JPH06318688A - 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法 - Google Patents

半導体エネルギー線検出器及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06318688A
JPH06318688A JP5107024A JP10702493A JPH06318688A JP H06318688 A JPH06318688 A JP H06318688A JP 5107024 A JP5107024 A JP 5107024A JP 10702493 A JP10702493 A JP 10702493A JP H06318688 A JPH06318688 A JP H06318688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
protective plate
ccd
bump
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5107024A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3315465B2 (ja
Inventor
Masaharu Muramatsu
雅治 村松
Motohiro Suyama
本比呂 須山
Akinaga Yamamoto
晃永 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP10702493A priority Critical patent/JP3315465B2/ja
Publication of JPH06318688A publication Critical patent/JPH06318688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3315465B2 publication Critical patent/JP3315465B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形化し、冷却効率を向上させる。 【構成】 この半導体エネルギー線検出器は、撮像機能
を持つ回路がその一方の面に形成され、他方の面から入
射したエネルギー線を検出するための基板と、基板をそ
の内部に格納すると共に外部との電気的接続をするため
のピンを持つパッケージと、基板を上記一方の面の側か
ら保護するとともに、ピンと基板に形成された回路とを
電気的に接続するための保護板と、基板で発生した熱を
上一方の面の側から放熱するための冷却ブロックとを備
え、基板と保護板とはバンプボンディングされるととも
に、保護板はバンプボンディングされた部分に凹部また
は貫通口が設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線やγ線、あるい
は荷電粒子線などの吸収係数が極めて大きいエネルギー
線の照射に対して有効な、裏面照射型の電荷転送型半導
体エネルギー検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電荷転送素子(CCD)は、アナログ電
荷群を外部からクロックパルスに同期した速度で一方向
に順繰りに送るものであり、一端に出力部を設けておけ
ば、空間情報を時系列信号に変換できる極めて巧妙な機
能デバイスである。しかし、2次元の画像情報を時系列
信号として取り出すには、デバイスの構成上の工夫が必
要である。上記デバイスに光を照射したままで電荷を転
送したのでは、それぞれの場所で光励起された電荷と転
送されてきた電荷とが混じり合って、いわゆるスミアと
呼ばれる現象が発生し、映像信号が劣化する。これを避
けるためには、光を照射している期間(電荷蓄積期間)
と電荷を転送する時間(電荷転送期間)とを時間的に分
けるいわゆる時分割動作が考えられる。この場合、映像
信号が出力される時間は電荷の転送時間内に限られ、映
像信号は間欠的な信号となる。
【0003】一般に、実用的なCCD撮像デバイスとし
ては、フレーム転送(FT)、フル・フレーム転送(F
FT)、インターライン転送(IT)構成の三方式が代
表的であり、このうち計測用としては、主にフル・フレ
ーム転送方式が用いられる。
【0004】以下、フル・フレーム転送方式について説
明する。図7及び8はフル・フレーム転送方式の構成を
示すものであり、図7はその上面図、図8はその要部の
断面図である。図7に示すようにこの方式では、基板に
形成されたチャンネルストップ拡散層1によって電荷転
送のチャンネルが垂直方向に分割され、水平画素数に対
応する画素列を形成する。一方、このチャンネルストッ
プ拡散層1に直交して転送電極群2を配置している。前
述のFT方式では、この電極群は上下2つにグルーピン
グされ、上半分を受光用のCCD、下半分を信号電荷を
一時蓄積するCCDとして使うが、同図に示すフル・フ
レーム転送方式CCDでは蓄積部はない。したがって、
電荷を転送する時間中、即ち読みだし時間中は、シャッ
タを閉じるなどしてCCDに光が入射しないようにしな
ければいけない。なお、垂直方向の4列の画素列の間に
は3本のオーバーフロードレイン5が形成されている。
【0005】図8に示すように、一画素はCCDの一段
分を構成するクロックパルス(φ1〜φ4 )の相数
(4)に対応する数の電極20とチャンネルストップ拡
散層1で囲まれた面積となる。垂直転送クロックパルス
電極群2はクロックパルスφ1 〜φ4 をポリシリコン電
極20に供給する。PSG(リンガラス)による層間絶
縁膜19はポリシリコン電極20の上面に堆積され、こ
の電極20とシリコン基板48上のn−ウェル22との
間にはゲート酸化膜21が介在されている。
【0006】受光領域に光が入射すると、図8に示すよ
うに励起された信号電荷が一つの転送電極(蓄積電
極)、即ち立ち上がったクロックパルスφ1 が加えられ
たポリシリコン電極20下のポテンシャル井戸3に集め
られる。
【0007】光信号を信号電荷に変換する電荷蓄積時間
が終わると、受光領域上にある垂直転送電極群2に与え
られたクロック電圧φ1 〜φ4 が順次立ち上がり、信号
電荷の読み出しが開始される。しかしフル・フレーム転
送CCDにおいては、前述したようにFT−CCDのよ
うな受光部とは別のいわゆる蓄積部というものがない。
このため、信号読み出しを開始する前にシャッタを閉じ
るなどして光信号の入力を遮断しなければ、転送してい
る途中の信号に新たに光信号が混入してくることにな
り、信号純度が低下する。但し、単発現象をとらえる場
合には、信号電荷の転送中に新たな光入力はないと考え
られるから、シャッタ等は必要ない。
【0008】ここで、図7を用いて信号読みだし動作に
