A JP H06320251A
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mold
carbon steel
low carbon
heat
dish cup
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JP10949493A
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English (en)
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Hiroshi Ogiwara
弘 荻原
Kazuhiko Nakamura
和彦 中村
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KEIYO BLANKING KOGYO KK
KEIYO BURANKINGU KOGYO KK
Original Assignee
KEIYO BLANKING KOGYO KK
KEIYO BURANKINGU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先願の発明(特開平3−47169号)に係
る連続鋳造技術における鋳型を改良して、低炭素鋼の溶
解温度に耐え、離型剤を塗布する必要が無く、鋳型を目
視検査する必要も無く、しかも鋳型材料を無駄に廃棄し
ないようにする。 【構成】 モールドベース31の上に、環状の耐熱板3
4を載置し、その外周縁をアウターリング32で、内周
縁をセンターピース33で、それぞれ押圧固定する。上
記の構成で形成される環形溝状の凹部に、輪形カップ状
のディシュカップモールド35を嵌め合わせ、該ディシ
ュカップモールドの中に低炭素鋼の溶湯36を注湯し、
ディシュカップモールド35と融着させ、一体となった
鋳造品を得る。ディシュカップモールドは製品の一部と
なり、有効に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低炭素鋼製の鋳造部材
を工業的に生産するための鋳造方法、および鋳型装置に
係り、例えば径寸法数百ミリメートル程度の、一様な厚
さ(十数ミリメートル程度)の座金状の製品を鋳造する
に好適であるが、上記以外の形状の低炭素鋼製品を鋳造
する場合も広く応用することができる。本発明において
低炭素鋼材とは、溶解温度を降下させるための添加成分
を殆ど含まない低炭素鋼を言うものである。
【0002】
【従来の技術】図4は本発明の方法および装置を適用し
て製造する対象である低炭素鋼製の環状部材の例を示し
た2面図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は
その断面図である。その寸法は例えば次のごとくであ
る。
【0003】 (単位 mm) 呼び径 D d W T 300 299 180 59.5 12〜16 350 349 230 59.5 12〜16 400 399 270 64.5 16 450 449 310 69.5 16 500 499 340 79.5 16 600 599 420 89.5 16〜19 従来一般に、この種の製品を製造するには、前記のT欄
に示した厚さを有する低炭素鋼板をプレスで打ち抜いた
り溶断したりしていた。しかし乍ら、平板からリング状
部材を打ち抜いた場合、歩留りが悪くて不経済である。
その上、この例のように厚さ寸法12mm〜19mmの鋼板
を打ち抜く作業は容易でない。また、溶断した場合も前
記と同様に歩留りが悪く、不経済である。
【0004】プレス作業や溶断作業をせずに、ほぼ所望
の寸法,形状の製品を得る技術として鋳造が有る。図5
は、単純な形状の鋳鋼製品の1例としてフランジ付き鋼
管を鋳造する装置を示す模式的な断面図である。模式化
して描いてあるので寸法割合などは必ずしも実例のとお
りではない。型枠1の中に上型2と下型3とが収められ
ており、その中に中子4が配置されている。上記上型2
