JPH06317440A - 感熱式マイクロブリッジ型流量計 - Google Patents

感熱式マイクロブリッジ型流量計

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JPH06317440A
JPH06317440A JP5108041A JP10804193A JPH06317440A JP H06317440 A JPH06317440 A JP H06317440A JP 5108041 A JP5108041 A JP 5108041A JP 10804193 A JP10804193 A JP 10804193A JP H06317440 A JPH06317440 A JP H06317440A
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temperature
heating element
measuring
room temperature
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Makoto Tanabe
誠 田辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い精度で流速検出が行え、発熱、測温に要
する投入電力の低減を計ることが可能な感熱式マイクロ
ブリッジ型流量計を提供する。 【構成】 基板1上に発熱体4と直列に接続された室温
較正用抵抗体7を設け、基板1の外部に電流量の計測を
行う発熱体4及び室温校正用抵抗体7に直列接続された
電流計測用抵抗体を設け、発熱体測温抵抗体5と流体測
温抵抗体6とバランス調整用抵抗体とが接続された電気
ブリッジ回路を設け、発熱体4の電圧降下値と発熱体4
及び室温校正用抵抗体7の電圧降下値と室温校正用抵抗
体7の電圧降下値と電流計測用抵抗体の電圧降下値とを
随時計測しデジタル信号として出力する電気計測回路1
3を設け、デジタル信号を記憶保持するデジタルメモリ
15を設け、室温変化による誤差の除去の演算処理を行
う演算処理回路14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体の流速を測定する
感熱式マイクロブリッジ型流速計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における流速計としては、特開昭6
1−235726号公報に「マスフローメータ及び流量
制御装置」なる名称で開示されているものがある。この
基本構造は、基板上に異方性エッチングにより堀を形成
し、この堀の上空に梁を渡し、この梁上に電気抵抗体か
らなる発熱体とこの発熱体を感熱する感熱部とを配設し
てなるものであり、これにより感熱部の熱容量を低減せ
しめ、基板と梁への熱損を小さくすることが可能とな
り、発熱や測温に要する投入電力の低減を図ることがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の構成
では、梁を発熱体により熱し、その梁と流体との温度差
を一定するために投入された発熱体投入電力を感熱部か
ら出力として検出することにより流速の計測を行う方法
がとられている。
【0004】しかし、このような計測方法では、以下に
述べるような問題がある。すなわち、梁と室温(流体)
との間の温度差を一定にするように梁上の発熱体への電
力供給を調整するが、室温(Tr)が上昇すると、その
上昇分(ΔTr)と発熱体抵抗材料の温度係数(α)か
ら算出される抵抗値変化分(αとΔTrとの積)が発熱
体出力に含まれてしまう。このようなことから、室温が
変化する毎に出力値が変化し正確な流速の検出を行うこ
とができなくなるという問題がある。
【0005】また、流量計の長期使用に伴い、高温と高
い通電量にさらされる発熱体は熱的な劣化を受けてしま
うため、抵抗温度係数に経時変化を起こす結果となる。
このような経時変化により、長期間における正確な流速
の計測ができなくなるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、基板をエッチングすることにより堀を形成し、この
堀の上空を跨ぐように梁を形成し、この梁上に発熱体と
この発熱体の温度を計測する発熱体測温抵抗体とを設
