JPH06316557A - アルキルチオ脂肪酸誘導体、製造法及びその肝臓疾患、腎臓疾患、膵臓疾患及び脳疾患用剤 - Google Patents

アルキルチオ脂肪酸誘導体、製造法及びその肝臓疾患、腎臓疾患、膵臓疾患及び脳疾患用剤

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JPH06316557A
JPH06316557A JP6060035A JP6003594A JPH06316557A JP H06316557 A JPH06316557 A JP H06316557A JP 6060035 A JP6060035 A JP 6060035A JP 6003594 A JP6003594 A JP 6003594A JP H06316557 A JPH06316557 A JP H06316557A
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JP
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group
methylthio
acid
carbon atoms
renal
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Application number
JP6060035A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kurobe
博 黒部
Tetsuji Nunosawa
哲二 布沢
Kunio Sanada
邦雄 真田
Tomoaki Sugawara
智旦 菅原
Yoshihide Matsutani
芳英 松谷
Yukie Moriguchi
幸栄 森口
Takeshi Endo
武 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Fuji Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】新規な4−アルキルチオ−2−オキソブタン酸
誘導体、4−アルキルチオ−2−ヒドロキシ−2−ブテ
ン酸誘導体及び4−アルキルチオ−2−ヒドロキシブタ
ン酸誘導体を提供する。 【効果】本発明により肝臓、腎臓、膵臓、脳疾患治療に
有用な新規化合物を提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な4−アルキルチ
オブタン酸及びブテン酸誘導体及びそれらを有効成分と
する肝臓、腎臓、膵臓及び脳疾患用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来各種アミノ酸混合物が、腎疾患又は
肝疾患の治療目的で使用され、その中に2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブタン酸(以下、HMTBA)、4−
メチルチオ−2−オキソブタン酸(以下、MTBA)を
アミノ酸の前駆体として混合したものの有用性が報告さ
れている。しかしながら、これらのHMTBA、MTB
Aは生体内で非常に速い代謝反応を受けるためその生体
内半減期は短く、そのため各々単剤としてはその効果は
弱いと考えられていたので、今日に至るまで単剤として
臨床上使用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた薬理
作用を有する4−アルキルチオ−2−オキソブタン酸誘
導体、4−アルキルチオ−2−ヒドロキシ−2−ブテン
酸誘導体及び4−アルキルチオ−2−ヒドロキシブタン
酸誘導体、その製造及びそれらを有効成分とする肝臓、
腎臓、膵臓、脳疾患治療剤を提供することを目的する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、種々の4−アルキルチオブタン酸誘導
体、より詳細には、4−アルキルチオ−2−オキソブタ
ン酸誘導体、4−アルキルチオ−2−ヒドロキシ−2−
ブテン酸誘導体又は4−アルキルチオ−2−ヒドロキシ
ブタン酸誘導体を合成した。又、上記各種疾患による障
害に対し、以下に述べる各種試験を行い、本発明に係わ
る上記誘導体が優れた予防又は治療効果を示すことを見
い出し本発明を完成した。
【0005】本発明の化合物は一般式
【0006】
【化4】 R1−S−(CH22−C(=O)−CO−A (I)
【0007】〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖
若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2
(式中、R2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭
素数3乃至6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)
C(=O)−(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m
1基(式中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4
の整数を表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基
で保護されたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個
の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個
のシクロアルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しく
は分岐鎖のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたア
リール基若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個
のアルキル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくは
アルコキシカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニ
ル基、無置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基で置換されたヘテロアリール基、コレステリル基、−
NR45基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素
原子、無置換若しくは置換された炭素数1乃至22個の
アルキル基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6
は、水素原子、炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分岐
鎖のアルキル基を表し、R7は、水素原子及び炭素数1
乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表
す)、無置換若しくは置換されたアリール基若しくはヘ
テロアリール基を表す)及びR4とR5は一緒になって−
(CH2n−基(式中、nは2乃至6の整数を表す)を
表す〕で表される4−アルキルチオ−2−オキソブタン
酸誘導体及びその薬理上許容される塩であり、一般式
【0008】
【化5】 R1−S−CH2−CH=C(−OR3)−COA (II)
【0009】〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖
若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2
(式中、R2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭
素数3乃至6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)
C(=O)−(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m
1基(式中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4
の整数を表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基
で保護されたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個
の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個
のシクロアルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しく
は分岐鎖のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたア
リール基若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個
のアルキル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくは
アルコキシカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニ
ル基、無置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基で置換されたヘテロアリール基、コレステリル基、−
NR45基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素
原子、無置換若しくは置換された炭素数1乃至22個の
アルキル基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6
は、水素原子、炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分岐
鎖のアルキル基を表し、R7は、水素原子及び炭素数1
乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表
す)、無置換若しくは置換されたアリール基若しくはヘ
テロアリール基を表す)及びR4とR5は一緒になって−
(CH2n−基(式中、nは2乃至6の整数を表す)を
表し、R3は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐鎖
のアルキル基、炭素数1乃至20個の直鎖若しくは分岐
鎖の脂肪族アシル基、無置換若しくはハロゲン原子、ア
ルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換された芳香族ア
シル基を表す(但し、R2とR3とが同時に水素原子の場
合を除く)〕で表される4−アルキルチオ−2−ヒドロ
キシブテン酸誘導体及びその薬理上許容される塩であ
り、一般式
【0010】
【化6】 R1−S−(CH22−CH(−OR3)−COA (III)
【0011】〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖
若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2
(式中、R2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭
素数3乃至6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)
C(=O)−(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m
1基(式中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4
の整数を表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基
で保護されたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個
の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個
のシクロアルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しく
は分岐鎖のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたア
リール基若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個
のアルキル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくは
アルコキシカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニ
ル基、無置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基で置換されたヘテロアリール基、コレステリル基、−
NR45基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素
原子、無置換若しくは置換された炭素数1乃至22個の
アルキル基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6
は、水素原子、或いは、水酸基、アミノ基、ヒドロキシ
カルボニル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルバ
モイル基、グアニジル基で置換されていても良い炭素数
1乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表
し、R7は、水素原子及び炭素数1乃至22個の直鎖若
しくは分岐鎖のアルキル基を表す)、無置換若しくは置
換されたアリール基若しくはヘテロアリール基を表す)
及びR4とR5は一緒になって−(CH2n−基(式中、
nは2乃至6の整数を表す)を表し、R3は、炭素数1
乃至4個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1
乃至20個の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族アシル基、無
置換若しくはハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、
シアノ基で置換された芳香族アシル基を表す(但し、R
2とR3とが同時に水素原子の場合を除く)〕で表される
4−アルキルチオ−2−ヒドロキシブタン酸誘導体及び
その薬理上許容される塩である。
【0012】R1は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは
分岐鎖のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル
基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、
1,1−ジメチルエチル基等があげられ、好適にはメチ
ル基、エチル基等をあげることができる。
【0013】R2は、炭素数1乃至22個の直鎖若しく
は分岐鎖のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、
n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メ
チルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチル
エチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、2,2−ジ
メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、n−ヘキ
シル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、4−メチルペンチル、n−ヘプチル、
1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、5−メチル
ヘキシル、3−エチルペンチル、n−オクチル、2−メ
チルヘプチル5−メチルヘプチル、2−エチルヘキシ
ル、2−エチル−3−メチルペンチル、3−エチル−2
−メチルペンチル、n−ノニル、n−デシル、2−メチ
ルノニル、8−メチルノニル、5−エチルオクチル、3
−エチル−2−メチルヘプチル、3,3−ジエチルヘキ
シル、n−ウンデシル、2−メチルデシル、9−メチル
デシル、4−エチルノニル、3,5−ジメチルノニル、
3−プロピルオクチル、5−エチル−4−メチルオクチ
ル、n−ドデシル、1−メチルウンデシル、10−メチ
ルウンデシル、3−エチルデシル、5−プロピルノニ
ル、3,5−ジエチルオクチル、n−トリデシル、11
−メチルドデシル、7−エチルウンデシル、4−プロピ
ルデシル、5−エチル−3−メチルデシル、3−ペンチ
ルオクチル、n−テトラデシル、12−メチルトリデシ
ル、8−エチルドデシル、6−プロピルウンデシル、4
−ブチルデシル、2−ペンチルノニル、n−ペンタデシ
