JPH06313734A - プラントの設備診断方法と装置 - Google Patents

プラントの設備診断方法と装置

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JPH06313734A
JPH06313734A JP10428293A JP10428293A JPH06313734A JP H06313734 A JPH06313734 A JP H06313734A JP 10428293 A JP10428293 A JP 10428293A JP 10428293 A JP10428293 A JP 10428293A JP H06313734 A JPH06313734 A JP H06313734A
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vibration
performance
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diagnosis
result
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JP10428293A
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Hiroyuki Oba
裕幸 大場
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異常振動の原因の細分化が可能で、診断精度
の向上を図ることができるプラントの設備診断装置を提
供することを目的とする。 【構成】 性能診断装置からの性能診断結果情報および
振動診断装置からの振動診断結果情報を受信するデ−タ
受信手段と、受信した前記性能診断結果情報を格納する
性能診断結果記憶部と、前記性能診断結果情報および前
記振動診断結果情報を参照して診断対象機器の異常原因
の診断を行う診断結果相互判定手段と、受信デ−タが振
動診断結果情報であれば、前記診断結果相互判定手段を
起動する診断結果相互判定起動手段と、診断結果を表示
する表示処理手段とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種プラントに設置さ
れている設備機器、特に回転機器に異常が発生した場
合、その異常原因を診断する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラント、製鉄プラントあるいは化
学プラント等の各種プラントにおいては、プラント構成
機器の長寿命化と高信頼度運用等を図るため、各構成機
器を対象とする振動診断装置、性能診断装置、寿命診断
装置等の設備診断装置、これらの設備診断装置の診断結
果を受けて運転員への運転支援を行う運転支援装置、あ
るいは保守員への補修支援を行う保守支援装置等の開発
と実用化が進められている。
【0003】設備診断装置は、運転中の構成機器の異常
を、主として運転中の機器のプロセスデ−タや振動セン
サ、あるいは特殊センサ等から検知して異常原因を診断
する装置であり、例えば火力発電プラントでは、主タ−
ビン・発電機振動診断装置、タ−ビン・ボイラ系補機振
動診断装置、タ−ビン・復水器・給水加熱器・ボイラ等
を対象とする性能診断装置、給水加熱器・復水器・ボイ
ラチュ−ブ・弁等のリ−クを診断するリ−ク診断装置等
が実用化されつつある。
【0004】発電プラントの設備診断装置の基本的機能
としては、異常検知処理機能と診断処理機能がある。異
常検知処理機能は、診断対象とする機器の異常兆候を、
異常が拡大する前に早期に検知する機能であり、また診
断処理機能は、異常検知処理から起動されて機器の異常
原因を特定するものである。
【0005】一般に、設備診断装置の診断結果は運転支
援装置に通知され、この運転支援装置でその時のプラン
トの状態に応じた運転操作に関する情報が付加され、運
転員への運転支援を行う。また、診断結果の一部につい
て、運転操作による対応が不可能な場合には、診断結果
は保守支援装置に通知・保管され、解放点検時等の保守
作業の際に参照される。これらの運転支援や保守支援
は、対象機器の異常原因が精度よく特定されることによ
