JPH05342490A - プラント構成機器の保守・診断装置 - Google Patents

プラント構成機器の保守・診断装置

Info

Publication number
JPH05342490A
JPH05342490A JP15258192A JP15258192A JPH05342490A JP H05342490 A JPH05342490 A JP H05342490A JP 15258192 A JP15258192 A JP 15258192A JP 15258192 A JP15258192 A JP 15258192A JP H05342490 A JPH05342490 A JP H05342490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
repair
information
diagnosis
diagnostic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15258192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Oba
裕幸 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15258192A priority Critical patent/JPH05342490A/ja
Publication of JPH05342490A publication Critical patent/JPH05342490A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、診断対象機器の点検・補修結果に対
応した最適な異常検知処理を行うことによって、診断精
度を向上させるプラント構成機器の保守・診断装置を提
供することにある。 【構成】本発明は、プラント等に設置される各構成機器
の保守・診断を行うプラント構成機器の保守・診断装置
において、保守支援装置に入力され,保存された機器の
点検・補修情報を診断装置へ入力するとともに、前記保
守支援装置から入力された点検・補修情報を前記診断装
置の異常検知処理或いは診断処理に使用しているので、
診断対象機器の緻密な監視を行うとともに、前記点検・
補修情報を診断処理にも使用することによって、診断に
際して診断対象機器の点検・補修情報を必要とする診断
装置の診断精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電プラント,製鉄プ
ラント,化学プラント等に設置されるプラント構成機器
の保守業務を支援するとともに、異常が発生した場合の
異常原因を診断するプラント構成機器の保守・診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、発電プラント等では、プラント
構成機器の長寿命化と高信頼度運用等の為に、各構成機
器を対象とした保守支援装置及び異常診断装置の開発と
実用化が進められている。
【0003】保守支援装置は、主として発電プラントの
定検時等、プラントが停止している時の定検に際してプ
ラント構成機器に異常や不具合が発見された場合に、補
修方法等のガイドを提示して保守員の補修作業を支援す
るとともに、長期的な予防保全等の為に点検・補修実績
等の履歴を管理する装置である。
【0004】発電プラントの保守員は、定検時機器に異
常や不具合が発見した場合、異常や不具合の状況等の点
検結果を保守支援装置に入力する。保守支援装置は、入
力された点検状況に対応して、予めデータとして格納さ
れている補修手順をガイダンスとして出力する。保守員
は、出力された補修手順に従って補修を実施し、完了
後、保守支援装置に完了日時等の補修実績を入力する。
【0005】一方、診断装置は主として運転中のプラン
ト構成機器の異常を、運転中の機器のプロセスデータ,
振動センサ,特殊センサ等から検知し異常原因を診断す
る装置であり、火力発電プロセスでは、例えば主タービ
ン,発電機の振動診断装置、タービン補機,ボイラ補機
の振動診断装置、タービン,復水器,給水加熱器,ボイ
ラ等を対象とした性能診断装置、給水加熱器,復水器,
ボイラチューブ及び弁等のリークを診断するリーク診断
装置等が実用化されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発電プラン
トの診断装置の基本的機能として異常検知処理と診断処
理がある。異常検知処理は診断対象とする機器の異常
を、異常が拡大する前に早期に検知するものであり、診
断処理は異常検知処理から起動されて機器の異常原因を
特定するものである。運転員あるいは保守員は、異常原
因が特定されて初めて必要な措置がとれる。
【0007】従って、診断装置としては、最適な異常検
知処理を行なって早期に異常を検知するとともに、異常
原因をより細分化して診断し、その診断精度が高いこと
が要求される。
【0008】例えば、発電プラント設備の定検時に補修
作業を実施した場合を考える。この場合の補修の良し悪
しは補修作業を行う補修作業員の経験・技能等に依存す
るが、最終的にその補修が良ったかどうかは、補修後の
実際の運転で確認されなければならず、機器の補修作業
の為に発電プラントに出入りする多数の補修作業員及び
補修作業員を管理する発電プラントの保守員とプラント
を運転する運転員とは、補修作業結果等について密接な
情報交換を行う必要がある。
【0009】しかしながら、大規模システムの代表とも
いえる発電プラントでは、その構成機器はかなりの数に
達し、部品まで考えれば膨大な数に達する為、ややもす
ると、情報のやり取りが手薄になる可能性が高いことか
ら、補修後の実際の運転での該当機器の緻密な監視とい
う観点から問題が発生する可能性があり、全ての処理を
人間系で行うにも問題があった。また、診断装置で行う
にしても従来の診断装置では、診断対象機器の点検・補
修結果を考慮した最適な異常検知処理を行うという技術
思想も手段もなかった。この結果、機器の補修がかえっ
てトラブルの起因となる二次トラブルを防止する上でも
障害となっていた。
【0010】さらに、診断装置の診断処理に際して、異
