JPH05159948A - 負荷時タップ切換単相単巻変圧器 - Google Patents

負荷時タップ切換単相単巻変圧器

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JPH05159948A
JPH05159948A JP4015605A JP1560592A JPH05159948A JP H05159948 A JPH05159948 A JP H05159948A JP 4015605 A JP4015605 A JP 4015605A JP 1560592 A JP1560592 A JP 1560592A JP H05159948 A JPH05159948 A JP H05159948A
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JP
Japan
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winding
tap
current
shunt
voltage
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Application number
JP4015605A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Yoshida
美昭 吉田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】負荷損の低減とタップ位置の変化に対する漏れ
インピーダンスの変化範囲を低減する。 【構成】帰路脚12に装着されるタップ巻線4を励磁す
る励磁巻線5を分路巻線2に並列接続して分路巻線2か
ら励磁巻線5に電圧と電流を供給する結線とすることに
よって、分路巻線2の中で励磁巻線5に流す電流と直列
巻線1のアンペアターンを打ち消す電流とが重畳する
が、これらが互いに打ち消し合うときは勿論、大きくな
る場合でも従来の三次巻線3に発生していた負荷損がな
くなるので全体の負荷損が低減するとともに、高圧側と
中圧側との間の漏れインピーダンスも直列巻線1から離
れた位置の三次巻線3が関係しなくなるのでタップ位置
による変化量が低減する。また、分路巻線2からではな
く直列巻線1から励磁巻線5に電圧と電流を供給する結
線を採用しても前述と同じ作用効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば一次側が50
0kV系統、二次側が275kV系統の超々高圧系統に
使用される負荷時タップ切換単巻変圧器、特に輸送制限
の関係から三相をそれぞれ別個の単相変圧器とした負荷
時タップ切換単相単巻変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の変圧器は輸送上の制約を受ける
ために、単相器として製作され、据え付け場所において
3台の単相器を3相バンク結線して3相変圧器として用
いるのが一般的である。また、送電系統の電圧変動に対
応するための負荷時タップ切換器を設ける場合が多い。
【0003】図27は従来の負荷時タップ切換単相単巻
変圧器の巻線と鉄心の構成を示す立面図であり、複数の
巻線はそれぞれの配置が明らかになるように断面で示し
てある。この図において、10は中央脚鉄心で、主脚1
1、帰路脚12,13及びこれらを上下で磁気的機械的
に連結する符号を付けない上下継鉄からなっている。主
脚鉄心11には外径側から順に直列巻線1、分路巻線2
及び三次巻線3が装着されており、帰路脚12にはタッ
プ巻線4と励磁巻線5とが装着されている。
【0004】それぞれの巻線は図の上下方向である軸方
向に対して同じ位置に互いに所定の半径方向距離を隔て
て同心状に配置されている。これらは、外部で短絡事故
が発生して短絡電流が流れたときの強大な電磁機械力の
発生を極力小さくし、また、それぞれの巻線間の絶縁耐
力を確保するためである。図28は図27の巻線結線図
であり、直列巻線1の上の端子が高圧端子H、下の端子
aが分路巻線2に接続されていて分路巻線2の下の端子
はこの変圧器が三相結線されたときの直接接地される中
性点端子Oになる。端子aはタップ巻線4の上の端子c
と下の端子bとをスイッチ61によって選択して接続さ
れる。また、中圧端子Xはタップ巻線4のタップ端子の
一つをタップ選択器62によって選択された位置から引
き出される。スイッチ61や選択器62によるタップ切
換えの構成は一般の負荷時タップ切換変圧器に使用され
る構成である。
【0005】励磁巻線5の両端子は三次巻線3の両端子
1 、Y2 に接続されていてこの三次巻線3から電圧と
電流が供給される。タップ巻線4には中圧端子Xに流れ
る電流が流れ、そのアンペアターンは選択されるタップ
位置よって変化する。図では端子bから中圧端子Xまで
の6タップ分に電流が流れており、これと同じアンペア
ターンとなる電流が励磁巻線5に流れる。
【0006】高圧端子Hと中性点端子Oとの間の巻数N
H は直列巻線1の巻数N1 と分路巻線の巻数N2 との
和、すなわち、NH =(N1 +N2 )となって常に一定
である。一方、中圧端子Xと中性点端子Oとの間の巻数
X は分路巻線2の巻数N2 とタップ巻線の電流が流れ
ている部分の巻数との代数和であり、図の場合1タップ
の巻線をNT とすると、NX =N2 +6NT となる。ス
イッチ61が端子cを選択している場合には、符号は−
になる。したがって、中圧端子Xと中性点端子Oとの間
の巻数はタップ位置によって変化する。
【0007】変圧器の電圧仕様として、高圧電圧を
1 、中圧基準電圧をE2 、中圧電圧調整範囲を±V、
三次側電圧をE3 としたとき、三次巻線3と励磁巻線5
の電圧はE3 、分路巻線2の電圧はE2 、直列巻線1の
電圧は(E1 −E2 )(=E12とする)、タップ巻線4
の電圧はVとして構成される。また、中圧端子Xの電圧
X は(E2 ±V)となる。
【0008】図29は中圧電圧が中圧基準電圧をE2
一致する場合の電圧、電流を示す結線図である。この図
において、電流は高圧端子Hから電流I1 が流れ込み中
圧端子Xから電流I2 が流れ出しているものとし、三次
巻線3の端子Y1 ,Y2 からの電流の流入はないものと
する。すなわち、高圧側と中圧側とで電力の授受が行わ
れている場合である。
【0009】X端子はタップ巻線4の上端子である端子
cから引き出されていてタップ巻線4には電流が流れな
いので励磁巻線5にも電流は流れない。したがって、三
次巻線3にも電流は流れない状態である。アンペアター
ンの平衡は結局直列巻線1と分路巻線2との間で成り立
ちそれぞれのアンペアターンの値が同じで方向が逆にな
っている。実際に流れる電流は図示のように、直列巻線
1には電流I1 、分路巻線2には電流(I2 −I1 )が
流れる。このときの漏れインピーダンスは直列巻線1と
分路巻線2との間の漏れインピーダンスに一致する。
【0010】図30は中圧電圧が最大になる最高タップ
が選択されているときの巻線結線図である。この図にお
いて、端子aは端子bを選択しタップ位置はタップ巻線
4が電圧Vを誘起する位置である。したがって、中圧側
電圧は(E2+V)になる。この状態での電流分布は、
図29の電流I1 、I2 を基準にして示すと図示のよう
に、直列巻線1には図29と同じく電流I1 、タップ巻
線4の電流はI2 ×E 2 /(E2 +V)、分路巻線2の
電流はタップ巻線4の電流から直列巻線1の電流を差し
引いた値であるから、{I2 ×E2 /(E2 +V)}−
1 となる。タップ巻線4に電流が流れることからこれ
を打ち消す電流が励磁巻線5に流れその値は励磁巻線5
の電圧E3 とタップ巻線4の電圧Vに反比例することか
ら、I2 ×E2 V/{(E2 +V)E3 }となる。
【0011】この図での漏れインピーダンスは直列巻線
1と分路巻線2との間の漏れ磁束と、励磁巻線5と並列
接続している三次巻線3に流れる電流によって生ずる漏
れ磁束が重畳する結果、主脚鉄心11における漏れイン
ピーダンスは図29の場合よりも大きな値になり、更に
タップ巻線4と励磁巻線5との間の漏れインピーダンス
が加算される。
【0012】図31は中圧側電圧が最小になる最低タッ