って、必要な支援ガイダンスを出すことができるもので
あり、この支援ガイダンスによって、運転員あるいは保
守員は初めて必要な措置がとれる状態となる。従って、
設備診断装置としては、最適な異常検知処理を行なって
早期に異常を検知するとともに、異常原因を細分化し、
高い精度で診断できることが要求される。
【0006】現在、火力発電プラントに設置される蒸気
タ−ビン・発電機振動診断装置としては、例えば檜佐等
による論文「大型蒸気タ−ビン軸振動診断システム」
(「火力原子力発電」第38巻第12号(1987−1
2)、p1389〜1398)等に示されたものが実用
化されている。
【0007】蒸気タ−ビン・発電機に発生する異常振動
は、振動周波数から、アンバランス振動、不安定振動・
分数調波振動、高調波振動等に大きく分類される。これ
らの異常振動を発生させる要因としては多くのものが挙
げられるが、最終的な原因を特定するには、振動変化の
特徴や周波数分析結果等の他に、発電機出力、復水器真
空度、軸受メタル温度等多くの関連するプロセスデ−タ
と振動との相関等の調査を必要とし、また、定検時の補
修デ−タ等も必要になる。
【0008】しかしながら、振動の専門家がその知識と
豊富な経験及び高度な解析技術に基づいて行っている原
因分析機能を設備診断装置内に構築することは、人間が
有する高度な認識の領域に係わることにもなるため、今
日の技術では実現が容易でなく、現状実現可能なレベル
として、異常振動の特徴分析分類に近い診断が可能な装
置の実用化が進められているにすぎない。
【0009】また、蒸気タ−ビンの性能診断に関して
は、特開平3−100306号公報に示されているよう
に、運転中のプロセスデ−タに基づいて蒸気タ−ビンの
効率を求め、それを保存するとともに、性能診断時から
過去一定期間の効率とプロセスデ−タの変化状況等か
ら、性能劣化の要因を診断する性能診断装置が開発さ
れ、実用化が進められている。
【0010】図11は、発電プラントに設置される蒸気
タ−ビンやガスタ−ビン等の回転機器に於ける振動異常
のフーリエ変換解析(以下、FTAという)の一部の例
を示している。この図に示すように、例えば蒸気タ−ビ
ンに異常が生じた場合、その異常は効率変化に現れると
ともに、異常原因に応じて振動にも現れる。例えば、タ
−ビン動翼の腐食或いは侵食による経時的なアンバラン
スの増大によって、アンバランス振動が発生する。
【0011】従来の蒸気タ−ビン・発電機振動診断装置
では、その異常振動がアンバランス振動であることまで
は、振動変化の特徴や周波数分析等の結果から診断でき
るが、アンバランスを発生させた原因が、タ−ビン動翼
の腐食や侵食によるものであるか、あるいはロ−タの経
年曲がり等によるものであるかまでを分離することは、
結果として現れる異常振動が同一の特徴を示すため、困
難であった。このように、従来の振動診断装置では、異
常振動の原因の細分化には自ずと限界があり、このよう
な状況は蒸気タ−ビンの運転あるいは保守の信頼性向上
を図る上で障害となっていた。
【0012】ところで、例えば蒸気タービンやガスター
ビンにおいてアンバランス振動が生じた場合、タ−ビン
動翼の腐食或いは侵食はタ−ビン性能の変化として現れ
るので、効率の劣化要因として性能診断装置によって診
断できるが、ロ−タの経年曲がりでは、効率の劣化は生
じない。したがって、性能診断装置と振動診断装置の診
断結果を相互に参照すれば、アンバランス振動の主原因
が、ロ−タの経年曲がり等によるものか、それともタ−
ビン動翼の腐食或いは侵食によるものであるかを分離し
て診断することができる。
【0013】このように、振動診断装置による異常振動
の原因診断の細分化に限界があっても、性能診断装置の
診断結果情報と振動診断装置の診断結果情報を相互に参
照することによって、異常振動の原因をより細分化する
ことが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
振動診断装置や性能診断装置においては、振動診断装置
は異常振動を診断するだけの装置、性能診断装置は性能
劣化を診断するだけの装置として個別に構成されてお
り、診断結果情報を相互にやり取りして、総合的に診断
対象機器の異常を診断するという技術思想もなかったた