常原因の細分化の為に診断対象機器の点検・補修情報を
必要とする場合があるが、このような情報は機器の補修
作業に応じて変化するものであり、また多数の機器を診
断対象とする診断装置に対して適宜、情報として与える
事は、対象となるデータが広範囲に及ぶ為、必要なデー
タをどうやって収集し、診断装置へ入力するか等、実際
的な運用面と技術的な面で非常な困難を伴っていた。こ
のような困難のため、結果として診断装置の診断精度の
低下をもたらしていた。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は診断対象機器の点検・補修結果に対応し
た最適な異常検知処理を行うことによって、診断精度を
向上させるプラント構成機器の保守・診断装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はプラント等に設置される各構成機器の保守
・診断を行うプラント構成機器の保守・診断装置におい
て、保守支援装置に入力され,保存された機器の点検・
補修情報を診断装置へ入力するとともに、前記保守支援
装置から入力された点検・補修情報を前記診断装置の異
常検知処理或いは診断処理に使用することを特徴とす
る。
【0013】
【作用】保守支援装置より診断対象機器の点検・補修情
報を診断装置へ入力し、この点検・補修情報を診断装置
側の異常検知に使用し、診断対象機器の点検・補修結果
に応じた最適な異常検知処理を行なうことによって、診
断対象機器の緻密な監視を行うとともに、前記点検・補
修情報を診断処理にも使用することによって、診断に際
して診断対象機器の点検・補修情報を必要とする診断装
置の診断精度を向上させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。まず、本発明が適用される例として火力発電プラン
トを図15の系統構成図を参照して説明する。
【0015】同図に示すように、主タービン39及び発
電機40の主機を中心として、タービン系補機としてボ
イラに給水を送る為の給水ポンプ41、復水器より復水
をくみ出す復水ポンプ42、復水の昇圧を行う復水昇圧
ポンプ43、復水器に冷却水を供給する循環水ポンプ4
4等、またボイラ系補機としてボイラに燃焼用空気を送
り込む押込み通風機45、ボイラ排ガス中のNOx低減
を目的として燃焼用空気に不活性ガスとしてボイラ出口
の排ガスを燃焼用空気量の数10%程度混合させる為の
排ガス混合通風機46、燃焼ガスを吸出し煙突から排出
させる誘引通風機47等多数の回転機械が設置されてい
る。図4は、本発明のプラント構成機器の保守・診断装
置全体を示すブロック構成図である。
【0016】同図において、33は保守支援装置、34
はユニット制御用計算機装置、35はデータネットワー
ク装置、36は補機振動診断装置、37は主タービン・
発電機振動診断装置、38は制御装置である。ここで、
ユニット制御用計算機装置34は蒸気タービン,発電
機,復水器,給水加熱器,ボイラ等のプラント構成機器
を制御する制御装置38,…を統括制御する装置であ
る。また、ユニット制御用計算機装置34、補機振動診
断装置36、主タービン・発電機振動診断装置37およ
び制御装置38等は、共に共通のデータネットワーク装
置35に接続されている。
【0017】そこで、前述のボイラ系補機、タービン系
補機等の回転機械の振動診断装置において、まず、保守
支援装置33からの点検・補修情報を補機振動診断装置
36の異常検知処理に使用する例ついて説明し、次に、
保守支援装置33からの点検・補修情報を主タービン・
発電機振動診断装置37の診断処理に使用する例につい
て説明する。
【0018】図1は本発明に係る保守支援装置33の構
成図であり、同図に示すように、保守支援装置33は、
点検・補修情報記憶部1、保守支援情報記憶部2、点検
・補修情報送信手段3、点検・補修情報入力手段4、保
守支援判断手段5および表示制御手段6から構成されて
いる。7は表示入力装置である。次に、保守支援装置3
3の各構成要素について説明する。
【0019】点検・補修情報入力手段4は、図5に示す
ように選択された機器に対して各点検部位,点検内容を
示すとともに、点検チェック結果、補修実績の入力欄を
有する点検チェックリスト(図5は給水ポンプの例を示
す)を表示制御手段6を介して表示入力装置7に表示
し、さらに定検時等の定検チェック結果及び補修実績が
前記点検チェックリストの点検チェック結果、補修実績
の入力欄に入力されたら入力された点検チェック結果及
び補修実績を図6に示す様な態様で、点検・補修情報記
憶部1に格納する。
【0020】すなわち、点検・補修情報記憶部1は、図
6に示すように主タービン点検情報,発電機点検情報,
給水ポンプ点検情報,復水昇圧ポンプ点検情報,復水ポ
ンプ点検情報,循環水ポンプ点検情報等のタービン系機
器点検情報、ボイラ点検情報,押込み通風機点検情報,
ガス混合通風機点検情報,誘引通風機点検情報等のボイ
ラ系機器点検情報が格納されている。さらに個々の機器
点検情報は、例えば給水ポンプ点検情報として、 回転体ハネ車点検チェック結果情報 回転体ハネ車補修実績情報 …… スラスト軸受 スラストディスクと主軸のはめ合い点検
チェック結果情報 スラスト軸受 スラストディスクと主軸のはめ合い補修
実績情報 …… ラジアル軸受 軸受メタル点検チェック結果情報 ラジアル軸受 軸受メタル補修実績情報 …… の如く、図5に示した点検チェックリストの各定検部位
・点検内容に順じて構成されている。
【0021】ここで、前記点検チェックリストで指定さ
れた点検部位及び点検内容に従って、機器の点検を実施
した時、該当機器の点検部位に不具合が発見されたら、
プラント保守員は点検チェックリストの点検チェック結
果欄に「1」を入力する、逆に異常がなければ「0」を
入力する。
【0022】保守支援情報記憶部2は、図7に示すよう
に主タービン補修手順,発電機補修手順,給水ポンプ補
修手順,復水昇圧ポンプ補修手順,復水ポンプ補修手
順,循環水ポンプ補修手順等のタービン系機器補修手
順、ボイラ補修手順,押込み通風機補修手順,排ガス混
合通風機補修手順,誘引通風機補修手順等のボイラ系機
