JPH06319711A

JPH06319711A - 携帯型心電計

Info

Publication number: JPH06319711A
Application number: JP5111491A
Authority: JP
Inventors: Hisahiro Fujita; 久寛藤田
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1993-05-13
Filing date: 1993-05-13
Publication date: 1994-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】２段表示により診断の能率化を図る。【構成】患者に装着した電極１からの心電図データ
を、ＣＰＵ４で演算し、心電図データや演算結果をＲＡ
Ｍ６に格納し、数値,グラフとして液晶表示部８に表示
する。発作を自覚した患者が押すイベントスイッチ１０
と、選択キー９を備える。ＣＰＵ４が、心電図データに
基づいて心拍数を算出し、期外収縮等の不整脈を検出
し、また、イベントスイッチ１０が押される時点から所
定時間遡った時間までの心電図,心拍数,各不整脈のデー
タを、時刻情報と共にＲＡＭ６にメモリループ方式で更
新格納し、イベントスイッチが押されてから所定時間内
の上記各データを時刻情報と共にＲＡＭ６に格納し、さ
らに、ＲＡＭに格納したデータに基づき、心電図の波形
と共に、上記選択キーで選ばれた心拍数または各不整脈
のうちのいずれかのグラフを、時刻を対応付けて液晶表
示部８に表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、患者が常時装着し、動
悸,胸痛などの症状を自覚した時にイベントスイッチを
押すことで、その前後数分間の心電図,心拍数等のデー
タを記憶し、かつ表示する携帯型心電計に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、携帯型心電計としては、イベント
記録のために自覚症状の前後数分間に亘って心電図デー
タを記憶し、液晶表示画面に心電図波形として表示する
ものがあり、医師が、その自覚症状が心臓疾患に由来す
るものか否かを定性的に診断するのに用いられている。
また、携帯型心電計として、心電図データから一心拍の
区切りとなるＲ波の頂点の時間間隔を求め、その逆数か
ら心拍数を算出して、その心拍数を、患者の自覚症状の
有無に関係なく２４時間に亘って連続的に記憶し、心拍
数のトレンドグラフとして表示するものがあり、医師に
よる心臓疾患の定量的診断に用いられている。

【０００３】しかし、上記後者の携帯型心電計は、患者
が自覚症状を感じたときの心拍数データ(イベントデー
タ)でないため、必ずしも診断に役立たず、発作などで
偶然イベントデータが取れたとしても、この心拍数デー
タのグラフを、上記前者の携帯型心電計による心電図波
形と共に、液晶表示画面に表示することができない。そ
のため、医師は、上記２つの携帯型心電計を併用、ある
いは表示画面を心電図波形と心拍数グラフとに交互に切
り換えながら、時間軸を目安に両グラフに見られる異常
箇所を対応付けつつ、心臓疾患の診断を行なわざるをえ
ず、それ故、迅速で的確な診断ができないという問題が
あった。