め、結果として設備診断装置の診断精度は不十分なもの
であった。このことは、プラントの運転と保守の面から
も問題であった。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、回転機器の設備診断を行う場合に、性能診断装
置からの性能診断結果情報と、振動診断装置からの振動
診断結果情報とを相互に参照することにより、設備診断
装置の診断精度を向上させようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のプラントの設備
診断方法は、性能診断装置からの性能診断結果情報と、
振動診断装置からの振動診断結果情報を受信し、受信し
た性能診断結果情報を性能診断結果記憶部に格納し、受
信デ−タが振動診断結果情報であれば診断結果相互判定
手段を起動させ、前記性能診断結果情報と前記振動診断
結果情報を参照し、それらの診断結果の結びつきの強さ
の関係を示す相互判定マトリックスをもとに診断対象機
器の異常原因の診断を行い、診断結果を表示することを
特徴とするものであり、また本発明のプラントの設備診
断装置は、性能診断装置からの性能診断結果情報および
振動診断装置からの振動診断結果情報を受信するデ−タ
受信手段と、受信した前記性能診断結果情報を格納する
性能診断結果記憶部と、前記性能診断結果情報および前
記振動診断結果情報を参照して診断対象機器の異常原因
の診断を行う診断結果相互判定手段と、受信デ−タが振
動診断結果情報であれば、前記診断結果相互判定手段を
起動する診断結果相互判定起動手段と、診断結果を表示
する表示処理手段とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0017】
【作用】本発明においては、性能診断装置が回転機械の
性能劣化を検知し診断を行った場合、その性能診断結果
を統括診断装置に伝送するとともに、統括診断装置内の
性能診断結果記憶部に格納する。一方、振動診断装置が
回転機械の異常振動を検知し、診断を行った場合、性能
診断結果と同様に統括診断装置に伝送する。統括診断装
置は、伝送されてきた診断結果が振動診断結果である場
合、診断結果相互判定手段によって、振動診断結果と、
性能診断結果記憶部内の、異常振動が発生し振動診断の
対象になった該当機器の性能診断結果とを相互に参照
し、即ち振動診断結果と性能診断結果とを結びつける相
互判定マトリックスに基づいて性能診断結果を反映した
異常振動原因を診断する。
【0018】
【実施例】次に、本発明を複合発電プラントの設備診断
装置に適用した例につき、図面を参照しながら、説明す
る。図1は本発明の実施例を示すもので、統括診断装置
1は、性能診断装置(図示せず)からの性能診断結果情
報および振動診断装置(図示せず)からの振動診断結果
情報を受信するデ−タ受信手段2と、受信した性能診断
結果情報を格納する性能診断結果記憶部3と、性能診断
結果情報と振動診断結果情報を参照して診断対象機器の
異常原因の診断を行う診断結果相互判定手段4と、受信
デ−タが振動診断結果情報であれば、診断結果相互判定
手段4を起動する診断結果相互判定起動手段5と、診断
結果を表示する表示処理手段6とからなり、表示処理手
段6の出力は表示装置7に表示される。30はデータネ
ットワーク伝送装置を示す。
【0019】図2は、本発明が適用される排熱回収式の
複合発電プラントの概略構成を示すもので、圧縮機1
1、ガスタ−ビン12、発電機13および蒸気タ−ビン
14は共通軸15を介して互いに連結されている。燃料
調節弁16により流量制御された燃料は圧縮機11から
の圧縮空気と共に燃焼器17に供給され、ここで混合さ
れて等圧燃焼し、高温・高圧の燃焼ガスが生成する。こ
の燃焼ガスによってガスタ−ビン12が駆動される。ガ
スタ−ビン12の排ガスは排熱回収蒸気発生器18に導
かれ、二次側の給水と熱交換を行い、蒸気を発生させ
る。排熱回収蒸気発生器18で発生した蒸気は、蒸気加
減弁19を介して蒸気タ−ビン14に導かれ、これを駆
動する。蒸気タ−ビン14で仕事を終えた蒸気は復水器
20に導かれ、冷却されて復水となる。この復水は、給
水ポンプ21によって、排熱回収蒸気発生器18に戻さ
れ、以下同様に循環する。このように、複合発電プラン
