JPH06317281A

JPH06317281A - 密閉型圧縮機

Info

Publication number: JPH06317281A
Application number: JP10665893A
Authority: JP
Inventors: Makoto Fujitani; 誠藤谷; Yukio Nagato; 幸夫永戸; Hiroshi Machida; 博史町田; Masakazu Inoue; 雅和井上
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1993-05-07
Filing date: 1993-05-07
Publication date: 1994-11-15

Abstract

(57)【要約】【目的】密閉ハウジングの内側に、圧縮要素のシリン
ダ、駆動要素のモータステータ等の部材を固定して構成
される密閉型圧縮機において、ハウジングとシリンダ等
とが、熱応力による変形や割れを生じることなく結合さ
れるようにし、かつシリンダの同芯的位置決め精度不良
によるハウジングとの接触によるびびり音の発生も防止
する。【構成】ハウジングに少なくとも１箇所以上設けられ
た貫通穴、同貫通穴に向き合うシリンダ、ステータ等の
部材に設けきられたピン穴、及び同ピン穴に挿入された
ピンを備え、前記ハウジングとピンとを栓溶接するとと
もに、同ピンとそれが挿入されているピン穴とを接着剤
又は高温はんだで接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は圧縮要素とそれを収容す
るハウジングの芯出し位置決めの精度向上と工作容易化
を図った密閉型圧縮機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術の例として図５にロータリ圧縮
機の縦断面図、図６に同圧縮機のシリンダ中央部の横断
面図を示す。図５において、１はシリンダ、２はロー
タ、３は軸受、４は回転軸、５はモータロータ、６はモ
ータステータ、７は前記シリンダを固定し、かつ前記装
置全部を収容するハウジングである。図６において、８
はブレード、１ｂはシリンダの内面、１ｃは前記ブレー
ド８が摺動可能に装着してあるブレード溝である。以上
の装置において、モータステータ６によって駆動される
モータロータ５に連動して偏心旋回するロータ２と、シ
リンダ１の内面１ｂと、ブレード８によって囲まれる圧
縮室内でガス等が圧縮される。

【０００３】図７は前記ロータリ圧縮機のハウジング７
とシリンダ１の結合部の断面図である。この結合は、ハ
ウジングの周囲の複数箇所で行われるものであるが、図
はそのうちの１箇所の断面図を示したものである。図に
おいて、７ａはハウジングの貫通穴、１ｄはビード穴と
して機能するシリンダ外面の凹部、９は溶着金属であ
る。この結合は次のようにして行われる。すなわち、、
貫通穴７ａと凹部１ｄとの位置合わせを実施した後、溶
接ビードとして生成された溶着金属９によってシリンダ
１とハウジング７とを結合するものである。又、最終的
にハウジング上部１１と下部１２（いずれも図５参照）
はハウジング７に全周溶接され、密閉を形成する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】シリンダとハウジング
との結合に於いて溶接を使用するためその熱応力により
高精度を要求されるシリンダの内面１ｂ、ブレード溝１
ｃが変形することがある。また溶着金属９と鋳鉄製シリ
ンダ１との完全な金属結合を得ることは難しく、境界に
割れが生じることもある。また、溶着金属９の流出を防
止するためシリンダとハウジングのスキマを大きくとれ
ないため、偏心したときシリンダとハウジングが接触す
ることがあって、運転中のびびり音の発生の原因となる
こともある。

【０００５】これを解決するために、本出願人は実願昭
６３−１４５９２８号（実開平２−６７０９６号）によ
って、シリンダ１とハウジング７との結合をピンを用い
て行うことを提案した。この方法ではピンを介して前記
両者を間接的に結合するため、熱応力低下の効果はある
が、シリンダの芯出し、位置決めに関してはやや不十分
で、改善の余地があった。

【０００６】本発明は、密閉型圧縮機において、シリン
ダとハウジングとを、熱応力による変形や割れを生じる
ことなく結合し、シリンダの同芯的位置決め精度を向上
することにより、びびり音の発生原因となる接触も生じ
ることなく結合することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
したものであって、密閉ハウジングの内側に、圧縮要素
のシリンダ、駆動要素のモータステータ等の部材を固定
して構成される密閉型圧縮機において、次の特徴を有す
る密閉型圧縮機に関するものである。