【０００４】そこで、上記問題を解消すべく、本出願人
は、未公開ではあるが、自覚症状の前後数分間に亘って
心電図データと心拍数データをメモリループ方式で更新
記憶して、心電図波形および心拍数グラフとして表示画
面に時間軸を揃えて２段で表示する携帯型心電計を提案
した(特願平３−３２１８２１号)。この携帯型心電計の
液晶表示画面は、図８に示すように、表示画面を心拍数
グラフ２９と心電図波形３０との上下２段表示,または
心電図波形３０のみの表示に切り換える表示切換キー２
１と、表示画面を１画面単位;１心拍単位で夫々左,右に
移動させるスキップキー２３;スクロールキー２４と、
２段表示が重なる際に倍率を変更する倍率変更キー２５
を備えている。図示の２段表示では、画面上部に横方向
にイベントスイッチが押された時点を中心として前後１
分間ずつの時間軸２７が、左端の縦軸に心拍数２８が夫
々目盛られ、時刻を揃えて心拍数のトレンドグラフ２９
と心電図波形３０が表示される。なお、スクロールキー
２４等によるグラフの移動に応じて移動するカーソル２
６が時間軸２７に設けられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、本出願人の
提案に係る上記携帯型心電計は、心拍数の経時変化の他
にも不整脈等の心臓疾患の診断に有効な情報があるにも
拘わらず、心電図波形と共に表示できるのは、心拍数グ
ラフだけであるため、総ての心臓疾患を正確に診断し、
診断の能率を上げることが難しいという問題がある。そ
こで、本発明の目的は、心電図データを解析して求めら
れる期外収縮,頻脈,徐脈等の不整脈に関する情報をも記
憶し、心電図波形とともに表示させることによって、心
臓疾患を正確かつ迅速に診断できる携帯型心電計を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の携帯型心電計は、患者に装着した電極の検
出信号から得られる心電図データを、演算処理部によ
り、演算するとともに、上記心電図データや演算結果を
記憶部に格納し、数値,グラフとして表示部に表示する
ものにおいて、心臓疾患症状を自覚した患者によって押
されるイベントスイッチと、選択キーと、上記記憶部へ
のデータの格納を制御するデータ格納制御部と、上記表
示部でのデータの表示を制御するデータ表示制御部を備
え、上記演算処理部は、上記心電図データに基づいて、
心拍数を算出するとともに期外収縮,頻脈,徐脈等の不整
脈を検出する一方、上記データ格納制御部は、上記イベ
ントスイッチが押されるまでは、所定時間遡った時点か
ら現時点までの上記心電図,算出された心拍数および検
出された不整脈のデータを、時刻情報と共に上記記憶部
にメモリループ方式で更新格納し、上記イベントスイッ
チが押されてからは、所定時間内の上記心電図,心拍数
および不整脈のデータを時刻情報と共に上記記憶部に格
納し、上記データ表示制御部は、上記記憶部に格納され
たデータに基づき、心電図の波形と共に、上記選択キー
で選ばれた心拍数,期外収縮,頻脈,徐脈のうちのいずれ
かのグラフを、互いに時刻を対応付けて上記表示部に表
示させるようになっていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】演算処理部は、患者に装着した電極の検出信号
から得られる心電図データを、演算するとともに、この
心電図データに基づいて心拍数を算出し、かつ期外収
縮,頻脈,徐脈等の不整脈を検出する。いま、心臓疾患症
状を自覚した患者がイベントスイッチを押すと、データ
格納制御部は、その時点から所定時間遡った時点までメ
モリループ方式で記憶部に時刻情報と共に更新格納して
きた心電図,算出された心拍数,検出された不整脈のデー
タを固定するとともに、その時点から所定時間内の同様
のデータを上記記憶部に時刻情報と共に格納する。次
に、データ再生時に医師等が選択キーにより心拍数,期
外収縮,頻脈,徐脈のうちのいずれかを選ぶと、データ表
示制御部は、上記記憶部に格納されたデータに基づき、
選ばれたデータのグラフを心電図の波形と共に、互いに
時刻を対応付けて表示部に表示させる。こうして、医師
等は、表示部の同じ画面上で発作時の心電図波形と一緒
に、心拍数のトレンドグラフのみならず、種々の不整脈
に関するトレンドグラフを同時に見ることができる。従
って、心拍数や種々の不整脈から心臓疾患の有無を判断
した後、有と判断した付近の心電図波形を素早く精査す
ることで、診断時間の短縮および簡便で効果的な診断を
実現できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図１は、携帯型心電計の一実施例を示すブロッ
ク図であり、同図において、１は患者に装着する体表面
電極、２はこの電極１で検出された心電図信号を増幅す
る心電増幅器、３は増幅されたアナログの心電図信号を
ディジタルの心電図データに変換するＡ／Ｄ変換器、４
は各ブロックを制御するとともに、心電図データを解
析,演算する演算処理部および後述するデータ格納制御
部とデータ表示制御部を兼ねるＣＰＵ、５は解析,演算
のプログラムを格納するＲＯＭ、６はワーキングメモリ
およびユーザメモリの役目を果たすＲＡＭである。ま
た、７はＣＰＵ４で制御されて上記データ表示制御部の
一部をなす液晶ドライバ、８は微細な液晶表示素子を縦
横にマトリックス状に配置して、各種のデータを数値,
グラフ,波形のいずれでも表示しうる液晶表示部、９は
測定,再生,中止の指令を入力する各キー、画面を移動さ
せ,表示内容や倍率を切り換える各キー及び後述する選
択キーからなり液晶表示部８の周縁に設けられるタッチ
キー群、１０は動悸や胸痛などの心臓疾患症状を自覚し
た患者によって押されるイベントスイッチである。