トは、入力として燃焼器17に燃料を供給することによ
って、最終出力として発電機13から電気出力を得るも
のである。
【0020】図3は、本発明による設備診断装置を含む
プラントの監視制御装置の全体構成を示すもので、統括
診断装置1はデータネットワーク伝送装置30を介し
て、振動診断装置40、性能診断装置50、蒸気タ−ビ
ン制御装置60、ガスタ−ビン制御装置61、排熱回収
蒸気発生器制御装置62、補機制御装置63等ととも
に、統括制御装置70に接続されている。
【0021】振動診断装置40は圧縮機11、ガスタ−
ビン12、発電機13、蒸気タ−ビン14等の軸系構成
機器の異常振動を検知・診断するものであり、性能診断
装置50は圧縮機11、ガスタ−ビン12、蒸気タ−ビ
ン14、排熱回収蒸気発生器18等の性能劣化を検知・
診断するものである。また、統括制御装置70は上記軸
系構成機器11〜14、排熱回収蒸気発生器18等のプ
ラント構成機器を制御する蒸気タ−ビン制御装置60、
ガスタ−ビン制御装置61、排熱回収蒸気発生器制御装
置62、補機制御装置63等の各制御装置を統括制御す
るもので、運転員とのインタフェ−スを司る監視操作盤
80に接続されている。
【0022】以下の説明においては、振動診断装置40
からの振動診断結果情報と、性能診断装置50からの性
能診断結果情報とを統括診断装置1にて参照し、軸系構
成機器11〜14の異常原因の診断を行う場合を例にと
って詳細に説明する。
【0023】図4は性能診断装置50の構成例を示すも
ので、デ−タ受信手段51、デ−タ保存領域52、性能
計算手段53、性能劣化判定手段54、基準性能記憶部
55、診断処理手段56、およびデータ送信手段57を
備えており、性能診断に必要なプロセスデ−タは、デ−
タネットワ−ク伝送装置30を介してデ−タ受信手段5
1によって取り込まれ、デ−タ保存領域52に格納され
る。性能計算手段53は受信したプロセスデ−タをもと
に、蒸気タ−ビン効率、ガスタービン効率、圧縮機効
率、排熱回収ボイラ効率等、複合発電プラントの各構成
機器の性能を計算する。性能劣化判定手段54は、基準
性能記憶部55に予め格納された基準性能と、性能計算
手段53によって計算された効率計算結果との比較判定
から性能劣化を判定する。診断処理手段56は、性能劣
化判定手段54が「性能劣化」と判定すると起動して、
性能の変化状況、プロセスデ−タの変化状況等から性能
劣化の原因を特定する。このようにして得られた性能診
断結果は、デ−タ送信手段57およびデ−タネットワ−
ク伝送装置30を介して統括診断装置1に伝送される。
【0024】図5は性能診断装置50から統括診断装置
1に伝送される性能診断結果の伝送フォ−マットを示
す。この図に示すように、性能診断結果の伝送内容は、
診断実施時間情報50a、診断種別情報50b、診断機
器情報50c、性能計算結果情報50d、および診断結
果情報50eから構成されている。
【0025】診断実施時間情報50aは、性能診断装置
50が性能診断を実施した年月日時分秒デ−タである。
診断種別情報50bは、統括診断装置1に伝送される診
断結果が性能診断結果であることを示すもので、振動診
断装置40から伝送されてくる診断結果と区別するため
のコ−ド情報である。診断機器情報50cは、伝送した
診断結果が圧縮機11、ガスタ−ビン12、蒸気タ−ビ
ン14、排熱回収蒸気発生器18等のどの機器に関する
ものであるかを示すコ−ド情報である。性能計算結果情
報50dは、性能異常・劣化を検知した性能診断実施時
点での性能計算結果デ−タである。また、診断結果情報
50eは、性能異常・劣化に対する診断結果、例えば動
翼腐食、動翼侵食、ラビリンス・チップフィンの間隙増
大等を示すコ−ド情報である。
【0026】図6は、振動診断装置40の構成例を示す
もので、デ−タ受信手段41、デ−タ保存領域42、振
動データ処理手段43、異常検知手段44、異常検知し
きい値記憶部45、診断処理手段46、およびデータ送
信手段57からなる。
【0027】図3の各制御装置60〜63から収集され
る振動診断に必要な発電機出力、回転数、復水器真空
度、排気室温度、軸受給油圧力・温度、圧縮機入口案内
翼開度、燃料流量等のプロセスデ−タは、デ−タネット