ル、13−メチルテトラデシル、10−エチルトリデシ
ル、7−プロピルドデシル、5−エチル−3−メチルド
デシル、4−ペンチルデシル、n−ヘキサデシル、14
−メチルペンタデシル、6−エチルテトラデシル、4−
プロピルトリデシル、2−ブチルデシル、n−ヘプタデ
シル、15−メチルヘキサデシル、7−エチルペンタデ
シル、3−プロピルテトラデシル、5−ペンチルドデシ
ル、n−オクタデシル、16−メチルヘプタデシル、5
−プロピルペンタデシル、n−ノナデシル、17−メチ
ルオクタデシル、4−エチルヘプタデシル等をあげるこ
とができる。
【0014】上記アルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖上
に、水酸基、アミノ基、炭素数3乃至6個のシクロアル
キル基、アリール基、−O−C(=O)C(=O)−
(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m1(式中、
1は前述のものと同意義を表し、mは1乃至4の整数
を表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基で保護
されたアミノ基等の置換基を1個以上有していてもよ
い。
【0015】置換基の保護基は、保護基として通常用い
られるものであり、例えば水酸基の保護基としては、ベ
ンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボ
ニル基等、トリクロロエトキシカルボニル基、或いは水
酸基が2個以上の際に用いられるメチリデン、エチリデ
ン、イソプロピリデン、ベンジリデン等のアルキリデン
基で保護されたもの、例えば2,3−イソプロピリデン
ジヒドロプロピル基等をあげることができる。これらの
保護基は常法に従って導入することができ、また必要に
応じて除去することができる。
【0016】シクロアルキル基としては、炭素数3乃至
6個のシクロアルキル基があげられ、例えばシクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等をあげることができる。
【0017】アルケニル基としては、炭素数3乃至19
個の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基があげられ、例
えばアリル基、ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル
基、1−メチル−2−プロペニル基、ヘキセニル基、デ
セニル基、ウンデセニル基、トリデセニル基、ペンタデ
セニル基、ヘプタデセニル基、ヘプタデカジエニル基、
ペンタデカトリエニル基、ノナデセニル基、ノナデカジ
エニル基、ノナデカテトラエニル基、2−フェニルビニ
ル基及び3−フェニル−2−プロペニル等をあげること
ができる。
【0018】アラルキル基としては、無置換若しくは1
乃至3個のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アル
コキシ基で置換されたアリール基が炭素数1乃至4個の
アルキル鎖上に存在するアラルキル基であり、例えばア
リールがフェニル基のアラルキルとして、ベンジル、1
−フェニルエチル、メチルベンジル、ジメチルベンジ
ル、フルオロベンジル、クロロベンジル、ジクロロベン
ジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、トリメ
トキシベンジル、ニトロベンジル、ジニトロベンジル、
フェネチル、またアリールがヘテロアリール基のものと
しては、例えばヘテロアリール基がチエニル、フリル、
ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリ
ル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピ
リダゾニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾ
リニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペリジル、
ピペラジニル、ピリジル、モルホリニル等である化合物
をあげることができる。
【0019】フェニル基としては、例えばフェニル、メ
トキシカルボニルフェニル、エトキシカルボニルフェニ
ル、プロポキシカルボニルフェニル、ブトキシカルボニ
ルフェニル、トリル、キシリル、メシチル、エチルフェ
ニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェ
ニル、ヨードフェニル、ジフルオロフェニル、ジクロロ
フエニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、ト
リメトキシフェニル、エトキシフェニル、ジエトキシフ
ェニル、トリエトキシフェニル、ニトロフェニル、ジニ
トロフェニル、シアノフェニル等をあげることができ、
好適にはフェニル、メトキシカルボニルフェニル、エト
キシカルボニルフェニル等をあげることができる。
【0020】ヘテロアリール基としては、無置換若しく
は1乃至3個のアルコキシカルボニル基、アルキル基、
ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置
換されたものをあげることができる。アルコキシカルボ
ニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ア
ルキル基としては炭素数1乃至4個のメチル、エチル、
n−プロピル、n−ブチル等、ハロゲン原子としてはフ
ッ素、クロル、ブロモ、ヨード、アルコキシ基としては
メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等をあげることがで
きる。好適なヘテロアリール基としては、チエニル基、
メチルチエニル、フリル基、ニトロフリル基、ピロリル
基、メチルピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル
基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピラジニル基等を
あげることができ、より好適にはチエニル基、フリル
基、ピロリル基、ピリジル基等をあげることができる。
【0021】−NR45基のR4、R5は、無置換若しく
は置換された炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖
のアルキル基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R
6は、水素原子、炭素数1乃至22個のアルキル基を表
し、R7は、水素原子及び炭素数1乃至22個の直鎖若
しくは分岐鎖のアルキル基を表す。
【0022】R4、R5の無置換若しくは置換された炭素
数1乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基は、
前述のものと同意義であり、好適な例としてはニコチノ
イルアミノメチル基等をあげることができる。R6のア
ルキル基は、好適には、炭素数1乃至7個のアルキル基
であり、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチル
エチル、2−メチルプロピル、2−メチルブチル等をあ
げることができる。
【0023】R7のアルキル基は、好適には炭素数1乃
至7個のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2−
メチルブチル等をあげることができ、より好適にはメチ
ル、エチルがあげられる。
【0024】上記−CHR6(−COOR7)基の好適な
例としては1−ヒドロキシカルボニルメチル、1−ヒド
ロキシカルボニルエチル、1−ヒドロキシカルボニルプ
ロピル、1−ヒドロキシカルボニル−2−メチルプロピ
ル、1−ヒドロキシカルボニル−1−メチルエチル、1
−ヒドロキシカルボニル−2−メチルプロピル、1−ヒ
ドロキシカルボニル−2−メチルブチル、1−ヒドロキ
シカルボニル−2−メチルブチル等をあげることができ
る。
【0025】R4又はR5のアリール基は好適にはフェニ
ル、メトキシカルボニルフェニル、エトキシカルボニル
フェニル、プロポキシカルボニルフェニル、ブトキシカ
ルボニルフェニル、トリル、キシリル、メシチル、エチ
ルフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロ
モフェニル、ヨードフェニル、ジフルオロフェニル、ジ
クロロフエニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニ
ル、トリメトキシフェニル、エトキシフェニル、ジエト
キシフェニル、トリエトキシフェニル、ニトロフェニ
ル、ジニトロフェニル、シアノフェニル等をあげること
ができる。
【0026】R4又はR5のヘテロアリール基としては、
無置換若しくは1乃至3個のアルコキシカルボニル基、
アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、
シアノ基で置換された、チエニル基、メチルチエニル、
フリル基、ニトロフリル基、ピロリル基、メチルピロリ
ル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、メ
チルピリジル基、ピラジニル基等をあげることができ
る。この場合においてアルコキシカルボニル基として
は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、アルキル基とし
ては炭素数1乃至4個のメチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル等、ハロゲン原子としてはフッ素、クロ
ル、ブロモ、ヨード、アルコキシ基としてはメトキシ、
エトキシ、プロポキシ基等をあげることができる。
【0027】−NR45基のR4、R5が一緒になって−
(CH2n−基(式中、nは3乃至6の整数を表す。)
を表す−NR45基としては、例えば1−ジメチレンイ
ミノ基、1−トリメチレンイミノ基、1−ピロジニル
基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基等
をあげることができる。
【0028】一般式(II)で表される化合物におい
て、R1基は、前述したものと同意義を示し、Aは、−
OR2基(式中、R2は、水素原子及び前述したものと同
意義を表す)、−NR45基(式中、R4、R5は、前述
のものと同意義を表す)を表す。上記一般式中のR3
しては、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐鎖のアル
キル基(前述のものと同意義を表す)、炭素数1乃至2
0個の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族アシル基、無置換若
しくは1乃至3個のフッ素、クロル、ブロモ、沃素等の
ハロゲン原子、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等の
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換された芳香属
アシル基又はヘテロアリール基を表す。
【0029】上記脂肪族アシル基としては、好適なもの
としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブ
チリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル
基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パ
ルミトイル基、ステアロイル基又は炭素数3乃至6個の
環式カルボニル基、例えばシクロヘキシルカルボニル基
等をあげることができる。
【0030】上記芳香族アシル基としては、例えば芳香
環上に1乃至3個のアルコキシカルボニル基(好適には
炭素数1乃至4個のエトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル基等)、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシ
基、ニトロ基、シアノ基等の置換基を有していてもよ
く、好適な置換基を有していてもよい芳香族アシルとし
ては、ベンゾイル基、メトキシカルボニルベンゾイル
基、エトキシカルボニルベンゾイル基、メチルベンゾイ
ル基、フルオロベンゾイル基、クロロベンゾイル基、ブ
ロモベンゾイル基、ヨードベンゾイル基、ジフルオロベ
ンゾイル基、ジクロロベンゾイル基、メトキシベンゾイ
ル基、ジメトキシベンゾイル基、トリメトキシベンゾイ
ル基、エトキシベンゾイル基、ジエトキシベンゾイル
基、トリエトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、
シアノベンゾイル基等の炭素環式カルボニル基を又は芳
香環上の適宜な位置に上記置換基を有していてもよいフ
ロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノ
イル基等の複素環式カルボニル基をあげることができ
る。
【0031】上記一般式(III)で表される化合物に
おいて、R1基は、前述のものと同意義であり、R2
は、水素原子及び前述のものと同意義であり、R4基、
5基及びR3は、前述のものと同意義である。
【0032】本発明の化合物として一般式(I)、一般
式(II)及び一般式(III)で表される化合物等を
以下の表に例示するが、本発明は、これらの化合物に限
定されるものではない。なお、表中のMeはメチル、E
tはエチル、Prはプロピル、iPrはイソプロピル、
一般式CnH2n-1はシクロアルキル基を表し、−(CC
2p−はR4及びR5が一緒になって環を形成し、C6
5はフェニル、Acはアセチル、t−Buはt−ブチ
ル、Trocはトリクロロエトキシカルボニル、Boc
はt−ブトキシカルボニル、Zはベンジルオキシカルボ
ニル、IPはイソプロピリデンのそれぞれの基を表す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】以下に一般式(II)及び(III)で表
される代表的化合物を示す。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】
【0048】本発明の好適な化合物としては、式(I)
で表される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22、23、24、25、2
6、27、28、29、30、31、32、33、3
4、35、36、39、40、46、51、52、5
3、55、56、59、60、61、62、63、6
4、65、66、67、68、69、70、71、7
2、73、74、75、76、77、78、79、8
0、84、85、92、93、94、95、96、
【0049】108、109、110、117、11
8、119、125、126、130、131、13
2、133、134、135、136、137、13
8、139、140、141、147、148、15
2、153、154、155、156、157、15
8、159、160、161、162、163、16
4、166、167、168、169、172、17
3、174、175、176、177、178、17
9、180、181、182、183、184、18
5、186、187、188、189、190、19
4、195、196、197、198、199、
【0050】200、201、202、203、20
4、205、206、207、211、212、21
3、216、218、219、220、221、22
2、224、225、226、227、228、22
9、230、231、232、233、234、23
5、236、
【0051】式(II)の化合物としては239、24
0、241、242、243、244、245、24
6、247、248、249、250、251、25
2、253、254、255、256、257、25
8、259、260、261、262、270、27
1、272、273、274、275、276、27
7、278、279、288、289、290、29
1、292、293、294、295、296、29
7、298、299、300、301、302、30
3、304、305、311、312、313、31
4、315、316、317、318、319、32
0、321、322、323、324、325、32
7、328、329、332、333、334、33
5、336、337、338、339、340、34
1、342、343、344、349、350、35
1、352、353、354、356、357、35
8、359、360、361、362、363、36
4、365、366、367、368、369、37
0、371、372、373、374、375、37
6、
【0052】式(III)の化合物としては377、3
78、379、380、381、382、383、38
4、385、386、387、397、399、40
0、401、402、403、404、405、40
6、407、408、413、414、415、41
6、417、418、419、420、421、43