【０００９】上記ＣＰＵ４は、測定キーが押された場
合、データ格納制御部として、上記イベントスイッチ１
０が患者によって押されるまでは、Ａ／Ｄ変換器３でサ
ンプリングされた心電図データを時刻情報と共にＲＡＭ
６の領域Ａ(図２参照)に１分間のメモリループ方式で一
時的に格納し(図４のＳ３参照)、演算処理部として、格
納した心電図データから一心拍の区切りとなるＲ波の頂
点の時間間隔の逆数を求めて心拍数を算出し(同Ｓ５参
照)、算出した心拍数を時刻情報と共にＲＡＭ６の領域
Ｃ(図２参照)に同様の方式で一時的に格納する(図４の
Ｓ６参照)。また、演算処理部として、上記領域Ａに格
納した心電図データを解析して、期外収縮,頻脈,徐脈,
その他重篤な不整脈などの不整脈がないか否かを判断し
(同Ｓ７参照)、これらの不整脈を検出した場合は、デー
タ格納制御部として、そのデータを強度等として時刻情
報と共に不整脈の種類に応じてＲＡＭ６の領域Ｅ,Ｇ,
Ｉ,Ｋ(図２参照)に夫々同様の方式で一時的に格納する
(図４のＳ８参照)。

【００１０】そして、イベントスイッチ１０が押される
と、ＣＰＵ４は、メモリループ方式の更新格納を停止
し、各領域Ａ,Ｃ,Ｅ,Ｇ,Ｉ,Ｋの格納データを固定する
ので、イベントスイッチ１０が押された時点から遡って
１分間の各データがＲＡＭ６に記憶されることになる。
次に、ＣＰＵ４は、演算処理部およびデータ格納制御部
として、イベントスイッチ１０が押されてからの１分間
内の上記心電図,心拍数および各不整脈のデータを、時
刻情報と共にＲＡＭ６の対応する領域Ｂ,Ｄ,Ｆ,Ｈ,Ｊ,
Ｌ(図２参照)に格納する(図４のＳ９,Ｓ１１〜Ｓ１９参
照)。かくて、ＲＡＭ６には、図２に示すように、心臓
発作の前後１分間ずつの心電図,心拍数,各不整脈のデー
タつまり１回分のイベント記録が行なわれたことにな
る。

【００１１】一方、上記ＣＰＵ４は、再生キーが押され
た場合(図５のＳ２１参照)、液晶ドライバ７と共にデー
タ表示制御部として、上記ＲＡＭ６に格納された諸デー
タに基づき、表示切換キー１１(図３参照)が心電図波形
とグラフとの２段表示に切り換えられたとき(図５のＳ
２４)、選択キー１２(図３参照)で選ばれた心拍数,期外
収縮,頻脈,徐脈,その他重篤な不整脈のうちのいずれか
のトレンドグラフを、互いに時刻を対応付けて液晶表示
部８に表示させるようになっている(図５のＳ２５,２６
参照)。

【００１２】液晶表示部８は、図３に示すように、操作
キー１３,１４をカーソル操作または波形操作のいずれ
に用いるかを選択する機能選択キー１１と、このキー１
１でカーソル操作が選ばれると「波形」 ,波形操作が選
ばれると「倍率」の文字が夫々表示され、「波形」を押
すことでカーソル１６の示す時刻付近の波形が表示で
き、「倍率」を押すことで表示倍率が調整できる操作切
換キー１５と、上記選択キー１２を有する。なお、機能
選択キー１１は、カーソル操作が選ばれると「トレン
ド」と,波形操作が選ばれると「波形」と夫々表示され
る。図３は、機能選択キー１１でカーソル操作が、選択
キー１２で期外収縮が夫々選択されて、操作切換キー１
５が押された状態を示しており、液晶表示部８の画面上
部に横方向にイベントスイッチが押された時点を中心と
して前後１分間ずつの時間軸１７が、左端の縦軸に期外
収縮の強度１８が夫々目盛られ、期外収縮のトレンドグ
ラフ１９とカーソル１６の示す時刻付近の心電図波形２
０が時刻を対応付けて上下２段に表示される。