ワ−ク伝送装置30を介して、デ−タ受信手段41によ
って取り込まれ、デ−タ保存領域42に格納される。ま
た、振動データ処理手段43は、圧縮機11、ガスタ−
ビン12、発電機13、蒸気タ−ビン14の各軸受に設
置された振動センサ(図示せず)からの振動デ−タを収
集し、デ−タ処理を行うものであり、振動診断に必要な
振幅、位相、振幅変化率、周波数スペクトル等の軸振動
諸量デ−タを求める。デ−タ処理された振動デ−タは、
デ−タ保存領域42に格納される。
【0028】異常検知手段44は、振動デ−タ処理手段
43で求めた軸振動諸量デ−タをもとに、異常検知用し
きい値記憶部45内に格納された異常検知しきい値との
比較判定から、圧縮機11、ガスタ−ビン12、発電機
13、蒸気タ−ビン14の振動異常の有無を検出する。
例えば、振幅値、振幅変化率、周波数スペクトル等を異
常検知パラメ−タとして、しきい値と比較することによ
って、振動異常の有無を判定する。
【0029】診断処理手段46は、異常検知手段44に
よって軸振動異常が検知されると、振動の周波数分析結
果をもとに、異常振動をアンバランス振動、不安定振動
・分数調波振動、高調波振動等に分類するとともに、振
動変化の状況(突変、漸次変化等)や、発電機出力、回
転数、復水器真空度、排気室温度、軸受給油圧力・温
度、圧縮機入口案内翼開度、燃料流量等の関連プロセス
デ−タ等と振動変化の相関を判定して、振動異常原因を
診断する。このようにして得られた振動診断結果は、デ
−タ送信手段47およびデ−タネットワ−ク伝送装置3
0を経由して、統括診断装置1に伝送される。
【0030】図7は、振動診断装置40から統括診断装
置1に伝送される振動診断結果の伝送フォ−マットを示
している。この図に示すように、振動診断結果の伝送内
容は、診断実施時間情報40a、診断種別情報40b、
診断機器情報40c、異常検知情報40d、診断結果情
報40eから構成されている。
【0031】診断実施時間情報40aは、振動診断装置
40が振動診断を実施した年月日時分秒デ−タである。
診断種別情報40bは、統括診断装置1に伝送される診
断結果が振動診断結果であることを示すもので、性能診
断装置50から伝送されてくる診断結果と区別するため
のコ−ド情報である。診断機器情報40cは、伝送した
診断結果が圧縮機11、ガスタ−ビン12、発電機13
または蒸気タ−ビン14のどの機器に関するものである
かを示すコ−ド情報である。異常検知情報40dは、振
動異常を検知した振動診断実施時点での、振幅値、振幅
変化率、周波数スペクトル等の診断異常に関する軸振動
諸量デ−タである。また、診断結果情報40eは、振動
異常に対する診断結果、例えばアンバランス増大、スチ
−ムホワ−ル等を示すコ−ド情報である。
【0032】図1に示すように、統括診断装置1は、デ
−タネットワ−ク伝送装置30に接続されており、性能
診断装置50または振動診断装置40から伝送されてく
る診断結果は、デ−タ受信手段2によって受信され、も
しその診断結果が性能診断結果であれば、統括診断装置
1内の性能診断結果情報記憶部3に格納される。図8は
性能診断結果情報記憶部3に格納される診断結果の態様
を示すもので、蒸気タ−ビン性能診断結果3a、ガスタ
ービン性能診断結果3b、圧縮機性能診断結果3c等が
格納される。また個々の性能診断結果としては、図5に
示した伝送情報の内、診断実施時間情報50a、性能計
算結果情報50d、診断結果情報50eが格納される。
診断結果情報50eは、例えば蒸気タ−ビン性能診断結
果の場合、動翼腐食、動翼侵食、ラビリンス・チップフ
ィンの間隙増大等である。
【0033】図1の診断結果相互判定起動手段5は、受
信した診断結果が振動診断結果である場合に、診断結果
相互判定手段4を起動する。診断結果相互判定手段4
は、振動診断結果と性能診断結果とを相互に参照して、
異常振動の原因をさらに細分化し診断する。診断結果相
互判定手段4で診断された診断結果は、表示処理手段6
で処理され、表示装置7上に表示される。
【0034】図9は、上述した統括診断装置1内の処理
フロ−を示している。同図において、処理ステップ10
1は、受信デ−タの診断種別、即ち性能診断結果か振動
診断結果かを、受信デ−タの診断種別情報から判定す