プが選択されているときの巻線結線図である。この図に
おい端子aは端子cを選択しタップ位置はタップ巻線4
が電圧Vを誘起する位置である。したがって、中圧側電
圧は(E2 −V)になる。この状態での電流分布は、図
30と同じく図29の電流I1 、I2 を基準にして示す
と、図示のように直列巻線1には図30と同じく電流I
1 、タップ巻線4の電流はI2 ×E2 /(E2 −V)、
分路巻線2の電流はタップ巻線4の電流から直列巻線1
の電流を差し引いた値であるから、{I2 ×E2 /(E
2 −V)}−I 1 となる。タップ巻線4に電流が流れる
ことからこれを打ち消す電流が励磁巻線5に流れその値
は、I2 ×E2 V/{(E2 −V)E3 }である。
【0013】この図での漏れインピーダンスは、直列巻
線1と分路巻線2との間の漏れ磁束の一部を、励磁巻線
5と並列接続している三次巻線3に流れる電流によって
生ずる漏れ磁束が打ち消す結果、主脚鉄心11における
漏れインピーダンスは図29の場合よりも小さな値にな
る。ただし、帰路脚12のタップ巻線4と励磁巻線5と
の間の漏れインピーダンスが加算されることは図30と
同じである。
【0014】図32は中圧側と三次側との間で電力の授
受が行われる場合の中圧電圧が中圧基準電圧の中央タッ
プが選択されているときの巻線結線図である。三次巻線
の端子Y1 から流出する電流をI3 、この電流を打ち消
す分路巻線2に流れる電流ををI2 とすると、この電流
2は同時に端子Xから流入する電流でもある。なお、
この電流I2 は前記の図29〜図31の電流I2 とは値
が異なり直接関係のないものである。この電流I2 ,I
3 を基準にして中圧電圧が最大及び最小となるタップ位
置における電流分布や漏れインピーダンスの値について
記載する。
【0015】図32ではタップ巻線4には電流が流れな
いので励磁巻線5にも電流は流れない。前述のように三
次巻線3と分路巻線2との電流は平衡していて、漏れイ
ンピーダンスはこの三次巻線3と分路巻線2との間の漏
れインピーダンスだけである。図33は中圧電圧が最大
とする最高タップが選択されているときの結線図であ
り、タップ位置については図30と同じである。端子Y
1 から流出する電流は図32と同じとして、分路巻線2
の電流は図33の分路巻線の電流I2 を用いて、I2 ×
2 /(E2+V)となる。三次巻線3はこの電流を打
ち消す電流が流れ、その値はI3 ×E2 /(E2 +V)
となる。また、帰路脚12においては、タップ巻線4に
電流が流れることにより励磁巻線5にはこれを打ち消す
電流I3 ×V/((E2 +V)が流れる。三次巻線3と
励磁巻線5とは並列接続れているから端子Y1 から流入
する電流は前述の三次巻線3と励磁巻線5とに流れる電
流の和となりその値は容易に判るようにI3 となる。
【0016】このときの中圧側と三次側との間の漏れイ
ンピーダンスは、分路巻線2と三次巻線3の電流が図3
2の場合に比べてE2 /(E2 +V)倍になっており、
この比率は1より小さく漏れインピーダンスはその二乗
に比例して小さくなる。ただし、タップ巻線4と励磁巻
線5との間の漏れインピーダンスは加算される。図34
は中圧電圧が最小となる最低タップが選択されていると
きの結線図であり、タップ位置については図31と同じ
である。端子Y1 から流出する電流は図33と同じとし
て、図33と同様に分路巻線2の電流は図32の分路巻
線の電流I2 を用いて、I2 ×E2 /(E2 −V)とな
る。三次巻線3はこの電流を打ち消す電流が流れ、その
値はI3 ×E2 /(E2−V)となる。また、帰路脚1
2においては、タップ巻線4に電流が流れることにより
励磁巻線5にはこれを打ち消す電流I3 ×V/(E2
V)が流れる。三次巻線3と励磁巻線5とは並列接続さ
れているから端子Y1 から流入する電流は前述の三次巻
線3と励磁巻線5とに流れる電流の和となりその値は容
易に判るようにI3 となる。
【0017】このときの中圧側と三次側との間の漏れイ
ンピーダンスは、分路巻線2と三次巻線3の電流が図3
2の場合に比べてE2 /(E2 −V)倍になっており、
この値は1より大きいのででこの比率の二乗に比例して
大きくなる。ただし、この場合もタップ巻線4と励磁巻
線5との間の漏れインピーダンスは加算される。図35
は図32〜図34の中圧側と三次側とで電力が授受され
る場合の中圧電圧に対する漏れインピーダンスの変化を
示すグラフである。この図において、横軸は中圧電圧E
x で右ほど小さな値になる。縦軸は中圧電圧Ex が基準
電圧E2 のときを基準にして比率で表した漏れインピー
ダンスである。前述の説明及びこの図から明らかなよう
に、漏れインピーダンスは中圧電圧EX が小さくなるほ
ど大きな値になるという傾向がある。
【0018】図36は図28とは異なる負荷時タップ切
換単相単巻変圧器の結線を示す結線図であり、巻線構成
は図28と同じなのでそれぞれの巻線には共通の符号を
付してある。図36の図28との違いは、分路巻線2の
上の端子は直接直列巻線1に接続されないで中圧端子X
に接続されている点である。したがって、中圧端子Xと
中性点端子Oとの間の巻数は分路巻線2の巻数になって
いて常に一定である。一方、高圧端子Hと中性点端子と
の間の巻数は分路巻線2、直列巻線1及びタップ巻線4
の巻数の和になり、スイッチ61やタップ選択器62に
よって変化する。すなわち、図28では高圧端子Hの巻
数が一定であったのに対して図36では中圧端子Xの巻
数が一定である結線になっている。
【0019】この結線の場合でもタップ位置よって漏れ
インピーダンスが大きく変化することには変わりなく、
その変化量も前述の図35のグラフで示す傾向に類似で
あることが分かっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図28や図
36のような励磁巻線5を介して三次巻線3からタップ
巻線4に電圧、電流を供給する結線では、前述のように
タップ位置による漏れインピーダンスの変化が大きいと
いう問題の他に負荷損が大きいという問題がある。この
点について図31を例にとって説明する。
【0021】図31は高圧側と中圧側とで電力の授受が
行われている状態であるが、タップ巻線4に電圧と電流
を供給するために、三次巻線3と励磁巻線5に電流が流
れており、これらの巻線で負荷損が発生する。もしも帰
路脚鉄心12にタップ巻線4を装着せず主脚鉄心11に
装着している場合には、三次巻線3には電流は流れずま
た励磁巻線5は不要であるからそれぞれの巻線の負荷損
は発生しない。
【0022】このように帰路脚鉄心12にタップ巻線4
を装着した構成を採用したことによって、タップ巻線4
のアンペアターンが大きいときには負荷損が増大し効率
が低下するという問題がある。前述のように漏れインピ
ーダンスの変化が大きいことは、次のような波及的な問
題が生ずる。すなわち、三次巻線3と直列巻線1とで分
路巻線2が挟まれている構成が採用されていることか
ら、三次巻線3の短絡電流最大値は三次巻線3と分路巻
線2との間の漏れインピーダンスZ23で殆ど決まってし
まうという特徴がある。したがって、短絡時電磁機械力
の耐力を確保するためにはこの漏れインピーダンスZ23
は大きいほどよい。一方、一般に電圧変動率は漏れイン
ピーダンスに比例するので、これを抑制するためには漏
れインピーダンスZ23は小さいほどよい。このような2
つの相反する事項の双方を満足する漏れインピーダンス
の範囲があり、この範囲に入るように漏れインピーダン
スは設定されるのが普通である。しかし、図35で示す
ように、最大と最小とで約1.6倍の違いがあるため
に、前述の許容される漏れインピーダンスの範囲を逸脱
してしまい仕様を満足するのが非常に困難になるという
問題がある。
【0023】この発明の目的は、このような問題を解決
し、負荷損と漏れインピーダンスの変化範囲の双方の低
減が計れる負荷時タップ切換単相単巻変圧器を提供する
ことにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、直列巻線と分路巻線とが装着された少なくとも1本
の主脚鉄心、2本の帰路脚鉄心及びこれらの両端部をそ
れぞれ磁気的機械的に連結する継鉄からなる鉄心を備