【００１３】上記構成の携帯型心電計の動作を、ＣＰＵ
４を中心として図４〜図７のフローチャートを参照しつ
つ、次に述べる。図４で電源が投入されると、ＣＰＵ４
による制御動作が開始する。患者に装着された電極１で
検出され、心電増幅器２で増幅された心電図信号は、Ａ
／Ｄ変換器３で心電図データに変換されてＣＰＵ４に入
力される。ＣＰＵ４は、ＲＯＭ５から取り込んだプログ
ラムに従って、まずステップＳ１で、タッチキー群９の
測定キーが押されたか否か判断し、肯と判断すれば、ス
テップＳ２〜Ｓ２０(図５参照)のデータ測定,記録のル
ーチンを実行する一方、否と判断すれば、ステップＳ２
１〜Ｓ２９(図５参照)のデータ再生のルーチンを実行す
る。通常、最初に測定キーが押されるので、ＣＰＵ４
は、ステップ２に進んで、Ａ／Ｄ変換器３を制御し、心
電図データを一定時間毎にサンプリングして取り込む。
次いで、ステップＳ３で、取り込んだ心電図データをＲ
ＡＭ６の対応する記録領域Ａ(イベント前１分間用)に、
常に現時点から１分間まで遡る最新のデータが格納され
るようにメモリループ方式で時刻情報と共に更新記録す
る。

【００１４】ステップＳ４では、ＣＰＵ４は、上記格納
された心電図データの波形認識処理を行ない、一心拍の
区切りとなるＲ波頂点に相当するデータを捜し出す。こ
れは、例えば、ある時点の心電図データが、それ以前の
最大値の７割を超え,かつ極大点であるか否かを判定す
ることで行なわれる。そして、Ｒ波頂点と判定されれ
ば、ステップＳ５に進む一方、そうでなければ、ステッ
プＳ９に飛んで、イベントスイッチが押されたか否かを
判断し、否なら、ステップＳ１０に進んで、中止キーが
押されたか否かを判断し、否なら、ステップ２に戻って
それ以降Ｓ１０までの処理が繰り返される。さて、ステ
ップＳ５では、ＣＰＵ４は、相隣るＲ波頂点の時間間隔
(その間のサンプリング数×サンプリング時間間隔)の逆
数から心拍数を算出して、ステップＳ６で、これをＲＡ
Ｍ６の対応領域Ｃ(図２参照)に上述と同じくメモリルー
プ方式で時刻情報と共に格納する。続いて、ステップＳ
７で、ＣＰＵ４は、上記格納された心電図データから、
不整脈の自動解析機能により期外収縮,頻脈,徐脈,その
他重篤な不整脈があるか否かを検出し、不整脈が検出さ
れれば、ステップＳ８で、不整脈の種類に応じたＲＡＭ
６の領域Ｅ,Ｇ,Ｉ,Ｋに強度データ等としてメモリルー
プ方式で時刻情報と共に格納する。

【００１５】ステップＳ１０で中止キーが押されたと判
断すれば、最初のステップＳ１に戻る一方、ステップＳ
９でイベントスイッチが押されたと判断すれば、ＲＡＭ
６の各イベント前１分間用領域Ａ,Ｃ,Ｅ,Ｇ,Ｉ,Ｋに格
納してきたデータの更新を停止し、データ内容を固定し
た後、ステップＳ１１(図５参照)に進む。ステップＳ１
１〜Ｓ１７の処理は、格納がメモリループ方式でなく、
心電図,心拍数,期外収縮,頻脈,徐脈,その他重篤な不整
脈の各データについてのＲＡＭ６の格納領域が夫々イベ
ント後１分間用の領域Ｂ,Ｄ,Ｆ,Ｈ,Ｊ,Ｌ(図２参照)で
ある点を除いて、図４で述べたＳ２〜Ｓ８の処理と同一
であるので、説明を省略する。そして、ステップＳ１８
で、イベントスイッチが押されてから所定時間(本実施
例では１分間)が経過したか否かを判断し、否なら、ス
テップＳ１１に戻って上述の処理を繰り返す一方、肯な
ら、ステップＳ１９に進んで、イベントスイッチ押下毎
のイベント記録を規定回数行なったか否かを判断する。
そして、終了したと判断すれば、ステップ２０に進ん
で、電源を自動的にオフにして制御動作を終わる一方、
終了しないと判断すると、ステップＳ２に戻って、規定
回数のイベント記録が終わるまでＳ２〜Ｓ１９の処理を
繰り返す。

