JPH06318525A - 単相単巻変圧器 - Google Patents

単相単巻変圧器

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JPH06318525A
JPH06318525A JP5107064A JP10706493A JPH06318525A JP H06318525 A JPH06318525 A JP H06318525A JP 5107064 A JP5107064 A JP 5107064A JP 10706493 A JP10706493 A JP 10706493A JP H06318525 A JPH06318525 A JP H06318525A
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JP
Japan
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winding
series
shunt
tap
phase autotransformer
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JP5107064A
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Masaru Ono
勝 小野
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 変圧器の寸法・重量が小さく、安価な単相単
巻変圧器を提供する。 【構成】 分路巻線を、直列接続された第1および第2
の分路巻線5A,5Bに分割し、鉄心脚7の周囲に、そ
の内側より、第1の分路巻線5A、直列巻線6、第2の
分路巻線5Bの順に巻装する。この場合、さらに、直列
巻線6との直列接続・非接続を切り換えるタップ巻線を
備え、このタップ巻線を第2の分路巻線5Bの外周に巻
装することも可能である。あるいは、直列巻線6を、直
列接続された第1および第2の直列巻線に分割して、第
1の直列巻線、分路巻線5、第2の直列巻線の順に巻装
する。この場合、さらに、分路巻線との直列接続・非接
続を切り換えるタップ巻線を備え、このタップ巻線を第
2の直列巻線の外周に巻装することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流起電回路に使用さ
れる単相単巻変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】電気車に電力を供給する交流起電回路で
は、単相単巻変圧器を使用したAT起電方式があり、そ
の単相単巻変圧器の巻回数比は1:1となっている。こ
れに対し、最近の研究により、単相単巻変圧器の巻回数
比を1:n(n>1)として、起電線の電圧をトロリ線
の電圧より高くする方式が開発された。
【0003】この新交流起電回路方式は、起電線の電圧
が高くなった分、電流が減少するので、起電線の電圧降
下が小さくなり、単相単巻変圧器の設置間隔をより長く
することが可能になると共に、nの値を適切に選択する
ことによって、トロリ線と起電線のインピーダンス特性
を平衡させ、通信線に対する電磁誘導障害を軽減できる
優れた方式である。
【0004】図14は、このような新交流起電回路の1
つの例を示す説明図であり、スコット結線変圧器1によ
り3相電源2から受電することによって単相電源2組を
得て、その各々に単相の起電回路を接続している。単相
の起電回路は、トロリ線(T)、レール(R)、起電線
(F)および単相単巻変圧器3で構成され、電気車4は
トロリ線(T)とレール(R)の間を走行する起電線
(F)とレール(R)間の電圧EF、トロリ線(T)と
レール(R)間の電圧ETの比は、単相単巻変圧器の巻
回数比と同じであり、EF/ET=nの関係である。
【0005】図14に示す単相単巻変圧器3について、
その電源と負荷の関係を示すと、図15に示すようにな
る。この図15においては、図14に示すような電気車
4がトロリ線(T)とレール(R)の間の負荷となって
2次側を構成し、トロリ線(T)と起電線(F)の間が
電源となって1次側を構成している。また、レール
(R)とトロリ線(T)の間の分路巻線5に流れる電流
Icは2次側電流I2と1次側電流I1の差であり、起
電線(F)とレール(R)の間の直列巻線6に流れる電
流Isは1次側電流I1である。この単相単巻変圧器の
巻回数比は、R−T間の分路巻線5を1とすれば、F−
R間の直列巻線6はn、F−T間の1次側は1+nとな
る。
【0006】そして、以上のような単相単巻変圧器の自
己容量と定格容量の比αと巻回数比nとの関係は、下記
の式(1)および表1のように示される。
【数1】α=(自己容量)/(定格容量) =(F−R間の電圧)/(F−T間の電圧) =n(1+n)… 式(1)
【0007】
【表1】 この表1から、たとえ定格容量が同じ場合でも、巻回数
比nが大きくなると、その単相単巻変圧器の自己容量は
大きくなることがわかる。このように、単相単巻変圧器
の自己容量が大きくなると、寸法・重量が大きくなり、
価格が高くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】また、図16は、図1
