JPH06319783A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH06319783A
JPH06319783A JP5133836A JP13383693A JPH06319783A JP H06319783 A JPH06319783 A JP H06319783A JP 5133836 A JP5133836 A JP 5133836A JP 13383693 A JP13383693 A JP 13383693A JP H06319783 A JPH06319783 A JP H06319783A
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medical container
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JP5133836A
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English (en)
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 互いに反応し易い成分を含む複数の内容物、
或は安定な状態で存在できる環境が異なる複数の内容物
を安定した状態を保持したままで滅菌処理することを可
能とする。 【構成】 一端に口元部7を有し他端に懸垂口部を有し
口元部側の端部から懸垂口部側の端部にかけて存在する
隔離帯により第一室と第二室とに分割される。口元部側
の端部近傍に第一室と第二室の連通を可能とする第一連
通手段6を有し、懸垂口部側の端部近傍に第一室と第二
室の連通を可能とする第二連通手段9を有し、手段6と
9にはそれぞれ開封可能な閉鎖手段が設けられている。
そして、手段は、2ヶの閉鎖手段を開封し容器を垂下し
た状態で手段が第一室及び第二室の内容物の上面よりも
上の空間に存在するように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内容物を複数の室に隔
離して封入してなる内容物入りの容器に関するものであ
り、さらに詳しく述べると、互いに反応し易い成分を含
む複数の内容物を、使用時に外気に触れさせることなく
簡便に混合することができる、予め複数の内容物を隔離
して封入して成る容器に関するものである。
【0002】特に、クローズド医療システムに用いられ
る高カロリー輸液剤やエレメンタルダイエット(以下E
Dと略す)の成分で互いに反応し易い成分を複数種入れ
ることのできる変形可能な薬剤入り容器として好適なも
のである。
【0003】
【従来の技術】従来より、使用直前に2種類の薬品等を
密閉された状態のまま混合してから使用する容器に対す
る要望が多い。例えば、2種類の物質を混合するときに
得られる反応熱を利用して保温または冷却用の熱媒体と
するもの、あるいは、2種類の物質を混合して工程を流
したり、長期間保管したりすると変性してしまうことが
多い食品または医療品等において特に要望が多い。
【0004】中でも医薬品は化学物質なので、混合して
熱処理工程を流したり、混合したまま長時間保管したり
すると経時変化を起こすものが多い。例えば、近年盛ん
に行われるようになってきた高カロリー輸液療法におい
て用いられる高カロリー輸液剤は、上記観点から一液製
剤化が困難な薬剤の一つである。高カロリー輸液療法に
用いられる高カロリー輸液剤は生体に必要な栄養素をす
べて適量含むことが基本である。すなわち、糖質、アミ
ノ酸、脂質、主要電解質、微量金属及びビタミンを含む
多成分輸液剤になる。
【0005】しかし、これらのすべてを含む一つの複合
液として製品化することは、配合性、製造工程における
安定性、経時的安定性の面から、現在は不可能である。
例えば、ブドウ糖とアミノ酸を配合して一液製剤として
容器に封入すると、オートクレーブ滅菌時及び保存時に
ブドウ糖とアミノ酸との間でメイラード反応等の反応が
起こり輸液剤が着色したり変質したりしてしまう。ま
た、脂肪乳剤は不安定な製剤であり、他の輸液と混合す
ると、油脂粒子の粗大化や相分離が生じ易い。特に、電
解質輸液に含有されている2価金属イオンは、脂肪乳剤
の凝集や粒子の崩壊を起こすことが知られている。さら
に、各輸液には安定に存在できるための環境として適正
なpH値があり、適正なpH値が異なる輸液同士を混合
すると、濁りや沈殿が生じ易い。
【0006】また、EDのような溶液状態で保存してお
くと、安定性が失われ長期間保存できないものは、粉末
状の薬剤と溶液状のものに分離して保存しておき、使用
直前に混合して患者に投与している。
【0007】さらに、近年、ホームヘルスケアが注目さ