け、前記基板上に流体の温度を計測する流体測温抵抗体
が設けられた感熱式マイクロブリッジ型流量計におい
て、前記基板上に流速出力信号の補正を行う前記発熱体
と直列に接続された室温校正用抵抗体を設け、基板外部
に電流量の計測を行う前記発熱体及び前記室温校正用抵
抗体に直列接続された電流計測用抵抗体を設け、前記発
熱体と前記流体測温抵抗体との温度差を一定にするため
に前記発熱体測温抵抗体と前記流体測温抵抗体とバラン
ス調整用抵抗体とが接続された電気ブリッジ回路を設
け、前記発熱体両端の電圧降下値と前記発熱体及び前記
室温校正用抵抗体の両端の電圧降下値と前記室温校正用
抵抗体両端の電圧降下値と前記電流計測用抵抗体両端の
電圧降下値との各電圧降下値を随時計測しデジタル信号
として出力する電気計測回路を設け、前記デジタル信号
を記憶保持するデジタルメモリを設け、室温変化による
誤差の除去の演算処理を行う演算処理回路を設けた。
【0007】請求項2記載の発明では、基板をエッチン
グすることにより堀を形成し、この堀の上空を跨ぐよう
に梁を形成し、この梁上に発熱体とこの発熱体の温度を
計測する発熱体測温抵抗体とを設け、前記基板上に流体
の温度を計測する流体測温抵抗体が設けられた感熱式マ
イクロブリッジ型流量計において、前記基板上に流速出
力信号の補正を行う前記発熱体と直列に接続された室温
校正用抵抗体を設け、基板外部に電流量の計測を行う前
記発熱体及び前記室温校正用抵抗体に直列接続された電
流計測用抵抗体を設け、前記発熱体と前記流体測温抵抗
体との温度差を一定にするために前記発熱体測温抵抗体
と前記流体測温抵抗体とバランス調整用抵抗体とが接続
された電気ブリッジ回路を設け、前記発熱体両端の電圧
降下値と前記室温校正用抵抗体両端の電圧降下値と前記
電流計測用抵抗体両端の電圧降下値との各電圧降下値を
随時計測しデジタル信号として出力する電気計測回路を
設け、前記デジタル信号を記憶保持するデジタルメモリ
を設け、室温変化による誤差と長期使用からくる熱的疲
労による抵抗体の温度係数の変化による誤差の除去の演
算処理を行う演算処理回路を設けた。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明においては、室温変動によ
る誤差成分を流速出力から随時自動的に除去することが
可能となる。
【0009】請求項2記載の発明においては、室温変動
による誤差成分を流速出力から除去することが可能であ
ると共に、発熱体の抵抗温度係数の長期使用中における
経時変化による変動成分を随時自動的に除去することが
可能となる。
【0010】
【実施例】請求項1記載の発明の一実施例を図1に基づ
いて説明する。基板1はSiからなっており、この基板
1面上に酸化処理法、スパッター真空成膜法を用いて熱
絶縁層である図示しないSiO2 膜を形成する。この熱
絶縁層としては、Si34や、金属酸化物であるTa2
5、Al23、さらには、SiO2 膜とSi34膜と
を組み合わせた多層膜でもよい。この場合の膜厚として
は、0.5〜2μmとする。次に、このような基板1の
表面をKOHによる異方性エッチングを行うことによ
り、堀2を形成する。この堀2の深さとしては、測定す
る最少流速でできる熱境界層以上にする必要があり、こ
こでは150μm以上とした。次に、そのような異方性
エッチングを行うことにより堀2の上空を跨ぐように、
梁3を形成する。この梁3の面上には、この上部に形成
される膜との密着性を向上させるために、密着強度補強
層としてのTa25膜を形成する。なお、この密着強度
補強層としては、Ti、Cr、Ta、NiCr、TiN
を用いてもよい。次に、その梁3上に、発熱体(Rh)
4と、この発熱体4に隣接してその発熱体4の温度を計
測する発熱体測温抵抗体(Rs)5とを設ける。これら
発熱体4と発熱体測温抵抗体5の材料としては、比抵抗
の高い金属であるPtを用いるが、この他にNi、W、
Taを用いてもよい。なお、これらの材料に限定される
ものではなく、比抵抗特性に温度依存性をもつものであ
ればよい。次に、梁3と堀2の上流側に位置する基板1
上に、流体Aの温度を計測する流体測温抵抗体(Rf)
6を設ける。この流体測温抵抗体6は、発熱体4から熱
的に隔離された基板1面上に設置されており、抵抗温度
係数の高いPt等を用いる。このPt層は臨界密度を十