と下型3との間に、溶湯が注入されて目的形状となるキ
ャビティ5が形成されている。6は湯口、7は湯溜りで
ある。さらに溶湯が凝固する際の収縮を補うように押湯
8が設けられている。鋳造技術はその歴史が古く、種々
の工夫が為されてきており、上掲の図5に示した構成の
他に、溶湯をキャビティに導くための水平な湯道や、湯
道からキャビティに流入する溶湯の不純物を除去するた
めの堰(せき)ななどが設けられる場合が多い。その
他、健全な製品を得るために冷し金を設けたり、余肉を
付したり、ガス抜きを設けたりする場合も少なくない。
【0005】前掲の図5について説明した従来例の鋳造
技術は、その構造も手順も非常に複雑である。しかし乍
ら、鋳造品の形状を所望のごとく仕上げるため、およ
び、鋳造欠陥の無い健全な鋳造品質を得るため、従来技
術においては斯うした構成を必要とした。前記の従来技
術(図5)は、鋳鉄若しくは中,高炭素鋼に適用されて
いるが、1個の製品を鋳造する度に上型2および下型3
よりなる鋳型を毀して製品を取り出さなければならな
い。このように鋳型を毀すことは鋳型製造コスト分だけ
製品コストを上げる上に、型ばらしと俗称される鋳型破
壊除去作業は多大の時間と労力とを要し、しかもこの作
業は著しい苦渋作業である。その上、前述のように1個
の製品を鋳造する度に型ばらしをしなければならないの
で、鋳造作業を連続的に行うことができない。(鋼板の
ように極めて単純な形状の長尺な製品については連続鋳
造・圧延の普及が技術的趨勢にあるが、図4に示したよ
うな個々の単品を連続的に多数鋳造することは困難とさ
れていた)。
【0006】従来例の鋳造技術を適用する場合の技術的
な難易度は、その材質によって異なる。鉄鋼材料につい
て見た場合、鋳鉄が最も容易であり鋼鉄は困難である。
鋼鉄について更に詳しく見ると、高炭素鋼に比して低炭
素鋼は鋳込時の凝固温度が範囲が狭く、かつ高いため凝
固し易いので、含有不純物の浮上分離が困難である上に
湯流れが悪い。このため鋳造欠陥を生じ易く、低炭素鋼
の鋳込みは困難とされている。比較的単純な形状(例え
ば環状)の低炭素鋼部材を安価に大量に生産するため、
環状溝を有する複数の上方開放形の鋳型を、無端環状コ
ンベアに取り付けて搬送しつつ、前記の鋳型内に溶解し
た低炭素鋼を注湯し、前記鋳型の環状溝内で凝固した製
品素材を、該鋳型を破壊することなく取り出して環状の
鋼製品を得る技術が提案されている。この技術は本出願
人が発明して別途出願中のもの(特開平3−47169
号)であって、以下、先願の発明と呼ぶ。上記の先願の
発明によれば、 a.鋳型に設けられた環状の凹部が上方に露出している
ので、この中へ容易に注湯することができる。注湯の開
始,進行,完了を容易に行い得るということは、この操
作の自動化,連続化に適することを意味している。 b.前記環状凹部に注湯された溶湯は、ほぼ目的どおり
の形状,寸法となり、上面が大気に開放されている上
に、高さ寸法が比較的小さいので、溶湯中の不純物の上
昇が容易である。 c.環状溝内で凝固した環状の製品は、鋳型を破壊しな
くても取り出すことが出来るので、迅速,容易,かつ連
続的に製品取出作業が行われ、しかも鋳型を繰り返し使
用できる。 d.上記の、繰返し使用可能な鋳型が、無端環状コンベ
アに取付けて搬送されるので、これを循環せしめて連続
的に操業することができる。 上記の鋳型は半永久的に使用できる訳ではなく、消耗品
であるから、損耗した鋳型は順次に新品と交換すること
により連続的に操業することができるという優れた実用
的効果が有り、この技術は本出願人によって実用化され
ている。次に、上記先願の発明の要点を具体的に説明す
ると、図6は先願の発明に係る連続鋳造装置の1実施例
を示す模式図である。模式化して描いてあるので、各構
成部材の形状,寸法は必ずしも実施例の現物を縮尺した
ものではない。図示の9は無端環状のチェーンコンベア
で、二十数個のセラミック鋳型を取付けてある。本図に
おいては、その代表例として鋳型10a〜同10eを描
いてある。これらのセラミック鋳型には環状の溝形凹部
を設けてあり、図示の鋳型の中で鋳型10e,同10