器補修手順が格納されている。さらに個々の機器補修手
順は、例えば給水ポンプ補修手順として、 回転体 ハネ車補修手順 …… スラスト軸受 スラストディスクと主軸のはめ合い補修
手順 …… ラジアル軸受 軸受メタル補修手順 …… の如く、図5に示した点検チェックリストの各定検部位
・点検内容に順じて構成されている。
【0023】各補修手順の詳細な具体的内容の例示は略
するが、前記保守支援情報記憶部2内の各機器の補修手
順は、機器製作メーカの補修基準・経験、プラントを購
入したユーザ側の補修基準・経験等を総合してまとめ、
保守支援情報記憶部2に保存することで容易に構成でき
る。
【0024】保守支援判断手段5は、点検チェックリス
トの各定検部位・点検内容に対して、該当機器の点検を
行った結果、不具合が発見され点検チェック結果欄に
「1」が入力された場合、保守支援情報記憶部2に格納
された該当機器の不具合に対応する補修手順の保守支援
情報を表示制御手段6を介して表示入力装置7に表示す
る。
【0025】表示された補修手順に従ってプラント保守
員は該当機器の不具合点を補修し、補修が完了したら、
前述したように点検チェックリストの補修実績欄に補修
実績として補修年月日を入力する。入力された補修実績
は、点検・補修情報入力手段4によって点検・補修情報
記憶部1に格納する。即ち、点検チェックリストの点検
チェック結果欄に入力された「1」もしくは「0」のデ
ータは、図6に示す点検・補修情報記憶部1の対応する
機器の点検情報内の点検チェック結果情報として格納さ
れ、補修実積としての補修年月日は、前記点検チェック
結果情報と同様、点検・補修情報記憶部1の対応する機
器の点検情報内の補修実績情報として格納される。
【0026】点検・補修情報記憶部1内の点検・補修情
報は、点検・補修情報送信手段3によって、ユニット制
御用計算機装置34を経由して、データネットワーク装
置35を介して補機振動診断装置36及び主タービン・
発電機振動診断装置37に伝送される。
【0027】ところで、補機振動診断装置36は、給水
ポンプ41,復水ポンプ42,復水昇圧ポンプ43,循
環水ポンプ44等のタービン系補機および押込み通風機
45,排ガス混合通風機46,誘引通風機47等のボイ
ラ系補機を診断対象とするものであり、前記の各機器毎
に診断装置を設置することは、設置効率とコスト面から
の兼ね合いの観点から無理を伴うため1つの装置として
構成されるが、さらに1つの装置として実現可能な処理
負荷及び処理速度等の技術的観点から半連続的に、すな
わち周期的に診断対象機器を切り替えながら異常検知処
理を行っていくものである。
【0028】したがって、補機振動診断装置36は、給
水ポンプ41,復水ポンプ42,復水昇圧ポンプ43,
循環水ポンプ44等のタービン系補機および押込み通風
機45,排ガス混合通風機46,誘引通風機47等のボ
イラ系補機の各診断対象機器に図示しない振動センサを
設置するとともに、各診断対象機器からの振動信号は、
増幅器(図示せず)で増幅した後、周波数分析装置(図
示せず)に信号切り替え器(図示せず)で順次診断対象
機器の振動信号が切り替えて入力し、その後前記周波数
分析装置による周波数分析結果に基づいて、予め設定さ
れたしきい値との比較判定から異常検知を行うものであ
る。異常検知に使用するパラメータとしては、振動信号
の周波数スペクトルのピーク値、積分値、オーバオール
等を使用した種々の方法が考えられる。
【0029】図2は補機振動診断装置36の構成図を示
したもので、同図に示すように、補機振動診断装置36
は、プロセスデータ収集手段8と,異常診断総括手段9
と,周波数分析装置制御手段10と,収集データ記憶部
11と,データ処理手段12と,異常診断手段13と、
点検・補修情報受信手段14と、点検・補修情報記憶部
15と、診断スケジュール作成手段16と、診断スケジ
ュールデータ記憶部17と、異常診断用しきい値記憶部
18とから構成されている。
【0030】ところで、プロセスデータ収集手段8は診
断対象機器の回転数等診断に使用するプロセスデータを
一定周期で収集して収集データ記憶部11に格納する。
また、周波数分析装置制御手段10は信号切り替え器及
び周波数分析装置を制御するとともに、振動信号の周波
数分析装置による周波数分析結果20を受信データとし
て受信伝送処理をして、収集データ記憶部11に格納す
る。さらに、データ処理手段12は収集データ記憶部1
1に格納された周波数分析結果をもとに、診断対象機器
の異常の判定を行う為に必要なパラメータ、例えば周波
数スペクトルのピーク値、積分値、オーバオール等を求
める。
【0031】一方、異常診断手段13は、データ処理手
段12で求めた周波数スペクトルのピーク値、積分値、
オーバオール等が異常診断用しきい値記憶部18に格納
されているしきい値より大きい場合に診断対象機器に何
らかの異常が発生したと判定する手段である。この異常
診断手段13において、診断対象機器の異常が判定され
た場合には、外部へ警報21を出力する。
【0032】ここで、異常診断総括手段9は周波数分析
装置制御手段10並びにデータ処理手段12、異常診断
手段13の一連の異常検知に関わる各手段の起動を、診
断スケジュールデータ記憶部17内の診断スケジュール
データを参照して総括処理する。
【0033】さらに、点検・補修情報受信手段14は、
ユニット制御用計算機装置34、データネットワーク装
置35を介して保守支援装置33から送信された点検・
補修情報を受信し、受信した点検・補修情報を図6に示
した保守支援装置33内の点検・保守情報記憶部1と同
様の態様で点検・補修情報記憶部15に格納する手段で
ある。この点検・補修情報受信手段14は、保守支援装
置33から受信した点検・補修情報を点検・保守情報記
憶部15に格納すると、異常診断総括手段9が使用する
診断スケジュールデータを作成する診断スケジュール作
成手段16を起動する。
【0034】診断スケジュールデータは、診断対象機器
の異常検知処理の順番を規定するもので、診断スケジュ
ール作成手段16により「点検時に不具合が発見され、
補修を実施した機器」を他の診断機器に対して優先度を
持たせるように診断スケジュールデータを作成する。
