JPH06317372A - 自動製氷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は製氷皿の各区画壁により区分された
氷室の縦稜線の円弧を上面から底面にかけて徐々に大き
くし、またひねりを受け短寸化する対角の円弧を他方の
対角よりも大きくすることにより、離氷時に氷と製氷皿
の圧接なく氷残り、氷割れをなくすことができる。さら
に万一の過剰給水時において、一枚氷等による離氷時の
過負荷に対し保護制御により離氷回転動作を一時停止し
その後一定間隔で再離氷回転動作を繰り返す再離氷制御
を設けることにより一枚氷等も離氷でき、安全で信頼性
の高い自動製氷装置が提供できるものである。 【構成】 区画壁２により区分された氷室３の縦稜線４
を上部から底部にかけて徐々に大きくし、およびひねり
により短寸化する縦稜線５を他方より大きくしてなる製
氷皿１と製氷ユニット８の回転駆動トルク以上の過負荷
時において回転を停止する保護制御９と保護制御９動作
後に複数回離氷動作する再離氷制御１０より構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭用電気冷蔵庫に組
込まれる自動製氷装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の自動製氷装置について
は、実公昭５３−２８８３７号公報に示されているよう
に、図４、図５に従いこの従来を説明する。１１は合成
樹脂等の可撓性のある材料で作られた製氷皿で、区画壁
１２により複数個の氷室１３が形成され、各氷室１３は
注水を分配するための共通溝６で結ばれている。８は製
氷ユニットで製氷皿１１の両端を支持している。

【０００３】かかる構成において、製氷皿１１は製氷ユ
ニット８により任意の角度に回転するようになってお
り、まず氷室１３中に注水された氷が十分凍結するよう
に前記製氷ユニット８の働きにより製氷皿１１の一端は
回転を始める。他端はストッパー７により半固定されて
いるため、製氷皿１１は相対的にひねられ、略ひし形に
変形し、氷室１３からの離氷放出が行われる。以後製氷
ユニット８は逆転動作し、離氷を終了した製氷皿１１は
ストッパー７から反転され、水平位置まで戻り、次の給
水・離氷動作に備えることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、製氷皿をひねることにより区画壁によって仕切
られた各氷室もひねられ、略ひし形に変形し、一方の対
角の距離が短寸化し（他方は長寸化するが）氷が押し出
されるが、その短寸化する対角で氷と区画壁が圧接さ
れ、離氷されず製氷皿に残ったり、氷が割れたりするこ
とがあった。

【０００５】また、そういった氷、氷片が離氷されずに
製氷皿に残り、その後給水され、製氷が繰り返されると
過剰給水状態となり一枚氷となる場合もあり、そうなる
と、離氷には製氷ユニットの回転駆動トルク以上の力が
必要となり、製氷ユニットのロック状態・破損につなが
る危険性が高くなるという課題を有していた。

【０００６】本発明は、上記の課題を解決するものであ
り、離氷を確実にし、信頼性の高い自動製氷装置を提供
するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、製氷皿の区画壁により区分された氷室の縦
稜線の円弧を上面から底面にかけて大きくし、ひねりに
より短寸化する対角の縦稜線の円弧を他方よりも大きく
し、さらに制御面において、万一の過剰給水時に対し、
過負荷時に回転動作を一時停止し、さらにその後一定間
隔で再離氷回転動作を繰り返す制御を設けたことを特徴
とするものである。

【０００８】

【作用】本発明は、上記構成により、製氷皿ひねり時
に、氷と製氷皿の各区画壁と圧接することなく、引っか
かりも少なく、離氷残り、氷の割れ等がなくなる。ま
た、万一の氷残り等による過剰給水時にできる一枚氷等
による過負荷に対し、離氷動作を繰り返すことにより、
ある程度の時間経過により離氷できる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１、図２、図３
を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成につい
ては、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。