ついて説明する。信号電荷は垂直転送用クロックパルス
電極群2に与えられるパルスφ1 〜φ4 によって1行ず
つ下方に送られ、水平読みだしレジスタ6を通して出力
端に転送される。すなわち同図において、まず一番下の
行にある信号電荷が同時に水平読みだしレジスタ6に送
り込まれ、水平方向に高い周波数のクロックφ5 、φ6
で転送され、時系列信号として出力端から読み出され
る。なお、水平転送クロックφ5 、φ6 は水平転送用ク
ロックパルス電極群7から加えられる。このときすでに
次の信号電荷が垂直レジスタの1段下方に移動している
ので、次の垂直転送クロックパルスで水平読みだしレジ
スタ6に入り、出力端に読み出される。このようにし
て、1画面分の信号電荷が全て水平読み出しレジスタ6
を通して読み出されると、シャッタを開き新たな信号蓄
積動作を開始する。以上のように、水平読みだしレジス
タ6は垂直レジスタに比べて高速で動作するので、2相
クロックパルスφ5 、φ6 として高速転送を可能にして
いる。
【0009】ここで、図9(a)にCCDにオンチップ
された読み出し回路の例を、同図(b)に印加クロック
パルスと出力波形の関係を表す例をそれぞれ示す。パル
スの基準点は0Vで、+12Vの振幅である。クロック
φ5 、φ6 の与えられた電極下の領域17、18は水平
レジスタ6の最終部を表している。なお、n−ウェル2
2には+12VDC、アウトプットゲート(OG)13に
は+7VDC、リセットドレイン(RD)16には+12
DC、基板48には+5VDCが加えられている。また、
増幅用のMOSFETのドレイン8には15VDC、ソー
ス9は負荷抵抗を介して接地されている。したがって、
このMOSFETはソースフォロワ回路として動作して
いる。以下、同図(b)を用いて動作を説明する。
【0010】水平レジスタ6によって信号電荷が次々と
読みだし回路に転送される場合、時刻t1 において、ク
ロックパルスφ5 はハイレベルになっているので、クロ
ックφ5 の加えられた電極7の下の領域17にポテンシ
ャル井戸が形成されていて、信号電荷は領域17に転送
されている。次に時刻t2 でクロックφ5 がローレベ
ル、φ6 がハイレベルになるので、クロックφ5 の加え
られた電極7下の領域17におけるポテンシャル井戸は
消え、クロックφ6 の加えられた電極7下の領域18に
ポテンシャル井戸が形成される。したがって、前述の信
号電荷は領域18に転送される。時刻t3 においては、
リセットゲート(RG)15にパルスが加えられるの
で、フローティングディフュージョンアンプ(FD)1
4の電位はRD16の電位である12Vにリセットされ
る。
【0011】時刻t4 では、FD14にまだ信号電荷は
転送されてきていないので、電位はリセット値を維持し
ている。時刻t5 においてはクロックφ6 がローレベル
になるので、水平レジスタ6の最終部の領域18に存在
した信号電荷はOG13に加えられた低いDCバイアス
によって形成されている低いポテンシャル障壁を乗り越
え、FD14に至り、その電位を変化させる。同図
(b)の出力電圧の例でもわかるように、電子が流れ込
んでくるので、クロックφ6 がローレベルになると出力
は下に向かって伸びる。FD14は、配線によってソー
スフォロワ回路(MOSFET)のゲートにつながれて
おり、そのソースからはゲートに入力されたのと同じ大
きさの出力を低インピーダンスで得ることができる。
【0012】このようにフル・フレーム転送方式の特徴
は、蓄積部がなく受光部の面積が大きくとれるので、光
の利用率が高く、したがって計測用など微弱光の用途に
広く用いられる。反面、入射光が転送電極で吸収される
ので、波長が短い青色の光に対する感度低下が著しい。
先に述べたように、図8は典型的な受光部を示すもので
あるが、ポリシリコン電極20が隙間なく表面を覆い、
またそれぞれの電極の分離のため、厚さ数ミクロンにも
及ぶPSG膜19が重ねられている。特に、ポリシリコ
ンは、400nm以下の波長の光や電子を吸収してしま
うので、光電変換に寄与することができない。
【0013】このような光検出器に関しては、基板48
を15μmから20μm程度に薄くして、図10に示す
ように光を裏面から照射するようにしたものがある。光
電変換部はゲ−ト酸化膜21の下に設けられて、ポリシ
リコン電極20が隙間無く覆い、短波長光を吸収してし
まうが、基板48の裏面には薄い酸化膜23の他に障害
物はなく、短波長光に対して高感度が期待できる。この
裏面照射型CCDは0.1nm程度の短波長光まで感度
があり、更に電子衝撃型CCD撮像デバイスにも応用さ
れる。このデバイスは電子衝撃により生じる信号電荷の
増倍作用を利用できるので、高感度撮像デバイスとして
期待される。
【0014】この裏面照射型CCDは新しいタイプのC
CDなので、例は少ないのだが、その製造プロセスの例
としてはつぎのものがある。
【0015】図11(a)は、保護板(サブストレイ
ト)120の断面構造を示したものであり、この保護板
120の材料には焼結セラミックなどが用いられる。保
護板のうち後にウエファのCCDが形成された部分には
貫通した穴27が設けられており、セラミックの部分2
5には金属配線26が施されている。
【0016】図11(b)は、CCD31が形成された
ウエファ130の断面を示したものである。このウエフ
ァ130は、P+ 型ウエファ28にP型エピ層29を成
長させた後、CCD31及びCCD31と外部回路をつ
なぐ金属配線(パッド)32を形成したものである。
【0017】ここで、ウエファ130には、P/P+
エピウエファが用いられ、このエピ層29の比抵抗及び
厚さは、それぞれ30Ω−cm、20μmである。P+
型サブストレイト28の比抵抗及び厚さは、それぞれ
0.01Ω−cm、500μmである。CCDは通常P
/P+ 型エピタキシャル成長ウェファが用いられるのだ
が、これはCCD内蔵読みだし回路のFETがNチャン
ネルになるので、PチャンネルFETに比較してオン抵
抗を小さくでき、発生する熱ノイズ(ジョンソンノイ
ズ)を低減できるから、という理由に基づく。さらに、
基板がP/P+ 型であれば、バルク(ウエファ)中の少
数キャリアのライフタイムが短くなり、バルク中の暗電
流成分がCCDのポテンシャル井戸に流れ込んで暗電流
が大きくなるのが抑えられる、という利点がある。
【0018】また、通常バルク領域は酸素濃度を高くし
ており、プロセス中の熱処理でバルク中には多くの結晶
欠陥が励起されるのであるが、ウェファにはP+ 型領域
が形成されており、この高濃度層が欠陥のシンクとなる
のを抑え、CCDを構成する表面付近に結晶欠陥が生じ
るのが抑えられる。
【0019】保護板120及びウエファ130の位置合
わせをし、金属配線26と金属配線32とをワイアボン
ディングし、ボンディングワイア38aで接続する(図
11(c))。つぎに、保護板120の貫通穴27に低