5に示すような単相単巻変圧器の具体的な巻線配置とし
て、最も単純な構成の巻線配置とその磁束分布を示す説
明図である。すなわち、この図16においては、鉄心脚
7に分路巻線5が巻装され、その外側に直列巻線6が巻
装されている。そして、分路巻線5には電流Icが、直
列巻線6には電流Isが、互いに逆向きに流れ、互いに
アンペアターンを打ち消し合い、Ic=n×Isの関係
となっており、軸方向の漏れ磁束を発生させている。こ
の磁束密度は、図16に示すように分布し、Bmは、そ
の最大値を示している。
【0009】以上のような構成の単相単巻変圧器のイン
ピーダンス電圧(%IZ)を考えた場合、このインピー
ダンス電圧(%IZ)は、抵抗分は小さいのでこれを無
視し、リアクタンス分のみで近似すると、ほぼ次の式
(2)で求められる。
【数2】 また、この式(2)中のQは、次の式(3)で表され
る。
【数3】 ただし、これらの式(2)および式(3)において、各
値は次のように定義される。 f: 定格周波数[Hz] P: 定格容量[MVA] m: 巻線群数 e: 1巻回当りの電圧[V] H: 巻線の軸方向高さ[mm] D1:分路巻線5の平均直径[mm] D2:主間隙の平均直径[mm] D3:直列巻線6の平均直径[mm] G1:分路巻線5の半径方向幅[mm] G2:主間隙の半径方向幅[mm] G3:直列巻線6の半径方向幅[mm]
【0010】一方、AT起電方式回路に使用される単相
単巻変圧器は、回路全体のインピーダンスを低くし、電
圧降下を少なくして、電気車の運転特性を良くするため
に、そのインピーダンス電圧(%IZ)を極端に小さく
し、約1%以下にする必要がある。普通の変圧器では、
そのインピーダンス電圧は小さい場合でも5%程度はあ
り、大きい場合には20%であるから、1%は非常に小
さい値であるといえる。
【0011】また、前記の式(2)からも分かるよう
に、現在の交流起電回路の単相単巻変圧器ではn=1で
あるのに対し、新規の交流起電回路の単相単巻変圧器で
はn>1であり、{n/(1+n)}2 の値が大きくな
るので、下記の式(4)で表示されるKをさらに小さく
する必要がある。なお、f,Pは仕様で与えられるの
で、設計上の変数ではない。
【数4】K=Q/(m×e2 ×H) … 式(4) この式(4)のKの値を小さくするためには、Qの値を
より小さくし、m,e,Hの値をより大きくする必要が
あるが、各値をこのように変化させるためには、次のよ
うな問題点がある。
【0012】まず、Qの値は、前記の式(3)に示され
るように、平均直径(D)と半径方向幅(G)によって
決まるが、これらは鉄心と巻線の構成や絶縁寸法により
決まるため、Qだけを小さくすることはできない。
【0013】また、mの値は、巻線群数であり、1群よ
り2群の方が、2群より3群の方がよりKを小さくでき
るので、mを大きくすることは有効な方法である。しか
し、巻線群数を多くすることは、分路巻線5、直列巻線
6、鉄心脚7の個数を2倍、3倍にすることになるの
で、変圧器の寸法・重量はかなり大きくなり、価格も高
くなってしまう。
【0014】さらに、eの値は、1巻回当りの電圧であ
り、これを大きくするためには、鉄心を太くして主磁束
の量を増す必要があるが、2乗に反比例してKを小さく
することができるので、有効な方法である。しかしなが
ら、鉄心が太くなると、鉄心の寸法・重量が大きくなる
ため、変圧器の寸法・重量が大きくなり、価格も高くな
ってしまう。
【0015】そしてまた、Hの値は、巻線の軸方向高さ
であり、これを高くすることは、巻線の半径方向幅(G
1,G3)をより小さくして、平均直径(D1,D2,
D3)をより小さくすることができ、その結果、式
(3)のQを小さくすることができるため、有効な方法
である。しかしながら、鉄心脚の高さを高くすると、変
圧器の高さ寸法が大きくなり、製造工場から設置場所へ
の輸送が困難になるので、ある一定の限度内に制限され
る。
【0016】一方、このAT起電方式回路においては、
回路の短絡時に発生する短絡電流が単相単巻変圧器にも
流れるが、この場合、短絡電流の値は、その単相単巻変
圧器の定格電流に比べてかなり大きくなる。例えば、図
14に示す回路例で、スコット結線変圧器1の近くに設
置される単相単巻変圧器(AT11,AT21,AT1
2,AT22など)では35倍の過電流に耐えるような
性能の単相単巻変圧器を使用し、また、スコット結線変
圧器1の遠くに設置される単相単巻変圧器(AT13,
AT23など)では25倍の過電流に耐えるような性能
の単相単巻変圧器を使用することが考えられる。普通の
変圧器では、このような過電流倍数は、インピーダンス
電圧が5%の変圧器で20倍、インピーダンス電圧が2
0%の変圧器で5倍であるから、25〜35倍の過電流
倍数はかなり大きい値であるといえる。
【0017】また、図17に示すように、分路巻線5に
短絡電流icが、直列巻線6に短絡電流isが各々流れ
ると、分路巻線5には鉄心脚7の方向、すなわち内側方
向に電磁機械力Fcが、直列巻線6には外側方向に電磁
機械力Fsが各々発生する。このような電磁機械力に対
して耐えるためには、巻線導体に発生する応力が、ある
許容値以内でなければならない。
【0018】以下には、分路巻線5に発生する電磁機械
力Fcと巻線導体に発生する応力σcについて説明す
る。なお、直列巻線6についても、発生する電磁機械力