え、タップ巻線とこのタップ巻線を励磁するための励磁
巻線とが前記主脚鉄心とは異なる脚鉄心に装着されてな
る負荷時タップ切換単相単巻変圧器において、前記励磁
巻線が直列巻線から電圧と電流が供給されてなるものと
し、また、直列巻線と分路巻線とが装着された少なくと
も1本の主脚鉄心、2本の帰路脚鉄心及びこれらの両端
部をそれぞれ磁気的機械的に連結する継鉄からなる鉄心
を備え、タップ巻線とこのタップ巻線を励磁するための
励磁巻線とが前記主脚鉄心とは異なる脚鉄心に装着され
てなる負荷時タップ切換単相単巻変圧器において、前記
励磁巻線が分路巻線から電圧と電流が供給されてなるも
のしと、また、鉄心が、1本の主脚鉄心、この主脚鉄心
を中央にして両側に設けられた2本の帰路脚鉄心からな
る中央脚鉄心であり、タップ巻線と励磁巻線が前記2本
の帰路脚鉄心のうちの1本に装着されてなるものとし、
又は、鉄心が、2本の主脚鉄心、この2本の主脚鉄心を
中央にして両側に設けられた2本の帰路脚鉄心からなる
単相4脚鉄心であり、タップ巻線と励磁巻線が前記2本
の帰路脚鉄心のうちの1本に装着されてなるものとし、
又は、タップ巻線と励磁巻線が、独立した鉄心に装着さ
れてなるものとし、また、分路巻線の高圧側端子と直列
巻線の中性点側端子とが接続され、この接続点にタップ
巻線が接続され、タップ選択器が選択するタップ巻線の
タップに中圧端子が接続されてなるものとし、又は、直
列巻線の中性点側端子にタップ巻線が接続され、タップ
選択器が選択するタップ巻線のタップに中圧端子が接続
され、分路巻線の高圧側端子がこの中圧端子に接続され
てなるものとする。
【0025】
【作用】この発明の構成において、分路巻線と励磁巻線
とを並列接続して分路巻線から励磁巻線に電圧と電流を
供給する結線とすることによって、分路巻線の電流は、
励磁巻線に流す電流と直列巻線のアンペアターンを打ち
消す電流とが重畳する電流となるが、これらの電流が互
いに打ち消し合って小さくなるときは勿論、大きくなる
場合でも従来の三次巻線に発生していた負荷損がなくな
ることによる全体の負荷損が低減する。また、高圧側と
中圧側との間の漏れインピーダンスも直列巻線から離れ
た位置の三次巻線が関係しなくなるのでタップ位置によ
る変化量が低減する。また、分路巻線からではなく直列
巻線から励磁巻線に電圧と電流を供給する結線を採用し
ても前述と同じ作用が生ずる。
【0026】また、分路巻線の高圧側端子と直列巻線の
中性点側端子とを接続し、この接続点にタップ巻線を接
続し、タップ選択器が選択するタップ巻線のタップに中
圧端子を接続した高圧側の巻数が変化しない結線方式の
場合でも、直列巻線の中性点側端子にタップ巻線を接続
し、中圧端子に、タップ選択器が選択するタップ巻線の
タップと分路巻線の高圧側端子を接続した中圧側の巻数
が変化しない結線方式の場合でも前述の負荷損と漏れイ
ンピーダンスの変化量が低減する作用が得られる。
【0027】鉄心が中央脚鉄心や単相4脚鉄心などのよ
うに帰路脚鉄心を備えこれに励磁巻線とタップ巻線が装
着された構成でも、励磁巻線とタップ巻線とが別の鉄心
に装着された構成であっても前述の作用は成立する。
【0028】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の第1の実施例を示す負荷時タップ切換
単相単巻変圧器の巻線結線図で、図28と同じタップ巻
線の結線方式の変圧器において、高圧側と中圧側とで電
力の授受が有る場合の中圧電圧が基準電圧に一致する中
央タップが選択されているときの結線であり、これらの
点に関しては図29と同様である。図1の図29と異な
る点は、図29では励磁巻線51が三次巻線3に接続さ
れているのに対して、図1では分路巻線2に接続されて
いる点である。他の点については両図は同じなので詳し
い説明を省略する。この図において、タップ巻線4には
電流が流れずしたがって励磁巻線51にも電流は流れて
いないので、各巻線ごとの電流分布は図29と同様であ
る。したがって、負荷損や漏れインピーダンスも図29
と変わりはない。なお、各巻線の電流は後述の図も含め
て表1に従来例とともに示してある。
【0029】図2は図1に対して中圧電圧が最大になる
最高タップが選択されているときの巻線結線図であり、
この点では図30と共通である。この図において、励磁
巻線51にはI2 ×V/(E2 +V)が流れ、この電流
は前述のように分路巻線2から供給される。図2の電流
1 、I2 は図1のそれと同じである。したがって、図
2の場合、中圧端子EX の電圧が(E2 +V)となって
いるのでタップ巻線に流れる電流でもある中圧端子Xか
ら流出する電流はI2 ×E2/(E2 +V)である。
【0030】分路巻線2に流れる電流は中圧端子Xから
流出する電流と前述の励磁巻線51に供給する電流との
和から高圧端子Hから流入する電流を差し引いた値にな
るので、結局図示のように(I2 −I1 )となり、図1
と同じである。したがって、図2の結線での負荷損は図
1の負荷損に励磁巻線51とタップ巻線4の負荷損を加
算した値になる。また、この値と図30のそれとを比べ
るとき、図2の方は三次巻線3に負荷損が発生しないの
に対して、図30では分路巻線2の電流が図1よりも小
さな値になるので一般論として一方が必ず大きくなると
いうことは言えないが、実際の負荷時タップ切換単相単
巻変圧器では三次巻線3は分路巻線2に比べて容量が小
さいので図2の方が負荷損が小さくなるのが普通であ
る。
【0031】三次巻線3が直列巻線1から離れた位置に
あってこれらの間の漏れインピーダンスが前述のように
大きいために図30の漏れインピーダンスは大きくなる
のに対して、図2での主脚鉄心11での漏れインピーダ
ンスは直列巻線1と分路巻線2との間の漏れインピーダ
ンスで決まるので図30に比べて小さい。図1に対して
単にタップ巻線4と励磁巻線51との間の漏れインピー
ダンスが加算されるだけである。
【0032】図3は図1に対して中圧電圧が最小となる
最低タップが選択されている場合の巻線結線図であり、
この点で図31と共通である。それぞれの巻線の電流分
布は図2に比べて図示のそれぞれの式に対して(E2
V)の代わりに(E2 −V)を代入した値になってい
る。図31での分路巻線2の電流は(I2 −I1 )より
も大きくしかも三次巻線に電流が流れているのであるか
ら、図3の負荷損は三次巻線3の負荷損がないだけでな
く分路巻線2の負荷損も小さくなっていて図31に比べ
て図3の負荷損は大幅に小さくなっている。
【0033】漏れインピーダンスは直列巻線1と分路巻
線2との間の漏れインピーダンスにタップ巻線4と励磁
巻線51との間の漏れインピーダンスが加算されるだけ
であり、その値は図2のそれと同じ値になる。このよう
に中圧電圧が変化するのに対して損失はタップ巻線4に
電流が流れない場合を除いて負荷損は低下し、漏れイン
ピーダンスはタップ巻線4と励磁巻線51との間のそれ
が加算されるだけである。
【0034】表1は実施例としての図1〜図3と従来例
としての図29〜図31の各巻線の電流を併記したもの
である。
【0035】
【表1】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来例 実施例 従来例 実施例 従来例 実施例 直列巻線1 I1 I1 I1 I1 I1 I1 分路巻線2 K1I2-I1 I2-I1 I2-I1 I2-I1 K2I2-I1 I2-I1 三次巻線3 K1I2V/E3 0 0 0 K2I2V/E3 0 励磁巻線5 K1I2V/E3 (1-K1)I2 0 0 K2I2V/E3 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I2 K1I2 0 0 K2I2 K2I2 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E2/(E2+V), K2=E2/(E2−V) 図4は図1と同じ変圧器において、中圧側と三次側で電
力の授受が行われている場合の中央タップが選択されて
いるときの巻線結線図であり、この点で図32と共通で
あり、また、各巻線の電流分布も同じなので負荷損、漏
れインピーダンスとも同じである点は図1と図29の関
係と同様である。なお、後述の図も合わせて各巻線の電