れてきており、将来、家庭内で輸液等を容易に実施でき
るように、複数の薬剤を間違い無く確実に混合できるシ
ステムが望まれている。
【0008】最近、複数の容器を連結し、連結部に複数
の容器を連通可能な隔離手段を設けて、使用直前に、こ
の隔離手段を開通させ複数の容器に充填された複数の薬
剤を複数の容器の一つの容器内で混合することができる
薬剤入り容器が市販されるようになってきた。
【0009】従来知られる閉鎖系で混合することができ
る医療用容器の一つで、図8に示すような内容物を収納
する相互に隔離した第一室と第二室を有する変形可能な
合成樹脂製容器であって、容器上端部には容器を吊り下
げるための懸垂口を有し、容器下端部には第一室又は第
二室に通じる内容液を排出することができる排出口を有
しており、容器の左右に第一室と第二室とに分割してい
る隔離部の下端近傍に開封可能な閉鎖手段を有している
ものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この容
器は、閉鎖手段を開封して第一室と第二室を連通させ、
輸液セット等を排出口にセットし患者に内容液を投与す
るものである。患者に薬液を投与する場合は、第一室の
内容液と第二室の内容液の混合比率が投与中常に一定で
あることが好ましい。しかし、容器から内容物が排出さ
れた空間の大きさやオートクレーブ滅菌で立体的な形状
に成形されることにより内容物が排出された後の空間が
陰圧になることがある。この空間が陰圧になると、内容
物の排出速度が悪くなる。例えば、この容器は第一室と
第二室を連通する連通手段が1ヶ所であるため、第一室
及び第二室の内容物が排出された部分の第一室と第二室
の空間はそれぞれ独立しているので、第一室2の内容物
が排出された後のが、第二室3の内容物が排出された後
の空間よりも陰圧になるという状態が発生し、第一室2
の内容物の排出速度が遅くなる。このことにより、内容
物の排出開始から終了までの間、常に第一室の内容物と
第二室の内容物の混合比率が一定にならなかった。
【0011】また、一方の室に酸素の存在を嫌う内容物
を封入する場合には空気を入れずに内容物だけを封入す
ることになる。しかし、内容物の排出を完全に行うこと
ができるように、他方の室にはある程度の空気を一緒に
封入することになる。内容物の排出時には、第一室及び
第二室の内容物を完全に排出できるように、一方の室に
封入された空気を、両方の室に分配する必要があるが、
その空気の分配作業は繁雑であり、また、あまりうまく
分配できなかった。それで、内容物が室内に残ったり、
また各室からの内容物の排出速度の比が一定になり難か
った。
【0012】また、第一室と第二室に分割され、第二室
は第一室の内容物と第二室の内容物を充分に収納できる
大きさを有し、第一室の内容物を第二室に移し、第二室
にて第一室の内容物と第二室の内容物を混合し、その後
に第二室に設けられた排出口より輸液セット等にて患者
に投与するものがある。しかし、この容器は、第二室の
容量を大きくしなければならないので、容器全体が大き
くなってしまうという欠点があった。
【0013】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、互いに反応し易い成分を含む複数の内容物、
或は安定な状態で存在できる環境が異なる内容物を安定
した状態を保持したままで滅菌処理することができ、ま
た長期保存でき、かつ、使用時には簡便かつ迅速に各室
の内容物の混合比率が常にほぼ一定の状態で排出できる
コンパクトな閉鎖系混合用医療用容器を提供することを
目的とする。
【0014】すなわち、内容物を収納する相互に隔離し
た第一室と第二室を有する変形可能な合成樹脂製容器で
あって、各室の内容液を一つの室に集めて混合しなくと
も各室の内容液の混合比率が常に一定であるように内容
液を排出できる閉鎖系混合用医療用容器を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の閉鎖系混合が可
能な医療用容器は、一端に口元部を有し他端に懸垂口部
を有し前記口元部側の端部から前記懸垂口部側の端部に
かけて存在する隔離帯により第一室と第二室とに分割さ
れた可撓性容器であって、前記口元部側の端部近傍に前
記第一室と前記第二室の連通を可能とする第一連通手段
を有し、前記懸垂口部側の端部近傍に前記第一室と前記
第二室の連通を可能とする第二連通手段を有し、前記第
一連通手段及び前記第二連通手段にはそれぞれ開封可能
な閉鎖手段が設けられており、前記2ヶの閉鎖手段を開
封し容器を垂下した状態で前記第二連通手段が前記第一
室及び前記第二室の内容物の上面よりも上の空間に存在
