JPH0631631B2 - スクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル気体圧縮機

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JPH0631631B2
JPH0631631B2 JP433987A JP433987A JPH0631631B2 JP H0631631 B2 JPH0631631 B2 JP H0631631B2 JP 433987 A JP433987 A JP 433987A JP 433987 A JP433987 A JP 433987A JP H0631631 B2 JPH0631631 B2 JP H0631631B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は圧縮機の高圧側で圧縮気体から分離した潤滑油
を圧縮室に戻す装置を有するスクロール気体圧縮機に関
するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部にあり、吐出ポートがうず巻きの中心部に設
けられ、圧縮気体の流れが一方向で往復動式圧縮機や回
転式圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要
とせず吐出脈動が比較的小さくて大きな吐出空間を必要
としないことがよく知られている。
しかし、特に気体を圧縮する場合などは圧縮部の漏れ隙
間を小さくするためにうず巻き部の寸法精度を極めて高
くする必要があるが部品形状の複雑さ、寸法のバラツキ
などによりスクロール圧縮機のコストが高く性能バラツ
キも大きいという問題があった。
そこで、この種の問題解決のための方策として、圧縮途
中の圧縮室間隙間の気体漏れ防止のために潤滑油膜を利
用したシール効果により渦巻き部寸法精度の適正化と圧
縮機性能の安定化を期待して第8図に示すように潤滑油
を圧縮途中の圧縮室に直接流入させる構成が知られてい
る。同図に示す構成は、密閉容器701内の上部にモー
タ703を配置し下部に圧縮部を配置して密閉容器内空
間702を吐出室とした構造で、吐出室底部の油溜71
0の潤滑油を固定スクロール705の鏡板705aに挿
入固定した絞り通路を有する油扱い込み管722を介し
て圧縮途中の圧縮室723に直接流入させる構成であっ
た。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第8図のような圧縮室723と油溜
710とが常時連通する構成では、スクロール式圧縮機
構において流体圧縮のための吐出弁を必要とせず圧縮比
が一定なために、閉サイクル配管系に接続して運転する
圧縮機の冷時起動後しばらくの間は圧縮室723よりも
密閉容器内空間702の油溜710の方が低圧力の状態
が続き、圧縮室723の圧縮途上気体が油溜710に逆
流し、油溜710の潤滑油が逆流気体によって拡散され
吐出気体と共に圧縮機の外部配管系に流出して無くな
る。このため、圧縮機起動後しばらくして密閉容器内空
間702の圧力が上昇して圧縮室723の圧力よりも高
い状態になった場合でも、潤滑油が再び油溜710に収
集されるまでは圧縮室723への油流入による圧縮室間
隙間の密封効果もなく、逆に密閉容器内空間702の圧
縮気体が圧縮室723に流入して圧縮効果の著るしい低
下や異常温度上昇による摺動部耐久性の低下を招くなど
の問題があった。
そこで、本発明は給油通路の途中に逆止弁装置を設けて
圧縮室から油溜への圧縮気体の逆流を防止して潤滑油の
有効利用による圧縮効率や耐久性に優れたスクロール気
体圧縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール気体圧縮
機は、吐出室の油溜または吐出室に通じる油溜を上流側
とし、油溜よりも圧力が低く吐出室に通じない第1圧縮
室または吸入室に通じる第2圧縮室を下流側とする絞り
通路を有する給油通路を設け、給油通路の途中には逆止
弁装置を備えた構成である。
作用 本発明は上記構成によって、圧縮機が冷時始動し、圧縮
機に流入し吸入通路途中で潤滑油を混入された吸入気体
は吸入室と圧縮室を経て吐出室に吐出され、潤滑油の一
部を分離すると共に吐出室圧力を次第に上昇させる。
しかし、給油通路の開口する圧縮室(第1圧縮室または