分に下回るようにする条件と、抵抗値設定の条件とか
ら、500〜5000Åがよい。
【0011】次に、熱的に発熱体4から隔離されたヒー
トシンクとなるべき体積の大きい基板1の下流の縁部分
に、室温校正用抵抗体(Rc)7を配線する。この室温
校正用抵抗体7は、基板1上に流速出力信号の補正を行
う発熱体4と直列に接続されている。この室温校正用抵
抗体7の流体Aの流れに対しての設置場所は特に限定し
ないが、熱容量を大きくとれる十分な体積をもった基板
1上に形成することが望ましい。次に、このようにして
形成された発熱体4と発熱体測温抵抗体5と流体測温抵
抗体6と室温校正用抵抗体7とを含む全面に渡ってその
上部にTa25層を介して保護層(ともに図示しない)
を積層する。このTa25層が保護層を兼ねてもよい。
【0012】なお、上述したような構成において、密着
強度補強層であるTa25層は薄いほどよいが、SiO
2 (Si34でもよい)からなる保護層を形成する場合
は、Ptとの整合性を確保するために100〜700Å
程度がよい。また、保護層は、測温抵抗体感度の向上の
ためには熱容量を減少させるという目的と、量産性を向
上させるという目的から薄い方がよいが、保護膜として
は厚い方が好ましく、このため800〜5000Åの範
囲に膜厚を抑えるようにするとよい。さらに、密着強度
補強層と各抵抗体層とは、蒸着法、EB蒸着法、スパッ
ター法等の真空成膜法により形成することができる。ま
た、形状切り出しは、リフトオフ法、Arスパッターエ
ッチング法等により行うことができる。
【0013】また、上述したような基板構造とされた本
感熱式マイクロブリッジ型流速計は、以下のような各種
測定回路を備えている。すなわち、図2は、図1の基板
1上の各抵抗体の配線回路のみを取り出したものであ
る。基板外部には電流量の計測を行う電流計測用抵抗体
(Ri)8が設けられており、この電流計測用抵抗体8
は発熱体4及び室温校正用抵抗体7に直列接続されてい
る。また、発熱体4と流体測温抵抗体6との温度差を一
定にするために、電気ブリッジ回路としてのホイースト
ンブリッジ回路8が設けられている。このホイーストン
ブリッジ8は、発熱体測温抵抗体5と流体測温抵抗体6
とバランス調整用抵抗体10a,10bとを接続して構
成されている。
【0014】さらに、図1に示すように、駆動補正回路
11とA/D変換回路12とからなる電気計測回路13
が本流量計の基板1の回路と接続されている。この電気
計測回路13は、発熱体4両端の電圧降下値Vhと、発
熱体4及び室温校正用抵抗体7の両端の電圧降下値Vou
t と、室温校正用抵抗体7両端の電圧降下値Vcと、電
流計測用抵抗体8両端の電圧降下値Viとの各電圧降下
値を随時計測し、デジタル信号に変換して出力する。ま
た、このような電気計測回路13は、室温変化による誤
差の除去の演算処理を行う演算処理回路14と接続され
ている。この演算処理回路14には、デジタル信号を記
憶保持するデジタルメモリとしての不揮発性メモリ15
が付設されている。
【0015】このような構成において、以下、室温変動
成分を流速Aの流速出力から除去する演算処理について
述べる。ただし、ここでは、発熱体4はRh、発熱体測
温抵抗体5はRs、流体測温抵抗体6はRf、室温校正
用抵抗体7はRc、電流計測用抵抗体8はRiとして説
明する。
【0016】図2の回路において、予め校正温度点を設
定し、To(例えば、20°C)とする。RcとRhの
Toにおける校正抵抗値を計測しておき、その値をRco
とRhoとする。RcとRhは同一抵抗材料からなるた
め、同じ抵抗温度係数(α)をもつ。センサ素子の電気
駆動回路に駆動電圧Vdを印加すると、RhとRcとR
iには電流iが流れる。そして、今、駆動時に室温Tr
が更正点ToからΔTrだけ変動したとする。目標とす
る室温と梁3の温度との差をΔTとすると、Rhの温度
上昇ΔThは、 ΔTh=ΔT+ΔTr …(1) となる。この場合、(1)式におけるΔTのみによるR
hの出力を室温の変動ΔTrの大きさにかかかわらず計
測することが本実施例における目的である。そこで、R
hとRcとの両端の電圧降下値Vout と、Rcのみの電
圧降下値Vcとを計測する。さらに、RhとRcを流れ
る電流値を監視する目的で温度係数の非常に小さいRi
を直列に接続し、この電圧降下値Viを計測し電流値i