a,同10bは該環状鋳型の凹部を上に向けた姿勢にな
っている。無端環状コンベア9を運転すると、これらの
鋳型10b,10a,10eは矢印aのごとく進行し、
矢印bのごとく反転する。このため、図示の鋳型10
c,10dは溝型凹部を下に向けている。図示の11は
溶解炉である。本例の溶解炉は鉄工工場に設けられてい
て自工場で発生した低炭素鋼スクラップを溶解する電磁
誘導形の電気炉である。
【0007】シャッタ11bを開いて出湯口11aから
低炭素鋼の溶湯を出湯し、セラミック製の鋳型10aの
中へ注湯する。
【0008】上記の鋳型10aは、環状の溝型凹部を上
方に向けて開放しているので、注湯は迅速かつ容易に行
われ、該凹部の隅々まで直ちに溶湯が流動する。このた
め、湯境や湯不足などの鋳造欠陥を生じるおそれが無
い。また、セラミック鋳型を用いているのですくわれ等
の鋳型欠陥に伴う鋳造欠陥が発生するおそれも無く、環
状の低炭素鋼製品の鋳込みが行われる。図示の鋳型10
aには、溶湯12を盛り上げ気味に注湯しておく。そし
て、この10a位置の鋳型が10b位置まで進行する矢
印aの区間で急速に冷却しないように、還元性雰囲気の
火炎を発生する保温用の雰囲気バーナー13で補熱す
る。このようにして冷却期間を延長された溶湯12は、
矢印a区間の進行中にガスを放散し、非金属介在物を浮
上せしめて自浄作用が行われる。鋳型10bの位置に来
たとき、注湯の凝固が完了していない状態で、その上面
をワイパー14で掻き取る。これにより、盛り上がって
いた余分の溶湯が除去されて、ほぼ製造目標の寸法,形
状となる。実際技術としては、この段階(掻取り工程)
において製品素材が「その後の熱収縮や若干の圧延整形
を考慮に入れた、目的の形状,寸法」となるようコント
ロールされる。図示10bの位置でワイパー14による
掻取りを受けた鋳型は矢印bの如く進行して上下を反転
され、鋳込まれていた製品素材15は、凝固に伴う収縮
と自重とによって放出され、落下する。上記のようにし
て落下した製品素材15を受け取る位置に、搬送コンベ
ア16が設けられており、受け取った製品素材15を矢
印cのごとくXY圧延ロール17まで搬送して供給す
る。製品素材15′はX圧延ロール17aで図の左方へ
送られながら圧延され、次いでY圧延ロール17bで紙
面と直角方向に送られながら圧延される。
【0009】10c位置で製品素材15を放出して搬送
コンベア16に渡した鋳型は矢印eのごとく10d位置
まで進行する。この位置の下方に、圧縮空気を噴射する
清掃ノズル18が設けられていて、鋳型10dは圧縮空
気を吹き付けられて自動的に清掃される。清掃された鋳
型はさらに矢印fのごとく進行し、TVカメラ19によ
って内部の目視検査を受ける。損耗が認められた鋳型は
型交換ステージ20で交換され、異常の無かった鋳型は
進行を続けて再度の使用に供される。再使用に供される
鋳型は離型剤ノズル21によって離型剤を吹付け塗布さ
れ、図示の10e位置に進行する。上記の位置の鋳型1
0eの上方に、予熱バーナー22が設置されている。本
例の予熱バーナー22は高周波加熱バーナーによって構
成されており、鋳型10eを500℃に加熱する。これ
により、注湯時の熱衝撃が緩和され、セラミック鋳型の
破損が防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記先願の発明によれ
ば、従来は困難とされていた低炭素鋼による鋳造を可能
である。本出願人は上記先願の発明を出願後、これを工
業的生産に適用して所期の効果を実用面で確認するとと
もに、更に改善する余地の有ることも確認した。
【0011】前記先願の発明の実施に用いたセラミック
製鋳型は、繰り返して使用できるが消耗部品であって、
損耗したものは交換しなければならない。一方、発明の
適用対象である低炭素鋼の溶解温度は鋳鉄や高炭素鋼に
比して高く(例えば1530℃)、この高温に耐えるた
めにセラミック鋳型用のセラミック材は特殊高級セラミ
ック材でなければならないので高価である。さらに、溶
湯が高温であるため、鋳湯前に鋳型を予熱する必要が有