【0035】図8は、各診断対象機器間に何も異常検知
処理の優先順位が無い場合の標準スケジュールを示した
ものであり、異常検知処理は一定期間ΔTで行う。即
ち、振動信号の周波数分析(周波数分析装置制御手段1
0)、周波数分析結果から周波数スペクトルのピーク
値、積分値、オーバオール等を求める(データ処理手段
12)。求めた周波数スペクトルのピーク値、積分値、
オーバオール等と予め設定されたしきい値との比較から
異常判定を行う(異常診断手段13)。このような異常
検知に関わる各処理を一定周期ΔTで給水ポンプ41、
復水昇圧ポンプ43、復水ポンプ42、循環水ポンプ4
4、押込み通風機45、排ガス混合通風機46、誘引通
風機47、……と切り替えながら順番に行っていく。図
10は診断スケジュール作成手段16の処理フローを示
したものである。
【0036】診断対象機器の異常検知処理優先度の付け
方は色々考えられるが、本実施例では、給水ポンプ4
1、復水昇圧ポンプ43、復水ポンプ42、循環水ポン
プ44、押込み通風機45、排ガス混合通風機46、誘
引通風機47、……と全診断対象機器の標準スケジュー
ルの異常検知処理の終了後、標準スケジュールでは再度
最初の給水ポンプ41に戻って同様の異常検知処理を実
行することになるが、この段階で点検時不具合が発見さ
れ、補修を実施した機器の異常検知処理を追加する事で
即ち結果として該当機器の異常検知処理数を増加する
(その機器に注目した場合、異常検知周期が短くなる)
ことで、異常検知処理優先度を上げる。図9は、図8の
標準診断スケジュールに対応して異常検知処理優先機器
スケジュールが追加されたスケジュールを示したもので
ある。図10において、処理ステップ101では、点検
・補修情報記憶部15内の各診断対象機器の点検チェッ
ク結果情報・補修実績情報をチェックする。即ち、例え
ば給水ポンプ点検情報を例にとると、 「回転体ハネ車点検チェック結果情報」 「回転体ハネ車補修実績情報」 「スラスト軸受 スラストディスクと主軸のはめ合い点
検チェック結果情報」 「スラスト軸受 スラストディスクと主軸のはめ合い補
修実績情報」 「ラジアル軸受 軸受メタル点検チェック結果情報」 「ラジアル軸受 軸受メタル補修実績情報」 の各点検チェック結果情報に、まず「1」が設定されて
いるものがないかチェックする。
【0037】処理ステップ102では、点検時、不具合
が発見され、補修を実施したかを処理ステップ101で
のチェック結果で判定し、即ち「点検チェック結果情
報」に「1」が設定されているものがあった場合、処理
を次の処理ステップ103に移り、「点検チェック結果
情報」に「1」が設定されているものがなかった場合、
処理ステップ106に処理を移す。
【0038】処理ステップ103では、点検チェック結
果情報に「1」が設定されているものについて、該当す
る補修実績情報(補修年月日)が、保守支援装置33か
ら点検・補修情報を受信した時点を起点として、過去一
定期間Tp内のものであるかどうかをチェックする(こ
れは、もう問題のない事が明らかな過去の補修履歴を除
外する為である)。
【0039】処理ステップ104では、点検時、不具合
が発見され、補修を実施したものについて、保守支援装
置33から点検・補修情報を受信した時点を起点とし
て、過去一定期間Tp内のものであるかどうかを処理ス
テップ103でのチェック結果で判定し、該当する補修
が過去一定期間Tp内のものであるならば、処理を処理
ステップ105に移し、該当する補修が過去一定期間T
p内のものであるならば、処理を処理ステップ106に
移す。
【0040】処理ステップ105では、診断スケジュー
ルデータ記憶部17内の診断スケジュールデータに点検
時不具合が発見され、保守支援装置33から点検・補修
情報を受信した時点を起点として、過去一定期間Tp内
に補修を実施した該当診断対象機器を異常検知処理優先
機器として追加する。すなわち、診断スケジュールデー
タ記憶部17に図11に示すような態様で全診断対象機
器の標準スケジュールデータの次の異常検知処理優先機
器スケジュールデータに該当機器を追加格納する。
【0041】ここで、診断スケジュールデータ記憶部1
7では、診断対象機器を番号でコード化している。図1
1の例では、給水ポンプ…1、復水昇圧ポンプ…2、復
水ポンプ…3、……等のようにコード化している。従っ
て、例えば、処理ステップ102で循環水ポンプの「点
検チェック結果情報」に「1」が設定されているものが
あり、処理ステップ104で該当する「補修実績情報」
が保守支援装置33から点検・補修情報を受信した時点
を起点として、過去一定期間Tp内のものであるなら
ば、異常検知処理優先機器スケジュールデータとして循
環水ポンプのコード「4」が追加される。診断スケジュ
ールデータ記憶部17に異常検知処理優先機器スケジュ
ールデータを追加格納後、処理は処理ステップ106に
移される。
【0042】処理ステップ106では、点検・補修情報
記憶部15内の点検・補修情報のチェック機器を次の診
断対象機器に移すか、全診断対象機器のチェックが完了
した場合は、診断スケジュール作成手段16の処理を終
了する。図12は、異常診断統括手段9の処理フローを
示したものである。処理ステップ201では、診断スケ
ジュールデータ記憶部17より異常検知処理対象機器デ
ータをコードデータとして読み込む。
【0043】処理ステップ202では、診断スケジュー
ルデータに対応する異常検知処理機器を対象として、周
波数分析装置制御手段10を起動する。即ち、周波数分
析装置制御手段10では、診断スケジュールデータ記憶
部17内の異常検知処理機器データに従って、該当機器
を対象として信号切り替え器を切り替え、振動信号を周
波数分析装置に入力するとともに、周波数分析装置を制
御して周波数分析を行なわせ、その周波数分析結果20
を受信データとして受信伝送処理をして収集データ記憶
部11に格納する。処理ステップ203で、データ処理
手段12を起動する。処理ステップ204で、異常診断
手段13を起動する。
【0044】処理ステップ205では、以上の異常検知
処理が、診断スケジュールデータの最後の異常検知処理
機器に対応するものかどうか判定する。最後の異常検知
処理機器ならば、処理ステップ206に処理を移し、最