第2圧縮室)の圧力が吐出室圧力よりも高い間は、逆止
弁装置の作動によって給油通路が閉じており、圧縮途中
気体が吐出室の油溜へバイパスせずに順次圧縮されて圧
縮完了後に吐出室へ吐出する。
その後、吐出室圧力が給油通路の開口する圧縮室圧力よ
りも高くなると給油通路が開いて吐出室の油溜(または
吐出室に通じる油溜)に溜まった潤滑油が圧縮室に流入
し、圧縮室間の微少隙間を油膜で密封して圧縮気体漏れ
を防ぎ、圧縮効率の向上と圧縮部冷却効果による摺動部
耐久性の向上を図るものである。
実施例 以下本発明の実施例のスクロール気体圧縮機について、
図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール気体
圧縮機の縦断面図を示し、第2図は第1図のA−A線に
おける圧縮部の横断面図を示し、第3図は吸入行程から
吐出行程までの気体の圧力変化の説明図を示し、第4図
は各圧縮室における定点の圧力変化の説明図を示し、第
5図は第1図における逆止弁装置取り付け部の部分断面
図を示し、第6図は第5図の部分外観図を示す。第7図
は本発明の第2の実施例における逆止弁装置取り付け部
の部分断面図を示す。
第1図において、1、2は鉄製の密閉ケース、3は鉄製
のフレームでその外周面部で密閉ケース1、2と共に単
一の溶接ビード4によって溶接密封され密閉ケース1、
2内を上側の吐出室5と下側の駆動室6(低圧側)とに
仕切っている。
フレーム3に支承されインバータ電源(図示なし)によ
って運転制御されるモータ7により回転駆動される駆動
軸8の上端部の偏心穴9には旋回スクロール10の旋回
軸11がはめ込まれ、旋回スクロール10の自転阻止部
品12が旋回スクロール10とフレーム3に係合し、旋
回スクロール10に噛み合う固定スクロール13がフレ
ーム3にボルト固定され、固定スクロール13の鏡板1
4には吐出ポート15が設けられ、鏡板14の上面には
吐出ポート15の開口端を塞ぐリードバルブ型の逆流防
止弁装置16と逆止弁装置17が取り付けられている。
吐出室5の底部は吐出室油溜18で、その上部には多数
の小穴を有した傘状のパンチングメタル19が密閉ケー
ス1に取り付けられ、密閉ケース1とパンチングメタル
19との間には細金属線材から成るフィルター20が詰
められ、吐出室5は密閉ケース1の上面に設けられた吐
出管21を通じて外部の冷凍サイクル配管系を経て密閉
ケース2の側面に設けられた吸入管22を通じて低圧側
の駆動室6に連通し、駆動室6の底部にはモータ室油溜
23が設けられている。
第1図、第2図、第5図、第6図において、吐出室5に
も吸入室33にも連通しない第1圧縮室39bと吐出室
油溜18との間は、鏡板14に設けられた油吸い込み穴
41、鏡板14に吐出室仕切り板を兼ねた薄鋼板製の弁
板42と共に取り付けられた逆止弁装置17の弁押え4
3と鏡板14との間に形成された弁空間44、弁板42
の打ち抜き溝45、鏡板14に設けられた極細通路のイ
ンジェクション穴30bとから成る絞り通路を有した第
1給油通路によって連通し、第1圧縮室39aと吐出室
油溜18との間は、インジェクション穴30bから分岐
して鏡板14に設けられたインジェクション連通穴5
9、インジェクション穴30aとから成る絞り通路を有
する第2給油通路によって連通している。
吐出室油溜18と低圧側の駆動室6との間は、第1給油
通路の途中から分岐して弁空間44、弁板42の打ち抜
き溝45、鏡板14に設けられた油穴46、フレーム3
に設けられた極細通路の油穴47、駆動軸8を支承しフ
レーム3に設けられた上部軸受49の軸受隙間、旋回軸
11と偏心穴9との隙間、駆動軸8に設けられた偏心油
穴24と横油穴50、駆動軸8を支承しフレーム3の下
端に設けられた下部軸受51と上部軸受49との間の軸
受油溜52、下部軸受51の軸受隙間とから成る絞り通
路を有した第3給油通路によって連通している。
逆止弁装置17のリード弁53と逆流防止弁装置16の
リード弁54とは弁板42の一部を打ち抜いて構成さ
れ、逆止弁装置17の弁押え43はわずかに気体を通過
させ得る多孔質の焼結合金成型品から成り、その一部が
逆流防止弁装置16の弁押え55を兼ねており、弁押え
43の上面には油溜を兼ねた浅穴56、57が設けられ
ている。
第3図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの圧力変化状態を表す。