するように前記第二連通手段が設けられていることを特
徴とする。
【0016】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。図1は
本発明による複数の室を有する医療用容器の第一実施例
を示す模式正面図、図2(a)は連通手段に設けられた
開封可能な閉鎖手段の一実施例を示す断面図、図2
(b)は同実施例の連通手段の閉鎖手段を開封したとき
の状態を示す断面図、図3(a)は連通手段に設けられ
た開封可能な閉鎖手段の他の実施例を示す断面図、図3
(b)は同実施例の連通手段の閉鎖手段を開封したとき
の状態を示す断面図、図4は本発明による複数の室を有
する医療用容器の第二実施例を示す模式正面図、図5は
本発明による複数の室を有する医療用容器の第三実施例
を示す模式正面図、図6は第一実施例に用いた口元部を
有する連通手段の断面図、図7は第三実施例に用いた口
元部を有する連通手段の断面図、図8は従来の医療用容
器を示す模式正面図である。
【0017】本発明による複数の室を有する医療用容器
の第一実施例を図1に示す。本医療用容器1は、チュー
ブ状の柔軟なシートの両端周縁が密封されて成る第一室
2と第二室3が隔離帯4をはさんで連結し一体化してい
る。医療用容器1の一端に第一室2と第二室3をつなぐ
第一連通手段6を設け、さらに医療用容器1の他端に第
一室2と第二室3をつなぐ第二連通手段9が設けられて
いる。また、図6に示すように、第一連通手段6及び第
二連通手段9はそれぞれ口元部7及び口元部10を有し
ている。また、第一連通手段6の第二室側には閉鎖手段
8が、第二連通手段9の第一室側には閉鎖手段15が設
けられており、それぞれの連通手段の通路は遮断された
状態にあり、第一室2と第二室3は確実に隔離されてい
る。
【0018】この医療用容器1の口元部7より内容物A
を第一室2に注入することができ、口元部10より内容
物Bを第二室3に注入することができる。そしてこの医
療用容器1の内容物A及びBを患者に投与するときに
は、まず、閉鎖手段8及び閉鎖手段15を開封し、輸液
セット等を口元部7または口元部10に接続する。ま
た、他の薬液を医療用容器1内に注入するには、輸液セ
ット等を接続していない口元部7または口元部10から
容易に実施することができる。すなわち、本医療用容器
1は、上下対象になっており、例えば口元部7に輸液セ
ットを接続して排出口として使用するときは、口元部1
0は混注口として使用できる。また、第一連通手段6又
は第二連通手段9をハンガー等に引っ掛けて、医療用容
器1を吊り下げて使用することができる。
【0019】本図の医療用容器は2室から成るが、室数
は用いる内容物の種類に応じて決定されるものであり、
所望により設定すればよい。室数に関係なく本発明の容
器は機能するからである。
【0020】室中へ収納する内容物については後述する
が、本発明では医療用の薬剤に限らず、相互に反応し易
い内容物を好適に収納できる。特に、医療用の薬液バッ
グに本発明を適用することにより、オートクレーブ滅菌
および経時変化による内容物の変質を防止できるだけで
なく、病院内での薬液混合時の細菌による汚染を防止す
る効果が期待でき、さらに、製造方法を選定することに
より、バッグ内、すなわち、容器内の清浄度の向上を図
ることが容易にできるので、本発明の効果が最も期待で
きる適用例と言えるものである。
【0021】閉鎖手段8は種々の形態をとりうる。閉鎖
手段の一実施例の具体的な形態を図2(a)に示す。閉
鎖手段8は管体部11と栓部12で構成されており、容
器外部からの操作で栓12を折り切ることにより管体部
11の通路を開くことができる。そのときの状態を図2
(b)に示す。さらに、閉鎖手段の別の実施例の具体的
な形態を図3(a)に示す。閉鎖手段8は一端が閉止さ
れている管体13に一部に管体の壁厚の薄い部分14を
設けており、容器外部からの操作で壁厚の薄い部分14
を折り切ることにより管体13の通路を開くことができ
る。そのときの状態を図3(b)に示す。閉鎖手段8の
その外の形態は種々考えられるが、容器外部からの操作
で開封可能な構造であれば、どのような構造のものでも
用いることができる。
【0022】次に、本発明による複数の室を有する医療
用容器の第二実施例を図4に示す。本医療用容器21
は、チューブ状の柔軟なシートの両端周縁が密封されて
成る第一室2と第二室3が隔離帯4をはさんで連結し一
体化している。また、本医療用容器21の上端部には懸
垂口5が設けられ、ハンガー等に吊り下げられるように
なっている。また、医療用容器21の下端部には口元部
27と口元部29が取り付けられている。第一室2と第
二室3の口元部側に当たる下端部には第一連通手段26