融点ガラスやエポキシ樹脂などの充填物33を満たす
(図11(d))。この充填物33は、CCD基板13
0と保護板120との接着,ボンディングワイアの保
護,CCD基板130に薄膜を形成する際のCCDの保
護,CCD冷却時の冷却媒体などとして機能する。
【0020】そして、CCD基板130の裏面を削って
機械的及び化学的に薄形化する(図12(e))。ま
ず、グラインダー(ディスコ社)などの機械的な研磨
で、CCD基板130の残り厚が30〜40μmになる
までP+ 型サブストレイト28を削って機械的なエッチ
ングをし、バルク中の高濃度欠陥層を除去する。始めに
機械的なエッチングをするのはつぎの理由による。化学
的エッチングは微視的には酸化−エッチングのプロセス
の繰り返しであり、欠陥層の酸化速度は純粋シリコンの
酸化速度とは異なる。化学的エッチングのみで薄形化す
るとなると、エッチング後の表面に凸凹や曇りを生じそ
れなりの手間と工夫が必要になる。そのため、予め機械
的なエッチングをある程度行うことで、良好な薄形化を
行っている。
【0021】また、機械的なエッチングの後に化学的エ
ッチングを行うのは、機械的エッチングの後はどうして
も表面破砕層が残り、その除去が必要なのと、所定の厚
さにCCD基板130をコントロールする必要があるた
めであり、フッ酸−硝酸−酢酸系のエッチング液で化学
的エッチングを行う。例えば、HF:HNO3 :CH3
COOH=1:3:8の割合のエッチング液を用いる
と、数μm/min の速度でエッチングされるが、0.0
68Ω−cm以上の比抵抗を持つP層はエッチングされな
い。したがって、P/P+ 型エピウエファのうち機械的
なエッチングでP+ 層34を残した状態から化学的エッ
チングを行うと20μmのエピタキシャル成長層29は
完全に残り、さらに1018cm-3のP+ 層を残した状態
でエッチングはストップする。このプロセスにより、2
0μmの膜厚のコントロールとアキュムレーションが同
時に行われることになり、P+ 層34がアキュムレーシ
ョン層として機能することになる(アキュムレーション
については後述する)。
【0022】エネルギー線がUV光である場合、反射防
止膜としてSi酸化膜35を形成する(図12(e)の
符号35)。その条件としては120℃水蒸気中で48
時間酸化を行う。
【0023】つぎに、ダイシングを行い、個々のチップ
140に分割する(図12(f)、符号36はダイシン
グラインを示す)。分割された個々のチップ140のア
センブリを行う(図12(f))。まず、セラミックパ
ッケージ37にチップ140をダイボンディングし、チ
ップ140の金属配線26とパッケージ37の端子41
とをワイアボンディングし、ボンディングワイア38b
で接続する。そして、チップ140の低融点ガラスの充
填物33と熱的に容易に接続できるように、熱容量が小
さい充填物39を介して放熱用の冷却ブロック40で封
止する。CCDを冷却してリーク電流やrmsノイズを
下げることは微弱光を計測するのに適したものにしてい
る。
【0024】裏面照射型CCDでは、アキュムレーショ
ン層が必要なのはつぎの理由による。
【0025】前述したように、裏面照射型CCDは、C
CDの裏面が光の入射面となる。通常CCDを形成する
シリコンウエファの厚さは400〜600μmである。
また、200nmから300nmの光は吸収係数が非常
に大きく、そのほとんどが表面からわずかに入ったとこ
ろ(具体的には0.01μm程度)で吸収されてしま
う。したがって、数百μmの厚さを有するCCDをその
まま裏面照射型として使用しても、裏面で発生した光電
子は表面にあるCCDのポテンシャル井戸に拡散してい
くことができず、ほとんどは再結合して失われてしま
う。また、そのうちのいくらかはポテンシャル井戸まで
到達できたとしても、長い道のりを拡散してくる間に信
号同士が混じり合い、いわゆる解像度を著しく低下させ
る。そこで、裏面照射型CCDでは、受光面である裏面
をエッチング、研磨によって薄くして、発生した電子が
最短距離で表面のポテンシャル井戸に到達できるように
している。図10は、裏面に受光面を持つ裏面入射型C
CDの断面図である。
【0026】しかし、酸化膜23には酸化膜電荷や界面
準位が必ず存在し、これらはいずれもP型シリコン基板
48の表面を空乏化させるように働く。そのため、裏面
から浅いところで生じた光電子はCCDのポテンシャル
井戸には行くことができず、裏面酸化膜23とシリコン
の界面に押しやられ再結合するのを待つ運命となる。し
たがって、受光部を薄形化し裏面にP型シリコン48の
表面をアキュームレーション状態にすることにより、裏
面の浅いところで生じた光電子も効率よく表面側のCC
Dのポテンシャル井戸に到達することができる。
【0027】図13は、ポテンシャルプロファイルを比
較して示したものであり、実線はアキュームレーション
層がない場合、点線はある場合を示す。左側が裏面、右
側が表面を表している。基板48の裏面には、保護膜で
ある酸化膜23が成長されている。なお、代表的な検出
器において受光面のシリコンの厚さは10〜15μm程
度であり、酸化膜23は、厚さ数十オングストロームか
ら数百オングストロームである。実線のように、裏面か
ら浅いところで生じた光電子は、裏面酸化膜23とシリ
コンの界面に押しやられ再結合し、CCD表面に形成さ
れた蓄積用のポテンシャル井戸には行くことが難しいも
のになる。これに対し、点線のように、裏面の酸化膜2
3に近付くにしたがって電子に対するポテンシャルが低
くなり、裏面から電極側に傾斜を持つポテンシャルが形
成されることにより、光電子が効率よく表面側に到達す
ることができるようになる。
【0028】上述の工程では、エピウエファは予めアル
ミニウム(Al)配線工程まで含めたすべてのCCD製
造プロセスを終了させている。そのため、後の工程で受
光部シリコンの薄形化後にアルミニウム配線を施す場合
と比較して、薄形化した膜の部分に写真食刻法を用いる
のは困難であり、またアルミニウム配線プロセス中に薄
形化した部分が割れるなどのおそれがある、という問題
が抑えられるので、その意味では良好な工程と考えられ
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかし、つぎのような
問題点がある。まず第1に、図11(c)において保護
板120及びCCD基板130の位置合わせを必要とし
ているが、この作業は非常に微妙なものであり、熟練を
要し、作業時間やコストなどを大幅に削減するのは困難
である。
【0030】第2に、ボンディングワイアで保護板12
0とCCD基板130との電気的な接続を行っている
が、ボンディングワイアが形成するワイアーループのた
め、図の横方向に余分な面積を必要とする。例えば、チ
ップの両側にワイアボンディングする場合、トータルで
およそ2mmチップが長くなる。1チップが大きくなれば