流を従来例と併記して表2に示してある。
【0036】図5は図4に対して最高タップが選択され
ているときの巻線結線図であり、この点で図33と共通
である。図5での分路巻線2の電流は図4と同じI2
あるのに対して、図33では分路巻線に流れる電流はI
2×E2 /(E2 +V)と電流I2 よりも小さいので図
5の負荷損は図33よりも大きい。しかし、その値は図
4の場合に比べてタップ巻線4と励磁巻線51との負荷
損が加算されただけなのでそれほど大きな差ではない。
【0037】分路巻線2と三次巻線3に流れる電流が同
じであることからこれらの巻線の間の漏れインピーダン
スは図4と同じになり、タップ巻線4と励磁巻線51と
の間の漏れインピーダンスが加算されるだけである。図
6は図4に対して最低タップが選択されている場合の巻
線結線図であり、この点で図34と共通である。図6の
分路巻線2と三次巻線3の電流値は図34の電流の式の
中の(E2 −V)/E2 倍になっている。この値は1よ
り小さいので、分路巻線2と三次巻線3の負荷損は図6
がこの比率の二乗で小さくなっている。タップ巻線4と
励磁巻線51の負荷損は同じである。
【0038】漏れインピーダンスは、図5と比べて分路
巻線2と三次巻線3との間の漏れインピーダンスは変わ
らず、タップ巻線4と励磁巻線51との間の漏れインピ
ーダンスが電流値の違いだけ異なるがその違いは僅かで
あり、結局、中圧側と三次側との電力の授受の場合でも
負荷損は多くの場合小さくなり、漏れインピーダンスの
変化は高圧側と中圧側との電力授受の場合と同様に小さ
くなる。
【0039】表2は実施例としての図4〜図6と従来例
としての図32〜図34の各巻線の電流を併記したもの
である。
【0040】
【表2】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来例 実施例 従来例 実施例 従来例 実施例 直列巻線1 0 0 0 0 I1 I1 分路巻線2 K1I2 I2 I2 I2 K2I2 I2 三次巻線3 K1I3 I3 I3 I3 K2I3 I3 励磁巻線5 (1-K1)I3 (1-K1)I2 0 0 (1-K2)I3 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I2 K1I2 0 0 K2I2 K2I2 インピーダンス K1 2 1 1 1 K2 2 1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E2/(E2+V), K2=E2/(E2−V) 図7はこの発明の第2の実施例を示す負荷時タップ切換
単相単巻変圧器の巻線結線図で、高圧側と中圧側とで電
力の授受が有る場合の中圧電圧が基準電圧に一致する中
央タップが選択されたときの結線であり、この点に関し
ては図1、図29と同様である。図7の図1と異なる点
は、図1では励磁巻線51が分路巻線2に接続されてい
るのに対して、図7では直列巻線1に接続されている点
である。他の点については両図は同じなので詳しい説明
を省略する。図7において、タップ巻線4には電流が流
れないので励磁巻線51にも電流は流れず、各巻線ごと
の電流分布は図1と同様である。したがって、負荷損や
漏れインピーダンスも図1と変わりはない。
【0041】図8は図7に対して最高タップが選択され
ている場合の巻線結線図であり、この点に関しては図
2、図30と同様である。タップ巻線4に流れる電流も
図2と同じである。一方、分路巻線2の電流は図8の方
が小さくなっている。直列巻線1と分路巻線2との電流
の比率はそれぞれの巻線の巻数に反比例しているから、
直列巻線1の電流も図8の方が大きくなっている。図示
の式ではその点は明らかでないが、式を変形するとこの
ことが成立していることが証明される。ただし、E12
励磁巻線51の電圧であり、直列巻線1の電圧(E1
2 )に一致する。したがって、直列巻線1と分路巻線
2との負荷損の和は図2よりも小さくなる。また、図3
0と比べると図8は直列巻線1の電流が前述のように小
さく三次巻線3には電流が流れないのこの比較でも図8
の方が負荷損が小さい。
【0042】漏れインピーダンスは、図7に比べて直列
巻線1と分路巻線2の電流が減少する分小さくなる。し
かし、減少量はそれほど大きくない。図9は図7に対し
て最低タップが選択されている場合の巻線結線図であ
り、この点に関しては図3、図31と共通である。それ
ぞれの巻線の電流分布は図8に比べて図示のそれぞれの
式に対して(E2 +V)の代わりに(E2 −V)を代入
した値になっている。
【0043】図31での分路巻線2の電流は(I2 −I
1 )よりも大きくしかも三次巻線に電流が流れているの
であるから、図3の負荷損は三次巻線3の負荷損がない
だけでなく分路巻線2の負荷損も小さくなっていて図3
1に比べて図3の負荷損は大幅に小さくなっている。漏
れインピーダンスは直列巻線1と分路巻線2との間の漏
れインピーダンスにタップ巻線4と励磁巻線51との間
の漏れインピーダンスが加算されるだけであり、その値
は図2のそれと同じ値になる。このように中圧電圧が変
化するのに対して損失はタップ巻線4に電流が流れない
場合を除いて負荷損は低下し、漏れインピーダンスはタ
ップ巻線4と励磁巻線51との間のそれが加算されるだ
けである。
【0044】表3は各巻線の電流を図7〜図9の実施例
と図示しない従来例とを比較したものである。
【0045】
【表3】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来例 実施例 従来例 実施例 従来例 実施例 直列巻線1 I1 I1-K1K3I2 I1 I1 I1 I1+K2K3I2 分路巻線2 K1I2-I1 K1I2-I1 I2-I1 I2-I1 K2I2-I1 K2I2-I1 三次巻線3 K1I2V/E3 0 0 0 K2I2V/E3 0 励磁巻線5 K1I2V/E3 K1K3I2 0 0 K2I2V/E3 K2K3I2 タップ巻線4 K1I2 K1I2 0 0 K2I2 K2I2 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E2/(E2+V), K2 =E2/(E2-V), K3 =V/E12 図10は図7と同じ変圧器において、中圧側と三次側で
電力の授受が行われている場合の中圧電圧が基準電圧に
一致する中央タップが選択されている場合の巻線結線図
であり、この点で図4、図32と共通であり、また、各
巻線の電流分布も同じなので負荷損、漏れインピーダン
スとも同じである点は図7と図29の関係と同様であ
る。
【0046】図11は図10に対して最高タップが選択
されているときの巻線結線図であり、この点で図5、図
33と共通である。分路巻線2と三次巻線3に流れる電
流が同じであることからこれらの巻線の間の漏れインピ
ーダンスは図4と同じになり、タップ巻線4と励磁巻線
51との間の漏れインピーダンスが加算されるだけであ
る。
【0047】図12は図10に対して最低タップが選択
されている場合の巻線結線図であり、これらの点で図3
4と共通である。図6の分路巻線2と三次巻線3の電流
値は図34の電流の式の中の(E2 −V)/E2 (<
1)になっている。この値は1より小さいので、分路巻
線2と三次巻線3の負荷損は図6がこの比率の二乗で小
さくなっている。タップ巻線4と励磁巻線51の負荷損
は同じである。
【0048】漏れインピーダンスは、図5と比べて分路
巻線2と三次巻線3との間の漏れインピーダンスは変わ
らず、タップ巻線4と励磁巻線51との間の漏れインピ
ーダンスが電流値の違いだけ異なるがその違いは僅かで
あり、結局、中圧側と三次側との電力の授受の場合でも
負荷損は多くの場合小さくなり、漏れインピーダンスの
変化は高圧側と中圧側との電力授受の場合と同様に小さ
くなる。
【0049】表4は図10〜図12と図示しない従来例
との各巻線の電流を併記して表したものである。
【0050】