第4図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線60は吐出室5にも吸入室3
3にも連通しない第1圧縮室39a、39bのインジェ
クション穴30a、30bの開口位置における圧力変化
を表し、点線61は吸入室33に連通する第2圧縮室4
0a、40b(第2図参照)の定点における圧力変化を
表し、一点鎖線62は逆流防止弁装置16を介して吐出
室5に連通する第3圧縮室63a、63b(第2図参
照)の定点における圧力変化を表し、二点鎖線64は第
1圧縮室39a、39bと第2圧縮室40a、40bと
の間の定点における圧力変化を表す。
第7図は別の実施例の逆止弁装置17aの鏡板14aへ
の取り付け状態を示し、鏡板14aに設けた油吸い込み
穴41aの鏡板上面開口穴70に鋼球71を装着し、逆
流防止弁装置16aのリード弁54aと共に鏡板14a
に逆止弁装置17aの弁押え43をボルト固定し、鋼球
71と弁押え43との間にコイルバネ72を装着してい
る。コイルバネ72はそれ自身の温度が設定温度(例え
ば130℃)を超えた場合に鋼球71への付勢力を弱
め、それ自身の温度が再び設定温度以下に復帰した場合
に鋼球71への付勢力が復元するバネ特性を備えた形状
記憶合金材質から成る。
以上のように構成されたスクロール気体圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第6図において、モータ7によって駆動軸8が
回転駆動を始めると旋回スクロール10が旋回運動を
し、圧縮機に接続した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが
吸入管22を通して駆動室6に流入し、その中に含まれ
る潤滑油の一部が分離された後に吸入室33に吸入さ
れ、この吸入冷媒ガスは旋回スクロール10と固定スク
ロール13との間に形成された第2圧縮室40a(40
b)を経て圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール1
0の旋回運動に伴って第1圧縮室39a(39b)、第
3圧縮室63a(63b)へと順次移送圧縮され中央部
の吐出ポート15、逆流防止弁装置16を経て吐出室5
へ吐出され、吐出冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部は
その自重およびパンチングメタル19の小穴や細金属線
から成るフィルター20を通過する際にその表面に付着
などして吐出冷媒ガスから分離して吐出室油溜18や弁
押え43の浅穴56、57に収集され、残りの潤滑油は
吐出冷媒ガスと共に吐出管21を経て外部の冷凍サイク
ルへ搬出され、再び吸入冷媒ガスと共に吸入管22を通
して圧縮機内に帰還する。
圧縮機の冷時始動後しばらくの間は、第3図に示すよう
に吐出室5の圧力が第1圧縮室39a(39b)の圧力
よりも低いので、吐出室油溜18の潤滑油は第1給油通
路を通して差圧給油されず、また、逆止弁装置の効果に
よって第1圧縮室39a(39b)から圧縮途中気体が
吐出室油溜18に逆流することがない。
圧縮機の冷時始動後しばらくの後、吐出室5の圧力が第
1圧縮室39a(39b)の圧力以上に上昇の後、吐出
室油溜18の潤滑油は逆止弁装置17(17a)のリー
ド弁53(コイルバネ72)の付勢力に抗して第1給油
通路(第2給油通路)を経て漸次減圧され第1圧縮室3
9a(39b)に差圧給油されると共に、第1給油通路
の途中から分岐して構成される第3給油通路の打ち抜き
穴45、油穴46、47を経て漸次減圧され吐出側圧力
と吸入側圧力との中間圧力に調整されて旋回スクロール
10の反圧縮室側の上部軸受穴48にも差圧給油され
る。
第1圧縮室39a(39b)に差圧給油された潤滑油
は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室に流入した潤滑油と合流
して隣接する圧縮室間の微少隙間を油膜により密封して
圧縮気体漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面を潤滑しながら
圧縮気体と共に吐出室5に再び吐出される。
一方、上部軸受穴48に差圧給油された潤滑油の一部
は、旋回スクロール10に作用するスラスト荷重を支持
するフレーム3との摺動面部や自転阻止部品12の摺動
面を潤滑して吸入冷媒ガスに混入し再び圧縮室へ流入す