り、前述の例(図6)では予熱バーナー22を設けなけ
ればならなかった。また、セラミック鋳型が消耗部品で
あるため、図6に示したようにTVカメラ19を用いて
目視検査を行なっていた。目視検査を必要とする以上は
装置全体を全自動化することができず、半自動化に留ま
ってしまう。さらに、前記先願の発明に係る装置(図
6)においては、離型剤ノズル21を設置するなどし
て、鋳型の内面に離型剤を塗布する必要が有った。これ
らの不具合を解消するために考えられることは、イ.低
炭素鋼の溶解温度(1530℃)に耐え、繰り返し使用
しても損耗せず、しかも離型剤を用いなくても離型可能
な鋳型用材料を開発するか、ロ.若しくは使い捨ての鋳
型を創作するか、の何れかであるが、上記イ項の条件を
満たす新しい材料の開発は、現代の技術では早急に実現
し難い。また、上記ロ項の使い捨て鋳型を用いると、鋳
造製品の製作個数と同数の鋳型を使い捨てることにな
り、鋳型のコスト負担を無視し得ない上に、省資源とい
う社会的要請に逆行するので好ましくない。
【0012】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、低炭素鋼の溶解温度に耐え、離型剤を塗布す
る必要が無く、鋳型材料を無駄にすることが無く、鋳型
を予熱したり、鋳型を目視検査したりする必要も無い、
低炭素鋼の鋳造技術を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、前述したイ.項(非損耗鋳型),ロ.項
(使い捨て鋳型)の何れとも異なる新規な発想に基づ
き、鋳造品と融合して製品の一部分となる、融合式の鋳
型を用いる。上記原理に基づく具体的手法として本発明
の鋳造方法は、平坦な底面と、ほぼ垂直な側面とを有
し、上面が開放された形状の金属薄板製ディシュカップ
モールドを、水平な頂面を有する耐熱板上に置き、該デ
ィシュカップモールドの側面に対向,近接せしめて大き
い熱容量を有するケーシング部材を配置して、上記ディ
シュカップモールド内に溶融した低炭素鋼材を注湯し、
前記ディシュカップモールドと低炭素鋼材とが融合した
鋳造品を得ることを特徴とする。上述の低炭素鋼鋳造方
法を実施するために創作した本発明に係る鋳型構造は、
a.平坦な底壁とほぼ垂直な側壁とを有し、上面が開放
された形状の金属薄板製ディシュカップモールド(3
5)と、b.上記ディシュカップモールドの底壁に当接
する平坦な頂面を有する耐熱板(34)と、c.上記耐
熱板上に載置されたディシュカップモールドの側壁に対
向隣接する面を備えたケーシング部材(37)と、を具
備していることを特徴とする。
【0014】
【作用】上述の手段によると、金属板でディシュカップ
モールドを構成してあるので、該ディシュカップモール
ドは鋳造品と融合してその一部分となり、鋳型を構成し
ている材料が有効に利用されて省資源に貢献する。上記
ディシュカップモールドの内周面は鋳造品(低炭素鋼)
と融合するが、その外周面は熱容量の大きいケーーシン
グ部材によって保護されており、溶損する虞れが無く、
万一ディシュカップモールドが局部的に溶損して溶湯の
小量が漏出しても、漏出した小量の溶湯は直ちに、熱容
量の大きいケーシング部材に触れ、融着することなく固
化するので実害を生じない。本発明におけるディシュカ
ップモールドは、鋳造品と融合すべき部材であるから離
型剤を塗布する必要が無く、繰り返して使用するための
目視検査の必要も無いので、鋳造装置全体の構成が簡単
になって全自動化を容易ならしめる。さらに本発明にお
けるディシュカップモールドはセラミックのように脆く
ないので、注湯前に予熱して熱衝撃を緩和する配慮も必
要としない。
【0015】
【実施例】次に、図1ないし図3を参照しつつ本発明の
実施例について説明をする。図1は本発明に係る低炭素
鋼用の鋳型構造の1実施例を示し、(A)は模式的に描
いた平面図、(B)は上記平面図と同一縮尺で模式的に
描いた、垂直面による断面図である。図2は上掲の図1
(B)に示した垂直断面図に鎖線円で囲んだA部を拡大