【表4】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来例 実施例 従来例 実施例 従来例 実施例 直列巻線1 0 K1K3I2 0 0 0 K2K3I2 分路巻線2 K1I2 K1I2 I2 I2 K2I2 K2I2 三次巻線3 K1I3 I3 I3 I3 K2I3 I3 励磁巻線5 (1-K1)I3 K1K3I2 0 0 (1-K2)I3 K2K3I2 タップ巻線4 K1I2 K1I2 0 0 K2I2 K2I2 インピーダンス K1 2 1 1 1 K2 2 1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E2/(E2+V), K2 =E2/(E2-V) , K3=V/E12 図13はこの発明の第3の実施例を示す負荷時タップ切
換単相単巻変圧器の巻線結線図で、図36と同じタップ
巻線の結線方式の変圧器において、高圧側と中圧側とで
電力の授受が有る場合の高圧電圧が基準電圧に一致する
中央タップが選択されている場合の結線である。この図
では図1と同様に励磁巻線51は分路巻線2に接続され
ており、タップ巻線には電流が流れていないので図1と
同じ結線になっている。図14は図13に対して最高タ
ップが選択されている場合の巻線結線図、図15は図1
3に対して最低タップが選択されている場合の巻線結線
図であり、表5はこれらの図と図示しない従来例との各
巻線の電流を併記して表したものである。
【0051】
【表5】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来 実施例 従来 実施例 従来 実施例 直列巻線1 K1I1 K1I1 I1 I1 K2I1 K2I1 分路巻線2 I2-K1I1 K1(I2-I1) I2-I1 I2-I1 I2-K2I1 K2(I2-I1) 三次巻線3 K1I1V/E3 0 0 0 K2I1V/E3 0 励磁巻線5 K1I1V/E3 (1-K1)I2 0 0 K2I1V/E3 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I1 K1I1 0 0 K2I1 K2I1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E1/(E1+V), K2 =E1/(E1-V) 第1の実施例では高圧電圧EH を一定としてタップ位置
によって中圧電圧EX が変化し、これに応じて中圧端子
Xを流れる電流が電圧に反比例して変化するものとした
のに対して、この第3の実施例では中圧電圧EX と電流
を一定とし高圧電圧EH と電流とを変化したものとして
いる。したがって、表3の電流式と表1のそれとは一見
異なる式となっているが、実質的には同じであり、した
がって、負荷損や漏れインピーダンスのタップ位置によ
る変化特性も同様であり、中央タップを除いて従来例に
比べて負荷損が低減し漏れインピーダンスの変化量が小
さい。
【0052】図16は図13と同じ変圧器において、中
圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の中圧電
圧が基準電圧に一致する中央タップが選択されている場
合の巻線結線図、図17は図16に対して最高タップが
選択されている場合の巻線結線図、図18は図16に対
して最低タップが選択されている場合の巻線結線図であ
り、表6はこれらの図と図示しない従来例との各巻線の
電流を併記して表したものである。
【0053】
【表6】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来 実施例 従来 実施例 従来 実施例 直列巻線1 K1I1 K1I1 I1 I1 K2I1 K2I1 分路巻線2 I2-K1I1 K1(I2-I1) I2-I1 I2-I1 I2-K2I1 K2(I2-I1) 三次巻線3 K1K3I1 0 0 0 K2K3I1 0 励磁巻線5 K1K3I1 (1-K1)I2 0 0 K2K3I1 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I1 K1I1 0 0 K2I1 K2I1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E1/(E1+V) , K2=E1/(E1-V) , K3=1+V/E2, K4=1-V/E2 表6はそれぞれの巻線の電流式に含まれる係数が異なる
だけで前述の表2と類似であり、表5と表1との関係と
同様にその作用効果も同じである。
【0054】図19はこの発明の第4の実施例を示す負
荷時タップ切換単相単巻変圧器の巻線結線図で、高圧側
と中圧側とで電力の授受が有る場合の中圧電圧が基準電
圧に一致する結線である。図13と異なる点は、図13
では励磁巻線51が分路巻線2に接続されているのに対
して、図19では直列巻線1に接続されている点であ
る。他の点については両図は同じなので詳しい説明を省
略する。
【0055】図20は図19に対して最高タップが選択
されている場合の巻線結線図、図21は図19に対して
最低タップが選択されている場合の巻線結線図、表7は
図19〜図21と図示しない従来例との各巻線の電流を
併記して表したものである。
【0056】
【表7】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来 実施例 従来 実施例 従来 実施例 直列巻線1 K1I1 K1K3I1 I1 I1 K2I1 K2K4I1 分路巻線2 I2-K1I1 I2-K1I1 I2-I1 I2-I1 I2-K2I1 I2-K2I1 三次巻線3 K1I1V/E3 0 0 0 K2I1V/E3 0 励磁巻線5 K1I1V/E3 K1I1V/E12 0 0 K2I1V/E3 K2I1V/E12 タップ巻線4 K1I1 K1I1 0 0 K2I1 K2I1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E1/(E1+V) , K2=E1/(E1-V) , K3=1+V/E12, K4 =1-V/E12 表7は前述の表3と類似でありその作用効果も同じであ
る。
【0057】図22は図19と同じ変圧器において、高
圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の高圧電
圧が基準電圧に一致する中央タップが選択されている場
合の巻線結線図、図23は図22に対して最高タップが
選択されている場合の巻線結線図、図24は図19に対
して最低タップが選択されている場合の巻線結線図、表
8は図22〜図24と図示しない従来例との各巻線の電
流を併記して表したものである。
【0058】
【表8】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来 実施例 従来 実施例 従来 実施例 直列巻線1 K1I1 K1K3I1 I1 I1 K2I1 K1K4I1 分路巻線2 K1I1 K1I1 I1 I1 K2I1 K2I1 三次巻線3 K1I3 I3 I3 I3 K2I3 I3 励磁巻線5 (1-K1)I3 K1I1V/E12 0 0 (1-K2)I3 K2I1V/E12 タップ巻線4 K1I1 K1I1 0 0 K2I1 K2I1 インピーダンス K1 2 1 1 1 K2 2 1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E1/(E1+V) , K2=E1/(E1-V) , K3=1+V/E12, K4 =1-V/E12 この表8は前述の表4と類似でありその作用効果も同じ
である。
【0059】これまでに述べた実施例はいずれも図27
に示した中央脚形鉄心10の一方の帰路脚鉄心12にタ
ップ巻線4と励磁巻線5とが装着された構成の負荷時タ
ップ切換単相単巻変圧器についてのものであるが、これ
らの実施例はこのような変圧器だけに限るものではな
い。図25は図1〜図6に示すこの発明の第1の実施例
を単相4脚鉄心10Aからなる負荷時タップ切換単相単
巻変圧器に適用した場合の巻線と鉄心の構成を示す立面
図であり、図27と同様に複数の巻線はそれぞれの配置
が明らかになるように断面で示してある。この図におい
て、主脚鉄心は11Aと11Bの2本であり、その両側
に2本の帰路脚鉄心12A,13Aが設けられている。
主脚鉄心11Aには直列巻線1A、並列巻線2A、三次
巻線3Aが、主脚鉄心11Bには直列巻線1B、並列巻