る。また、残りの潤滑油は旋回軸11と偏心穴9との隙
間、偏心穴9、偏心油穴24、横油穴50を通る給油通
路と上部軸受49の隙間とを経て軸受油溜52に流入
し、下部軸受51の微少隙間を通して最終減圧されて駆
動室6に流入し、その一部は吸入冷媒ガスに混入して再
び圧縮室へ流入するが残りの潤滑油はモータ室油溜23
に収集される。
モータ室油溜23の潤滑油は、その油面がある程度高く
なるとモータ7の回転子の下端部に拡散されて駆動室6
内の吸入冷媒ガスに混入して再び圧縮室へ流入し、最終
的には吐出室油溜18に収集する。
圧縮機停止後は、逆流防止弁装置16のリード弁54
(54a)が吐出ポートを塞ぎ、吐出ポート15から第
2圧縮室40a(40b)までの圧縮空間の圧力は圧縮
空間の隙間を通じて吸入室33の圧力に等しくなる。そ
こで、圧縮機停止直後の吐出室油溜18の潤滑油は、第
1給油通路、第2給油通路、第3給油通路を通じて第1
圧縮室39a(39b)や上部軸受穴48に少し流入す
るが、焼結合金材質から成る弁押え43の微細粒子間を
通して圧縮気体が弁空間44に少しずつ流入し、吐出室
5と弁空間44の圧力差が縮まり潤滑油の流入が停止す
る。また、第1圧縮室39a(39b)や上部軸受穴4
8の圧力は、インジェクション穴30a(30b)の通
路や油穴47の通路が狭く通路途中の潤滑油の密封効果
により弁空間44に流入した圧縮気体の流入量が少ない
のであまり昇圧しない。
また、弁板42は吐出室油溜18の潤滑油面が吐出気体
により拡散されるのを防ぐ。
第7図において、油吸い込み穴41aの開口端を塞ぐ鋼
球71を付勢するコイルバネ72は、圧縮機の過負荷運
転などで圧縮部が異常温度上昇しコイルバネ72自身が
設定温度(例えば130℃)を超えると収縮して鋼球7
1への付勢力を弱めて鏡板上面開口穴70部の通路抵抗
を小さくし、第1圧縮室39a(39b)と駆動軸8の
摺動面部への給油量を増加させ、設定温度以下に下がる
と鋼球71への付勢力を復元させて通常の給油量を供給
するように調整する。
以上のように上記実施例によれば吐出室油溜18を上流
側とし、吐出室油溜18よりも圧力が低く吐出室5に通
じない第1圧縮室39a(39b)を下流側とする油吸
い込み穴41、弁空間44、弁板42の打ち抜き溝4
5、極細通路のインジェクション穴30bで構成される
第1給油通路およびインジェクション穴30bの途中か
ら分岐してインジェクション連通穴59、極細通路のイ
ンジェクション穴30aで構成される第2給油通路を設
け、第1給油通路の途中の油吸い込み穴41の終端部に
逆止弁装置17を備えることにより、圧縮機冷時始動後
や暖時再始動後のしばらくの間、吐出室5の圧力よりも
第1給油通路と第2給油通路が開口する第1圧縮室39
a、39bの圧力の方が高くとも圧縮途中の気体は逆止
弁装置17の逆止弁作用によって吐出室油溜18に逆流
せず、圧縮完了後に吐出室5に吐出されて吐出室5の圧
力上昇を早めると共に、逆流気体により吐出室油溜18
の潤滑油が拡散して圧縮機外部の冷凍サイクルへ流出す
るのを防ぐことが出来るので、吐出室圧力上昇後の第1
圧縮室39a、39bへの油インジェクションを早く開
始させて油膜による圧縮室間隙間の密封により圧縮効率
向上の早期効果開始を図ることが出来る。
また上記実施例によれば逆止弁装置17aは、油吸い込
み穴41aの開口端部を塞ぐ鋼球71に付勢力を与える
コイルバネ72の温度が設定値(例えば130℃)を超
えるとコイルバネ72が収縮して付勢力を弱めて油吸い
込み穴41aの開口端部の通路を広げ、コイルバネ72
の温度が設定値以下に戻るとコイルバネ72が復帰して
油吸い込み穴41aの開口端部の通路を復帰させる形状
記憶特性を備えて第1給油通路の通路抵抗を調整させる
機能を有することにより、圧縮機が高回転速度運転や過
負荷運転をして圧縮部や吐出室が以上温度上昇した場合
には、コイルバネ72の温度が設定値を超えて第1給油
通路の通路抵抗を広げて吐出室油溜18から第1圧縮室
39a、39bへの給油量を増加させて圧縮室間摺動部
の潤滑良化によって圧縮気体漏れや摺動発熱による温度
上昇を防ぐなど、潤滑油の有効利用を促進して圧縮効率
と耐久性に優れたスクロール気体圧縮機を提供するもの
である。
なお、上記実施例では第1給油通路と第2給油通路の下
流側を第1圧縮室39a、39bとしたが、吸入室33
に通じる第2圧縮室40a、40bにした場合でもその