【０００８】（１）ハウジングに少なくとも１箇所以上
設けられた貫通穴、同貫通穴に向き合うシリンダ、ステ
ータ等の部材に設けられたピン穴、及び同ピン穴に挿入
されたピンを備え、前記ハウジングとピンとを栓溶接す
るとともに、同ピンとそれが挿入されているピン穴とを
接着剤又は高温はんだで接合したこと。

【０００９】（２）上記（１）項に記載の密閉型圧縮機
において、ピンに長手方向のスリ割りを設け、ピンとピ
ン穴とを接合する前の支持を弾性的支持としたこと。

【００１０】

【作用】本発明においては、ハウジングとシリンダ等と
を直接溶接するのではなく、ハウジングとピンを溶接す
る。ピンの熱変形はシリンダ等に直接影響を及ぼさない
から、シリンダの変形や割れが生じない。また、溶接後
に芯出しが可能であるから、シリンダ等とハウジングの
接触によるびびり音の発生が防がれる。ピンにスリ割り
を設け弾性支持としたものにおいては、溶接時のピンの
保持が容易となる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の第１実施例に係る密閉型圧縮
機の要部横断面図である。図において、７はハウジン
グ、７ａは同ハウジングに設けられた貫通穴、１はシリ
ンダ、１ａは前記貫通穴７ａに向き合う位置においてシ
リンダ１に設けられたピン穴、２１は同ピン穴１ａに挿
入されたピン、９は前記ハウジングの穴７ａに施工され
た栓溶接の溶着金属、２２はピン２１を貫通穴１ａに固
定する接着剤である。

【００１２】本実施例においては、接着剤２２によって
ピン２１をあらかじめシリンダのピン穴１ａに固定した
後、貫通穴７ａを介して溶接を行い溶接金属９によって
ピン２１をハウジング７に固定する。

【００１３】図２は本発明の第２実施例に係る密閉型圧
縮機の要部縦断面図である。図において、２２ａはシリ
ンダ１に設けられた接着剤注入用穴である。他の部分は
第１実施例と同じである。

【００１４】本実施例においては、ピン２１をハウジン
グ１に対して、前述の第１実施例と同じ方法で栓溶接に
よる溶着金属９によって結合後に、接着剤注入用穴２２
ａから接着剤を注入してピン２１をシリンダ１に固定す
る。第１実施例の方法では、栓溶接の前に用いられた接
着剤はこの溶接の時の高温によって劣化するが、溶接後
に穴２２ａから接着剤が更に注入されるので、ピンとシ
リンダとの間の固定が完全に行われる。

【００１５】尚、近年、高温用接着剤も開発されてお
り、第１実施例のように、接着剤をあらかじめピン２１
とシリンダ穴１ａに塗布した後に栓溶接しても問題ない
場合が多い。

【００１６】図３は本発明の第３実施例に係る密閉型圧
縮機の横断面図である。これは、第１または第２の実施
例の方法を適用した圧縮機の横断面図である。図はピン
を圧縮機の周囲に２箇所用いた例である。ピンの本数は
何本でもよく、強度に見合う数だけ使用すればよい。

【００１７】第２実施例（図２）において、接着剤注入
用穴から、接着剤ではなく高温ハンダを流し込んでもよ
い。高温ハンダを用いる時は、接合部の温度を所定の温
度に高めた後に流し込めば、硬化までの時間をコントロ
ールすることができ、接着剤と同様な芯出しの効果が得
られる。

【００１８】ピン２１とシリンダのピン穴１ａの断面形
状は必ずしも円形でなくてもよい。即ち四角形、十字形
等であってもよい。このようにすると、シリンダのハウ
ジングに対する傾きを、ピンの本数が少ない場合でも規
制することができる。

【００１９】上記実施例はシリンダをハウジングに固定
する例を述べたが、軸受、モータケース、あるいはスク
ロール型や揺動型の圧縮機などの芯出しを必要とする機
器に適用する事が可能である。