1枚のウェファからの取れ数が減りチップ単価を上げる
ことになる。また、チップが大きくなった分だけ装置全
体が大きくなり、それだけ熱容量が大きくなる。そのた
め、冷却時の効率が悪くなり、装置の小形化、軽量化の
妨げになる。
【0031】第3に、図11(d)において充填物33
を満たす必要があるが、ボンディングワイアを保護する
ために、ワイアーループを覆えるだけの厚みで充填物3
3を満たす必要がある。したがって、その分だけ余分な
充填物33を必要とし、その分だけ装置全体が大きくな
り、それだけ熱容量が大きくなる。そのため、冷却時の
効率が悪くなり、装置の小形化、軽量化の妨げになる。
信頼性の観点からボンディングワイアの保護は不可欠で
あり、これによる厚さの増加はおよそ500μmと、お
よそ倍の厚みになる。
【0032】また、第4に、充填物33は保護板120
及びCCD基板130を十分に接着するだけの強度を要
するので硬化後に堅くなるものでなければならない。し
かも、その後の工程や使用環境を加味すれば、保護板1
20及びCCD基板130と熱膨張率が良くあってお
り、ボンディングワイアに応力を与えないような材料が
必要である。接着強度の観点からは低融点ガラスが望ま
しいが、低融点ガラスは硬化後は非常に堅くなる一方、
熱膨張率がCCD基板130の材料であるSiとやや異
なる。そのため、冷却時或いは室温に戻す際非常にゆっ
くり行う必要がある。低融点ガラス以外の硬化後はあま
り堅くならず、ある程度柔らかな材料(例えば、ゲル状
の樹脂)を用いれば、Siと熱膨張率が完全に一致して
いなくても急冷急熱を行った場合にただちに破損すると
いうのが少なくなるが、保護板120及びCCD基板1
30の接着強度が十分でなく、その後の工程を加味すれ
ば好ましいものではない。このように、充填物33に用
いる材料は限られているうえに使用上の制限がある。
【0033】そこで本発明は、上記の問題点を解決した
半導体エネルギー検出器を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体エネルギー線検出器は、撮像機能を
持つ回路がその一方の面に形成され、他方の面から入射
したエネルギー線を検出するための基板と、基板をその
内部に格納すると共に外部との電気的接続をするための
ピンを持つパッケージと、基板を上記一方の面の側から
保護するとともに、ピンと基板に形成された回路とを電
気的に接続するための保護板と、基板で発生した熱を上
一方の面の側から放熱するための冷却ブロックとを備
え、基板と保護板とはバンプボンディングされるととも
に、保護板はバンプボンディングされた部分に凹部また
は貫通口が設けられていることを特徴とする。
【0035】保護板は、基板に形成された回路上に開口
部を有するとともに開口部には硬化した充填物がつめら
れていることを特徴としても良い。
【0036】冷却ブロックは充填物を介して基板で発生
した熱を放熱するとともに、冷却ブロックと充填物との
間には熱抵抗を低下させるための熱伝導物質が塗布され
ていることを特徴としても良い。
【0037】凹部または貫通口に導電材料をさらに有す
ることを特徴としても良い。
【0038】また、本発明の半導体エネルギー線検出器
の製造方法は、基板の一方の面に形成された撮像機能を
持つ回路の端子にバンプを形成する第1の工程と、保護
板に、基板上の回路の位置に対応して開口部と、回路の
各端子の位置に対応して凹部または貫通口と、回路に電
気的に接続するための配線とを設けておき、凹部または
貫通口とバンプとを重ね合わせて保護板と基板とのバン
ブボンディングをする第2の工程と、開口部に硬化性の
流動物をいれて硬化させ、開口部に充填物をつめる第3
の工程と、回路が掲載された反対側の基板の面を機械的
或いは化学的に削る第4の工程と、保護板及び基板を回
路ごとに切断し、切断された保護板及び基板をパッケー
ジにいれて保護板の配線とパッケージのピンとを接続
し、基板で発生した熱を放熱するための冷却ブロックで
パッケージに封止する第5の工程とを有する。
【0039】第2の工程では、凹部または貫通口に導電
材料を注入した後にバンブボンディングをすることを特
徴としても良い。
【0040】第5の工程では、冷却ブロックと充填物と
の間には熱抵抗を低下させるための熱伝導物質を塗布す
ることを特徴としても良い。
【0041】
【作用】本発明の半導体エネルギー線検出器では、保護
板で製造時及び使用時で基板の機械的な保護がなされる
ので、基板を薄くして基板上の回路からの熱を冷却ブロ
ックで放熱して冷却しやすくなる。そのため、より感度
の良くエネルギー線(例えば、紫外線、軟X線、電子線
など)を検出できる。
【0042】ここで、保護板及び基板がバンプボンディ
ングで重なるように接続・接着がなされることから、保
護板及び基板の面積及び体積を小さくすることができ
る。また、保護板には凹部または貫通口が設けられ、こ
れにあわせてバンプボンディングをしていることから、
電気的接続をより確実にして小形化することができる。
【0043】また、開口部に硬化した充填物を詰めるよ
うにすることで、基板上の回路へのダメージを減少させ
ることができ、熱抵抗を低下させるための液体が塗布さ
れていることでより放熱しやすいものになる。さらに、
凹部または貫通口に導電材料をさらに有することで、電
気的接続をより確実にすることができる。
【0044】本発明の半導体エネルギー線検出器の製造
方法では、予め保護板にもうけられた凹部または貫通口
がバンブとあわさるので、保護板と基板との位置合わせ
が簡単になると共に、貫通口の場合、位置合わせが目視
(またはカメラを通して)で確認できる。そのため、簡
単にバンブボンディングが可能で、保護板と基板との電
気的接続・及び接着が簡単なものになる。保護板で基板
の機械的保護がなされることから、基板の面を機械的薄
く削ることができ、開口部につめた充填物で回路が保護
されるから、合わせて化学的に精密に削ることもでき
る。そして、保護板及び基板がバンプボンディングで重
なるように接続・接着がなされることから、保護板及び
基板の面積及び体積を小さくすることができる。
【0045】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
前述の従来例と同一または同等のものについてはその説
明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0046】図1は、本発明の半導体エネルギー線検出
器の第1の実施例についての構造を示したものである。
この検出器は、パッケージ37の内部に、CCD基板1
30,保護板220,冷却ブロック40を有し、CCD
基板130の電極32と保護板220との電極126が
バンプ143で接続され、バンプ143が形成される位
置に保護板220に凹部が設けられている点に特徴を有
する。
【0047】CCD基板130は、パッケージ37の内