0、431、432、433、434、448、44
9、450、451、452、453、454、45
5、456、457、458、459、460、46
1、462、466、467、468、469、47
0、471、473、474、475、476、47
7、478、479、480、481、482、48
3、484、485、486、487、488、48
9、490、491、492、499、500、50
1、502、503、505、506、507、50
8、509、510、512、513、514、51
5、516、517、518、519、520、52
1、522、523、524、525〜538等をあげ
ることができる。
【0053】本発明に係わる特に好適な一般式(I)で
表される化合物は以下に示す通りである。4−メチルチ
オ−2−オキソブタン酸メチル、4−メチルチオ−2−
オキソブタン酸エチル、
【0054】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキ
シル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸デシル、4
−メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキサデシル、4−
メチルチオ−2−オキソブタン酸(1−メチル)ペンチ
ル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(1,1−ジ
メチル)エチル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
コレステリル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
(6−ヒドロキシ)ヘキシル、4−メチルチオ−2−オ
キソブタン酸(2’−O,3’−O−イソプロピリデン
ジヒドロ)プロピル、4−メチルチオ−2−オキソブタ
ン酸(2,3−ジヒドロキシ)プロピル、4−メチルチ
オ−2−オキソブタン酸シクロヘキシルメチル、4−メ
チルチオ−2−オキソブタン酸(1−フェニル)ペンチ
ル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(4−クロロ
フェニル)メチル、4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸シクロヘキシル、4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸(2−ピリジル)メチル、4−メチルチオ−2−オキ
ソブタン酸(3−ピリジル)メチル、4−メチルチオ−
2−オキソブタン酸(4−ピリジル)メチル、4−メチ
ルチオ−2−オキソブタン酸(2−ピリジル)エチル、
1,6−ビス−(4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸)ヘキシル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸メ
トキシエトキシエチル、4−メチルチオ−2−オキソブ
タン酸3−メチル−2−ブテニル、4−メチルチオ−2
−オキソブタン酸(4−エトキシカルボニル)フェニ
ル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(3−ニコチ
ノイルアミノ)メチル、
【0055】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(N
−ヘキシル)アミド、4−メチルチオ−2−オキソブタ
ン酸(N−メチル)アミド、4−メチルチオ−2−オキ
ソブタン酸(N−4−ピリジル)アミド、4−メチルチ
オ−2−オキソブタン酸(N,N−ペンタメチレン)ア
ミド、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1
−ヒドロキシカルボニル)エチル〕アミド、4−メチル
チオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−メトキシカルボ
ニル)エチル〕アミド、4−メチルチオ−2−オキソブ
タン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−3−メチ
ル)ブチル〕アミド(L−体由来)、4−メチルチオ−
2−オキソブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル
−3−メチル)ブチル〕アミド(D−体由来)、4−メ
チルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−エトキシカ
ルボニル−3−メチル)ブチル〕アミド(L−体由
来)、
【0056】本発明に係わる特に好適な一般式(II)
で表される化合物は以下に示す通りである。2−アセチ
ルオキシ−4−メチルチオ−2−ブテン酸、4−メチル
チオ−2−パルミトイルオキシ−2−ブテン酸、2−カ
プロイルオキシ−4−メチルチオ−2−ブテン酸エチ
ル、2−デカノイルオキシ−4−メチルチオ−2−ブテ
ン酸エチル、
【0057】本発明に係わる特に好適な一般式(II
I)で表される化合物は以下に示す通りである。2−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル、2−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブタン酸エチル、2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブタン酸ヘキシル、2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブタン酸デシル、2−ヒドロキシ−4−
メチルチオブタン酸(4−メトキシフェニル)メチル、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸(3−ヒドロ
キシ)プロピル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ン酸(3−アミノ)プロピル、
【0058】2−メトキシ−4−メチルチオブタン酸、
2−アセチルオキシ−4−メチルチオブタン酸、2−ヘ
キサノイルオキシ−4−メチルチオブタン酸、2−デカ
ノイルオキシ−4−メチルチオブタン酸、2−ベヘノイ
ルオキシ−4−メチルチオブタン酸2−ベンゾイルオキ
シ−4−メチルチオブタン酸、
【0059】2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−2−フェニル)エ
チル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
酸[N−[2−[[2−メトキシカルボニル−2−
[{〔(4−メチルチオ−2−ヒドロキシ)ブタノイ
ル〕アミノ}エチル]]ジチオ]]エチル]]アミド、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸〔N−(1−
ヒドロキシカルボニル−2−インドリル)エチル〕アミ
ド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸〔N−
(1−ヒドロキシカルボニル5−アミノ)ペンチル〕ア
ミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸〔N−
(1−ヒドロキシカルボニル−2−ヒドロキシ)エチ
ル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−3−メチル)ブチ
ル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−4−グアニジニ
ル)ブチル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタン酸{N−〔(1−ヒドロキシカルボニル−2−
(4−イミダゾリル)〕エチル}アミド、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸〔N,N−(1−ヒドロキ
シカルボニル)テトラメチレン〕アミド、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタン酸{N−〔(1−ヒドロキシ
カルボニル)エチル〕}アミド、2−ヒドロキシ−4−
メチルチオブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニ
ル)メチル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタン酸〔N−(1,3−ジヒドロキシカルボニル)プ
ロピル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−2−メチル)
プロピル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
タン酸〔N−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシカルボ
ニル)プロピル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−3−
カルバモイル)プロピル〕アミド。
【0060】本発明の一般式(I)、(II)、(II
I)で表される化合物の製造法について以下に述べる。
一般式(I)で表される化合物は、一般式
【0061】
【化7】 R1−S−(CH22−C(=O)−COOH (IV)
【0062】(式中、R1は上記に同じ)で表される化
合物を常法に従ってエステル化することにより得ること
ができる。例えば4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
(以下、MTBA)と 一般式、R2−OH (V) (式中、R2は上記に同じ)で表される化合物を酸の存
在下、又は縮合剤の存在下反応させることにより製造す
ることができる。
【0063】また、一般式(I)の化合物は、一般式 R2−X (VI) (式中、R2は上記に同じ、Xは脱離基を表す)で表さ
れるハロゲン化合物、例えば炭素数1乃至20のハロゲ
ン化アルキルあるいはハロゲン化ベンジル、ピリジルメ
チルクロライド等のハロゲン化アラルキルを塩基の存在
下反応させることにより製造することができる。本発明
の反応は下記式で示すことができる。
【0064】
【化8】
【0065】(式中、Xは脱離基を表し、R2は、上記
に同じ。)上記一般式(I)で表される化合物は、一般
式(IV)で表されるカルボン酸を予め酸ハロゲン化
物、酸無水物、混合無水物(ジエチルクロロホスフェー
ト又は2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニ
ルクロライドを反応させて調製した)、活性化エステ
ル、(例えばN−ヒドロキシサクシンイミドエステル、
N−ヒドロキシフタルイミドエステル、4−ニトロフェ
ニルエステル等)、あるいはアシルアジド又は混合炭酸
無水物とし、一般式(V)の化合物と反応させることに
より製造することもできる。
【0066】反応に用いる溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサ
ン、アセトニトリル、ヘキサン、酢酸エチル、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類等又は上記溶媒の混合
物をあげることができる。
【0067】上記製法1又は製法3の反応においては、
所望によりトリエチルアミン、ピリジン、ピロリン、ジ
メチルアミノピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルア
ニリン等の有機塩基或いはアルカリ金属水酸化物、アル
カリ金属炭酸塩等の無機塩基の様な酸受容体の存在下で
行うことができる。反応温度は比較的広い範囲で変化さ
せることができ、一般的には0℃と120℃の間の温度
で行うことができる。一般式(V)で表される化合物の
使用量は、一般式(IV)の化合物の1モル当たり少な
くとも1モル量が好適である。
【0068】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、アミノ基が保護されたアミノ酸のエステルから選択
的にアミノ基の保護基を除去し、次いで酸化的脱アミノ
化剤を反応させることにより製造することもできる。す
なわち、式
【0069】
【化9】 R1−S−CH2−CH2CH(−NHB)−COA
【0070】(式中、Bは保護基を表し、R1、Aは前
述のものと同意義を示す)で表される化合物のアミノ基
の保護基を選択的に除去することにより得られる式
【0071】
【化10】 R1−S−CH2−CH2CH(−NH2)−COA
【0072】(式中、R1、Aは前述のものと同意義を
示す)で表される化合物を酸化的脱アミノ化剤の存在下
反応させることにより、一般式(I)で表される化合物
を製造することができる。例えば、4−メチルチオ−2
−オキソブタン酸ヘキシルは、メチオニンを出発原料と
して以下に述べる方法で製造することができる。先ず、
メチオニンのアミノ基を適宜な保護基で保護し、例え
ば、N−(tert−ブチルオキシカルボニル)メチオ
ニン(Boc−メチオニン)とした後、例えば、1−ヨ
ードヘキサン等のハロゲン化物とDMF等の溶媒中、炭
酸水素ナトリウム等の塩基の存在下、適宜な温度で1〜
24時間反応させ、得られたBoc−メチオニンヘキシ
ルエステルを、酸、例えば90%ぎ酸の水溶液中、室温
下で1〜15時間反応させることにより保護基を除去
し、得られたメチオニンヘキシルエステルを、DMF等
の溶媒中、酸化的脱アミノ化剤、例えば4−ピリジンカ
ルボキシアルデヒド メソ−p−トルエンスルフォネー
ト、4−ピリジンカルボキシアルデヒド ベンゼンスル
フォネート又は4−ピリジンカルボキシアルデヒド ヨ
ード等を加え、攪拌後、塩基、例えばトリエチルアミン
等を加え、次いでシュウ酸水溶液を加えさらに攪拌する
ことにより、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキ
シルを得ることができる。
【0073】アミノ基の保護に用いられる保護基は、ペ
プチドの合成に通常用いられるものであり、例えばベン
ジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカル
ボニル基等であり、好適にはtert−ブチルオキシカ
ルボニル基である。縮合剤は、ペプチドの合成に通常用
いられるものである。上記反応は以下の反応式で示すこ
とができる。
【0074】
【化11】
【0075】(式中、Bは上記アミノ基の保護基を表
し、R1、R2及びXは上記に同じ)
【0076】本発明は、また、一般式(IV)で表され
る化合物、例えば、4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸を効率よくかつ収率良く製造する方法を提供するもの
である。例えば、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
エチルを酸又は塩基の存在下、例えば水酸化ナトリウム
溶液中において加水分解することにより、4−メチルチ
オ−2−オキソブタン酸を得ることができる。
【0077】上記一般式(I)で表される化合物の構造
中にある水酸基等の保護基等は常法により容易に除去す
ることができるものが好ましく、例えば、アルキル基、
ベンジル基、メトキシベンゾイル基、トリメチルシリル
基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル
基、tert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチ
ルフェニルシリル基、テキシルジメチルシリル基、アリ
ル基、メトキシメチル基、(2−メトキシエトキシ)メ
チル基及びテトラヒドロピラニル基等をあげることがで
きる。
【0078】例えば、一般式(I)で表される化合物に
おいてR2基が水酸基を有する化合物、例えば、4−メ
チルチオ−2−オキソブタン酸(2,3−ジヒドロキシ
プロピル)は、N−(ベンジルオキシカルボニル)メチ
オニンと2,3−O−イソプロピリデングリセロールを
ピリジン等の溶媒に溶解し、縮合剤例えば、2,4,6
−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライドの存
在下反応させ、N−(ベンジルオキシカルボニル)メチ
オニン(2,3−O−イソプロピリデンジヒドロプロピ
ル)とした後、常法に従って、例えばメタノール−ぎ酸
溶液中、還元剤、例えばパラジウム−炭素の存在下、ア
ミノ基の保護基を除去し、次に前記と同様の方法で酸化
的脱アミノ化し、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
(2,3−O−イソプロピリデンジヒドロプロピル)と
し、次にトリフルオロ酢酸等の酸の存在下、室温で反応
させ、次いで常法により後処理することにより得ること
ができる。
【0079】本発明の一般式(I)で、Aが−NR45
基で表されるアミド誘導体化合物は以下に述べる方法で
製造することができる。先ず、一般式
【0080】