した詳細図である。図3は上掲の図1,図2の実施例に
おけるディシュカップモールドを抽出して描いた部分破
断斜視図である。図1,図2において図面参照符号35
を付した部材は本発明を適用して構成したディシュカッ
プモールドであって、その立体的形状は図3のごとくで
ある。このディシュカップモールド35は、後述のごと
く低炭素鋼の溶湯を注湯されて融着する部材であるか
ら、基本的には鋳造品と同じ材料で構成する。すなわち
溶湯と同一鋼種で構成する。ただし、本発明を実施する
際、必ずしも同一鋼種に限定されず、溶湯に対して融着
し得る材質であれば良く、なるべく溶融温度の高い金属
材料であることが望ましい。本実施例においては厚さ寸
法0.5mmのスチール板をプレス成形してディシュカッ
プモールド35を構成した。本発明を実施する際、製造
目的である鋳造品の重量(溶湯の保有熱量)を勘案して
設定するものとするが、通常の条件においては厚さ寸法
0.1〜0.6mmが適正範囲である。本実施例のディシ
ュカップモールド35は、図4に例示したような環状の
製品を得るために構成したものであって、図3に示すご
とく全体的に円環状をなし、その中心線Zを含む面によ
る切断面がほぼコの字状をなし、その内周面35dが円
形溝状をなしている。上記コの字の平行2辺の端(図に
おいて上端)はほぼ直角に折り曲げられてフランジ状を
なしている。この場合の折り曲げ方向は、前記円形溝状
の部分の上方を覆わない方向に折り曲げる。35aは底
壁、35bは側壁、35cはフランジである。上記のデ
ィシュカップモールド35は耐熱板34の上に載置され
る。本例の耐熱板34はセラミック材によって円環状の
平板(いわゆる平座金状)に構成される。そして上記デ
ィシュカップモールド35の両側面はケーシング部材3
7(図2参照)に対向して近接している。本実施例のケ
ーシング部材37はアウターリング32とセンターピー
ス33とによって構成されている。図1(A)に示すご
とく、上記のセンターピース33は円板状,アウターリ
ング32は円環状をなしている。詳しくは、図1(B)
に示すごとく、センターピース33は耐熱板34の内径
1よりも大きい外径を有し、スチール製のモールドベ
ース31上に置かれた耐熱板34の内周縁をモールドベ
ース31に向けて押圧,固定している。アウターリング
32は耐熱板34の外径r2よりも小さい内径を有し、
上記耐熱板34の外周縁をモールドベース31に向けて
押圧,固定している。前記のディシュカップモールド3
5は、耐熱板34の頂面によって自重を支承されてい
る。そして、アウターリング32の凹円柱面状の内周面
と、センターピース33の凸円柱面状の外周面との間に
緩やかに嵌合している。
【0016】本発明を実施する際、ケーシング部材37
の構成材料は限定されないが、ディシュカップモールド
35に比して大きい熱容量を有していることが望まし
い。図2に示すごとく、アウターリング32およびセン
ターピース33より成るケーシング部材37と、耐熱板
34と、モールドベース31とが相互に固定された1組
の部材をモールドハウジング38と呼ぶ。図1は1組の
モールドハウジングにディシュカップモールド35が装
着されて溶湯36を注湯された状態を示している。上記
の溶湯は凝固して鋳造品となる。図1(A)は読図を容
易ならしめるため上記の溶湯(鋳造品)に平行斜線と斑
点とを付したが、これは切断面を表わしているものでは
ない。
【0017】図6に示した先願の発明における無端環状
コンベア9はセラミック製の鋳型10b〜10dを搭載
しているが、本発明の実施例においては上記セラミック
製の鋳型に代えて、図1に示したモールドハウジングを
搭載する。TVカメラ19、型交換ステージ20、離型
剤ノズル21、および予熱バーナー22は設置する必要
が無い。(図1参照)鋳造作業は次のサイクルを繰り返
してエンドレスに行なわれる。ディシュカップモールド
35を装着するに先立って、アウターリング32および
センターピース33よりなるケーシング部材および耐熱
板34を清掃する。清掃手段は限定されないが、先願の
発明におけるがごとく清掃ノズル18から圧縮空気を吹