【００２０】図４は第４実施例に係るピンの斜視図であ
る。これは前記各実施例のピンの替わりに使用可能なも
ので、２１はピン、２１ａはスリ割り、２１ｂは側面に
設けられた溝、２１ｃは溶接面である。スリ割りは一文
字形でも十文字形でもよい。スリ割りはピンをハウジン
グに溶接するに際して、適宜の大きさの力の作用の下で
ピンをピン穴に可動状態で保持させることができ、溶接
に必要なピンとハウジング内面との所要接触力が確保さ
れる。また溝は、接着剤を流し込んだ時、接合面へ十分
に接着剤を供給する作用がある。

【００２１】上記各実施例の効果をまとめて述べれば次
の通りである。これらの実施例ではシリンダに設けたピ
ン穴にピンを挿入し、このピンとハウジングとを溶接す
るので、従来、鋳鉄で作られているシリンダと溶着金属
との境界部に生じていた割れは生じることがなくなる。
またこれらの部分に熱応力により変形が生じる場合は、
ピンをハウジングに溶接した後、ピンとシリンダとの間
に相対変位が生じた時に、接着剤または高温ハンダによ
ってピンをシリンダに固定し芯出しすることができるの
で、変位の部分は無視できるほど小さくすることがで
き、ガスの圧縮はスムーズに行われる。また、シリンダ
とハウジングとの間のすきまに対して、シリンダと圧縮
要素の他の部品、例えばステータとの芯出し後の位置ぎ
め固定が確実に行われる。従って従来のものに比して加
工組立が容易となり、また、不良品が少なくなる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の密閉型圧縮機においては、ハウ
ジングに少なくとも１箇所以上設けられた貫通穴、同貫
通穴に向き合うシリンダ、ステータ等の部材に設けられ
たピン穴、及び同ピン穴に挿入されたピンを備え、前記
ハウジングとピンとを栓溶接するとともに、同ピンとそ
れが挿入されているピン穴とを接着剤又は高温はんだで
接合し、あるいは更にピンに長手方向のスリ割りを設
け、ピンとピン穴とを接合する前の支持を弾性的支持と
するので、ハウジングとシリンダ等とか熱応力による変
形や割れを生じることなく結合され、シリンダの同芯的
位置決め精度が向上するので、びびり音の発生原因とな
る接触も生じることなく結合される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る密閉型圧縮機のハウ
ジングとシリンダとの結合部の断面図。

【図２】本発明の第２実施例に係る密閉型圧縮機の要部
縦断面図。

【図３】本発明の第３実施例に係る密閉型圧縮機の横断
面図。

【図４】本発明の第４実施例に係るピンの斜視図。

【図５】従来のロータリ圧縮機の縦断面図。

【図６】同圧縮機のシリンダ中央部の横断面図。

【図７】同圧縮機のハウジングとシリンダとの結合部の
断面図。

【符号の説明】

１シリンダ１ａ穴１ｂシリンダの内面１ｃブレード溝１ｄシリンダ外面の凹部２ロータ３軸受４回転軸５モータロータ６モータステータ７ハウジング７ａハウジングの貫通穴８ブレード９溶着金属１０吸入パイプ２１ピン２１ａスリ割り２１ｂ溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者町田博史愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁目１番地三菱重工業株式会社エアコン製作所内 (72)発明者井上雅和愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁目１番地三菱重工業株式会社エアコン製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉ハウジングの内側に、圧縮要素のシ
リンダ、駆動要素のモータステータ等の部材を固定して
構成される密閉型圧縮機において、ハウジングに少なく
とも１箇所以上設けられた貫通穴、同貫通穴に向き合う
シリンダ、ステータ等の部材に設けられたピン穴、及び
同ピン穴に挿入されたピンを備え、前記ハウジングとピ
ンとを栓溶接するとともに、同ピンとそれが挿入されて
いるピン穴とを接着剤又は高温はんだで接合したことを
特徴とする密閉型圧縮機。
【請求項２】請求項１に記載の密閉型圧縮機におい
て、ピンに長手方向のスリ割りを設け、ピンとピン穴と
を接合する前の支持を弾性的支持としたことを特徴とす
る密閉型圧縮機。