を算出しておく。通電している時、Rhは(1)式に示
したようにΔThの温度上昇をし、そのRhの値は、 Rh=Rho(1+α・ΔTh) …(2) となる。また、Rcは、発熱部から熱的に隔離されてい
るため、校正点からの室温変化であるΔTrのみの温度
上昇をし、そのRcの値は、 Rc=Rco(1+α・ΔTr) …(3) となる。ここで、RhoとRcoとは、校正温度Tcにおけ
る抵抗値であり、予め計測してあり定数である。αはR
hとRcの温度係数である。この場合、RcをRhに直
列に接続するため、Rcの配置される基板1における発
熱が生じ問題になりそうであるが、しかし、Siからな
る基板1は熱伝導率が非常に高いため、この発熱に対し
てヒートシンクとして働き、実際には基板1は非常に小
さい温度の上昇しかない。さらに、計測は熱的定常状態
になった時点で行うため、Rc自己発熱による基板温度
の上昇はいわゆるΔTrに含まれるので何ら問題はな
い。
【0017】一方、各抵抗体の電圧降下値は、 Vh=i・Rh …(4) Vc=i・Rc …(5) のようになる。(1)式から室温変動分を取り除いた温
度上昇は、 ΔT=ΔTh−ΔTr …(6) となる。変動成分を取り除いたRhの真の電圧降下値V
trueである出力信号は、 Vtrue=i・{Rho(1+α・ΔT)} …(7) となる。(2)〜(5)式から各々の抵抗体における温
度変化は、 ΔTh=(1/α){Vh/(i・Rho)−1} …(8) ΔTr=(1/α){Vc/(i・Rco)−1} …(9) となり、(6)、(8)、(9)式を(7)式に代入す
ることによって、室温変動成分が除去された出力信号
は、 Vtrue=Vh+i・Rho−Vc・Rho/Rco …(10) と表わすことができる。
【0018】本実施例においては、予め、(10)式の
RhoとRcoとを計測しておき、その値を不揮発性メモリ
15に保持しておく。そして、Vh(若しくは、Vou
t)、Vc、Viの3つの電圧値降下値を駆動補正回路1
1にて随時検出を行っていく。次に、このようにして検
出されたアナログ電圧降下値をA/D変換回路12を用
いてA/D変換をしてデジタル値に変換した後、演算処
理回路14において(10)式に基づいたデジタル演算
処理を行う。この演算処理の際に、校正した同信号強度
を予め不揮発性メモリ15に保持してある補間関数若し
くは補間参照データ表を用いて流速値に変換する。
【0019】従って、このような一連の処理を行うこと
によって、室温変動の影響を取り除いた正確な流速を検
出することができる。このように本実施例では、室温変
動による誤差を随時自動的に除去することができるた
め、流速の検出を高い精度で行うことができる。また、
図1のような基板構造では従来の基板構造に比べて2つ
の抵抗体Rc,Riが増加する結果となるが、Rcは素
子が配設される基板1に同一の抵抗体パターンで作れ、
Riは外付け用部品として1個だけ増えるだけであり、
全体的な電気回路の構成としては複雑化しないため、生
産性に何ら影響を及ぼすようなことはない。
【0020】次に、請求項2記載の発明の一実施例につ
いて説明する。なお、請求項1記載の発明と同一部分に
ついての説明は省略し、その同一部分については同一符
号を用いる。
【0021】本実施例では、図1の電気計測回路13及
び演算処理回路14の内部構成を替えたものである。す
なわち、電気計測回路13は、発熱体(Rh)4の両端
の電圧降下値Vhと、室温校正用抵抗体(Rc)7の両
端の電圧降下値Vcと、電流計測用抵抗体(Ri)8の
両端の電圧降下値Viとの各電圧降下値を随時計測しデ
ジタル信号として出力するようにしたものである。ま
た、演算処理回路14は、室温変化ΔTrによる誤差の
除去のみならず、長期使用からくる熱的疲労による抵抗
体の温度係数の変化による誤差の除去をも演算処理する
ようにしたものである。
【0022】このような構成において、以下、室温変動
成分と発熱体抵抗温度係数の経時変化による変動成分を
共に流速出力から除去する演算処理について述べる。長
期間のおける流速計の使用においては、Rhは熱的な疲
労劣化をおこし、抵抗温度係数αにゆるやかな変化をも
たらす。そこで、今、流速計としての使用の前に素子を
十分にエージング処理を行う、これにより安定化した時
の抵抗温度係数をα0とし、不揮発性メモリ15に保持
