JPH06313982A - 現像剤 - Google Patents

現像剤

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JPH06313982A
JPH06313982A JP5123215A JP12321593A JPH06313982A JP H06313982 A JPH06313982 A JP H06313982A JP 5123215 A JP5123215 A JP 5123215A JP 12321593 A JP12321593 A JP 12321593A JP H06313982 A JPH06313982 A JP H06313982A
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信之 大久保
Shunji Suzuki
俊次 鈴木
Masakichi Kato
政吉 加藤
Manabu Ono
学 大野
Akihiko Nakazawa
明彦 仲沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像中抜けがなく、感光体ドラムに現像剤が
融着することによる画像不良の発生を防止できる現像剤
を提供することにある。 【構成】 GPCにより測定されるクロマトグラムが、
分子量2,000〜30,000の領域にメインピーク
を有し、分子量10万以上の高分子領域にサブピーク又
は肩を有し、Mw/Mnが30以上であって、該高分子
領域は、構成モノマーユニットとして架橋性モノマーユ
ニットを有しており、多官能開始剤と単官能開始剤とを
併用して重合された、Mwが120万以上の高分子重合
体を含有する結着樹脂を用いる現像剤において、シラン
カップリング剤で処理された後、さらに、メチルハイド
ロジェンシリコーンオイルで処理されたケイ酸微粉体を
含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷、磁気記録等における静電荷像を現像する為の
現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報(米国特許第3,666,363号明細書)、特
公昭43−24748号公報(米国特許第4,071,
361号明細書)等、多数の方法が知られているが、一
般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光
体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像粉(以
下、トナーと称す)を用いて現像し、必要に応じて紙等
の転写材にトナー画像を転写した後、加熱・圧力、ある
いは溶液蒸気などにより定着し、複写物を得るものであ
る。また、トナー画像を転写する工程を有する場合に
は、通常、感光体上の残余のトナーを除去するための工
程が設けられる。
【0003】電気的潜像をトナーを用いて可視化する方
法は、例えば、米国特許第2,874,063号明細書
に記載されている磁気ブラシ法、同2,618,552
号明細書に記載されているカスケード現像法及び同2,
221,776号明細書に記載されている粉末雲法等が
ある。また、磁気トナーを使用する方法として、米国特
許第3,909,258号明細書に記載されている導電
性トナーを使用するマグネドライ法、トナー粒子の誘電
分極を使用する方法、トナーの撹乱による電荷移送方法
また、近年、本出願人が提案した特開昭54−4214
1号公報、特開昭55−18656号公報の如き、潜像
に対してトナー粒子を飛翔させて現像する方法がある。
【0004】これらの現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成樹脂中に染料、顔料を分散
させたものを1〜30μm程度に微粉砕した粒子がトナ
ーとして用いられている。磁性トナーとしては、マグネ
タイト等の磁性体粒子を含有せしめたものが用いられて
いる。いわゆる2成分現像剤を用いる方式の場合には、
トナーは通常、ガラスビーズ、鉄粉等のキャリアー粒子
と混合して用いる。
【0005】このような乾式現像剤を使用する方法にお
いて、良好な画質の可視画像を形成するためには、現像
剤が高い流動性を有し、且つ、均一な帯電性を有するこ
とが必要であり、そのために従来よりケイ酸微粉体をト
ナー粉末に添加混合することが行われている。然るに、
ケイ酸微粉体は、そのままでは親水性であるために、こ
れが添加された現像剤は、空気中の湿気により、凝集を
生じて、流動性が低下したり、甚だしい場合には、ケイ
酸微粉体の吸湿により、現像剤の帯電特性を低下させて
しまう。
【0006】そこで疎水化処理をしたケイ酸微粉体を用
いることが特開昭46−5782号公報、特開昭48−