部底面にその裏面を外側にしてダイボンディングされ、
表面には撮像のためのフルフレーム転送方式のCCD3
1が形成されている。CCD31の表面には、poly
−Si電極,層間絶縁膜であるPSGが形成されてい
る。ここで、表面側では吸収係数が大きいエネルギー線
(例えば、紫外線、軟X線、電子線など)を吸収してし
まうので、表面照射型CCDはこのようなエネルギー線
に対して感度が持たない。また、無理に照射を行えば、
CCDを構成するゲート酸化膜がいわゆる照射損傷を受
け、転送効率が低下する、ノイズが増大するなどの損傷
を生じる。図1の検出器では、吸収係数が大きいエネル
ギー線に感度を持つようにするために、裏面型CCDの
構造を持たせている。
【0048】また、通常のCCDを作る基板の厚みは4
00μmあり、これをそのまま用い得ると、基板の裏面
入射面付近で生じた信号電荷は、表面にあるCCDポテ
ンシャル井戸まで拡散で移動しなければならず、途中で
再結合で失われたり、長い距離を拡散してくる間に横方
向に広がり、解像度を著しく悪化させる。これを避ける
ために、入射面である裏面から表面にあるCCDポテン
シャル井戸までの物理的な距離を短くしている。そのた
めに、CCD基板130を15μm程度まで薄形化し、
その後裏面をイオン注入などでアキュムレーション状態
にし、裏面界面付近で生じた信号電荷が効率良くCCD
ポテンシャル井戸に流れる構造にしている。
【0049】冷却ブロック40は、シリコン樹脂39及
び硬化した充填物33を介してCCD31と接触し、C
CD31で発生した熱を放熱するためのものであり、ま
た、パッケージ37の蓋をもかねている。使用時には、
ペルチェ素子などにより冷却され、CCD31の冷却が
なされ、CCD31で発生するノイズの低減が図られて
いる。
【0050】保護板220は、薄形化したCCD基板1
30を組み立て時及び使用時において保護するとともに
電極126を介してパッケージ37のピンのリード配線
42(外部との電気的接続用)とCCD31との電気的
に接続をも兼ねている。保護板220の電極126とピ
ン42がボンディングワイア38bで接続され、また、
電極126とCCD基板130の電極32とはバンブ1
43で(導電ペーストを介して)電気的接続されてい
る。保護板220には、バンプ143が形成される位置
に凹部が設けられていることで、この装置全体を小さく
製作することが可能になり、これによって良好な冷却が
行われ、リーク電流やrmsノイズを下げて微弱光を計
測するのに適したものにしている。
【0051】このように、図1の検出器は、薄くなった
シリコンのCCD基板130を十分に保護するとともに
暗電流を低減するための冷却も十分に行える構造になっ
ている。この構造を持つ検出器を良好に製作するには、
その製造工程もそれが十分に配慮されたものであること
を要する。図2,3は、図1の検出器の組み立て工程を
示したものであり、この工程は次ぎのようになる。
【0052】図2(a)は、図1の検出器に用いられる
保護板220の断面構造を示したものである。保護板2
20は、前述の従来例と同様にCCD基板130のCC
D31が形成された部分には貫通した穴127が設けら
れ、セラミックの部分125には金属配線126が施さ
れている。さらに、CCD基板130の金属配線(パッ
ド)32のバンプが設けられる部分に凹部141aが設
けられ、この凹部141aはバンプに対して余裕を持っ
た大きさで形成され、凹部141aまで金属配線126
が施されている点に特徴を有する。この保護板120の
材料には、シリコン,ガラス,窒化アルミニウムなどの
研磨性セラミックを用いることができ、CCD基板13
0とよく熱膨張率があったものを用いるのがより望まし
く、厚さは300μm程度の薄いものを用いる。
【0053】図2(b)は、CCD基板130を示した
ものであり、このCCD基板130は、前述の従来例と
同様に、シリコンP+ 型ウエファ28にP型エピ層29
を成長させた後、CCD31を形成し、外部回路をつな
ぐ金属配線(パッド)32が設けられたものである。
【0054】まず、保護板220の凹部141aに導電
ペースト142(例えば、銀ガラスなど、導電性があっ
て硬化前には液相の物質)をいれる(図2(c))。つ
ぎに、CCD基板130の金属配線32に金属バンプ1
43を形成する(図2(d))。このバンプ143は、
ワイヤーボンダーを使用することにより、直径60μ
m,高さ80μmのものが容易に形成できる。
【0055】そして、導電ペースト142が入った保護
板220(図2(c))と、金属バンプ143を形成し
たCCD基板130(図2(d))とのフリップチップ
ボンディングを行う(図2(e))。このとき、保護板
220の凹部141aがバンプ143が設けられる部分
に設けられていることから、凹部141aがバンプ14
3にかみあわさるので、保護板220とCCD基板13
0との位置合わせは容易になされる。また、凹部141
aの中にバンプ143が入り込むので、ボンディング後
の厚さがより小さなものになる。そのため、より小さな
ものにすることができる。
【0056】ここで、保護板220の配線126が金
で、バンプ143が金であるならば互いに溶着するの
で、両者の接続に敢えて銀ガラスを使用する必要はない
ともいえる。しかし、バンプの高さのバラツキにより、
接続不良がないとはいえないので、電気的な伝導をより
確実にするため、銀ガラスを介したバンプボンディング
を行っている。
【0057】つぎに、低融点ガラス,エポキシ樹脂,ゲ
ル状樹脂など、硬化前には液相の充填物33を、保護板
220とCCD基板130とで形成された窪み(保護板
220の穴127の部分)に充填した後、充填物33を
硬化する(図3(f))。充填物33は、電気的に絶縁
性であることを要し、さらに、保護板220及びCCD
基板130と熱膨張係数があっていること、熱伝導が良
いことが重要で、シリコンのエッチングに用いるエッチ
ャント(酸またはアルカリ系)に耐えること、数百℃以
上の高温に耐えること、アウトガスがないことがさらに
望ましい。これは、数百℃以上の高温に耐えうること
で、薄形化後のアキュムレーションで熱処理が行いやす
いし、アウトガスがなければ、エレクトロンボンバート
メント用として電子管に封入するのに適するからであ
る。
【0058】また、つぎの薄形化の工程の前に充填物3
3を硬化させているので、もし硬化時に充填物33が体
積減少を起こしても、CCD基板に凸凹が生じることは
なく、薄形化の工程の後に入射面に凸凹が生じることも
少ない。また、従来構造では、充填物33は、接着剤と
しての機能が強く要求され、保護板220とCCD基板
130とを強く接着することを要するのだが、本実施例
では、保護板220とCCD基板130とはバンプで強
く固定されているので、それほど接着剤としての機能が
要求されず、硬化後は若干柔らかくても良い。