る。もし、性能診断結果であれば、処理ステップ102
において、性能診断結果記憶部3に受信デ−タを、図8
に示すような態様で格納する。格納後、処理ステップ1
05では、表示処理手段6によって性能診断装置50か
らの性能診断結果を表示装置7上に表示する。受信結果
が振動診断結果であれば、次の処理ステップ103で診
断結果相互判定手段4を起動する。
【0035】処理ステップ104では、受信した振動診
断結果と、性能診断結果記憶部3内の、異常振動が発生
し振動診断の対象になった該当機器の性能診断結果とを
相互に参照し、その性能診断結果を反映した異常振動原
因を診断する。処理ステップ105では、表示処理手段
6によって、処理ステップ104での診断結果を表示装
置7上に表示する。
【0036】上記処理ステップ104において、振動診
断結果と性能診断結果を相互に参照し、異常振動原因を
細分化して診断する方法は、具体的には、図10に示す
ような振動診断結果と性能診断結果とを結びつけるマト
リックスに基づいて行うことができる。
【0037】図10において、例えば振動診断結果がア
ンバランス増大と診断されるような異常振動状況の場合
には、性能診断結果として診断される「動翼腐食」、
「動翼侵食」が、その一原因として考えられること(図
中O印)を示しており、性能診断結果として診断される
「ラビリンスチップフィンの間隙増大」は原因として考
えられないこと(図中×印)を示している。また振動診
断結果が「スチ−ムホワ−ル」の場合には、性能診断結
果として診断される「ラビリンスチップフィンの間隙増
大」が、その一原因として考えられること(図中O印)
を示しており、性能診断結果として診断される「動翼腐
食」、「動翼侵食」は原因として考えられないこと(図
中×印)を示している。従って、振動診断装置40にお
ける振動診断結果が「アンバランス増大」の場合に、性
能診断結果記憶部3に格納されている性能診断結果をチ
ェックし、性能診断結果として「動翼腐食」または「動
翼侵食」があれば、「アンバランス増大」をもたらした
異常振動原因は「動翼腐食」或いは「動翼侵食」と診断
される。逆に性能診断結果として、「動翼腐食」または
「動翼侵食」がない場合、性能診断結果がどうであれ、
その異常振動原因として、図11に示した異常振動FT
Aに基づいて、ロ−タ経年曲がり等であると診断され
る。同様に、振動診断装置40における振動診断結果が
「スチ−ムホワ−ル」の場合には、性能診断結果記憶部
3に格納されている性能診断結果をチェックし、性能診
断結果として「ラビリンスチップフィンの間隙増大」が
あれば、「スチ−ムホワ−ル」をもたらした異常振動原
因は「ラビリンスチップフィンの間隙増大」と診断され
る。逆に性能診断結果として、「ラビリンスチップフィ
ンの間隙増大」がない場合には、性能診断結果がどうで
あれ、その異常振動原因として、図11に示した異常振
動FTAに基づいて「軸受安定性不足」と診断される。
【0038】ここで、図10に例示した振動診断結果と
性能診断結果の相互判定マトリックス、および図11に
例示した異常振動FTAは、診断対象機器の運用者の経
験、あるいは製造者の知識・ノウハウに基づいて予め作
成される。また、前述した一連の処理は、統括診断装置
1内のソフトウエアとして容易に構築することができ
る。
【0039】以上説明した図9の処理フロ−において、
処理ステップ101から103は診断結果相互判定起動
手段5によって行われ、処理ステップ104は診断結果
相互判定手段4によって、また処理ステップ105は表
示処理手段6によって行われる。
【0040】このように、上記実施例では、性能診断装
置50が回転機械の性能劣化を検知して診断を行った場
合、性能診断結果を統括診断装置1に伝送し、それに内
蔵されている性能診断結果記憶部3に格納する。一方、
振動診断装置40が回転機械の異常振動を検知して診断
を行った場合、性能診断結果と同様に統括診断装置1に
伝送する。統括診断装置1は、伝送されてきた診断結果
が振動診断結果の場合には、診断結果相互判定手段4に
よって、受信した振動診断結果と、性能診断結果記憶部
3に格納されている、異常振動が発生し振動診断の対象
になった該当機器の性能診断結果とを相互に参照し、即
ち振動診断結果と性能診断結果とを結びつける相互判定
