JPH0631459B2 - 電鋳装置 - Google Patents

電鋳装置

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JPH0631459B2
JPH0631459B2 JP27944686A JP27944686A JPH0631459B2 JP H0631459 B2 JPH0631459 B2 JP H0631459B2 JP 27944686 A JP27944686 A JP 27944686A JP 27944686 A JP27944686 A JP 27944686A JP H0631459 B2 JPH0631459 B2 JP H0631459B2
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台樹 吉野
明 市川
達也 中村
裕一 田崎
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は母型に電鋳を施す装置に関し、特に、凹凸を有
する複雑な形状を有する母型に均一な電鋳殻を形成する
ための電鋳装置に関する。
電鋳液中に所定形状の母型を浸漬し、この母型に負極側
を接続して電気分解により前記母型に電鋳を施す方法が
従来から広汎に行われている。この従来技術に係る電鋳
用装置を第1図に示す。
すなわち、第1図に示すように、この種の装置は凹凸部
を有する母型10を電鋳液12中に浸漬して電源14の負極側
に接続し、該電源の正極側に接続した電極16とにより電
鋳を施す。
然しながら、このような構成にあっては、母型10によっ
て画成される凹部18の底部20、壁部22では電着性が悪
く、電鋳殻が薄く形成される反面、凸部、特に角部24で
はエッジ効果により電流が集中するため、電鋳殻26が厚
く形成される傾向がある。従来、このような電流の集中
に基づく析出効果の不均一な分布による電鋳殻26の厚さ
のばらつきを解消するため、多数の電極を用意し、それ
等を電鋳槽28内に配置された母型10の凹凸の形状に対応
して分散して配置している。すなわち、夫々の電極16に
母型の略特定局部の電鋳を分担させることにより、凹部
と凸部の電鋳殻の厚さの均一化を図っている。さらに、
場合によっては母型10の凸部を形成する角部を絶縁性カ
バーで覆い、電極との通電距離を長くすることにより当
該母型10の角部の電鋳殻が異常に厚くなることを防止す
る方法が採用されている。
然しながら、これらの方法によれば、母型10の凹凸形状
が複雑になればなるほど、より多くの電極並びに絶縁性
カバーが必要となる。結局、設備に費用がかかり、経済
性に劣り、さらに、多数の電極、絶縁性カバーを互いに
干渉しないように複雑な母型形状に合わせて配置しなけ
ればならないため、この配置作業に高度な熟練技術が必
要となる欠点があった。
また、このような対策を施したとしても、電極の形状を
母型に完全に対応させない限りは局所的に電鋳条件が異
なることになり、電鋳殻の厚さにばらつきが発生するこ
とを十分に防止することが出来なくなる。従って、均一
な電鋳殻の厚さが得られないため、所望の厚さに達した
部分を選択的に電鋳作用より遮断して該部分の以後の電
着を停止する必要があった。このため、便法として該部
分に絶縁材を施して絶縁処理を行う、所謂、マスキング
法が採用されるに至っている。然しながら、均一な電鋳
殻の厚さを得るためには電鋳殻の生長に合わせてマスキ
ングを何回も繰り返す必要があり、作業性が悪いばかり
でなく、繰り返し形成された電鋳殻には連続性がないた
めに相互の密着性を欠き、強度的にも不十分であるとい
う欠点が指摘されている。
本発明は前記の種々の欠点を克服するためになされたも
のであって、母型の形状に対応する形状の絶縁カバーを
予め形成し、該絶縁カバーに母型の凹凸形状に基づく析
出効果の不均一を補正するよう分布した透孔を穿設し、
該絶縁カバーにより電鋳槽を電極室と母型室に仕切って
電鋳を行い、これによって複雑な形状を有する母型に均
一且つ容易に電鋳殻を形成することが可能な電鋳装置を
提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は電鋳液を貯留す
る電鋳槽を絶縁カバーにより電極室と母型室とに区分
し、母型室に載置される母型の凹凸形状による析出効率
に対応した有効開口面積を有する複数の通孔を穿設した
絶縁カバーを前記母型に対向して配設するよう構成する
ことを特徴とする。
次に、本発明に係る電鋳装置について好適な実施例を挙
げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
先ず、第2図は本発明に係る電鋳装置の一実施例であっ
て、この中、参照符号30は本体槽を示す。本体槽30は仕
切板32によって上下方向に区分され、且つ前記仕切板32
は複数個の孔部33を有する。次に、仕切板32上には電鋳
槽34が配置される。該電鋳槽34はその内部が後述する絶
縁カバー44により電極室34aと母型室34bに区分され、一
方、仕切板32の下方に電解液槽36が設けられている。従
って、電鋳槽34からオーバーフローした電解液は仕切板
32の孔部33を介して電解液槽36に貯留されると共に、電
解液槽36中の電解液は当該電解液槽36と連通する管路に
介装されたポンプ37により矢印のように循環され、再び
電解液槽36に到達するよう構成されている。電鋳槽34の
内部に画成された母型室34bには凹凸形状を有する母型3
8が配置される。
本発明によれば、この母型38の凹凸を含む形状と略適合
すると共に電鋳槽34の壁部40よりも上方に延びる周壁部
42を備えた絶縁カバー44が母型38から所定間隔離間し且
つ母型38に対向するように配設されている。この場合、
後述するように、絶縁カバー44の、特に、周壁部42は液
密に構成された板体形状からなり、一方、母型38の所定