47345号公報、特開昭48−47346号公報等で
提案されている。具体的には、例えば、ケイ酸微粉体と
ジメチルジクロロシラン等の有機ケイ素化合物とを反応
させ、ケイ酸微粉体表面のシラノール基を有機基で置換
し疎水化したケイ酸微粉体が用いられている。また、特
開昭63−139367号公報等では、ケイ酸微粉体を
シランカップリング剤で処理した後、シリコーンオイル
でさらに処理する方法が提案されている。また、特開平
3−145653号公報では、ポリメチルシリル基で疎
水化処理された疎水性ケイ酸微粉体を用いる方法が提案
されている。
【0007】一方、低消費電力での記録材への定着と高
品質な画像を得るために、低温定着性と耐オフセット性
の相反する性質を満足するバインダー樹脂の改良が試み
られている。特開昭63−214760号公報、同63
−217362号公報、同63−217363号公報、
同63−217364号公報で、低分子量と高分子量の
2群に別れる分子量分布を有し、低分子量側に含有せし
められたカルボン酸基と多価金属イオンを反応させしめ
ることが開示されている。さらに、特開平2−1682
46号公報、同2−235069号公報では、結着樹脂
中の低分子量成分と高分子量成分の更なる2極化と高分
子量成分にカルボキシル基を含有させることが開示され
ている。
【0008】しかしながら、前述の疎水化処理したケイ
酸微粉体とともにこれらのバインダー樹脂を用いた時、
定着性・耐オフセット性及びトナーのクリーニング性に
対しては性能が向上するものの、凝集しやすく、流動性
を損なう結果となってしまう。また、現像剤内部の各構
成成分の分散状態が不十分であり、安定した現像性が得
がたいものとなっていた。特に、感光体との離型性が不
十分であるために、画像の一部が欠ける、いわゆる“中
抜け”現象を引き起こしてしまう。更に、画像プリント
を続けてゆくにつれて、感光体等の部材への現像剤の融
着を引き起こし、ひいてはそれが原因の画像欠陥を生じ
てしまう等、これらが大きな問題点となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、低温定着用バインダー樹脂を用いた時に、常に良
好な特性を発揮することのできる静電荷像現像用現像剤
を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、いわゆる中抜け現象
のない良好な画像が得られる静電荷像現像用現像剤を提
供することにある。
【0011】さらに、本発明の他の目的は、感光体に現
像剤が融着することにより起る画像不良の発生しない静
電荷像現像用現像剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により測定されるクロマトグラムが、分子量2,0
00〜30,000の領域にメインピークを有し、分子
量10万以上の高分子領域にサブピーク又は肩を有し、
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が30
以上であって、該高分子領域は、構成モノマーユニット
として架橋性モノマーユニットを有しており、多官能開
始剤と単官能開始剤とを併用して重合された、Mwが1
20万以上の高分子重合体を含有する結着樹脂を用いる
現像剤において、シランカップリング剤で処理された
後、さらに、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、
または、メチルハイドロジェンシリコーンオイルを10
重量%以上含むシリコーンオイルまたはシリコーンワニ
ス混合剤で処理されたケイ酸微粉体を使用することにあ
る。
【0013】本発明者らは、本発明にかかる現像剤が本
発明の効果を発揮する理由として以下の様に考えてい
る。
【0014】すなわち、メチルハイドロジェンシリコー
ンオイルのSi−H結合が加熱処理過程において、空気
中の酸素により酸化し、隣接する他の分子のSi−H結
合と新たにシロキサン結合を形成する。これにより、3
次元網目状にシリコーンオイル分子が成長し、より顕著
で効果的な疎水化処理が行われたものと考えている。
【0015】本発明に用いられる結着樹脂は、GPCの
クロマトグラムにおいて、分子量2,000〜30,0
00領域にメインピークを有し、分子量10万以上の高
分子領域にサブピーク又は肩を有し、重量平均分子量
(Mw)/数平均分子量(Mn)が30以上であって、
該高分子領域は、構成モノマーユニットとして架橋性モ
ノマーユニットを有しており、多官能開始剤と単官能開
始剤とを併用して重合された、Mwが120万以上の高
分子重合体を含有するものである。
【0016】更に、該結着樹脂を構成する高分子側成分
は、酸価が1.0より大きい範囲で反応性極性基を含有
する。より好ましくは、5.0以上である。酸価≦1.