きつけると好都合である。清掃されたモールドハウジン
グの環状溝部分にディシュカップモールド35を嵌合し
て装着し、前記先願の発明におけると同様にして注湯す
る。注湯工程の間は前記無端環状コンベア9を停止させ
た方が良い。従って、本実施例における無端環状コンベ
アの運転は間欠的に行われる。モールドハウジング38
(図2)に装着されたディシュカップモールド35内に
注湯された溶湯36の重力荷重は主として耐熱板34に
よって支承される。従ってディシュカップモールド35
の底面は耐熱板34に密着するが、該耐熱板はセラミッ
ク製で1530℃(低炭素鋼の溶解温度)よりも遥かに
高い耐熱性を有しているので熱的トラブルを生じる虞れ
が無い。上記ディシュカップモールド35はケーシング
部材37に対して緩やかに嵌合していて、該ケーシング
部材37は大きい熱容量を有しているので熱的トラブル
を生じない。その上、上記の嵌合が緩やかであるから溶
湯36の保有熱量を急激に奪って急冷させる虞れも無
い。溶湯の冷却が緩徐であるということは不純物が浮上
して分離される時間的余裕を生じるので好ましい。万
一、ディシュカップモールド35の一部分が局部的に溶
損して小量の溶湯36が漏出しても、漏出した小量の溶
湯は、熱容量の大きいケーシング部材37に接触して急
冷されるので溶着する虞れが無い。無端環状コンベアに
搭載されたモールドハウジングは、該無端環状コンベア
の搬送ストロークエンドに達すると自動的に上下反転さ
れて、ディシュカップモールド35内の溶湯が融着固化
した鋳造品を放出して落下させる。
【0018】上記の鋳造品落下放出の作動を自動的に検
出して、当該鋳造装置の運転状態を自動的に監視し、制
御するについて、前記先願の発明におけるが如きTVカ
メラ19(図6)は必要としない。その理由は次の如く
である。すなわち、先願の発明においては、消耗品であ
るセラミック製の鋳型を繰り返し使用したので、該セラ
ミック製鋳型に亀裂が発生していないか、欠損,汚損し
ていないか等を詳しく検査しなければならなかったが、
本発明においてはディシュカップモールド35を鋳造品
に融着,一体化させて一緒に放出する。従って、本発明
の場合にはディシュカップモールド35の損耗状態を検
査する必要は無く、一体化した鋳造品が放出されたか否
かについて、イエスかノーかの答えが得られれば足り
る。このため高価でメンティナンスの厄介なTVカメラ
などを設置せず、モールドハウジング38の溝状凹部の
中へ、単なる杆状部材である検知棒(図示せず)を挿入
すれば良い。挿入が妨げられなければ、正常に放出作動
が行われたものと判定する。
【0019】
【発明の効果】本発明を適用すると、金属板でディシュ
カップモールドを構成してあるので、該ディシュカップ
モールドは鋳造品と融合してその一部分となり、鋳型を
構成している材料が有効に利用されて省資源に貢献す
る。上記ディシュカップモールドの内周面は鋳造品(低
炭素鋼)と融合するが、その外周面は熱容量の大きいケ
ーシング部材によって保護されており、溶損する虞れが
無く、万一ディシュカップモールドが局部的に溶損して
溶湯の小量が漏出しても、漏出した小量の溶湯は直ち
に、熱容量の大きいケーシング部材に触れ、融着するこ
となく固化するので実害を生じない。本発明におけるデ
ィシュカップモールドは、鋳造品と融合すべき部材であ
るから離型剤を塗布する必要が無く、繰り返して使用す
るための目視検査の必要も無いので、鋳造装置全体の構
成が簡単になって全自動化を容易ならしめる。さらに本
発明におけるディシュカップモールドはセラミックのよ
うに脆くないので、注湯前に予熱して熱衝撃を緩和する
配慮も必要としないという優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低炭素鋼用の鋳型構造の1実施例
を示し、(A)は模式的に描いた平面図、(B)は上記
平面図と同一縮尺で模式的に描いた、垂直面による断面
図である。
【図2】上掲の図1(B)に示した垂直断面図に鎖線円
で囲んだA部を拡大した詳細図である。