線2B、三次巻線BAがそれぞれ装着されており、帰路
脚鉄心12Aにはタップ巻線4Aと励磁巻線5Aとが装
着さている。直列巻線1Aと1Bとは図示の配線で示す
ように並列接続されており、並列巻線2Aと2B、三次
巻線3Aと3Bも同様にそれぞれ並列接続されていて、
結果的に図27の主脚鉄心11とこれに装着された巻線
群と、図25の2本の主脚鉄心11A,11Bに装着さ
れ並列接続された巻線群とは電気的に等価になってい
る。このような単相4脚鉄心10Aを採用するのは、図
27のような中央脚鉄心10を採用すると紙面に垂直方
向の変圧器の幅寸法が過大になって輸送に支障来す場合
に、主脚1脚当たりの容量を2分の1にして幅寸法を低
減する場合である。
【0060】励磁巻線5Aは第1の実施例の結線に基づ
いて並列巻線2A,2Bの並列回路に並列に接続してあ
る。この結線の代わりに、直列巻線1A,1Bの並列回
路に励磁巻線5Aを並列に接続すると第2の実施例に相
当する結線となる。第1と第2の実施例の第3と第4の
実施例との違いは、タップ巻線4Aによる巻数の変化が
第1と第2の実施例では中圧端子Xの巻数を変化させる
結線であるのに対して、第3と第4の実施例では高圧端
子Hの巻数を変化させる結線である点であり、図25の
鉄心と巻線の断面構成のものに第3と第4の実施例を適
用できことは勿論である。
【0061】図28はもう一つ別の構成の負荷時タップ
切換単相単巻変圧器を示す立面図であり、図27と同様
に巻線は断面を図示してある。この図の図27との基本
的な違いは、タップ巻線4Bと励磁巻線5Bを帰路脚に
装着するのではなく、独立した変圧器である電圧調整用
変圧器として構成したものである。すなわち、主変圧器
は図25と同様に中央脚鉄心10からなっていて、帰路
脚12には励磁巻線やタップ巻線を装着していない。代
わりに、電圧調整用変圧器を設けてその鉄心10Bにタ
ップ巻線4Bと励磁巻線5Bとを装着したものである。
結線構成は図25と同じく第1の実施例に基づいている
が、図25の場合と同様の他の3つの実施例全てを適用
することができる。
【0062】このような構成が採用されるのは、図27
の構成では図の左右方向の変圧器の長さ寸法が過大にな
る場合がであり、帰路脚12にタップ巻線4と励磁巻線
5とを装着しない分と負荷時タップ切換器を内蔵しない
分だけ変圧器の長さ方向寸法を短縮することができる。
図26では電圧調整用変圧器も主変圧器と同様に単相変
圧器として図示してあるが、これを図示しない他の相の
主変圧器のタップ巻線や励磁巻線とを合わせて3相変圧
器として構成してもよい。電圧調整用変圧器としての等
価容量は主変圧器に比べて1桁ほど小さいので三相変圧
器としても輸送寸法の制限に影響される可能性は小さい
からである。なお、図27の単相4脚鉄心とその巻線群
を図26の中央脚鉄心10とその巻線群に代えた構成の
採用も可能である。
【0063】
【発明の効果】この発明は前述のように、分路巻線と励
磁巻線とを並列接続して分路巻線から励磁巻線に電圧と
電流を供給する結線とすることによって、分路巻線の中
で励磁巻線に流す電流と直列巻線のアンペアターンを打
ち消す電流とが重畳するが、これらの電流が互いに打ち
消し合うときは勿論、電流が大きくなる場合でも従来の
三次巻線に発生していた負荷損がなくなるので全体の負
荷損が低減するという効果が得られる。また、高圧側と
中圧側との間の漏れインピーダンスも直列巻線から離れ
た位置の三次巻線が関係しなくなるのでタップ位置によ
る変化量が低減するという効果も得られる。また、分路
巻線からではなく直列巻線から励磁巻線に電圧と電流を
供給する結線を採用しても前述と同じ効果が得られる。
【0064】また、分路巻線の高圧側端子と直列巻線の
中性点側端子とを接続し、この接続点にタップ巻線を接
続し、中圧端子に分路巻線の高圧側端子とタップ選択器
を選択するタップ巻線のタップとを接続した高圧側の巻
数が変化しない結線方式の場合でも、直列巻線の中性点
側端子にタップ巻線を接続し、中圧端子に、タップ選択
器が選択するタップ巻線のタップと分路巻線の高圧側端
子を接続した低圧側の巻数が変化しない結線方式の場合
でも前述の負荷損と漏れインピーダンスの変化量が低減
するという前述の効果が得られる。
【0065】鉄心が中央脚鉄心や単相4脚鉄心などのよ
うに帰路脚鉄心を備えこれに励磁巻線とタップ巻線が装
着された構成でも、励磁巻線とタップ巻線とが別の鉄心
に装着された構成であっても前述と同じ効果を上げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す負荷時タップ切
換単相単巻変圧器の高圧側と中圧側とで電力の授受が行
われている場合の中央タップが選択されているときの巻
線結線図
【図2】図1に対して最高タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図3】図1に対して最低タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図4】図1と同じ負荷時タップ切換単相単巻変圧器で
中圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の中央
タップが選択されているときの巻線結線図
【図5】図4に対して最高タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図6】図4に対して最低タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図7】この発明の第2の実施例を示す負荷時タップ切
換単相単巻変圧器の高圧側と中圧側とで電力の授受が行
われている場合の中央タップが選択されているときの巻
線結線図
【図8】図7に対して最高タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図9】図7に対して最低タップが選択されているとき
の巻線結線図
【図10】図7と同じ負荷時タップ切換単相単巻変圧器
で高圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の中
央タップが選択されているときの巻線結線図
【図11】図10に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図12】図10に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図13】この発明の第3の実施例を示す負荷時タップ
切換単相単巻変圧器の高圧側と中圧側とで電力の授受が
行われている場合の中央タップが選択されているときの
巻線結線図
【図14】図13に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図15】図13に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図16】図13と同じ負荷時タップ切換単相単巻変圧
器で高圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の
中央タップが選択されているときの巻線結線図
【図17】図16に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図18】図16に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図19】この発明の第4の実施例を示す負荷時タップ
切換単相単巻変圧器の高圧側と中圧側とで電力の授受が
行われている場合の中央タップが選択されているときの
巻線結線図
【図20】図19に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図21】図19に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図22】図19と同じ負荷時タップ切換単相単巻変圧
器で高圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の
中央タップが選択されているときの巻線結線図