【００１６】ステップＳ１０,Ｓ２９で中止キー押下と
判断されると、処理はステップＳ１に戻るが、この場
合、通常ステップＳ１の判断が否となって、タッチキー
群９(図１参照)の再生キーが押されたか否かを判断する
ステップＳ２１(図５参照)に進む。ステップＳ２１で、
再生キーが押されたと判断すると、ＣＰＵ４は、ステッ
プＳ２２つまり図６に示す波形表示のサブルーチンに進
む。そして、図６のステップＳ２２-１で、ＲＡＭ６か
ら１画面分の心電図データを読み込み、ステップＳ２２
-２で、心電図データを波形表示データに変換し、ステ
ップＳ２２-３で、この表示データを液晶ドライバ７に
送って、ステップＳ２２-４で、液晶表示部８に心電図
波形として表示させる。次いで、ＣＰＵ４は、ステップ
Ｓ２３で、タッチキー群９の操作キー１３,１４(図３参
照)で波形スクロールが指令されたか否かを判断し、肯
と判断すれば、ステップＳ２２に戻って、スクロール後
のデータを用いて上述の波形表示サブルーチンＳ２２-
１〜２２-４を行ない、心電図波形を表示する。

【００１７】一方、上記ステップＳ２３で否と判断すれ
ば、ステップＳ２４に進んで、機能選択キー１１(図３
参照)でカーソル操作が選ばれて,キー表示が「トレン
ド」になり、２段表示を行なうか否かを判断する。そし
て、肯と判断すれば、ＣＰＵ４は、ステップＳ２５で、
選択キー１２(図３参照)により心拍数,期外収縮,頻脈,
徐脈,その他重篤な不整脈のうちのいずれが選ばれたか
を判断し、選ばれた事項についてのステップＳ２６の処
理つまり図７に示すトレンド表示のサブルーチンに進
む。そして、図７のステップＳ２６-１で、選ばれた事
項に対応するＲＡＭ６の領域Ｃ,Ｄ;Ｅ,Ｆ;Ｇ,Ｈ;Ｉ,Ｊ;
Ｋ,Ｌのいずれかからトレンドデータを読み込み、ステ
ップＳ２６-２で、トレンドデータを、心電図波形２０
(図３参照)と２段をなして,画面の上端に細長く伸びる
グラフ１９(図３参照)の形の表示データに変換し、ステ
ップＳ２６-３で、心電図波形とトレンドグラフの両表
示データを重ね合わせて液晶ドライバ７に送って、ステ
ップＳ２６-４で、液晶表示部８に心電図波形と選択さ
れたトレンドグラフを２段表示させる。

【００１８】つぎに、ＣＰＵ４は、ステップＳ２７で、
液晶表示部８の画面上の操作キー１３,１４(図３参照)
が押されたか否かを判断し、肯と判断すれば、ステップ
Ｓ２８に進んで、押し具合に応じて画面の時間軸１７に
沿ってカーソル１６を移動させてから、ステップＳ２８
に進む。ステップＳ２８では、画面上の「波形」と示さ
れている操作切換キー１５が押されたか否かを判断し、
肯と判断すれば、ステップＳ２２の波形表示のサブルー
チン(図６参照)に戻って、トレンドグラフ１９(図３の
例では、期外収縮:ＰＶＣ)の時間軸１７上で移動後のカ
ーソル１６が示す時刻付近の心電図波形２０を表示させ
る。一方、上記ステップＳ２４で２段表示をしない、ス
テップＳ２７でカーソルを移動させない、ステップＳ２
８で指示時刻付近の波形表示をしないと判断した場合
は、いずれもステップＳ２９に進んで、タッチキー群９
(図１参照)の中止キーが押されたか否かを判断する。そ
して、ＣＰＵ４は、否と判断する限り、ステップＳ２２
に戻って、心電図波形のみの表示、あるいは心電図波形
と心拍数または諸不整脈のトレンドグラフとの２段表示
を繰り返し、肯と判断すれば、データ再生のルーチンを
終了して、ステップＳ１に戻るのである。