【図3】上掲の図1,図2の実施例におけるディシュカ
ップモールドを抽出して描いた部分破断斜視図である。
【図4】本発明の対象である鋳造品の1例を示し、
(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図5】従来技術に係る鋳型の1例を示す断面図であ
る。
【図6】先願の発明に係る環状鋼製品の連続鋳造装置の
1例を示す模式的な側面図である。
【符号の説明】
1…型枠、2…上型、3…下型、4…中子、5…キャビ
ティ、6…湯口、7…湯溜り、8…押湯、9…無端環状
のコンベア、10a…注湯位置の鋳型、10b…掻取り
位置の鋳型、10c…放出位置の鋳型、10d…清掃位
置の鋳型、10e…予熱位置の鋳型、11…溶解炉、1
1a…出湯口、11b…シャッタ、12…溶湯、13…
雰囲気バーナー、14…ワイパー、15…落下位置の製
品素材、15′…圧延位置の製品素材、16…搬送コン
ベア、17…XY圧延ロール、17a…X圧延ロール、
17b…Y圧延ロール、18…清掃ノズル、19…TV
カメラ、20…型交換ステージ、21…離型剤ノズル、
22…予熱バーナー、31…モールドベース、32…ア
ウターリング、33…センターピース、34…耐熱板、
35…ディシュカップモールド、36…溶湯(鋳造
品)、37…ケーシング部材、38…モールドハウジン
グ、r1…耐熱板の内径寸法、r2…耐熱板の外径寸法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 47/02 7511−4E

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦な底面と、ほぼ垂直な側面とを有
    し、上面が開放された形状の金属薄板製ディシュカップ
    モールドを、水平な頂面を有する耐熱板上に置き、該デ
    ィシュカップモールドの側面に対向,近接せしめて大き
    い熱容量を有するケーシング部材を配置して、上記ディ
    シュカップモールド内に溶融した低炭素鋼材を注湯し、
    前記ディシュカップモールドと低炭素鋼材とが融合した
    鋳造品を得ることを特徴とする、低炭素鋼の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記の耐熱板とケーシング部材とを一体
    的に結合し、前記低炭素鋼材が冷却,固化した後、上記
    一体に連結された部材の上下を反転して、ディシュカッ
    プモールドと融合した鋳造品を自重で落下せしめて、前
    記耐熱板およびケーシング部材から離脱せしめることを
    特徴とする、請求項1に記載した低炭素鋼の鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記一体的に結合された耐熱板およびケ
    ーシング部材を上下反転した後、上記耐熱板とケーシン
    グ部材とによって囲まれている空間内に杆状の部材を挿
    入して鋳造品の離型完了を確認することを特徴とする、
    請求項2に記載した低炭素鋼の鋳造方法。
  4. 【請求項4】 板厚寸法0.1mm〜2.0mmの、鋳造品
    と同じ鋼種の低炭素鋼板をプレス加工して前記のディシ
    ュカップモールドを構成することを特徴とする、請求項
    1に記載した低炭素鋼の鋳造方法。
  5. 【請求項5】 前記のディシュカップモールドの平面投
    影形状を環状に構成するとともに、該環形の中心線を含
    む面による断面形状をほぼコの字形に成形し、かつ、コ
    の字の平行2辺に相当する部分の端を、該ディシュカッ
    プモールドの上面開口部を覆わない方向に、ほぼ直角に
    折り曲げてフランジ状の部分を形成することを特徴とす
    る、請求項4に記載した低炭素鋼の鋳造方法。
  6. 【請求項6】 前記の耐熱板をセラミック材によって環
    状の平板に構成してこれをスチール製のベース部材上に
    載置するとともに、その内周部付近および外周部付近を
    ケーシング部材により上記ベース部材に向けて押圧,固