【化12】 R1−S−(CH22−C(=O)−COOH (IV) (式中、R1は上記に同じ)
【0081】で表される化合物と一般式 NHR45 (VII) (式中、R4、R5は上記に同じ)で表されるアミン誘導
体とを常法に従って反応させることにより得ることがで
きる。より詳細には、一般式(IV)で表されるカルボ
ン酸誘導体を、前記と同様の方法により酸ハロゲン化
物、酸無水物、混合酸無水物、活性化エステル又はアシ
ルアジド誘導体等とし、一般式(VII)の化合物と反
応させることにより製造することができる。
【0082】活性化剤としては、ジエチルクロロホスフ
ェート又は2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスル
ホニルクロライド等をあげることができる。活性化エス
テルの例としては、N−ヒドロキシサクシンイミドエス
テル、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、4−ニト
ロフェニルエステル等をあげることができる。
【0083】一般式(VII)で表される化合物として
は、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン或いはジメチレンイミン、トリメチレ
ンイミン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイ
ミン等をあげることができる。反応に用いる溶媒は前述
のものを用いることができる。
【0084】この反応は、必要に応じてトリエチルアミ
ン、ピリジン、ピロリン、4−ジメチルアミノピリジ
ン、ルチジン、N,N−ジメチルアニリン等の有機塩基
或いはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等の
無機塩基の様な酸受容体の存在下で行うことができる。
【0085】反応温度は比較的広い範囲で変化させるこ
とができ、一般的には0℃と120℃の間である。
【0086】一般式(VII)の化合物の使用量は、式
(IV)の化合物の1モル当たり少なくとも1モル量で
ある。
【0087】上記アミド誘導体化合物は、下記別法にて
製造することもできる。即ち、アミノ基が保護されたア
ミノ酸と上記一般(VII)で表される化合物とを反応
させ、次にアミノ基の保護基を選択的に除去し、次に前
記酸化的脱アミノ化剤の存在下反応させることにより製
造することもできる。即ち、一般式、
【0088】
【化13】 R1−S−CH2−CH2CH(−NHB)−COOH
【0089】(式中、Bは保護基を表し、R1は前述し
たものと同意義を表す)で表される化合物に一般式、 NHR45 (VII) (式中、R4及びR5は前述したものと同意義を表す)で
表される化合物を反応させ、得られた一般式、
【0090】
【化14】 R1−S−CH2−CH2CH(−NHB)−CONR45
【0091】(式中、B、R1、R4及びR5は上記に同
じ)の化合物のアミノ基の保護基を選択的に除去し、次
に酸化的脱アミノ化反応させることにより製造すること
ができる。
【0092】より具体的には、例えば、4−メチルチオ
−2−オキソブタン酸〔N−(1−メトキシカルボニル
エチル)〕アミドは、メチオニンを出発原料として製造
することができる。先ず、メチオニンのアミノ基を適宜
な保護基で保護し、例えばBoc−メチオニンとした
後、例えば、L−アラニンメチルエステルとDMF等の
溶媒中、シアノりん酸ジエチル(DEPC)等の縮合剤
を用いて、トリエチルアミン等の塩基の存在下、適宜な
温度、好ましくは室温で1〜8時間反応させる。常法に
より後処理して得られたBoc−メチオニン〔N−(1
−メトキシカルボニルエチル)〕アミドを、常法によ
り、例えば90%ぎ酸水溶液中、室温下で1〜15時間
反応させ、保護基を除去する。
【0093】次に得られたメチオニン〔N−(1−メト
キシカルボニルエチル)〕アミドを、例えばDMF等の
溶媒中、4−ピリジンカルボキシアルデヒド メソ−p
−トルエンスルフォネートを加え適宜な温度、好ましく
は室温で約1時間攪拌し、トリエチルアミンを加え、次
いでシュウ酸水溶液を加えさらに約1時間攪拌した後常
法により後処理することにより目的の化合物を得ること
ができる。
【0094】アミノ基の保護基又は縮合剤は前述したも
のを用いることができる。上記の製造法は以下の反応式
で示すことができる。
【0095】
【化15】
【0096】(式中、Bはアミノ基の保護基を表し、R
1、R4及びR5は上記に同じ)
【0097】本発明の一般式(II)の化合物は、前述
の一般式(I)で表される化合物に、カルボン酸の活性
誘導体を反応させることにより製造することができる。
例えば2−カプロイルオキシ−4−メチルチオ−2−ブ
テン酸エチルは、一般式(I)で表される化合物4−メ
チルチオ−2−オキソブタン酸エチルをピリジン等の溶
媒中に、カプロン酸の活性誘導体、例えば酸無水物を触
媒量の4−ジメチルアミノピリジン等の存在下で反応さ
せることにより製造することができる。
【0098】本発明の一般式(II)の化合物で、A
が、−NR45基を表す化合物は、前述の一般式(I)
で表される化合物の製法に準拠して製造することができ
る。
【0099】本発明の一般式(III)で表される化合
物は以下の各方法で製造することができる。例えば、R
2が水素原子である化合物、例えば2−カプロイルオキ
シ−4−メチルチオブタン酸は、2−ヒドロキシ−4−
メチルチオブタン酸(以下、HMTBA)と所望のカル
ボン酸誘導体の酸無水物をピリジン等の溶媒中、0℃〜
100℃、好ましくは0℃〜50℃の範囲で1〜10時
間反応させることにより製造することができる。
【0100】本発明の一般式(III)で表される化合
物で、例えば、2−アルコキシ−4−メチルチオブタン
酸は、例えばHMTBAのメチルエステルとハロゲン化
アルキル、例えば沃化メチルとをテトラヒドロフラン等
の溶媒中、水素化ナトリウムの存在下反応させることに
より製造することができる。
【0101】本発明の一般式(III)の化合物におい
てAが、−NR45基を表す化合物は前述の一般式
(I)で表される化合物の製法に準拠して製造すること
ができる。
【0102】一般式(II)又は(III)で表される
化合物において、R2が水素原子の化合物は所望の化合
物を、常法により無機又は有機塩基例えば水酸化ナトリ
ウム等の存在下を加水分解することにより得ることも
できる。
【0103】一般式(III)で表される化合物は、一
般式(II)で表される化合物の不飽和結合を常法に従
って還元することにより製造することもできる。本発明
に係わる化合物は、光学的異性体、立体異性体が存在し
当然のことながらこれらも本発明に含まれるものであ
る。
【0104】本発明の化合物の薬理学上許容される塩類
は、例えば、4−メチルチオ−2−メチルオキシブタン
酸と無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、カルシウ
ム等のアルカリ金属、又はマグネシウム、カルシウム等
のアルカリ土類金属或いは有機塩基、例えばトリエチル
アミン等とを反応させ、常法に従って処理することによ
り得ることができる。
【0105】また、本発明の化合物の薬理学上許容され
る塩類は、例えば、4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸3−ピリジルメチルと例えば塩酸、硫酸、硝酸等の無
機酸又はシュウ酸、メシル酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸とを常法に従って反応させ、処理することに
より得ることができる。
【0106】本発明により得られるそれぞれの化合物
は、濃縮、ろ過、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、再
結晶又はそれらの組み合わせからなる常法により精製す
ることができる。
【0107】
【実施例】
実施例1 MTBA1g、シクロヘキシルメタノール772mg及
び触媒量の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を
メチレンクロライド50mlに溶解し、この溶液に1−
シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボ
ジイミド メソ−p−トルエンスルホネート2.86g
を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応終了後、反応
液を水洗し、有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)後、減圧
下溶媒を留去した。得られた残分をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(50g)に付し、クロロホルムの溶
出部より4−メチルチオ−2−オキソブタン酸シクロヘ
キシルメチル0.73g(44%)を得た。元素分析
12203Sとして 計算値(%) C58.99, H 8.25, S1
3.12 実測値(%) C58.81, H 8.26, S1
2.95
【0108】実施例2 (製法1)Boc−L−メチオニン10gと1−ヨード
ヘキサン10gをDMF30mlに溶解し、これに炭酸
水素ナトリウム40gを加え、40℃で24時間攪拌し
た。不溶物をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残分に水
を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を食塩水で洗
浄後、乾燥した。得られた残分を90%ぎ酸水溶液10
0mlに溶解し、室温下で15時間攪拌した。反応液の
溶媒を留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性
とし、次いで酢酸エチルで抽出し、乾燥した。溶媒を留
去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−メタノール(99:1)の溶出部よ
り、メチオニンのヘキシルエステル7.0g(75%)
を無色油状物として得た。上記製法で得られたエステル
化合物を、DMF100mlに溶解させ4−ピリジンカ
ルボキシアルデヒド メソ−p−トルエンスルフォネー
ト15gを加え室温で1時間攪後、トリエチルアミン5
gを加えた。10分後シュウ酸水溶液(25g/300
ml)を加えさらに1時間攪拌した。反応液を酢酸エチ
ルで抽出し、抽出液をKHSO4水溶液及び飽和食塩水
で洗浄後、乾燥した。溶媒を留去し、残分をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム溶出部
より、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキシル
1.1gを得た。元素分析 C11203Sとして 計算値(%) C56.87, H 8.68, S1
3.80 実測値(%) C56.82, H 8.70, S1
3.96 (製法2)実施例1と同様にして、4−メチルチオ−2
−オキソブタン酸ヘキシルを得た。機器分析の結果は製
法1の化合物と同一であった。
【0109】実施例3−13 実施例1と同様にして一般式(I)で表される実施例3
乃至16の化合物を得た。それぞれの化合物の物理化学
的性質は下記表に示す。
【0110】
【表15】
【0111】
【表16】
【0112】
【表17】
【0113】
【表18】
【0114】実施例17 MTBA1.5g、3−ピリジルカルビノール1.1g
及び触媒量のDMAPをメチレンクロライド50mlに
溶解し、この溶液に1−シクロヘキシル−3−(2−モ
ルホリノエチル)カルボジイミド メソ−p−トルエン
スルホネート4.3gを加え、室温で15時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を水洗し、有機層を乾燥(硫酸
ナトリウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残分
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50g)に付
し、クロロホルムの溶出部より4−メチルチオ−2−オ
キソブタン酸(3−ピリジル)メチル1.37g(57
%)を得た。 元素分析 C1113NO3Sとして 計算値(%) C55.20, H 5.47, S1
3.39 実測値(%) C55.12, H 5.60, S1
3.46
【0115】実施例18 MTBA1.5g、2−ピリジルカルビノール1.1g
及び触媒量のDMAPをメチレンクロライド50mlに
溶解し、以下実施例15と同様に処理することにより4
−メチルチオ−2−オキソブタン酸(2−ピリジル)メ
チル1.4g(58%)を得た。
【0116】実施例19 MTBA1.5g、4−ピリジルカルビノール1.1g
及び触媒量のDMAPをメチレンクロライド50mlに
溶解し、以下実施例15と同様に処理することにより4
−メチルチオ−2−オキソブタン酸(4−ピリジル)メ
チル1.5gを油状物として得た。 実施例20 実施例19の4−ピリジルカルビノールのかわりに、2
−ピリジルエタノールを用い、以下実施例15と同様に
処理することにより、4−メチルチオ−2−オキソブタ
ン酸〔2−(2−ピリジル)エチル〕を得た。それぞれ
の化合物の物理化学的性質は下記表に示す。
【0117】
【表19】
【0118】実施例21 MTBAと1,6−ヘキサンジオールとを実施例1と同
様の方法で反応させることにより、1,6−ビス−(4
−メチルチオ−2−オキソブタン酸)ヘキシル(50
%)を得た。H−NMR(CDCl3;δppm):
1.22〜1.95(8H,m),2.14(6H,
s),2.69〜2.93(4H,m),3.04〜
3.30(4H,m),4.27(4H,t,J=6.
4Hz)
【0119】実施例22 4−メチルチオ−2−オキソブタン酸エチル4g、n−
カプロン酸無水物7.3g及び触媒量のDMAPをピリ
ジン20mlに溶解し、室温で5時間攪拌した。反応終
了後、反応液に水150mlを加え酢酸エチルで抽出
後、KHSO4水溶液及び水で洗浄した。有機層を乾燥
後、溶媒を減圧下留去し、残分をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(150g)に付しベンゼンの溶出部よ
り2−カプロイルオキシ−4−メチルチオ−2−ブテン
酸エチル3.6g(96%)を無色油状物として得た。 元素分析 C13224Sとして 計算値(%) C56.91, H 8.08, S1
1.68 実測値(%) C56.85, H 8.26, S1
1.72
【0120】実施例23−25 実施例22と同様にして一般式(II)で表される化合
物でR1がメチル基の実施例23−25の化合物を得
た。その構造式及び物理化学的性質は下記表に示す通り
である。
【0121】
【表20】
【0122】実施例26 HMTBA10gと濃硫酸0.5mlをメタノール25
0mlに溶解し、3時間加熱還流した。溶媒を留去後、
残分に炭酸水素ナトリウムを加え、酢酸エチルで抽出
し、水洗後乾燥した。不溶物をろ別後、減圧下溶媒を留
去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、ベンゼン−酢酸エチル(9:1)の溶出部より
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル9.5
gを無色油状物として得た。 元素分析 C6123Sとして 計算値(%) C43.89, H 7.37, S1
9.52 実測値(%) C43.80, H 7.50, S1
9.63
【0123】実施例27 HMTBA10gと濃硫酸0.5mlをエタノール25
0mlに溶解し、4時間加熱還流した。以下実施例26
と同様に処理することにより2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブタン酸エチル9.5g(80%)を無色油状物
として得た。
【0124】実施例28 HMTBA7gと沃化ヘキシル10gをジメチルホルム
アミド100mlに溶解し、これに炭酸水素ナトリウム
20gを加え、40℃で17時間攪拌した。不溶物をろ
別後減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム−ヘキサン
(1:1)の溶出部より2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタン酸ヘキシル4.4g(40%)を無色油状物と
して得た。 元素分析 C11223Sとして 計算値(%) C56.38, H 9.46, S1
3.68 実測値(%) C56.40, H 9.50, S1
3.70
【0125】実施例29−30 実施例26又は実施例28と同様にして一般式(II
I)で表される化合物でR1がメチル基の実施例の化合
物を得た。その結果は下記表に示す。
【0126】
【表21】
【0127】実施例31−34 HMTBAと相当する酸無水物を反応させ表33に示す
一般式(III)(式中、R1はメチル基)で表される
化合物を得た。
【0128】
【表22】
【0129】実施例35 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸メチル14.
5gをテトラヒドロフラン200mlに溶解し、この溶
液に0℃で60%NaH3.88gを加え30分間攪拌
した。反応液に沃化メチル13.8gを滴下し2時間、
0℃で攪拌した後さらに室温で1時間攪拌した。塩化ア
ンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し水洗
した。有機層を乾燥後溶媒を留去し油状物15gを得
た。これをメタノール200mlに溶解し、0℃で10
%NaOH水溶液40mlを加え3時間攪拌した。反応
液を10%塩酸水溶液で酸性とし、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水洗し、乾燥後溶媒を留去した残分をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
−メタノール(99:1)溶出部より、2−メトキシ−
4−メチルチオブタン酸10.8g(74%)を油状物
として得た。 H−NMR(CDCl3):1.92−2.22(2
H,m),2.11(3H,s),2.65(2H,
t,J=6.8Hz),3.47(3H,s),4.0
1(1H,t,J=5.6Hz),8.65(1H,b
rs)
【0130】実施例36 N−ベンジルオキシカルボニルメチオニン30gと2,
3−O−イソプロピリデングリセロール15.4gをピ
リジン50mlに溶解し、次いで2,4,6トリイソプ
ロピルベンゼンスルホニルクロライド38.5gを加え
室温で15時間攪拌した。反応液を減圧下留去後炭酸水
素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。有
機層をKHSO4水溶液、ブラインで洗浄後乾燥した。
溶媒を留去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、クロロホルム−ヘキサン=3:1)の溶出
部より、N−ベンジルオキシカルボニルメチオニン
(2,3−O−イソプロピリデンジヒドロ)プロピル
4.0g(95%)を無色油状物として得た。
【0131】メタノール1.3lに窒素気流下10%パ
ラジウム炭素40gを加え、これにぎ酸108gを滴下
した後、上記製法で得られた化合物40gのメタノール
溶液100mlを室温で滴下し、15時間攪拌する。セ
ライトを通して不溶物を除去し、炭酸水素ナトリウムで
中和後、溶媒を減圧下留去し、水を加え酢酸エチルで抽
出した。有機層を乾燥後、減圧下濃縮し、残分をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−
メタノール(49:1)の溶出部より、メチオニン
(2’,3’−O−イソプロピリデンジヒドロプロピ
ル)10.5g(39.6%)を油状物として得た。こ
の化合物をDMF100mlに溶解させ、4−ピリジン
カルボキシアルデヒド メソ−p−トルエンスルホネー
ト14.7gを加え、室温で1時間攪拌後、トリエチル
アミン5.1gを加えた。10分後シュウ酸水溶液(2
3.9g/300ml)加えさらに1時間攪拌した。反
応液を酢酸エチルで抽出し、有機層をKHSO4水溶
液、飽和食塩水で洗浄後乾燥した。溶媒を留去し て得
られた残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−ヘキサン(4:1)の溶出部より
4.3gの4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
(2’,3’−O−イソプロピリデンジヒドロ)プロピ
ル2.1g(20%)を無色油状物として得た。 H−NMR(CDCl3):1.37(3H,s),
1.44(3H,s),2.14(3H,s),2.7
0−2.90(2H,m),3.10−3.27(2
H,m),3.75−4.50(5H,m)
【0132】実施例37 上記製法で得られた4−メチルチオ−2−オキソブタン
酸(2,3−O−イソプロピリデンジヒドロプロピル)
1.3gを90%トリフルオロ酢酸100mlに溶解
し、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去後、残分をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
−メタノール=19:1の溶出部より4−メチルチオ−
2−オキソブタン酸(2,3−ジヒドロキシ)プロピル
0.6g(54%)を無色油状物として得た。 H−NMR(CDCl3):2.10(3H,s),
2.70−2.87(2H,m),3.12−3.29
(2H,m),3.66−4.45(5H,m) 元素分析 C8145Sとして 計算値(%) C43.23, H 6.35, S1
4.42 実測値(%) C43.30, H 6.42, S1
4.33
【0133】実施例38 Boc−L−メチオニン1.0gと1−フェニルペンタ
ノールとを実施例1と同様に反応させBoc−L−メチ
オニン(1−フェニルペンチル)得た。以下実施例2の
方法に準拠して処理することにより4−メチルチオ−2
−オキソブタン酸(1−フェニル)ペンチル0.42g
を無色油状物として得た。元素分析 C16223Sと
して 計算値(%) C65.28, H 7.53, S1
0.89 実測値(%) C65.11, H 7.55, S1
0.78
【0134】実施例39 Boc−メチオニン10.5gとヘキシルアミン5.1
1gをDMF80mlに溶解し、0℃でジエチルホスホ
シアニデート(DEPC)8.2g、次いでトリエチル
アミン6.4gを加え室温で3時間攪拌した。反応液に
希硫酸を加えクロロホルムで抽出し、有機層を水洗後乾
燥し、減圧下溶媒を留去する。残分を90%ぎ酸水溶液
100mlに溶解させ、室温で15時間攪拌した後、溶
媒を留去した。残分をクロロホルムに溶解し、炭酸カリ
ウム水溶液、水で洗浄し、有機層を乾燥後、溶媒を留去
した。得られた残分11gをDMF100mlに溶解さ
せ、4−ピリジンカルボキシアルデヒド メソ−p−ト
ルエンスルホネート14.7gを加え室温で1時間攪拌
後トリエチルアミン5.1gを加えた。10分後、シュ
ウ酸水溶液(23.9g/300ml)を加えさらに1
時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を
KHSO4水溶液、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。溶
媒を留去し、得られた残分をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(150g)に付し、クロロホルム−ヘキサ
ン(4:1)の溶出部より4−メチルチオ−2−オキソ
ブタン酸(N−ヘキシル)アミド4.2g(43%)を
得た。 元素分析 C1121NO2Sとして 計算値(%) C57.09, H 9.15, S1
3.85 実測値(%) C57.01, H 9.20, S1
3.62
【0135】実施例40−41 実施例39と同様に処理することにより得られる本発明
の一般式(I)でAが−NR45表されるそれぞれの化
合物及びその物理化学的性質を下記表に示す。
【0136】
【表23】
【0137】実施例42 Boc−L−メチオニン1gと4−アミノピリジン0.
38gとをDMF5mlに溶解し、氷冷下この溶液にD
EPC0.65g、次いでトリエチルアミン0.8gを
滴下し、室温で3時間攪拌した。以下実施例42と同様
に処理することにより、4−メチルチオ−2−オキソブ
タン酸(N−4−ピリジル)アミド0.45gを得た。 元素分析 C101222Sとして 計算値(%) C53.53, H 5.39, S1
4.29 実測値(%) C53.26, H 5.41, S1
4.01
【0138】実施例43 MTBA1gとN−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミ
ド0.62gを実施例1と同様に処理することにより、
4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(3−ニコチノイ
ルアミノ)メチル0.51gを得た。 元素分析 C121424Sとして 計算値(%) C51.03, H 5.00, S1
1.35 実測値(%) C51.10, H 5.31, S1
1.11
【0139】実施例44 Boc−メチオニン20g及びL−アラニンメチルエス
テル8.2gをDMF100mlに溶解し、氷冷下この
溶液にDEPC12.9g、次いでトリエチルアミン1
5.9gを滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液を留
去後、水、酢酸エチルを加え抽出し、炭酸水素ナトリウ
ム、KHSO4の水溶液で洗浄し、有機層を乾燥した。
溶媒を留去し、得られた残分をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルムの溶出部よりBoc
−メチオニン〔(N−(1−メトキシカルボニル)〕エ
チルアミド18.7g(70%)を無色油状物として得
た。得られた上記化合物を90%ぎ酸水溶液に溶解し、
室温で15時間攪拌後、溶媒を留去した。炭酸水素ナト
リウム水溶液でアルカリ性とした後酢酸エチルで抽出
し、有機層を水洗し、乾燥した。溶媒を留去し、得られ
たアミン誘導体10gをDMF100mlに溶解させ
た。次いで4−ピリジンカルボキサミド メソ−p−ト
ルエンスルホネート15gを加え、室温で1時間攪拌
後、トリエチルアミン5.1gを加えた。10分後、し
ゅう酸水溶液(25g/300ml)を加えさらに1時
間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層をK
HSO4水溶液 、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。溶媒
を留去し、得られた残分をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、クロロホルムの溶出部より4−メチル
チオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−メトキシカルボ
ニルエチル)〕アミド4g(40%)を得た。 H−NMR(CDCl3,δppm):1.45(3
H,d),2.12(3H,s),2.67−2.89
(2H,m),3.15−3.74(2H,m),3.
87(3H,s),4.37−4.34(1H,m),
7.40(1H,brd)
【0140】実施例45 4−メチルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−メト
キシカルボニルエチル)〕アミド3.8gを2N硫酸3
0mlとアセトン30mlに溶解させ、8時間加熱還流
した。反応液を留去後、酢酸エチルで抽出後、乾燥し
た。溶媒を留去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、クロロホルムの溶出部より4−メチル
チオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカル
ボニルエチル)〕アミド1.55g(43%)を得た。 H−NMR(CDCl3,δppm):1.53(3
H,d),2.13(3H,s),2.69−2.89
(2H,m),3.17−3.34(2H,m),4.
41−4.76(1H,m),7.44(1H,br
d),7.92(1H,brs)
【0141】実施例46−48 実施例44及び/又は45と同様に処理し、本発明の一
般式(I)でAが−NR45(式中、R4はH、R5は−
CHR6(−COOR7)を表す)で表されるそれぞれの
化合物を得た。その物理化学的性質は下記表に示す。
【0142】
【表24】
【0143】実施例49 (a)2−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−メチ
ルチオブタン酸9gを塩化メチレン30mlに溶解し、
4−ヒドロキシブタン酸フェナシルエステル7.5gと
4−ジメチルアミノピリジン50mgを加え、氷冷下、
DCC7.0gを加え、5時間攪拌した。反応液に酢酸
エチル30mlを加え、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し
た。残分を酢酸エチルで抽出し、0.5N塩酸、飽和食
塩液の順で洗浄した。有機層を乾燥後、減圧下溶媒留去
した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−に付
し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1)溶出部より、
2−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−メチルチオ
ブタン酸フェナシルエステル12g(75%)を得た。
このエステル10gをTHF25mlに溶解させ、氷冷
下、1MテトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF
溶液30mlを加え、3時間攪拌した。反応液に水を加
え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩液の順で洗浄し
た。有機層を乾燥後、減圧下溶媒留去した。残分をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−に付し、CHCl3
MeOH(20:1)溶出部より、2−ヒドロキシ−4
−メチルチオブタン酸(3−フェナシルオキシカルボニ
ル)プロピル6.5g(86%)を得た。 H−NMR(CDCl3)δppm:1.75〜2.3
8(4H,m),2.15(3H,s),2.51〜
2.83(4H,m),4.40(2H,t,J=6.
1Hz),4.24〜4.51(1H,m),5.49
(2H,s),7.45〜8.22(5H,m)
【0144】(b)上記製法で得られたエステル6gを
酢酸100mlに溶解し、水3mlと亜鉛末4gを加
え、室温で4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エ
チルで抽出し、水、飽和食塩液の順で洗浄した。有機層
を乾燥後、減圧下溶媒留去した。残分をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−に付し、CHCl3−MeOH
(100:1)溶出部より、2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブタン酸(3−ヒドロキシカルボニル)プロピル
2.6g(65.5%)を得た。 H−NMR(δppm、CD3OD):1.78〜2.
17(4H,m),2.12(3H,s),2.44
(2H,t,J=6.1Hz),2.66(2H,t,
J=7.8Hz),4.28(2H,t,J=6.1H
z),4.39(1H,dd,J=7.6Hz,4.9
Hz)
【0145】実施例50〜51 実施例49に準拠した製法により、一般式(III)
(式中、Aは−OR2を表す)で表される化合物を合成
した。それぞれの化合物の物性は下記表に示す。
【0146】
【表25】
【0147】実施例52 (a)HMTBA5.7gとL−フェニルアラニンメチ
ルエステル塩酸塩7.5gをDMF50mlに溶解し、
トリエチルアミン10.6gを加え、氷冷下、DEPC
6.4gを加え、18時間攪拌した。反応液に5%炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を乾燥後、減圧下溶媒留去した。残分をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−に付し、ベンゼン−酢酸エ
チル(10:1)溶出部より、2−ヒドロキシ−4−メ
チルチオブタン酸〔N−(1−メトキシカルボニル−2
−フェニル)エチル〕アミド9.7g(82%)を得
た。 H−NMR(CD3OD)δppm:1.69〜2.3
4(2H,m),2.11,2.13(3H,s,
s),2.39〜2.82(2H,m),3.07〜
3.29(2H,m),3.45(1H,bs),3.
79(3H,s),4.33(1H,dd,J=7.