【図23】図22に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図24】図22に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図25】この発明の第1の実施例を適用した単相4脚
鉄心からなるタップ切換単相単巻変圧器の巻線と鉄心の
構成を示す立面図
【図26】この発明の第1の実施例を適用した中央脚鉄
心からなるタップ切換単相単巻変圧器と電圧調整用変圧
器との巻線と鉄心の構成を示す立面図
【図27】従来の負荷時タップ切換単相単巻変圧器の巻
線と鉄心の構成を示す立面図
【図28】図27の巻線結線図
【図29】図28における高圧側と中圧側とで電力の授
受が行われている場合の中央タップが選択されていると
きの巻線結線図
【図30】図29に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図31】図29に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図32】図28における中圧側と三次側との間で電力
の授受が行われる場合の中央タップが選択されていると
きの巻線結線図
【図33】図32に対して最高タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図34】図32に対して最低タップが選択されている
ときの巻線結線図
【図35】中圧側と三次側の間の中圧電圧に対する漏れ
インピーダンスの変化を示すグラフ
【図36】図28とは異なる従来の負荷時タップ切換単
相単巻変圧器の巻線結線図
【符号の説明】
1 直列巻線 2 分路巻線 3 三次巻線 4 タップ巻線 51 励磁巻線 10 中央脚鉄心 11 主脚鉄心 12 帰路脚鉄心 13 帰路脚鉄心 1A 直列巻線 2A 分路巻線 3A 三次巻線 1B 直列巻線 2B 分路巻線 3B 三次巻線 4A タップ巻線 5A 励磁巻線 10A 鉄心 11A 主脚鉄心 11B 主脚鉄心 12A 帰路脚 13A 帰路脚 4B タップ巻線 5B 励磁巻線 10B 鉄心 5 励磁巻線 61 スイッチ 62 タップ選択器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】図32ではタップ巻線4には電流が流れな
いので励磁巻線5にも電流は流れない。前述のように三
次巻線3と分路巻線2との電流は平衡していて、漏れイ
ンピーダンスはこの三次巻線3と分路巻線2との間の漏
れインピーダンスだけである。図33は中圧電圧が最大
とする最高タップが選択されているときの結線図であ
り、タップ位置については図30と同じである。端子Y
1 から流出する電流は図32と同じとして、分路巻線2
の電流は図33の分路巻線の電流I2 を用いて、I2 ×
2 /(E2+V)となる。三次巻線3はこの電流を打
ち消す電流が流れ、その値はI3 ×E2 /(E2 +V)
となる。また、帰路脚12においては、タップ巻線4に
電流が流れることにより励磁巻線5にはこれを打ち消す
電流I3 ×V/((E2 +V)が流れる。三次巻線3と
励磁巻線5とは並列接続れているから端子Y1 から流
する電流は前述の三次巻線3と励磁巻線5とに流れる電
流の和となりその値は容易に判るようにI3 となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】このときの中圧側と三次側との間の漏れイ
ンピーダンスは、分路巻線2と三次巻線3の電流が図3
2の場合に比べてE2 /(E2 +V)倍になっており、
この比率は1より小さく漏れインピーダンスはその二乗
に比例して小さくなる。ただし、タップ巻線4と励磁巻
線5との間の漏れインピーダンスは加算される。図34
は中圧電圧が最小となる最低タップが選択されていると
きの結線図であり、タップ位置については図31と同じ
である。端子Y1 から流出する電流は図33と同じとし
て、図33と同様に分路巻線2の電流は図32の分路巻
線の電流I2 を用いて、I2 ×E2 /(E2 −V)とな
る。三次巻線3はこの電流を打ち消す電流が流れ、その
値はI3 ×E2 /(E2−V)となる。また、帰路脚1
2においては、タップ巻線4に電流が流れることにより
励磁巻線5にはこれを打ち消す電流I3 ×V/(E2
V)が流れる。三次巻線3と励磁巻線5とは並列接続さ
れているから端子Y1 から流する電流は前述の三次巻
線3と励磁巻線5とに流れる電流の和となりその値は容
易に判るようにI3 となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の第1の実施例を示す負荷時タップ切換
単相単巻変圧器の巻線結線図で、図28と同じタップ巻
線の結線方式の変圧器において、高圧側と中圧側とで電
力の授受が有る場合の中圧電圧が基準電圧に一致する中
央タップが選択されているときの結線であり、これらの
点に関しては図29と同様である。図1の図29と異な
る点は、図29では励磁巻線が三次巻線3に接続され
ているのに対して、図1では分路巻線2に接続されてい
る点である。他の点については両図は同じなので詳しい
説明を省略する。この図において、タップ巻線4には電
流が流れずしたがって励磁巻線51にも電流は流れてい
ないので、各巻線ごとの電流分布は図29と同様であ
る。したがって、負荷損や漏れインピーダンスも図29
と変わりはない。なお、各巻線の電流は後述の図も含め
て表1に従来例とともに示してある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表2】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来例 実施例 従来例 実施例 従来例 実施例 直列巻線1 0 0 0 0 I1 I1 分路巻線2 K1I2 I2 I2 I2 K2I2 I2 三次巻線3 K1I3 I3 I3 I3 K2I3 I3 励磁巻線5 (1-K1)I3 (1-K1)I2 0 0 (1-K2)I3 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I2 K1I2 0 0 K2I2 K2I2 インピーダンス K1 2 1 1 1 K2 2 1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E2/(E2+V), K2=E2/(E2−V) 図7はこの発明の第2の実施例を示す負荷時タップ切換
単相単巻変圧器の巻線結線図で、高圧側と中圧側とで電
力の授受が有る場合の中圧電圧が基準電圧に一致する中
央タップが選択されたときの結線であり、この点に関し
ては図1、図29と同様である。図7の図1と異なる点
は、図1では励磁巻線5が分路巻線2に接続されてい
るのに対して、図7では直列巻線1に接続されている点
である。他の点については両図は同じなので詳しい説明
を省略する。図7において、タップ巻線4には電流が流
れないので励磁巻線51にも電流は流れず、各巻線ごと
の電流分布は図1と同様である。したがって、負荷損や
漏れインピーダンスも図1と変わりはない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】図8は図7に対して最高タップが選択され
ている場合の巻線結線図であり、この点に関しては図
2、図30と同様である。タップ巻線4に流れる電流も
図2と同じである。一方、分路巻線2の電流は図8の方
が小さくなっている。直列巻線1と分路巻線2との電流
の比率はそれぞれの巻線の巻数に反比例しているから、
直列巻線1の電流も図8の方が大きくなっている。図示
の式ではその点は明らかでないが、式を変形するとこの
ことが成立していることが証明される。ただし、E12
励磁巻線5の電圧であり、直列巻線1の電圧(E1
2 )に一致する。したがって、直列巻線1と分路巻線
2との負荷損の和は図2よりも小さくなる。また、図3
0と比べると図8は直列巻線1の電流が前述のように小
さく三次巻線3には電流が流れないのこの比較でも図8
の方が負荷損が小さい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】図31での分路巻線2の電流は(I2 −I