の向きが逆になるだけであり、その電磁機械力Fsと巻
線導体に発生する引張応力σsは、分路巻線5と同様に
して求められるため、ここでは省略する。
【数5】
【数6】 σc=Fc/(2π×Nc×Ac)… 式(6) ただし、これらの式(5)および式(6)において、各
値は次のように定義される。 ic:分路巻線5に流れる短絡電流のピーク値[A] Nc:分路巻線5の巻回数[回] D1:分路巻線5の平均直径[mm] H: 分路巻線5の軸方向高さ[mm] σc:分路巻線5の導体に発生する圧縮応力[kg/c
2 ] Ac:分路巻線5の導体の断面積[cm2 ] これらの式(5)および式(6)から分かるように、圧
縮応力σcを小さくするためには、導体の断面積Acを
より大きくすればよい。しかしながら、このように、導
体を太くすると、巻線の寸法・重量が重くなるため、変
圧器の寸法・重量が大きくなり、価格も高くなってしま
う。
【0019】これに対して、分路巻線5の巻線群数mを
2以上とした場合には、1つの巻線に流れる電流Icは
1/mになり、短絡電流icも1/mになるので、発生
する電磁機械力Fcは1/m2 となる。すなわち、分路
巻線5に流れる電流Icが1/mになると、その導体断
面積Acを1/mにすることができるため、前記の式
(5)より、電磁機械力Fcが1/m2 になり、式
(6)より、圧縮応力σcは1/mとなる。
【0020】このように、巻線群数mを大きくすると、
電磁機械力を大きく低減でき、導体の太さを太くする必
要はなくなる。しかしながら、巻線群数mが多くなる
と、結局、変圧器の価格が高くなってしまう。
【0021】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
変圧器の寸法・重量が小さく、安価な単相単巻変圧器を
提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による単相単巻変
圧器は、鉄心脚に分路巻線と直列巻線を巻装してなり、
この直列巻線の巻回数が分路巻線の巻回数の2倍を超過
する単相単巻変圧器において、その巻線の構成に特徴を
有するものである。すなわち、請求項1に記載の単相単
巻変圧器は、前記分路巻線を、直列接続された第1の分
路巻線と第2の分路巻線に分割し、前記鉄心脚の周囲
に、その内側より、前記第1の分路巻線、前記直列巻
線、前記第2の分路巻線の順に巻装したことを特徴とし
ている。また、請求項2に記載の単相単巻変圧器は、前
記請求項1の構成に加えて、さらに、前記直列巻線との
直列接続・非接続を切り換えることの可能なタップ巻線
を備え、前記鉄心脚の周囲に、その内側より、前記第1
の分路巻線、前記直列巻線、前記第2の分路巻線、前記
タップ巻線の順に巻装したことを特徴としている。
【0023】一方、請求項3に記載の単相単巻変圧器
は、前記直列巻線を、直列接続された第1の直列巻線と
第2の直列巻線に分割し、前記鉄心脚の周囲に、その内
側より、前記第1の直列巻線、前記分路巻線、前記第2
の直列巻線の順に巻装したことを特徴としている。ま
た、請求項4に記載の単相単巻変圧器は、前記請求項3
の構成に加えて、前記分路巻線との直列接続・非接続を
切換えることの可能なタップ巻線を備え、前記鉄心脚の
周囲に、その内側より、前記第1の直列巻線、前記分路
巻線、前記第2の直列巻線、前記タップ巻線の順に巻装
したことを特徴としている。
【0024】
【作用】以上のような構成を有する本発明の作用は次の
通りである。すなわち、分路巻線または直列巻線の一方
を分割して、他方の巻線の両側に配置することにより、
両側の分割された巻線と中央の巻線とに、互いに逆向き
の電流が流れ、軸方向には漏れ磁束が発生するが、その
磁束密度分布は、軸方向両側に分散され、その最大値は
小さくなる。そして、このような磁束分布になる結果、
変圧器の寸法・重量を小さくしながら、しかも、そのイ
ンピーダンス電圧を容易に小さくすることができ、電磁
機械力に対しても十分な強度を持たせることができる。
また、タップ巻線を設けた場合には、タップ巻線の直列
接続・非接続によって、端子R−T間の電圧を切り換え
ることができ、2種類の電圧を使用して運行する場合に
好都合である。
【0025】
【実施例】以下、本発明による単相単巻変圧器の複数の
実施例について、図1〜図13を参照して具体的に説明
する。
【0026】[1]第1実施例…図1〜図3 図1〜図3は、本発明による単相単巻変圧器の第1実施
例を示す図であり、図1は結線図、図2は図1の単相単
巻変圧器の巻線配置とその磁束分布を示す説明図、図3
は図2の巻線配置において発生する電磁機械力を示す説
明図である。
【0027】すなわち、図1に示すように、端子R−T
間の分路巻線5は、第1の分路巻線5Aと第2の分路巻
線5Bとに2分割されており、この第1および第2の分
路巻線5A,5Bの巻回数比は、x1:x2(x2=1
−x1)とされている。そして、図2に示すように、鉄
心脚7の周囲の最内側には、第1の分路巻線5Aが巻装
され、その周囲に直列巻線6が巻装され、さらに、最外
側には、第2の分路巻線5Bが巻装されており、これら
の巻線5A,6,5Bは、同心状に配置されている。
【0028】このように構成された本実施例の単相単巻
変圧器においては、第1および第2の分路巻線5A,5