0の場合は、充分な架橋構造を構築することが出来ず、
耐オフセット性の悪化と、現像剤内部の各成分の分散性
の低下による諸問題を起こす。
【0017】また、結着樹脂のガラス転移温度は、現像
剤の保存性の観点から、55〜70℃、好ましくは60
〜65℃であり、ガラス転移温度が55℃より低いと、
高温雰囲気下での現像剤のブロッキングによる劣化、高
温域でのホットオフセットが発生する。また、70℃を
超えると、定着性全般に悪影響を及ぼす。
【0018】更に、高分子量分と低分子量分の配合比も
現像剤の定着特性に大きく影響し、高分子量分の結着樹
脂全体に占める割合が15%よりも低い場合には、高温
域でホットオフセットが発生し、45%を超える場合に
は、低温域での定着性が悪化する。したがって、本発明
においては、高分子量分の結着樹脂全体に占める割合
は、15〜45%であることが必要であり、好ましく
は、20〜40%の範囲に規制する必要がある。
【0019】本発明において、GPCによるクロマトグ
ラムのピークの分子量は次の条件で測定される。
【0020】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒と
してTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速
で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整
した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して
測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有す
る分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料によ
り作製された検量線の対数値とカウント数との関係から
算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、例えばPressure Chemical C
o.製或いは東ソー社製の分子量が6×102 ,2.1
×103 ,4×103 ,1.75×104,5.1×1
4 ,1.1×105 ,3.9×105 ,8.6×10
5 ,2×106 ,4.48×106 のものを用い、少な
くとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが
適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用
いる。
【0021】なお、カラムとしては、103 〜4×10
6 の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリス
チレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば
Waters社製のμ−styragel 500,1
3 ,104 ,105 の組み合わせや、昭和電工社製の
shodex KF−80MやKF−802,803,
804,805の組み合わせ、あるいは東ソー社製のT
SKgel G1000H,G2000H,G2500
H,G3000H,G4000H,G5000H,G6
000H,G7000H,GMHの組み合わせが好まし
い。
【0022】本発明に係る結着樹脂の低分子量分と高分
子量分の重量比は、GPCのクロマトグラムのピーク間
の極小値を基点とした低分子量側ピーク部分と高分子量
側ピーク部分の面積比から算出する。
【0023】本発明の架橋結合を形成し得る極性基を有
する重合体成分としては、一般にカルボキシル基、カル
ボニル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ア
ミド基、水酸基などを有するものであり、これらのうち
でもカルボキシル基を含有する重合体が最も良好な反応
性を示す。ビニル系重合体合成用のカルボキシル基含有
モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのアクリル
酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、
マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及
びそのモノエステル誘導体などがあり、このようなモノ
マーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合さ
せることにより所望の重合体を作ることができる。この
中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体
を用いることが好ましい。
【0024】本発明で用いることのできるカルボキシル
基を含有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、
マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル
酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェ
ニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエ
ステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オク
テニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノ
エチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブ
テニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジ
カルボン酸のモノエステル類;フタル酸モノメチルエス
テル、フタル酸モノエチルエステル、フタル酸モノブチ
ルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸のモノエス
テル類;などが挙げられる。
【0025】上記のようなジカルボン酸のモノエステル
モノマーが選択される理由としては、後で詳しく述べる
が、樹脂の製造方法として懸濁重合法が好ましいからで
ある。該懸濁重合では水系の懸濁液に対して、溶解度の
高い酸モノマーの形で使用するのは適切でなく、溶解度
の低いエステルの形で用いるのが好ましいからである。
【0026】本発明の現像側に用いられる結着樹脂の高
分子側成分を得る為のモノマー及び、該低分子側成分を
得る為のモノマーとしては、次のようなものが挙げられ
る。