6,3.9Hz),4.78〜5.12(1H,m),
7.08〜7.56(5H,m)
【0148】(b)上記製法で得られた化合物9gをメ
タノ−ル50mlに溶解し、氷冷下、1N水酸化ナトリ
ウム水溶液50mlを加え、1時間攪拌した。反応液を
塩酸酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥
後、減圧下溶媒留去した。残分をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−に付し、CHCl3−MeOH(10
0:1)溶出部より、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−2−フェ
ニル)エチル〕アミド7.6g(89%)を得た。 H−NMR(CDCl3)δppm:1.58〜2.0
0(2H,m),2.04,2.07(s,s,3
H),2.29〜2.66(2H,m),3.00〜
3.31(2H,m),4.18(1H,dd,J=
7.5,4.5HZ),4.67〜4.86(1H,
m),7.35(5H,S)
【0149】実施例53〜66 実施例52に準拠した製法により、一般式(III)
〔式中、Aは−NR45を表し、R1はMe、R3及びR
4は水素原子、R5=−CHR6(−COOR7)を表す〕
で表される化合物を合成した。それぞれの化合物の物性
は下記表に示す。
【0150】
【表26】
【0151】
【表27】
【0152】
【表28】
【0153】実施例67 実施例63に準拠した製法により、2−ベヘノイルオキ
シ−4−メチルチオブタン酸を得た。 H−NMR(CDCl3,δppm):0.89(3
H,t,J=7.6Hz)、1.28(38H,b
s),1.50〜1.86(2H,m),2.14(3
H,s),2.20〜2.79(4H,m),5.28
(1H,t,J=7.6Hz),10.0(1H,b
s)
【0154】次に、本発明の上記化合物の肝臓、腎臓、
膵臓又は脳疾患に対する予防・治療効果試験及び製剤例
を示す。本発明の化合物は、マウス又はラット等の実験
的な誘発肝障害に対し、優れた肝機能改善、肝臓保護作
用を示し、かつ副作用が少ない等肝臓疾患治療剤として
有用な化合物である。また、毒性が少ないため経口及び
非経口の両方において非常に広範囲の投与量で用いるこ
とができ、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障害、肝硬変又は糖
尿病由来の肝臓疾患等の治療剤として極めて有用な化合
物である。
【0155】本発明の化合物は、腎疾患、例えば、ネフ
ローゼ症候群、薬物性腎障害、重金属による中毒性腎障
害、高尿酸血症による腎障害、痛風腎、急性腎不全、慢
性腎不全等、又は上記腎疾患に由来する高脂血症の治療
剤として有用である。
【0156】例えば、シスプラチン(CDDP)等を投
与することにより誘発される腎毒性に対し優れた毒性軽
減効果を示す。又、併用薬剤の有する効能・効果を減ず
ることなく、腎毒性を著しく軽減することができる等の
特徴を有している。本発明の化合物は、抗菌剤、抗真菌
剤等の使用に伴う腎毒性等の副作用をも軽減することが
できる等副作用軽減剤として極めて有用である。
【0157】本発明の化合物は、実験的膵臓疾患モデ
ル、例えば、実験的糖尿病モデルに対し優れた治療効果
を示す。本発明の化合物は、各種膵臓疾患、例えば糖尿
病、或いは急性膵炎、慢性膵炎、膵臓癌、膵臓のう腫等
に対する治療薬としても用いることができる等極めて有
用な化合物である。
【0158】本発明の化合物は、実験動物、例えばマウ
スを用いたL−ドーパ(L−DOPA)により誘発され
る運動量亢進作用を増強させること、また、マウスを用
いた強制水泳実験において無動状態の時間を短縮させる
等の効果を示すことから、脳疾患例えば、脳血管、脳血
管における種々の精神障害又は頭部外傷による脳挫傷等
に起因するうつ病、パーキンソン症、抗不安症等の精神
障害等に対する治療剤として有用である。以下に、本発
明化合物の肝臓、腎臓、膵臓又は脳疾患に対する予防・
治療効果試験をより具体的に示す。
【0159】イ)肝臓障害抑制試験 以下の試験例のそれぞれの方法により肝障害モデルを作
成し、肝臓障害抑制効果を検定した。
【0160】急性毒性試験 上記一般式(I)、(II)および(III)で表され
る本発明の化合物の毒性は極めて、低くマウスの急性経
口毒性LD50値は3000mg/kg以上であった。
【0161】肝障害モデルに対する試験
【0162】試験例1 α−ナフチルイソチオシアネート(ANIT)誘発肝内
胆汁うつ滞型肝障害モデルに対する効果 24時間絶食したddY系雄性マウス(体重22−27
g)にオリーブ油で溶解したANIT(50mg/10
ml/kg)を経口投与し、その48時間後にケタミン
(200mg/kg,ip)麻酔下、下行大静脈より採
血し血漿を分離した。その後自動血清分析装置(日立
706D)にて血漿GOT、GPT,LAP(ロイシン
アミノペプチダーゼ)、ALP(アルカリフォスファタ
ーゼ)およびBIL(ビリルビン)を測定した。被験薬
の経口投与はANIT投与2時間前および2、6、2
4、28時間後の計5回行った。なお、対照群には生理
食塩水を投与し、比較薬には、ウルソデスオキシコール
酸(UDCA)を投与した。その結果は下記表に示す。
【0163】
【表29】
【0164】試験例2 ストレプトゾトシン誘発糖尿病性胆汁うつ滞モデルに対
する効果(ラット) 実験前日にストレプトゾトシン100mg/kgをip
投与して糖尿病を誘発させた体重約200gのウイスタ
ー系雄性ラットの総胆管にポリエチレンチューブを挿入
し、胆汁を測定した。また、4時間の総量及び流出速度
(μl/分/g肝臓重量)も求めた。被験薬は胆汁量測
定開始2時間前に経口投与した。比較薬としてはウルソ
デスオキシコール酸を用いた。なお、手術及び胆汁量測
定はネンブタール麻酔下で行った。その結果は下記表に
示す。
【0165】
【表30】
【0166】試験例3 エチニルエストラジオール(Ethynylestra
diol、EE)誘発胆汁うつ滞モデルに対する効果 SD系雄性ラット(体重240−290g)に2%ツイ
ーン(Tween)80で懸濁したEE7.5mg/5
ml/kgを経口投与した。その1時間前に各被験薬を
10ml/kgの液量で経口投与した。この投与スケジ
ュールを3日間繰り返した。EEの最終投与後24時間
絶食した後、ネンブタール(50mg/kg,ip)麻
酔下で開腹してポリエチレンチューブ(SP−10,夏
目社(株)製)を総胆管に挿入後胆汁を採取し、胆汁量
を測定した。測定に際しては、胆汁流量がほぼ一定の
(カニュレーション開始1時間後)になってから4時間
の流出量を1時間毎に測定した。なお、対照群には生理
食塩水を投与し、比較薬としてウルソデスオキシコール
酸を投与した。その結果は下記表に示す。
【0167】
【表31】
【0168】試験例4 エチオニン肝障害モデルに対する効果(ラット) 24時間絶食したウイスター雌性ラット(体重130−
160g)に1%ツイーン80生理食塩液で懸濁したD
L−エチオニン(1g/10ml/kg)をip投与
し、その24時間後にエーテル麻酔下、腹部大動脈より
採血し血清を分離した。その後、自動血清分析装置にて
血清GOT、GPTおよびBILを測定した。対照群に
は水を投与した。その結果は下記表に示す。
【0169】
【表32】
【0170】試験例5 アセトアミノフェン肝障害モデルに対する効果(マウ
ス) 24時間絶食したddY系雄性マウス(体重22−29
g)に2%アラビアゴム生理食塩液で懸濁したアセトア
ミノフェン(400mg/10ml/kg)をip投与
し、その24時間後にケタミン(200mg/kg,i
p)麻酔下、下行大静脈より採血し血漿を分離した。そ
の後自動血清分析装置にて血漿GOTおよびGPTを測
定した。被験薬の経口投与はアセトアミノフェン投与2
時間後に行った。その結果は下記表に示す。
【0171】
【表33】
【0172】試験例6 四塩化炭素肝障害モデルに対する効果(ラット) 一夜絶食したウィスター系雄性ラット(体重約200
g)に、オリーブ油と等量混和した四塩化炭素1ml/
kgをip投与した。四塩化炭素投与24時間後にエー
テル麻酔下で、腹部大動脈より採血し、血清のGOT、
GPT、ALPおよびBILを血清自動分析装置にて測
定した。その結果は下記表に示す。
【0173】
【表34】
【0174】ロ)腎障害抑制試験 ネフローゼ症候群、薬物性腎障害、重金属による
中毒性腎障害、高尿酸血症による腎障害、痛風腎、
急性腎不全、慢性腎不全等、又はそれらに由来す
る高脂血症に対する効果を以下に示す。 試験例7 ネフローゼ症候群 ラットにピューロマイシンアミノヌクレオシドを投与す
ることにより作製されるネフローゼモデル対し尿中タン
パク排泄量の減少等の治療効果を確認することにより示
される。 ラットにおけるピュ−ロマイシンアミノヌクレオシド
(PAN)腎毒性に対する軽減効果 ウイスター系雄ラット(体重240〜267g)を1群
5匹として用い、PAN20mg/5ml/kgを3時
間毎に3回(計60mg/kg)day0に静脈内投与
した。被験薬であるHMTBAは2mmol/5ml/
kg(水で溶解後pH6に調整)の用量でday1から
day8まで8日間経口投与した。測定項目として、尿
蛋白量、尿アルブミン量、尿蛋白量/尿クレアチニン量
比はPAN投与前、day5、day9およびday1
3に1日尿を用いて、また血清UN、CRE、CHO、
TGはday 13にエ−テル軽麻酔下で採血した血液
を用いていずれも自動分析装置(日立7070型)によ
り測定した。さらに、腎臓を摘出(day13)して重
量を測定し、その重量比(腎重量/体重x100)も算
出した。その結果は下記表に示す。
【0175】
【表35】
【0176】
【表36】 HMTBAは2mmol/kgの経口投与でPANによ
る尿蛋白量、尿アルブミン量、尿蛋白/尿アルブミン量
比の増加および血清UN、CRE、CHO、TGの上昇
を抑制し、その腎毒性を軽減した。また、対照群にみら
れた腎重量の増加も明らかに抑制した。
【0177】薬物性腎障害 実験動物に抗生剤としてセファロスポリン系のセファロ
リジン、アミノグリコシド系のゲンタマイシン、又は抗
癌剤として白金製剤であるシスプラチン等を投与するこ
とにより誘発される腎毒性に対し毒性軽減効果を確認す
ることにより示される。
【0178】試験例8 −1.ウサギにおけるセファロリジン腎毒性に対する
効果 腎毒性軽減作用:ウサギにおけるセファロリジン(Ce
phaloridine)腎毒性に対する軽減効果 (試験方法)日本在来種雄性ウサギ(3.0〜3.5k
g)を1群1羽として用い、セファロリジン150mg
/1.5ml/kgを耳介静脈内に投与した。セファロ
リジン投与翌日より尿検査(糖、蛋白、潜血反応)を毎
日行った。5日後に脱血致死させた後、腎を摘出して肉
眼的観察を行い、その重量を測定した。また、セファロ
リジン投与前及び投与5日後、採血し、血清UNおよび
CRE血を前記血清自動分析装置により測定した。被験
薬であるMTBA又はHMTBAは1mmol/ml/
kgの用量で、セファロリジン投与直前に耳介静脈内に
投与した。結果として、MTBA、HMTBAは共に1
mmol/kgのiv投与で、セファロリジンによって
誘発される腎毒性(尿蛋白や尿潜血の出現、腎重量比の
増加、腎皮質の変色、血清UNやCREの上昇)を軽減
した。また、その軽減効果は、HMTBAの方がMTB
Aより強かった。また、腎皮質部の変色は対照群では著
しかったが、MTBAは軽〜中等度であり、HMTBA
は正常であった。その結果は、下記表に示す。
【0179】
【表37】
【0180】試験例9 −2:ラットにおけるゲンタマイシン腎毒性に対する
効果 ウイスター系(Wistar)雄性ラット(6週齢)を
1群6匹として用い、ゲンタマイシン80mg/kgを
1日1回毎日皮下投与した。定期的に頸静脈より採血
し、BUNおよびCREを血清自動分析装置により測定
した。被験薬であるHMTBAは4mmol/kgの用
量でゲンタマイシン投与直前に毎日経口投与した。
【0181】
【表38】
【0182】試験例10 −3:マウスにおけるCDDPの腎毒性に対する軽減
効果 CDF1マウス(雄25.0−27.6g)1群4匹に
CDDPを12mg/kg腹腔内投与し、同時併用群で
は、HMTBAを経口投与した。CDDP投与6日後塩
酸ケタミン麻酔下に後大静脈より採血を行い、室温に3
0分間放置後3000rpm、10分間の遠心により血
清を得た。得られた血清のUN及びCRE値は前記自動
分析装置にて測定した。
【0183】
【表39】
【0184】試験例11 重金属による中毒性腎障害に対する効果 Wistar系雄性ラット(6週齢)を1群5匹として
用い、塩化第二水銀0.75mg/kgを静脈内投与し
た。4日後に腹部大動脈より採血し、BUNおよびCR
Eを血清自動分析装置により測定した。被験薬であるH
MTBAは4mmol/kgの用量で塩化第二水銀投与
30分前に経口投与した。
【0185】
【表40】
【0186】試験例12 高尿酸食食餌ラットに対する効果 Wistar系雄性ラット(6週齢)を1群5匹として
用い、高尿酸食として5%尿酸、2%オキソン酸入り粉
末食を与えた。定期的に頸静脈より採血し、BUN、C
REおよび尿酸を血清自動分析装置により測定し、ま
た、27日後に剖検して腎組織所見を検索した。被験薬
であるHMTBAは4mmol/kgの用量で1日1回
毎日経口投与した。
【0187】HMTBA投与群で血清中BUN、CRE
の低下傾向が認められ、また、実験開始27日後の腎組
織所見では尿細管拡張や尿細管内炎症性細胞出現の程度
に改善が認められた。
【0188】試験例13 痛風腎 上記と同様にして確認することができる。
【0189】試験例14 急性腎不全 ラットにアデニンを投与することにより誘発される腎障
害に対し治療効果を確認することにより示される。 ラットにおけるアデニン腎障害に対する軽減効果 ウイスター系雄ラット(体重 208〜249g)を1
群5匹として用い、アデニン100mg/5ml/kg
をday 0からday 3までの4日間経口投与し
た。被験薬であるMTBAおよびHMTBAは4mmo
l/5ml/kgの用量でアデニン投与直前に4日間経
口投与した。アデニン投与4日後(day4)エ−テル
軽麻酔下に腹部大動脈より採血し、血清UN、CRE、
IP、UAおよびCHOを血清自動分析装置(日立70
70型)により測定した。また、腎臓を摘出してその肉
眼的観察を行い、重量も測定した。結果は下記表に示し
た通りである。
【0190】
【表41】
【0191】
【表42】
【0192】
【表43】
【0193】MTBA、HMTBAは4mmol/kg
の経口投与で、実施例26、実施例57の化合物は2m
mol/kgの経口投与でアデニンによるUN、CR
E、UA、IPおよびCHOの上昇を抑制し、その腎毒
性を軽減した。又、対照群にみられた腎重量の増加や腎
皮質部の変色に対しても、本発明の被験薬は改善が見ら
れた。
【0194】試験例16 慢性腎不全 急性腎不全の試験例と同様にして確認することができ
る。
【0195】試験例17 高脂血症 ラットにピューロマイシンアミノヌクレオシド及びアデ
ニンを投与することにより誘発される高脂血症に対し脂
質の低下作用を確認することにより示される。
【0196】ハ)膵炎モデルに対する治療効果 試験例18 一夜絶食したウイスター系ラット(160〜197g)
1群9〜10匹を用いた。エーテル麻酔下でラットを開
腹し総胆管を十二指腸開口部で二重結紮し、腹壁を絹製
縫合糸(軟質No.3)で縫合した。薬物の投与は、腹
腔内(胆管結紮直後及び3時間)又は経口(胆管結紮
4.5時間前及び2.5時間後)に行った。その結果は
下記表に示す。
【0197】
【表44】
【0198】試験例19 実験的糖尿病モデルにおける血糖値低下効果 (試験方法)7週齢のウイスター系雄性ラットにストレ
プトゾトシン50mg/kgを尾静脈より投与して糖尿
