JPH0631444Y2 - コネクタハウジングの固定脚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は光電素子内蔵光コネクタに係り、特にその固
定脚の改良に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に、第１図に示すように光電素子を光モジュール１
として内蔵した光コネクタ２は、光モジュール１の端子
３がコネクタハウジング４の底面から突出しており、こ
の端子３を図示しないプリント回路板に差し込んで半田
付けして固定を行っている。この場合、端子３の半田付
けだけによる固定ではコネクタハウジング４が端子３を
中心として動き易く、端子３の折損などをまねき易く、
また光ファイバの軸ずれを起し易いので、従来はコネク
タハウジング４の底面に金属の固定ピン５を接着剤など
で植設し、このピン５をプリント回路板に挿入してコネ
クタハウジング４の動きを止めるようにしていた。

しかしながら、プラスチック等よりなるコネクタハウジ
ング４に単に固定ピン５を植設したのでは、固定ピン５
がコネクタハウジング４から抜け易い欠点があり、コネ
クタハウジング４の固定を十分に行えない欠点があっ
た。

そこで、この欠点を解消するために、実開昭５９−１４
１３１２号公報に記載されているような光電素子内蔵光
コネクタが提案されている。

即ち、第２図乃至第７図に示すようにこの光電素子内蔵
光コネクタ２は、コネクタハウジング４内の入口６側の
奥の左右に送信側接続部７と受信側接続部８とが設けら
れている。受信側接続部８は仕切板９に支持され、この
仕切板９の裏に防塵パッキン10を介して光モジュール１
１が組込まれ、その裏側がスペーサ１２を介して押えカ
バー１３で押えられて固定されている。押えカバー１３
は、仕切り板９の裏面に突設された樹脂製の固定突起１
４がこの押えカバー１３を貫通し、その突出端にプッシ
ュナット１５が嵌着されることによりコネクタハウジン
グ４に固定されている。光モジュール１１の各端子１６
はコネクタハウジング４を貫通してその底部に導出され
ている。送信側接続部７の裏側にも同様にして光モジュ
ール１７が組込まれ、その端子１８がコネクタハウジン
グ４を貫通してその底部に導出されている。コネクタハ
ウジング４の先端側の両側面には、相手側コネクタとロ
ックするためのロック突起１９が突設されている。コネ
クタハウジング４の後部寄りの両側面には取付座２０が
それぞれ突設されている。これら取付座２０には金属製
の固定脚２１がそれぞれ取付けられている。これら固定
脚２１は取付座２０にその上面から被せられてこれを把
持部２１Ａと、この把持部２１Ａから下向きに突設され
た脚本体２１Ｂと、固定脚２１を取付座２０に固定する
ための圧入突起２１Ｃとからなっている。脚本体２１Ｂ
は取付座２０とコネクタハウジング４との間の隙間から
コネクタハウジング４の側壁に沿って下降してコネクタ
ハウジング４の底部に突設されている。

次に、このような光電素子内蔵光コネクタ２の使用状態
を第８図を用いて説明する。この光電素子内蔵光コネク
タ２は、各光モジュール１１，１７の各端子１６，１８
と、固定脚２１の脚本体２１Ｂとをプリント回路板２２
に貫通させて裏側で半田２３，２４で固定する。

〔背景技術の問題点〕

上記実開昭５９−１４１３１２号公報記載の従来例で
は、固定脚２１はコネクタハウジング４の両側面に夫々
設けた取付座２０を覆う形で装着されるが、装着後の緩
みやがたつきが発生し易く、信頼性に問題がある。ま
た、固定脚２１は２種類必要となる。従って、プレス金
型も２種類必要であり、そのため総合的な部品コストも
高いものとなる。更に、取付座２０はコネクタハウジン
グ４の両側面の突出しているため、モールド成形金型は
複雑な構造となる。従って、金型はコストアップとな
る。また、多数個採用りが困難となり、部品コストも高
くなる。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、信頼性を向上すると共に、コストダ
ウンを図り、しかも外観をスッキリさせたコネクタハウ
ジングにし得る、該ハウジングの固定脚を提供すること
である。

上記目的を達成するため、本考案の固定脚は、本体と、
この本体に一体化しており、先端部の幅が後端部の幅よ
りも狭く、前記後端部が爪状である逆止構造を有する第
１の取付け片と、前記本体に一体化しており、先端部の
幅が概ね一定である第２の取付け片とを備えている。

また、前記第１の取付け片は、台形板をなし、複数個形
成されている。前記第１の取付け片の取付け方向と前記
第２の取付け片の取付け方向とは、直交している。

前記第１の取付け片は、コネクタハウジングの取付け穴
に圧入されるが、前記コネクタハウジングの取付け穴の
幅は、前記第１の取付け片の先端部の幅よりも広く、か
つ、前記第１の取付け片の後端部の幅よりも狭いのがよ
い。

また、前記コネクタハウジングは、複数の異なる側面を
有し、かつ、その複数の異なる側面の少なくとも２面に
前記固定脚の取付け穴を有し、前記取付け穴が形成され
た各々の側面に前記固定脚が圧入されると、効果的であ
る。

〔考案の実施例〕

この考案は上記目的を達成するために、固定脚を改良し
たもので、固定脚についてのみ説明することにする。

即ち、この考案による光電素子内蔵光コネクタの要部は
第９図に示すように構成され、従来例（第２図乃至第８
図）と同一箇所は同一符号を付すことにすると、コネク
タハウジング４内には光電素子（図示せず）が内蔵さ
れ、この光電素子の端子（図示せず）が上記コネクタハ
ウジング４の底面に突出されている。更に、上記コネク
タハウジング４の両側面には、夫々固定脚２５が取付け
られている。