しておく。実際の使用においては、抵抗温度係数はほぼ
線形に変動するため、 α=β・α0≒(1+x)α0 …(11) に近似する。
【0023】ここで、高温に熱せられるRhは疲労を受
けやすく、ヒートシンクに形成されたRcは疲労を受け
にくいことに注目する。このことから、(2)式のRh
は、 Rh=Rho(1+β・α0・ΔTh) …(12) となるが、(3)式のRcは影響を受けない。これと同
様に、(7)式も、 Vtrue=i・Rho(1+β・α0・ΔTh) …(13) となり、これにより求めたい室温変動成分を除去した流
速出力は、 Vtrue=Vh+β・i・Rho−β・Vc・Rho/Rco …(14) となる。
【0024】次に、βの値を求める。Vh、Vcは、 Vh=i・Rho(1+β・α0・ΔTh) …(15) Vc=i・Rco(1+β・α0・ΔTh) …(16) であるため、ここで整理しなおすと、 β・α0・ΔTh=Vh/(i・Rho)−1 …(17) α0・ΔTr=Vc/(i・Rco)−1 …(18) となる。そして、(17)と(18)との差をとると、 α0(β・ΔTh−ΔTr)=Vh/(i・Rho)−Vc/(i・Rco) …(19) となる。
【0025】ここで、β≒(1+x)であるため、xを
求めることにより流速出力の(14)式を解くことがで
きる。そして、(19)式をxについて展開すると、
【0026】
【数1】
【0027】の式を得ることができる。この場合、計測
値であるVcの値は判明しているため、ΔTrの値は
(9)式から算出することができる。また、(20)式
内の係数は、予め計っておいた定数か、随時計測された
値か、随時演算処理から得られる値であるため、抵抗温
度係数の変動成分であるxは随時求めることができる。
このxの値を(14)式のβに代入することによって、
抵抗温度係数の経時変化による誤差を取り除くと共に、
室温の変動成分ΔTrを取り除いた流速計測を行うこと
ができる。
【0028】従って、本実施例では、室温変動による誤
差成分ΔTrを流速出力から除去することができると共
に、Rhの抵抗温度係数の長期使用中における経時変化
による変動成分xを随時自動的に除去することができ、
これにより、流速検出を高い精度で長期間行うことがで
きる。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、基板をエッチン
グすることにより堀を形成し、この堀の上空を跨ぐよう
に梁を形成し、この梁上に発熱体とこの発熱体の温度を
計測する発熱体測温抵抗体とを設け、前記基板上に流体
の温度を計測する流体測温抵抗体が設けられた感熱式マ
イクロブリッジ型流量計において、前記基板上に流速出
力信号の補正を行う前記発熱体と直列に接続された室温
校正用抵抗体を設け、基板外部に電流量の計測を行う前
記発熱体及び前記室温校正用抵抗体に直列接続された電
流計測用抵抗体を設け、前記発熱体と前記流体測温抵抗
体との温度差を一定にするために前記発熱体測温抵抗体
と前記流体測温抵抗体とバランス調整用抵抗体とが接続
された電気ブリッジ回路を設け、前記発熱体両端の電圧
降下値と前記発熱体及び前記室温校正用抵抗体の両端の
電圧降下値と前記室温校正用抵抗体両端の電圧降下値と
前記電流計測用抵抗体両端の電圧降下値との各電圧降下
値を随時計測しデジタル信号として出力する電気計測回
路を設け、前記デジタル信号を記憶保持するデジタルメ
モリを設け、室温変化による誤差の除去の演算処理を行
う演算処理回路を設けたので、室温変動による誤差成分
を流速出力から随時自動的に除去することができ、これ
により高い精度で流速検出を行うことができるものであ
る。
【0030】請求項2記載の発明は、基板をエッチング
することにより堀を形成し、この堀の上空を跨ぐように
梁を形成し、この梁上に発熱体とこの発熱体の温度を計
測する発熱体測温抵抗体とを設け、前記基板上に流体の
温度を計測する流体測温抵抗体が設けられた感熱式マイ
クロブリッジ型流量計において、前記基板上に流速出力
信号の補正を行う前記発熱体と直列に接続された室温校
正用抵抗体を設け、基板外部に電流量の計測を行う前記
発熱体及び前記室温校正用抵抗体に直列接続された電流
計測用抵抗体を設け、前記発熱体と前記流体測温抵抗体
との温度差を一定にするために前記発熱体測温抵抗体と
前記流体測温抵抗体とバランス調整用抵抗体とが接続さ