後の異常検知処理機器でないならば、処理を処理ステッ
プ201に移す。
【0045】処理ステップ206では、保守支援装置3
3からの点検・補修情報の受信時点より、一定期間Tf
経過したかを判定する。(これは、診断機器の点検・補
修後、再度プラントの運転を再開し、一定期間Tf経過
した後は、該当補修には問題がないと考えて良いので、
これ以後は診断対象機器を広く監視する必要がある為、
後述するように診断スケジュールデータの内、異常検知
処理優先機器スケジュールデータをクリアする為であ
る。)判定の結果、一定期間Tf経過していれば、処理
ステップ208に処理を移し、一定期間Tf経過してい
ない場合は処理ステップ207に処理を移す。
【0046】処理ステップ208では、処理ステップ2
06で、保守支援装置33からの点検・補修情報の受信
時点より、一定期間Tf経過していると判定されている
ので、診断スケジュールデータ記憶部17に格納された
診断スケジュールデータの内、異常検知処理優先機器ス
ケジュールデータをクリアし、処理ステップ207に処
理を移す。処理ステップ207では、診断スケジュール
データ記憶部17内の診断スケジュールデータの読み込
みポインタを先頭にする。次に、再度処理ステップ20
1に戻り、診断スケジュールデータ記憶部17より、異
常検知処理機器データを読み込み、処理を繰り返す。以
上が異常診断統括手段9の処理フローである。次に、本
実施例の作用について説明する。
【0047】本実施例は、発電プラント等に設置される
プラント構成機器の異常検知あるいは異常が発生した場
合の異常原因を診断する発電プラントの保守・診断装置
に係わるものであり、保守支援装置33をユニット制御
用計算機装置34を介して、データネットワーク装置3
5によって補機振動診断装置36と接続している。
【0048】保守支援装置33は、選択された機器に対
して点検チェックリストを表示する。点検チェックリス
トは、選択された機器に対して各点検部位、点検内容を
示すとともに、点検チェック結果、補修実績の入力欄を
有する。プラント保守員は表示された点検部位、点検内
容に従って各機器の点検を行う。
【0049】点検の結果、機器に不具合が発見された場
合、プラント保守員は前記点検チェックリストの点検チ
ェック結果欄に入力する。保守支援装置33は、この入
力を受けると、予め保守支援装置33内に格納している
各機器の不具合に対応した補修手順を表示する。この補
修手順に従って補修を実施し、完了すると、点検チェッ
クリストの補修実績欄に補修年月日を補修実績として入
力する。
【0050】前述の点検チェック結果及び補修実績デー
タは、保守支援装置33内に点検・補修情報として格納
されるとともに、点検・補修情報送信手段3によって補
機振動診断装置36へ伝送される。
【0051】補機振動診断装置36は、保守支援装置3
3から前記点検・補修情報を受信すると、点検・補修情
報を点検・補修情報記憶部15に格納するとともに、診
断スケジュール作成手段16によって診断スケジュール
データを作成する。
【0052】診断スケジュールデータは、診断対象機器
の異常検知処理の順番を規定するもので、診断スケジュ
ール作成手段16は、「点検時に不具合が発見され、補
修を実施した機器」で「点検・補修情報を補機振動診断
装置36が受信した時点を基点にして過去一定期間Tp
内に補修を実施した機器」を、点検・補修情報の点検チ
ェック結果情報及び補修実績情報から判断し、他の診断
機器に対して優先度を持たせるように診断スケジュール
データを作成する。即ち、「点検時に不具合が発見さ
れ、点検・補修情報を補機振動診断装置36が受信した
時点を基点にして過去一定期間Tp内に補修を実施した
機器」を異常検知処理優先機器として、標準スケジュー
ルの次に異常検知処理優先機器として追加する。
【0053】ここで、補機振動診断装置36の異常検知
処理は、給水ポンプ41、復水昇圧ポンプ43、復水ポ
ンプ42、循環水ポンプ44、押込み通風機45、排ガ
ス混合通風機46、誘引送風機47、……と全診断対象
機器の標準スケジュールの異常検知処理を終了後、次の
段階で点検時不具合が発見され、補修を実施した機器の
異常検知処理を行う。
【0054】以上説明したように、本実施例によると、
発電プラントの保守・診断装置において、保守支援装置
33に入力し格納された点検・保守情報を補機振動診断
装置36に入力し、補機振動診断装置36側では前記点
検・補修情報を異常検知処理の優先度付けに使用し、
「点検時に不具合が発見され、補修を実施した機器」で
「点検・補修情報を補機振動診断装置36が受信した時
点を基点にして過去一定期間Tp内に補修を実施した機
器」は優先度を上げて異常検知処理を行うので、定検時
に補修作業を実施した場合、その補修の良し悪しの判定
が実際の運転時に自動的に緻密な異常検知処理を行う事
で可能となり、補修に伴う二次トラブルの早期防止等が
可能となった。
【0055】図3は、本発明の第2実施例の主タービン
・発電機振動診断装置37の構成図である。なお、主タ
ービン・発電機振動診断装置については、例えば、桧佐
他、「大型蒸気タービン軸振動診断システム」、火力原
子力発電、第38巻第12号(1987−12)、p1
389〜1398等に紹介されている。
【0056】以下においては、本発明を上記文献で示さ
れたような主タービン・発電機振動診断装置に適用し、
保守支援装置から入力される点検・補修情報を診断処理
に使用する例について説明する。
【0057】第3図に示すように、主タービン・発電機
振動診断装置37は、プロセスデータ収集手段22と,
振動データ収集手段23と,データ記憶部24と,デー
タ処理手段25と,異常検知手段26と,診断処理手段
27と,異常検知用しきい値記憶部28と,点検・補修
情報受信手段29と,点検・補修情報記憶部30とから
構成されている。
【0058】点検・補修情報受信手段29はユニット制
御用計算機装置34、データネットワーク装置35を介
して保守支援装置33から点検・補修情報を受信する手
段であり、受信した点検・補修情報を図6に示した保守
支援装置33内の点検・保守情報記憶部1と同様の態様
で点検・補修情報記憶部30に格納する。主タービン3