【００１０】１は製氷皿で、２は製氷皿１を複数個の氷
室３に区分する区画壁、４は区画壁の縦稜線の円弧で上
面から底面にかけて徐々に大きくなっている。５は製氷
皿１がひねられると短寸化する対角の縦稜線の円弧で他
方の円弧よりも大きくなっている。

【００１１】次に、上記の構成における動作を説明す
る。まず、氷室３に注水された氷が十分凍結すると製氷
ユニット８の働きにより、製氷皿１の一端は回転を始め
る。他端はストッパー７により半回転固定されているた
め、製氷皿１は相対的にひねられ、氷室３の氷は離氷放
出される。

【００１２】この時、ひねりにより製氷皿１および氷室
３は略ひし形に変形し、一方の対角の距離は短寸化する
ことになる。その際、氷と氷室３の稜線が接触するが、
その短寸化する対角の稜線の円弧が比較的大きく、しか
も氷の稜線の底面の円弧の方が上面より大きいため、氷
が氷室３からはじき出される途中、短寸化しても摩擦も
少なく、圧接・ひっかかり等なく、氷室から抜け出るこ
とになる。

【００１３】以後、製氷ユニット８は逆転動作し、離氷
を終了した製氷皿１はストッパー７から反転され、水平
位置まで戻り、次の給水・離氷動作に備えることにな
る。

【００１４】また、図３に示す如く、離氷動作時に製氷
ユニット８の回転駆動トルク以上の負荷が加わると、
（具体的にはある一定時間以上モータへの通電が続く場
合）回転動作を一時停止する保護制御９を働かせる。そ
の保護制御９が働いた後、一定間隔で（たとえば１時間
毎に１０回以上）再離氷回転動作を繰り返す再離氷制御
１０を働かせることにより、離氷不良等による過剰給水
時にできる一枚氷に対しても、一回の離氷動作では離氷
しなくても、複数回繰り返すことにより離氷できるもの
である。離氷後は再び通常の製氷制御に戻り、給水、製
氷、離氷が繰り返されることになる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によると、製氷皿ひ
ねり時の変形による氷と製氷皿の各氷室との圧接がなく
なり、氷の引っかかり・氷割れ等もなくなる。また、万
一の氷残り等による過剰給水時における一枚氷等の過負
荷に対しても保護制御および再離氷制御により、離氷性
が向上し、制製氷ユニットの破損なくし安全性、信頼性
のある自動製氷装置となり得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す自動製氷装置の斜視図

【図２】本発明の一実施例を示す自動製氷装置の製氷皿
斜視図

【図３】本発明の一実施例を示す自動製氷装置の制御フ
ロー図

【図４】従来例を示す自動製氷装置の斜視図

【図５】従来例を示す自動製氷装置の製氷皿斜視図

【符号の説明】

１ 製氷皿 ２ 区画壁 ３ 氷室 ４ 縦稜線 ５ 縦稜線 ８ 製氷ユニット ９ 保護制御 １０ 再離氷制御

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂等の可撓性材料で形成され、複
   数個の区画壁により区分された氷室を持ち、その各縦稜
   線の円弧が上部から底部になるにつれ徐々に大きくなる
   形状を持つ製氷皿と、前記製氷皿の両端を支持してなる
   製氷ユニットとからなることを特徴とする自動製氷装
   置。
2. 【請求項２】 複数個の区画壁により区分された氷室を
   持ち、ひねりにより対角距離が短寸化する縦稜線の円弧
   を一方の対角の稜線の円弧より大きくした製氷皿を設け
   てなる請求項１記載の自動製氷装置。
3. 【請求項３】 離氷時の製氷ユニットの回転駆動トルク
   以上の過負荷時において、一時的に回転動作を停止する
   保護制御と、前記保護制御作動後一定時間間隔で、再離
   氷回転動作を繰り返す再離氷制御を設けてなる請求項１
   記載の自動製氷装置。