【0059】そして、前述の従来例と同様に、CCD基
板130の裏面を削って機械的または化学的に薄形化す
る(図3(g))。化学的エッチングのみで薄形化する
となると、基板のP+ 層は高濃度欠陥層を有し、欠陥層
の酸化速度は純粋シリコンの酸化速度とは異なるので、
エッチング後の表面に凸凹や曇りを生じそれなりの手間
と工夫が必要になる。しかし、この製造工程において
は、保護板220とCCD基板130とがバンプボンデ
ィングされ、充填物33が満たされた構造になっている
ので、CCD基板130全体をグラインダー(ディスコ
社)などの機械的な研磨での薄形化が可能となってい
る。機械的な研磨後、化学エッチングを行ない薄形化を
終了する。薄形化後、裏面のアキュムレーション及び酸
化を行ってアキュムレーション層34及び酸化膜35を
形成する。
【0060】つぎに、ダイシングを行い、個々のチップ
140に分割する(図3(h)、符号36はダイシング
ラインを示す)。分割された個々のチップ140のアセ
ンブリを行う(図3(i))。セラミックパッケージ3
7にチップ140をダイボンディングし、チップ140
の金属配線26とパッケージ37の端子41とをワイア
ボンディングし、ボンディングワイア38bで接続す
る。そして、チップ140の低融点ガラスの充填物33
と熱的に容易に接続できるように、シリコン樹脂39を
ぬって放熱用の冷却ブロック40で封止する。
【0061】このように、本製造工程では、まず、保護
板220とCCD基板130との位置合わせが、凹部1
41a及びバンプ143でなされるので、高価で取扱い
の面倒なフリップチップボンダーを使用せずに簡易的に
容易に組み立てが行える。また、従来例のように、保護
板220とCCD基板130との電気的接続をワイアボ
ンディングで行う場合、ワイヤーループのために横方向
と高さ方向に余分なスペースを必要とし、チップ自体も
離して配置する必要があったので、1枚あたりのウエフ
ァのとれ数が少なくなる。それに加えて、縦,横,高さ
共に大きくなり小型軽量化が困難なうえに、おおきくな
った分熱容量が大きく、パワーの大きな冷却装置(ペル
チェ素子)を必要としていた。しかし、本発明では、保
護板220とCCD基板130との電気的接続がバンプ
143でなされるため、薄く小さく構成できるので、小
型軽量化が行え、熱容量が小さくなって冷却効率が向上
する。
【0062】また、本製造工程では、薄形化の際、保護
板220とCCD基板130とがバンプボンディングさ
れ、充填物33が満たされた構造で行っている。そのた
め、CCD基板130上のCCDは保護された構造であ
り、薄形化後に入射面に凸凹が生じることもない。さら
に、CCDがある部分は保護板220に穴が開けられて
おり、CCDの保護は充填物33でなされる形なので、
保護板220とCCD基板130との間に熱抵抗の大き
な空気層が入り込む可能性がほとんど無い。したがっ
て、CCDの冷却時に暗電流のユニフォミティが悪化す
るのが小さくなることになる。また、CCD基板130
全体を薄形化するので、機械研磨でほとんど削ってから
最後の仕上げで化学的なエッチングを行うことも可能で
あり、エッチング液の周り込みなどで生じるエッチング
の不均一も生じない。
【0063】図4は、本発明の半導体エネルギー線検出
器の第2の実施例についての構造を示したものである。
【0064】この検出器は、上記第1の実施例と同様、
パッケージ37の内部に、CCD基板130,保護板2
20,冷却ブロック40を有し、裏面型CCDの構造を
持たせたものである。そして、CCD基板130の電極
32と保護板220との電極126がバンプ143で接
続されているが、バンプ143が形成される位置の保護
板220に貫通口が設けられている点に特徴を有する。
【0065】この図4の検出器も、図1と同様、薄くな
ったシリコンのCCD基板130を十分に保護するとと
もに暗電流を低減するための冷却も十分に行える構造に
なっており、図5,6は、図4の検出器の組み立て工程
を示したものであり、この工程は次のようになる。
【0066】図5(a)は、図1の検出器に用いられる
保護板220の断面構造を示したものである。保護板2
20は、前述の第1の実施例同様に、貫通した穴127
が設けられ、セラミックの部分125には金属配線12
6が施されている。さらに、CCD基板130の金属配
線(パッド)32のバンプが設けられる部分にバンプに
対して余裕を持った大きさの貫通口141bが設けられ
ている点に特徴を有する。そして、貫通口141bにも
金属配線126が施され、いわばスルーホールが形成さ
れている。この保護板120の材料及び厚さは前述の第
1の実施例同様である。
【0067】図5(b)は、CCD基板130を示した
ものであり、第1の実施例と同様にしてバンプ143を
形成したものである。保護板220とCCD基板130
とを重ね合わせる(図5(c))。ここで、保護板22
0の貫通口141bがバンプ143が設けられる部分に
設けられていることから、貫通口141bがバンプ14
3にかみあわさるので、保護板220とCCD基板13
0との位置合わせは容易になされる。また、図の上方か
ら貫通口141bを通してバンプ143が嵌まっている
かどうかを目視確認できる。
【0068】そして、導電ペースト142(例えば導電
樹脂や銀ガラスなど)をニードル146から加圧して注
入する(図5(d))。ここで、導電ペースト142を
注入するのは前述の第1実施例と同様の趣旨である。つ
ぎに、バンプ143を溶融させて保護板220とCCD
基板130とのフリップチップボンディングを行う。そ
の後、前述の第1実施例と同様の電気的に絶縁性の充填
物33を、保護板220とCCD基板130とで形成さ
れた窪み(保護板220の穴127の部分)に充填し、
充填物33を硬化する(図3(e))。この実施例にお
いても、つぎの薄形化の工程の前に充填物33を硬化さ
せているので、もし硬化時に充填物33が体積減少を起
こしても、CCD基板に凸凹が生じることはなく、薄形
化の工程の後に入射面に凸凹が生じることも少ない。ま
た、保護板220とCCD基板130とはバンプで強く
固定されているので、それほど接着剤としての機能が要
求されず、硬化後は若干柔らかくても良い。
【0069】CCD基板130の裏面を削って機械的ま
たは化学的に薄形化する。この製造工程においても、バ
ンプボンディングされ、充填物33が満たされた構造に
なっているので、CCD基板130全体を機械的な研磨
での薄形化が可能となっている。薄形化後、裏面のアキ
ュムレーション及び酸化を行ってアキュムレーション層
34及び酸化膜35を形成する(図3(f))。
【0070】つぎに、ダイシングを行い、個々のチップ
140に分割する(図3(g)、符号35はダイシング
ラインを示す)。分割された個々のチップ140のアセ
ンブリを行う(図3(h))。セラミックパッケージ3