9の点検情報の例を示したものが図13であり、ここで
の点検情報は、軸受点検情報、カップリング点検情報、
パッキング点検情報、ロータアライメント点検情報、…
…等で構成されている。
【0059】プロセスデータ収集手段22は主タービン
・発電機振動診断において使用するプロセスデータ31
を一定周期で収集するプロセスデータ収集手段であり、
収集するプロセスデータ31としては、復水器真空度、
排気室温度、軸受給油圧力、軸受給油温度等がある。収
集したプロセスデータは収集データ記憶部24に格納す
る。
【0060】振動データ収集手段23は主タービン3
9,発電機40の各軸受(図示せず)に設置された振動
センサ(図示せず)からの振動データ32を収集する手
段であり、収集した振動データは、前記プロセスデータ
収集と同様に収集データ記憶部24に格納する。
【0061】データ処理手段25は収集データ記憶部2
4に格納された振動データを基に振動診断に必要な振
幅、位相、振幅変化率、周波数スペクトル等の軸振動諸
量データを求める手段である。
【0062】異常検知手段26は前記データ処理手段で
求めた軸振動諸量データを基に異常検知用しきい値記憶
部28内に格納された異常検知しきい値との比較判定か
ら、主タービン39,発電機40の軸振動異常の有無を
検出する手段である。例えば、振幅値を異常検知パラメ
ータとして、しきい値と比較するといった方法が取られ
る。
【0063】診断処理手段27は前記異常検知手段26
で主タービン39,発電機40の軸振動異常が検知され
ると起動され、軸振動諸量データ、プラントプロセスデ
ータ、点検・補修情報記憶部30に格納された点検・補
修情報から軸振動異常の原因を特定する手段である。図
14は、診断処理手段27の診断ロジックの概要を示し
たものである。
【0064】診断処理手段27は、異常検知手段26に
よって軸振動異常が検知されると、振動の周波数スペク
トルを基に異常振動をアンバランス振動、不安定振動・
分数調波振動、高調波振動に分類するとともに(第1
層)、さらに復水器真空度、排気室温度、軸受給油圧
力、軸受給油温度等の関連プロセスデータ等と振動変化
の相関を判定し(第2層)、次に影響係数法によるアン
バランス位置計算、軸系の自励振動を対象とした安定判
別等の確認計算を行うことによって、軸振動異常原因を
大まかに特定する。
【0065】さらに、この診断処理手段27は、保守支
援装置33から、ユニット制御用計算機装置34、デー
タネットワーク装置35を経て伝送入力され、点検・補
修情報受信手段29によって点検・補修情報記憶部30
に格納された点検・補修情報を異常原因の細分化に使用
する。すなわち、例えば、振動の周波数スペクトルの分
析、運転状態値との相関確認、各種確認計算を経て、大
まかに「カップリング異常」と診断された異常原因は、
定検後の起動及び負荷運転で振動異常になった場合、図
13に示した主タービン点検情報のカップリング点検情
報(カップリング振れ、結合記録)を参照し、定検時ロ
ータ再結合を実施していれば、系統ショック他による
「カップリングのずれ」の推定原因と区別して「定検時
のカップリング結合不良」とより細分化して診断する。
【0066】同様に、例えば、「ラビング」と大まかに
診断された異常原因は、パッキング点検情報(パッキン
グ軸方向・径方向間隙記録)を参照して、パッキング間
隙が厳しい場合は、「グランド蒸気温度変化によるラビ
ング」他の推定原因と区分して、「パッキング間隙小に
よるラビング」とより細分化して診断する。
【0067】また、例えば、「オイルホイップ」と大ま
かに診断された異常原因は、軸受点検情報(軸受間隙、
球面間隙記録)を参照して、軸受間隙大もしくは球面間
隙大と判断されれば、「給油温度低によるオイルホイッ
プ」他の推定原因と区別して「軸受間隙大によるオイル
ホイップ」もしくは「球面間隙大によるオイルホイッ
プ」とより細分化して診断する。次に、本実施例の作用
について説明する。
【0068】主タービン・発電機振動診断装置37は保
守支援装置33から点検・補修情報を受信し、受信した
点検・補修情報を点検・補修情報記憶部30に格納す
る。また、主タービン・発電機振動診断において使用す
るプロセスデータ31を一定周期で収集するとともに、
主タービン・発電機の各軸受に設置された振動センサか
らの振動データ32を収集し、収集データ記憶部24に
格納する。データ処理手段25によって、前記収集デー
タ記憶部24に格納された振動データを基に振動診断に
必要な振幅、位相、振幅変化率、周波数スペクトル等の
軸振動諸量データを求める。
【0069】次に、前記データ処理手段25で求めた軸
振動諸量データを基に異常検知用しきい値記憶部28内
に格納された異常検知しきい値との比較判定から、主タ
ービン39,発電機40の軸振動異常の有無を検出し、
軸振動異常が検知されれば、軸振動異常を診断する診断
処理手段27を起動する。
【0070】診断処理手段27は、軸振動の周波数スペ
クトルを基に異常振動をアンバランス振動、不安定振動
・分数調波振動、高調波振動に分類するとともに(第1
層)、さらに軸振動に影響を及ぼす関連プロセスデータ
等と振動変化の相関を判定し(第2層)、次に影響係数
法によるアンバランス位置計算、軸系の自励振動を対象
とした安定判別等の確認計算を行うことによって軸振動
異常原因を大まかに特定する。
【0071】さらに、前記診断処理手段27は、点検・
補修情報を異常原因の細分化に使用する。例えば、振動
の周波数スペクトルの分析、運転状態値との相関確認、
各種確認計算を経て、大まかに「カップリング異常」と
診断された異常原因は、定検後の起動及び負荷運転で振
動異常になった場合、図13に示した主タービン点検情
報のカップリング点検情報(カップリング振れ、結合記
録)を参照し、定検時ロータ再結合を実施していれば、
系統ショック他による「カップリングのずれ」の推定原
因と区別して「定検時のカップリング結合不良」とより
細分化して診断する。
【0072】同様に、例えば、「ラビング」と大まかに
診断された異常原因は、パッキング点検情報(パッキン
グ軸方向・径方向間隙記録)を参照して、パッキング間
隙が厳しい場合は、「グランド蒸気温度変化によるラビ