Bには電流Icが、直列巻線6には電流Isが、互いに
逆方向に流れ、互いにアンペアターンを打ち消し合い、
軸方向の漏れ磁束を発生させている。この磁束密度は、
図2に示すように、上方向に最大値B1を有し、下方向
に最大値B2を有するようにして分布する。これらの磁
束密度の最大値B1,B2は、その巻回数比x1:x2
に比例する。例えば、第1および第2の分路巻線5A,
5Bの分割比率が等分であり、x1=x2=0.5であ
る場合には、磁束密度の最大値B1,B2は、図16の
最大値Bmの約半分となる。
【0029】このような磁束分布になる本実施例の単相
単巻変圧器においては、変圧器の寸法・重量を小さくし
ながら、しかも、そのインピーダンス電圧を容易に小さ
くすることができ、電磁機械力に対しても十分な強度を
持たせることができる。このような作用および効果につ
いて、以下に説明する。
【0030】すなわち、まず、本実施例の単相単巻変圧
器のインピーダンス電圧(%IZ)は、前記の式(2)
で求められるが、Qについては、前記の式(3)によっ
て表されるQの代わりに、次の式(7)によって表され
るQ1に変更される。
【数7】 ただし、この式(7)において、D1〜D5およびG1
〜G5は次のように定義される。 D1:第1の分路巻線5Aの平均直径[mm] D2:第1の分路巻線5Aと直列巻線6との間の間隙の
平均直径[mm] D3:直列巻線6の平均直径[mm] D4:直列巻線6と第2の分路巻線5Bとの間の間隙の
平均直径[mm] D5:第2の分路巻線5Bの平均直径[mm] G1:第1の分路巻線5Aの半径方向幅[mm] G2:第1の分路巻線5Aと直列巻線6との間の間隙の
半径方向幅[mm] G3:直列巻線6の半径方向幅[mm] G4:直列巻線6と第2の分路巻線5Bとの間の間隙の
半径方向幅[mm] G5:第2の分路巻線5Bの半径方向幅[mm]
【0031】ここで、例えば、第1および第2の分路巻
線5A,5Bの分割比率が等分であり、x1=x2=
0.5である場合には、図2のG1とG5は図15のG
1の半分となり、G4はG2と等しいとしてよいから、
前記の式(3)によるQと式(7)によるQ1の関係
は、定格容量20MVAの単相単巻変圧器で計算してみ
ると、Q1はQの約40%となり、他の容量でも同じよ
うな関係となる。
【0032】したがって、このように、QすなわちQ1
が40%になる場合、前記の式(4)における、m,
e,Hの値を小さくしても、Kの値を小さくして、イン
ピーダンス電圧を容易に小さくすることができるため、
次のような利点が得られる。
【0033】まず、mの値は、巻線群数であり、2群よ
り1群の方が、3群より2群の方が、分路巻線5A,5
B、分路巻線6および鉄心脚7の個数を低減できるた
め、それによって、変圧器の寸法・重量を小さくするこ
とができ、価格を安くすることができる。例えば、従来
方式の図16において、その巻線群数mを2として一定
の定格の変圧器を得ていた場合に、本発明方式の図2に
おいてはその巻線群数mを1として同じ定格の変圧器を
得ることができ、鉄心脚7と直列巻線6の個数を2から
1に半減することができる。また、この場合、従来の非
分割型の分路巻線5の数は2個であり、本実施例の分割
型の分路巻線5A,5Bの数はやはり2個であるため、
分路巻線の数は変化しない。
【0034】また、eの値は、1巻回当りの電圧であ
り、これを小さくできると、鉄心を細くして主磁束の量
を低減することができるので、鉄心の寸法・重量を小さ
くして、変圧器の寸法・重量を小さくすることができ、
価格を安くすることができる。さらに、Hの値は、巻線
の軸方向高さであり、これを低くできると、鉄心脚の高
さを低くできるため、変圧器の高さ寸法を輸送できる寸
法以下にすることが容易となる。したがって、製造工場
から設置場所への輸送が容易になる。
【0035】一方、本実施例の単相単巻変圧器におい
て、電磁機械力は、図3に示すように発生する。すなわ
ち、第1の分路巻線5Aに短絡電流icが流れると、こ
の第1の分路巻線5Aには内側方向の電磁機械力Fc1
が発生する。この場合、第1の分路巻線5Aの巻回数N
cは図16に示した従来の非分割型の分路巻線5の巻回
数の1/2である。そのため、前記の式(5)より第1
の分路巻線5Aの電磁機械力Fc1は従来の1/4にな
り、前記の式(6)よりその圧縮応力σcは従来の1/
2になるので、その導体断面積Acを従来の1/2にす
ることができ、巻線の重量を軽くすることができる。
【0036】また、直列巻線6に短絡電流isが流れる
と、この直列巻線6の内外には、互いに逆方向の電磁機
械力Fs1,Fs2がそれぞれ発生する。すなわち、直
列巻線6の内側部分6Cには、第1の分路巻線5Aに発
生する電磁機械力Fc1に対向して、外側方向に電磁機
械力Fs1が発生し、直列巻線6の外側部分6Dには、
内側方向に電磁機械力Fs2が発生する。そして、これ
らの電磁機械力Fs1,Fs2の向きが反対なので、直
列巻線6全体に実質的に加わる電磁機械力は、両者の差
(Fs1−Fs2)となり、極めて小さくなる。したが
って、直列巻線6の電磁機械力に対する強度を特別に考
慮する必要がなくなるため、直列巻線6の導体断面積
を、導体の温度上昇や発生負荷損のみにより決定するこ
とができ、実質的に小さくすることができる。
【0037】さらに、第2の分路巻線5Bに短絡電流i