マトリックスに基づいて性能診断結果を反映した異常振
動原因を診断する。
【0041】上述のように、本発明によれば、性能診断
装置の診断結果情報と振動診断装置の診断結果情報を相
互に参照することによって、異常振動の原因の細分化が
可能となり、診断精度の向上を図ることができる。その
結果、プラントの運転と保守の信頼性の向上に寄与する
ことができる。
【0042】なお、上記実施例では、複合発電プラント
に設置される蒸気タ−ビン、発電機、ガスタ−ビン、圧
縮機等の回転機械を対象とする振動診断装置および性能
診断装置を例にとって説明したが、本発明は他のプラン
ト、例えば製鉄プラントや化学プラント等に設置される
回転機械の振動診断および性能診断に適用可能なことは
言うまでもない。また、本発明は上記実施例以外にも、
異常が性能変化に現れるとともに、振動に現れる他の異
常の原因診断においても同様に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】上述のように、本発明においては、性能
診断装置の診断結果情報と振動診断装置の診断結果情報
を相互に参照して診断を行うため、異常振動の原因の細
分化が可能となり、診断精度の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用される統括診断装置の実施
例を示すブロック図。
【図2】本発明が適用される排熱回収式の複合発電プラ
ントの概略構成を示す系統図。
【図3】本発明による設備診断装置を含むプラントの監
視制御装置の全体構成を示すブロック図。
【図4】本発明における性能診断装置50の構成例を示
すブロック図。
【図5】本発明において使用される性能診断結果の伝送
フォ−マットを例示する説明図。
【図6】本発明における振動診断装置40の構成例を示
すブロック図。
【図7】本発明において使用される振動診断結果の伝送
フォ−マットを例示する説明図。
【図8】本発明において、性能診断結果情報記憶部3に
格納される診断結果の態様を示す説明図。
【図9】本発明装置における統括診断装置1内の処理フ
ロ−を示すフローチャート。
【図10】振動診断結果と性能診断結果とを結びつける
マトリックスを例示する説明図。
【図11】複合発電プラントにおける軸系構成機器の異
常振動FTAを例示する説明図。
【符号の説明】
1…統括診断装置 7…表示装置 11…圧縮機 12…ガスタ−
ビン 13…発電機 14…蒸気タ−
ビン 15…共通軸 18…排熱回収
蒸気発生器 30…データネットワーク伝送装置 40…振動診断
装置 50…性能診断装置 60…蒸気タ−
ビン制御装置 61…ガスタ−ビン制御装置 62…排熱回収
蒸気発生器制御装置 63…補機制御装置 70…統括制御
装置 80…監視操作盤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 性能診断装置からの性能診断結果情報
    と、振動診断装置からの振動診断結果情報を受信し、受
    信した性能診断結果情報を性能診断結果記憶部に格納
    し、受信デ−タが振動診断結果情報であれば診断結果相
    互判定手段を起動させ、前記性能診断結果情報と前記振
    動診断結果情報を参照し、それらの診断結果の結びつき
    の強さの関係を示す相互判定マトリックスをもとに診断
    対象機器の異常原因の診断を行い、診断結果を表示する
    ことを特徴とするプラントの設備診断方法。
  2. 【請求項2】 性能診断装置からの性能診断結果情報
    と、振動診断装置からの振動診断結果情報を受信するデ
    −タ受信手段と;受信した前記性能診断結果情報を格納
    する性能診断結果記憶部と;前記性能診断結果情報と前
    記振動診断結果情報を参照して診断対象機器の異常原因
    の診断を行う診断結果相互判定手段と;受信デ−タが振
    動診断結果情報であれば、前記診断結果相互判定手段を
    起動する診断結果相互判定起動手段と;診断結果を表示
    する表示処理手段と;を備えることを特徴とするプラン
    トの設備診断装置。
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