れた電気ブリッジ回路を設け、前記発熱体両端の電圧降
下値と前記室温校正用抵抗体両端の電圧降下値と前記電
流計測用抵抗体両端の電圧降下値との各電圧降下値を随
時計測しデジタル信号として出力する電気計測回路を設
け、前記デジタル信号を記憶保持するデジタルメモリを
設け、室温変化による誤差と長期使用からくる熱的疲労
による抵抗体の温度係数の変化による誤差の除去の演算
処理を行う演算処理回路を設けたので、室温変動による
誤差成分を流速出力から除去することができると共に、
発熱体の抵抗温度係数の長期使用中における経時変化に
よる変動成分を随時自動的に除去することができ、これ
により、一段と高い精度で流速検出を長期間行うことが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である感熱式マイクロブリッ
ジ型流量計を示す構成図である。
【図2】各種抵抗体を接続してなる電気回路構成を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 基板 2 堀 3 梁 4 発熱体 5 発熱体測温抵抗体 6 流体測温抵抗体 7 室温校正用抵抗体 8 電流計測用抵抗体 9 電気ブリッジ回路 10a,10b バランス調整用抵抗体 13 電気計測回路 14 演算処理回路 15 デジタルメモリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板をエッチングすることにより堀を形
    成し、この堀の上空を跨ぐように梁を形成し、この梁上
    に発熱体とこの発熱体の温度を計測する発熱体測温抵抗
    体とを設け、前記基板上に流体の温度を計測する流体測
    温抵抗体が設けられた感熱式マイクロブリッジ型流量計
    において、前記基板上に流速出力信号の補正を行う前記
    発熱体と直列に接続された室温校正用抵抗体を設け、基
    板外部に電流量の計測を行う前記発熱体及び前記室温校
    正用抵抗体に直列接続された電流計測用抵抗体を設け、
    前記発熱体と前記流体測温抵抗体との温度差を一定にす
    るために前記発熱体測温抵抗体と前記流体測温抵抗体と
    バランス調整用抵抗体とが接続された電気ブリッジ回路
    を設け、前記発熱体両端の電圧降下値と前記発熱体及び
    前記室温校正用抵抗体の両端の電圧降下値と前記室温校
    正用抵抗体両端の電圧降下値と前記電流計測用抵抗体両
    端の電圧降下値との各電圧降下値を随時計測しデジタル
    信号として出力する電気計測回路を設け、前記デジタル
    信号を記憶保持するデジタルメモリを設け、室温変化に
    よる誤差の除去の演算処理を行う演算処理回路を設けた
    ことを特徴とする感熱式マイクロブリッジ型流量計。
  2. 【請求項2】 基板をエッチングすることにより堀を形
    成し、この堀の上空を跨ぐように梁を形成し、この梁上
    に発熱体とこの発熱体の温度を計測する発熱体測温抵抗
    体とを設け、前記基板上に流体の温度を計測する流体測
    温抵抗体が設けられた感熱式マイクロブリッジ型流量計
    において、前記基板上に流速出力信号の補正を行う前記
    発熱体と直列に接続された室温校正用抵抗体を設け、基
    板外部に電流量の計測を行う前記発熱体及び前記室温校
    正用抵抗体に直列接続された電流計測用抵抗体を設け、
    前記発熱体と前記流体測温抵抗体との温度差を一定にす
    るために前記発熱体測温抵抗体と前記流体測温抵抗体と
    バランス調整用抵抗体とが接続された電気ブリッジ回路
    を設け、前記発熱体両端の電圧降下値と前記室温校正用
    抵抗体両端の電圧降下値と前記電流計測用抵抗体両端の
    電圧降下値との各電圧降下値を随時計測しデジタル信号
    として出力する電気計測回路を設け、前記デジタル信号
    を記憶保持するデジタルメモリを設け、室温変化による
    誤差と長期使用からくる熱的疲労による抵抗体の温度係
    数の変化による誤差の除去の演算処理を行う演算処理回
    路を設けたことを特徴とする感熱式マイクロブリッジ型
    流量計。
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