【００１９】こうして、医師等は、携帯型心電計の液晶
表示部８の同じ画面上で、発作時の心電図波形と一緒
に、心拍数のトレンドグラフのみならず、種々の不整脈
に関するトレンドグラフを選んで時刻が対応付けられた
２段表示で見ることができる。また、トレンドグラフで
問題のある箇所に、カーソル１６を移動させ、その箇所
の心電図波形を表示させて検討することができる。従っ
て、心拍数や種々の不整脈のトレンドグラフから心臓疾
患の有無を判断した後、有と判断した付近の心電図波形
を素早く精査することによって、診断時間の短縮および
簡便で正確かつ効果的な診断を実現することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
携帯型心電計は、患者に装着した電極の検出信号から得
られる心電図データを、演算処理部で演算し、心電図デ
ータや演算結果を記憶部に格納し、数値,グラフとして
表示部に表示するものにおいて、心臓疾患症状を自覚し
た患者によって押されるイベントスイッチと、選択キー
と、データ格納制御部と、データ表示制御部を備え、演
算制御部が、心電図データに基づいて心拍数を算出し、
期外収縮,頻脈,徐脈等の不整脈を検出する一方、データ
格納制御部が、イベントスイッチが押される時点から所
定時間遡った時刻までの心電図,心拍数,上記各不整脈の
データを、時刻情報と共に記憶部にメモリループ方式で
更新格納し、イベントスイッチが押されてから所定時間
内の上記各データを時刻情報と共に記憶部に格納すると
共に、データ表示制御部が、上記記憶部に格納されたデ
ータに基づき、心電図の波形と共に、上記選択キーで選
ばれた心拍数または各不整脈のうちのいずれかのグラフ
を、互いに時刻を対応付けて表示部に表示させるので、
心電図と上記いずれかのトレンドグラフとの２段表示
で、トレンドグラフの経時的な変化に関連づけて心電図
の必要箇所を素早く精査でき、効果的な診断を短時間で
行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の携帯型心電計の一実施例を示すブロ
ック図である。

【図２】上記実施例のＲＡＭの記憶領域を説明する図
である。

【図３】上記実施例の液晶表示部の表示例を示す図で
ある。

【図４】上記実施例のＣＰＵの制御動作の流れを示す
フローチャートである。

【図５】上記実施例のＣＰＵの制御動作の流れを示す
フローチャートである。

【図６】図５のフローチャート中の波形表示サブルー
チンの流れを示す図である。

【図７】図５のフローチャート中のトレンド表示サブ
ルーチンの流れを示す図である。

【図８】従来の携帯型心電計の液晶表示部の表示例を
示す図である。

【符号の説明】

１…電極、４…ＣＰＵ、６…ＲＡＭ、７…液晶ドライ
バ、８…液晶表示部、１０…イベントスイッチ、１２…
選択キー、１７…時間軸、１９…トレンドグラフ、２０
…心電計波形。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所 7638−4ＣＡ６１Ｂ 5/04 ３１４Ｇ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】患者に装着した電極の検出信号から得ら
れる心電図データを、演算処理部により演算するととも
に、上記心電図データや演算結果を記憶部に格納し、数
値,グラフとして表示部に表示する携帯型心電計におい
て、心臓疾患症状を自覚した患者によって押されるイベント
スイッチと、選択キーと、上記記憶部へのデータの格納
を制御するデータ格納制御部と、上記表示部でのデータ
の表示を制御するデータ表示制御部を備え、上記演算処理部は、上記心電図データに基づいて、心拍
数を算出するとともに期外収縮,頻脈,徐脈等の不整脈を
検出する一方、上記データ格納制御部は、上記イベントスイッチが押さ
れるまでは、所定時間遡った時点から現時点までの上記
心電図,算出された心拍数および検出された不整脈のデ
ータを、時刻情報と共に上記記憶部にメモリループ方式
で更新格納し、上記イベントスイッチが押されてから
は、所定時間内の上記心電図,心拍数および不整脈のデ
ータを時刻情報と共に上記記憶部に格納し、上記データ表示制御部は、上記記憶部に格納されたデー
タに基づき、心電図の波形と共に、上記選択キーで選ば
れた心拍数,期外収縮,頻脈,徐脈のうちのいずれかのグ
ラフを、互いに時刻を対応付けて上記表示部に表示させ
るようになっていることを特徴とする携帯型心電計。