【0027】例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルな
どのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体;のビニル系モノマー
が単独もしくは2つ以上で用いられる。
【0028】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レンアクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合
わせが好ましい。
【0029】架橋性モノマーとしては主として2個以上
の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。
【0030】本発明に用いられる結着樹脂は、本発明の
目的を達成する為に以下に例示する様な架橋性モノマー
で架橋された重合体であることが必要である。
【0031】芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類;例えば、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアル
キル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリ
レート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上
の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたも
の;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリ
レートに代えたもの;更には、ポリエステル型ジアクリ
レート化合物類、例えば、商品名MANDA(日本化
薬)が掲げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエ
リスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステ
ルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメ
タアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0032】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量%に対して、0.001〜1重量%、好ましく
は、0.003〜0.01重量%の範囲で用いることが
好ましい。
【0033】これらの架橋性モノマーのうち、現像剤用
樹脂に、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いら
れるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニル
ベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0034】本発明に係る結着樹脂を製造する方法とし
て、溶液重合法により高分子量重合体と低分子量重合体
を別々に合成した後にこれらを溶液状態で混合し、次い
で脱溶剤する溶液ブレンド法、又、押出機等により溶融
混練するドライブレンド法、さらに溶液重合法等により
得られた低分子量重合体を溶解した高分子量重合体を構
成するモノマーに溶解し、懸濁重合を行い、水洗・乾燥
し、結着樹脂を得る2段階重合法等が挙げられる。しか
し、ドライブレンド法では、均一な分散、相溶の点で問
題があり、又、2段階重合法だと均一な分散性等に利点
が多いものの、低分子量分を高分子量分以上に増量する
ことが出来ない、低分子量分の存在下では、本発明に所
望の十分な高分子量分の合成が非常に困難であるだけで
なく、不必要な低分子量分が副生成する等の欠点が有
り、本発明に適用するには、該溶液ブレンド法が最も好
適である。
【0035】本発明に係る結着樹脂の低分子量成分の合
成方法としては、公知の方法を用いることが出来る。し
かし、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度
を速めることで、低分子量の重合体を得ることが出来る
が、反応をコントロールしにくい問題点がある。その
点、溶液重合法では、溶媒によるラジカルの連鎖移動の
差を利用して、又、開始剤量や反応温度を調整すること
で低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることが出
来、本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得るに
は好ましい。特に、開始剤使用量を最小限に抑え、開始
剤残渣の影響を極力抑えるという意味で、加圧条件下で
の溶液重合法が有効である。
【0036】一方、本発明に係る結着樹脂の高分子量成
分の合成方法として本発明に用いることの出来る重合法
として、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
【0037】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)
と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結
果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更
に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生
成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、
着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易で
あること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造
方法として有利な点がある。
【0038】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都
合である。
【0039】懸濁重合においては、水系溶媒100重量
部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは1
0〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系溶
媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系
溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用いら
れる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用す
る開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべき
である。
【0040】本発明においては、高分子量重合体の合成
に用いられる多官能性開始剤と単官能開始剤としては、
水に不溶、或いは難溶のものであれば用いることが可能
である。それらは、併用によりモノマー100重量部に
対し0.05〜2.0重量部で用いられる。
【0041】多官能性重合開始剤の具体例としては、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチル
パーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t
−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシ
ネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキ
サン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオ
キシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメ
チルアジペート等の2官能性ラジカル重合開始剤;トリ
ス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリル
(t−ブチルパーオキシ)シラン等の3官能性ラジカル
重合開始剤;2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオ
キシアリルカーボネートの共重合化合物(例えば日本油
脂(株)製ハイパーB及びハイパーGシリーズ)、t−
ブチルパーオキシマレイン酸の共重合化合物等の多官能
ラジカル重合開始剤等があげられる。
【0042】本発明において、上記のような方法で得ら
れた共重合体中のカルボン酸基及びカルボン酸エステル
部位はアルカリ処理を行い、ケン化させる。即ち、アル
カリのカチオン成分と反応させて、カルボン酸基或いは
カルボン酸エステル部位を極性官能基に変化させること
が好ましい。結着樹脂の高分子側成分に含金属化合物と
反応するカルボキシル基が含有されていても、カルボキ
シル基が無水化、すなわち閉環された状態にあると、含
金属化合物との架橋反応の効率が低下するからである。
【0043】このアルカリ処理は、バインダー樹脂製造
後、重合時に使用した溶媒中に水溶液として投入し、撹
拌しながら行なえばよい。本発明に用いることのできる
アルカリとしては、Na,K,Ca,Li,Mg,Ba
などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物;
Zn,Ag,Pb,Niなどの遷移金属の水酸化物;ア
ンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ピリジウム塩
などの4級アンモニウム塩の水酸化物などがあり、特に
好ましい例として、NaOHやKOHが挙げられる。
【0044】本発明において上記ケン化反応は、共重合
体中のカルボン酸基及びカルボン酸エステル部位の全て
に渡って行なわれる必要はなく、部分的にケン化反応が
進行し、極性官能基に変わっていればよい。
【0045】また、ケン化反応に用いるアルカリの量
は、バインダー樹脂中の極性基の種類、分散方法、構成
モノマーの種類などにより一概に決定し難いのである
が、バインダー樹脂の酸価の0.02〜5倍当量であれ
ばよい。0.02倍当量より少ない場合はケン化反応が
十分でなく、反応によって生じる極性官能基の数が少な
くなり、結果として後の金属架橋反応が不十分となる。
逆に5倍当量を超える場合は、カルボン酸エステル部位
などの官能基に対し、エステルの加水分解、ケン化反応
による塩の生成などによって官能基に悪影響を及ぼす。
【0046】尚、酸価の0.02〜5倍当量のアルカリ
処理を施した時は、処理後の残存カチオンイオン濃度が
5〜1000ppmの間に含まれ、アルカリの量を規定
するのに好ましく用いることができる。
【0047】また、本発明においては、使用されるバイ
ンダー樹脂中に低分子量ワックスを予め添加しておくこ
とが好ましい。本発明に適用し得る低分子量ワックスと
しては、ポリプロピレン、ポリエチレン、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワック
ス、パラフィンワックス等のワックス状物質、及びこれ
らの酸化物やグラフト変性物等が挙げられる。
【0048】これらの低分子量ワックスの重量平均分子
量は、3万以下、好ましくは1万以下のものが好まし
く、添加量としては高分子量重合体成分100重量部に
対して約2〜100重量部が好ましい。
【0049】本発明においては、樹脂バインダーと架橋
反応を起こす含金属化合物を含有することが好ましい。
本発明で使用する反応性の金属化合物としては、次の金
属イオンを含むものが使用できる。適当な1価金属イオ
ンには、Na+ ,Li+ ,Cs+ ,Ag+ ,Hg+ ,C
+ などがあり、2価の金属イオンには、Be2+,Mg
2+,Ca2+,Hg2+,Sn2+,Pb2+,Fe2+,C
2+,Ni2+,Zn2+などである。また、3価のイオン
としては、Al3+,Sc3+,Fe3+,Co3+,Ni3+
Cr3+などがある。上記のような金属イオンを含む化合
物のうちでも分解性のものほど、良好な結果を与える。
これは分解性のものの方が熱分解によって化合物中の金
属イオンがより容易に重合体中のカルボキシル基と結合
しやすいためと推察される。
【0050】反応性金属化合物のうちでも有機金属化合
物が重合体との相溶性や分散性に優れ、金属化合物との
反応による架橋が重合体中でより均一に進むので、より
優れた結果を与える。
【0051】上記のような反応性の有機金属化合物のう
ちでも、特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子
や対イオンとして含有するものが有用である。金属イオ
ンと配位子や対イオンを形成する有機化合物のうちで上
記のような性質を有するものとしては、例えば、サリチ
ル酸、サリチルアミド、サリチルアミン、サリチルアル
デヒド、サリチロサリチル酸、ジtert−ブチルサリ
チル酸、などのサリチル酸及びその誘導体、例えば、ア
セチルアセトン、プロピオンアセトン、などのβ−ジケ
トン類、例えば、酢酸塩やプロピオン酸などの低分子カ
ルボン酸塩などがある。
