JPH06317678A - バンド付き時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケースとバンドとの取り付け部の強度が大き
くて破損しにくく、組み立ての容易なバンド付き時計を
提供すること。 【構成】 ケース２の側面に先端が接近するように傾斜
して張り出す左右一対の取り付け足４を間隔を開けて設
けると共に、ケース２の外側面と取り付け足４とで囲ま
れる先カン挿入凹部５を形成し、その内周に係止突部６
を張り出して設け、バンド３の端部に先端が幅広のテー
パー状の上板１２と下板１４とからなる先カン９を装着
し、先カン挿入凹部５の間に先カン９を嵌合すると共
に、上板１２と下板１４とで係止突部６を挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、腕時計等のバンド付き
時計に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、時計のケースにバンドを取付ける
には、ケースの側面にカン足を突出して設けると共に、
バンドの先端に先カンを装着し、カン足及び先カンに形
成された孔に取り付けピンを挿通して枢着していた。し
かし、このような構造では、バンドとケースとの間に働
く引張力や剪断力のほとんどが小径の取り付けピンに加
わり、この部分から破損しやすく、極めて細い孔に取り
付けピンを通すため、組み立ても面倒なものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の第１の目的
は、ケースとバンドとの取り付け部の強度が大きく、耐
久性に富み、組み立ての容易なバンド付き時計を提供す
ることにある。また、本発明の第２の目的は、先カンを
構成する上板と下板との位置合わせが簡単で、組み立て
加工を一層容易なものとすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のバンド付き時計
は、上記第１の目的を達成するために、ケースの外側面
に先端が接近するように傾斜して張り出す左右一対の取
り付け足を間隔をあけて設けると共に、前記ケースの外
側面と前記取り付け足とで囲まれる先カン挿入凹部を形
成し、該先カン挿入凹部の内周に係止突部を張り出して
設け、バンドの端部に先端が幅広のテーパー状の上板と
下板とからなる先カンを装着し、前記先カン挿入凹部に
前記先カンを嵌合し、該先カンの上板と下板とで前記係
止突部を挟持する。

【０００５】また、第２の目的を達成するために、係止
突部を平板状とし、バンドの先端部に前記係止突部とほ
ぼ同厚の平板状の係止片を設け、先カンの上板と下板と
で前記係止突部及び係止片を挟持する。

【０００６】

【作用】ケースの外側面に先端が接近するように傾斜し
て張り出す左右一対の取り付け足を設け、その間に先カ
ン挿入凹部を形成し、バンドの端部に先端が幅広のテー
パー状の先カンを装着し、先カン挿入凹部に先カンを嵌
合したことにより、取り付け足の先端間からの先カンの
脱落が防止され、ケースとバンドとがバンドの長手方向
および幅方向に対して固定される。また、先カンを構成
する上板と下板とで先カン挿入凹部の内周に張り出され
た係止突部を挟持したことにより、先カンとケースとの
厚み方向への移動が抑制される。

【０００７】さらに、バンドの先端部に前記係止突部と
ほぼ同厚の係止片を設け、上板と下板で係止突部及び係
止片を挟持したことにより、係止突部及び係止片が上板
と下板との間のスペーサー機能を有し、係止突部及び係
止片を介して上板と下板とを重ねるだけで自動的に厚み
方向の位置決めがなされる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１において、時計１は、ムーブメント、
文字盤等を収納するケース２と、ケース２の外側面に取
り付けられたバンド３とを備える。

【０００９】ケース２の外側面には、先端が互いに接近
するように内向きに傾斜して張り出す左右一対の取り付
け足４，４が周方向にやや間隔を開けて設けられ、その
間に取り付け足４，４及びケース２の外側面によって囲
まれる先カン挿入凹部５が形成され、先カン挿入凹部５
の内周のケース２の外側面には、取り付け足４，４の中
間に位置するように薄肉平板状の係止突部６が側方に張
り出して設けられている。

【００１０】バンド３は、図２に示すように、可撓性を
有する合成樹脂、布、ゴム等を素材とし、且つ係止突部
６とほぼ同厚の平板状のバンド芯７の外周囲に幅方向に
沿って複数の金属帯板１０が巻き付けられて成り、バン
ド３の両端においてバンド芯７が突出されて係止片８が
形成され、係止片８には先カン挿入凹部５内に嵌合され
る先カン９が取付けられている。

【００１１】先カン９は先端が幅広のテーパ状の上板１
２と下板１４とからなり、図３に示すように、上板１２
の両側端部には下方に向けて側壁１８がそれぞれ設けら
れ、上板１２の幅方向両側寄りの下面には内周に螺子溝
が形成されたパイプ１１が下方に向けて設けられると共
に、下板１４及び係止片８の対応する位置にはそれぞれ
貫通孔１７，１７´が穿設されている。そして、上板１
２と下板１４とによって係止片８を挟むと共に、係止片
８の貫通孔１７´に上板１２のパイプ１１を挿通し、下
板１４の下面から雄螺子１３を貫通孔１７，１７´を介
してパイプ１１に螺合することにより、先カン９がバン
ド３の先端に取り付けられている。