7にチップ140をダイボンディングし、チップ140
の金属配線26とパッケージ37の端子41とをワイア
ボンディングし、ボンディングワイア38bで接続す
る。そして、チップ140の低融点ガラスの充填物33
と熱的に容易に接続できるように、シリコン樹脂39を
介して放熱用の冷却ブロック40で封止する。
【0071】このように、本実施例の製造工程でも、前
述の第1実施例と同様の利点を持つ。さらに、合わせを
貫通口141bで行われるので、嵌まっているかどうか
を目視確認できる。また、合わせた後に導電ペースト1
42をいれるので、合わせの最中にこれがバンプ143
周辺に付着して短絡を起こすことがなくなる、という利
点がある。
【0072】
【発明の効果】以上の通り本発明の半導体エネルギー線
検出器によれば、保護板及び基板の面積及び体積を小さ
くすることができ、保護板の凹部または貫通口にあわせ
てバンプボンディングをして電気的接続をより確実にし
て小形化することができるので、より感度の良いエネル
ギー線の検出をすることができる。
【0073】また、本発明の半導体エネルギー線検出器
の製造方法によれば、保護板と基板との電気的接続・及
び接着が簡単なものになり、保護板で基板の機械的保護
がなされて基板の面を機械的薄く削ることができるの
で、上記半導体エネルギー線検出器を小さく製造する事
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体エネルギー線検出器の第1実施
例の構成図である。
【図2】第1実施例の製造工程図である。
【図3】第1実施例の製造工程図である。
【図4】本発明の半導体エネルギー線検出器の第2実施
例の構成図である。
【図5】第2実施例の製造工程図である。
【図6】第2実施例の製造工程図である。
【図7】フル・フレーム転送方式の構成を示す上面図で
ある。
【図8】フル・フレーム転送方式の要部を示す断面図で
ある。
【図9】読み出し回路図とクロックパルス出力波形を示
す図である。
【図10】従来の裏面照射型検出器を示す図である。
【図11】従来例の製造工程図である。
【図12】従来例の製造工程図である。
【図13】従来の裏面照射型検出器のポテンシャルプロ
ファイルを示す図である。
【符号の説明】
31…CCD、32…配線、37…パッケージ、40…
冷却ブロック、42…ピン、130…CCD基板、13
2…金属バンプ、142…導電ペースト、220…保護
板、126…配線。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像機能を持つ回路がその一方の面に形
    成され、他方の面から入射したエネルギー線を検出する
    ための基板と、 前記基板をその内部に格納すると共に外部との電気的接
    続をするためのピンを持つパッケージと、 前記基板を前記一方の面の側から保護するとともに、前
    記ピンと前記基板に形成された回路とを電気的に接続す
    るための保護板と、 前記基板で発生した熱を前記一方の面の側から放熱する
    ための冷却ブロックとを備え、 前記基板と前記保護板とはバンプボンディングされると
    ともに、前記保護板はバンプボンディングされた部分に
    凹部または貫通口が設けられていることを特徴とする半
    導体エネルギー線検出器。
  2. 【請求項2】 前記保護板は、前記基板に形成された回
    路上に開口部を有するとともに前記開口部には硬化した
    充填物がつめられていることを特徴とする請求項1記載
    の半導体エネルギー線検出器。
  3. 【請求項3】 前記冷却ブロックは前記充填物を介して
    前記基板で発生した熱を放熱するとともに、前記冷却ブ
    ロックと前記充填物との間には熱抵抗を低下させるため
    の熱伝導物質が塗布されていることを特徴とする請求項
    1記載の半導体エネルギー線検出器。
  4. 【請求項4】 前記凹部または貫通口に導電材料をさら
    に有することを特徴とする請求項1記載の半導体エネル
    ギー線検出器。
  5. 【請求項5】 基板の一方の面に形成された撮像機能を
    持つ回路の端子にバンプを形成する第1の工程と、 保護板に、前記基板上の前記回路の位置に対応して開口
    部と、前記回路の各端子の位置に対応して凹部または貫
    通口と、前記回路に電気的に接続するための配線とを設
    けておき、前記凹部または貫通口と前記バンプとを重ね
    合わせて前記保護板と前記基板とのバンブボンディング
    をする第2の工程と、 前記開口部に硬化性の流動物をいれて硬化させ、前記開
    口部に充填物をつめる第3の工程と、 前記回路が掲載された反対側の前記基板の面を機械的或
    いは化学的に削る第4の工程と、 前記保護板及び前記基板を前記回路ごとに切断し、切断
    された前記保護板及び前記基板をパッケージにいれて前
    記保護板の配線と前記パッケージのピンとを接続し、前
    記基板で発生した熱を放熱するための冷却ブロックでパ
    ッケージに封止する第5の工程とを有する半導体エネル
    ギー線検出器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程では、前記凹部に導電材
    料を注入した後にバンブボンディングをすることを特徴
    とする請求項5記載の半導体エネルギー線検出器の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記第4の工程では、前記冷却ブロック
    と前記充填物との間には熱抵抗を低下させるための熱伝
    導物質を塗布することを特徴とする請求項5記載の半導
    体エネルギー線検出器の製造方法。
JP10702493A 1993-05-07 1993-05-07 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3315465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10702493A JP3315465B2 (ja) 1993-05-07 1993-05-07 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10702493A JP3315465B2 (ja) 1993-05-07 1993-05-07 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06318688A true JPH06318688A (ja) 1994-11-15