病モデルを作成した。投与20日後、血糖値が200m
g/dl以上のものを糖尿病発症例として選別し、各群
6例ずつ3群に分けた。MTBA群およびHMTBA群
にはそれぞれの薬物1.0mmol/kgを1日/1回
経口投与した。対照群には蒸留水10ml/kgを同様
に投与した。被験薬連投開始より16日後に血液を採取
して血糖値を測定した。なおこの時の採血は前日の被験
薬投与より約20時間後に行った。
【0199】
【表45】
【0200】ニ)うつ病モデルに対する試験 試験例20 一夜絶食した体重19−25gのddY系雄性マウスを
用い、ポルソール(Porsolt)の方法に従って抗
うつ効果を試験した。装置は内径13cmのシリンダー
内に水を20cmの深さに入れたものを用いた。装置内
に6分間マウスを入れ、無動状態の持続時間を加算し
た。無動状態とは、マウスが四肢、体幹を動かすのを止
め、ただ水面上に頭を出して浮かんでいる状態である。
被験薬は試験の1時間前に経口で投与した。 (結果)MTBAおよび実施例2の化合物は共に1mm
ol/kg(p.o.)の投与量で対照群に対し無動状
態の時間を著しく短縮させた。
【0201】L−DOPAの運動量亢進作用に対する増
強効果(マウス) (試験方法)ddY系雄マウス(体重20−30g)に
被験薬を経口投与し、その30分後にL−DOPA(3
00mg/kg,iv)を投与した。運動量は投与直後
から60分間アニメックス(ANIMEX)装置を用い
て測定した。 (結果)MTBAおよび実施例2の化合物は、1mmo
l/kgの投与量で、共にL−DOPAによって誘発さ
れる運動量亢進作用を増強させた。
【0202】本発明の化合物は、ヒトに通常の投与法に
よって経口又は非経口で投与することができる。さらに
本発明の化合物は単独、又は適合性のある医薬担体とと
もに処方することにより使用することができる。
【0203】担体物質としては、水、ゼラチン、アラビ
アゴム、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、
タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、ワセリン
等の腸管、経皮又は非経口投与に適した有機又は無機の
不活性担体物質である。
【0204】製剤としては、錠剤、糖衣錠、腸溶錠、顆
粒剤、散剤、坐剤、カプセル、腸溶カプセル等の固形製
剤、軟膏等の半固形製剤、又は例えば溶液、懸濁剤又は
乳剤等の液体製剤等がある。上記各製剤は常法に従って
製造することができる。又、保存剤、安定化剤、セッテ
ィング剤、乳化剤、風味改善剤、塩類、緩衝剤等の補助
剤を添加することもできる。
【0205】本発明の化合物は、医薬として使用する場
合には単独又は2種若しくはそれ以上の異なった化合物
を使用することができる。使用量は医薬組成物の全重量
当たり約0.1から99.5%好ましくは0.5から9
5%である。
【0206】本発明の化合物の患者に対する1日当たり
の投与量は、使用する用途、体重、年齢、治療を受ける
状態により変化するが、一般的には一人当たり0.5〜
3000mgの範囲であり好ましくは約3〜1000m
gである。
【0207】製剤例1 常法により次の組成により錠剤を作成する。 実施例1の化合物 25mg 乳糖 60mg バレイショデンプン 40mg ポリビニルアルコール 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0208】製剤例2 常法により次の組成により顆粒剤を作成する。 実施例1の化合物 50mg 乳糖 15mg トウモロコシデンプン 10mg ヒドロキシプロピルセルロース 20mg ポリビニルアルコール 5mg
【0209】製剤例3 常法により次の組成により散剤を作成する。 実施例2の化合物 25mg 乳糖 275mg
【0210】製剤例4 製剤例3で得られた散剤をカプセル容器に充填してカプ
セル剤とする。 実施例2の化合物 25mg 乳糖 275mg
【0211】
【発明の効果】本発明の一般式(I)、(II)及び
(III)等で表される4−アルキルチオ脂肪酸誘導体
化合物は肝臓、腎臓、膵臓又は脳疾患等に対し優れた治
療効果を示す。本発明により、肝臓、腎臓、膵臓又は脳
疾患用剤等として優れた性質を有する新規化合物を提供
することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/34 9454−4C 31/38 9454−4C 31/395 AAE 9454−4C 31/40 AAB 9454−4C 31/415 9454−4C 31/44 AAK 9454−4C 31/445 9454−4C 31/535 9454−4C 31/55 9454−4C 31/575 9454−4C ADQ 9454−4C C07C 323/52 323/54 C07D 207/325 8217−4C 209/18 9284−4C 213/30 213/75 213/82 231/12 233/64 103 295/08 Z 295/18 Z 307/42 317/24 333/16 521/00 8314−4C C07J 9/00 9051−4C 31/00 9051−4C (72)発明者 森口 幸栄 富山県中新川郡上市町湯上野39の14番地 (72)発明者 遠藤 武 富山県中新川郡上市町広野1778の5番地

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 R1−S−(CH22−C(=O)−CO−A (I) 〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐
    鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2基(式中、R
    2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭素数3乃至
    6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)C(=O)
    −(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m1基(式
    中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4の整数を
    表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基で保護さ
    れたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個の直鎖若
    しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個のシクロ
    アルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しくは分岐鎖
    のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、ハロゲン
    原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたアリール基
    若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個のアルキ
    ル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくはアルコキ
    シカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニル基、無
    置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキル基、ハ
    ロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換
    されたヘテロアリール基、コレステリル基、−NR45
    基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素原子、無
    置換若しくは置換された炭素数1乃至22個のアルキル
    基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6は、水素
    原子、炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアル
    キル基を表し、R7は、水素原子及び炭素数1乃至22
    個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す)、無置換
    若しくは置換されたアリール基若しくはヘテロアリール
    基を表す)及びR4とR5は一緒になって−(CH2n
    基(式中、nは2乃至6の整数を表す)を表す〕で表さ
    れる4−アルキルチオ−2−オキソブタン酸誘導体及び
    その薬理上許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式(I)において、R1がメチル基、
    Aが−OR2基(式中、R2は上記と同意義を表す)であ
    る請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式(I)において、R1がメチル基、
    Aが−NR45基(式中、R4及びR5は上記と同意義を
    表す)である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】一般式 【化2】 R1−S−CH2−CH=C(−OR3)−COA (II) 〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐
    鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2基(式中、R
    2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭素数3乃至
    6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)C(=O)
    −(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m1基(式
    中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4の整数を
    表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基で保護さ
    れたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個の直鎖若
    しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個のシクロ
    アルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しくは分岐鎖
    のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、ハロゲン
    原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたアリール基
    若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個のアルキ
    ル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくはアルコキ
    シカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニル基、無
    置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキル基、ハ
    ロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換
    されたヘテロアリール基、コレステリル基、−NR45
    基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素原子、無
    置換若しくは置換された炭素数1乃至22個のアルキル
    基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6は、水素
    原子、炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分岐鎖のアル
    キル基を表し、R7は、水素原子及び炭素数1乃至22
    個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す)、無置換
    若しくは置換されたアリール基若しくはヘテロアリール
    基を表す)及びR4とR5は一緒になって−(CH2n
    基(式中、nは2乃至6の整数を表す)を表し、R
    3は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキ
    ル基、炭素数1乃至20個の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪
    族アシル基、無置換若しくはハロゲン原子、アルコキシ
    基、ニトロ基、シアノ基で置換された芳香族アシル基を
    表す(但し、R2とR3とが同時に水素原子の場合を除
    く)〕で表される4−アルキルチオ−2−ヒドロキシブ
    テン酸誘導体及びその薬理上許容される塩。
  5. 【請求項5】一般式(II)において、R1がメチル
    基、Aが−OR2基(式中、R2は上記と同意義を表
    す)、及びR3が炭素数1乃至22個のアシル基である
    請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】一般式 【化3】 R1−S−(CH22−CH(−OR3)−COA (III) 〔式中、R1は、炭素数1乃至4個の直鎖若しくは分岐
    鎖のアルキル基を表し、Aは、−OR2基(式中、R
    2は、無置換若しくは水酸基、アミノ基、炭素数3乃至
    6個のシクロアルキル基、−O−C(=O)C(=O)
    −(CH22SR1基、−(CH2CH2O)m1基(式
    中、R1は前述に同意義を表し、mは1乃至4の整数を
    表す)、保護基で保護された水酸基又は保護基で保護さ
    れたアミノ基で置換された炭素数1乃至22個の直鎖若
    しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数3乃至6個のシクロ
    アルキル基、炭素数3乃至19個の直鎖若しくは分岐鎖
    のアルケニル基、無置換若しくはアルキル基、ハロゲン
    原子、ニトロ基、アルコキシ基で置換されたアリール基
    若しくはヘテロアリール基を炭素数1乃至4個のアルキ
    ル鎖上に有するアラルキル基、無置換若しくはアルコキ
    シカルボニル基、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキ
    シ基、ニトロ基、シアノ基で置換されたフェニル基、無
    置換若しくはアルコキシカルボニル基、アルキル基、ハ
    ロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換
    されたヘテロアリール基、コレステリル基、−NR45
    基(式中、R4、R5は、同一又は異なって水素原子、無
    置換若しくは置換された炭素数1乃至22個のアルキル
    基、−CHR6(−COOR7)基(式中、R6は、水素