    定することを特徴とする、請求項5に記載した低炭素鋼
    の鋳造方法。
  7. 【請求項7】 前記のケーシング部材をエンドレスコン
    ベアに搭載し、該エンドレスコンベアを間欠的に進行さ
    せつつ、(a)ケーシング部材および耐熱板の清掃、
    (b)ディシュカップモールドの装着、(c)注湯、
    (d)上下反転・放出、(e)放出検知確認、の各工程
    を反復することを特徴とする、請求項3に記載した低炭
    素鋼の鋳造方法。
  8. 【請求項8】 a.平坦な底壁とほぼ垂直な側壁とを有
    し、上面が開放された形状の金属薄板製ディシュカップ
    モールド(35)と、b.上記ディシュカップモールド
    の底壁に当接する平坦な頂面を有する耐熱板(34)
    と、c.上記耐熱板上に載置されたディシュカップモー
    ルドの側壁に対向隣接する面を備えたケーシング部材
    (37)と、を具備していることを特徴とする、低炭素
    鋼用の鋳型構造。
  9. 【請求項9】 セラミック製の耐熱板(34)と、スチ
    ール製のケーシング部材(37)とが、平坦な頂面を有
    するスチール製モールドベース(31)上に配置され、
    上記3種類の部材が相互に連結,固定されてモールドハ
    ウジング(38)を構成していることを特徴とする、請
    求項8に記載した低炭素鋼用の鋳型構造。
  10. 【請求項10】 前記ディシュカップモールド(35)
    は、厚さ寸法0.1〜2.0mmのスチール板製の部材で
    あることを特徴とする、請求項8に記載した低炭素鋼用
    の鋳型構造。
  11. 【請求項11】 前記ディシュカップモールド(35)
    は、全体的形状が円環状をなし、その内周面が円形溝状
    をなし、上記円環の中心線を含む面による断面形状がほ
    ぼコの字状をなしていることを特徴とする、請求項8に
    記載した低炭素鋼用の鋳型構造。
  12. 【請求項12】 前記モールドハウジング(38)を構
    成しているケーシング部材(37)は、凹円柱面状の内
    周面を有するスチール製のアウターリング(32)と、
    凸円柱面状の外周を有するセンターピース(33)とよ
    り成ることを特徴とする、請求項11に記載した低炭素
    鋼用の鋳型構造。
  13. 【請求項13】 前記の耐熱板(34)は、アウターリ
    ング(32)の内周面よりも大径の外径を有するととも
    に、センターピース(33)の外周面よりもも小径の内
    径を有する環状の平板であって、スチール製のモールド
    ベース(31)上に載置されており、 かつ、該耐熱板の外周の縁をアウターリングによってモ
    ールドベースに向けて押圧・固定されるとともに、その
    内周の縁をセンターピースによってモールドベースに向
    けて押圧・固定されており、かつ、 上記アウターリング(32)およびセンターピース(3
    3)より成るケーシング部材(37)と、前記耐熱板
    (34)と、前記モールドベース(31)とが相互に一
    体に結合されてモールドハウジング(38)を形成して
    いることを特徴とする、請求項12に記載した低炭素鋼
    用の鋳型構造。
  14. 【請求項14】 前記の一体に結合されたモールドハウ
    ジング(38)は、その上下を反転させる反転放出手段
    を備えたものであることを特徴とする、請求項13に記
    載した低炭素鋼用の鋳型構造。
  15. 【請求項15】 前記のモールドハウジング(38)
    は、間欠運転されるエンドレスコンベアに搭載されて循
    環搬送されるようになっていることを特徴とする、請求
    項13に記載した低炭素鋼用の鋳型構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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