部位に対応する部分には前記電極室34aと母型室34bとを
連通する複数個の通孔56が形成されている。また、母型
38の凹凸形状に対応して複数の電極64a乃至64eが絶縁カ
バー44を介して電極室34a内に対向配置され、各電極64a
乃至64eおよび母型38は夫々電源41の正極側および負極
側に接続されている。
次に、絶縁カバー44の詳細について説明する。
絶縁カバー44は母型38上に必要な空隙に相当する厚さに
粘土等を盛り付ける。その後、耐薬品性と硬化後の機械
的強度の優れた樹脂材を前記盛り付けられた粘土等の表
面に塗り、一旦硬化処理を行う。次いで、当該粘土等を
取り除けば、第2図に示すような絶縁カバー44を容易に
成形されることになる。なお、当該絶縁カバー44に形成
される通孔56はドリル加工等により所望の位置に所望の
大きさで穿設される。従って、絶縁カバー44を電鋳槽34
に適切に配置すれば母型38の凹部46に対向して絶縁カバ
ー44の凸部48が、また、母型38の凸部50に対向して絶縁
カバー44の凹部52が、さらにまた、母型38の平面部54に
は絶縁カバー44の平面部54が対向して位置決めされるこ
とになる。
第3図は前記絶縁カバー44の断面図で、第4図はその展
開平面図である。絶縁カバー44の母型形状面に対向する
面には電解液を介して電流を通電する通孔60が穿設され
ている。すなわち、その配置状態は母型38の凸部50の平
面部に対向する部分(第3図a、b)、母型38の凹部46
の底面および壁面に対向する部分(第3図c、d、e、
f)等の各局所の析出効率を考慮して決定される。ここ
で、母型38において析出効率の悪い個所、例えば、凹部
46の壁部の如き個所には通孔60が多数集中して配設さ
れ、母型38の隅角部に対向する部分の如く析出効率のよ
い部分には当該通孔60は殆ど配設されていない。さら
に、前記凹部46の隅角部のように、特に、析出効率の悪
い個所の通孔60は、第4図に示すように、長孔61とした
り、径の大きな孔62として有効開口面積を大きくしても
よい。また、特に、隅角部等の各局所の析出効率を考慮
して、析出効率の悪い個所には多数の通孔を指向させ、
一方、通孔の数を多く確保するために、絶縁カバー44の
該部分に対向する部分をへの字状に屈曲させて実質的に
有効開口面積を大きく形成することも出来る。
本発明に係る電鋳装置は以上のように構成されるもので
あり、すなわち、電鋳槽34は絶縁カバー44により電極64
a乃至64eが配置される電極室34aと母型38が配置される
母型室34bとに仕切られ、電源41よりの電流は電鋳液を
介して絶縁カバー44の通孔60を通り母型38に通電される
ことになる。そして、この通孔60は析出効率の悪い母型
38の凹所等に対しては有効開口面積を大きく形成してい
るために集中的に通電されて電鋳殻を形成する一方、析
出効率のより母型38の凸部等には有効面積を小さくした
通孔60を介しあるいは電流経路を遠く選択することによ
り電鋳殻の形成を物理的に制御している。従って、母型
形状によって析出効率の劣悪な部分並びに良好な部分に
も連続性を有する円滑で均一な電鋳殻を形成することが
可能である。さらに、本発明によれば電鋳槽34を電極室
34aと母型室34bとに分割し、母型室34bの室内の電解液
をオーバーフローすることが出来るように構成している
ため、前記母型室34bの電解液濃度の低下を防ぐことが
出来、良好な条件の下に電鋳作業を継続することが可能
である。
以上、本発明について好適な実施例を挙げて説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに
設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の電鋳装置を示す断面図、 第2図は本発明の電鋳装置を示す断面図、 第3図は本発明の絶縁カバーの拡大延伸断面図、 第4図は第3図に示す絶縁カバーの拡大延伸部分平面図
である。 10……母型、12……電鋳液 14……電源、16……電極 30……本体槽、32……仕切板 34……電鋳槽、34a……電極室 34b……母型室、36……電解液槽 37……ポンプ、38……母型 41……電源、44……絶縁カバー 60……通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田崎 裕一 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−56293(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電鋳液を貯留する電鋳槽を絶縁カバーによ
    り電極室と母型室とに区分し、母型室に載置される母型
    の凹凸形状による析出効率に対応した有効開口面積を有
    する複数の通孔を穿設した絶縁カバーを前記母型に対向
    して配設するよう構成することを特徴とする電鋳装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の装置におい
    て、絶縁カバーには母型の凹部に対応して有効開口面積
    を大きく選択した孔部を穿設し、一方、当該母型の凸部
    に対応して有効開口面積を小さく選択した孔部を穿設し
    てなる電鋳装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    装置において、絶縁カバーは母型の凹部に対応して屈曲
    形成し、実質的に穿設される通孔の有効開口面積を大き
    くするよう構成してなる電鋳装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かに記載の装置において、電解液槽の電鋳液を電極室、
    母型室に循環するよう構成してなる電鋳装置。
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