が取り付けられ、懸垂口部側に当たる上端部には第二連
通手段32が取り付けられている。また、第一連通手段
26には閉鎖手段28が設けられており、第二連通手段
32には閉鎖手段33が設けられており、それぞれが第
一室2と第二室3をつなぐ連通手段の連通路を遮断して
いる。
【0023】この医療用容器21は、使用直前に開封手
段28と開封手段33が開封される。開封後、ハンガー
に懸垂口5を引っ掛けて医療用容器21を吊り下げる
と、第一室2の内容物の上部の空間と第二室の内容物の
上部の空間は、第二連通手段32によって繋がっている
ので容易に第一室2と第二室3の内容液の液面の高さは
同じになる。さらに、第一室の内容物の排出速度と第二
室の内容物の排出速度に影響を及ぼすそれぞれの内容物
の上部空間は第二連通手段32で繋がることにより上部
空間のそれぞれの空気は自由に往来できるので、容器の
柔軟性や形状からくる潰れ難さに影響を受けることがな
い。それで、第一室2の内容物と第二室3の内容物の排
出速度の比は、排出開始から終了までの間、常にほぼ一
定に保たれる。また、医療用容器21は第一室2と第二
室3の横幅の比は、同じ液面高さの位置では常に同じ比
になるように作製されている。このように設計すること
により、第二室3の内容液が第一室2に流れ込む量と口
元部29から排出される量の比は、排出開始から終了ま
で常に同じ比になるので、患者に投与される第一室2の
内容液と第二室3の内容液の混合比率は常に一定にな
る。
【0024】更に、排出される内容液の混合比率を排出
開始から終了まで、より良く常に一定にするためには、
第一実施例と同様に、第一連通手段に排出口部を設ける
と良い。この形態を本発明の第三実施例として図5に示
した。医療用容器31の第一室2と第二室3をつなぐ第
一連通手段36が容器内に設置され、そして図7に示す
ように、第一連通手段36の連通路に通じている口元部
37が容器端部に存在している。また、第一連通手段3
6の第二室側端部に閉鎖手段38が設けられており、第
一室2と第二室3は確実に隔離されている。
【0025】この医療用容器31は、容器の外部からの
操作により、閉鎖手段38及び閉鎖手段43を開封する
ことにより、第一室2と第二室3は連通される。このと
き、第一室2と第二室3では、それぞれの内容液が少し
ずつ流れ込み一部混合されるが、完全に混合されること
はない。それで、図8に示すような従来の容器のように
連通手段と口元部が別々の部位に存在していると、第一
室で一部混合された内容液を排出することになる。第一
室の一部混合された内容液が口元部より排出されるにし
たがって、第二室の内容液が第一室に流れ込み、第一室
の連通手段の近傍でそれぞれの内容液が混合されること
になる。しかし、第一室の内容物と第二室の内容物の比
重が大きく異なると、口元部からは混合された内容液と
第一室の混合されていない内容液を不均一に取り込んで
排出されやすいので、混合比率は一定になり難かった。
これに対して、本発明の医療用容器31は第二室3の内
容液は第一室2に流れ込んで第一室2内でそれぞれの内
容液が混合されるのではなく、第一室2の内容液は連通
手段36から口元部37を経て排出され、また、第二室
3の内容液も同様に連通手段36から口元部37を経て
排出される。すなわち、口元部でそれぞれの内容液が混
合されて排出されることになる。そこで、第二連通手段
を設けて、さらに第一連通手段に排出口部を設けること
により、第一室の内容物と第二室の内容物の比重が大き
く異なっても、口元部37に流れ込む第一室2の内容液
と第二室3の内容液の量の比率は常にほぼ一定になるの
で、口元部37から排出される内容液の混合比率を常に
ほぼ一定にすることができる。
【0026】また、医療用容器31では第一室2には液
体の内容物を封入し、第二室3には粉末状の内容物を封
入することもできる。閉鎖手段38と閉鎖手段43を開
封し、第一室2の液体の内容物の一部を第二室3に移動
させ、第二室3内で粉末状の内容物を溶解し、その後は
上述した方法と同様にして患者に投与することができ
る。
【0027】次に、本発明の容器の製造方法について説
明する。第一室2及び第二室3は、チューブ状のプラス
チックシートで構成されている。射出成形された口元部
7を有する第一連通手段6と、別に射出成形により成形
された閉鎖手段8の成形物を溶着したものをチューブ状
のプラスチックシートに溶着する。さらに、同様にし
て、チューブ状のプラスチックシートの他端に、射出成
形された口元部を有する第二連通手段9と別に射出成形
により成形された閉鎖手段15の成形物を溶着したもの
を接着する。また、隔離帯4は熱溶着されて第一室2と
第二室3を隔離する。
【0028】プラスチックシートの材料としては、製法