cが流れると、この第2の分路巻線5Bには、直列巻線
6Dに発生する電磁機械力Fs2に対向して、外側方向
に電磁機械力Fc2が発生する。この場合、第2の分路
巻線5Bの巻回数Ncは、前記の第1の分路巻線5Aと
同様に、従来の非分割型の分路巻線5の巻回数の1/2
である。そのため、前記の第1の分路巻線5Aと同様
に、前記の式(5)より第2の分路巻線5Bの電磁機械
力Fc2は従来の1/4になり、前記の式(6)よりそ
の圧縮応力σcは従来の1/2になるので、その導体断
面積Acを従来の1/2にすることができ、巻線の重量
を軽くすることができる。
【0038】以上、本実施例の作用および効果について
一般的に記述したが、実際に、変圧器を設計する場合に
は、前記のQ1,m,e,H,Nc,Acなどの各値
を、仕様を満足する適切な値に選定することにより、寸
法・重量が小さくなり、価格の安いものにすることがで
きる。
【0039】[2]第2実施例…図4〜図6 図4〜図6は、本発明による単相単巻変圧器の第2実施
例を示す図であり、図4は結線図、図5は図4の単相単
巻変圧器の巻線配置とその磁束分布を示す説明図、図6
は図5の巻線配置において発生する電磁機械力を示す説
明図である。
【0040】すなわち、図4に示すように、端子F−R
間の直列巻線6は、第1の直列巻線6Aと第2の直列巻
線6Bとに2分割されており、この第1および第2の直
列巻線6A,6Bの巻回数比は、y1:y2(y2=1
−y1)とされている。そして、図5に示すように、鉄
心脚7の周囲には、その内側から、第1の直列巻線6
A、分路巻線5、第2の直列巻線6Bの順に巻装されて
いる。
【0041】このように構成された本実施例の単相単巻
変圧器においては、第1および第2の直列巻線6A,6
Bには電流Isが、分路巻線5には電流Icが、互いに
逆方向に流れ、互いにアンペアターンを打ち消し合い、
軸方向の漏れ磁束を発生させている。この磁束密度は、
図5に示すように、下方向に最大値B1を有し、上方向
に最大値B2を有するようにして分布する。これらの磁
束密度の最大値B1,B2は、その巻回数比y1,y2
に比例する。例えば、第1および第2の直列巻線6A,
6Bの分割比率が等分であり、y1=y2=0.5であ
る場合には、磁束密度の最大値B1,B2は、図16の
最大値Bmの約半分となる。
【0042】このような磁束分布になる本実施例の単相
単巻変圧器においては、前記第1実施例と同様に、変圧
器の寸法・重量を小さくしながらしかも、そのインピー
ダンス電圧を容易に小さくすることができ、電磁機械力
に対しても十分な強度を持たせることができる。
【0043】すなわち、本実施例の単相単巻変圧器のイ
ンピーダンス電圧(%IZ)は、前記第1実施例と同様
に、前記の式(2)で求められるが、Qについては、前
記の式(7)のx1,x2を、y1,y2に置換えた式
によって表されるQ1となる。この場合、式(7)のD
1〜D5およびG1〜G5は次のように読み替えること
になる。 D1:第1の直列巻線6Aの平均直径[mm] D2:第1の直列巻線6Aと分路巻線5との間の間隙の
平均直径[mm] D3:分路巻線5の平均直径[mm] D4:分路巻線5と第2の直列巻線6Bとの間の間隙の
平均直径[mm] D5:第2の直列巻線6Bの平均直径[mm] G1:第1の直列巻線6Aの半径方向幅[mm] G2:第1の直列巻線6Aと分路巻線5との間の間隙の
半径方向幅[mm] G3:分路巻線5の半径方向幅[mm] G4:分路巻線5と第2の直列巻線6Bとの間の間隙の
半径方向幅[mm] G5:第2の直列巻線6Bの半径方向幅[mm]
【0044】また、本実施例において、電磁機械力は、
図6に示すように発生する。すなわち、第1の直列巻線
6Aに流れる短絡電流isにより、この第1の直列巻線
6Aには内側方向の電磁機械力Fs1が発生し、分路巻
線5に流れる短絡電流icにより、この分路巻線5の内
側部分5Cには外側方向の電磁機械力Fc1が発生し、
分路巻線5の外側部分5Dには内側方向の電磁機械力F
c2が発生し、さらに、第2の直列巻線6Bに流れる短
絡電流isにより、この第2の直列巻線6Bには外側方
向の電磁機械力Fs2が各々発生する。このような電磁
機械力の方向関係は前記第1実施例(図3)と同じであ
る。したがって、本実施例においても、前記第1実施例
と同様の作用効果が得られる。
【0045】[3]第3実施例…図7〜図9 図7〜図9は、端子R−T間の電圧を切り換える必要が
ある単相単巻変圧器に本発明を適用した第3実施例を示
す図であり、図7は結線図、図8は図7の単相単巻変圧
器の巻線配置とその磁束分布を示す説明図、図9は図7
の巻線配置において発生する電磁機械力を示す説明図で
ある。
【0046】まず、新交流起電回路方式では、電気車電
圧すなわち図14に示すトロリ線(T)とレール(R)
間の電圧ET を2種類、例えば、22kVと30kVと
して運行する場合があるが、本実施例は、このような場
合に必要となる単相単巻変圧器に本発明を適用したもの
である。
【0047】例えば、図14に示す起電線(F)とレー
ル(R)間の電圧ET が37.5kVであるとすると、
22kV運行時には、1次側電圧が59.5(=22+
37.5)kVで、2次側電圧が22kVであるから、
この時のnをn1とするとn1=37.5/22=1.