作用、効果は同様であり、また吐出室15内の吐出室油
溜18の代りに圧縮機外の高圧側に油溜を設けて密閉シ
ェル1を貫通する給油配管によって上記の圧縮室内に給
油させてもよい。
また、上記実施例では冷媒圧縮機について動作を説明し
たが、潤滑油を使用する酸素、窒素、ヘリウムなどの他
の気体圧縮機の場合も同様の作用効果を期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、吐出室の油溜または吐出室に通
じる油溜を上流側とし、油溜よりも圧力が低く吐出室に
通じない第1圧縮室または吸入室に通じる第2圧縮室を
下流側とする絞り通路を有する給油通路を設け、給油通
路の途中に逆止弁装置を備えることにより、スクロール
式圧縮機構の圧縮比が一定で吐出室に連通しない圧縮室
の圧力が吐出室圧力の影響をあまり受けず、圧縮機冷時
始動後や暖時再始動後のしばらくの間、吐出室の圧力よ
りも給油通路が開口する第1圧縮室または第2圧縮室の
圧力の方が高い場合でも圧縮途中の気体は逆止弁装置の
逆止弁作用によって吐出室油溜(または吐出室に通じる
油溜)に逆流せず、圧縮完了後に吐出室に吐出されて吐
出室の圧力上昇を早め、さらには逆流気体により吐出室
油溜(または吐出室に通じる油溜)の潤滑油が拡散して
圧縮機外部の配管系へ流出するのを防ぐことが出来るの
で、吐出室圧力上昇後の第1圧縮室または第2圧縮室へ
の油インジェクションを早く開始させて油膜による圧縮
室間の密封により圧縮効率向上の早期効果開始を図るこ
とが出来るという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるスクロール気体
圧縮機の縦断面図、第2図は第1図のA−A線における
圧縮部の横断面図、第3図は吸入行程から吐出行程まで
の気体の圧力変化を示す特性図、第4図は各圧縮室にお
ける定点の圧力変化を示す特性図、第5図は第1図にお
ける逆止弁装置取り付け部の部分断面図、第6図は第5
図の部分外観図、第7図は本発明の第2の実施例におけ
る逆止弁装置取り付け部の部分断面図、第8図は従来の
給油通路を備えたスクロール気体圧縮機の断面図を示
す。 1、2……密閉ケース、5……吐出室、6……駆動室、
7……モータ、10……旋回スクロール、13……固定
スクロール、14……鏡板、15……吐出ポート、16
……逆流防止弁装置、17……逆止弁装置、18……吐
出室油溜、21……吐出管、22……吸入管、23……
モータ室油溜、30a、30b……インジェクション
穴、33……吸入室、39a、39b……第1圧縮室、
40a、40b……第2圧縮室、41……油吸い込み
穴、43……弁押さえ、45……打ち抜き穴、53、5
4……リード弁、55……弁押さえ、59……インジェ
クション連通穴、71……鋼球、72……コイルバネ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールに対して旋回スクロールを
    揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形
    の圧縮空間を形成し、前記圧縮空間は吸入側より吐出側
    に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体
    を圧縮するスクロール式圧縮機構を形成し、吐出室の油
    溜または吐出室に通じる油溜を上流側とし、前記油溜よ
    りも圧力が低く前記吐出室に通じない第1圧縮室または
    吸入室に通じる第2圧縮室を下流側とする絞り通路を有
    する給油通路を設け、前記給油通路の途中に逆止弁装置
    を備えたスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】逆止弁装置は、その弁部の温度が設定値を
    超えると給油通路を広げ、設定値以下に戻ると元の給油
    通路に復帰させる形状記憶特性を備えて給油通路の調整
    機能を有する特許請求の範囲第1項記載のスクロール気
    体圧縮機。
JP433987A 1987-01-12 1987-01-12 スクロ−ル気体圧縮機 Expired - Lifetime JPH0631631B2 (ja)

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