上からくる制約は殆ど無く、安全性が高く廉価なポリオ
レフィン系樹脂はもちろんのこと、変性ポリオレフィン
系樹脂、ポリエステル系樹脂等容器の目的に適した樹脂
を選定することができる。
【0029】プラスチックシートは、インフレーション
成形、カレンダ成形、Tダイ押出成形等により成形され
る。これらの成形法により、単層あるいは多層のシート
を作製することができる。ここでは、インフレーション
成形により作製されたシートを用いる場合について説明
する。まず、インフレーションチューブの両端開口部の
シールおよび隔離帯4を熱溶着によりシールを行い、第
一室2と第二室3を形成する。次に第一室2及び第二室
3と口元部7及び閉鎖手段8を有する第一連通手段6を
熱溶着する。更に、インフレ−ションチュ−ブの他端
に、口元部10を有する第二連通手段9を熱溶着して容
器を作製する。
【0030】次に、容器内に収納する内容物について説
明する。内容物の種類は複数であって、相互に反応を起
こし易い成分をそれぞれ含有しているものが対象とな
る。ここで、反応を起こし易いとは、主にある化学物質
が他の化学物質と接触すると化学反応を生起しやすいこ
という。反応を生起する物質としては、ブドウ糖とアミ
ノ酸、水溶媒と各種ビタミン、でんぷんや蛋白質と各種
酵素、金属イオンとキレート剤、不飽和脂肪酸と金属イ
オン及び酵素、酸とアルカリ、水溶媒と塩、水溶媒と抗
生物質あるいは抗癌剤等であり、関与する反応として
は、メイラード反応、加水分解反応、酸化反応、還元反
応、各種酵素反応等を挙げられる。
【0031】本発明では、内容物の混合を容器内で完全
に行わなくとも均一な混合比率の内容物を患者に投与す
ることができ、また、一つの室に各室の内容物を集めて
混合するという操作が必要でないので容器全体の大きさ
が小さくてすむ。この観点から具体例を挙げれば、クロ
ーズド医療システムに用いられる高カロリー輸液剤にお
ける高カロリー輸液用基本液又は高張ブドウ糖液とアミ
ノ酸液、エレメンタルダイエットにおける粉末状の薬剤
と溶液の薬剤等を例示しうる。これらの内容物は、通
常、一液製剤として加熱滅菌にかけると内容成分が変質
あるいは変色し易く、また保存中に同様に変質等を起こ
し易い。一方、混合を密閉系の状態で実施しない場合
は、調剤ミスや汚染等の問題が発生し易い。
【0032】以下の実験例をあげて本発明の効果を確認
した。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いてインフレ
ーション成形により、折り径250mmで肉厚0.25mm
のインフレーションチューブを作製した。このインフレ
ーションチューブを図1に示すような端部シールと隔離
帯4を加熱し熱溶着した。別に、直鎖状低密度ポリエチ
レンを用いて射出成形により図1に示す口元部7を有す
る第一連通手段6と閉鎖手段8及び口元部10を有する
第二連通手段9と閉鎖手段15の成形物を作成した。こ
の第一連通手段6と閉鎖手段8を熱溶着したものを、端
部シールされたインフレーションチューブの一端に溶着
し、さらに、第二連通手段9と閉鎖手段15を熱溶着し
たものを、端部シールされたインフレーションチューブ
の他端に溶着し医療用容器1を作製した。
【0033】次に、同様にして、図4に示す医療溶容器
21と図5に示す医療用容器31と図8に示す従来の医
療用容器41を作製した。
【0034】医療用容器1と医療用容器21と医療用容
器31と医療用容器41の第一室に高カロリー輸液の基
本液600mlを、第二室にアミノ酸輸液300mlを封入
した。このとき、アミノ酸輸液に着色剤を加えて着色さ
せておいた。この内容物入り医療用容器1と医療用容器
21と医療用容器31と医療用容器41を110度で4
0分間高圧蒸気滅菌をした後、容器の外部からの操作に
より各連通手段の閉鎖手段を破壊し、各内容物入りの医
療用容器をガードル台に吊り下げ、口元部に輸液セット
を接続した。輸液セットから排出される薬液の着色剤の
濃度の変化を、排出開始から終了までの間観測した。そ
の結果、医療用容器1と医療用容器31では、排出開始
から終了まで排出された薬液の着色剤の濃度はほぼ一定
であり,医療用容器21も医療用容器31に比べると排
出開始から終了までの間で若干のばらつきがあったが、
医療用容器41に比べると遥に安定していた。これらに
対して、医療用容器41では排出開始の頃の排出された
薬剤の着色剤の濃度は低かったが、排出の終了に近付く
につれて排出された薬剤の着色剤の濃度が高くなった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の医療用容器
は、複数の室に封入されている内容物を一つの室に集め