ング」他の推定原因と区分して、「パッキング間隙小に
よるラビング」とより細分化して診断する。さらに、例
えば、「オイルホイップ」と大まかに診断された異常原
因は、軸受点検情報(軸受間隙、球面間隙記録)を参照
して、軸受間隙大もしくは球面間隙大と判断されれば、
「給油温度低によるオイルホイップ」他の推定原因と区
別して「軸受間隙大によるオイルホイップ」もしくは
「球面間隙大によるオイルホイップ」とより細分化して
診断する。
【0073】以上説明したように、本実施例によると、
発電プラントの保守・診断装置において、保守支援装置
33に入力し格納された点検・保守情報を主タービン・
発電機振動診断装置37に入力し、主タービン・発電機
振動診断装置37側では前記点検・補修情報を診断処理
に使用する為、以下の如く異常原因の細分化がオンライ
ンで自動的に可能となった。
【0074】例えば、振動の周波数スペクトルの分析、
運転状態値との相関確認、各種確認計算を経て、大まか
に「カップリング異常」と診断された異常原因は、定検
後の起動及び負荷運転で振動異常になった場合、図13
に示した主タービン点検情報のカップリング点検情報
(カップリング振れ、結合記録)を参照し、定検時ロー
タ再結合を実施していれば、系統ショック他による「カ
ップリングのずれ」の推定原因と区別して「定検時のカ
ップリング結合不良」とより細分化して診断する。
【0075】同様に、例えば、「ラビング」と大まかに
診断された異常原因は、パッキング点検情報(パッキン
グ軸方向・径方向間隙記録)を参照して、パッキング間
隙が厳しい場合は、「グランド蒸気温度変化によるラビ
ング」他の推定原因と区分して、「パッキング間隙小に
よるラビング」とより細分化して診断する。
【0076】さらに、例えば、「オイルホイップ」と大
まかに診断された異常原因は、軸受点検情報(軸受間
隙、球面間隙記録)を参照して、軸受間隙大もしくは球
面間隙大と判断されれば、「給油温度低によるオイルホ
イップ」他の推定原因と区別して「軸受間隙大によるオ
イルホイップ」もしくは「球面間隙大によるオイルホイ
ップ」とより細分化して診断する。
【0077】また、保守支援装置33に入力し格納され
た点検・補修情報を補機振動診断装置36に入力し、補
機振動診断装置36側では点検・補修情報を異常検知処
理の優先度付けに使用し、「点検時に不具合が発見さ
れ、補修を実施した機器」は優先度を上げて異常検知処
理を行うので、定検時に補修作業を実施した場合、その
補修の良し悪しの判定が実際の運転時に自動的に緻密な
監視を行う事で可能となり、補修に伴う二次トラブルの
早期防止等も可能となった。
【0078】さらに、保守支援装置33に入力し格納さ
れた点検・保守情報を主タービン・発電機振動診断装置
38に入力し、この主タービン・発電機振動診断装置3
8側では前記点検・補修情報内の軸受点検情報、カップ
リング点検情報、パッキング点検情報等を診断処理に使
用する為、オンラインで「カップリング異常」、「ラビ
ング」、「オイルホイップ」等に関する異常原因の細分
化が可能となった。
【0079】最後に、本発明で提示した技術思想は、現
在実用化が進められている火力発電プラントの主タービ
ン・発電機振動診断装置、タービン・ボイラ補機振動診
断装置、タービン・復水器・給水加熱器・ボイラ等を対
象とした性能診断装置、給水加熱器・復水器・ボイラチ
ューブ及び弁等のリークを診断するリーク診断装置等に
適用が可能であるが、いうまでもなくその適用は原子力
発電プラント、複合サイクル発電プラント、地熱発電プ
ラント等の他方式の発電プラント、さらに、製鉄所プラ
ント、化学プラント等の保守支援装置・診断装置全般に
適用が可能である。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば発
電プラント等に設置される各構成機器の保守・診断を行
う保守・診断装置において、保守支援装置に入力され、
保存された点検・補修情報を、診断装置へ入力するとと
もに診断装置側では前記保守支援装置から入力された点
検・補修情報を診断装置の異常検知処理或いは診断処理
に使用するため、診断対象機器の緻密な監視あるいは診
断精度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保守支援装置の構成図。
【図2】本発明に係る補機振動診断装置の構成図。
【図3】本発明に係る主タービン・発電機診断装置の構
成図。
【図4】本発明の保守・診断装置の全体構成図。
【図5】本発明に係る保守支援装置から出力される点検
チェックリストの1例を示す図。
【図6】本発明に係る点検・補修情報記憶部の記憶内容
の1例を示す図。
【図7】本発明に係る保守支援情報記憶部の記憶内容の
1例を示す図。
【図8】本発明に係る補機振動診断装置の標準診断スケ
ジュールを示す図。
【図9】本発明に係る補機振動診断装置の標準診断スケ
ジュールに異常検知処理優先機器スケジュールが追加さ
れたスケジュールを示す図。
【図10】本発明の係る診断スケジュール作成手段の処
理フロー図。
【図11】本発明に係る診断スケジュールの手順を示す
図。
【図12】本発明に係る異常診断統括手段の処理フロー
図。
【図13】本発明に係る主タービン点検情報を示す図。
【図14】本発明に係る点検・補修情報を使用した主タ
ービン・発電機診断ロジックの概要図。
【図15】火力発電プラントの概要構成図。
【符号の説明】
33…保守支援装置、34…ユニット制御用計算機装
置、35…データネットワーク装置、36…補機振動診
断装置、37…主タービン・発電機振動診断装置、38
…制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラント等に設置される各構成機器の保
    守・診断を行うプラント構成機器の保守・診断装置にお
    いて、保守支援装置に入力され,保存された機器の点検
    ・補修情報を診断装置へ入力するとともに、前記保守支
    援装置から入力された点検・補修情報を前記診断装置の
    異常検知処理或いは診断処理に使用することを特徴とす
    るプラント構成機器の保守・診断装置。