705となる。そして、30kV運行時には、1次側電
圧が67.5(=30+37.5)kVで、2次側電圧
が30kVであるから、この時のnをn2とすると、n
2=37.5/30=1.25となる。
【0048】図7の結線は、このように、2種類の電圧
に切り換えるために巻回数比nをn1,n2の2種類に
切り換える場合に適用される。すなわち、図7におい
て、直列巻線6は第1および第2の直列巻線6A,6B
に2分割されており、この第1および第2の直列巻線6
A,6Bの巻回数比は、y1:y2(y2=1−y1)
とされている。そして、分路巻線側は、分路巻線5とタ
ップ巻線8で構成されており、その巻回数比は、x1:
x2(x2=1−x1)とされている。タップ巻線8を
分路巻線5に直列に接続するか否かは、タップ切換器9
の接点P0 〜P2により切換え可能とされている。この
場合、P0 は分路巻線5側の接点であり、P1 とP2
タップ巻線8の非接続側と接続側の接点である。そし
て、図8に示すように、鉄心脚7の周囲には、その内側
から、第1の直列巻線6A、分路巻線5、第2の直列巻
線6B、タップ巻線8の順に巻装されている。
【0049】以上のように構成することにより、n1=
1.705の場合には、タップ切換器9で接点P0 と接
点P1 を接続することにより、タップ巻線8を接続せず
に、分路巻線5と第1および第2の直列巻線6A,6B
のみを直列接続する。これによって、分路巻線5に2次
側電圧22kVを誘起させ、直列巻線6A,6Bに3
7.5kVを誘起させて1次側電圧59.5kVとする
ことができる。また、n2=1.25の場合には、タッ
プ切換器9で接点P0 と接点P2 を接続することによ
り、分路巻線5とタップ巻線8を直列接続すると同時
に、この直列接続に第1および第2の直列巻線6A,6
Bを直列接続する。これによって、分路巻線5に22k
Vを誘起させ、タップ巻線8に8kVを誘起させ、2次
側電圧30kVを得て、さらに、直列巻線6A,6Bに
37.5kVを誘起させて1次側電圧67.5kVを得
ることができる。
【0050】また、本実施例の単相単巻変圧器における
磁束密度分布は、以上のようなタップ巻線8の接続・非
接続に応じて異なる。すなわち、本実施例は、図8に示
すように、鉄心脚7に内側から直列巻線6A、分路巻線
5、直列巻線6B、タップ巻線8の順に巻装しているた
め、タップ巻線8を除いた巻線構成は、前記第2実施例
と全く同様である。そして、n1=1.705の場合に
は、タップ巻線8には電流が流れないので、タップ巻線
8のない前記第2実施例と全く同じ条件となり、図5に
示したのと同様の磁束密度分布を示す。また、n2=
1.25の場合には、タップ巻線8にも電流が流れるた
め、分路巻線5とタップ巻線8には電流Icが、直列巻
線6A,6Bには電流Isが、互いに逆方向に流れ、互
いにアンペアターンを打ち消し合い、軸方向の漏れ磁束
を発生させている。この磁束密度は、図8に示すよう
に、Bx1,Bx2,By1,By2で表される形で分
布する。この場合、磁束密度Bx1,Bx2の大きさ
は、図7に示す分路巻線5とタップ巻線8の巻回数の比
x1,x2に比例する。また、磁束密度By1,By2
の大きさは、図7に示す第1および第2の直列巻線6
A,6Bの巻回数の比y1,y2に比例する。
【0051】このような磁束分布になる本実施例の単相
単巻変圧器のインピーダンス電圧(%IZ)は、前記第
2実施例と同様に、前記の式(2)で求められるが、Q
については、次の式(8)に表されるQ2に変更され
る。
【数8】 ただし、この式(8)において、D1〜D7およびG1
〜G7は次のように定義される。 D1:第1の直列巻線6Aの平均直径[mm] D2:第1の直列巻線6Aと分路巻線5との間の間隙の
平均直径[mm] D3:分路巻線5の平均直径[mm] D4:分路巻線5と第2の直列巻線6Bとの間の間隙の
平均直径[mm] D5:第2の直列巻線6Bの平均直径[mm] D6:第2の直列巻線6Bとタップ巻線8との間の間隙
の平均直径[mm] D7:タップ巻線8の平均直径[mm] G1:第1の直列巻線6Aの半径方向幅[mm] G2:第1の直列巻線6Aと分路巻線5との間の間隙の
半径方向幅[mm] G3:分路巻線5の半径方向幅[mm] G4:分路巻線5と第2の直列巻線6Bとの間の間隙の
半径方向幅[mm] G5:第2の直列巻線6Bの半径方向幅[mm] G6:第2の直列巻線6Bとタップ巻線8との間の間隙
の半径方向幅[mm] G7:タップ巻線8の平均直径[mm]
【0052】ここで、例えば、x1=22/30=0.
733,x2=8/30=0.267であり、y1=y
2=0.5である場合には、前記の式(3)によるQと
前記の式(8)によるQ2との関係は、定格容量20M
VAの単相単巻変圧器で計算してみると、Q2はQの約
30%となり、他の容量でも同じような関係となる。
【0053】したがって、このように、QすなわちQ2
が30%になる場合、前記の式(4)における、m,
e,Hの値を小さくしても、Kの値を小さくして、イン
ピーダンス電圧を容易に小さくすることができるため、
前記第1実施例について説明したのと同様の利点が得ら
れる。
【0054】一方、本実施例の単相単巻変圧器において
発生する電磁機械力は、前述したタップ巻線8の接続・
非接続に応じて異なる。すなわち、本実施例は、前述し
た通り、タップ巻線8を除いた巻線構成は、前記第2実
施例と全く同様である。そして、タップ巻線8が分路巻
線5に接続されていない場合には、タップ巻線8には、
短絡電流isが流れないので、タップ巻線8のない前記
第2実施例と全く同じ条件となり、図6に示したのと同
様の電磁機械力が発生する。
【0055】また、タップ巻線8が分路巻線5に接続さ
れている場合には、電磁機械力は、図9に示すように発
生する。すなわち、第1の直列巻線6Aに短絡電流is
が流れると、この第1の直列巻線6Aには内側方向の電
磁機械力Fs1が発生する。この場合、第1の直列巻線
6Aの巻回数Ncは図16に示した従来の非分割型の直
列巻線6の巻回数の1/2である。そのため、前記の式
(5)より第1の直列巻線6Aの電磁機械力Fc1は従