て混合する必要がなく、排出される内容物は、複数の内
容物の混合比率が常にほぼ一定であり、コンパクトな医
療用容器を提供できる。また、非常に反応し易い成分を
含む内容物や、安定保存できる環境が異なる(例えば、
最も安定な状態で存在できる溶液のpH値が異なる場
合)内容物でも、混合と同時に排出し患者等に投与でき
るので、各内容物を最も安定な状態で患者等に投与でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数の室を有する医療用容器の第
一実施例を示す模式正面図である。
【図2】(a)は連通手段に設けられた開封可能な閉鎖
手段の一実施例を示す断面図であり、(b)は同実施例
の連通手段の閉鎖手段を開封したときの状態を示す断面
図である。
【図3】(a)は連通手段に設けられた開封可能な閉鎖
手段の他の実施例を示す断面図であり、(b)は同実施
例の連通手段の閉鎖手段を開封したときの状態を示す断
面図である。
【図4】本発明による複数の室を有する医療用容器の第
二実施例を示す模式正面図である。
【図5】本発明による複数の室を有する医療用容器の第
三実施例を示す模式正面図である。
【図6】第一実施例に用いた口元部を有する連通手段の
断面図である。
【図7】第三実施例に用いた口元部を有する連通手段の
断面図である。
【図8】従来の医療用容器を示す模式正面図である。
【符号の説明】
1,21,31, 医療用容器 2 第一室 3 第二室 4 隔離帯 5 懸垂口 6 第一連通手段 7 口元部 8 閉鎖手段 9 第二連通手段 10 口元部 11 菅体部 12 栓部 13 菅体部 14 壁厚の薄い部分 15 閉鎖手段 26 第一連通手段 27 口元部 28 閉鎖手段 29 口元部 32 第二連通手段 33 閉鎖手段 36 第一連通手段 37 口元部 38 閉鎖手段 41 従来の医療用容器 42 第二連通手段 43 閉鎖手段 56 連通手段 57 口元部 58 閉鎖手段 59 口元部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に口元部を有し他端に懸垂口部を有
    し前記口元部側の端部から前記懸垂口部側の端部にかけ
    て存在する隔離帯により第一室と第二室とに分割された
    可撓性容器であって、前記口元部側の端部近傍に前記第
    一室と前記第二室の連通を可能とする第一連通手段を有
    し、前記懸垂口部側の端部近傍に前記第一室と前記第二
    室の連通を可能とする第二連通手段を有し、前記第一連
    通手段及び前記第二連通手段にはそれぞれ開封可能な閉
    鎖手段が設けられており、前記2ヶの閉鎖手段を開封し
    容器を垂下した状態で前記第二連通手段が前記第一室及
    び前記第二室の内容物の上面よりも上の空間に存在する
    ように前記第二連通手段が設けられていることを特徴と
    する医療用容器。
  2. 【請求項2】 前記第一連通手段に前記口元部が設けれ
    ていることを特徴とする請求項1の医療用容器。
JP5133836A 1993-05-10 1993-05-12 医療用容器 Pending JPH06319783A (ja)

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JP5133836A JPH06319783A (ja) 1993-05-12 1993-05-12 医療用容器
US08/239,133 US5509898A (en) 1993-05-10 1994-05-06 Container for therapeutic use
DE1994612695 DE69412695T2 (de) 1993-05-10 1994-05-09 Zweikammer Behälter mit Mischvorrichtung
EP19940303335 EP0624358B1 (en) 1993-05-10 1994-05-09 Container with two compartments and mixing device

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045466A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Dainippon Printing Co Ltd 複数の収納部と複数の注出具を有する包装用袋
JP2007144231A (ja) * 2007-03-15 2007-06-14 Terumo Corp 複室容器

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