この固定脚２５は第１０図(a)，(b)に示すように構成さ
れ、脚本体２６と複数例えば３個のハウジング用取付け
片２７，２８，２９及び１個のプリント回路板用取付け
片３０とからなっている。

この場合、脚本体２６と各取付け片２７，２８，２９，
３０とは一体となっており、脚本体２６の一端にプリン
ト回路板用取付け片３０が脚本体２６と同一平面で伸び
ている。そして、脚本体２６の他端及び略中央に、夫々
ハウジング用取付け片２７とハウジング用取付け片２
８，２９が、同一方向に折曲げ形成されている。

このような固定脚２５の各部の寸法関係は、第１１図及
び第１２図に示すように、各部の寸法をＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ
とすれば、 Ａ＝Ｂ＋（0.1〜0.3mm） Ｃ＝Ｄ＋（0.1〜0.2mm） を満足するように設定されている。

また、この固定脚２５に対応して、上記コネクタハウジ
ング４の両側面には、夫々取付け孔３１，３２，３３が
穿設されている。そして、第９図からも明らかなよう
に、取付け孔３１には上記ハウジング用取付け片２７が
圧入固着され、取付け孔３２，３３には夫々上記ハウジ
ング用取付け片２８，２９が圧入固着されて、一対の固
定脚２５が上記コネクタハウジング４の両側面に固定さ
れることになる。また、プリント回路板用取付け片３０
は、使用時に従来例（第８図）と同様に、プリント回路
板に貫通させ、半田付けされる。

この考案の光電素子内蔵光コネクタは、上記以外は従来
例（第１図乃至第８図）と同様構成ゆえ、詳細な説明は
省略する。

尚、第１３図は光モジュール１１の位置決め方法を示し
たもので、光モジュール１１の略中央にピン孔３４を穿
設すると共に、コネクタハウジング４内に位置決めピン
３５を突設し、この位置決めピン３５に上記ピン孔３４
を嵌合することにより、光モジュール１１を正確な位置
に極めて容易に固定することが出来る。

コネクタハウジング４に対する光モジュール１１をより
正確に位置決めするには、光モジュール１１の外周を研
摩して基準面としてコネクタハウジング４の内面基準面
と接するように光モジュール１１を押圧しながら圧入す
るとよい。コネクタハウジング４の内側寸法と光モジュ
ール１１の外形寸法との関係は圧入となり、圧入代は例
えば0.1mmとする。この場合、ピン孔３４及び位置決め
ピン３５は設けなくとも良い。

〔考案の効果〕

この考案によれば、次のような優れた効果が得られる。

(1)ハウジング用取付け片２７，２８，２９の取付け孔
３１，３２，３３への挿入が圧入となるため、挿入後の
ハウジング用取付け片２７，２８，２９は確実に固定さ
れる。従って、その後の固定脚２５の緩み、がたつき等
は発生せず、安定した品質が維持出来る。つまり、信頼
性が著しく向上する。

(2)コネクタハウジング４のデザイン簡素化により、モ
ールド型の構造も簡素化され、従来のように複雑なスラ
イド部は少なくなるため、金型代も安価となり、取り扱
いが容易になる。

(3)金型構造が簡素化されたことにより、部品の多数個
採りが可能となり、部品もコストダウンが出来る（従来
の金型は１個採り）。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光電素子内蔵光コネクタを示す斜視図、
第２図乃至第５図は別の従来の光電素子内蔵光コネクタ
を示す正面図、平面図、背面図、右側面図、第６図は一
部を縦断して示した第２図の底面図、第７図は第２図の
光電素子内蔵光コネクタで用いている固定脚を示す斜視
図、第８図は第２図の光電素子内蔵光コネクタの使用状
態を示す断面図、第９図はこの考案の一実施例に係る光
電素子内蔵光コネクタの要部を示す分解斜視図、第１０
図(a)，(b)はこの考案の光電素子内蔵光コネクタで用い
ている固定脚を示す正面図と側面図、第１１図及び第１
２図はこの考案の光電素子内蔵光コネクタにおける固定
脚の取付け片とコネクタハウジングの取付け孔との寸法
関係を示す説明図、第１３図は光モジュールの位置決め
方法を示す分解斜視図である。 ４……コネクタハウジング、２５……固定脚、２６……
脚本体、２７，２８，２９……ハウジング用取付け片、
３０……プリント回路板用取付け片。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脚本体と、 前記脚本体が属する平面に直行するような平面に属し、
   後端部が前記脚本体に一体化して結合されており、先端
   部の幅が前記後端部の幅よりも狭く、前記後端部が爪状
   である逆止構造を有するハウジング用取付け片と、 前記脚本体が属する平面と同一平面に属し、後端部が前
   記脚本体に一体化して結合されており、先端部の幅と前
   記後端部の幅が一定であるようなプリント回路板用取付
   け片と を具備することを特徴とするコネクタハウジングの固定
   脚。
2. 【請求項２】前記ハウジング用取付け片は、台形板をな
   していることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のコネクタハウジングの固定脚。
3. 【請求項３】前記ハウジング用取付け片は、コネクタハ
   ウジングの取付け穴に圧入されるものであることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載のコネクタ
   ハウジングの固定脚。
4. 【請求項４】前記プリント回路板用取付け片は、プリン
   ト回路板に取り付けられるものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載のコネクタハウジ
   ングの固定脚。
5. 【請求項５】前記固定脚は、金属から構成されているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   コネクタハウジングの固定脚。