来の1/4になり、前記の式(6)よりその圧縮応力σ
cは従来の1/2になるので、その導体断面積Acを従
来の1/2にすることができ、巻線の重量を軽くするこ
とができる。
【0056】また、分路巻線5に短絡電流icが流れる
と、この分路巻線5の内外には、互いに逆方向の電磁機
械力Fc1,Fc2がそれぞれ発生する。すなわち、分
路巻線5の内側部分5Cには、第1の直列巻線6Aに発
生する電磁機械力Fs1に対向して、外側方向に電磁機
械力Fc1が発生し、分路巻線5の外側部分5Dには、
内側方向に電磁機械力Fc2が発生する。そして、これ
らの電磁機械力Fc1,Fc2の向きが反対なので、分
路巻線5全体に実質的に加わる電磁機械力は、両者の差
(Fc1−Fc2)となり、極めて小さくなる。したが
って、分路巻線5の電磁機械力に対する強度を特別に考
慮する必要がなくなるため、分路巻線5の導体断面積
を、導体の温度上昇や発生負荷損のみにより決定するこ
とができ、実質的に小さくすることができる。
【0057】さらに、第2の直列巻線6Bに短絡電流i
sが流れると、この第2の直列巻線6Bの内外には、互
いに逆方向の電磁機械力Fs2,Fs3がそれぞれ発生
する。すなわち、第2の直列巻線6Bの内側部分6Cに
は、分路巻線5の外側部分5Dに発生する電磁機械力F
c2に対向して、外側方向に電磁機械力Fs2が発生
し、第2の直列巻線6Bの外側部分6Dには、内側方向
に電磁機械力Fs3が発生する。そして、これらの電磁
機械力Fs2,Fs3の向きが反対なので、この第2の
直列巻線6B全体に実質的に加わる電磁機械力は、両者
の差(Fs2−Fs3)となり、極めて小さくなる。し
たがって、前述した分路巻線5と同様に、電磁機械力に
対する強度を特別に考慮する必要がなくなるため、第2
の直列巻線6Bの導体断面積を、導体の温度上昇や発生
負荷損のみにより決定することができ、実質的に小さく
することができる。
【0058】そしてまた、タップ巻線8に短絡電流ic
が流れると、このタップ巻線8には、第2の直列巻線6
Bの外側部分6Dに発生する電磁機械力Fs3に対向し
て、外側方向に電磁機械力FT が発生する。この場合、
タップ巻線8の巻回数の比x2は0.267と小さいた
め、電磁機械力FT の値は小さくなり、電磁機械力的に
問題はない。
【0059】したがって、本実施例の単相単巻変圧器に
おいても、変圧器の寸法・重量を小さくしながら、しか
も、そのインピーダンス電圧を容易に小さくすることが
でき、電磁機械力的に対しても十分な強度を持たせるこ
とができる。
【0060】 [4]第3実施例の変形例…図10〜図12 図10〜図12は、前記第3実施例の変形例に相当する
第4実施例、第5実施例、および第6実施例をそれぞれ
示す結線図である。
【0061】まず、図10に示す第4実施例は、前記第
3実施例において、図7に示すように端子R側に配置し
ていたタップ巻線8を、端子T側に移したものであり、
これ以外の構成は、前記第3実施例と同様とされてい
る。このようなタップ巻線8の位置の変更は単なる設計
仕様上の変更に過ぎないため、本実施例においても、前
記第3実施例と同様の作用効果が得られる。
【0062】次に、図11に示す第5実施例は、前記第
4実施例の変形例であり、分路巻線5とタップ巻線8が
直列に接続され、タップ巻線8の両端から端子T1,T
2が引き出されている。そして、n1=1.705とし
て使用する場合にはトロリ線(T)を端子T1に接続
し、n2=1.25として使用する場合にはトロリ線
(T)をT2に接続する。本実施例の構成においては、
前記第3実施例と同様の作用効果が得られることに加え
て、さらに、端子の数が1個増えるものの、タップ切換
器9を省略できるという付加的な利点がある。
【0063】一方、図12に示す第6実施例は、前記第
3実施例の巻線群を1組とした場合に、2組の巻線群を
並列に接続し、各組にそれぞれタップ切換器9を接続し
たものである。このような構成を有する本実施例におい
ては、前記第3実施例の作用効果に加えて、さらに、変
圧器容量が増加し、電流が大きくなり、1台のタップ切
換器9では電流が不足する場合に対応できるという利点
がある。
【0064】[5]巻線群数に応じた巻線の配置構成 図13は、前記の式(2)における巻線群数mに応じた
巻線の具体的な配置構成を示す説明図である。すなわ
ち、まず、図13の(a)は、巻線群数mが1の場合で
あり、1組の巻線群10が単相3脚鉄心11の中央の主
脚に巻装されている。また、図13の(b)は、巻線群
数mが2の場合であり、単相2脚鉄心12の両脚に同一
構成の巻線群10が巻装されている。この場合、巻線群
10の電流容量はそれぞれ1/2とされ、これらの巻線
群10が並列接続されて、端子F,R,Tとされてい
る。さらに、図13の(c)は、巻線群数mが3の場合
であり、単相5脚鉄心13の中央の主脚3脚に同一構成
の巻線群10が巻装されている。この場合、巻線群10
の電流容量はそれぞれ1/3とされ、これらの巻線群1
0が並列接続されて、端子F,R,Tとされている。
【0065】[6]他の実施例 なお、本発明は、前述したような各実施例に限定される
ものではなく、例えば、巻線の分割側、分割数とその配
列は、自由に選択可能である。例えば、前記第3実施例
の変形例として、分路巻線5と直列巻線6とを置き換え
る構成も同様に可能である。すなわち、直列巻線6を分
割する代わりに、分路巻線5を分割して第1および第2
の分路巻線5A,5Bとし、鉄心脚7の周囲にその内側
から第1の分路巻線5A、直列巻線6、第2の分路巻線
5B、タップ巻線8の順に配置する実施例等も同様に可
能であり、同様の作用効果が得られるものである。この
構成は、請求項2に記載の構成に相当する。
【0066】さらに、前記各実施例においては、分路巻
線または直列巻線の分割比率が等分である場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
分割比率は自由に選択可能であり、タップ巻線と分路巻
線または直列巻線との巻回数比率も自由に選択可能であ
る。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、巻