JP3315465B2 JP3315465B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=14448588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10702493A Expired - Lifetime JP3315465B2 (ja) 1993-05-07 1993-05-07 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3315465B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6204556B1 (en) 1998-03-03 2001-03-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Structure for and method of mounting image taking element on substrate
WO2004093195A1 (ja) * 2003-04-16 2004-10-28 Hamamatsu Photonics K.K. 裏面照射型光検出装置の製造方法
CN105286894A (zh) * 2014-07-23 2016-02-03 佳能株式会社 放射线检测装置和放射线成像系统

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6204556B1 (en) 1998-03-03 2001-03-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Structure for and method of mounting image taking element on substrate
WO2004093195A1 (ja) * 2003-04-16 2004-10-28 Hamamatsu Photonics K.K. 裏面照射型光検出装置の製造方法
CN100459137C (zh) * 2003-04-16 2009-02-04 浜松光子学株式会社 背面照射型光检测装置的制造方法
US7556975B2 (en) 2003-04-16 2009-07-07 Hamamatsu Photonics K.K. Method for manufacturing backside-illuminated optical sensor
CN105286894A (zh) * 2014-07-23 2016-02-03 佳能株式会社 放射线检测装置和放射线成像系统
GB2530386A (en) * 2014-07-23 2016-03-23 Canon Kk Radiation detecting apparatus and radiation imaging system
RU2628635C2 (ru) * 2014-07-23 2017-08-21 Кэнон Кабусики Кайся Устройство обнаружения излучения и система формирования изображений с помощью излучения
GB2530386B (en) * 2014-07-23 2017-11-29 Canon Kk Radiation detecting apparatus and radiation imaging system
US10067250B2 (en) 2014-07-23 2018-09-04 Canon Kabushiki Kaisha Radiation detecting apparatus and radiation imaging system

Also Published As

Publication number Publication date
JP3315465B2 (ja) 2002-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4443865B2 (ja) 固体撮像装置およびその製造方法
US7384812B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor device with light shading means
KR20190048490A (ko) 이미지 센싱 장치
US10084003B2 (en) Semiconductor device, manufacturing method, and electronic apparatus
JP4667408B2 (ja) 裏面照射型固体撮像素子の製造方法
US20220381617A1 (en) Sensor device
JP2012009547A (ja) 固体撮像装置、電子機器
JPH06350068A (ja) 半導体エネルギー線検出器の製造方法
CN111788689A (zh) 摄像元件和摄像元件的制造方法
JP2821062B2 (ja) 半導体エネルギー検出器の製造方法
US11408772B2 (en) Process for producing an infrared detector and associated infrared detector
JP3317740B2 (ja) 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法
JP2651323B2 (ja) 半導体エネルギー検出器
EP4084076A1 (en) Sensor device
US20160141328A1 (en) Solid-state imaging device, manufacturing method therefor, and imaging apparatus
JPH06196680A (ja) 半導体エネルギー検出器とその製造方法
JPH1140087A (ja) 電子管
US20220165641A1 (en) Sensor apparatus
JP3315465B2 (ja) 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法
JP3315466B2 (ja) 半導体エネルギー線検出器及びその製造方法
JP2006216657A (ja) 固体撮像装置及び光学モジュール
US20090026562A1 (en) Package structure for optoelectronic device
JP2004063765A (ja) 固体撮像装置およびその製造方法
US20230378223A1 (en) Semiconductor element, semiconductor device, and method for manufacturing semiconductor element
JP3486267B2 (ja) 裏面照射型半導体装置とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term