1 )よりも大きくしかも三次巻線に電流が流れているの
であるから、図3の負荷損は三次巻線3の負荷損がない
だけでなく分路巻線2の負荷損も小さくなっていて図3
1に比べて図3の負荷損は大幅に小さくなっている。漏
れインピーダンスは直列巻線1と分路巻線2との間の漏
れインピーダンスにタップ巻線4と励磁巻線5との間
の漏れインピーダンスが加算されるだけであり、その値
は図2のそれと同じ値になる。このように中圧電圧が変
化するのに対して損失はタップ巻線4に電流が流れない
場合を除いて負荷損は低下し、漏れインピーダンスはタ
ップ巻線4と励磁巻線5との間のそれが加算されるだ
けである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】図11は図10に対して最高タップが選択
されているときの巻線結線図であり、この点で図5、図
33と共通である。分路巻線2と三次巻線3に流れる電
流が同じであることからこれらの巻線の間の漏れインピ
ーダンスは図4と同じになり、タップ巻線4と励磁巻線
との間の漏れインピーダンスが加算されるだけであ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】図12は図10に対して最低タップが選択
されている場合の巻線結線図であり、これらの点で図3
4と共通である。図6の分路巻線2と三次巻線3の電流
値は図34の電流の式の中の(E2 −V)/E2 (<
1)になっている。この値は1より小さいので、分路巻
線2と三次巻線3の負荷損は図6がこの比率の二乗で小
さくなっている。タップ巻線4と励磁巻線5の負荷損
は同じである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】漏れインピーダンスは、図5と比べて分路
巻線2と三次巻線3との間の漏れインピーダンスは変わ
らず、タップ巻線4と励磁巻線5との間の漏れインピ
ーダンスが電流値の違いだけ異なるがその違いは僅かで
あり、結局、中圧側と三次側との電力の授受の場合でも
負荷損は多くの場合小さくなり、漏れインピーダンスの
変化は高圧側と中圧側との電力授受の場合と同様に小さ
くなる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】図16は図13と同じ変圧器において、
圧側と三次側で電力の授受が行われている場合の中圧電
圧が基準電圧に一致する中央タップが選択されている場
合の巻線結線図、図17は図16に対して最高タップが
選択されている場合の巻線結線図、図18は図16に対
して最低タップが選択されている場合の巻線結線図であ
り、表6はこれらの図と図示しない従来例との各巻線の
電流を併記して表したものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表6】 ──────────────────────────────────── 巻線名 最高タップ 中央タップ 最低タップ ──────────────────────────────────── 従来 実施例 従来 実施例 従来 実施例 直列巻線1 K1I1 K1I1 I1 I1 K2I1 K2I1 分路巻線2 K1I1 K1K3I1 I1 I1 K2I1 K2K4I1 三次巻線3 K1I3 I3 I3 I3 K2I3 I3 励磁巻線5 (1-K1)I3 (1-K1)I2 0 0 (1-K2)I3 (1-K2)I2 タップ巻線4 K1I1 K1I1 0 0 K2I1 K2I1 ──────────────────────────────────── ただし、K1=E1/(E1+V) , K2=E1/(E1-V) , K3=1+V/E2, K4=1-V/E2 表6はそれぞれの巻線の電流式に含まれる係数が異なる
だけで前述の表2と類似であり、表5と表1との関係と
同様にその作用効果も同じである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図34
【補正方法】変更
【補正内容】
【図34】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列巻線と分路巻線とが装着された少なく
    とも1本の主脚鉄心、2本の帰路脚鉄心及びこれらの両
    端部をそれぞれ磁気的機械的に連結する継鉄からなる鉄
    心を備え、タップ巻線とこのタップ巻線を励磁するため
    の励磁巻線とが前記主脚鉄心とは異なる脚鉄心に装着さ
    れてなる負荷時タップ切換単相単巻変圧器において、前
    記励磁巻線が直列巻線から電圧と電流が供給されてなる
    ことを特徴とする負荷時タップ切換単相単巻変圧器。
  2. 【請求項2】直列巻線と分路巻線とが装着された少なく
    とも1本の主脚鉄心、2本の帰路脚鉄心及びこれらの両
    端部をそれぞれ磁気的機械的に連結する継鉄からなる鉄
    心を備え、タップ巻線とこのタップ巻線を励磁するため
    の励磁巻線とが前記主脚鉄心とは異なる脚鉄心に装着さ
    れてなる負荷時タップ切換単相単巻変圧器において、前
    記励磁巻線が分路巻線から電圧と電流が供給されてなる
    ことを特徴とする負荷時タップ切換単相単巻変圧器。
  3. 【請求項3】鉄心が、1本の主脚鉄心、この主脚鉄心を
    中央にして両側に設けられた2本の帰路脚鉄心からなる
    中央脚鉄心であり、タップ巻線と励磁巻線が前記2本の
    帰路脚鉄心のうちの1本に装着されてなることを特徴と
    する請求項1又は2記載の負荷時タップ切換単相単巻変
    圧器。
  4. 【請求項4】鉄心が、2本の主脚鉄心、この2本の主脚
    鉄心を中央にして両側に設けられた2本の帰路脚鉄心か
    らなる単相4脚鉄心であり、タップ巻線と励磁巻線が前
    記2本の帰路脚鉄心のうちの1本に装着されてなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の負荷時タップ切換単
    相単巻変圧器。
  5. 【請求項5】タップ巻線と励磁巻線が、独立した鉄心に
    装着されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の
    負荷時タップ切換単相単巻変圧器。
  6. 【請求項6】分路巻線の高圧側端子と直列巻線の中性点
    側端子とが接続され、この接続点にタップ巻線が接続さ
    れ、タップ選択器が選択するタップ巻線のタップに中圧
    端子が接続されてなることを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5記載の負荷時タップ切換単相単巻変圧器。
  7. 【請求項7】直列巻線の中性点側端子にタップ巻線が接
    続され、タップ選択器が選択するタップ巻線のタップに
    中圧端子が接続され、分路巻線の高圧側端子がこの中圧
    端子に接続されてなることを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5記載の負荷時タップ切換単相単巻変圧器。
JP4015605A 1991-10-08 1992-01-31 負荷時タップ切換単相単巻変圧器 Pending JPH05159948A (ja)

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JP3-259502 1991-10-08
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103730235A (zh) * 2013-12-25 2014-04-16 保定天威保变电气股份有限公司 一种二次侧线端调压自耦变压器接线方法
CN105655112A (zh) * 2016-03-30 2016-06-08 常州东芝舒电变压器有限公司 有载调压变压器的调压线圈组合结构
WO2019181520A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 富士電機株式会社 静止誘導電器

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