線群数、鉄心の太さ、鉄心脚の高さおよび巻線の導体断
面積を従来より小さくしながら、しかも、そのインピー
ダンス電圧を容易に小さくすることができ、また、電磁
機械力に対しても十分な強度を持たせることができるた
め、従来に比べて寸法・重量が小さく、安価な単相単巻
変圧器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による単相単巻変圧器の第1実施例を示
す結線図。
【図2】図1の単相単巻変圧器の巻線配置とその磁束分
布を示す説明図。
【図3】図2の巻線配置において発生する電磁機械力を
示す説明図。
【図4】本発明による単相単巻変圧器の第2実施例を示
す結線図。
【図5】図4の単相単巻変圧器の巻線配置とその磁束分
布を示す説明図。
【図6】図5の巻線配置において発生する電磁機械力を
示す説明図。
【図7】本発明による単相単巻変圧器の第3実施例を示
す結線図。
【図8】図7の単相単巻変圧器の巻線配置とその磁束分
布を示す説明図。
【図9】図8の巻線配置において発生する電磁機械力を
示す説明図。
【図10】本発明による単相単巻変圧器の第4実施例を
示す結線図。
【図11】本発明による単相単巻変圧器の第5実施例を
示す結線図。
【図12】本発明による単相単巻変圧器の第6実施例を
示す結線図。
【図13】巻線群数mに応じた巻線の具体的な配置構成
を示す説明図。
【図14】本発明の単相単巻変圧器の適用対象となる交
流起電回路の一例を示す説明図。
【図15】図14の交流起電回路に適用される従来の単
相単巻変圧器の一例を示す結線図。
【図16】図15の単相単巻変圧器の巻線配置とその磁
束分布を示す説明図。
【図17】図16の巻線配置において発生する電磁機械
力を示す説明図。
【符号の説明】 1…スコット結線変圧器 2…3相電源 3…単相単巻変圧器 4…電気車 5…分路巻線 5A…第1の分路巻線 5B…第2の分路巻線 5C…分路巻線の内側部分 5D…分路巻線の外側部分 6…直列巻線 6A…第1の直列巻線 6B…第2の直列巻線 6C…直列巻線の内側部分 6D…直列巻線の外側部分 7…鉄心脚 8…タップ巻線 9…タップ切換器 10…巻線群 11…単相3脚鉄心 12…単相2脚鉄心 13…単相5脚鉄心
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そして、以上のような単相単巻変圧器の自
己容量と定格容量の比αと巻回数比nとの関係は、下記
の式(1)および表1のように示される。
【数1】α=(自己容量)/(定格容量) =(F−R間の電圧)/(F−T間の電圧) =n/(1+n)… 式(1)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による単相単巻変
圧器は、鉄心脚に分路巻線と直列巻線を巻装してなり、
この直列巻線の巻回数が分路巻線の巻回数の1倍を超過
する単相単巻変圧器において、その巻線の構成に特徴を
有するものである。すなわち、請求項1に記載の単相単
巻変圧器は、前記分路巻線を、直列接続された第1の分
路巻線と第2の分路巻線に分割し、前記鉄心脚の周囲
に、その内側より、前記第1の分路巻線、前記直列巻
線、前記第2の分路巻線の順に巻装したことを特徴とし
ている。また、請求項2に記載の単相単巻変圧器は、前
記請求項1の構成に加えて、さらに、前記直列巻線との
直列接続・非接続を切り換えることの可能なタップ巻線
を備え、前記鉄心脚の周囲に、その内側より、前記第1
の分路巻線、前記直列巻線、前記第2の分路巻線、前記
タップ巻線の順に巻装したことを特徴としている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心脚に分路巻線と直列巻線を巻装して
    なり、この直列巻線の巻回数が分路巻線の巻回数の2倍
    を超過する単相単巻変圧器において、 前記分路巻線を、直列接続された第1の分路巻線と第2
    の分路巻線に分割し、前記鉄心脚の周囲に、その内側よ
    り、前記第1の分路巻線、前記直列巻線、前記第2の分
    路巻線の順に巻装したことを特徴とする単相単巻変圧
    器。
  2. 【請求項2】 前記直列巻線との直列接続・非接続を切
    り換えることの可能なタップ巻線を備え、前記鉄心脚の
    周囲に、その内側より、前記第1の分路巻線、前記直列
    巻線、前記第2の分路巻線、前記タップ巻線の順に巻装
    したことを特徴とする請求項1に記載の単相単巻変圧
    器。
  3. 【請求項3】 鉄心脚に分路巻線と直列巻線を巻装して
    なり、この直列巻線の巻回数が分路巻線の巻回数の2倍
    を超過する単相単巻変圧器において、 前記直列巻線を、直列接続された第1の直列巻線と第2
    の直列巻線に分割し、前記鉄心脚の周囲に、その内側よ
    り、前記第1の直列巻線、前記分路巻線、前記第2の直
    列巻線の順に巻装したことを特徴とする単相単巻変圧
    器。
  4. 【請求項4】 前記分路巻線との直列接続・非接続を切
    り換えることの可能なタップ巻線を備え、前記鉄心脚の
    周囲に、その内側より、前記第1の直列巻線、前記分路
    巻線、前記第2の直列巻線、前記タップ巻線の順に巻装
    したことを特徴とする請求項3に記載の単相単巻変圧
    器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011142218A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp 単相変圧器及びそれを用いた配電系統

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JP2011142218A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp 単相変圧器及びそれを用いた配電系統

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