    原子、或いは、水酸基、アミノ基、ヒドロキシカルボニ
    ル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルバモイル
    基、グアニジル基で置換されていても良い炭素数1乃至
    22個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、R7
    は、水素原子及び炭素数1乃至22個の直鎖若しくは分
    岐鎖のアルキル基を表す)、無置換若しくは置換された
    アリール基若しくはヘテロアリール基を表す)及びR4
    とR5は一緒になって−(CH2n−基(式中、nは2
    乃至6の整数を表す)を表し、R3は、炭素数1乃至4
    個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1乃至2
    0個の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族アシル基、無置換若
    しくはハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
    基で置換された芳香族アシル基を表す(但し、R2とR3
    とが同時に水素原子の場合を除く)〕で表される4−ア
    ルキルチオ−2−ヒドロキシブタン酸誘導体及びその薬
    理上許容される塩。
  7. 【請求項7】一般式(III)において、R1がメチル
    基、Aが−OR2基(式中、R2は上記と同意義を表
    す)、及びR3が水素原子又は炭素数1乃至22個のア
    シル基である請求項7記載の化合物。
  8. 【請求項8】一般式(III)において、R1がメチル
    基、Aが−NR45基(式中、R4及びR5は上記と同意
    義を表す)、及びR3が水素原子又は炭素数1乃至22
    個のアシル基である請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキ
    シル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸デシル、4
    −メチルチオ−2−オキソブタン酸ヘキサデシル、4−
    メチルチオ−2−オキソブタン酸(1−メチル)ペンチ
    ル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(1,1−ジ
    メチル)エチル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
    コレステリル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
    (6−ヒドロキシ)ヘキシル、4−メチルチオ−2−オ
    キソブタン酸(2’−O,3’−O−イソプロピリデン
    ジヒドロ)プロピル、4−メチルチオ−2−オキソブタ
    ン酸(2,3−ジヒドロキシ)プロピル、4−メチルチ
    オ−2−オキソブタン酸(シクロヘキシル)メチル、4
    −メチルチオ−2−オキソブタン酸(1−フェニル)ペ
    ンチル、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸(4−ク
    ロロフェニル)メチル、4−メチルチオ−2−オキソブ
    タン酸シクロヘキシル、4−メチルチオ−2−オキソブ
    タン酸(2−ピリジル)メチル、4−メチルチオ−2−
    オキソブタン酸(3−ピリジル)メチル、4−メチルチ
    オ−2−オキソブタン酸(4−ピリジル)メチル、4−
    メチルチオ−2−オキソブタン酸〔2−(2−ピリジ
    ル)〕エチル、1,6−ビス−(4−メチルチオ−2−
    オキソブタン酸)ヘキシル、4−メチルチオ−2−オキ
    ソブタン酸(メトキシエトキシ)エチル、4−メチルチ
    オ−2−オキソブタン酸3−メチル−2−ブテニル、4
    −メチルチオ−2−オキソブタン酸(4−エトキシカル
    ボニル)フェニル、4−メチルチオ−2−オキソブタン
    酸〔(3−ニコチノイル)アミノ〕メチル。
  10. 【請求項10】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
    (N−ヘキシル)アミド、4−メチルチオ−2−オキソ
    ブタン酸(N−メチル)アミド、4−メチルチオ−2−
    オキソブタン酸〔N−(4−ピリジル)〕アミド、4−
    メチルチオ−2−オキソブタン酸(N,N−ペンタメチ
    レン)アミド、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸
    〔N−(1−ヒドロキシカルボニル)エチル〕アミド、
    4−メチルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−メト
    キシカルボニル)エチル〕アミド、4−メチルチオ−2
    −オキソブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−
    3−メチル)ブチル〕アミド(L−体由来)、4−メチ
    ルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカ
    ルボニル−3−メチル)ブチル〕アミド(D−体由
    来)、4−メチルチオ−2−オキソブタン酸〔N−(1
    −エトキシカルボニル−3−メチル)ブチル〕アミド
    (L−体由来)で表される化合物。
  11. 【請求項11】2−アセチルオキシ−4−メチルチオ−
    2−ブテン酸、4−メチルチオ−2−パルミトイルオキ
    シ−2−ブテン酸、2−カプロイルオキシ−4−メチル
    チオ−2−ブテン酸エチル、2−デカノイルオキシ−4
    −メチルチオ−2−ブテン酸エチルで表される化合物。
  12. 【請求項12】2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
    酸ヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
    デシル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸(4
    −メトキシフェニル)メチル、2−ヒドロキシ−4−メ
    チルチオブタン酸(3−ヒドロキシ)プロピル、2−ヒ
    ドロキシ−4−メチルチオブタン酸(3−アミノ)プロ
    ピルで表される化合物。
  13. 【請求項13】2−メトキシ−4−メチルチオブタン酸
    で表される化合物。
  14. 【請求項14】2−アセチルオキシ−4−メチルチオブ
    タン酸、2−ヘキサノイルオキシ−4−メチルチオブタ
    ン酸、2−デカノイルオキシ−4−メチルチオブタン
    酸、2−ベヘノイルオキシ−4−メチルチオブタン酸、
    2−ベンゾイルオキシ−4−メチルチオブタン酸で表さ
    れる化合物。
  15. 【請求項15】2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
    酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−2−フェニル)
    エチル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
    ン酸[N−[2−[[2−メトキシカルボニル−2−
    [{〔(4−メチルチオ−2−ヒドロキシ)ブタノイ
    ル〕アミノ}エチル]]ジチオ]]エチル]]アミド、
    2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸{〔N−(1
    −ヒドロキシカルボニル)−2−インドリル〕エチル}
    アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸〔N
    −(1−ヒドロキシカルボニル5−アミノ)ペンチル〕
    アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸〔N
    −(1−ヒドロキシカルボニル−2−ヒドロキシ)エチ
    ル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
    〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−3−メチル)ブチ
    ル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
    〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−4−グアニジニ
    ル)ブチル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
    ブタン酸{N−〔(1−ヒドロキシカルボニル−2−
    (4−イミダゾリル)エチル〕}アミド、2−ヒドロキ
    シ−4−メチルチオブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカ
    ルボニル)テトラメチレン〕アミド、2−ヒドロキシ−
    4−メチルチオブタン酸{N−〔(1−ヒドロキシカル
    ボニル)エチル〕}アミド、2−ヒドロキシ−4−メチ
    ルチオブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル)メ
    チル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
    酸〔N−(1,3−ジヒドロキシカルボニル)プロピ
    ル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸
    〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−2−メチル)プロ
    ピル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
    酸〔N−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシカルボニ
    ル)プロピル〕アミド、2−ヒドロキシ−4−メチルチ
    オブタン酸〔N−(1−ヒドロキシカルボニル−3−カ
    ルバモイル)プロピル〕アミドで表される化合物。
  16. 【請求項16】請求項1、4又は6記載の化合物を含有
    する肝臓疾患治療剤。
  17. 【請求項17】肝疾患が、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障
    害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患である請求項16
    記載の肝臓疾患治療剤。
  18. 【請求項18】請求項1、4又は6記載の化合物を含有
    する腎臓疾患治療剤。
  19. 【請求項19】腎疾患が、ネフローゼ症候群、高尿酸血
    症による腎障害、痛風腎による腎障害、急性腎不全によ
    る腎障害又は慢性腎不全による腎障害である請求項18
    記載の腎臓疾患治療剤。
  20. 【請求項20】腎疾患が、薬物により誘発される腎障害
    である請求項18記載の腎臓疾患治療剤。
  21. 【請求項21】腎疾患が、重金属による中毒性腎障害で
    ある請求項18記載の腎臓疾患治療剤。
  22. 【請求項22】請求項1、4又は6記載の化合物を含有
    する膵臓疾患治療剤。
  23. 【請求項23】膵臓疾患が膵炎である請求項22記載の
    膵臓疾患治療剤
  24. 【請求項24】請求項1、4及び6記載の化合物を含有
    する脳疾患治療剤。
  25. 【請求項25】脳疾患がうつ病、パーキンソン症又は抗
    不安症である請求項24記載の脳疾患治療剤。
  26. 【請求項26】請求項9乃至15記載の化合物を含有す
    る肝臓疾患治療剤。
  27. 【請求項27】肝疾患が、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障
    害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患である請求項26
    記載の肝臓疾患治療剤。
  28. 【請求項28】請求項9乃至15記載の化合物を含有す
    る腎臓疾患治療剤。
  29. 【請求項29】腎疾患が、ネフローゼ症候群、高尿酸血
    症による腎障害、痛風腎による腎障害、急性腎不全によ
    る腎障害又は慢性腎不全による腎障害である請求項28
    記載の腎臓疾患治療剤。
  30. 【請求項30】腎疾患が、薬物により誘発される腎障害
    である請求項28記載の腎臓疾患治療剤。
  31. 【請求項31】腎疾患が、重金属による中毒性腎障害で
    ある請求項28記載の腎臓疾患治療剤。
  32. 【請求項32】請求項9乃至15記載の化合物を含有す
    る膵臓疾患治療剤。
  33. 【請求項33】膵臓疾患が膵炎である請求項32記載の
    膵臓疾患治療剤
  34. 【請求項34】請求項9乃至15記載の化合物を含有す
    る脳疾患治療剤。
  35. 【請求項35】脳疾患がうつ病、パーキンソン症又は抗
    不安症である請求項34記載の脳疾患治療剤。
  36. 【請求項36】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸又
    は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を含有する
    肝臓疾患治療剤。
  37. 【請求項37】肝疾患が、肝炎、脂肪肝、中毒性肝障
    害、肝硬変又は糖尿病由来の肝臓疾患である請求項36
    記載の肝臓疾患治療剤。
  38. 【請求項38】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸又
    は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を含有する
    腎臓疾患治療剤。
  39. 【請求項39】腎疾患が、ネフローゼ症候群、高尿酸血
    症による腎障害、痛風腎による腎障害、急性腎不全によ
    る腎障害又は慢性腎不全による腎障害である請求項38
    記載の腎臓疾患治療剤。
  40. 【請求項40】腎疾患が、薬物により誘発される腎障害
    である請求項38記載の腎臓疾患治療剤。
  41. 【請求項41】腎疾患が、重金属による中毒性腎障害で
    ある請求項38記載の腎臓疾患治療剤。
  42. 【請求項42】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸又
    は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を含有する
    膵臓疾患治療剤。
  43. 【請求項43】膵臓疾患が膵炎である請求項42記載の
    膵臓疾患治療剤。
  44. 【請求項44】4−メチルチオ−2−オキソブタン酸又
    は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を含有する
    脳疾患治療剤。
  45. 【請求項45】脳疾患がうつ病、パーキンソン症又は抗
    不安症である請求項44記載の脳疾患治療剤。
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