JP15258192A 1992-06-12 1992-06-12 プラント構成機器の保守・診断装置 Pending JPH05342490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15258192A JPH05342490A (ja) 1992-06-12 1992-06-12 プラント構成機器の保守・診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15258192A JPH05342490A (ja) 1992-06-12 1992-06-12 プラント構成機器の保守・診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05342490A true JPH05342490A (ja) 1993-12-24

Family

ID=15543598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15258192A Pending JPH05342490A (ja) 1992-06-12 1992-06-12 プラント構成機器の保守・診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05342490A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003108225A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Miura Co Ltd 機器の異常原因特定方法およびその装置
JP2003329790A (ja) * 2002-05-08 2003-11-19 Toshiba Corp 原子力プラント構造物の材料劣化評価方法
JP2008064392A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Chugoku Electric Power Co Inc:The 給水加熱器漏洩試験方法
JP2010194215A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Panasonic Corp 洗濯機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003108225A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Miura Co Ltd 機器の異常原因特定方法およびその装置
JP2003329790A (ja) * 2002-05-08 2003-11-19 Toshiba Corp 原子力プラント構造物の材料劣化評価方法
JP2008064392A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Chugoku Electric Power Co Inc:The 給水加熱器漏洩試験方法
JP2010194215A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Panasonic Corp 洗濯機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7065471B2 (en) Method and system for diagnosing state of gas turbine
US7954371B2 (en) Condition monitoring of pumps and pump system
US20040213319A1 (en) System of monitoring operating conditions of rotating equipment
JP2002155708A (ja) 発電プラントのガイダンス提供システムおよび方法
JP3512494B2 (ja) プラント運転支援装置
EP2026159A2 (en) A method and system for automatically evaluating the performance of a power plant machine
JPH05342490A (ja) プラント構成機器の保守・診断装置
US20090125206A1 (en) Automatic detection and notification of turbine internal component degradation
JP2013096838A (ja) 原子力プラントの非常用安全システム試験方法及び原子力プラントの非常用安全システム試験装置
JPH06313734A (ja) プラントの設備診断方法と装置
JP2002062934A (ja) 設備点検端末
JP3103193B2 (ja) 回転機械の診断装置
JPH05312690A (ja) 回転機械の監視装置
JP2954613B2 (ja) プラント寿命診断支援装置
JP2003344150A (ja) 回転機械の軸振動解析による状態診断方法及び装置
CN111539695B (zh) 一种基于电厂信息系统的配置风险评价数据自动获取系统
JP2001134314A (ja) プラント運転支援システム
JPH10502718A (ja) タービン設備の運転特性の診断および予測方法および装置
JP2003193808A (ja) 発電プラントの診断方法および診断システム
JPH0526784A (ja) 建設用作業機械の故障発生集中管理方法
JPH09113673A (ja) プラントの異常監視方法及び異常監視装置
JPH02136713A (ja) プラント設備診断システム
US11530619B1 (en) System and method for automatic detection of unintended forward and reverse rotations in rotating equipment
JPS5857008A (ja) 給水ポンプ及び同駆動タ−ビンの異常診断方法
JP3457413B2 (ja) 回転機械の診断装置