【００１２】次に、ケース２とバンド３との取り付け方
法について説明すると、係止片８の貫通孔１７´にパイ
プ１１を挿通することによってバンド３の係止片８の表
面に上板１２を載置し、ケース２の先カン挿入凹部５内
に表面側から上板１２を嵌合し、次いで、裏面側から下
板１４を先カン挿入凹部５内に嵌合する。この時、上板
１２及び下板１４の先端部でケース２の係止突部６を挟
むと共に上板１２及び下板１４の他端部でバンド３の係
止片８を挟んで上板１２と下板１４との位置決めを行
い、下板１４の下面から貫通孔１７，１７´を介してパ
イプ１１に雄螺子１３を螺合し、先カン９を介してケー
ス２とバンド３とを取付ける。

【００１３】なお、ケース２の外側面の取り付け足４，
４の間に凹部１５を形成し、先カン９の先端部に該凹部
１５に係合する凸部１６を設けると、先カン９の形状が
王冠形になってデザイン的に興趣に富むものとなる。

【００１４】図４は本発明の第２の実施例を示し、時計
１ａの取り付け足４ａの内側面にはバンド３の係止片８
と同厚の平板状の係止突部６ａがそれぞれ張り出して設
けられ、上板１２及び下板１４の両側端部で係止凸部６
ａを挟持することによってバンド３がケース２に取付け
られている。また、図５は本発明の第３の実施例を示
し、時計１ｂのケース２の外側面と取り付け足４の内側
面とにそれぞれ平板状の６ｂ，６ｃが張り出して設けら
れ、ケース２とバンド３とが３点で支持され、より安定
的に接続されている。第２及び第３の実施例において、
その他の部分の構成は第１の実施例とほぼ同様なので、
同一部分に同一符号を付して、説明を省略する。

【００１５】なお、バンド、先カンとバンドとを取付け
る金具等の構造は上記実施例に示すものに限定されず、
最も先カン９寄りの金属帯板１０の先端に突起１９を設
け、先カン９に突起１９を嵌合する切欠２０を形成する
と、先カン９をバンド３の先端に取り付ける際に位置決
めが容易となる。

【００１６】

【発明の効果】本発明のバンド付時計は、ケースの側面
に先端が接近するように傾斜する左右一対の取り付け足
を設け、バンドの端部に先端が幅広のテーパー状の先カ
ンを装着し、取り付け足の間に先カンを嵌合したので、
取り付け足の先端間からの先カンの脱落が防止され、こ
れによってケースとバンドとがバンドの長手方向および
幅方向に対して固定され、取り付け足の間に形成された
先カン挿入凹部の内周に係止突部を張り出して設け、先
カンを構成する上板と下板とで係止突部を挟着したの
で、バンドとケースとが厚み方向に対して固定され、こ
れにより、取り付け足の間に上板及び下板を嵌合して係
止突部に重合し、上板と下板を固定するだけでケースと
バンドとを組み立てることができ、先カン及び取り付け
足に取り付けピンを挿通するような面倒な工程を省略す
ることが可能で、組み立て作業の効率を大幅に向上する
ことができる。

【００１７】また、バンドの長手方向に沿う引張力が取
り付け足と先カンとの当接面全面で支持され、剪断力が
係止突部に加わり、応力をすべて小径の取り付けピンで
支持する従来の取り付け構造に比べて非常に強靭であ
り、取り付け部分から破損する心配がない。

【００１８】さらに、係止突部とバンドの先端部に設け
られた係止片とをほぼ同厚の平板状とし、上板と下板で
係止突部及び係止片を挟持すれば、係止突部及び係止片
がスペーサーとしての機能を果たし、取り付け足の間に
上板及び下板を嵌合し、係止突部及び係止片を介して重
合するだけで厚み方向の位置決めがなされ、一層組み立
てが容易となって作業効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すバンド付き時計の
平面図

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図

【図３】ケース及び先カンの斜視図

【図４】本発明の第２の実施例を示すバンド付き時計の
平面図

【図５】本発明の第３の実施例を示すバンド付き時計の
平面図

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ 時計 ２ ケース ３ バンド ４ 取り付け足 ５ 先カン挿入凹部 ６，６ａ，６ｂ，６ｃ 係止突部 ７ バンド芯 ８ 係止片 ９ 先カン １０ 金属帯板 １１ パイプ １２ 上板 １３ 雄螺子 １４ 下板 １５ 凹部 １６ 凸部 １７，１７´ 貫通孔 １８ 側壁 １９ 突起 ２０ 切欠

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースの外側面に先端が接近するように
   傾斜して張り出す左右一対の取り付け足を間隔を開けて
   設けると共に、前記ケースの外側面と前記取り付け足と
   で囲まれる先カン挿入凹部を形成し、該先カン挿入凹部
   の内周に係止突部を張り出して設け、バンドの端部に先
   端が幅広のテーパー状の上板と下板とからなる先カンを
   装着し、前記先カン挿入凹部に前記先カンを嵌合すると
   共に、該先カンの上板と下板とで前記係止突部を挟持し
   たことを特徴とするバンド付き時計。
2. 【請求項２】 係止突部をケースの外側面に設けた請求
   項１記載のバンド付き時計。
3. 【請求項３】 係止突部を左右の取り付け足の先端部内
   面にそれぞれ設けた請求項１記載のバンド付き時計。
4. 【請求項４】 係止突部をケースの外側面及び左右の取
   り付け足の先端部内面にそれぞれ設けた請求項１記載の
   バンド付き時計。
5. 【請求項５】 係止突部を平板状とし、バンドの先端部
   に前記係止突部とほぼ同厚の平板状の係止片を設け、先
   カンの上板と下板とで前記係止突部及び係止片を挟持し
   たことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の
   バンド付き時計。