【0052】また、該金属錯体にトナー粒子の荷電制御
性をもたすことも可能である。このような金属錯体とし
ては次に示した一般式[I]で表わされるアゾ系金属錯
体がある。
【0053】
【化1】
【0054】次に該錯体の具体例を示す。
【0055】
【化2】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】あるいは次の一般式[II]に示した塩基
性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発
明に使用できる。
【0062】
【0063】
【0064】次に該錯体の具体例を示す。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】これらの金属錯体は、単独でも或いは2種
以上組み合わせて用いることが可能である。
【0076】また、該金属錯体のトナー粒子への添加量
は、トナーバインダーの種類、キャリア併用か否か、或
いはトナーを着色する顔料、更には該金属錯体のバイン
ダーに対する反応性によっても異なるが、未反応のもの
も含めて、バインダー100重量%に対し、0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0077】また、上記金属錯体は、バインダーと溶融
混練時に反応させることにより、バインダー合成時に添
加する場合と比べて、分解・反応性に富み、かつバイン
ダーとの相溶性或いはバインダーへの分散性に優れ、ト
ナーとして安定な帯電性が得られるといった利点があ
る。
【0078】本発明においては、架橋成分である金属化
合物にトナーとしての荷電制御性を持たせることは可能
であるが、必要に応じてこれとは別途に荷電制御剤を使
用することもでき、従来公知の負或いは正の荷電制御剤
が用いられる。
【0079】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0080】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0081】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効で前述した様なモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン
金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカル
ボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキ
シカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその
金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェ
ノール誘導体類である。
【0082】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0083】例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等によ
る変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒド
ロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアン
モニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウ
ム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオ
ニウム塩及びこれらのレーキ顔料。トリフェニルメタン
染料及びこれらのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、
りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングス
テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂
肪酸の金属塩、アセチルアセトン金属錯体。ジブチルス
ズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘ
キシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイ
ド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、
ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボ
レート等であり、これらを単独で或いは2種類以上組み
合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロ
シン系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好
ましく用いられる。
【0084】本発明に用いられるケイ酸微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、
及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
方が使用可能であるが表面及びケイ酸微粉体の内部にあ
るシラノール基が少なく、また、Na2 O,SO3 2-
の製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
【0085】また、乾式シリカにおいては製造工程にお
いて例えば、塩化アルミニウム又は塩化チタンなど他の
金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用い
る事によってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得
る事も可能であり、それらも包含する。
【0086】その粒径は平均の一次粒径として、0.0
01〜2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良
い。
【0087】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 RmSiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基を含む炭化水
素基 n:3〜1の整数 で示されるもので、例えば代表的にはジメチルジクロル
シラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロ
ルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジ
クロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビ
ニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等をあ
げることができる。
【0088】上記ケイ酸微粉体のシランカップリング剤
処理は、ケイ酸微粉体を撹拌等によりクラウド状とした
ものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式
処理又は、ケイ酸微粉体を溶媒中に分散させシランカッ
プリング剤を滴下反応させる湿式法等一般に知られた方
法で処理することができる。
【0089】本発明に使用されるメチルハイドロジェン
シリコーンオイルは、次の式
【0090】
【化3】
【0091】(式中、m,nは、ともに正の整数)で示
されるものである。また、上記メチルハイドロジェンシ
リコーンオイルは、好ましくは25℃における粘度がお
よそ10〜50センチストークスのものが用いられる。
【0092】また、本発明に使用されるその他のシリコ
ーンオイルは、一般に次の式で示されるものであり、
【0093】
【化4】
【0094】R :C1 〜3 のアルキル基 R’ :アルキル,ハロゲン変性アルキル,フェニル,
変性フェニル等のシリコーンオイル変性基 R” :C1 〜3 のアルキル基又はアルコオキシ基 m,n:正の整数
【0095】例えば、ジメチルシリコーンオイル,アル
キル変性シリコーンオイル,α−メチルスチレン変性シ
リコーンオイル,クロルフェニルシリコーンオイル,フ
ッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、上記
シリコーンオイルは、好ましくは25℃における粘度が
およそ50〜1000センチストークスのものが用いら
れる。
【0096】これらのメチルハイドロジェンシリコーン
オイルおよびその他のシリコーンオイルは、分子量が低
すぎると、加熱処理等により揮発分が発生することがあ
り、また、分子量が高すぎると粘度が高くなりすぎ処理
操作がしにくくなる。
【0097】本発明において、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイルは、全シリコーンオイルの10重量%以
上である必要がある。10重量%未満ならば、メチルハ
イドロジェンシリコーンオイルの充分の効果があらわれ
ない。
【0098】シリコーンオイル処理の方法は公知の技術
が用いられ、例えばシリカ微粉体とシリコーンオイルと
をヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合して
も良いし、ベースシリカへシリコーンオイルを噴霧する
方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーン
オイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ
微粉体とを混合した後、溶剤を除去して作製しても良
い。
【0099】トナーには任意の適当な顔料や染料が着色
剤として使用できる。例えば、カーボンブラック,鉄
黒,フタロシアニンブルー,群青,キナクリドン,ベン
ジジンイエローなど公知の染顔料がある。
【0100】トナーを磁性トナーとする場合には、鉄,
コバルト,ニッケルなどの強磁性元素、あるいは、マグ
ネタイト,ヘマタイト,フェライトなどの鉄,コバル
ト,ニッケル,マンガンなどの合金や化合物、その他の
強磁性合金などの磁性体を含有せしめればよい。
【0101】トナーには必要に応じて添加剤を混合して
もよい。そのような添加剤としては例えばテフロン,ス
テアリン酸亜鉛の如き滑剤、あるいは定着助剤(例えば
低分子量ポリエチレンなど)、あるいは導電性付与剤と
して酸化スズの如き金属酸化物等がある。
【0102】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明につい
て説明する。しかしながら、これによって本発明の実施
の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部
数は重量部である。
【0103】(樹脂合成例1)反応容器にキシレン20
0部を入れ還流温度まで上昇した。これにスチレン85
部、アクリル酸ブチル15部、ジ−tert−ブチルパ
ーオキサイド2部を混合し、キシレン還流下、6時間で
溶液重合を完了し、低分子量樹脂溶液を得た。
【0104】一方、スチレン70部、アクリル酸ブチル
25部、マレイン酸モノブチル5部、ジビニルベンゼン
0.003部、ポリビニルアルコール0.1部、脱気水
200部、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.1部を混合
懸濁分散させた。上記懸濁分散溶液を加熱し、窒素雰囲
気下において85℃に24時間保持した後、ベンゾイル
パーオキサイド0.1部を追加添加し、更に12時間保
持して重合を完了させ、高分子量樹脂を得た。次にこの
樹脂の酸価の4倍当量のNaOH水溶液で2時間洗浄し
た。
【0105】この高分子量樹脂25部及び低分子量ポリ
プロピレン4部を前述の低分子量樹脂75部の溶液重合
終了時の溶液中に投入し、溶媒中に完全に溶解せしめ混
合を行い、その後溶媒を留去して、下記特性のスチレン
−アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体組
成物を得た。
【0106】 低分子側分子量ピーク P1 =10,400 高分子側分子量ピーク P2 =102万 重量平均分子量 Mw=34万 数平均分子量 Mn=6000
【0107】(樹脂合成例2)上記合成例1の高分子量
樹脂と低分子量樹脂の混合比をそれぞれ40部、60部
とした以外は、合成例1と同様にして、下記特性のスチ
レン−アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合
体組成物を得た。
【0108】 低分子側分子量ピーク P1 =10,400 高分子側分子量ピーク P2 =102万 重量平均分子量 Mw=42万 数平均分子量 Mn=7100
【0109】実施例1 上記樹脂合成例1の樹脂組成物 100部 磁性体微粉体 100部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系クロム錯体) 0.6部
【0110】上記混合物を130℃に加熱された2軸エ
クストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマ
ーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕
し、得られた微粉砕粉を風力分級して体積平均粒径6.
8μmの磁性粒子分級粉−1を得た。
【0111】ジクロロジメチルシランで処理されたケイ
酸微粉体DM−30S(徳山曹達社製 比表面積235
2 /g)100部を、メチルハイドロジェンシリコー
ンオイルKF−99(信越化学社製 粘度20cSt
(25℃))15部を溶剤で希釈したもので処理を行
い、乾燥後190℃で加熱処理を行って処理ケイ酸微粉
体を得た。この処理ケイ酸微粉体を前記磁性粒子分級粉
−1 100部に対して0.9部加え、ヘンシェルミキ
サーで乾式混合し、現像剤を調製した。
【0112】この現像剤を、市販のレーザービームプリ
ンターLBP LXを以下の様に改造した装置で画出し
試験を行った。
【0113】一次帯電を−600Vとして静電潜像を形
成し、感光ドラムと現像剤担持体(磁石内包)上の現像
剤層を非接触に間隙(300μm)を設定し、交流バイ
アス(f=1800Hz,VPP=1200V)及び直流
バイアス(VDC=−400V)として現像ドラムに印加
した。
【0114】以上の設定条件で、4枚(A4)/分のプ
リント速度で連続3000枚にわたり反転現像方式で現
像剤画像を形成する画出し試験を常温常湿(25℃・6
0%RH)で行い、得られた画像を下記の項目について
評価した。また、同時に感光ドラム表面の様子を観察し
その耐久性を評価した。評価結果を表1にまとめて示し
た。
【0115】<評価項目> (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2 )3000枚プリ
ントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。
【0116】◎(優) :1.40以上 ○
(良) :1.40〜1.35 △(可) :1.35〜1.00 ×(不可):
1.00未満
【0117】なお、画像濃度はマクベス反射濃度計(マ
クベス社製)を用いて測定した。
【0118】(2)画像品質(中抜け) プリントアウト画像の中抜けの程度を目視で評価した。
【0119】◎:非常に良好 , ○:良好 △:実用可 , ×:実用不可
【0120】(3)感光体ドラム上の融着状況 プリントアウト試験終了後の感光体ドラムの現像剤の融
着状況を目視で評価した。
【0121】◎:非常に良好(未発生) , ○:良
好(ほとんど発生せず) △:実用可 , ×:実用不可
【0122】その結果、3000枚のプリントアウト後
でも、画像濃度及び画像中抜けともに良好であり、ま
た、感光ドラム上にも、現像剤の固着・融着等は、全く
発生していなかった。
【0123】実施例2 実施例1と同様の母体ケイ酸微粉体を、メチルハイドロ
ジェンシリコーンオイルKF−99を50重量%含むシ
リコーンオイルKF−96(信越化学社製・粘度100
cSt(25℃))との混合シリコーンオイルにて、実
施例1と同様の処理により、処理ケイ酸微粉体を得た。
この処理ケイ酸微粉体を実施例1の磁性粒子分級粉−1
100部に対して、1.2部を加え、ヘンシェルミキ
サーで乾式混合し、現像剤を調製した。
【0124】この現像剤を実施例1と同様に評価した。
評価結果を表1に示す。
【0125】その結果、3000枚のプリントアウト後
にも、画像濃度及び画像中抜けともに良好であり、ま
た、感光体上に現像剤の固着・融着等は、全く発生して
いなかった。
【0126】実施例3 樹脂合成例2の樹脂組成物を使用した以外は、実施例1
と同様に溶融混練,冷却,粉砕,微粉砕,風力分級し
て、体積平均粒径6.8μmの磁性粒子分級粉−2を得
た。
【0127】実施例1と同様にメチルハイドロジェンシ
リコーンオイルKF−99を10重量%含むシリコーン
オイルKF−96(100cSt(25℃))との混合
シリコーンオイルにより処理し、処理ケイ酸微粉体を得
た。この処理ケイ酸微粉体を前記の磁性粒子分級粉−2
100部に対して、0.9部を加え、ヘンシェルミキ
サーで乾式混合し、現像剤を調製した。
【0128】この現像剤を実施例1及び2と同様に評価
した。評価結果を表1に示す。
【0129】この結果、3000枚のプリントアウト後
にも、画像濃度・画像中抜けともに良好であり、また、
感光体上に現像剤の固着・融着等は、ほとんど発生して
いなかった。
【0130】比較例 実施例1と同様の母体ケイ酸微粉体をシリコーンオイル
処理せず、そのまま前記磁性粒子分級粉−1 100部
に対して0.9部加え、ヘンシェルミキサーで乾式混合
し、現像剤を調製した。
【0131】この現像剤を実施例1と同様に評価した。
評価結果を表1に示す。
【0132】この結果、3000枚のプリントアウト後
には、画像濃度が低下し、また、画像中抜けが著しく発
生していた。また、感光体上には現像剤が固着してお
り、これに起因する画像不良が発生していた。
【0133】
【表1】
【0134】
【発明の効果】本発明の現像剤によれば、常に高濃度で
あり、かつ、中抜けのない良好な画像が得られ、また、
感光体ドラムに現像剤が融着することによる画像不良の
発生を防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 学 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 仲沢 明彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーにより測定されるクロマトグラムが、分子量2,00
    0〜30,000の領域にメインピークを有し、分子量
    10万以上の高分子領域にサブピーク又は肩を有し、重
    量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が30以
    上であって、該高分子領域は、構成モノマーユニットと
    して架橋性モノマーユニットを有しており、多官能開始
    剤と単官能開始剤とを併用して重合された、Mwが12
    0万以上の高分子重合体を含有する結着樹脂を用いる現
    像剤において、シランカップリング剤で処理された後、
    さらに、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、また
    は、メチルハイドロジェンシリコーンオイルを10重量
    %以上含むシリコーンオイルまたはシリコーンワニス混
    合剤で処理されたケイ酸微粉体を含有することを特徴と
    する現像剤。
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